カテゴリー: マックス・フェルスタッペン

  • マックス・フェルスタッペン F1恒例ディナー裏話「ガスリーが支払ってた」

    マックス・フェルスタッペン F1恒例ディナー裏話「ガスリーが支払ってた」

    マックス・フェルスタッペンは、F1ドライバーの間で恒例となっている「シーズン最終戦前ディナー」をめぐる、少し意外なエピソードを明かした。タイトル決定戦を前にした和やかな集まりで、本来なら自身が支払うはずだった会計を、元レッドブルのチームメイトが肩代わりしていたという。

    シーズン最終戦の舞台となるアブダビでは、毎年ほぼ全ドライバーが集まり、1年を締めくくる食事会が開かれる。20人のF1ドライバーが一堂に会するため、会計は当然ながら高額になり、「誰が払うのか」は毎年の話題になる。

    今回、その支払い役として名前が挙がったのが、4度の世界王者であるマックス・フェルスタッペンだった。しかし実際にクレジットカードを出したのは、アルピーヌF1のドライバーであり、フェルスタッペンの元チームメイトでもあるピエール・ガスリーだった。

    フェルスタッペンは『Talking Bull』ポッドキャストで、その経緯を次のように語っている。

    「話すよ。去年はバルテリ・ボッタスがすごく親切で、彼が支払ってくれた。ドライバーたちは『今年はマックスの番だな』って冗談を言ってきて、僕も『もちろん』って答えたんだ」

    「でも、その日は個室の入り口の反対側に座っていてね。みんなで笑って過ごしているうちに、急に帰る流れになった。そうしたら、ピエールがすでに支払いを済ませていたことが分かったんだ」

    冗談交じりに「会計のタイミングでトイレに行っていたのでは?」と聞かれた際の反応も、フェルスタッペンは率直だった。

    「いや、違うよ。反対側でジントニックを飲んでいただけだ」

    さらに、自分が支払えなかったことについても、こう続けている。

    「次は入る前に『今日は僕が払うからね』って言うべきかもしれない。そうすれば、本当に支払えるだろうから」

    将来、実際に支払う機会が来た場合についても、フェルスタッペンは慎重さよりも気前の良さを強調した。

    「いや、こういうときは普通に気前よくやるよ。ただ、まだその機会がなかっただけだ」

    「でも来年もまたみんなで食事するはずだから、そのときにはきっと僕の番が来ると思う」

    また、全員のクレジットカードをテーブルに置き、店員が1枚を選ぶという案については、若手時代の経験を踏まえて次のように述べている。

    「2015年か2016年、キャリアを始めたばかりの頃に一度あったのを覚えている」

    「あれはちょっと見た目が良くない。だから最初から誰か1人が引き受けた方がいい」

    「それに、ルーキーに払わせることは絶対にしない。それは当たり前だ。経験のあるドライバーから始まるものだからね」

    世界王者であっても、オフ・トラックでは仲間との暗黙のルールや配慮が重視される。今回のエピソードは、フェルスタッペンとF1ドライバーたちの人間的な一面を浮き彫りにしている。

  • マックス・フェルスタッペン、GT3でメルセデスと複数年契約を締結

    マックス・フェルスタッペン、GT3でメルセデスと複数年契約を締結

    マックス・フェルスタッペンは、自身が率いるフェルスタッペン・レーシングとしての将来に向けた重要な決断を下した。チームはメルセデスAMGと複数年契約を結び、GT3カテゴリーで戦うことが正式に発表された。

    このパートナーシップにより、フェルスタッペン・レーシングは2026年シーズンからGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパにメルセデスAMG GT3を投入する。これにより、これまで使用してきたアストンマーティンからコンストラクターを変更することになる。

    フェルスタッペン自身は、エストリルで行われたプライベートテストでAMG GT3をドライブし、ノルドシュライフェで使用したフェラーリ296 GT3との比較も行っていた。

    この新たな提携は、フェルスタッペン・レーシングがGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパに長期的に参戦する意思を明確に示すものでもある。2025年シーズンを前に、フェルスタッペンはチーム体制の大幅な拡張を発表しており、2シーズ・モータースポーツを支援する形で、スプリントと耐久の両カテゴリーに初参戦していた。

    当時は、ティエリー・フェルミューレン、クリス・ルルハム、ハリー・キングがアストンマーティン・ヴァンテージGT3エボでエンデュランス・カップに出場し、並行してフェルミューレンとルルハムはエミール・フレイ・レーシングからフェラーリ296 GT3でスプリントにも参戦していた。

