カテゴリー: ウィリアムズ・レーシング

  • カルロス・サインツJr.は昨年マクラーレンにいればF1王座を争っていた?

    カルロス・サインツJr.は昨年マクラーレンにいればF1王座を争っていた?

    ウィリアムズF1に加入して初年度を迎えたカルロス・サインツJr.は、派手さこそないものの、着実さとプロフェッショナリズムで強い印象を残した。

    元FIAスチュワードのジョニー・ハーバートは、そんなサインツJr.をマックス・フェルスタッペンと比較しつつ、「状況が整えば世界選手権を争える存在だ」と評価している。

    シーズン序盤、サインツJr.は新しいチームと扱いの難しいマシンへの適応に苦しんだ。だが、時間の経過とともに状況は好転し、シーズン終盤には明確な上昇気流に乗った。

    最終ランキングではチームメイトのアレクサンダー・アルボンに僅差で及ばなかったものの、年末に2度の表彰台を獲得し、グローブの陣営に大きな手応えをもたらした。ウィリアムズF1は、2028年を視野に入れてタイトル争いに加わる構想を描いており、サインツJr.はその中心的存在と見られている。

    フェラーリで培った経験が最大の武器
    「カルロスは、最近フェラーリで積み重ねてきたすべての経験を含めて、チームにとって非常に大きな戦力に見える」

    そう語るハーバートは、サインツJr.がトップレベルのドライバーと渡り合ってきた実績を高く評価する。

    「例えばシャルル・ルクレールと戦ってきた中で、彼がどれほど高いパフォーマンスを発揮していたかは明らかだ。そしてウィリアムズではアレクサンダー・アルボンに対してもそれを証明した。チームとマシンに慣れるまでには少し時間がかかったが、シーズン後半になると本来の力を完全に取り戻した」

    “目立たない”がゆえの強さ
    ハーバートは、サインツJr.が世界王者を狙える資質を備えていると考えている。ただし、その条件として「勝てるマシン」が不可欠だとも強調する。

    「もし彼に必要なマシンを与えられたなら、例えばマクラーレンに乗っていたとしたら、間違いなくタイトル争いをしていただろう。彼はマックスのように感情を前面に出したり、強烈な自己主張をするタイプではない。その分、少し目立たない存在に見えるだけだ」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズ・レーシング

    父から受け継いだ仕事への姿勢
    サインツJr.の強みは、言葉や振る舞いの派手さではなく、日々の積み重ねにある。その姿勢は、ダブル世界ラリー選手権王者である父、カルロス・サインツSr.の影響も大きいとハーバートは見る。

    「彼は父親と同じように、ただ淡々と仕事をこなすタイプだ。非常に優れた仕事への倫理観を持っていて、それはチームという組織の中で極めて重要な要素だ」

    最後にハーバートは、サインツJr.の将来に大きな期待を寄せている。

    「彼が世界選手権を本気で争えるマシンに乗るチャンスを得られることを、心から願っている。そうなれば、彼はとても静かに、そして非常にプロフェッショナルな形でチャンピオンになるだろう」

  • ウィリアムズF1 2026年F1マシン『FW48』のリバリーを2月3日に公開

    ウィリアムズF1 2026年F1マシン『FW48』のリバリーを2月3日に公開

    ウィリアムズ・レーシングは、F1が大胆な新時代へと加速する中で、次なるステージへ踏み出す準備が整ったことを示した。

    グローブを拠点とするウィリアムズ・レーシングは、2026年F1マシン「FW48」の“印象的な”レーシングリバリーを、2月3日(火)に公開すると発表した。これは、包括的な新レギュレーションの下でウィリアムズがどのような姿と方向性を打ち出すのかを、ファンが初めて具体的に目にする機会となる。

    F1ファンの期待が高まる中でのこの発表は、グランプリ史上でも最大級の技術的リセットに向けたウィリアムズの歩みにおいて、重要な節目を意味する。

    FW48は、2026年F1レギュレーションを前提にゼロから設計された、ウィリアムズ初のマシンとなる。新規則では、マシンはより短く、より軽量化され、より接近した、競争力の高いレースの実現が目指されている。ウィリアムズにとって、この規則刷新は単なる変化ではなく、明確な好機でもある。

