カテゴリー: WRC (世界ラリー選手権)

  • トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ2 レポート

    トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ2 レポート

    4月24日(土)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦クロアチア・ラリーの競技2日目デイ2が、首都ザグレブのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が前日の総合2位から首位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位から総合2位に、それぞれ順位を上げた。

    クロアチア・ラリーの2日日は、サービスパークの南西エリアで4本のターマック(舗装路)ステージを各2回走行。8本のステージの合計距離は121.92kmと、今大会最長の1日だった。前日に続きステージの上空には青空が広がり、ステージコンディションは1日を通してドライ。ヤリスWRCは全車がスペア1本を含む5本のハードタイヤを選択して午前のステージに臨んだ。首位のライバルとは異なるタイヤ選択だったが、オジエはまずオープニングのSS9でベストタイムを記録。順位をひとつ上げて首位に立った。さらにSS12でもベストタイムを刻み、SS11を制した総合2位のエバンスに7秒差を築いて午前中のステージを終えた。

    午後の再走ステージ1本目、オジエは右フロントタイヤにダメージを負いやや遅れをとったが、SS15でライバルとベストタイムを分け合い、さらにSS16でこの日4本目のベストタイムをマーク。エバンスに6.9秒差、総合3位のライバルに10.4秒差をつけて長い1日を終えた。

    なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、SS10で今大会初のSSベストタイムをマーク。続くSS11では3番手タイムを刻み、さらにSS14で2回目のベストタイムを記録するなど1日を通してトップドライバーに匹敵する速さを示し、前日の総合9位から総合7位へと順位を上げた。勝田の活躍もあり、ヤリスWRCはデイ2の8本のステージのうち、7ステージでベストタイムを記録した。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    今日の結果にはとても満足しています。セブもエルフィンも本当に頑張ってくれましたし、今朝はすぐに1-2体制を築くことができました。それに加え、貴元も素晴らしいステージタイムを記録しました。彼の成長を見ることができて本当に嬉しかったです。そして、選手だけでなく、チームのみんなや、正しいタイヤ選択のために必要な情報を伝えてくれたルートノートクルー(グラベルクルー)にも感謝しています。クルマの調子は良く、ドライバーも概ねセットアップに満足していたので、運転だけに集中できる環境が整ったと思います。あとは、この良い状態を明日も維持するだけです。明日はかなり大変な1日になるでしょうし、最後のパワーステージは今大会もっとも難しいステージになるかもしれないので、最後までビッグチャレンジが続くと思います。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    今日は、良いリズムで走り続けることができて、とても好調でした。午前中は正しいタイヤを選んだと思いますし、クルマのフィーリングも最高でした。その結果トップに立ちましたが、差はそれほど大きくありませんでした。午後最初のステージではタイヤの空気が抜け10秒程度失いましたが、それでも素晴らしいリズムで走れたのはポジティブなことですし、首位を守ることもできました。とはいえリードは十分ではないので明日も攻め続けなければなりません。ステージはまだ80km近く残っていますし、上位3台が10秒以内にいるので、明日もエキサイティングな戦いになるでしょう。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    今朝のステージはチーム全体がとても好調でしたが、セブは私よりも少し速かったと思います。昨晩、クルマのセットアップを変更して今朝のステージに臨んだのですが、路面がダーティなセクションにはあまりマッチしませんでした。午後は、1本目こそ満足できるタイムではなかったですが、それ以降のステージは良かったと思います。セッティングを変更したことにより、自信を持って走ることができました。ラリーを戦いながらいろいろ試してきましたが、ようやく満足できるセッティングを見つけることができたので、明日が楽しみです。明日の最終日は、他のラリーの日曜日とやや異なり、非常に難しいステージを2回走ります。走行距離も長いですし、勝負は最後まで続くでしょう。

    クロアチア・ラリー デイ2の結果
    1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 2h06m35.8s
    2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +6.9s
    3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +10.4s
    4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +37.8s
    5 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +1m29.5s
    6 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +2m23.8s
    7 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +2m46.5s
    8 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +3m51.8s
    9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2) +7m06.0s
    10テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +8m09.6s
    (現地時間4月24日18時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

    明日のステージ情報
    ラリー最終日となる4月25日(日)のデイ3は、サービスパークの北側で日中のサービスを挟むことなく2本のステージを各2回走行。SS17とその再走ステージであるSS19は、今大会最長となる全長25.20kmのロングステージ。また。最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSの合計距離は78.58kmと、最終日としてはかなり長い距離を走行。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は325.13kmとなる。

  • トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ1 レポート

    トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー デイ1 レポート

    4月23日(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦クロアチア・ラリーが開幕。首都ザグレブのサービスパークを中心に8本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位につけた。なお、開幕2戦が終了した段階でWRC史上最年少でドライバーズ選手権首位に立っていたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は、コースオフによりリタイアとなった。

    WRC初開催となるクロアチア・ラリーの初日は、サービスパークの南西エリアで4本のステージを各2回走行。8本のステージの合計距離は99.82kmだった。WRCでターマック(舗装路)のステージだけを走行する「フルターマックラリー」が行われるのは2019年の8月以来であり、WRC初開催イベントであることに加え、今シーズンから新たにワンメイクタイヤとなったピレリ・タイヤを履いてのラリーとなるため、各チームともデータが十分ではない状態で競技初日を迎えた。夜中に降った雨は朝までに上がり、金曜日は早朝から好天に恵まれた。しかし、午前中のステージに関しては一部に濡れた路面が残り、また、ドライ路面であっても舗装の状態が刻々と変化する、非常にトリッキーなコンディションとなった。