    新たなメルセデスとのパートナーシップにおいても、フェルスタッペン・レーシングはスプリントと耐久の両シリーズに参戦する。使用する車両は1台のメルセデスAMG GT3で、スプリントではクリス・ルルハムがアストンマーティンF1のシミュレータードライバーであるダニエル・フンカデラとコンビを組む。耐久レースではジュール・グーノンが加わり、ラインアップが完成する。

    マックス・フェルスタッペン メルセデス GT3

    メルセデスAMGでカスタマーレーシングを統括するステファン・ヴェンドルは、この契約を次のように歓迎した。

    「フェルスタッペン・レーシングがGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパでメルセデスAMG GT3を選んでくれたことを大変うれしく思う。」

    「2シーズ・モータースポーツという、すでに我々のマシンで数多くの成功とタイトルを獲得してきた非常に経験豊富なチームに支えられている。」

    「その結果として、この非常に野心的で将来性のあるプロジェクト、そしてスプリントとエンデュランスの両プログラムにおける新たなトップレベルのエントリーを歓迎している。」

    一方で、フェルスタッペンは2025年のF1シーズンにおいても激しい戦いを経験した。シーズン後半には圧巻の追い上げを見せたものの、5年連続のワールドチャンピオン獲得はわずかに届かなかった。夏休み以降、6勝を挙げ、すべてのレースで表彰台に上り、最大104ポイント差を縮めてタイトル争いに復帰したが、最終的にはランド・ノリスがわずか2ポイント差で王座を手にした。

    来季についてフェルスタッペン自身は、GT3レースへのスポット参戦の可能性も否定していない。さらに、ノルドシュライフェで開催されるニュルブルクリンク24時間レースへの出場も視野に入れており、F1と並行してGT3の舞台でもその存在感を強めていく構えだ。

  • マックス・フェルスタッペンはなぜ去らなかったのか メルセデスF1接触の真相

    マックス・フェルスタッペンはなぜ去らなかったのか メルセデスF1接触の真相

    2025年シーズン中盤、パドックを駆け巡った「マックス・フェルスタッペンがメルセデスに移籍するのではないか」という噂は、いつの間にか立ち上がり、そして静かに消えていった。

    その沈黙を破るように、フェルスタッペンが初めて当時の状況と自身の価値観について語った。そこにあったのは、単なる契約やパフォーマンスを超えた、レッドブルとの深い結びつきだった。

    噂が広がった2025年中盤と「一線」
    2025年F1シーズン中盤、2026年F1レギュレーション大改革を前に不確実性が高まる中で、フェルスタッペンの将来を巡る噂が一気に加速した。

    フェルスタッペンはレッドブルと2028年末まで契約を結んでいるが、それでも彼の名前はグリッド最大の「もしも」の中心に置かれた。

    この噂は8月のハンガリーGPを前に、公の場でいったん終止符が打たれる。

    「今こそ噂を止める時だと思う。僕にとっては、残ることはずっと明確だった」

    そう語り、2026年もレッドブルにとどまる意思を明言した。

    だが、明確さは「会話が一切なかった」ことを意味するわけではなかった。

    フェルスタッペンが語る“決断の基準”
    フェルスタッペンはBBC Sportのインタビューで、仮に将来を考えるとき、F1での速さだけでは決断に至らないと強調した。

    「僕にとってはF1だけの話じゃない。何かを変えるには、いろいろな要素がすべて揃わないといけない。将来の役割だったり、そういうことも含めてだ」

    「もし何かを変えるとしたら、それは本当に大きなことになる。ここは第二の家族のような存在だから、それを簡単に他で再現することはできない」

    「速いF1マシンが欲しいからとか、環境を変えたいからという理由だけで動くことはない。F1の外でやっていることも含めて、すべてが噛み合わないといけない」

    この言葉から浮かび上がるのは、フェルスタッペンの忠誠心が契約ではなく、文化的で感情的な結びつきに根ざしているという事実だ。

    マックス・フェルスタッペン メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「話し合いはあった」──しかし意味合いは
    では、メルセデスとの話し合いは本当にあったのか。その問いに対し、フェルスタッペンは否定しなかった。

