F1オランダGP決勝 ピレリ総括 60回のピットストップと10通りの戦略

F1オランダGP決勝 ピレリ総括 60回のピットストップと10通りの戦略

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F1オランダGP決勝は、実に60回ものピットストップが行われ、約10種類の異なる戦略が展開される戦略戦となった。ピレリは、スタート前の雨によって路面コンディションが想定から大きく変化し、前日までのデータが当てはまらなくなったことが、多彩な戦略を生み出した最大の要因だったと分析している。

ランド・ノリスが勝利を飾ったザントフォールトでの最後のF1オランダGPでは、トップ10のドライバーがすべて異なるタイヤ戦略を採用。

ミディアム、ハード、ソフトの全3コンパウンドが有効に機能し、1ストップでは競争力を維持できないと判断した各チームが、2ストップや3ストップへと戦略を切り替えた。

赤旗を境に大きく分岐したタイヤ戦略
レース序盤に赤旗が提示されたことで、多くのドライバーがスタート時とは異なるコンパウンドへ交換した。グリッドではミディアムとソフトが中心だったが、この中断を境に戦略は大きく枝分かれしていった。

ミディアムでスタートしたノリスは赤旗中にソフトへ交換。その後は2度ピットストップを行い、いずれもハードを装着して勝利をつかんだ。

キミ・アントネッリとジョージ・ラッセルもミディアムでスタートしたが、赤旗中にはタイヤを交換せず、そのまま使用を継続した。アントネッリはその後、新品ハードへ2度交換し、バーチャルセーフティカー(VSC)導入時には中古ソフトへスイッチ。ラッセルも似た戦略を採用したが、最後のストップはVSC下ではなかった。

フェラーリ勢は2台とも赤旗後の再スタートでソフトを選択したが、その後はルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールで戦略が分かれた。

5位のルクレールはミディアム、ハード、ソフトと3種類すべてのコンパウンドを使用。一方、4位のハミルトンは最終ピットストップを行わず、第3スティントをハード、第4スティントをソフトで走る戦略を採った。

アロンソは1回のピットストップを節約して9位
フェルナンド・アロンソは赤旗中に新品ソフトを装着し、その後はハードへ交換するだけの戦略を選択した。

この戦略によって他の多くのドライバーよりピットストップを1回少なくすることに成功し、9位でフィニッシュ。アストンマーティンに2ポイントをもたらした。

レースでは3種類すべてのコンパウンドが使用され、ソフトではアロンソが最長となる32周を走行。ミディアムではアービッド・リンドブラッドが31周、ハードではカルロス・サインツJr.が35周の最長スティントを記録した。

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ピレリ「前日までの状況とはまったく違った」
ピレリ・モータースポーツディレクターのダリオ・マラフスキは、スタート前の予想外の雨がタイヤ戦略を大きく左右したと説明した。

「ザントフォールトでの最後のレースは、紆余曲折に富み、特に戦略面では非常に予測困難なものになった。用意した3種類すべてのコンパウンドが使われた」

「それまでのセッションで見えていた状況は、最終的にチームにとって正確なものではなかった。新たな要素を踏まえてグランプリへのアプローチを見直さなければならず、2ストップまたは3ストップ戦略へ向かうことになった」

最大の要因のひとつが天候だった。

「天候が大きな役割を果たした。スタート前に予想外の雨が降ったことで、想定していたような路面の進化が起こらず、温度の状況も変わった。土曜日のスプリントと比べて明らかに高くなっていた」

前日までは比較的小さいと考えられていたタイヤのデグラデーションも、決勝では状況が一変した。

「前日まで比較的限定的に見えていたタイヤのデグラデーションは、かなり大きなものになった。雨によって路面コンディションが悪化し、特に滑りやすくなったことで摩耗が増加したことが主な理由だ」

1ストップは競争力を維持できないと判断
赤旗後のスティントを終えた段階で、各チームは1ストップ戦略では最後まで競争力を維持することが難しいと判断したという。

「再スタート後のスティントを走った段階で、チームは1ストップ戦略では競争力を維持できないコンディションだとすぐに理解した」

「コース上で起きた出来事にも影響されながら、それぞれのドライバーにとって最も効果的なタイヤの組み合わせを探すことになった」

その結果、最初の赤旗後には約10種類もの異なる戦略が生まれた。

「最初の赤旗後には、ほぼ10種類の異なる戦略が生まれ、トップチームの間でもかなりの違いが見られた」

「例えば、ローソンはハードを使用せず、マクラーレンは最初のスタート以降、再びミディアムを装着しなかった。一方でルクレールのように、用意された3種類すべてのコンパウンドを使用したドライバーもいた」

全3コンパウンドがそれぞれの条件で機能
マラフスキは、ソフト、ミディアム、ハードのすべてが特定の条件下で有効に機能したことが、戦略的に興味深いレースにつながったと評価した。

「その結果、戦略面で非常に興味深いグランプリになった。各チームはそれぞれのコンパウンドの特性を活用することができ、すべてのタイヤが特定の条件では効果的だった」

「各チームは、それぞれのマシンの長所を最大限に生かすために最適なタイヤを見極めることができた」

特に終盤のソフトタイヤの使い方が、その象徴だったという。

「その点を特によく示していたのが、終盤にアントネッリとフェラーリの2人がソフトを使用したことだ。これによって直接のライバルとの差を縮めることができ、アントネッリの場合はチームメイトからポジションをひとつ奪うことさえできた」

スタート前の雨によって、それまで積み上げられてきたタイヤデータの前提が崩れたF1オランダGP決勝。60回ものピットストップと約10種類の戦略が生まれ、ザントフォールトでの最後のグランプリは、タイヤ戦略という面でも極めて変化に富んだ一戦となった。