カテゴリー: ウィリアムズ・レーシング

  • クレア・ウィリアムズがF1イギリスGPでパドック復帰 解説者として5年ぶり登場

    クレア・ウィリアムズがF1イギリスGPでパドック復帰 解説者として5年ぶり登場

    元ウィリアムズF1副代表のクレア・ウィリアムズが、今週末のF1イギリスGPに解説者として登場し、5年ぶりにF1パドックへ復帰する。

    クレア・ウィリアムズは2013年から2020年までウィリアムズF1の副代表を務め、ファミリーチームを率いてきたが、2020年のドリルトン・キャピタルによるチーム買収を機にF1との関係を断ち、以降はモータースポーツの第一線から距離を置いていた。

    しかしこのたび、イギリスの地上波放送局Channel 4が今週末のシルバーストンでのレース中継にウィリアムズをゲスト解説者として起用することを発表。F1界に久々のカムバックを果たす。

    制作会社Whisper Filmsは声明で「日曜のレース中継をさらに特別なものにする素晴らしい発表がある」と述べた上で、次のように続けている。

    「ウィリアムズF1チームを8年以上にわたり率いたクレア・ウィリアムズが、シルバーストンに帰ってきます。彼女はこの数年で最も成功し、最も影響力のあるF1女性指導者の一人でした」

    「チームの最前線で活躍したからこそ語れる洞察と分析を、Channel 4の中継に加えてくれることを、我々はとても楽しみにしています」

    クレア・ウィリアムズはリー・マッケンジー、アリス・パウエル、スティーブ・ジョーンズ、デビッド・クルサード、ビリー・モンガーらとともに中継チームを構成し、実況はアレックス・ジャックズが務める。

    ウィリアムズは近年『Drive to Survive』にも登場していたが、レース現場への復帰は今回が初。古巣のウィリアムズ・レーシングは2025年シーズンここまで堅調な戦いを見せており、11戦終了時点でコンストラクターズランキング5位(55ポイント)につけている。

    ウィリアムズは現在、レーシングブルズに19ポイント差をつけており、かつてのチーム代表としても誇らしい姿を目にする週末となりそうだ。

  • カルロス・サインツJr. 父のFIA会長選断念に心境複雑「理解しているが残念」

    カルロス・サインツJr. 父のFIA会長選断念に心境複雑「理解しているが残念」

    カルロス・サインツSr.が先週初め、FIA(国際自動車連盟)会長選からの撤退を表明したことは大きな驚きではなかったが、その息子であるカルロス・サインツJr.は、この決断に対して落胆を隠さなかった。

    「息子としてなら、いいえ。モータースポーツファンとしてなら、そうだ」とウィリアムズのドライバーであるサインツJr.は認めた。「多くのモータースポーツ関係者が、父が立候補して、スポーツのために何ができるのかを見てみたかったと思う」

    「でも息子として、そして彼と一緒にいろいろ評価した結果としても、あのポジションに立候補するには本当にたくさんのことに関わって、気を配らなければならないということがわかったから、彼がそうしないと決めて、自分のことに集中するという判断を理解している」

    サインツSr.も、昨日発表した声明の中で、同様の理由を挙げていた。

    「熟考の末、現時点の状況は自分の立候補の基盤を築くのに理想的ではないと判断した」と彼は記した。

    「さらに、FIA会長選に本格的に取り組むことは、ダカール・ラリーへの準備に著しく支障をきたすことに気づいた。私はフォードと自分のチームに対する責任を軽くしたくない。このような懸念から、現実的に判断し、今回はFIAへの挑戦を断念することにした」

    F1ドライバーの父が将来FIA会長選に再挑戦する可能性について問われると、サインツJr.はその可能性を完全には否定しなかった。

    「決して“絶対にない”とは言わない。今が理想的なタイミングだったと思う。今のFIAやF1の状況を考えると、ポジティブな影響を与えるには最も良い時期だったと思う」と語った。