    「正直に言えば、話し合いは確かにあった。でも同時に、とてもフレンドリーでオープンなものだった。それ以上のものではない」

    興味や対話と、迷いは別物だという姿勢が、そこにはにじむ。

    フェルスタッペンにとって、価値を理解した上での対話は自然な行為であり、それが今いる場所への疑念を意味するわけではない。

    F1の外でも続く“完成形”への探求
    フェルスタッペンの視線は、常にF1の枠内だけに収まっていない。9月にはニュルブルクリンク北コースでGT3デビュー戦勝利を挙げ、その後も多様なカテゴリーで走り続けている。

    「常に細部を探し続けている。クルマを学び、自分自身を学ぶためだ。F1の外でもいろいろなことをしている」

    「いろいろなクルマを走らせることは、F1でレースをする上でも決してマイナスにはならない。より完成度の高い、オールラウンドなドライバーになるためだ」

    この姿勢もまた、彼が“今すぐ環境を変える理由がない”ことを物語っている。

    メルセデスとの話し合いは、確かに一瞬背景に存在した。しかし、レッドブルとの信頼、歴史、共有されたビジョンは揺らいでいない。

    速さと憶測に支配されがちなF1の世界で、フェルスタッペンのメッセージは静かだが明確だ。

    レッドブルを去るには、速いマシン以上の理由が必要になる。それは「家族」を書き換える決断に等しいのだから。

  • フェルスタッペン陣営 レッドブルの2026年F1エンジンは「良い話を聞いている」

    フェルスタッペン陣営 レッドブルの2026年F1エンジンは「良い話を聞いている」

    2026年F1の大転換点が近づくなか、最大の焦点のひとつは、レッドブルが自社製パワーユニットという歴史的挑戦を成功させられるかどうかだ。

    ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルは、フォードと提携し、初めてOEMとして自前のエンジンを一から開発する。前例のない挑戦であるがゆえに、不確実性と同時に強い関心も集めている。

    そんな中、マックス・フェルスタッペン陣営の中枢から、内部の空気感をうかがわせる発言が明らかになった。マネージャーのレイモンド・フェルミューレンは、新エンジンについて「良い話を聞いている」と認めつつも、実際の競争力は依然として不透明だと語っている。

    白紙のスタートと早期の答え
    フェルミューレンは、新レギュレーションがいかに大きな変化をもたらすかについて、現実的な見方を示している。新型マシンと新型パワーユニットが走り出せば、従来の比較基準はほとんど意味をなさないという認識だ。

    「来年の基準は何なのか? 誰にも分からない」とフェルミューレンはオランダのRacingNews365に語った。

    「だから最初の数戦で、状況がどう展開していくのかは非常にはっきりするはずだ。我々はフレッシュなアプローチでスタートすることになる」

    この「序盤での明確化」という見方は、2026年シーズンの開幕数戦で、新時代をつかんだチームとそうでないチームが早々に判明するという、パドック全体の共通認識とも一致している。

    顧客エンジンから完全な自社運営へと踏み出すレッドブルにとって、その瞬間は特に重要な意味を持つ。

    良い話は聞くが、保証はない
    この壮大な挑戦にもかかわらず、フェルミューレンはレッドブルとの日常的なやり取りを通じて、慎重ながらも前向きな感触を得ているという。

    「エンジンについては良い話を聞いている。でも“良い”って何なんだ? 基準は何だ?」とフェルミューレンは述べた。

    「だから、待ってみるしかない」

    この含みを持たせた言い回しは、2026年F1レギュレーションが抱える本質的な緊張感を象徴している。純粋な性能は重要だが、それ以上に適応力が勝敗を分ける可能性がある。

    フェルミューレンによれば、レッドブルの運命を左右するのは、スタート位置そのものではなく、ライバルに遅れを取った場合にどれだけ迅速に立て直せるかにあるという。

    「重要なポイントは、仮に序列の上位にいなかった場合、どのチームが最も早く状況をひっくり返せるかだと思う」と彼は続けた。

    「工場の体制をどう組み替え、新しいパーツをどれだけ素早くマシンに投入して、速いクルマを作れるか。どう展開するか見ていくしかない。でも、それは全員に当てはまることだ。そこが良い点でもある」

    2025年シーズン、勝者と凡走者を分けたのはコンマ数秒、時にはコンマ数百分の差だった。その状況を踏まえれば、この“回復速度”への言及は極めて現実的だ。

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    モメンタム、モチベーション、そしてグレーゾーンの噂
    フェルスタッペンは、未完の課題を抱えたまま2026年を迎える。2025年は最終戦までもつれ込む接戦の末、わずか2ポイント差でランド・ノリスに敗れ、5連覇を逃した。

