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  • WEC:トヨタ 2023年 第2戦 ポルティマオ6時間 プレビュー

    WEC:トヨタ 2023年 第2戦 ポルティマオ6時間 プレビュー

    先月行われたばかりの2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリングで1-2フィニッシュという好スタートを切ったTOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)は、その勢いに乗って、欧州における今季初戦となるポルティマオ6時間レースに挑む。

    シーズン初戦セブリング1000マイルレースを、TGRは持ち味のチームワークと安定したドライビング、そして、確実なタイヤマネージメントで戦い抜き、キャデラック、フェラーリ、プジョー、また、ポルシェといった耐久レースで伝統と歴史あるメーカーとのハイパーカークラスでの争いを1-2フィニッシュという形で制した。

    GR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名は、開幕戦セブリングで勝利を挙げたことで、ドライバーズランキング首位に立っている。ディフェンディングチャンピオンであり、連覇を目指すGR010 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名はレースを7号車に続く2位でフィニッシュし、ランキングでも僅差の2位につけている。

    セブリングの、その独特の荒れた路面での激戦を終え、WECシーズンは欧州ラウンドに移る。その初戦となるポルティマオは、2週間後に続く第3戦スパ・フランコルシャン6時間と共に、ル・マン24時間レースへ向けた非常に重要な準備期間のスタートでもある。

    トヨタは前回ポルティマオでWEC戦が行われた2021年の第2戦に1-2フィニッシュを果たしており、この時にブエミとハートレーは優勝を経験している。そして、この勝利はまた、トヨタにとってFIAのスポーツカーで争われる世界選手権における記念すべき100戦目でもあった。この思い出深いポルティマオはドライバーにとってチャレンジングなサーキットであると同時に、チームのロジスティックス(物流)においても挑戦となる。GR010 HYBRIDとレース機材を積んだ5台のトラックによる、ポルトガルを目指す長い陸路での旅路は、4月6日(木)にチームの本拠地であるドイツ・ケルンからスタートする。

    チームの5台のトラックは、5カ国を通過し、2500kmに及ぶ行程を終え9日(日)にポルトガル南岸の都市ポルティマオ近郊に位置する、アルガルヴェ・サーキットに到着する。この距離は、1周4.653kmのサーキット538周分であり、ハイパーカーによるピットストップも含めた典型的なレースペースでの14時間半分の走行距離に匹敵する。

    シーズン2戦目は14日(金)に開始され、この日は90分間にわたる練習走行が2度にわたって行われる。このセッションでドライバーとエンジニアはGR010 HYBRIDの様々な空力やメカニカルセッティング、タイヤコンパウンドなどの比較や評価を行う。

    そして、15日(土)午前11時過ぎからの最後の練習走行を経て、決勝のスターティンググリッドを決定する15分間のハイパーカークラス予選セッションは、午後4時20分に開始される。全7戦で争われる2023年シーズンの第2戦となるポルティマオ6時間の決勝レースは、現地時間16日(日)正午(日本時間午後8時)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
     日本の仲間やパートナーの皆様の強力なサポートとチームの素晴らしい努力のおかげで、セブリングでは完璧なシーズンスタートを切ることができました。1-2フィニッシュという最高の結果は我々の努力に報いるものでした、とは言え、次戦ポルティマオはまた異なるレースであり、可能な限り競争力の高いクルマを準備するためにも、更なるチームの頑張りが必要です。ポルティマオはセブリングとは全く違うコースであり、ハイパーカーによる争いはさらに僅差となることが予想されます。ライバルの多くが近年ポルティマオでのテストを経験していますが、我々にとっては昨年4月以来の走行となります。そのため、我々は練習走行セッションから正しいセットアップやタイヤ戦略を見出すためにハードワークをこなす必要があるでしょう。ここからは全てのレースがル・マン24時間を見据えた準備の一部でもあり、それだけに、来週のレースはさらに重要なステップとなります。ハイパーカーのライバル達との戦いを楽しみにしていますし、ファンの皆様にも、またエキサイティングな戦いが見せられると確信しています。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
     セブリングでは本当に力強いチームのパフォーマンスによって勝利を挙げ、素晴らしいシーズンスタートを切ることができたので、この勢いをポルティマオでも維持したいと思っています。ポルティマオは、ここ数年何度もテストを行ってきたコースでよく知っていますし、2021年にはGR010 HYBRIDで実際にレースを戦ってもいます。しかし、今年はクルマもタイヤも異なります。これまでの経験には価値があり、ゼロからのスタートというわけではありませんが、自分たちのアップデートも含め、全ての準備を適切に調整するためにも、金曜日は忙しい一日になるでしょう。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
     ポルティマオで再び戦えるのは嬉しいです。ドライブするのが楽しく、とてもチャレンジングな良いサーキットです。このポルティマオと、わずか2週間後に待ち構えているスパでル・マンへ向けた準備もしなくてはならないので、誰にとっても忙しくタフな季節が始まります。我々は勢いに乗っていると思います。チームはセブリングで素晴らしい仕事をし、マニュファクチャラーとドライバーの両タイトル争いを、首位というポジションで今レースに臨むことになるので、それを守るべく戦います。我々の目標は再び表彰台の中央に登ることです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
     ポルティマオでは2年前に優勝という良い思い出があるので、戻れて嬉しいです。今レースもハイパーカークラスのライバル達から激しい挑戦を受けることは間違いありません。セブリングは特殊なコースなので、まだ誰も確実なパフォーマンスの位置を明らかにすることはできていませんが、ポルティマオではそれがもっと明確になるでしょう。我々のGR010 HYBRIDの速さは分かりましたし、セブリングでは我々のチームがトップ争いをしたので、自信はあります。簡単ではないでしょうが、上位争いに留まるべく頑張りたいと思います。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
     セブリングは新たなハイパーカー同士のバトルを初めて味わうことができたレースで、誰にとってもエキサイティングなものだったと思います。新たに現れた強力なライバルと戦い抜くためにも、さらに自分を高めていく必要があります。シーズン前から開幕戦セブリングにかけて素晴らしい仕事をしてくれたチームと共にポルティマオに向かいますが、バトルがさらに激しいものになるのは間違いありません。それはシリーズとファンの皆様にとって素晴らしいことであり、チームとしてもチャレンジのしがいがあることなので、我々自身も全員がこのレースを楽しみにしています。

    平川亮(8号車 ドライバー):
     ポルティマオでまたドライブできるのが楽しみです。私がGR010 HYBRIDを初めてドライブしたのは、2021年6月のポルティマオだったのですが、あれ以来本当に色んなことが起きたので、随分前のことのように感じます。当時は全てが私にとって初めてで、学ぶことが沢山ありましたが、今はクルマにもチームにも大分慣れてきました。我々はセブリングで力強いシーズンスタートを切ることができたので、ポルティマオでもその高いレベルを維持するべくハードにプッシュしていきます。