    開幕2戦が終了した時点でドライバー選手権3位につけているオジエは、午前中のSS3でエバンスとベストタイムを分け合った。さらに、午後の再走ステージではSS6、7、8と3ステージ連続でベストタイムをマーク。記念すべきキャリア通算600本目のベストタイムを記録し、エバンスを抜いて首位と7.7秒差の総合2位でデイ1を走破した。

    ドライバー選手権でオジエと同ポイントのエバンスは、3本のステージで2番手タイムを刻み、SS3ではオジエとベストタイムをシェア。1日を通して安定した走りを続け、オジエと僅か0.3秒差の総合3位につけた。また、ロバンペラはドライバー選手権のリーダーとして1番手でSS1に臨んだが、ステージ終盤の非常に滑りやすい右コーナーでコースオフ。ロバンペラとコ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンに怪我はなかったが、クラッシュによるダメージがクルマのロールケージにまで及んだため、競技続行は不可能となりラリーからリタイアすることになった。

    なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元はSS3終了時点で総合7位につけていた。しかし、その後ジャンクションでのオーバーシュートやエンジンのストールによって遅れ、総合9位で初日を終えた。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    今日の結果には概ね満足しています。戦いは非常に激しく、セバスチャンとエルフィンは首位のライバルを追い続けましたが、特に午後の再走ステージはとても良かったと思います。午前中のステージは予想していたように難しく、ステージは路面のグリップ変化が多く、ドライバーは大変だったと思います。しかし、サービスでセットアップを少し変更したところ、彼らはクルマに対して自信を持つことができたようです。明日、首位に挑むために非常にいい位置につけていると思います。残念ながら、カッレはこのラリーで多くの経験を積むことができませんでした。彼がコースオフしたのは非常にトリッキーな場所で、このようなことは十分起こり得るものです。何よりも重要なのは、カッレとヨンネが無事だったことです。あとはただ、前に進むしかありません。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    今朝は難しいスタートになりましたが、その後挽回することができたので満足しています。最初のステージでは、カッレがコースオフしたコーナーと同じ場所で、私も危ない目に遭いかけました。驚いたことに、そのコーナーは他よりもさらに滑りやすく、コーナリングラインがワイドに膨らみ、不運にもタイヤがホイールのリムから外れタイムを失ってしまいました。また、今朝はラリー前のテストで試していなかったセットアップで走りましたが、あまり満足することができず、その後サービスで経験のあるセットアップに戻したところ、すぐにフィーリングが好転しました。午後は調子が良く、首位戦いに参加できたので、明日もこの勢いを保ち続けたいと思います。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    完璧なラリー初日ではありませんでしたが、全体的には順調な1日だったと思います。午前中のステージは非常に難しくコンディションも変わりやすかったですが、とても良かったと思います。午後も悪くはなかったのですが、どのステージも数秒ずつ遅れ、特に午後好調だったセブと比べると差がついてしまいました。とはいえ全体的にクルマの調子は良く、明日に向けていくつか改善策を考えていますし、もちろん明日も戦い続けます。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    今日の1本目は非常にトリッキーで滑りやすく、アンダーステアが出やすいステージでした。ステージ終盤のダウンヒル区間でも攻め続けていたのですが、高速の右コーナーがとても滑りやすく、少し進入スピードが高すぎたこともあり、タイヤのグリップを失ってコースを外れ、大きなクラッシュを喫してしまいました。私とヨンネが無事だったのは不幸中の幸いでしたが、チームに対しては本当に申し訳なく思います。コースオフは自分のミスによるものですし、今後のためにこの経験から学ばなくてはなりません。

    クロアチア・ラリー デイ1の結果
    1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 55m36.8s
    2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +7.7s
    3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +8.0s
    4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +31.9s
    5 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +54.8s
    6 アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +1m14.7s
    7 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +1m21.7s
    8 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m31.5s
    9 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +2m23.2s
    10 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3 R5) +3m17.6s
    R カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC)

    明日のステージ情報
    競技2日目となる4月24日(土)のデイ2は、サービスパークの南西エリアで、4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は121.92kmと、今大会最長1日となる。また、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は458.37kmとなる。

  • トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー プレビュー

    トヨタ:WRC 第3戦 クロアチア・ラリー プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、4月22日(木)から25日(日)にかけてクロアチアの首都ザグレブを中心に開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「クロアチア・ラリー」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦。WRC初開催となるターマック(舗装路)ラリーで総合優勝を目指す。

    WRC初開催となった第2戦アークティック・ラリー・フィンランドが終了した時点で、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を堅持。ドライバー選手権では20才のロバンペラがWRC史上最年少記録でトップに立つなど、開幕2戦を順調に戦い終えた。また、オジエとエバンスは、首位ロバンペラと8ポイント差で、それぞれドライバー選手権3位と4位につけている。そしていよいよ、WRCは2ヶ月近いインターバルを経て東欧のクロアチアでシーズンが再開する。クロアチアでWRCが開催されるのは今回が初めてであり、雪道や未舗装路を走行しない純粋な「フルターマックラリー」は、2019年8月のラリー・ドイチェランド以来となる。

    クロアチア・ラリーのステージは、道幅が広く流れるような中高速コーナーが続くセクションや、狭くツイスティなコーナーが連続するテクニカルなセクションなどバリエーション豊かだ。また、路面はフラットでスムーズなところもあれば、舗装が古くなり荒れているところもある。そのため、選手もクルマも様々なコンディションに柔軟に対応しなくてはならない。