    「4年後や8年後にそれが理想的なタイミングになるかはわからない。“決してない”とは言わないけど、今の時点では、彼はもうその気はないのは確かだ」

    カルロス・サインツJr. F1 国際自動車連盟

    サインツJr.は現在、オーストリアGPの週末に集中しているが、父の撤退によって、FIAのガバナンスに関する議論は続くことになる。特に最近、F1のペナルティガイドラインが公開されたことで、その傾向はさらに強まっている。

    FIAがこの文書を通じてシリーズにおける「透明性の向上」を図っているなか、モハメド・ビン・スライエム会長が今後も職に留まる可能性が高まっているように見える。

    「これはもう秘密じゃないと思う。ドライバーとして、ここ数年、FIAの主要なガバナンスとの間に、透明性や理解の欠如を感じることがあった」とサインツJr.はスライエムの任期について語った。

    「意図は良かったのかもしれないし、FIAが物事を進めようとしたやり方も、常に善意の中でのことだったかもしれない。でもドライバーとしては、常に少し蚊帳の外に置かれていて、意見をあまり聞いてもらえていないと感じることが多かった」

    「訂正が入ることもあって、良いリアクションだったと感じたこともあるけど、明らかにそう感じられなかった時もあって、それは僕たちが声明などで非常に明確に示してきた」

    「これからは改善されていくと信じているし、今日のFIAからのプレスリリースは、すでに物事をより明確にしようという意志の表れかもしれない」

  • 「現実味が増してきた」アルボンが語るF1タイGP計画の全貌

    「現実味が増してきた」アルボンが語るF1タイGP計画の全貌

    アレクサンダ0・アルボンは母国政府と協力してF1をバンコクに誘致するプロジェクトに取り組んでおり、タイGPの計画に関するいくつかの詳細を明かした。

    「すべてが本当に有望に見える」とアルボンは語り、近い将来F1カレンダーに母国グランプリが加わることを期待している。

    F1の「おいしい果実」を手に入れようと複数の国が熱望する中、タイはその実現に最も近い国のひとつのように見える。F1のCEOであるステファノ・ドメニカリも今年すでに同国を訪れている。

    アルボン自身も首相のペートンターン・チナワットと会談しており、タイ政府はすでに12億ドル(約1920億円)規模のF1誘致案を承認。2028年までに首都であるバンコクの市街地で開催を目指している。

    しかし、最近になってチナワット首相の地位は不安定になっている。元カンボジア首相フン・センとの電話会談の音声が流出し、タイ国内で大きな批判を呼んだからだ。ただし現時点では、チナワットは引き続き首相を務めている。

    この問題はあるものの、観光経済の活性化を目的にF1誘致に積極的だった前首相スレッタ・タウィーシンの意志を継ぎ、タイは引き続き計画を推進する見通しであり、アルボンもその中心的役割を担っている。

    「現実味がどんどん増してきている」と、今週末のF1オーストリアGPを前に語ったアルボン。「ご存知のとおり、タイは観光業が盛んで、F1はそのストーリーに完璧にフィットすると思う」

    「国にとって本当にいいことになると思う。それに、彼ら(政府関係者)はこの件を本気で進めているように見える。多くのレースにも足を運んでいて、今週末のレースにも来るかは分からないけど、ここ2~3戦はほぼ毎回来ている」

    「そしてすべてが前進している。これまでのところ後退は一切ない。それはすごく大事なことなんだ。あまり詳しくは言えないけど、僕が見た限りでは――サーキットも初期の計画も――すべてがすごく有望に見えるよ」

    アレクサンダー・アルボン F1 タイ

    個性的なサーキットに
    サーキット計画についてさらに話を促されると、アルボンは予定されているレイアウトや、もっと重要なロケーションに関して口を開いた。

    「バンコク中心部ではないとは言えるよ。タイやバンコクに来たことがある人なら分かると思うけど、あそこの交通事情はあまり良くないから、もう少し郊外寄りになる」

    「インフラやロジスティクス、つまり人の移動に関して多くの準備が進められている。サーキットそのものは……いわゆるクラシックな市街地サーキットとは違うと思う。ここ数年でよく見るタイプの市街地とは違って、もっとキャラクターがある。そこがポジティブな点だね」