    トヨタ WEC 世界選手権

  • WEC:トヨタ 2023年 第1戦 セブリング1000マイル 決勝レポート

    WEC:トヨタ 2023年 第1戦 セブリング1000マイル 決勝レポート

    3月17日(金)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリング1000マイルの決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)のGR010 HYBRID 7号車が優勝。8号車が2位で続き、11台のハイパーカーによる新時代バトルの初戦を1-2フィニッシュで飾った。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブする7号車は、クラッシュを喫した16日(木)の公式練習走行からの見事な復帰で、米国耐久レースの聖地であるセブリングでの239周にわたる激戦を制し、見事今季初勝利を挙げた。

    2022年のWECシリーズチャンピオンであり、ル・マンウィナーでもあるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車は、レースを通して僅差のトップ争いを繰り広げ、トップの7号車と僅か2.168秒差の2位でチェッカー。トヨタは1-2フィニッシュという完璧な結果でシーズン初戦を制した。

    トヨタは完璧なチームオペレーションとタイヤマネージメントで8時間にわたるレースを安定して走り抜き、キャデラック、フェラーリ、ポルシェといった新たなハイパーカー勢の挑戦を退け、現行WECでの40回目の優勝を果たした。

    17日(金)、フロリダのまぶしい日差しが降り注ぐ中、現地時間正午に長いレースのスタートが切られた。16日(木)に行われた予選で、トヨタは惜しくもポールポジション獲得は逃すこととなったが、2台のGR010 HYBRIDは2、3番手グリッドの好位置からスタートを切るとすぐに首位争いを展開。スタートドライバーを担当した8号車のブエミが、1周目からポールシッターのフェラーリ50号車にプレッシャーをかけ続け、コンウェイもすぐ後方の3位で続いた。

    スタートして間もない5周目に、GTクラス車両のアクシデントにより早くもセーフティカーが導入され、25分ほどしてレースは再開された。このセーフティカー走行中に、首位のフェラーリが給油のためにピットイン。これで2台のGR010 HYBRIDは1-2位に浮上した。8号車のブエミはファステストラップをマークする速さを見せ、7号車のコンウェイと共に後続との差を広げていった。

    スタートから2時間を過ぎた時点で、2台のGR010 HYBRIDは最初のドライバー交代を行ったが、ライバル勢から1-2位の順位は守れるだけの充分なギャップを築いていた。7号車はコンウェイから小林へとドライバー交代。2周後に首位を行く8号車がブエミからハートレーへと交代したが、まもなくチームメイトの7号車からのプレッシャーを受けることとなった。

    レースが折り返しに近付く頃、7号車の小林が8号車をパスし首位へと浮上。5時間目を迎えたところで7号車のステアリングをロペスへと託した。2位で追う8号車も平川へと交代。この時点で3位以下とは1周ほどの差がついており、チームメイト同士での優勝争いが続けられた。

    その後は再び小林とブエミがドライブ。7時間を迎える頃には首位7号車と2位8号車の差がやや開き始めており、残り47分ほどで、コンウェイが7号車の最後の担当として乗り込み、8号車をハートレーが受け継いだときには、2台の差は23秒ほどに広がっていた。

    日没を迎えたセブリングを闇が覆っていく中、首位を行く7号車のコンウェイはリスクを負うことなく周回を重ね、2位の8号車ハートレーは首位との差を詰めていき、暗闇をライトが照らす中でチェッカーフラッグが振られた。7号車は2.168秒差で逃げ切り、現行WECでの最上位クラス過去最多出場となった開幕戦を制覇。8号車が2位で続き、TGRはこの決勝レースで最大のポイントを獲得することとなった。

    1か月後の4月16日(日)にポルトガルで開催される今季第2戦ポルティマオ6時間レースで、ハイパーカー間の激戦が再び始まる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    このレースで勝つことができて最高の気分ですし、TGRチームオーナーである豊田次期会長、また佐藤次期社長を含む日本で支えてくれた皆様をはじめとして、サポートしてくれた全ての方に感謝いたします。TOYOTA GAZOO Racingファミリーは今シーズンへ向けた準備のために本当に一生懸命、努力をしてくれました。昨日の予選はとても大変でしたが、力強く復帰することができ、全員の努力によるワンチームという我々の哲学を示せました。1-2フィニッシュは望みうる最高の結果ではありますが、まだ激戦が予想される今シーズンが始まったばかりです。今日の決勝で我々は勝つことができましたが、ライバル勢を過小評価してはなりません。今日は経験が助けてくれましたが、今季はライバルからの挑戦に立ち向かうことになるでしょう。我々もさらに強くならなくてはなりませんし、戦いは激しさを増すことになります。チャンピオン争いは本当に面白いものになるでしょうし、その中に居られるのはとても嬉しいことです。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
    1-2フィニッシュでシーズンのスタートを切れたというのは最高の結果です。2台によるレースはとても僅差で、それを制して勝てたことは本当に嬉しいです。セブリングは路面が荒れており、ミスもしやすいとても難しいコースですが、7号車のクルーは全員が全て上手くやってくれました。可夢偉もホセも素晴らしい走りでした。最後は、1年前に亡くなった父のことを思い出し、感慨深いものがありました。今日の勝利を彼に捧げます。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
    チームのためにも本当に嬉しいです。全員が素晴らしい仕事をし、激戦にもかかわらず1-2フィニッシュを果たせました。予選こそ最高の結果とは言えませんでしたが、決勝レースへ向けては良いクルマに仕上がっていることはわかっていましたし、クルーも素晴らしい仕事をしてくれました。昨日のアクシデントの後、最初にクルマへ戻るのは簡単ではありませんでしたし、自信を取り戻すのに数周かかりました。とは言え、私自身のスティントには満足しています。もちろんマイクと可夢偉もしっかりと仕事をしてくれました。完璧なレースで、最高のシーズンスタートとなりました。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
    チームにとって、このような力強いパフォーマンスを見せて1-2フィニッシュでシーズンのスタートが切れたということには、もちろん非常に満足しています。全てのドライバーが勝利を望んでいますが、我々のように2台体制のチームでは、勝つことができるのは1台だけです。7号車のクルーは今日とても良い仕事をしました。チーム全体のパフォーマンスは本当に良かったですし、レースウィークを通して、ライバルに対しても良い位置で戦うことができました。今日のレースはまだ一歩目であり、今シーズンは厳しい戦いになると思いますが、まず1-2フィニッシュが飾れて本当に嬉しいです。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
    チームにとって最高の結果であり、ハードワークを続けてきてくれた皆に応えられたという意味でも本当に嬉しいです。僅差のレースで、我々も首位を走っていただけに、8号車が2位だったのは少し残念ですが、我々にはやや運が足りなかったのだと考え、優勝した7号車を祝福します。あのような激しいレースで、最終的に2台が僅か2秒差でフィニッシュできたというのは、チームがいかに素晴らしい仕事をしてくれたかを示していると思います。

    平川亮(8号車 ドライバー):
    ハイパーカー新時代のスタートとなる、新たなシーズンの開幕を1-2フィニッシュで飾ることができ、チームにとって完璧なレースでした。セブリングでのこの結果は本当に嬉しいですが、シーズンはスタートしたばかりで、今季は最大の目標であるル・マンを含めまだ6戦残っています。我々は順調ですが、ライバルも改良を続けてくるはずなので、プッシュを続けて行く必要があります。このチャレンジの一員であることは楽しいですし、もう次のレースが楽しみです。