    クロアチア・ラリーの中心となるサービスパークは、首都ザグレブに置かれ、22日(木)朝のシェイクダウンが最初の走行となる。競技は翌23日(金)からスタート。ザグレブの南西エリアで4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行する。24日(土)もザグレブの南西エリアが戦いの舞台となり、4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。その合計距離は121.92kmと、今大会最長の1日となる。最終日の25日(日)は、ザグレブの北側で日中のサービスを挟むことなく2本のステージを各2回走行。最終ステージとなるSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。ステージは全部で20本、計300.32km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1279.87kmが予定されている。

    なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、今季WRC全戦に出場する勝田貴元は、連続で総合6位に入った開幕2戦に続き、今大会もヤリスWRCで参戦する。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    WRC初開催のクロアチアは、とてもハイスピードなターマックラリーのようなので楽しみです。路面は変化にとんでおり、荒れて滑りやすい場所もありそうなので、ドライバーにとっては難しいチャレンジになるでしょう。最近のモンツァやモンテカルロの結果でも分かるように、ヤリスWRCはターマックラリーでとても強いですが、だからといってそれが当然のことだとは思っていませんし、成功するためには努力が必要です。クロアチアでは計6日間テストを行い、ラリーで走行するであろう道と、できるだけ似た道を走るようにしました。クルマについては既に深く理解していますし、セットアップを大きく進化させ続けるのは簡単ではないので、新しいピレリタイヤの性能を最大限に引き出すことに集中してテストに取り組みました。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    クロアチアは新しいラリーですが、私としてはキャリアのこの段階に至ってなお、新しい発見をできることにワクワクしています。今回のクロアチアのような完全なターマックラリーに出場するのは久しぶりですが、ターマックでのヤリスWRCの走りは素晴らしいので、きっと楽しめるはずです。これまで見てきたところ、かなり難しい道が多いように思いますし、狭くてダーティな道もありそうなので、色々なことが起きるでしょう。今シーズンはタイヤが新しくなったため、イベント前のテストがとても重要でしたし、スリックタイヤでドライのターマックを走る最初の機会でした。何度も走ってあらゆるタイヤの組み合わせを試し、ラリー中にベストな選択ができるように準備を進めました。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    クロアチアは新しい大会なので、どうなるのか予想がつきません。ステージの映像を見ることによって、可能な限り多くのことを学ぶことができましたが、それでも実際にレッキ(ステージの下見走行)に参加し、自分の目でルートを見ることにはかないません。ステージは道幅が広い高速なセクションと、狭くて凹凸のあるセクションが混在していて、イン側の道路外にタイヤを落としてショートカットするようなコーナーも多くありそうなので、様々な路面や異なる特徴のステージに上手く対処する必要があります。このクルマと新しいピレリタイヤでドライコンディションのターマックを走る経験はこれまであまりなかったので、テストでは色々なセッティングを試しましたが、走り始めてすぐに良いフィーリングを得ることができました。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    良い形でシーズンをスタートできて非常に満足していますし、この調子を保ち続けたいと思っています。ドライバー選手権をリードしてはいますが、プレッシャーは少しも感じていません。まだ2戦しか終えていませんし、この先長いシーズンが待っています。もちろん、現時点でこの位置につけているのは素晴らしいことですが、この先も戦い続けるためには努力しなければなりません。これまでターマックラリーであっても、モンツァやモンテカルロのように雪道も走るラリーにしか出たことがなかったので、今回クロアチアで初めて純粋なターマックラリーにヤリスWRCで出場できることになり楽しみです。テストの時のような、ドライ路面での戦いになることを期待しています。ステージはとても良さそうですが、もし雨が降ったら、多くの泥が道に流れ出て厄介なことになるでしょう。

  • トヨタ:WRC 第2戦 豊田章男チームオーナー コメント

    トヨタ:WRC 第2戦 豊田章男チームオーナー コメント

    豊田 章男(チームオーナー)
    チームのみんな、雪の中のラリーフィンランドおつかれさまでした。

    カッレ、ヨンネ、2位獲得、パワーステージ1位獲得、そして、選手権ポイント首位おめでとう!エルフィン、スコットも5位でポイントを獲得してくれました。その仕事のおかげで、チームとしても首位キープができています。ありがとう!

    今回は我々の地元フィンランドでの戦いでした。雪道のラリーがスウェーデンからフィンランドに移り、1つ増えたホームラリーで、チームは、なんとしても勝ちたいと思っていたはずです。ですので、ラリー直後に、チームから私に送られてきたメールの一言目は 「優勝を逃してすみません」でした
    。
    途中でデイリタイアを喫したセブも、一番悔しいのは自分であるはずなのに、コースオフしてチームに戻ってきた時の一言目は「申し訳ない」だったそうです。
    本当に良いチームと戦えていると思います。チームのみんなに「ありがとう」と、こちらからは返しました。

    改めて言いますが、みんなありがとう!

