レーシングブルズのリアム・ローソンは、2026年F1シーズン前半戦でチームが予想以上の競争力を発揮したことに手応えを示した。開幕当初はVCARB 03の難しさから「自信はなかった」と振り返る一方、早い段階で開発の方向性を確立し、マシンから最大限のパフォーマンスを引き出せるようになったと語っている。
ローソンは11戦中8戦でポイントを獲得し、ドライバーズランキングではトップ4チームの8人に続く9位につけている。
レーシングブルズもコンストラクターズランキング5位まで浮上しており、ファエンツァを拠点とするチームにとって過去最高となる年間順位が現実的な目標になりつつある。
開幕前は「どれほど強いのか分からなかった」
シーズンが始まる前、ローソン自身もレーシングブルズがここまで競争力を発揮できるとは確信していなかったという。特に新レギュレーションが導入された2026年は、VCARB 03の特性を理解することから始めなければならなかった。
「正直に言えば、年初の時点では僕たちにもよく分かっていなかったと思う。かなり不確かな感覚で、どれくらい強くなれるのか分からなかった」
「年初はマシンが難しかったので、シーズンがどうなるのかについて僕はまったく自信がなかった。ただ、新しいレギュレーションをしっかり理解して、そこからどう最大限を引き出すかということに集中していた」
しかし、チームはVCARB 03への理解を急速に深めていった。
「そこから僕たちはかなり早い段階でマシンから多くのパフォーマンスを引き出せるようになった。それが本当にうまく機能した」
その成果は早くも中国GPで表れ、ローソンは7位入賞を果たした。この結果をきっかけにチームは勢いを増し、シーズンが進むにつれてランキング5位まで浮上した。
開発の方向性を早期に確立「すべてがうまく機能した」
ローソンは、シーズン序盤に正しい開発方向を見つけられたことが現在の好調につながっていると考えている。
「とても重要だったと思う。かなり早い段階で良い方向性を見つけることができたし、それ以降に開発して製造してきたものは、どれも本当にうまく機能している」
「もちろん、誰だって良い結果を出すのは好きだし、それによってチームのモチベーションも非常に高い状態に保たれていると思う」
レーシングブルズはその後も安定してトップ10争いに加わった。ローソン自身、特定の1戦だけが突出していたというより、週末を通して着実にパフォーマンスを高めることが好結果につながっていると説明する。
「とても良いレースはいくつかあった。モナコは本当に力強かったし、オーストリアも素晴らしかった。シルバーストンも良かった」
「でも正直なところ、どの週末もかなり似ていた。週末が進むにつれて僕たちは強くなっていって、そのたびにマシンから引き出せるものをすべて引き出せたと感じている」
好結果よりも苦戦した週末から学ぶ
ローソンにとって、むしろ印象に残っているのは思うような結果を残せなかったレースだという。
「かなりクリーンなレースができているので、逆に目立つのはうまくいかなかったレースかもしれない。それが少ないというのは良いことだけど、当然ながら、そういう週末から一番多くを学ばなければならない」
具体的に挙げたのがマイアミGPとベルギーGPだった。
「マイアミでは週末を通して全体的にペースが足りなかった。それからスパも、特に僕のガレージ側では難しい週末だった」
「そういうレースを深く分析して、もっと理解しなければならない」
一方、モナコGPとイギリスGPでは今季自己最高となる6位を獲得。トップチームとの差も縮まっている。
「トップのドライバーたちからそれほど離れていなかった。数レース前まではものすごく遠かったからね。だから、間違いなく大きく改善している」
速さはもう「驚きではない」
シーズン序盤こそVCARB 03のポテンシャルはローソンにとって驚きだった。しかし、好結果を繰り返すにつれて、その競争力を当然のように発揮できる状態へと変わってきたという。
「最初にパフォーマンスを見つけ始めたころは、たぶん驚きの方が大きかった。でも、それ以降は正直、それほど驚くことではなくなった」
「みんなが本当に良い仕事をしているし、マシンに何が必要なのかをしっかり理解できている。ドライバーとしても、週末を重ねるたびにマシンからすべてを引き出す方法をより理解できるようになっている」
「それができれば、僕たちには強力なパッケージがあることが分かっている。だからもう驚きではない。必ずそうなると期待しているわけではないけど、自分たちに実現できることだとは分かっている」
「今年は何度もそれを実現してきたし、これからも繰り返していきたい」
リンドブラッドとの共通認識もチームを後押し
ローソンだけでなく、チームメイトのアービッド・リンドブラッドもVCARB 03で好パフォーマンスを見せている。レーシングブルズは直近6戦のうち5戦でダブル入賞を達成している。
「正直、チームは本当に良い流れに乗っていると思う。アービッドはもちろんとても速いし、僕たちはかなり似ている」
「マシンについて感じていることも、おそらく僕と似ている。それもチームが進む方向性を決めるうえで助けになっていると思うし、すごく良い状態だと思う」
ローソン自身も、これまでのF1キャリアで現在が最も快適に戦えていると認める。
「そうだね。当然、経験を積めば積むほどそうなっていくものだと思う。でも今年は結果も良くなっているし、それによって良い流れに乗っていると感じられる」

安定感を生んだ経験「レースは1コーナーでは決まらない」
今季のローソンは速さだけでなく安定感も高まっている。その背景には、レース以外の部分で積み重ねてきた経験があるという。
「それは表に見えないところで取り組んできた成長だと思う。個人的には経験が増えたこともあるし、レースは長くて、最初のコーナーで勝負が決まるわけではないということも理解するようになった」
「いろいろなことが今の安定感につながっていると思う」
夏休みについては、過密な前半戦を終えたチームにとって必要な時間だとしながらも、好調なだけに早くレースへ戻りたい気持ちもある。
「みんなにとって休むのは良いことだと思う。この時期はかなり忙しかったからね」
「でも当然、僕はレースが好きだし、特にうまくいっているときはなおさらだ。休み明けには楽しみなレースがいくつもあるし、そこに飛び込んでいくのが待ちきれない」
目標はレーシングブルズを「中団トップ」に
後半戦に向けてローソンが掲げる個人的な目標は、具体的なランキング順位ではない。可能な限り多くの週末でポイントを獲得し、VCARB 03の能力を最大限に引き出すことだ。
「個人的な目標としては、できるだけ多くの週末でポイントを獲得して、マシンから引き出せるものをすべて引き出すこと。それで年末にどの順位にいるかは、その結果として決まるものだと思う」
「大切なのは、自分にできることをすべてやったと分かっていることだ」
中団争いでは、レースごとの勢力図の変化が大きいため、特定の順位を目標にすることには意味がないとも考えている。
「具体的に何位を狙っているというものはない。F1でそういう期待を持つのはすごく難しい。特に中団にいるとね」
「でも、僕たちが中団でベストのチームになれるなら、ドライバーとしても自分たちの仕事を果たしたと言えると思う」
開幕時にはVCARB 03の難しさからシーズンへの自信を持てなかったローソンだが、11戦を終えた現在、その評価は大きく変わった。開発の方向性、ドライバー同士のフィードバック、週末を通じたマシン理解が噛み合い、レーシングブルズは中団トップを争う存在へと成長。ランキング5位を守り切れるかが、後半戦の大きな焦点となる。