    WEC第1戦セブリング1000マイル 決勝結果(総合順位)

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 トップとの差
    1 7 マイク・コンウェイ
    小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    239
    2 8 セバスチャン・ブエミ
    ブレンドン・ハートレー
    平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    239 2.168
    3 50 アントニオ・フオコ
    ミゲル・モリーナ
    ニクラス・ニールセン
    フェラーリAFコルセ/
    フェラーリ 499P
    237 2 Laps
    4 2 アール・バンバー
    アレックス・リン
    リチャード・ウェストブルック
    キャデラック・レーシング/
    キャデラック V-Series.R
    237 2 Laps
    5 5 デイン・キャメロン
    ミカエル・クリステンセン
    フレデリック・マコヴィッキィ
    ポルシェ・ペンスキー・
    モータースポーツ/
    ポルシェ 963
    235 4 Laps

    トヨタ WEC (FIA 世界耐久選手権)

  • WEC:トヨタ 2023年 第1戦 セブリング1000マイル 予選レポート

    WEC:トヨタ 2023年 第1戦 セブリング1000マイル 予選レポート

    3月16日(木)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリング1000マイルの予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)のGR010 HYBRIDは2番手、3番手グリッドを獲得した。

    トヨタの2台のGR010 HYBRIDは、米国耐久レースの聖地とも言えるセブリングでハイパーカーのライバル9台と僅差の予選アタックバトルを展開。

    ブレンドン・ハートレーがアタックを担当したGR010 HYBRID 8号車は1分45秒281の好タイムをマークするも、ポールポジションのフェラーリには0.214秒及ばず、それでも最前列2番手グリッドを確保した。

    小林可夢偉がアタックしたGR010 HYBRID 7号車もまた、僅差での好走を見せた、8号車から0.267秒遅れの3番手。TGRは全7戦で争われる今季のWEC開幕戦を、2台揃って勝利を狙える好位置からスタートすることとなった。

    小林は、この日予選の前に行われた公式練習3回目でハイパーカーの最速ラップタイムを更新した。しかし、このセッション中、7号車はロペスがアクシデントに見舞われ、車両右後部にダメージを負ってセッションを終えることとなってしまった。メカニックの迅速な作業により7号車は予選までに修復を終え、小林のドライブで、予選セッション開始のグリーンライトと共にコースへと向かった。

    今シーズンからの規則変更で、タイヤウォーマーであらかじめタイヤの温度を上げておくことができなくなったため、これまでのシーズンのように、新品タイヤで走りだしてすぐに最速ラップを刻むことができなくなった。ドライバーは数周にわたってタイヤを暖めなくてはならず、本格的なアタックが開始されたのは、15分間の予選セッション後半に入ってからだった。

    セッションが後半に入り、フロリダの太陽が地平線に沈む頃、ハートレーの駆るGR010 HYBRID 8号車がまず1分45秒台に入れる好タイムでタイムシートのトップに浮上し、7号車の小林も同じく1分45秒台に入れ、チームメイトに続いた。しかし、フェラーリの50号車がこの2台を上回るタイムを叩き出してトップへ浮上。ハートレー、小林共にアタックを続け、さらにタイムを縮めたものの、惜しくもポールポジションには届かず。8号車が2番手、7号車は3番手グリッドとなった。

    しかしながら、決勝レースへ向けた車両セットアップや戦略の準備は順調に進んでおり、トヨタは世界チャンピオン防衛へ向け、現行WECでの40勝目を目指し、明日17日(金)の現地時間正午(日本時間18日午前1時)にスタートするセブリング1000マイルに挑む。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    ベストを尽くしましたが、予選ではフェラーリが僅かに速かったです。彼らは素晴らしい仕事をしたと思います。プロローグや公式練習走行の時点で、彼らの速さ、また、予選でそのパフォーマンスを示してくることはわかっていました。彼らと良いバトルができて楽しかったです。我々はここ数日、決勝レースへ向け車両セットアップで懸命な努力を続けてきました。我々が戦っているのは耐久レースであり、最も重要なのは明日金曜日に行われる決勝レースです。準備はしっかり整っていると思いますし、スターティンググリッドも悪くないので間違いなくチャンスはあります。エキサイティングなレースになるでしょう。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    予選の前から期待に溢れていました。鼓動が高まり、ル・マンでのハイパーポール前のようでした。このコースはミスしやすい箇所が多くあり、また沈みかけた夕日で視界も遮られるなど、難しい状況でしたが、それでもベストを尽くし、アタックしました。もう少しタイムを削れたコーナーもあったかも知れませんが、良いアタックラップができたと思います。フェラーリは素晴らしいアタックで、彼らに祝福を贈ります。最前列グリッドからのスタートが目標だったので、それがほぼ達成できたことに満足していますし、最高のレースになることを楽しみにしています。

    トヨタ WEC FIA 世界耐久選手権

  • WEC:トヨタ 2023年 第1戦 セブリング1000マイル 公式練習レポート

    WEC:トヨタ 2023年 第1戦 セブリング1000マイル 公式練習レポート

    トヨタは3月15日(水)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われている2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦セブリング1000マイルの公式練習初日を走行。新たなハイパーカー時代の基準となるタイムをマークした。

    マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスと共にGR010 HYBRID 7号車をドライブする小林可夢偉が1分46秒954のタイムを叩き出し、長い歴史を持つセブリングのサーキットにおける、ハイパーカーによる公式セッションでの最速タイムを塗り替えた。

    チームにとって順調な一日となった初日、トップの7号車に、チームメイトであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は7号車から0.318秒遅れの2番手タイムで続き、TGRは昨年から引き続き参戦しているライバルのグリッケンハウスとプジョー、そして、今季新たに加わったキャデラック、フェラーリ、ポルシェ、また、ヴァンウォールという計11台のハイパーカーをリードして初日を終えた。

    これまで総計3500kmにも及ぶテスト走行を経てきたトヨタは、先週末に同じセブリングで行われたプロローグでもトップタイムをマークするなどレースウィークへ向け順調に準備を進めてきた。プロローグ時のセブリングは蒸し暑かったのに対し、レースウィーク初日となったこの日は風が強く、気温も17度までしか上がらないという異なるコンディションとなった。

    午前10時55分より1時間で実施された最初の公式練習で、チームは走行プログラムを再開し、空力とメカニカルに関するセットアップ調整、そして、低い路面温度下でのタイヤ評価等を行った。7号車はコンウェイとロペスのみがドライブし、8号車は3人のドライバーが全てGR010 HYBRIDのステアリングを握った。

    この公式練習1回目では、残り2分というところで8号車の平川が最初に1分48秒を切るタイムをマークし、このセッション最速となった。7号車はロペスのアタックで5番手につけた。

    太陽が顔を出し、より暖かなコンディションとなった午後の公式練習2回目のセッションで、小林はこの日初めてGR010 HYBRIDに乗り込んだ。しかし、彼の走行は、セッション序盤に出された10分間ほどの赤旗で遮られることとなってしまった。