    今回のラリーは、チームとしては、決してベストコンディションではありませんでした。しかしチームは、起きた事に対して、すぐに優先順位を考えた行動をしてくれました。6位入賞の貴元も含め、こんなコンディションの中でのこの結果には感謝しかありません。

    今シーズンは安全第一に加えて、健康第一も求められます。フィンランドでも3月からロックダウンが始まると聞きました。 健康に留意しながら「もっといいクルマづくり」、そして、「チャンピオン獲得」を目指していきましょう。

    まずは来月のクロアチア戦に向けて、準備を進めてください。5ヶ月後には、もう一度、フィンランドでのホームラリーがあります。8月1日のフィンランドは、またあの場所でチーム全員が笑顔でヤリスを囲むことを願っています。そこには私も、また笑顔で、シャンパンでベタベタになりながら立っていたいと思います。

    ファンの皆さまも健康第一で過ごしながら、引き続きTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの応援をよろしくお願いします。

  • トヨタ:WRC 第2戦アークティック・ラリー・フィンランド デイ3 レポート

    トヨタ:WRC 第2戦アークティック・ラリー・フィンランド デイ3 レポート

    2月28日(日)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦アークティック・ラリー・フィンランドの最終日デイ3が、フィンランド北部ロヴァニエミの南側エリアで行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(ヤリスWRC 69号車)が総合2位で、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位で、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合20位でフィニッシュ。20才のロバンペラは史上最年少記録でドライバー選手権のトップに立ち、チームはマニュファクチャラー選手権で首位を守った。

    競技3日目のデイ3は、サービスパークの南側に展開する全長22.47kmの「アイッタヤルヴィ」を、サービスを挟むことなく2回走行する、2本計44.94kmのステージで戦われた。デイ2終了時点で首位と24.1秒差、総合3位のライバルと1.8秒差の総合2位につけたロバンペラは、デイ3オープニングのSS9で2番手タイムを記録。その再走ステージとなる最終のSS10ではベストタイムをマークし、僅差で迫っていた総合3位のライバルを抑えきることに成功。これまでの自己最高位だった昨年のラリー・スウェーデンでの総合3位を上回る、総合2位でフィニッシュした。最終のSS10は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されており、ベストタイムで最大ボーナスの5ポイントを獲得したロバンペラは、ドライバー選手権で初めて首位に立った。

    総合5位でデイ3に臨んだエバンスは、10.1秒先行する総合4位のライバルを激しくチャージ。SS9では今大会2回目となるベストタイムを記録し、差を3.6秒に縮めました。しかし、最終のパワーステージでは6番手タイムに留まり、逆転には至らず総合5位でフィニッシュ。エバンスとロバンペラが獲得したポイントにより、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を守った。

    デイ2の最終ステージでデイリタイアとなったオジエは、デイ3で再出走。不利な早い出走順での走行となったが、パワーステージでは5番手タイムを記録し、ボーナスの1ポイントを獲得した。その結果、ドライバー選手権首位の座は失ったが、エバンスと同ポイントで、2位のライバルと4ポイント差の3位につけている。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、最終のパワーステージでひとつ順位を上げ、前戦ラリー・モンテカルロに続き総合6位でフィニッシュ。2戦連続で8ポイントを獲得した。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    最終日カッレは総合2位を守り、パワーステージを制し、彼自身とチームのために多くのポイントを獲得するなど、今回のラリーでの彼のパフォーマンスは本当に素晴らしいものでした。エルフィンは総合4位を目指して頑張りましたが、惜しくも届きませんでした。両選手権ともに首位をキープしているので満足するべきでしょうが、当然我々はさらに上の結果を狙っていました。今回はチームにとってホームラリーだったので、優勝を期待していました。今回はクルマのセットアップに少し苦労し、ドライバーはラリーを通して完全にはクルマに満足していませんでした。いくつかのステージでは速かったのですが、競争力のないステージもあったので、その理由を分析しなくてはなりません。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    全体的に厳しい週末でした。できる限りのことはやりましたが、選手権首位でこのラリーに臨む我々にとって、厳しい戦いになることは最初からわかっていました。それでも一生懸命戦ったのですが、昨日の最終ステージでの小さなミスが大きく響き、戦いから遠ざかることになってしまいました。今日のパワーステージは、我々の出走順を考えるとあまり多くを期待できませんでした。路面には依然多くの雪がありましたが、これ以上は不可能なくらい限界ぎりぎりで走った結果、1ポイントを獲得できたのは良かったです。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    最終日は良いスタートを切ることができました。路面のグリップは予想以上に高かったのですが、最初の数コーナー以降は走りのリズムをつかみ、良いタイムが出ました。しかし、その後のパワーステージではベストな走りをできませんでした。フィーリングは良かったのですが、タイムは狙っていたほどは良くありませんでした。正直なところ、このイベントは我々にとってベストなものではなかったと思います。最終結果には失望しています。何度か速く走れた瞬間はありましたが、上位を狙えるほどの安定性はありませんでした。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    2位という結果には本当に満足しています。非常に困難な週末でした。とてもハードに攻めていたので適度なスピードを常に保つことはできませんでしたが、最後まで攻めの走りを続けました。パワーステージでは自分の全てを出し切って走り、それが上手くいき多くのポイントを獲得することができました。初めてドライバー選手権をリードする立場となったことを、嬉しく思います。次のイベントには新たな状況で臨むことになりますが、今までのようにペースを守り、コンスタントに走る必要があります。

    アークティック・ラリー・フィンランド デイ3の結果
    1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 2h03m49.6s
    2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +17.5s
    3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +19.8s
    4 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +52.6s
    5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +1m01.5s
    6 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +1m37.8s
    7 オリバー・ソルベルグ/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m39.0s
    8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC) +2m09.0s
    9 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ WRC) +3m39.4s
    10 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)+6m07.0s
    20 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +11m06.2s
    (現地時間2月28日16時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

    次回のイベント情報
    WRC次戦は、4月22日から25日にかけて開催される、第3戦「クロアチア・ラリー」です。ヨーロッパのバルカン半島の国、クロアチアは以前から熱心にWRCの誘致を進めていたが、今年初めてWRCとして行われることになった。首都ザグレブにサービスパークを置くこのイベントは、フルターマック(舗装路)ラリーとして開催される。