    アルボンが母国にF1をもたらす存在に
    ウィリアムズのチームメイトであるカルロス・サインツが、来季スペインで開催される第2戦「マドリンク」のアンバサダーを務めているように、アルボンもバンコクでのF1開催に向けて自らの役割を果たそうとしている。

    「最終的には、政府がすごく支援的なんだ」と彼は付け加えた。

    「だから僕自身があれこれ発言したり、詳しく知っておく必要はそれほどない。でも同時に、成功させたいとも思ってる。今年や来年に向けて、F1やモータースポーツをタイで広めるための活動に取り組んでいて、政府とも関係者ともすごく密に連携している」

    「スポーツ観光、一般的な観光ともに関係してくる。あらゆる人たちと連携しながら、できる限り大きな取り組みにしていこうとしている」

  • ザク・ブラウン F1イギリスGPでウィリアムズFW11Bによる禁断の“浮気走行”

    ザク・ブラウン F1イギリスGPでウィリアムズFW11Bによる禁断の“浮気走行”

    マクラーレン・レーシングのCEOザク・ブラウンが、この夏のF1イギリスGPで“パパイヤ・プライド”をひとまず脇に置き、ライバルチームのマシンに乗り込むという異例の計画を明かした。しかも本人はこの“浮気”に大喜びだ。

    F1チーム代表がライバルのマシンに乗ることは滅多にないが、シルバーストンの聖地を疾走するチャンスに、ブラウンは少年のような笑みを浮かべている

    彼が選んだマシンは、自身のコレクションから取り出した1987年製ウィリアムズFW11B。盟友ナイジェル・マンセルが数々の勝利を挙げた伝説の1台である。

    名車FW11Bで“原点回帰”
    ESPN F1による自宅のレースコレクション取材で、ブラウンはこの計画を嬉々として語った。

    「今年のイギリスGPでこれに乗るよ。ファンは絶対に喜んでくれるはずだ」と、マンセルが1987年のイギリスGPで勝利を挙げたその車の横で語った。

    「来週スペインでこの車を走らせるんだ。実はまだ運転したことがなくてね」

    「完全にレストアしたばかりで、シェイクダウンも済んでる。準備は万端だよ」

    ブラウンは自らの“浮気行為”に、おどけた様子でこう付け加えた。

    「イギリスGPでこの車を走らせたら、みんな喜ぶだろうけど、『なんでマクラーレンの人がウィリアムズに?』って少し困惑するかもね」

    その頃、マクラーレンMP4/4はガレージの片隅で静かに涙を流しているかもしれない。

    ウィリアムズ FW11B(F1マシン)

    マンセルへの敬意、F1愛
    ブラウンのFW11Bへの愛情は、彼のレース史への敬意そのものである。

    「見て分かるように、僕はF1とインディカーの大ファンなんだ。だから当然、エマーソン・フィッティパルディも好きだし、マリオ・アンドレッティも。そしてもちろん、ナイジェル・マンセルもね」

    「この車は1987年、マンセルが多くのレースに勝った。当時、彼が“人生で一番運転しやすかった”と話していた車だよ」

    FW11Bはホンダ製ターボエンジンを搭載した伝説的マシンであり、歴史的瞬間の主役でもある。

    「有名な1987年のイギリスGPを覚えてる?マンセルは途中でタイヤにパンクを抱えてピットインして、復帰後に17周連続でファステストを更新。最後はネルソン・ピケを最終ストレートで抜いて勝ったんだ」