    しかし、再開後に7号車の小林は、1周6.019kmのセブリングで、昨年ハイパーカーが記録した予選ポールポジションのタイムをコンマ5秒ほど上回り、ハイパーカーによるセブリングでの史上最速タイムを叩き出した。8号車のハートレーが小林に次ぐタイムをマークし、トヨタは1-2に。その後、更に4分ほどの赤旗中断があり、このタイミングで2台のGR010 HYBRIDはどちらもドライバーを交代。ロペスとブエミが走行を受け継いだ。コンウェイと平川はこのセッションでは走行しなかった。

    ドライバーとエンジニアは今日得られたデータを解析し、16日(木)の予選へ向けた最後の改良の機会である公式練習3回目で車両セットアップとタイヤ戦略の微調整を行う。予選は、日没後の現地時間午後7時20分に開始。1000マイル(約1600km)の長丁場で争われる決勝レースは17日(金)の現地時間正午(日本時間18日午前1時)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    今日はとても順調でした。コースコンディションが変わったため、そこへクルマをあわせる作業を行い、さらにバランスの改良も続けていく必要があると思っています。私自身、午後の公式練習2回目でしか走っておらず、そこで最速タイムをマークできたのは良かったですが、まだタイムを縮められる余地があると思っています。これまでのところ、チームは素晴らしい仕事をしてくれていますが、ライバルとの戦況を語るにはまだ早いでしょう。我々の走行プログラムは順調に進んでおり、現時点での状況には満足しています。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
    今日は2台共にまずまずの一日でしたが、まだ改善すべき箇所が幾つかあるので、今夜も車両セットアップとバランス面での最適化等の改良を続ける必要があるでしょう。今日は赤旗中断が多かったこともあり、あまり走ることができなかったという印象でしたが、プロローグの時よりも各車のタイムは接近しており、そういう意味でも学ぶことの多い1日でした。明日も頑張ります。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
    我々のペースは良く、ラップタイムも可夢偉が素晴らしいタイムを刻んでくれたおかげでとても好調に見えます。しかし、ライバルも接近してきており、バランスやタイヤの面でまだやるべきことが残っています。ポテンシャルは示せたと思いますが、バランス面での良い妥協点を見出すべくさらに努力を続ける必要があります。2023年仕様のGR010 HYBRIDでは、2回のテストとプロローグを走っただけなので、まだまだ学ぶことは多いですが、ゴールはそう遠くないと思っています。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
    私自身、今日はそれほど多くの周回をこなすことができませんでしたが、GR010 HYBRIDは好調で、赤旗中断で走行時間が限られた中で、チームとしては可能な限り走れたと思います。プロローグの時に比べてかなり涼しくなったので、低温コンディション下でのタイヤの挙動などを学ぶ良い機会となりました。決勝レースまでには最適な状況にできればと思っています。GR010 HYBRIDはとても感触が良いので、最大限にその性能を引き出さなくてはなりません。プッシュを続けていきます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
    プロローグの週末とはコースコンディションが異なり、路面温度が下がったことと風も変わりましたが、今日もスムーズな一日となり、順調でした。大きな車両セットアップ変更などは行わず、細部の微調整作業などが主でしたが、順調に進んだと思います。GR010 HYBRIDにはとても満足していますが、まだ全てを自分のものにするには時間がかかるでしょう。戦いは激しくなっていることを感じていますが、まずは自分たち自身に集中し、明日、明後日に向けて自信を持つことです。

    平川亮(8号車 ドライバー):
    チームとして両セッショントップでしたし、公式練習1回目では私自身が最速タイムをマークできたので、これまでの流れには満足しています。チームのハードワークのおかげでトラブルも無く、順調なので、この勢いを維持できればと思います。予選と決勝はさらに接近した争いになり、エキサイティングなものになるでしょう。激戦に備えて全てを磨き上げなくてはなりません。

    トヨタ WEC

  • WEC:トヨタ 2023年シーズン プロローグ・テスト レポート

    WEC:トヨタ 2023年シーズン プロローグ・テスト レポート

    トヨタは、3月11日(土)と12日(日)の両日、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われた2023年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)プロローグテストに参加。17日(金)に決勝レースが行われるシーズン開幕戦セブリング1000マイルレースへ向けた準備を進めた。

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDはこのプロローグテストで初めて、昨年も戦ってきたプジョーとグリッケンハウスに加え、キャデラック、フェラーリ、ポルシェ、ヴァンウォールといった新たなハイパーカークラスのライバルを迎えて走行。エキサイティングな耐久レースの新時代が幕を開けた。

    TGRはこのプロローグテストで開幕戦へ向けた準備を開始。小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車共に順調に走行。2日間の総合では、ロペスが1分48秒208の最速タイムをマークした7号車がトップ。ハートレーの8号車が僅か0.008秒差の2番手タイムで続いた。

    TGRはこの2日間、4回のセッション合計で、2台あわせて587周、3500km以上という距離を、テストで最も重要な要素である、トラブルフリーで走破した。これにより、エンジニアにとって貴重な、レースウィークへ向けたセットアップを加速させるためのデータを収集。チームは5シーズン連続のWEC世界チャンピオン、6年連続のル・マン24時間制覇という挑戦を開始した。

    2023年仕様として改良されたGR010 HYBRIDは、セブリング走り始め早々から軽量化と空力の見直しによる効果が現れた。これにより、ドライバーとエンジニアは、独特の荒れた路面で知られる1周6.019kmのセブリングでのテストの機会を、車両セットアップ、また、タイヤ評価へフル活用することができた。

    テストが開始された11日(土)は好天に恵まれ、気温も最高31度にまで達した。午前中のセッションでは、1回赤旗中断があったが、ロペスが最速タイムをマーク。8号車は平川のタイムで2番手につけた。

    3度の赤旗中断があった午後のセッションでは僅かにタイムダウン。ここでは8号車のブエミが、トップタイムとなったキャデラックから0.014秒遅れの2番手タイム。7号車はロペスのタイムで3番手となった。

    プロローグテスト初日、TGRはハイパーカークラスで最多となる2台合計278周、1673kmを走破し、新シーズンへ向けた冬季オフシーズンのチームによる努力が効を奏したことを示すことができた。

    日本の東富士とドイツ・ケルンのチームメンバーによる強力な開発体制に加え、テクニカルパートナーからの技術的な貢献もチームを支えている。デンソーはスパークプラグ、アイシン/デンソー共同開発によるフロントモーターを供給。そして、レイズの軽量マグネシウム鍛造ホイール、アケボノのモノブロックブレーキキャリパー、モービルワンの油脂類が採用されている。

    12日(日)も前日同様の作業が続けられ、ドライバー、エンジニア、メカニック共に、蒸し暑いコンディションの中で完璧な作業をこなした。3度の赤旗により30分ほどタイムを失うことになったが、午前中のセッションでは7号車のコンウェイがトップタイム。8号車のブエミが0.008秒差の2番手で続いた。