  • トヨタ:WRC 第2戦アークティック・ラリー・フィンランド デイ2 レポート

    トヨタ:WRC 第2戦アークティック・ラリー・フィンランド デイ2 レポート

    2月27日(土)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦アークティック・ラリー・フィンランドのデイ2が、フィンランド北部ロヴァニエミのサービスパークを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(ヤリスWRC 69号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位につけた。なお、総合6位につけていたセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)は、最後のステージで雪壁に当たりスタック。デイリタイアとなり総合22位に順位を下げた。

    デイ2はロヴァニエミの東側エリアで3本のスノーステージを各2回走行。その合計距離は144.04kmと、全競技区間の半分以上の距離を走行する今大会最長の1日となった。デイ1で総合3位につけたロバンペラは、午前中2本目のSS4で2番手タイムを記録し総合2位にポジションアップ。その後、3番手タイムを2回、ベストタイムを1回マークして、首位と24.1秒差の総合2位で長い1日を終えた。エバンスはSS4でベストタイムを、SS5で2番手タイムを記録するなどいくつかのステージで速さを示し、総合5位の座を堅持。総合4位のライバルとは10.1秒と、タイム差はそれほど大きく開いていないため、最終日でのポジションアップを狙う。デイ1で総合9位につけたオジエは、午前中に3番手タイムを2回記録するなど着実にペースを上げ、SS7終了時点で総合6位に順位を上げていた。しかし、デイ2の最終ステージであるSS8のフィニッシュ直前でクルマの姿勢が乱れ雪壁に激突。スタック状態となりデイリタイアとなった。ただし、クルマに大きなダメージはなく、オジエは最終日のデイ3に再出走してポイント獲得を目指す。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、総合6位争いに加わりながら、総合7位の座を堅持した。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    今日は非常に調子の良いステージもあれば、そうでもないステージもありました。それでも、カッレは僅差の2位争いをしていますし、最終日は非常に興味深い展開になると思います。明日は彼のドライビングスタイルに合ったステージだと思うので、このまま最後まで順位を守ってくれることを期待しています。エルフィンが順位を上げるのはかなり大変だと思いますが、できるだけ多くのポイントを獲得できればと思います。最後のステージでセブはクルマのリアを雪壁に当て、その反動でフロントが深い雪にはまり脱出することができませんでした。とても残念ですが、明日は再出走を予定しています。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    スタートポジションを考えれば、最後のステージの最終コーナーまでは好調だったと思います。今朝は気温が低くタイヤのグリップは悪くなかったので、良いタイムを出すことができました。いい仕事をできていたと思いますが、モータースポーツではすべてのコーナーが重要ですし、最後まで走りきらなければ1日は終わらないのです。本当に残念でなりません。順位を上げるために努力してきたのに、それが全て水の泡になってしまいました。それでも、この先には明るい未来が広がっていると信じています。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    今朝最初のステージはスロースタートになってしまいました。慎重になりすぎて、タイムを多く失ったことを悔しく思います。その後は少しアグレッシブに走ったのですが、それは効果がありました。しかし、残念ながら午後最初のステージで再び大きく遅れ、タイヤの摩耗と全体的なフィーリングに悩まされました。もっと上手くタイヤをマネジメントするべきでしたし、そのためにチャンスをものにすることができませんでした。明日はこの調子で頑張り続けなくてはなりません。4位のライバルとの差はそれほど大きくないので、ベストを尽くして戦います。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    今朝はクルマのフィーリングがあまり良くありませんでしたが、ステージとステージの間に微調整を加えた結果、好転しました。その後日中のサービスではより大きなセッティング変更を施しましたが、それが上手くいったことで、午後の再走ステージではタイヤをマネジメントすることができ、全てがとても上手くいきました。ただしタイヤ選択はかなり難しく、ちょっとした賭けでした。午後2番目のステージでニュータイヤを装着したのは正しくない判断で、最後のステージではタイムをかなり失いました。明日のデイ3をどのように戦うか、迷いはありません。プッシュし続け、できる限り速く走るだけです。

    アークティック・ラリー・フィンランド デイ2の結果
    1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 1h43m32.1s
    2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +24.1s
    3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +25.9s
    4 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +53.4s
    5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +1m03.5s
    6 オリバー・ソルベルグ/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m26.8s
    7 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +1m34.4s
    8 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC) +1m49.3s
    9 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ WRC) +3m01.8s
    10 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)+4m48.8s
    22 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +11m04.5s
    (現地時間2月27日21時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

    明日のステージ情報
    競技最終日となる2月28日(日)のデイ3は、サービスパークの南側に展開する全長22.47kmのステージ「アイッタヤルヴィ」を、サービスを挟むことなく2回走行します。そのうち、2回目のSS10は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーチームにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。2本のSSの合計距離は44.94km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は126.17kmとなる。

  • トヨタ:WRC 第2戦アークティック・ラリー・フィンランド デイ1 レポート

    トヨタ:WRC 第2戦アークティック・ラリー・フィンランド デイ1 レポート

    2月26日(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦アークティック・ラリー・フィンランドが、フィンランド北部のロヴァニエミで開幕。積雪路で2本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(ヤリスWRC 69号車)が総合3位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合9位につけた。