    「その時の車がこれ。このシャシーそのものなんだよ」

    あの伝説のバトルを再現するように、ブラウンもまたシルバーストンを熱く駆け抜ける構えだ。

    ザク・ブラウン マクラーレン F1

    “マンセルの愛機”をどう手に入れた?
    この珠玉のマシンを手に入れた経緯も、実に“ザクらしい”。

    「ウィリアムズとのスポンサー契約を結んだとき、『何かお返しできないか』って言われて、『車を売ってくれ』って答えたんだ」

    「プレゼントはダメだから販売という形でね。『どれが欲しい?』って聞かれて、『あれがいい』って即答した」

    こうして、マンセルの“王者の戦車”は彼のガレージに加わった。

    ブランドロイヤルティが重視され、発言もPR管理されるこの時代において、ザク・ブラウンはあっけらかんと“裏切り”を楽しんでいる。懐古とスピードへの愛を優先する姿勢は、むしろ清々しい。

    今年のイギリスGP、シルバーストンではブラウンの“浮気走行”が大いに注目を集めるだろう。そして観客たちは、心からこの“裏切り”を楽しむに違いない。

  • カルロス・サインツJr. F1オーストリアGP決勝DNS「なぜ自分にばかり…」

    カルロス・サインツJr. F1オーストリアGP決勝DNS「なぜ自分にばかり…」

    カルロス・サインツJr.にとって、2025年F1オーストリアGPはスタートすることすらできない週末となった。サインツはフォーメーションラップ前にマシンの不具合に見舞われ、キャリア3度目となるDNS(Did Not Start)を喫した。

    土曜の予選ではブレーキの問題とフロアの損傷に苦しみ、サインツは19番手に沈んでいたが、決勝当日にはさらなる不運が待っていた。

    フォーメーションラップに向けてグリッド上でスタートしようとした際、サインツのFW47は動き出せず、ポールポジションのランド・ノリスが背後に迫る中でぎりぎり発進。「何かがクルマの前進を妨げてる」と無線で報告した。

    このトラブルによりフォーメーションラップは2回目が行われることとなり、サインツはピットレーンからのスタートを目指してコースを周回。しかしピットに戻ると、彼は「ずっとブレーキがかかっているように感じる」と訴えた。

    やがてピット出口で停止した際、チームから「リアブレーキが燃えてる」と告げられ、マシン後方からは白煙とともに炎が上がる様子も見られた。ウイリアムズのメカニックとマーシャルが消火器で対応し、マシンはガレージへ押し戻され、その時点で「ゲームオーバー」と告げられた。

    「なぜこんなことが自分にばかり起こるのか分からない」とサインツはPlanetF1などのメディアに語った。

    「今までも何度かスタートすらできないレースがあったけど、今日はまた別の問題だった。昨日も明らかに問題が多すぎたし、今日もそうだ」

    「チームとして厳しい時期を過ごしてる。シーズン前半はとても散発的だったし、今日でちょうど折り返し地点だ」

    「正直言って、クルマにはすぐ適応できたと思っているし、スピードもある。でも肝心なところで問題が多すぎる。信頼性、戦略、週末の運営……すべてが噛み合っていない」

    「もう一度立て直す時だ。シルバーストンまでは時間がないけど、チームのホームGPだし、何ができるかを考え直さなければならない」

    カルロス・サインツJr. F1 オーストリアGP ウィリアムズ・レーシング

    サインツによれば、FW47はグリッド上で1速に入らず、リアブレーキが固着していたという。電源をリセット(パワーサイクル)して一度は動き出せたものの、再び同じ問題が発生して最終的には発火に至った。

    「1速に入らなかったのは、リアブレーキが固まっていたからだと分かった。それでクルマの電源を落として再起動したけど、すぐにまた問題が戻ってきた。最終的には火が出て、それで終わりだった」

    「セカンドスタートまで10分あったから、チームは火を消して問題を解決しようとしてくれていた」

    一方で、サインツはこの問題が予選で発生したブレーキトラブルと同じ原因かどうかについては「まだ分からない」と語る。

    「パルクフェルメ下ではブレーキを交換できないけど、昨日の予選で起きた問題には対処できていた。だから今日のマシンは問題なかったはず。でもグリッドに向かうラップで突然また新たな問題が出た」