    このプロローグテスト最後となった日曜日午後のセッションも、GR010 HYBRIDは標準的な作業をこなした。ここでは8号車のハートレーがトップタイムをマークし、このタイムが8号車にとってのプロローグテストでの最速タイムに。7号車はコンウェイのタイムが僅差の2番手となった。このセッションも2度の赤旗が出されたが、チームはチェッカーフラッグが振られるまで周回を重ね、ハイパーカークラスでは最多の周回を走破した。

    TGRはこのあと、2日間にわたって車両を完全に整備し直すと共にセットアップと戦略の微調整を行い、いよいよ始まるレースウィーク初日となる15日(水)は2度の公式練習走行に臨む。16日(木)にはこの新シーズン最初の戦いとなる予選が行われ、1000マイル(約1600km)という長丁場で争われる決勝レースは17日(金)の現地時間正午(日本時間18日午前1時)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    これまでのところは順調です。テストはとても上手く行き、ラップタイムも悪くないように見えますが、あくまでまだテストの段階であり、レースウィークはまた違ったものになるでしょう。さらに改善できる点を見出す必要があります。今季は新たなライバルが増えますが、実際のところ、我々がテストや練習走行でやるべきことはあまり変わりません。自分たちのスピードを見極め、車両のバランスとセットアップを改良するための準備に集中する必要があります。今年は予選も決勝レースもこれまでとは大きく異なり、わずかなミスで大きく順位を落としかねません。そのため、今後の目標は明確で、決勝レースへ向けて最善のポジションを得るためのスピードを見出すことです。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
    とても堅実な2日間でした。セットアップの比較やタイヤ、様々なテストなどやるべきことがたくさんありましたが、多くを達成して学ぶことができ、全てがスムーズに進みました。我々は予定したプログラムに専念し、ペースという点では全てが上手くいっているように見えます。現時点でライバルとの状況がどうなのかをいうのは難しいです。我々は自分たちのことだけしかわかりませんし、2台共に調子は良いです。重要な2日間となりましたが、我々も可能な限りの準備を進めています。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
    全体的に良いスタートとなりました。チームとして良いペースを見せられましたが、ここまでの結果は必ずしも金曜日の決勝レースで何が起こるかを反映したものではありません。プロローグテスト2日目は、ライバル勢もかなり良くなってきて、タイムも接近しています。この進化が今後も続くことは間違いないので、上位で戦い続けるためにも、更なるスピードを求めて努力を続ける必要があります。ともあれ今回のプロローグテストでは、2台揃って速さを見せることもできたので、良いスタートが切れたと思いますし、週末が楽しみです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
    セブリングに戻って新たなハイパーカーのライバルと戦えるのは楽しいことで、良いプロローグテストとなりました。タイムシートに多くのハイパーカーが並んでいるのを見るのは嬉しいですし、耐久レースにとっても素晴らしい瞬間です。このチャレンジングなコースと、暑いコンディションの中で、2日間にわたって競争力を保ち、信頼性も高かったのは良かったです。しかし、ライバル勢がどこまでプッシュしているのか、どれだけのポテンシャルを秘めているのかはわかりません。それは金曜日の決勝レースで明らかになるでしょう。良いデータも得られたので、これから解析し、来週は好結果を目指し戦えることを期待しています。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
    全てのハイパーカーが一緒にコースを走っているのを、ようやく見ることができて感無量です。我々はチームのハードワークのおかげで、このプロローグテストの2日間をトラブル無く順調にこなし、ほとんどのテスト項目をやり切ることができました。ドライバーとしても車両の感触は良かったですし、スピードもありました。昨年に比べて車両のバランスという点で良い進化を遂げているように感じます。競争力はあると思いますが、現時点でわかっているのは自分たちの状況であって、ライバルがどのようなことを行っているのかはわかりません。レースウィークへ向けて、さらに性能を引き出すよう努力を続けます。

    平川亮(8号車 ドライバー):
    セブリングに戻れてとても嬉しいですし、2日間のプロローグで充実した走りができたことに満足しています。結果だけ見れば悪くないですが、ライバルがどのようなプログラムをこなしていたのかわからないので、パフォーマンスについて語るのは時期尚早です。とは言え、ここまでのところは満足していますし、この週末に向けて、ハードワークで改良された車両を順調に走らせてくれたチームに感謝しています。これから数日、休息を取って英気を養い、レースウィークに全力で挑みます。

    トヨタ WEC(FIA 世界耐久選手権)

  • トヨタ、改良型GR010 HYBRIDで2023年のWECシーズンに挑む

    トヨタ、改良型GR010 HYBRIDで2023年のWECシーズンに挑む

    トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は、2023年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)に向けて改良されたハイパーカー GR010 HYBRIDを発表した。トヨタはこの新たな時代のスタートとなる2023年シーズンのWECで、シリーズチャンピオンとル・マン24時間レースのチャンピオンを防衛すべく、改良型GR010 HYBRIDで挑む。

    トヨタは、これまでに5年連続でのル・マン24時間レース勝利及び4シーズン連続でWECのシリーズチャンピオンを獲得するなどの実績を収めてきた。

    現チャンピオンであるトヨタは今季、記念すべき100周年を迎えるル・マン24時間レースも含めた全7戦で、これまでよりも増えるハイパーカークラスのライバルからの挑戦を受けることになる。

    ハイパーカークラスには、これまでのプジョー、グリッケンハウスに加え、キャデラック、フェラーリ、ポルシェ、そして、ヴァンウォールが新たに加わり、計13台がWECのグリッドに並ぶ予定。シリーズ最大のイベントであるル・マン24時間レースでは、さらなる台数が参戦することも予定されており、伝統の耐久レース制覇という栄誉をかけた戦いはさらに激しさを増すことになるだろう。

    2021年1月に最初のハイパーカーとしてデビューしたGR010 HYBRIDは、その後も細かい領域での進化を続けており、2022年シーズンも信頼性と効率の最適化が進められてきた。

    GR010 HYBRIDに搭載される、520kW(707PS)を発揮する3.5リッターエンジンと200kW(272PS)を発揮する電気モーターが組み合わされた、高性能レーシングハイブリッドパワートレーンは、10年以上にわたるル・マン24時間レース参戦で培われてきたトヨタならではの知見により、軽量化と信頼性の更なる強化が図られている。

    2023年仕様のGR010 HYBRIDで最もわかりやすい進化のポイントは、ボディーワークに見て取れる。車両前部の左右に新たに配されたダイブプレーン空力デバイスと、小型化されたリアウィングのエンドプレート、その他細かなディテールの変更により、操作性と空力安定性が向上している。

    また、ブレーキの冷却とレース中の迅速な冷却設定の変更を目的として、車両前後に新たにベンチレーションが設けられた。加えて、夜間走行時の視認性向上のため、ヘッドライトのレイアウトが変更された。

    レギュレーションで許される1040kgを達成するため、GR010 HYBRIDの車両重量を軽減する作業が進められてきた。これはまだGR010 HYBRIDが設計段階だった2020年に決められたハイパーカーのレギュレーション変更に対応しきれなった部分を補うものだ。