    マクラーレンは2026年の早期本命と目されており、さらにパドックでは、メルセデスとレッドブルが、新パワーユニット規則の中にコンマ数秒分のアドバンテージを生む可能性のある“グレーゾーン”を見つけたのではないか、という囁きも絶えない。

    もしそれが事実であれば、メルセデスのカスタマーであるマクラーレンも恩恵を受けることになり、競争はさらに拮抗する。ただし、両メーカーはFIAの厳しい監視下にあるとされている。

    それでもフェルミューレンは、フェルスタッペン自身のメンタリティこそが重要な武器であり続けると見ている。

    「現時点では、我々は間違いなく満足している」と彼は語った。

    「本当に素晴らしいシーズンだったと思う。これから非常にチャレンジングな年が待っている。マックスはまだ若く、意欲もあり、そして今も非常に速い。だから、すべてはこれからだ」

    全面的なコミットメント
    エンジンそのものに加え、フェルミューレンはプロジェクトに対するレッドブルの本気度――資金面、技術面、そして文化的側面――にも手応えを感じているという。

    「良い人材のグループがある。レッドブル、そしてエンジン会社は完全にこのプロジェクトを支えている」と彼は締めくくった。

    「エンジン、風洞、ファクトリー設備に莫大な資金を投じ、すべてがゴーサインだ。だから、あとは見ていくだけだ」

    この「見ていくしかない」という一言こそ、現在の状況を最も端的に表している。自信は高まり、楽観論も芽生えているが、確信には至っていない。

    レッドブルとフェルスタッペンにとって、2026年へのカウントダウンはもはや約束の話ではない。やがてストップウォッチが、すべての答えを示すことになる。

  • フェルスタッペン「ナンバー2でもポイントが必要」 角田裕毅 レッドブルF1評価

    フェルスタッペン「ナンバー2でもポイントが必要」 角田裕毅 レッドブルF1評価

    マックス・フェルスタッペンは、2026年シーズンに向けてレッドブル・レーシングに加入するアイザック・ハジャーについて、F1における自身の明確な序列観を率直に語った。

    2026年シーズンに向けて、レッドブルF1は角田裕毅に代わり、アイザック・ハジャーを昇格させる判断を下した。

    初のシーズンをフェルスタッペンのチームメイトとして迎えるハジャーに対し、4度のワールドチャンピオンは、理想的なF1チーム運営の在り方について妥協のない見解を示している。

    フェルスタッペンはViaplayのインタビューで、2025年にマクラーレンがタイトル争いで代償を払ったのは、ドライバー間に明確なヒエラルキーを築かなかったことにあると指摘した。

    「もし自分がチーム代表なら、常に明確な序列、ナンバー1とナンバー2を設定する。1人で戦える状況なら、よりアグレッシブに攻められる。それがいつも自分の好みだ」

    2025年はランド・ノリスとオスカー・ピアストリが優勝とタイトルを争ったマクラーレンについて、フェルスタッペンはこう続けた。

    「マクラーレンは2人のタイトル候補を抱えていたから、戦略面でチャンスを逃した。もちろん、僕たちもそこから利益を得た。マクラーレンは時に保守的すぎたと思う」

    最終的にフェルスタッペンはノリスからわずか2ポイント差でシーズンを終えたが、タイトル争いが最後まで続いた大きな理由のひとつとして、マクラーレンが明確なリーダーを指名しなかった点を挙げている。

    それでもフェルスタッペンは、ナンバー2ドライバーの役割が決して軽視できないことも強調した。

    「ナンバー2でも、コンストラクターズ選手権のために十分なポイントを獲得しなければならない」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング アイザック・ハジャー

    この発言は、2025年においてレッドブルがほぼフェルスタッペン1人の得点に依存していた状況を踏まえたものだ。

    こうした背景が、ハジャー昇格の理由を説明している。レッドブルのCEOであるオリバー・ミンツラフもこの判断を支持している。

    「アイザックはマックスの隣で走る機会を得た。それはレッドブルにとって完璧に理にかなっている。我々は最高の才能を、最高のポジションに配置する」

    一方、ハジャー自身も幻想は抱いていない。21歳のフランス人ドライバーは、数日前に非常に冷静な姿勢を示していた。

    「もちろん、マックスと同じくらい速くなりたい。でも、レッドブルに来てすぐ彼と同じレベルで戦えると思うのは危険だ。マックスと競える可能性は極めて低い。最初の数か月は自分が遅いと受け入れたほうがいい。そうすれば、自分に集中できるし、彼のテレメトリーデータを分析して、どこでタイムを失っているのかを正確に理解できる」