    本格的なリバリー公開に先立ち、チームはファン重視のアプローチで2026年をスタートさせる。今月後半に行われるバルセロナ・プレシーズンテストでは、特別に用意されたファンデザインのリバリーで走行する予定だ。

    このワンオフ仕様のデザインは、世界162カ国から約5万5,000人のファンが参加したグローバル投票によって決定されたもので、サポーターをチームの歩みにより近づけようとするウィリアムズの姿勢を象徴している。

    その特別リバリーは、2月3日に披露されるFW48のフルシーズン仕様カラーへと引き継がれる。ウィリアムズは、このデザインが野心と復活への意志の両方を象徴するものになると考えている。

    勢いと期待が交差する2026年
    ウィリアムズは、近年で最も力強い流れを携えて2026年を迎える。2025年シーズンには、コンストラクターズランキング5位を獲得し、獲得ポイントは137点。さらに、バクーとカタールでの表彰台、そしてオースティンでのスプリント初表彰台という結果が、確かな前進を示した。

    現在のドライバーラインアップには、アレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.が名を連ね、グリッドでも屈指の強力な組み合わせと評価されている。チームは、これまで以上に高い目標を見据えている。

    FW48、そして間もなく公開されるその印象的なリバリーは、ウィリアムズが長期的に掲げる「F1の最前線への復帰」に向けた、次なる一歩を象徴する存在となる。

    ウィリアムズ・レーシング フォーミュラ1カー 2026年のF1世界選手権

  • ウィリアムズF1復活の長い道のり ボウルズ「20シーズン分の遅れを取り戻す」

    ウィリアムズF1復活の長い道のり ボウルズ「20シーズン分の遅れを取り戻す」

    ウィリアムズF1チームのチーム代表であるジェームス・ボウルズは、RacingNews365の独占インタビューに応じ、同チームが直面してきた「20シーズンにわたる投資不足」を是正し、再びF1グリッドの前線へ戻るための取り組みについて詳細に語った。

    ボウルズは2024年初頭にチーム代表に就任した。初年度はコンストラクターズランキング9位に終わる厳しいシーズンとなったが、2025年は大きく前進し、2017年以来となるランキング5位でシーズンを終えた。

    再建の核心は「舞台裏」にある
    ボウルズは、復活への道のりは目に見える部分ではなく、組織の中枢にあると説明する。

    「主に舞台裏での改善だ」とボウルズは語った。

    「ERPツールはあるが、私が必要とするレベルでは機能していない。シミュレーションツールも同様だ。データは存在するが、私が望む形でリンクされていない。」

    「それらすべてが、来年末までには最低限きちんとした構造を持つようになる。その結果として、パフォーマンスが解放される。」

    最低ラインは“後退しないこと”
    2026年には新たな技術レギュレーションが導入され、全チームが白紙の状態からマシン開発を行うことになる。これはウィリアムズにとって好機にも、リスクにもなり得る。

    それでもボウルズは、まず後退しないことを絶対条件として掲げている。

    「コンストラクターズ選手権という観点では、今年は良い前進ができた」と語った。

    「私の絶対的な目標は、ここから後戻りしないことだ。5位が今後の最低ラインだと思っている。それは現実的で、達成可能だと考えている。」

    2026年レギュレーションと判断の確信
    2026年F1マシンの設計に関して、ウィリアムズも他チームと同様にゼロからのスタートとなる。規則変更が他チームに有利に働く可能性がある中でも、ボウルズは現在の判断に確信を持っている。

    「人々が注ぎ込んでいる作業量は、必ず配当を生む。私はその成果を目にしている。」

    「競合が何をしているかは分からない。まったく分からない。」

    「だが、我々は常にフィードバックループを回している。6か月前に下した判断を、今の知識があったとして変えるかどうかを検証している。」

    「これまでのところ、判断を変える必要はなかった。それは我々が盲目的でナイーブだからかもしれないし、あるいは、基盤を築くための正しい判断をしてきたからかもしれない。」

    ウィリアムズ・レーシング F1

    ロードマップの終着点は2028年
    ウィリアムズが最後にグランプリで勝利したのは2012年、タイトル獲得は1997年までさかのぼる。

    タイトル争いが可能な体制が整う時期について問われると、ボウルズは明確な年を挙げた。

    「2028年だ。それが我々が描いているロードマップだ。」

    「大げさに聞こえるかもしれないが、私が是正しようとしているのは20シーズン分の投資不足だ。それを3年で終わらせることはできない。」

    長期的な視点と地道な基盤整備を重視するボウルズのアプローチは、ウィリアムズF1チームが再び頂点を目指すための、不可欠なプロセスであることを示している。

  • マックス・フェルスタッペンの相棒ランビアーゼ争奪戦にウィリアムズF1参戦?

