レッドブルのアイザック・ハジャーがF1オランダGPを欠場する原因となった手首の負傷について、より詳しい状況が明らかになった。負傷は軽度の骨折とみられ、順調に回復すれば9月6日のF1イタリアGPで復帰できる見通しだという。
ハジャーはF1のサマーブレイク中、トレーニングの一環として行っていたボクシングで手首を負傷。ザントフォールトでのオランダGPを欠場することになり、レッドブルではリアム・ローソンが代役を務めている。
ハジャーの負傷は「軽いひび」 悪化を避けるため欠場
Sky Sports F1のクレイグ・スレーターによると、ハジャーの負傷は当初懸念されたほど深刻なものではなく、手首に生じた軽度の骨折だという。
「ハジャー陣営からもう少し詳しい話を聞くことができた」とスレーターはオランダGPの中継で説明した。
「負傷したのは先週後半で、通常のトレーニングセッション中だったと考えられている。彼は週に3日ジムで行っているものと違うことをしていたわけではない」
ハジャーは普段からトレーニングの一環としてミット打ちやボクシングを取り入れている。ただし、パンチを打った瞬間に負傷したわけではなかったという。
「彼は普段からミット打ちやボクシング、バッグを叩くトレーニングをしている。ただ、バッグを叩いたときに痛みを感じたわけではない。翌朝になって違和感に気づき、医師の診察を受けた」
診察の結果、手首にわずかな骨折が確認された。
「軽い負傷で、ヘアラインクラック(ごく細いひび)だ。チームドクターに相談し、手の専門医にも診てもらった。今週末レースに出ないのは、状態を悪化させるリスクを避けるための予防措置だ」
つまり、オランダGP欠場は長期離脱を余儀なくされるほど深刻な負傷によるものではなく、今後の悪化を防ぐことを優先した判断ということになる。
負傷に気づいたのは翌朝 ボクシング中の直接的な事故ではない
今回の負傷については、ハジャーがボクシングのトレーニング中にパンチを打って手首を骨折したとの見方もあった。しかし、スレーターが得た情報では、明確な負傷の瞬間は確認されていない。
「少し奇妙なケースだった。ただ、バッグを叩いて手を痛めたということではない。翌朝になって症状が出てきたものだ」
ハジャー自身も金曜日にはザントフォールトのF1パドックを訪れており、現地で姿を見せている。その際には左手を袖で覆っていた。
こうした状況からも、完全な安静や長期療養を必要とする重傷ではないとみられる。一方、F1マシンのステアリングから手首にかかる負荷は大きく、わずかな骨折でも悪化すればその後のレース出場に影響する可能性がある。そのためレッドブルはザントフォールトで無理をさせない判断を下したと考えられる。
9月6日のF1イタリアGPで復帰する見込み
現時点で最も重要なのは、ハジャーの復帰時期だ。スレーターによれば、順調に回復すれば次戦イタリアGPには出場できると考えられている。
「彼はレースウイークエンド中もここにいる予定だ。すべて順調にいけば、モンツァには戻ってこられるはずだと聞いている」
オランダGPの次戦となるF1イタリアGPは9月6日にモンツァで決勝が行われる。ザントフォールトを欠場することで約2週間の回復期間を確保できるため、現時点ではモンツァでの復帰が有力視されている。
ただし、これは正式な出場決定ではない。手首の回復状態を確認したうえで最終的な判断が下されることになる。
マルク・マルケスも「復帰を急がないように」と助言
フランスのCanal+によると、MotoGPで数々の負傷を経験してきたマルク・マルケスもハジャーに対し、手首の回復を急がないよう助言したという。
モータースポーツでは手や手首への負傷がドライビングに直接影響する。特にF1では高速コーナーで大きなステアリング荷重がかかるほか、縁石からの衝撃も手首を通じて伝わる。軽度の骨折であっても、十分に治癒しない状態で復帰すれば悪化するリスクがある。
レッドブルがオランダGPでハジャーを休ませた背景にも、1戦の出場を優先して負傷を長引かせるより、完全な回復を待つ方が得策との判断がある。

ローソンがレッドブル 角田裕毅がレーシングブルズで代役
ハジャーの欠場によって、レッドブルのドライバーラインアップも急きょ変更された。
リアム・ローソンは、英国に戻った直後にレーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインから連絡を受けたという。
「文字どおり着陸したばかりで、まだ飛行機から降りてもいなかった」とローソンは振り返った。
「休暇を終えて英国に戻り、当然レーシングブルズでの準備をするつもりだった。アランから電話がかかってきて、何が起きているのかを説明された。それで僕の1週間の予定は一気に変わった」
ローソンがレッドブルへ移ったことで空いたレーシングブルズのシートには角田裕毅が起用された。結果としてハジャーの負傷は、ローソンのレッドブル復帰と角田裕毅のF1復帰という2つのドライバー変更につながった。
ハジャーの負傷は「軽いひび」とされ、オランダGP欠場はあくまで悪化を防ぐための予防措置とみられている。現時点ではモンツァでのF1イタリアGP復帰が期待されているが、焦って復帰することなく、手首がF1マシンの負荷に耐えられる状態まで回復しているかが最終判断のポイントとなる。