    ハジャーはフランス国内でも強力な後ろ盾を得ている。Canal+の特集の中で、アラン・プロストがその人格と個性を高く評価した。

    「彼は非常に強い個性を持っている。だから、誰かに似る必要はない。それが全員に好かれるとは限らないが、彼の振る舞い、そしてそこから生まれるパフォーマンスを見るのは本当に興味深い」

    プロストは、F1におけるプレッシャー管理について、個人的にハジャーを支援する意思まで示している。

    「マシンのセッティングについてアドバイスすることは決してない」と4度の世界王者は笑顔で語った。

    「でも、自分が経験してきたこと、プレッシャーの扱い方についてなら、彼のためにやるつもりだ。彼のことが好きだからね」

  • マックス・フェルスタッペン「全車検査すればF1グリッドの半分は失格」

    マックス・フェルスタッペン「全車検査すればF1グリッドの半分は失格」

    2025年F1シーズンでは、決勝後の車検で5台が失格となった。中国GPではフェラーリ2台、さらにピエール・ガスリー(アルピーヌ)、そしてラスベガスGPではマクラーレン2台がスキッドブロック摩耗の規定違反で失格となっている。

    これを受け、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、FIAが全20台を毎戦詳細に検査すれば「半分は確実に下限を下回っている」と主張した。

    フェルスタッペンは、ラスベガスでのマクラーレン2台の失格がタイトル争いを大きく動かしたと語る。このレースでランド・ノリスとオスカー・ピアストリは2位と4位でフィニッシュしたものの、失格によりそれぞれ18点と12点を失った。

    その結果、フェルスタッペンは残り2戦を前にノリスから24ポイント差、ピアストリとは同点となり、カタールGPとアブダビGPでの連勝によって、最大104ポイント差を追い上げて最終的にタイトル争いを2ポイント差まで縮めた。

    「僕にとっては早めのクリスマスプレゼントだった」とフェルスタッペンはViaplayに語った。

    「少なくとも、少しは面白くなった。そうでなければ、アブダビがあそこまで接戦だなんて話題にならなかったはずだ」

    「F1にとってもポジティブだったと思うし、僕にとってもそうだ」

    ラスベガスでは通常の重量測定だけでなく、より詳細な検査が行われた。FIAテクニカルデリゲートのジョー・バウアーは、マクラーレンをスチュワードに付託。ノリスのマシンはフロント右が8.88mm、右リアが8.93mmと、規定の9mmを下回っていた。ピアストリもフロント左8.96mm、フロント右8.74mm、右リア8.90mmと、3か所で違反が確認された。

    フェルスタッペンは、こうした検査が全車に及べば、失格はさらに増えると考えている。

    「もちろん、みんな限界を探る。僕たちは全員そうだ」とフェルスタッペンは説明した。

    「そして時には、うまく逃げ切れることもある。毎回チェックされるわけじゃないからね」

    「毎レースそれをチェックしたら、半分は確実に下限を下回っていると思う」

    ただし、全車に対する詳細検査は現実的ではないとも認める。

    「無理だね。そうしたら大量の人員が必要になる。それは現実的じゃない」

    この“ランダム性”については、マクラーレンのダブル失格直後にアレクサンダー・アルボンも問題視していた。アルボンは、現行の検査体制が、違反のリスクを承知で限界を攻める余地を与えていると指摘している。

    「正直言って、やろうと思えば、デッキまで下げて走らせることもできる。検査されなければ合法のままだ。でも、そうなると全員が違法なパフォーマンスを追いかけることになる」とアルボンはPlanetF1.comなどの取材に答えた。

    「僕にとって一番嫌なのは、ランダムであることだ。むしろ毎週20台すべてをチェックした方が、フェアな戦いになると思う」

    「でも、今のランダム方式は少し厄介だ」

    「ただ、ルールはルールだけどね」

    2025年F1で相次いだ失格と、その検査体制を巡る議論は、フェルスタッペンとアルボンの発言によって改めて注目を集めることになった。

  • マックス・フェルスタッペン 父親F1ドライバーになっても「遅くなっていない」

    マックス・フェルスタッペン 父親F1ドライバーになっても「遅くなっていない」

    マックス・フェルスタッペンは、父親になったことでドライバーとして自分が変わったとは思っていない。オランダ人の彼は、モータースポーツ界に古くからある有名な決まり文句に真っ向から異を唱える。