    GR010 HYBRIDは今年もまた、ワイン製造時の廃棄物や農産物から100%生成されたバイオ燃料を使用する。これにより少なくとも65%のCO2排出削減が見込まれ、耐久レースにおけるサスティナビリティ向上への継続的な取り組みに貢献することになる。

    これらの努力に加え、エネルギー使用量と排出ガスを抑制するために、タイヤウォーマーの使用も禁止されることとなった。そのため、ミシュランは耐久性とパフォーマンスを維持したまま、温度上昇が早く、素早くピーク性能に達するようにデザインされた、新たなコンパウンドのタイヤを開発した。

    GR010 HYBRIDは、トヨタが長期にわたり開発協力を続けてきたパートナー企業の技術的集積のおかげで勝利を積み上げてきたが、それは今も続いている。デンソーはラジエーターとスパークプラグ、アイシン/デンソー共同開発によるフロントモーターを供給。そして、レイズの軽量マグネシウム鍛造ホイール、アケボノのモノブロックブレーキキャリパー、モービルワンの油脂類が採用されている。

    トヨタの2023年ドライバーラインナップは今年も変更なく、ル・マンの勝者とWECのチャンピオン経験者のみという強力な体制で臨む。GR010 HYBRID 7号車は小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名が6年目のシーズンを戦う。昨年のル・マン24時間を制し、WECの世界チャンピオンも獲得したセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名がタイトル防衛を目指し8号車をドライブする。

    そして、2023年のテスト&リザーブドライバーは、中嶋一貴が担当する。2021年シーズンを以てレーシングドライバーを勇退した中嶋は、3度のル・マン24時間レース勝利と世界チャンピオンの経験者、そして、2度のスーパーフォーミュラチャンピオンでもある。彼はTOYOTA GAZOO Racing ヨーロッパの副会長とテスト&リザーブドライバーを兼任することとなる。

    WECの2023年シーズンは、3月11日(土)と12日(日)に行われるプロローグテストで幕を開け、その翌週末、3月17日(金)に行われるセブリング1000マイルレースが開幕戦となる。そして、4月16日(日)の第2戦ポルティマオ6時間(ポルトガル)、4月29日(土)の第3戦スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)戦を経て、シーズンのハイライトとなる第4戦ル・マン24時間レースを迎える。今年のル・マン24時間レースは100周年という記念すべき大会であり、6月10日(土)から11日(日)にかけて開催される。シーズン後半の3戦は、7月9日(日)のモンツァ6時間(イタリア)、9月10日(日)の富士6時間、そして、11月4日(土)のバーレーン8時間(バーレーン)と、全7戦で争われる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    待ちに待ったシーズンを迎えます。これだけ多くのマニュファクチャラーがハイパーカークラスに参戦するというのはファンの皆様にとっても素晴らしいことですし、チームとしても新たなライバルの登場に気持ちが高まっています。特にル・マン100周年という記念すべき年でもありますし、強力なライバルと優勝を争い、ファンの皆様に楽しんでいただける、記憶に残るシーズンにしたいと思っています。我々は立ち止まることなく、常に「もっといいクルマづくり」を推し進めていきます。そのために、昨年に続きGR010 HYBRIDには幾つかの改良を施して2023年に挑みます。これらのアップデートは東富士とドイツ・ケルンのチームメンバー、パートナーやサプライヤーの皆様との強い協力関係により生み出されたもので、関係者全員の尽力に感謝したいと思います。この改良型車両を、ロールアウトとプレシーズンテストで走らせたドライバーたちの印象は、とても好感触で、ル・マン制覇とWECタイトル防衛に向けた自信を与えてくれるものでした。

    パスカル・バセロン(テクニカル・ディレクター)
    我々は絶え間ない改善を目指す長期計画の一環として、ドライバビリティ、信頼性と整備性の更なる向上など、GR010 HYBRIDの改良を進めました。2022年にはホイールサイズ変更という非常に大きな変更を行いましたが、それは我々が抱えていた幾つかの問題に対処するためであり、期待通りの効果が得られました。今回の2023年シーズンへ向けた改良点はこれらの改良における次のステップであり、プレシーズンテストでは心強い結果が得られています。今年、新たなハイパーカークラスのライバルと戦うことは、特にファンの皆様にとってはエキサイティングだと思いますが、我々のアプローチは変わりません。やるべきことはいつも同じで、我々の目的は勝利であり、そのために、ミス無く車両パッケージ性能を最大限引き出すこと、それこそが我々のレースへの取り組み方です。信頼性とレースを通してのペースの安定性、そして、アクシデントを避けることは、これまでと変わらず重要な要素であり、改良型GR010 HYBRIDと共に2023年シーズンもチャンピオン防衛とル・マン勝利を目指し戦っていきます。

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  • WRC:トヨタ 2023年 第2戦 ラリー・スウェーデン 最終日デイ4 レポート

    WRC:トヨタ 2023年 第2戦 ラリー・スウェーデン 最終日デイ4 レポート

    2023年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」の競技最終日デイ4が2月12日(日)にウーメオーのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合4位で、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位でフィニッシュした。また、デイ2のデイリタイアを経てデイ3で再出走した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、メカニカルトラブルによりリタイアとなった。

    ラリー・スウェーデンの競技4日目デイ4は、ウーメオーの北側とウーメオー市街地近くの特設ステージで3本のステージを走行。その合計距離は63.04kmだった。ステージ周辺の天気は概ね曇りで、気温は日中4度前後まで上昇。オープニングのSS16「バスタービック1」は朝7時過ぎスタートと、日が昇る前の走行となった。その全長26.48kmの新ステージ、SS16では総合4位につけるロバンペラがベストタイムを記録。総合3位ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)との差を1.1秒に縮めた。しかし、ウーメオーでのサービスを挟んで行なわれたSS16の再走ステージ、SS17では3番手タイムとなり、ベストタイムを記録したヌービルとの差は7.1秒に拡大。ボーナスの選手権ポイントがかかるパワーステージ、最終のSS18「ウーメオー2」を3番手タイムで走り終えたロバンペラは、ヌービルと5.1秒差の総合4位でフィニッシュした。その結果ロバンペラはドライバー選手権2位の座を維持し、首位に浮上したオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)とは3ポイント差につけている。

    前日のデイ3で自分が望むような走りをできなかったエバンスは、パワーステージに焦点を合わせてデイ4に臨み、パワーステージではベストタイムと僅か0.6秒差の2番手タイムを記録。総合5位でラリーを終えるも14ポイントを獲得し、ドライバー選手権4位の座を守った。なお、チームはロバンペラとエバンスが獲得したポイントにより、14ポイント差でマニュファクチャラー選手権首位を守った。

    デイ2でのデイリタイアから復帰し、デイ3で再出走した勝田は、最終日も好調を維持。オープニングのSS16で6番手タイムを、SS17で5番手タイムを記録した。しかし、SS17でクルマに発生した問題により、最終のパワーステージを前に勝田はリタイアとなった。