    ウイリアムズにとっても苦しい週末となり、チームメイトのアレクサンダー・アルボンも決勝途中でリタイア。オーストリアでは無得点に終わったが、コンストラクターズ選手権では5位を維持し、レーシングブルズに対して19ポイント差をつけている。

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  • カルロス・サインツJr. F1オーストリアGP予選「車は壊れて運転不能だった」

    カルロス・サインツJr. F1オーストリアGP予選「車は壊れて運転不能だった」

    ウィリアムズ・レーシングのカルロス・サインツは、2025年F1オーストリアGPの予選でまさかのQ1敗退を喫した理由について、フロアの損傷とブレーキの問題が重なった結果だったと明かした。

    サインツはこれで、スペイン、カナダに続いて今季3度目のQ1敗退。レッドブル・リンクでの土曜予選は19番手に終わり、キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグを上回っただけだった。セッション中には無線でエンジニアに向けて深刻な懸念を訴えていた。

    「マシンにダメージがあるのは間違いない。ブレーキング中に引っ張られるし、高速コーナーでは全然荷重がかからない。運転不能だった」とサインツは訴えた。

    予選後、サインツはメディア対応の場で「実際にフロアにかなりのダメージがあることが分かった」と説明。

    「それでかなりのダウンフォースを失っていた。それに加えて、予選開始直後からブレーキにも問題が出ていた。これだけ問題が重なると、自信が重要なこのサーキットでは全然攻められない」と語った。

    決勝での巻き返しについては「すごく奇妙な週末だ」としながらも、こう付け加えた。

    「ハードタイヤでのロングランではかなり速かった。でもソフトタイヤではまったく競争力がない。何が起きているのか分析が必要だ」

    カルロス・サインツJr. F1 オーストリアGP ウィリアムズ・レーシング

    一方、チームメイトのアレックス・アルボンは12番手で予選を終え、Q3進出こそ逃したものの、パフォーマンスには満足感を示した。

    「正直、すごく満足している」とアルボン。

    「Q1のアタック中にターン7でワイドに出てフロアを壊してしまった。そこからはテープでリアを補修して走っていたけど、ちょうど最悪なタイミングで赤旗が出た」

    「Q2の最後のアタックは中古タイヤと損傷したフロアでの走行だったけど、それで12番手ならかなり満足できるよ」

    日曜決勝については「プラクティスではレースペースが良かった」と自信を覗かせた。

    「予選順位くらい、もしくはそれ以上のペースがあると思う。他チームよりもミディアムタイヤを多く温存しているし、どうなるか楽しみだね」

    ウィリアムズは現在、コンストラクターズ選手権で55ポイントを獲得して5位を堅持しており、6位のハースおよびレーシングブルズに対して27ポイントのリードを築いている。

  • ウィリアムズF1代表 「アレックス・パロウの獲得を本気で検討していた」

    ウィリアムズF1代表 「アレックス・パロウの獲得を本気で検討していた」

    ウィリアムズ・レーシングのチーム代表ジェームス・ボウルズは、現インディカー王者アレックス・パロウが、2025年に同チームのシートを獲得する可能性が真剣に検討されていたと明かした。しかし最終的には、同じスペイン出身のカルロス・サインツが契約を勝ち取ることとなった。

    昨シーズンに3度目のインディカー王座を獲得し、今年はインディアナポリス500の制覇も果たしたパロウは、F1グリッドの座を狙う有力候補として浮上していた。

    だがボウルズによれば、28歳のパロウは欧州のジュニアカテゴリーや日本のスーパーフォーミュラで築いた輝かしい経歴を持ちながらも、いくつかの要因により交渉は進展しなかったという。