    モータースポーツには古くから「子どもができると1周あたりコンマ3秒遅くなる」という決まり文句がある。しかし、マックス・フェルスタッペンはそれを認めない。4度の世界チャンピオンであるフェルスタッペンは、2025年4月に恋人のケリー・ピケとの間に第一子を授かった。

    「サーキットでは何も考えていないよ」とフェルスタッペンは、Viaplayのインタビュー番組『GeMaximaliseerd』で、父親になってどの程度変わったのかと問われてそう答えた。

    「ありがたいことに、少なくとも遅くはなっていないと思っている。たいていはそう言われるものだけど、僕にとってはむしろトリガーみたいなものだ。そう言われると、『じゃあ見せてやるよ』って思うんだ」

    一方で、娘リリーの誕生は、サーキット外のフェルスタッペンを変えたという。

    「うん、たぶん前よりも少しリラックスするようになったと思う」と、レッドブル・レーシングのドライバーは語る。

    「家族と過ごす時間は大切だし、できるだけ長く家にいるようにしたい。もちろん結果は人生の中で重要だけど、いちばん大事なのはプライベートで幸せでいることと、その小さな子が成長していくのを見ることだ。それが楽しいし、本当に楽しい」

    フェルスタッペンは、すでにケリーに娘がいたことにも触れながら、父親であることについてそう話した。

    ただし、年間24戦が組まれたF1カレンダーの中で、家に多くいるのは簡単ではない。

    「それに、もちろんマーケティングの仕事もある。それは正直言って……もともとあまり好きじゃない」とフェルスタッペンは続ける。

    「もちろん、タイミングによっては一緒に移動してもらうようにもしているし、レースウィークエンドの夜にはできるだけ一緒に時間を過ごすようにしている」

    フェルスタッペンは今年28歳の誕生日を迎え、理論上はF1でまだ長い将来が残されている。比較として、フェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトンはすでに40歳を超えている。

    しかし、フェルスタッペン自身は、そこまで長いキャリアを望んでいない。

    「24レースもある状況で、44歳までF1に乗っている自分は想像できない」と彼は言う。

    34歳まで続けることが、彼にとってすでに長いのかと問われると、その答えは明確だった。

    「うん」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    引っ越し
    フェルスタッペンは最近、家族とともに引っ越しをしたが、新居のインテリアにはあまり関わっていないという。

    「自分の部屋があって、そこにシミュレーターとかを置いている。それはいわゆるマンケイブみたいなものだね。そこについては関わったけど、それ以外はあまり関与していない」と彼は説明する。

    「ケリーが本当にほとんどをやってくれた。もちろん、良い建築家も含めて、いろいろな人の助けもあった」

    「正直、僕自身はあまりそういうことに興味がないんだ」とフェルスタッペンは率直に語る。

    「もし僕にいろいろな色を見せたとしても……『ああ、いやだ』とか、そうやってじっくり見ることはしない。1時間もそんなことはできないよ。本当に忍耐力がないからね。ただ、快適なベッドと良いシャワーがあればいい。それと、良いインターネットと良いテレビがあればね」

  • フェルスタッペンが明かす角田裕毅との差 レッドブルF1で問われた“細部”

    フェルスタッペンが明かす角田裕毅との差 レッドブルF1で問われた“細部”

    マックス・フェルスタッペンは、レッドブルでチームメイトだった角田裕毅との間にあった「小さいが重要なセットアップの違い」について説明した。

    角田裕毅は日本GPを前にレッドブルへ昇格し、フェルスタッペンと22戦と5回のスプリントを共に戦った。しかし、その期間で獲得したポイントは30点にとどまり、フェルスタッペンの385点とは大きな差があった。

    角田裕毅の最高位はアゼルバイジャンGPでの6位。一方フェルスタッペンは8勝を挙げ、夏休み明けの驚異的な追い上げの末、チャンピオンとなったランド・ノリスにわずか2点差まで迫った。