    マックス・フェルスタッペンの相棒ランビアーゼ争奪戦にウィリアムズF1参戦?

    ウィリアムズF1が、レッドブル・レーシングでマックス・フェルスタッペンを長年支えてきたレースエンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼの獲得に向け、アストンマーティンF1と並んで動いていることが明らかになった。

    英伊二重国籍を持つランビアーゼについては、日曜日にThe Raceが、アストンマーティンF1への移籍の可能性を報じていた。シルバーストンを拠点とする同チームでは、将来的にCEOやチーム代表へと発展する可能性を含むシニアポジションでの起用が検討されているとされる。

    これに対し、オートスポーツ誌は、2025年シーズンを競争力ある形で終えたウィリアムズF1も、ランビアーゼ獲得に向けて候補に浮上していると伝えた。グローブを拠点とするチームは、来季以降を見据えた体制強化の中で、同氏を重要な補強対象と位置づけているという。

    さらに放送局ラジオボックスは、クリスマス前にウィリアムズF1が、チーム代表ジェームス・ボウルズ体制のもとでランビアーゼと合意寸前まで話を進めていたと報じている。ただし、アストンマーティンF1との接触がこの流れを鈍らせ、現在は中団勢同士による獲得レースに発展している可能性がある。

    アストンマーティンF1が持つ優位性
    アストンマーティンF1が優位に立つ要素は複数あると見られている。まず、資金面での制約が比較的小さい点に加え、競技的な将来性も魅力となり得る。

    ランビアーゼは、マネージング・テクニカル・パートナーであり、次期チーム代表就任が見込まれているエイドリアン・ニューウェイから高く評価されているとされる。両者は、ニューウェイが昨年レッドブル・レーシングを離れる以前に、同チームで共に働いていた関係にある。

    この関係性は、ランビアーゼと私生活でも親しいマックス・フェルスタッペンを、将来的にレッドブル・レーシングから引き抜く構想とも結びつく可能性があると指摘されている。

    マックス・フェルスタッペンとジャンピエロ・ランビアーゼ F1 ウィリアムズ・レーシング

    またランビアーゼは、F1キャリアの初期をジョーダンでスタートさせ、その後ミッドランド、スパイカー、フォース・インディアで経験を積んできた。これらはいずれも、現在のアストンマーティンF1へと連なる系譜のチームであり、実質的に過去に在籍した環境へ戻る形にもなる。

    一方で、レッドブル・レーシング内部では、ランビアーゼをグランプリ全戦への帯同を必要としない新たな役割へ配置転換する可能性も取り沙汰されている。

    実際、直近シーズンでは私的理由によりオーストリアGPとベルギーGPを欠場し、その間はサイモン・レニーがピットウォールで代役を務めていた。

    こうした状況を背景に、アブダビGP決勝後、フェルスタッペンが勝利を挙げた一方でタイトルを逃した場面では、45歳のランビアーゼがピットウォールで感情をあらわにする姿が確認され、レッドブル・レーシングでの将来を巡る憶測が一段と強まることになった。

  • カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1移籍を総括「順応には時間がかかった」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1移籍を総括「順応には時間がかかった」

    フェラーリを離れ、ウィリアムズF1で新たなスタートを切ったカルロス・サインツは、移籍初年度を振り返り「新しいチームへの適応は、人々が考えている以上に時間がかかる」と率直に語った。

    2025年シーズン、サインツは2度の表彰台を獲得し、ドライバーズランキング9位でシーズンを終えた。チームメイトのアレクサンダー・アルボンを上回る結果であり、移籍1年目としては印象的な内容だった。

    サインツは4シーズン在籍したフェラーリを離れ、ルイス・ハミルトンの加入に伴ってウィリアムズF1へ移籍した。序盤はFW47への適応に苦しんだものの、シーズン後半にかけて着実にペースを向上させ、最後の8戦では48ポイントを獲得。アルボンの3ポイントを大きく上回る結果を残した。