    本気で検討されたが、障害も大きかった
    「パロウはものすごく速い」とボウルズは独Auto Motor und Sport誌に語った。「我々のリストには載っていた。だが問題が2つあった」

    「彼の実績を考えると、安価な起用にはならない。彼の希望額は500万ドル以上のレンジにあると思う」

    「そして、1回のテストや金曜フリー走行で済むような状況ではない」

    「パロウがF1に来るには、アントネッリやオリバー・ベアマンと同じプログラムをこなさなければならなかった。彼らは旧型F1マシンで1万km近くを走り込んでいる」

    「つまりパロウも1年を費やし、完全にF1の準備に専念しなければならなかった。それは彼の今の地位を考えると、あまり現実的とは言えないだろう」

    現在最も多くのタイトルを持つ現役スペイン人レーシングドライバーとなったパロウの実力は疑いようがないが、インディカーで築いた確固たる地位、そしてF1転向に必要な膨大な準備期間が、今の彼にとっては大きなハードルだった。

    ウィリアムズ・レーシング F1 アレックス・パロウ

    F1入り目前だったパロウ
    それでもボウルズの説明が示すように、パロウがF1に接近していたことは確かだ。

    パロウはマクラーレンとともに複数回のプライベートテストを経験し、そのたびにF1関係者やエンジニアを感心させてきた。

    一時はインディカーのアロー・マクラーレンでレースに出場する予定だったが、最終的にはチップ・ガナッシ・レーシングに残留。この決断がマクラーレンとの契約違反として訴訟問題に発展した経緯もある。

    そして結局、ウィリアムズのシートを勝ち取ったのはカルロス・サインツだった。だがボウルズの言葉からは、アレックス・パロウがどれほどF1の扉に近づいていたか、そして彼がいかに米国モータースポーツ界において大きな存在であるかが改めて浮き彫りとなった。

  • カルロス・サインツJr. マドリードF1サーキット設計に助言「追い抜きはマスト」

    カルロス・サインツJr. マドリードF1サーキット設計に助言「追い抜きはマスト」

    カルロス・サインツJr.は、2026年からF1世界選手権に加わる予定のマドリードの新レースについて、自身が主催者に伝えてきたアドバイスの内容を明らかにした。

    マドリードは2026年から10年間の契約でスペイングランプリの開催地となる予定で、IFEMA展示会場周辺に新たなセミパーマネント(半常設)型のサーキットが開発されている。

    この「マドリンク(MADRING)」のハイライトは、ターン12の「ラ・モヌメンタル」であり、24度のバンク角を持つ550メートルのコーナーが設けられる予定だ。

    今年初めにこのレースのアンバサダーに任命されたサインツは、イベントのPR活動に積極的に取り組んでいる。しかし、公的な役割にとどまらず、ウィリアムズF1のドライバーである彼は、イベントの運営チームと舞台裏でも密接に関わり、サーキットレイアウトが追い抜きに適しているかどうかについても助言を行ってきた。

    「もちろん、サーキット自体には24%のバンキングと非常に長い複合セクションがあって、それがこのサーキットの特徴になる」とサインツはカナダで語った。

    「F1サーキットを自由に設計できるような開けた場所ではない。よりストリートサーキット的な環境になる」

    「だから僕が助言しようとしているのは、主に2つの追い抜きゾーンにおいて、ブレーキングゾーンやアプローチの仕方、そしてコーナーの開き方が十分に大きくて追い抜きが可能かどうかという点なんだ。僕が助言した中で、何かを変えたり適応させたりできるか確認しないといけない」

    サインツは、都市部の現代的なサーキットであっても追い抜きを促進することは十分可能だと考えており、その例として近年エンターテインメント性の高いレースを生み出してきたバクーを挙げた。

    「僕は常に、どんなサーキットであっても追い抜きが起こるようにすることを意識している」と彼は語った。「バクーを見てほしい。バクーにはドライバーの視点から見て気持ちいいコーナーなんて一つもない。でも、あそこは非常に長いストレートがあって、素晴らしいスペクタクルを生んでいる。みんなバクーを気に入っている。それが僕らが目指していることなんだ」