    これまでフェルスタッペンのチームメイトだったピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、リアム・ローソンはいずれも、フェルスタッペン仕様のセットアップに適応する難しさについて語ってきた。フェルスタッペンは、コーナー進入での正確さを重視した非常に鋭いフロントノーズを好み、他のドライバーには扱いづらい特性だとされている。

    角田裕毅と共に過ごした時間を振り返り、フェルスタッペンは、セットアップはかなり近づいていたものの、日本人ドライバーは依然としてアンダーステア寄りのクルマを走らせていたと明かした。

    「最終的に、ユウキが来て、やっぱり僕たちのクルマは難しいという話をしていた」とフェルスタッペンはViaplayに語った。

    「(僕のセットアップで)走ろうとはするけど、どのドライバーにもそれぞれのスタイルがあるからね」

    「セットアップの面では、ユウキは常に少しアンダーステア寄りで走っていた。ただ、ある段階になると方向性自体はかなり同じになっていった」

    「特にシーズン後半は、僕たちは非常に多くの場面で同じ哲学で走っていた。ただし、ユウキのクルマは少しだけアンダーステアが多かった」

    「違いは、週末の組み立て方や、エンジニアとの仕事の進め方にもある」

    「本当に細かい部分の話なんだ。アブダビでは、僕自身もフリー走行の段階では完全に満足していたわけじゃなかった。でも、ほんの小さな変更で0.2秒を見つけ出した。0.2秒はこのグリッドではとてつもなく大きい」

  • レッドブルF1は何を優先するのか? ハジャー昇格で問われる“哲学”

    レッドブルF1は何を優先するのか? ハジャー昇格で問われる“哲学”

    マックス・フェルスタッペンが2026年F1シーズンに向けて新たなチームメイトを迎える準備を進める中、元F1ドライバーのカルン・チャンドックは、レッドブルのドライバー起用問題は最終的に「哲学的な決断」に行き着くと指摘した。焦点は明確だ。フェルスタッペン個人のドライバーズタイトルの“威信”を最優先するのか、それともコンストラクターズタイトルも同時に狙うのか。もし後者も求めるなら、2人のドライバーが同時に機能するマシンを設計する必要がある。

    “2台目を戦いに加えたいのか”という根本問題
    レッドブルは2018年末にダニエル・リカルドを失って以降、セカンドシートに苦しんできた。ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレスと入れ替わりが続き、ペレスは2021年アブダビGPでの献身的な走りによりフェルスタッペンから「レジェンド」と称された一方、最終的には2024年シーズン終了後にチームを去った。

    その後、リアム・ローソンが昇格したが、わずか2戦でレーシングブルズに戻され、角田裕毅と入れ替わる形に。角田裕毅はシーズンを完走したものの、22戦で30ポイントに留まり、2026年のレースシートを失う結果となった。そして、フェルスタッペンの2026年F1チームメイトとしてアイザック・ハジャーが起用された。

    チャンドックはSky Sports F1 Showで次のように語っている。

    「最終的にはレッドブルの哲学的な決断に戻る。コンストラクターズを狙うなら、2人が運転できてポイントを取れるクルマを作らなければならない。マックスはドライバーズで僅差まで迫ったが、コンストラクターズでは大きく遅れていた」

    「もしドライバーズの威信を最優先し、すべてをマックスに集中させるなら、マクラーレンが抱えるようなチーム内バトルの問題は避けられる」

    「どれだけ2台目を戦いに加えたいのか。それが経営陣に突き付けられている哲学的決断だ」

    レッドブル・レーシング アイザック・ハジャー 角田裕毅

    “もし”が示したセカンドカーの重要性
    チャンドックは、2025年シーズンを振り返り「極端な例だった」とも指摘する。

    「もしマックスが勝った2〜3戦で、もう1台が2位に入っていたらどうなっていたか。角田がその位置にいれば、ノリスやピアストリをさらに後方に押しやれた。あれはチャンピオンシップになり得た」

    「マックスを倒す必要はないが、2021年のチェコ(ペレス)のように、定期的に表彰台を取れるレベルには引き上げる必要がある」

    規則刷新がもたらす“公平なスタートライン”
    ハジャーにとって追い風となるのは、2026年F1レギュレーションによる完全なリセットだ。2026年のレッドブル・フォードRB22は、フェルスタッペンにとっても未知の新車となる。

    ハジャーはアブダビで次のように語った。

    「マックスがクルマを知っているわけじゃない。全員がゼロからスタートする。タイミングとしては最高だ。とても運がいいと思っている。クルマがどちらかの方向に行くなら、僕もそこにいる」

