マックス・フェルスタッペンは、フェルナンド・アロンソのF1での将来について、自身とは置かれている状況が異なると語った。45歳のアロンソにとって、F1を続けるかどうかの決断は、28歳の自分よりも「おそらく簡単」だという。
2026年に導入された新レギュレーションに対しては、フェルスタッペンとアロンソの双方がこれまで率直に不満を示してきた。ともに来季以降の去就には不透明な部分があり、その判断にはマシンを運転する楽しさが大きく影響している。
アロンソ「順位ではなく楽しめるか」で将来を判断
アロンソは先月、自身のF1での将来について、アストンマーティンが競争力を取り戻せるかどうかだけで判断するつもりはないと説明していた。
重要なのは、自分がマシンを楽しんでドライブできるかどうかだという。
2026年のF1では新たな技術レギュレーションが導入されたが、アロンソはその方向性に必ずしも満足していない。フェルスタッペンも同様で、新世代マシンへの不満を公然と口にしてきた。
アロンソの考えについて尋ねられたフェルスタッペンは、その気持ちはよく理解できると語った。
「彼には完全に同意するよ。これは自分たちが望んでいるものではない」
その一方で、キャリアの段階という意味では、自分とアロンソには大きな違いがあると指摘する。
「もちろん、フェルナンドは45歳だから、『もう辞める』と言うのは、おそらく彼の方が簡単だと思う。基本的には、もうキャリアを十分にやり遂げているからね」
「僕としては、フェルナンドには60歳までレースをしていてほしいけど、それがF1で現実的だとは思わない」
「アロンソが21番手にいるべきではない」
フェルスタッペンは、アロンソが現在置かれている状況そのものにも同情を示した。
長年F1で戦ってきた純粋なレーサーにとって、レギュレーションを楽しめず、さらに競争力のないマシンで戦うことは簡単ではないという。
「本物のレーサーにとっては厳しいよ。特に今のレギュレーションを楽しめていなくて、しかも競争力がない状況なら、本当に難しい」
そして、アロンソの実力と現在の順位は釣り合っていないとの考えを強調した。
「だって、フェルナンドが21番手にいるなんてふさわしくない。フェルナンドなら最低でもトップ5にいるべきだよ」
この発言には、単なる同情以上の意味がある。フェルスタッペン自身、アロンソを現役F1ドライバーの中でも高く評価してきた。現在の成績だけを見て、アロンソ自身の能力が衰えたと判断しているわけではない。

フェルスタッペン自身にもF1離脱の可能性
一方、フェルスタッペン自身の将来も完全に確定しているわけではない。
契約上は2028年末までレッドブル・レーシングに所属することになっているが、来季について明確なコミットメントを示しておらず、これまでもF1をいつまで続けるかについて慎重な姿勢を見せてきた。
特に2026年の新レギュレーションについては、シーズンを通して批判的な発言を続けている。
過去には、F1の方向性次第では早期に競技を離れる可能性も示唆してきた。ただし、28歳のフェルスタッペンは、自分と45歳のアロンソを単純に比較することはできないと考えている。
「僕はもちろん28歳だから、少し状況が違う」
「辞めようと思えば簡単に辞められる。それ自体は問題じゃない。でも、僕はレースが大好きなんだ」
「だから今あるもので何とかやろうとしている。たとえ今のものが、僕の好きなものではなかったとしてもね」
異なるキャリア段階でも共通する新世代F1への違和感
アロンソとフェルスタッペンでは年齢もキャリアの段階も大きく異なる。アロンソはすでに2度のF1ワールドチャンピオンを獲得し、45歳までトップカテゴリーで戦い続けてきた。一方のフェルスタッペンは28歳で、まだ長いキャリアを続けることも可能だ。
それでも両者に共通しているのは、F1に残ること自体を目的としていない点だ。
アロンソはマシンをドライブする喜びを重視し、フェルスタッペンも「レースが大好き」だからこそ現在のF1と向き合っている。
フェルスタッペンの発言は、アロンソの引退が近いと断定したものではない。むしろ、45歳までF1で戦ってきたアロンソには、自分自身が楽しめないと感じたときにキャリアを終えるという選択をしやすい立場にある、という見方だ。
そして28歳のフェルスタッペンもまた、今のF1を好んでいないことを隠してはいない。世代もキャリアも異なる2人のワールドチャンピオンが、同じ2026年レギュレーションに違和感を抱いていることは、今後のF1にとって無視できないテーマになりそうだ。