    「クルマ、エンジニア、チームと一体になるまでに時間が必要だ」
    F1公式サイトのインタビューでサインツは、移籍の難しさについて次のように説明している。

    「幸か不幸か、僕はこれまで何度もチームを移籍してきたドライバーだ。だから、新しいチームに適応するのにどれほど時間がかかるかについて、ずっと率直に語ってきた。クルマから最後の数コンマ数秒を引き出し、クルマと一体になること、そしてエンジニアやチーム全体と噛み合うことには時間が必要なんだ」

    さらに、かつてはその主張が十分に理解されてこなかったとも振り返る。

    「数年前は、僕がそう言っても誰も本気で受け取ってくれなかった気がする。トロ・ロッソからルノー、ルノーからマクラーレンへ移籍した時も、『君たちはF1ドライバーなんだから、すぐできるはずだ』と言われていた。でも最近は多くのドライバーが移籍を経験し、たとえトップドライバーでも時間がかかるということが理解されるようになった。それで、僕の言ってきたことが証明されたと思う」

    この発言は、フェラーリ移籍初年度に苦戦したシャルル・ルクレールのチームメイトであるハミルトンのケースを暗に指しているとも受け取れる。

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズ・レーシング

    「新加入ドライバーは常に一歩遅れる」
    サインツは、新しいチームで即座に高いパフォーマンスを発揮することがいかに難しいかを強調する。

    「新しいチームに入って、すぐに高いレベルで走るのは本当に難しい。特に、そのチームに長く在籍しているドライバーと比べるとね。理想的な場合でも同じレベルに到達するのが精一杯で、多くの場合、新加入ドライバーは常に一歩遅れる。すべてのフリープラクティス、すべての予選、そしてすべてのグランプリでだ」

    その例としてサインツは、アルボンに加え、フェラーリのルクレール、そしてレッドブル・レーシングで長年チームを牽引するマックス・フェルスタッペンの名前を挙げ、継続性の重要性を改めて示した。

    ウィリアムズF1での初年度を通じて、サインツは「移籍は即効性のあるものではない」という自身の持論を結果で裏付けた形だ。新天地での経験は、2026年以降のさらなる飛躍に向けた確かな土台となりそうだ。

  • メルセデスの2026年F1エンジン最強説にボウルズが疑問「ライバルの策略」

    メルセデスの2026年F1エンジン最強説にボウルズが疑問「ライバルの策略」

    2026年F1レギュレーションを前に、メルセデスのパワーユニットが「最強候補」と見なされている現状について、ウィリアムズF1のチーム代表であるジェームス・ボウルズが慎重な見方を示した。

    ボウルズは、現在広がっているメルセデス優位論について「前提そのものが根拠薄弱だ」とし、一部のライバルが意図的にナラティブ(物語)を作ろうとしている可能性に言及している。

    「誰も結果は分からない」ボウルズの警鐘
    2026年に向けて、メルセデスは最有力エンジンサプライヤーと目されてきた。カスタマーチームであるウィリアムズも、その恩恵を受ける立場にある。

    しかしボウルズは、この見方そのものに疑問を投げかける。

    「誰も分からない。どのエンジンメーカーも、自分たちがどこに位置するか分かっていない」とボウルズは語っている。

    さらに、現在流布している憶測の一部について、次のように踏み込んだ。

    「正直に言えば、あるチームとパワーユニットメーカーが、規則変更を引き出すために物語を作ろうとしている部分もあった」

    そのうえで、他メーカーを軽視する見方を明確に否定している。

    「フェラーリが悪い仕事をしているとは到底思えない。彼らは毎年この分野を非常にうまく仕上げてくる」

    「ホンダは今年、ベンチマークとなるエンジンを作ってきた。2014年のように、1社が独走して全チームを引っ張る状況にはならないと思う」

    ここで言及されたフェラーリとホンダは、それぞれフェラーリ、ホンダとして、2026年に向けて依然として強力な存在感を放っている。

    ウィリアムズとメルセデスの2026年準備
    ボウルズは、ウィリアムズとメルセデスが2026年に向けて早期から協力してきた点についても説明している。

    「我々は2024年初頭、契約を結んだ時点からメルセデスと2026年に特化して作業してきた。言えるのは、彼らはしっかり準備をしてきたということだ。それが何を意味するかは、実際に走ってみないと分からない」