    もっとも、当初はフェルスタッペンに及ばない可能性も認めている。

    「最初の1カ月は自分が遅いことを受け入れるのが目標だ。そういう心構えでいれば、データを見て“まだ到達できない”と感じても準備ができる。とてもフラストレーションが溜まるだろうけど、分かっていれば対処できる」

    レッドブルが2026年に向けて下すべき決断は、単なるドライバー選択ではない。1台目にすべてを賭けるのか、2台体制で勝利を積み重ねるのか。その“哲学”が、ハジャーの未来だけでなく、チーム全体の行方を左右することになりそうだ。

  • マックス・フェルスタッペン、レッドブルF1のローソン降格は「同意できなかった」

    マックス・フェルスタッペン、レッドブルF1のローソン降格は「同意できなかった」

    マックス・フェルスタッペンは、リアム・ローソンがわずか2戦でレッドブルのシートを失った判断について、改めて強い異議を唱えた。その決定はドライバーのキャリアを「台無しにしかねない」とまで語っている。

    2025年F1シーズンに向け、ローソンは角田裕毅を差し置いてレッドブル・レーシングへ昇格した。クリスチャン・ホーナーは当時、「チーム内ではリアムが描いている成長曲線の方が、よりポテンシャルが高いと感じている」と説明していた。

    しかしシーズン開幕からわずか2ラウンド、ローソンは予選Q1敗退を3度喫したことを理由に、レーシングブルズへと降格されることになる。

    「誰かのチャンスを壊してしまう」
    フェルスタッペンはこの判断に対し、当時から不満を隠していなかった。元F1ドライバーのギエド・ファン・デル・ガルデが、レッドブルの決定を「いじめに近い」と批判したインスタグラム投稿に「いいね」を付けたことも話題となった。

    日本GPの場でその件を問われたフェルスタッペンは、「コメントとその内容が気に入ったからいいねを押した。それがすべてを物語っているだろ?」と語っている。

    当時レッドブルのモータースポーツアドバイザーだったヘルムート・マルコも、フェルスタッペンがこの決定に賛同していなかったことを認めていた。

    「マックスが不満を抱いているのは分かっている。しかし我々には2台を前で走らせる必要がある。コンストラクターズ選手権のためだけでなく、マックスが5度目のタイトルを獲得するためにもだ」と、マルコはオランダ紙に語っていた。

    ローソンは復調、それでも残る違和感
    ローソンに代わって昇格した角田裕毅だったが、22戦で獲得したポイントは30にとどまり、フェルスタッペンの421ポイントとは391ポイント差という結果に終わった。

    一方でローソンはレーシングブルズ復帰後、徐々に調子を取り戻し、アゼルバイジャンGPでは自己最高位となる5位を記録。角田裕毅を抑えてチェッカーを受け、最終的には38ポイントを獲得した。

    それでもフェルスタッペンの考えは変わらない。

    「結局のところ、それほど大きな話ではない」とフェルスタッペンはViaplayに語った。

    「同じチームメイトの隣で2レース走っただけで判断することには、当時も同意できなかった」

    「結局、それではトップチームでのチャンスを誰かから奪ってしまうことになる」

    さらにこう続けている。

    「ローソンはよく立て直したと思う。『もういい、楽しさがなくなった』と考えてしまってもおかしくなかったはずだ」

    「いずれにしても、2戦で評価を下すのは明らかに早すぎる」

    マックス・フェルスタッペン 角田裕毅

    なぜチームメイトは苦しむのか
    2026年シーズン、ローソンは引き続きレーシングブルズで走る。一方フェルスタッペンは、アイザック・ハジャーという新たなチームメイトを迎えることになる。角田裕毅はレッドブルのリザーブドライバーに就任することが発表された。

    なぜチームメイトが自身のペースに追いつけないのかと問われたフェルスタッペンは、その理由をセットアップとマシンへの感覚に求めている。

    「彼らは僕のセットアップを使おうとする。でも最終的には、ドライバーごとに自分のドライビングスタイルがある」

    「シーズン後半になると、とくに一緒に成長していくことは多い。同じ哲学で走っていたけれど、僕はユウキより少しアンダーステアを好んでいたんだ」

    フェルスタッペンの言葉からは、ローソン降格という決断が、今なお彼の中で消化しきれていないことが強くにじみ出ている。