    「もちろん、マドリードで開催される以上、もう少しキャラクターがあるかもしれないけど、やっぱり追い抜きがなければならない」

    F1は近年、世界中で“退屈な”ストリートサーキットを導入していると一部から批判を受けており、とくにヨーロッパから新興市場への移行が進む中で、この傾向は顕著だ。

    その影響はカレンダーの他の部分にも及び、イモラは来季のスケジュールから外され、ザントフォールトも2026年を最後にF1開催を終了することが明らかになっている。

    バルセロナについても、現在の契約は2026年で満了となるため、F1での将来は不透明だ。

    しかしサインツは、より収益性の高いレースを追加するのがF1ビジネスの一部であることを理解しているとし、次のように説明した。

    「新しいサーキットや新しい開催地が増えることに僕は何の反対もない。サーキットにキャラクターや個性がある限りはね」

    さらに彼はこう続けた。

    「ヨーロッパのことに関して言えば、これはビジネスなんだ。現代の基準に適合したイベントを作り上げていくかどうかという話で、それはヨーロッパのF1サーキットでも十分できることだと思う。でも、ステファノ(ドメニカリ)の視点も理解している。ビジネスを成長させて、メキシコやマイアミみたいな、現代F1の基準に適したレースを作ろうとしているのだから」

  • ウィリアムズ F1カナダGPで「逃したチャンス」を痛感 タイヤと戦略に課題

    ウィリアムズ F1カナダGPで「逃したチャンス」を痛感 タイヤと戦略に課題

    ウィリアムズは2025年これまで多くの好機を活かしてきたが、F1カナダGPは例外だった。強い可能性を示していた週末は、最終的には崩れてしまい、チームは「どうなっていたかもしれないか」を振り返ることになった。

    アレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツは、モントリオールでの金曜プラクティスで好調な走りを見せたが、週末は予選に向かって急速に崩れていった。

    サインツは、フライングラップ中にレーシングブルズのアイザック・ハジャーに妨害されてQ1敗退となった。一方、アルボンは、セッション中にマシンからエンジンカバーの大きな一部が脱落するトラブルに見舞われながらも、自身のFW47をQ3へ押し込んだ。

    しかし、アルボンのレースは短命だった。パワーユニットの問題により早期のリタイアを強いられた。一方でサインツは16番手から10位まで挽回して1ポイントをもぎ取った。

    レース後、アルボンは、強い結果が得られたはずだったことを悔やんだ。

    技術的なトラブルに加えて、アルボンは週末を通してウィリアムズを妨げた、より深い問題――タイヤマネジメントからマシン全体の理解まで――を指摘した。

    「今週末はチャンスを逃したと思う」とアルボンはメディアに語った。

    「タイヤをしっかり理解する必要があるし、マシンの理解も必要だ」

    「レース中のマシンは本当に良かった。正直、楽にトップ10入りできた。ポイントを逃したのは悔しい」

    サインツは、冷却トラブルによって頻繁にブレーキを使用しなければならず、レース全体を通じてフルスピードで走ることができなかった。

    彼はこの問題によって「70周を通じて1周あたり0.2~0.3秒は失っていた」と認めた。

    16番グリッドからの追い上げでポイントを獲得したものの、サインツは満足していなかった。

    「もし昨日の段階で、16番手スタートからポイントを取れると言われていたら、誇りに思ったし嬉しかったと思う。でも現実は、そういう気持ちにはなれなかった」と語った。

    カナダグランプリ F1 ウィリアムズ・レーシング

    マシン挙動の問題と戦略ミスがウィリアムズの週末を妨げる
    元フェラーリドライバーのサインツは、週末序盤のマシン挙動の問題が、予選とレース両方で自分を後手に回らせたと認めた。