    ウィリアムズは2025年シーズンのコンストラクターズランキングで5位に入り、規則変更前としては異例の好位置につけた。さらに、過去12か月間はアップグレード投入をほぼ抑え、2026年マシン開発に集中してきた点も注目を集めている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1

    2014年の再来はないのか
    アナリストの多くが、メルセデスの信頼性と実績を理由に、再びベンチマークになると予想しているのも事実だ。

    ただし、2014年のハイブリッド導入時のような圧倒的優位を再現するのは難しいと見られている。当時のメルセデスは、他メーカーを大きく引き離す準備期間を確保していた。

    それでも、2026年に向けた立ち位置という点では、メルセデスは新規参入組より優位にある。アウディやレッドブルと比べると、人的規模や開発施設の差は依然として大きい。

    一方で、ホンダは当初2026年F1参戦を見送る意向を示しており、その後の方針転換によって数か月の開発遅れが生じたとされる。致命的ではないものの、無視できない中断だった。

    フェラーリについても、近年は高水準のエンジンを供給してきたが、直近の報道ではいくつかの小さな問題を抱えているとされている。シーズンを左右するレベルではないものの、リスクの高いアプローチであることを示唆している。

    評価はテストまで持ち越し
    結局のところ、メルセデスが「強力で電動効率が高く、信頼性のある」パワーユニットを持つという見方は、まだ証明されていない。

    「すべてはマシンが走り出してからだ」

    というのが、ボウルズの一貫したスタンスである。

    興味深いのは、こうした慎重論がある一方で、ドライバー側からは前向きな声も出ている点だ。アルピーヌF1のピエール・ガスリーも、メルセデスの2026年エンジン開発について良好な情報を得ていると明かしている。

    それでもなお、ボウルズの言葉が示すのは明確だ。

    現在語られている「メルセデス最強説」は、事実ではなく物語に過ぎない可能性がある。そして、その物語を覆すかどうかは、他メーカー次第だ。

  • カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1での2025年は「自分を試したシーズン」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1での2025年は「自分を試したシーズン」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)にとって、2025年シーズンはまさにジェットコースターのような一年だった。フェラーリからの移籍初年度は最終的に成功と評価されたが、シーズンを通して常に前向きでいられたわけではない。

    RacingNews365.comのインタビューでサインツJr.は、夏休み明けに一度は「すべてが真っ暗に見えた」瞬間があったことを率直に認めている。

    「気持ちはリフレッシュして準備も整っていた。でも自分自身の小さなミスや、周囲の状況のせいで、ポテンシャル的には6位か7位を狙えたはずのザントフォールトやモンツァで、結局何も得られずに帰ることになった」

    「これは自分の年じゃない」と感じた瞬間
    その出来事は、サインツJr.にとって2025年で最も苦しい局面につながった。

    「『これは自分の年じゃない。どれだけ頑張っても無駄なんだ』と思った。諦める罠に落ちるのは簡単だった。『今年はもう終わった。マシン開発やチームへの適応は続けるけど、誰かが上で決めたみたいに、2025年は結果が出ない年なんだ』と考えてしまいそうだった」

    この心境は、精神的な限界に近いところまで追い込まれていたことを示している。

    レジリエンス(折れても戻ってくる力)が流れを変えた
    シーズン序盤、サインツJr.は新天地ウィリアムズへの適応に苦しんだ。オーストラリアGPのセーフティカー下でのミスに象徴されるように、細かなトラブルや不運も重なった。

    最初の16戦で獲得したポイントはわずか16点。しかし、後半8戦で一気に48点を積み上げ、チームメイトのアレクサンダー・アルボンに肉薄するまで巻き返した。

    転機となったのがバクーGPとカタールGPでの2度の表彰台だった。

    「バクーで表彰台に上がったことで、どれだけ努力を続けることが大事かを思い知らされた。曲がり角を曲がった先に、突然良い結果が待っていることもある。これまで以上に努力しなければならなかったし、レジリエンスは本当に重要だ」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズ・レーシング

    「この年は自分を試した」
    サインツJr.は2025年を次のように総括している。

    「この年は自分を試したシーズンだった。奇妙なのは、最初からペースはあったし、マシンも最初から戦える状態だったことだ。それでも、何かを結果として得るまでに10戦か12戦も必要だった」