    WRC第2戦として当初予定されていたラリー・スウェーデンが新型コロナウイルスの影響により中止となり、代替のスノーイベントとして、アークティック・ラリー・フィンランドがWRCとして初めて開催されることになった。ラリーのサービスパークが置かれるロヴァニエミは北緯66度33分と北極圏の入り口にあり、森林地帯に展開するステージは降り積もった雪によりラリーにとって理想的なスノーコンディションになった。

    金曜日は午前中にシェイクダウンが行われ、午後から競技がスタート。ロヴァニエミから約80km東に離れた森林地帯で、今大会最長のステージとなる全長31.05kmの「サリオヤルヴィ」を2回走行した。午後3時過ぎにスタートした1本目のステージで、ロバンペラは途中まで誰よりも速いペースで走行していたが、ジャンクションでコーナリングラインがワイドに膨らんで雪壁にはまりタイムロス。それでも3番手タイムを記録した。そして、午後6時半過ぎに暗闇の中で始まった2本目のステージでは2番手タイムを刻み、首位と20.4秒差の総合3位で初日を走りきった。

    開幕戦ラリー・モンテカルロで優勝し、ドライバー選手権のリーダーとしてステージに1番手で出走したオジエと、選手権2位につけ2番手で出走したエバンスは、1本目のステージで路面の「雪かき役」を担うことに。軟らかい雪に覆われた路面でタイヤのグリップを十分に得られず、エバンスは2ステージ連続の5番手タイムで総合5位に留まり、オジエはさらに大きく遅れ総合9位で1日を終えた。しかし、出走順がデイ1よりも後方となるデイ2は、全ステージの合計距離の半分以上を占めるため、両選手には挽回のチャンスが十分にある。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、トップと38.8秒差の総合7位につけている。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    期待していたようなスタートにはなりませんでした。今日は気象条件が我々にとって少し不利に働いてしまったようです。気温が0度を超えると路面の雪がかなり柔らかくなり、そうなると遅いスタート順で幅広くラインが刻まれた道を走る方が、より高いグリップを得られるからです。もし、今日よりも10度くらい低いフィンランド北部の本来あるべき気温だったならば、出走順が早かったとしても、これほどタイムロスしなかったと思います。セブとエルフィンはそのような理由でタイムを失ってしまったのです。カッレは不運にも雪壁に当たってしまいましたが、スピードはかなりありました。明日は、今大会もっとも重要な1日です。新しいステージもあり、通常よりもタイム差がつきやすいと考えられるので、我々にはまだチャンスがあると思っています。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    とても困難な1日となり、理想的なスタートをきることができませんでした。今晩は、もう少しトップに近い位置につけたかったというのが本音です。ドライビングについては良いフィーリングでしたが、タイムは良くありませんでした。もし気温が低ければもっと良かったのかもしれませんが、残念ながら今日は今年初めてプラスの気温になってしまい、出走順が1番だった我々の助けにはなりませんでした。路面の雪はとても柔らかく、かなり不利なコンディションでの走行となり、2回目の走行でも状況は好転しませんでした。明日もトライを続け、何ができるのかを確かめたいと思います。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    自分にとっては悪いスタートではありませんでした。たしかに出走順は早くベストな条件ではありませんでしたが、1回目のステージはクリーンに走ることができましたし、2回目も暗闇の中でそこそこの走りができたと思います。同じステージの1本目と2本目では、轍が多く刻まれ、滑りやすい雪が散らばるなど路面コンディションが大きく変わっていて、とても大変でした。今日の最大の目標は、明日の出走順を少しでも良くすることでしたが、それをひとまず達成できたので、明日はできる限り順位を上げられるように頑張りたいと思います。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    最初のステージはハードに攻め、序盤はとても良かったのですが、ジャンクションでミスをしてラインが膨らみ、雪壁に突っ込んでしまいました。もう少しで走り抜けられたのですが、結局バックで脱出することになりました。2本目のステージは雪の下から未舗装路が露出しているようなコンディションで、強いアンダーステアを感じるなどセットアップが最適でないことは序盤からわかっていました。その結果フロントタイヤが傷み、終盤はとても苦労しました。総合3位につけているとはいえ少し残念なスタートになってしまいましたが、明日までにセットアップを改善して、戦い続けられると信じています。

    アークティック・ラリー・フィンランド デイ1の結果
    1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 31m50.7s
    2 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +16.2s
    3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +20.4s
    4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +29.8s
    5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +32.0s
    6 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC) +34.5s
    7 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +38.8s
    8オリバー・ソルベルグ/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +45.9s
    9 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +49.8s
    10 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ WRC) +1m05.8s
    (現地時間2月26日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

    明日のステージ情報
    競技2日目となる2月27日(土)のデイ2は、サービスパークの東側で3本のスノーステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行する。6本のSSの合計距離は144.04kmと3日間で最も長く、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は455.57kmとなる。

  • トヨタ:WRC 第2戦 アークティック・ラリー・フィンランド プレビュー

    トヨタ:WRC 第2戦 アークティック・ラリー・フィンランド プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2月26日(金)から28日(日)にかけてフィンランド北部で開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦「アークティック・ラリー・フィンランド」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦。今回初めてWRCとして開催されるフルスノーイベントで、開幕戦ラリー・モンテカルロに続く総合優勝を目指す。

    これまで、WRCではシリーズ第2戦として「ラリー・スウェーデン」が2月に開催されてきたが、今シーズンは新型コロナウイルスの影響により残念ながら中止となり、その代替として同じくフルスノーイベントである、アークティック・ラリー・フィンランドがWRCの年間カレンダーに組み込まれた。ラリー・フィンランドは例年夏季に、チームのメインファクトリーがあるフィンランド中部ユバスキュラを中心にグラベル(未舗装路)ラリーとして行われているが、アークティック・ラリー・フィンランドは最北部ラップランドの中心都市ロヴァニエミにサービスパークを置く、全く違う地域でのラリーであり、WRCとして開催されるのは今回が初めてとなる。