    「最近は、金曜日にすべてをうまく制御できていないことが何度かある」と彼は続けた。

    「改善が必要だ。ここ数戦、日曜のレースが本来よりも厳しいものになってしまっている」

    アルボンもまた、エンジントラブルがなかったとしても、戦略の選択によってポイント獲得の可能性は制限されたと認めた。

    彼は、暑いモントリオールのコンディションでは、ハードからミディアムへと切り替える1ストップ戦略の方が適していたと説明した。

    「チームが望んでいたほどタイヤを長くもたせることはできないと僕は分かっていた」とアルボンは述べた。

    「だからこそ、早めのピットインを強く主張した。明らかにポジションを失っていたから」

    「僕は1周あたり3~4秒遅れていて、ハードタイヤを履いたマシンにどんどん抜かれていた」

    「その時点で、僕たちはいわば“中間地帯”にいて、引っ張りすぎてしまっていたんだ」

  • ウィリアムズF1チーム代表ジェームス・ボウルズが新たな長期契約にサイン

    ウィリアムズF1チーム代表ジェームス・ボウルズが新たな長期契約にサイン

    ウィリアムズ・レーシングのチーム代表であるジェームス・ボウルズが、同チームとの新たな長期契約にサインした。これにより、ボウルズは引き続きチームの先頭に立ち、かつてのタイトル獲得チームの栄光復活を目指す体制を強化する。

    ボウルズは2023年シーズン開幕前にメルセデスF1からウィリアムズに加入。メルセデスではモータースポーツ戦略ディレクターを4年間務め、それ以前にはB.A.R、ホンダ、ブラウンGPでも重要なエンジニアリングと戦略部門で要職を歴任し、F1で通算21年の経験を積んできた。

    ウィリアムズの歴史の中で3人目のチーム代表となったボウルズは、2020年にドリルトン・キャピタルが同チームを買収して以来、組織改革とパフォーマンス改善に注力してきた。

    2025年シーズンに入ってからは、アレックス・アルボンとカルロス・サインツが定期的にポイントを獲得し、チームはコンストラクターズランキングで現在5位と好調。第9戦終了時点での獲得ポイントは55で、これは過去3シーズンを合わせた総得点を上回っている。

    契約延長について、ボウルズは次のように語った。

    「アトラシアン・ウィリアムズ・レーシングと新たな契約を結べたことを大変うれしく思っている。このチームは、最初に足を踏み入れた瞬間から自分の居場所だと感じさせてくれた」

    「この象徴的なチームは、すでに僕に素晴らしい思い出を与えてくれたし、我々は皆、伝統を土台にしながら再びワールドチャンピオンを目指すという野心を共有している」

    「過去2年間で基盤の修復に取り組んできたが、いまはその土台の上に栄光を築く準備が整った」

    ウィリアムズ・レーシング ジェームス・ボウルズボウルズはレース勝者カルロス・サインツのウィリアムズ加入に重要な役割を果たし、チームは2016年以来最高のシーズンスタートを切った

    また、ウィリアムズおよびドリルトン・キャピタルの会長マシュー・サベージは、ボウルズの契約延長を次のように歓迎している。

    「ジェームスがアトラシアン・ウィリアムズ・レーシングとの契約を新たにし、我々のミッションの完遂に向けて将来をコミットしてくれたことを非常にうれしく思っている」

    「彼は経験、エネルギー、戦略的リーダーシップをもたらし、ウィリアムズを再び表彰台の頂点に導くという使命に真摯に取り組んできた。我々はまだその頂に到達してはいないが、グローブのファクトリーに明確な勢いが生まれつつあり、これからの未来に大きな期待を寄せている」

    なお、今回の契約延長の具体的な年数は明かされていないが、ウィリアムズが長期的な再建を本気で目指していることは明らかだ。特にボウルズのリーダーシップの下で、カルロス・サインツというレース勝者を獲得したことは、チーム改革の成果の象徴的な一歩と言えるだろ。