    ウィリアムズの飛躍とサインツJr.の価値
    シーズン終盤、サインツJr.はついに努力の成果を手にした。フラストレーションの溜まる序盤戦を乗り越え、チームとともに見事な巻き返しを遂げた。

    ウィリアムズは2024年から2025年にかけて最も成長したチームとなり、コンストラクターズ選手権では堂々の5位を獲得。その大きな原動力の一つが、移籍初年度からチームを引き上げたサインツJr.の存在だった。

  • カルロス・サインツJr. 「次の目標はウィリアムズF1での勝利」

    カルロス・サインツJr. 「次の目標はウィリアムズF1での勝利」

    カルロス・サインツJr.は、ウィリアムズ移籍という賭けが成功だったとの手応えを示し、次なる目標として「勝利」を明確に掲げた。グローブのチームで迎えた2025年F1シーズン初年度を総括し、チームを再び表彰台の最上段へ導く決意を語っている。

    2025年F1シーズン開幕前、フェラーリを離れウィリアムズに加入したサインツは、自身の将来を巡る不確実性の中で新たな挑戦に踏み出した。フェラーリではルイス・ハミルトンの加入に伴いシートを失い、プロジェクトの競争力やキャリアの方向性について、多くの疑問の声が上がっていた。

    シーズン序盤は苦戦を強いられたものの、サインツは徐々に新天地に適応。アゼルバイジャンGPとカタールGPでの決勝2度の表彰台に加え、オースティンのスプリントで3位を獲得するなど、着実な前進を示した。

    これらの結果を受け、サインツは自身の選択を疑っていた声に応えるかのように、シーズンを振り返った。

    「自分のシーズンには誇りを持っている」とサインツは語った。
    「昨年末にウィリアムズへ移籍したとき、多くの人がその選択を疑っていたと思う。」

    「自分の将来や、キャリアがどこへ向かうのかについても疑問視されていた。」

    しかし2025年F1シーズンを経て、その答えは明確になったと強調する。

    「この1年を終えて、僕が勝利を渇望するプロジェクトに加わったことは、誰の目にも明らかになったと思う。」

    ウィリアムズ・レーシング F1 カルロス・サインツJr.

    予想以上に早く表彰台へ戻れたことも、本人にとって大きな収穫だった。

    「自分が思っていたよりも、そして周囲が想像していたよりも、ずっと早く表彰台に戻ることができた。」

    「今の次の目標は、再び勝利への道を取り戻すことだ。ここはそのために、正しい場所であり、正しいタイミングだと思っている。」

    一方でサインツは、勝利を現実のものとするためには、チーム全体として勢いを維持する必要があるとも指摘する。

    「僕がやっているのは、チームに対して、プッシュし続け、全力を尽くし続けようと促すことだけだ。なぜなら、僕はこのチームにポテンシャルを見ているからだ。」

    「ただ、このスポーツでは、ある年に前進できたからといって、翌年も必ず前進できるとは限らない。」

    「だからこそ、飢えた姿勢を保ち、規律を守り、これまで以上に強くプッシュし続ける必要がある。そうして初めて、来年また新たな一歩を踏み出せるはずだ。」

    ウィリアムズF1とカルロス・サインツが描く次の目標は、もはや表彰台ではなく“勝利”そのものとなっている。

  • ウィリアムズF1 2026年最初のリバリー公開 ファン投票で“ステルス仕様”採用

    ウィリアムズF1 2026年最初のリバリー公開 ファン投票で“ステルス仕様”採用

    ウィリアムズF1は、2026年F1レギュレーションに準拠したマシンのモックアップを用い、2026年シーズン最初となる特別リバリーを公開した。プレシーズンテストを前に披露されたのは、全体をダークトーンでまとめた“ステルス”ルックのデザインだ。

    2026年F1マシンは、1月にバルセロナで非公開テストとして初走行を迎える予定となっている。F1にとって大きな転換点となる新時代を前に、ウィリアムズはその幕開けを象徴する形で、ファン参加型のリバリー企画を実施した。