    ロヴァニエミ周辺は例年積雪が非常に多いため、近年のWRCで問題となることが多い雪不足の心配はほぼなく、完全なウインターコンディションが望める。同エリアでは毎年1月に「アークティック・ラップランド・ラリー」がフィンランド国内ラリー選手権の1戦として開催されており、今大会はその国内選手権と重なるステージもあるが、新たに設けられたステージや進行方向が逆のステージもあり、完全に同じラリーではない。一部のステージは北極(アークティック)圏も走行し、それがこの大会の名の由来となっている。低い気温により路面は全面的に凍結しているが、新雪が多く積もるとそれが走行抵抗になりタイヤのグリップ力も低下するため、ステージの出走順が1番の選手は「雪かき役」を担うことになり不利になる。また、豊富な積雪によって道の両脇には高い雪壁ができ、ラリーカーは時にコーナー外側の雪壁の軟らかい部分に意図的にボディを当てながらコーナリングするなど、フルスノーラリーならではの特殊なドライビングも見られる。タイヤについては、ラリー・スウェーデンと同様トレッド面に大量の金属製スタッド(スパイク)が埋め込まれた、雪道専用のスタッドタイヤを常時装着して走行する。今シーズンよりWRCはピレリが上位カテゴリーにワンメイクタイヤを供給しているが、昨年までのミシュランとは特性が異なるため、その新しいスタッドタイヤに合ったクルマのセットアップが求められる。

    チームはシーズン開幕戦のラリー・モンテカルロでオジエが優勝。エバンスが総合2位に、ロバンペラが総合4位に入るなど理想的なスタートをきり、マニュファクチャラー選手権トップに立った。史上最多となる通算8回目のモンテカルロ優勝でドライバー選手権の首位に立ったオジエは、過去にラリー・スウェーデンで3回優勝経験があり、昨年のスウェーデンでも表彰台争いに加わり総合4位を獲得した。エバンスは昨年のスウェーデンでチーム加入後最初の勝利を手にし、その結果ヤリスWRCは2017年の参戦開始から4年間で3回目のスウェーデン優勝を達成。フルスノーラリーでのパフォーマンスを改めて証明した。また、20才のロバンペラは、WRカーによるWRC参戦2戦目だった昨年のスウェーデンで総合3位に入り、今年は自国開催のスノーラリーで昨年以上の結果を狙う。

    ラリーは26日金曜日の午前中にシェイクダウンが行われ、午後から競技がスタート。今大会最長となる全長31.05kmのステージを2回走行するが、2回目のSS2はナイトステージとなる。27日土曜日は3本のステージをロヴァニエミの「サンタ・スポーツ」でのサービスを挟んで各2回走行、最後の2本のステージは暗闇の中を走る。6本のステージの合計距離は144.04kmと3日間で最長の距離を走る1日になる。最終日の28日日曜日は全長22.47kmのステージを連続で2回走行。2回目のSS10は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。ステージは全部で10本計251.08km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は856.05kmが予定されている。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    ラリー・モンテカルロでの素晴らしいリザルトで今シーズンのスタートをきりましたが、チームがうまく連携しながらよく機能しているのを見て本当に嬉しかったです。そして今、WRCとして初めて開催されるアークティック・ラリー・フィンランドを楽しみにしています。何年も前から、十分な積雪が保証されるこのイベントがWRCとして開催されたら、きっと素晴らしいものになるだろうと語られてきました。今年そのチャンスが突然訪れ、関係者全員の素晴らしい仕事により、短期間で実現されることになりました。真っ白な雪と太陽の光により、とてもテレビ映えのする素晴らしいラリーになると思います。ラップランドには長くて高速なコーナーが多く、自信を持てないと大幅にタイムを失ってしまうため、クルマの安定性が非常に重要です。我々にとってはホームイベントであり、ヤリスWRCはこのようなコンディションのフィンランドの道で開発されてきたので、いつもより少しプレッシャーがかかると思いますが、我々はそれに対応できると確信しています。

    セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
    アークティック・ラリー・フィンランドの典型的なウインターコンディションは、我々がここ数年WRCで経験してきたものとは対照的なものになるでしょう。先週、ロヴァニエミの周辺でテストをした時はとても楽しく走ることができました。クルマには満足していますし、準備は整っています。ただし、このようなスノーラリーでは、初日1番手スタートとなる我々は路面コンディションに大きく左右されるため、それがどうなるのかを見守る必要があります。昨年の経験から、このようなコンディションではチームメイトとの接戦が予想されます。エルフィンは非常にモチベーションが高く、ホームイベントとして臨むカッレはそれ以上に気合いが入っているはずです。また、彼らだけでなく他のチームのライバルもそうに違いないでしょう。決して簡単ではないと思いますが、勝利に挑みたいと思います。

    エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
    ほとんどのドライバーは、このラリーへの出場経験がないはずです。もちろん、昨年のラリー・スウェーデンと同じような結果を目指しますが、状況次第だと思います。ここ数年、路面に氷や雪が少なかったスウェーデンとはコンディションがかなり違うはずです。非常に寒い時に行なわれたテストでは、その点を考慮して作業を進めました。また、新しいピレリのタイヤにクルマのセットアップを最適化する必要もありました。ラリー・モンテカルロの時と同じように、この新しいタイヤに関する経験はありませんが、今回は選択肢がひとつしかないためよりシンプルで、集中して作業に取り組むことができました。全体的にフィーリングは良く、ラリーがとても楽しみです。

    カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
    ラップランドでのラリーに再び参戦できるのが嬉しいです。昨年、初めて出場した時はヤリスWRCでの初ラリーでした。もちろん、その経験が少しは役に立つと思いますが、未経験のステージや、反対方向に走るステージもあるので、大きなアドバンテージにはならないでしょう。テストでは、タイヤの特性が今まで使ってきたものとは違うため、新しいタイヤに合ったセットアップを見つけることが最大の課題でしたが、フィーリングは良かったです。普段よりも少しプレッシャーを感じますが、特にフィンランドの人々が他のラリーの時以上に僕をフォローしてくれているので、ワクワクする気持ちがプレッシャーに勝っています。

  • キミ・ライコネン、F1引退後のWRCやNASCARへの復帰を視野

    キミ・ライコネン、F1引退後のWRCやNASCARへの復帰を視野

    キミ・ライコネンは、最終的にF1を引退した後、10年前に参戦したWRCやNASCARが選択肢になるが可能性があると語った。

    今年、キミ・ライコネンはアルファロメオで19年目のF1シーズンを迎える。今年のグリッドで最年長となるライコネンは、引退を望んでいる兆候は見せておらず、コース上で“楽しんでいる”限り、F1を続けていくつもりだと語っている。

    しかし、キミ・ライコネンは、2021年シーズンの1年間の契約をアルファロメオと延長しただけであり、次の展開がどうなるかの憶測に繋がっている。

    まだ、本格的に考えているわけではないが、キミ・ライコネンは、WRCとNASCARはどちらとも復帰する可能性があるとカテゴリーだと語る。

    「楽しいことはたくさんあるけど、F1をやめるまでは考えない」とキミ・ライコネンは Formule 1 に語った。

    「それがラリーであろうと、NASCARであろうと、まったく異なるレーシングクラスであろうと、僕たちは見てみることになるだろう」

    キミ・ライコネンは、2009年シーズンにフェラーリから放出された後、F1を離れて両方のシリーズでレースをした。

    WECでは、シトロエンのジュニアチーム、そして、彼自身のIce 1 Racingから出場し、2年連続で10位でシーズンを終えた。NASCARではネイションワイドとトラックシリーズに1戦限りの出場を果たした。

    2011年にロータスでF1に復帰したキミ・ライコネンは、2018年にフェラーリと再契約してチャンピオンシップで3位になり、その後アルファロメオに移籍した。

    昨年、ライコネンは、チームメイトのアントニオジョビナッツィと一緒に、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェでアルファロメオ・ジュリアを運転した。

    友人の親友であるトニ・ヴィッランドロとニュルブルクリンク24時間レースに参加する可能性はあるかと質問されたキミ・ライコネンは「そうだね、それは素晴らしいだろう!」と語った。

    「しかし、言ったように、素晴らしいことはたくさんある」

  • アルピーヌF1のエステバン・オコン、初体験のラリーは「本当に楽しかった」

    アルピーヌF1のエステバン・オコン、初体験のラリーは「本当に楽しかった」

    アルピーヌF1のドライバーであるエステバン・オコンは、木曜日にラリー・モンテカルロでラリーを初体験。ラリードライバーは“英雄”だと語った。

    エステバン・オコンは、WRC開幕戦の最初の2ステージで公式VIPコースカーとしてF1で使用するカーナンバー31が掲載されたアルピーヌ A110Sをドライブした。

    エステバン・オコンは、近年、ラリー・モンテカルロで出走した2人目の現役ドライバーといった。2018年には元ルノーのドライバーだったカルロス・サインツがメガールRSコースカーで最終2ステージをドライブしている。

    エステバン・オコンにとってアルピーヌの車両での走行は昨年ニュルブルクリンクで開催されたF1アイフェルGPでのデモ走行以来。コ・ドライバーから情報をもらいながら、滑りやすい濡れた路面でスポーツカーを運転するのに慣れるのに少し時間がかかったと語った。

    「とても楽しかったし、素晴らしかった。このような道での時間を本当に楽しんだ」とエステバン・オコンは言った。

    「ラリー初体験としては、スタートするには最も簡単なものではなかった。でも、最高だったよ。どんどん快適に感じることができたし、このような道をどんどん走れるようになった」

    「トリッキーな箇所やグリップの変更などが常にたくさんあるので、僕が慣れているものとは大きく異なる。コ・ドライバーにも耳を傾ける必要があるし、簡単なことではありません。適切なタイミングで情報を入手しなければならないし、コーナーに集中しているときに次に何が起こるかをすでに聞き始めなければならない」

    「最終的にはかなりうまく管理できたし、全体としてとても楽しかった。そして、マシンのハンドリングは本当によかったし、それは本当に楽しかった」

    レギュラーのWRCドライバーについてどう思うかと質問されたエステバン・オコンは「英雄だ!他に何が言える?」と称賛。

    「いつもオンボードを見ていたけど、イベントの後もずっと見ていた。速いし、コントロールがすごい。セバスチャン・オジェが路面をカットいていく様はクールだったね」

    「しかし、実際に運転すると、はるかに狭く、はるかに困難だった。したがって、実際にそこにいるときは同じ動物ではなかったね」

    「正直、とてもトリッキーだったと言えるし、彼らに脱帽だ。彼らには本当に度胸があるね」

    エステバン・オコン アルピーヌF1