    ファン投票で決定した「Flow State」
    今回の特別リバリーは、ウィリアムズが実施したファン投票によって決定されたものだ。投票では「Blue Horizon」「Future Force」「Generation Next」「Midnight Velocity」「Flow State」「Apex Predator」といった複数の候補が提示され、その中から「Flow State」が最多得票を獲得した。

    この結果は、アレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.の両ドライバーによって発表され、2026年シーズン最初の特別カラーとして正式に採用されることが明かされた。

    新時代を象徴する“ステルス”デザイン
    公開されたモックアップでは、従来のウィリアムズのブルー基調とは異なり、控えめでシャープな印象を与えるステルス調の配色が特徴となっている。2026年の大幅な技術刷新と歩調を合わせるかのように、デザイン面でも新たな方向性を示す形となった。

    本格的なシーズン開幕を前に、ファンの声を反映したこのリバリーは、ウィリアムズが迎える2026年F1シーズンの第一歩として注目を集めることになりそうだ。

    ウィリアムズ・レーシング F1

  • ウィリアムズF1、アルボンとサインツの連携は「最初の瞬間から機能していた」

    ウィリアムズF1、アルボンとサインツの連携は「最初の瞬間から機能していた」

    ウィリアムズF1チーム代表のジェームス・ボウルズは、2025年F1シーズンを通じてアレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツが築いた協力関係を高く評価した。

    ボウルズによれば、アルボンとサインツの連携はウィリアムズの躍進において極めて重要だったという。ウィリアムズは2024年にコンストラクターズランキング9位、わずか17ポイントに終わっていたが、2025年は137ポイントを獲得し5位に浮上した。6位のレーシングブルズに対しては45ポイントの差をつけてシーズンを終えている。

    サインツは2025年初頭、ルイス・ハミルトン加入の影響でフェラーリを離れ、グローブのチームに加わった。ウィリアムズでの初年度、サインツはアゼルバイジャンGPとカタールGPで2度の表彰台を獲得しており、これらはボウルズ体制下でのウィリアムズにとって初の表彰台でもあった。一方、アルボンは1年のブランクを経て2022年にF1グリッドへ復帰し、ウィリアムズの中心的存在として戦ってきた。

    「バーレーンで最初に一緒に行ったテストから、メルボルンに至るまで、カルロスがクルマに乗っていないときでも、チームを助けられる存在だということが分かった」とボウルズは『The Vowles Verdict』でシーズンを振り返った。

    「彼らはデブリーフィングやデータ、マシンのセットアップに関して、最初から非常にうまく協力していた。その関係性は、通常であればシーズン終盤に到達するレベルと同じくらい強いものが、最初の瞬間から出来上がっていた」

    ウィリアムズ・レーシング F1

    「真のトップアスリート」
    シーズンを通じて、アルボンとサインツの関係に緊張が生じることはなかった。

    「状況によっては、ドライバーやチームにかかるプレッシャー次第で関係が変わることもある。しかし今回はまったく変わらなかった。それ自体が、彼らが真のトップアスリートである証拠だ」とボウルズは語る。

    「ただ、それ以上に大切なのは、我々がトップに戻るための道のりだ。誰がどのレースでどこにいるかという細かい部分に振り回されることはない。重要なのは、チームがどう前進するかだ」

    具体例として、ボウルズは開幕戦オーストラリアGP(メルボルン)を挙げた。

    「メルボルンでは、特にターン3において、アレックスがフェラーリとは少し異なるマシンの扱い方をしていた」とボウルズは説明する。

    アルボンはその情報を、フェラーリから移籍してきたばかりのサインツと共有した。

    「最初のフリー走行後、カルロスが『そのラインをうまく取れない』と言ったとき、アレックスはとてもオープンに自分のやり方を説明していた。あれは最初のレースであり、関係の始まりだったが、その姿勢はシーズンを通して続いた。アレックスがカルロスを助けられる場面もあれば、その逆もあった」

    両者の差が非常に小さかったことも、チーム運営に好影響を与えた。

    「シーズン中盤から、2台のマシンでかなり異なるセットアップを試すようになった。両ドライバーがミリ秒単位で拮抗していたからだ」とボウルズは明かす。

    「それによって2つの異なる方向性を探ることができ、その後、走行後の率直なフィードバックを通じて、最終的にはひとつの共通したセットアップに収束させることができた。こうして関係は成長してきたし、来年以降もさらに成長し続けていくはずだ」