    TGR-WRTのカスタマードライバーとして、今回のスウェーデンで初めてGR YARIS Rally1 HYBRIDのステアリングを握ったロレンツォ・ベルテリは、ハイブリッドラリーカーでスノードライブをエンジョイ。全てのステージを走りきり、総合14位でフィニッシュした。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    スウェーデンは、これまで我々が強かったラリーだっただけに、もっといい結果を得られると思っていました。初日の路面コンディションは出走順が早かった我々にとって理想的とはいえず、出走順が後方だったライバルに差をつけられてしまい、少し苦戦しました。我々も反撃を試み、スピード面に関してはいくつか良い兆候も見えましたが、最終的にはあまり上手くいきませんでした。各チームとも素晴らしい戦いぶりで、予想通り今年は非常に接近した戦いになりそうです。パワーステージの結果によって多くのポイントを獲得し、マニュファクチャラー選手権では首位を守ることができました。また、カッレはドライバー選手権で首位に近い位置につけながらも、次のメキシコでは1番手スタートを免れることができます。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
    かなり困難な週末でしたが、最終的にとてもハッピーです。出走順が1番手だった金曜日は1本非常に難しいステージがあり、そこを2回走っただけで30秒以上も遅れてしまいました。しかし、最終的には首位と約25秒差だったので、状況を考えればかなり良いラリーを戦えたと思います。今朝の最初のステージでは良いタイムが出てティエリーとバトルすることができましたが、2回目の走行では、路面に轍が深く刻まれていたことでペースが上がりませんでした。週末を通じてハードにプッシュし続けましたが、同じステージを2回目に走る時は総じていいタイムが出ませんでした。少なくとも次のメキシコでは1番手でステージを走る必要がないため、フレッシュな気持ちで臨み、良いラリーを戦いたいと思っています。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
    タフな週末で、自分たちが期待していたような結果にはなりませんでした。個人的にはクルマになかなか自信が持てず、その上、いくつかミスもしてしまいました。そのような状況を考えれば、少なくともポイントを獲得できたことを喜ぶべきですが、私自身はより高いパフォーマンスと結果を得るためにラリーを戦っています。ラリーを終えて、いくつか改善できるエリアが見つかり、今後に向けて作業を進めることになりますが、スウェーデンは常に特殊なイベントなので、今はメキシコに向けて、グラベルラリーに開発の焦点を合わせる必要があります。

    勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
    週末を通してクルマはとてもいいフィーリングでした。金曜日のアクシデント後、クルマを修理してくれたチームのおかげで、土曜日と日曜日のステージでは今後に役立つ多くの経験を積むことができました。しかし、残念ながら今日はラリーを走りきることができませんでした。パワー不足を感じるようになり、エンジニアがクルマのデータをチェックしたところ問題があることがわかったので、ラリーを続けることができなかったのです。今回、良い結果を出すことができずチームに申し訳なく思いますが、次のラリーでは良いパフォーマンスを発揮できるように頑張ります。

    ラリー・スウェーデンの結果
    1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) 2h25m54.4s
    2 クレイグ・ブリーン/ジェームズ・フルトン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +18.7s
    3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +20.0s
    4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +25.1s
    5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m24.0s
    6 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +5m59.0s
    7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +7m42.4s
    8 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m48.1s
    9 オーレ・クリスチャン・ベイビー/トシュテン・エリクソン (フォルクスワーゲン Polo GTI R5)+8m30.4s
    10 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m03.2s
    R 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)

    次回のイベント情報
    WRC次戦は、3月16日から19日にかけて開催される、第3戦「ラリー・メキシコ」。2020年大会以来の開催となるこのラリーは、今シーズン最初のグラベルイベントであり、以前と変わらずメキシコ中央高地の都市レオンにサービスパークが置かれる。レオン周辺に設定されるステージは全体的に標高が高く、最高地点は2,747mに達するなど空気が薄い状態での走行となるため、エンジンのパワーダウンをいかに抑えるかが重要なポイントになる。また、気温も摂氏30度前後と高く、ドライバーだけでなく、エンジンに関しても非常に厳しい1戦として知られている。

    トヨタ WRC 世界ラリー選手権

  • WRC:トヨタ 2023年 第2戦 ラリー・スウェーデン デイ3 レポート

    WRC:トヨタ 2023年 第2戦 ラリー・スウェーデン デイ3 レポート

    2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」の競技3日目デイ3が、2月11日(土)にウーメオーのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合4位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位につけました。また、前日のデイリタイアを経てデイ3で再出走した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合40位につけている。

    ラリー・スウェーデンのデイ3は、ウーメオーの北側と東側で7本のステージを走行。その合計距離は126.22kmと4日間で最長の一日だった。ステージ周辺は前日に続き好天に恵まれ、気温は早朝マイナス9度前後とかなり冷え込んだ。デイ2で総合5位につけたロバンペラは、オープニングのSS9、SS10と2ステージ連続で2番手タイムを記録。SS10でエバンスを抜き総合4位に順位を上げた。そして、午前中最後のSS11ではベストタイムを刻み、上位選手との差を縮めた。午後の再走ステージでもロバンペラは好調を維持し、SS12で再びベストタイムを記録。続くSS13ではスピンを喫するも総合3位に順位を上げた。しかし、SS14では追い上げてきたティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に総合タイムで並ばれ、デイ3最終のSS15では逆転を許し総合4位に後退。それでも、総合3位ヌービルとの差は3.8秒と、明日の最終日で表彰台を狙える位置につけている。

    エバンスは一日を通してクルマに自信を持つことができず、SS12ではスピンでタイムを失い総合6位に後退。最終的には総合5位と、デイ2よりもひとつ順位を下げてデイ3を走りきった。また、デイ2で今季初のベストタイムを記録するも、その後転倒で冷却系にダメージを負いデイリタイアとなった勝田は、チームによって修理されたクルマでデイ3に再出走。雪道では不利な出走順1番手で全ステージを走行したが、SS11ではトップと2.5秒差の5番手タイムを記録するなど、いくつかのステージで良い走りを見せた。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    今回のスウェーデン最長の一日は、かなり厳しかったと言わざるを得ません。カッレは午前中、表彰台争いに加わるべく非常にいい戦いをしていました。しかし、午後になるとタイヤの摩耗が激しくなり、それはつまりスノーラリーではスタッドを失うということですが、特に一日の最後の2本のステージでその影響が出てしまったようです。ヌービルに対抗しようとカッレはかなり頑張っていましたが、彼の方がタイヤを酷使していたようで、タイムを失ってしまいました。それでも、タイム差はまだ小さいので明日も戦い続けます。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
    激戦の一日でした。午前中のステージはとても上手く行き、クルマのフィーリングは完璧ではなかったにも関わらず、良いタイムを出すことができました。しかし、午後はあまり上手く行かず、タイヤの運用プランを少し誤ってしまったようです。ライバルたちよりもタイヤが消耗していたとは思いませんが、彼らはステージごとにうまくタイヤをローテーションしていて、僕たちは最後の2本のステージを状態が良くないタイヤで走ることになり、そこでかなりタイムを失ってしまいました。それでも、明日はまだ長い距離を走りますし、朝は新しいステージなので、まずは1回目の走行でいい走りをして、その後どうするか考えたいと思います。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
    正直なところ、今日は自分たちの日ではありませんでした。良いフィーリングを得ることがなかなかできず、それがタイムになって現れました。そしてもちろん、午後にはスピンもあって、さらに遅れをとってしまいました。クルマに自信を持つことができず、ここまでのところ残念な週末になってしまっています。このようなペースでは上位を狙うことは難しいので、明日は少しでも多くポイントを獲得することを重視し、パワーステージで何ができるのか考えなければなりません。

    勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
    今朝はステージに戻ることができて本当に嬉しかったですし、クルマを完璧に直してくれたチームに感謝します。見た目もフィーリングも新品そのもので、昨日感じていた良いフィーリングが戻ってきました。ただひとつ昨日と違うのは、ステージの出走順です。1番手で臨んだ路面のコンディションはかなり難しく、雪道では初めて経験するものでした。多くのことを学びましたし、コンディションさえ悪くなければペースは良好でした。路面に雪があり、自分で走行ラインを刻まなければならない時にタイムを失ってしまいました。明日はパワーステージに集中し、ポイントを獲得できるようにプッシュしたいと思います。

    ラリー・スウェーデン デイ3の結果
    1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) 1h54m45.4s
    2 クレイグ・ブリーン/ジェームズ・フルトン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +8.6s
    3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +23.7s
    4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +27.5s
    5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +57.7s
    6 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m28.1s
    7 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +5m55.0s
    8 オーレ・クリスチャン・ベイビー/トシュテン・エリクソン (フォルクスワーゲン Polo GTI R5) +6m46.6s
    9 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m08.9s
    10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m20.0s
    40 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +31m18.3s

    明日のステージ情報
    競技最終日となる2月12日(日)のデイ4は、ウーメオーの北側エリアで、全長26.48kmの新ステージ「バスタービック」をSS16、SS17として2本連続で走行。その後、最終ステージとして、デイ3の最後にSS15として走行した「ウーメオー」を再走する。この最終ステージのSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。3本のステージの合計距離は63.04km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は223.98kmとなる。

    トヨタ WRC 世界ラリー選手権

  • WRC:トヨタ 2023年 第2戦 ラリー・スウェーデン デイ2 レポート

    WRC:トヨタ 2023年 第2戦 ラリー・スウェーデン デイ2 レポート

    2023年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」の競技2日目デイ2が、2月10日(金)にウーメオーのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)が総合4位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合5位につけた。また、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は転倒によりクルマにダメージを負い、デイリタイアとなった。

    前日の夜ウーメオーで行なわれたナイトステージで開幕したラリー・スウェーデンは、金曜日のデイ2から森林地帯での本格的な戦いがスタート。ウーメオーの西側と北側で7本、合計106.76kmのステージが行なわれた。デイ2は朝から天気が良く、日中は爽やかな青空が広がった。気温は0度前後と、この時期のスウェーデン北部としてはそれほど寒くなく、降雪もなかったが、路面の一部は軟らかい雪に覆われ、出走順が早い選手たちにとっては不利なコンディションとなった。

    デイ1で首位に立ったロバンペラは、出走順一番手でステージを走行。路面が軟らかい雪で覆われていた、オープニングのSS2では8番手タイムで総合4位に順位を下げた。しかし、続くSS3では雪に覆われていない凍結路面が多かったため、本来の速さを発揮。ベストタイムを記録し、首位との差を4.9秒に縮めた。さらに、午前中最後のSS4では今シーズン初のベストタイムを記録した勝田と0.3秒差の2番手タイムを刻み、首位との差は4.7秒に縮まった。ウーメオーでのミッドデイサービスを経て始まった午後の再走ステージでは、深く刻まれた轍(わだち)の影響が大きく、先頭走者のロバンペラは午前中以上に苦闘。その結果、総合5位に順位を下げたが、デイ2最終の「ウーメオー・スプリント2」では、前夜に続きベストタイムを記録。首位と31.1秒差の総合5位で一日を終えた。

    午前中の3本のステージが終了した時点で総合6位とやや苦戦していたエバンスは、ミッドデイサービスでチームと共にクルマのセットアップを変更したところ、午後はペースが向上しSS6では2番手タイムを記録。首位と26.5秒差の総合4位に順位を上げてデイ2を走破した。

    今回、初めてチームのマニュファクチャラーズポイント獲得ドライバーとして出場の勝田は、SS2で4番手タイムを、SS3で3番手タイムを刻み、総合5位に順位を上げた。そして、デイ2最長となる全長25.81kmのSS4では、ベストタイムを記録。しかし、午後の再走ステージ1本目のSS5でコーナリングラインが乱れ、ハイスピードでスノーバンクに当たり転倒。勝田は何とかステージを走りきったが、クルマのフロントセクションにある冷却パッケージが破損していたため続くSS6の途中でクルマを停めデイリタイアとなった。チームはサービスパークでクルマの修理を行い、明日のデイ3での再出走を予定している。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    予想していたよりも少しタフな一日でしたが、まだ何も終わってはいません。昨年よりも厳しいコンディションの中、1番手走者のカッレが苦戦することは予想できていました。通常、スノーステージでは1回目の走行は大丈夫だったとしても、2回目は深く幅の狭い轍が刻まれるため、難しくなります。今日のようなコンディションで、カッレがあれ以上いい走りをすることは不可能だったと思います。エルフィンは午前中あまり調子が良くありませんでしたが、ミッドデイサービスでエンジニアと一緒にベターなセットアップを見つけたことで、午後はポジティブな方向に進みました。貴元はこれまでで最高のパフォーマンスを見せていましたが、トリッキーなステージでコースアウトしてしまい、非常に残念です。明日、我々に速さがあって、その上でタイヤマネージメントが上手くできたならば、状況が変わる可能性はあります。表彰台を獲得できるかもしれないですし、少し運が良ければ、さらに良い結果を得られるかもしれません。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
    今朝は驚くほど良い路面コンディションでした。最初のステージは雪が柔らかく滑りやすかったので、予想通りかなりタイムを失ってしまいました。しかし、その後コンディションが良くなるとタイムも良くなっていったので、午前中はそれほど大きくタイムを失いませんでした。しかし、午後のループの最初のステージは、非常に深い轍が刻まれていて滑りやすい雪も多くあったため、自分がこれまで経験してきた中で、最も難しいスノーステージでした。そのためかなりタイムロスしてしまいましたが、とにかくミスなくクリーンに走り、道から外れないように努めました。それでも、プッシュできるコンディションではライバルに比べてかなり速かったので、明日の自分の出走順ならば、もっと速く走れると確信しています。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
    午前中はクルマのバランスに苦しみ、自信を持つこともできなかったため、調子が良くありませんでした。しかし、昼のサービスでクルマのセットアップを少し変更したところ、午後はフィーリングが良くなりました。ですので、午後のステージに関しては全体的に満足していますが、それでもまだ自分たちが望む状況には達していないので、今後も全力を尽くして臨みます。ステージはとてもテクニカルでミスをしやすいので、まだまだ何が起きるか分かりません。とにかく戦い続け、明日は順位を上げていきたいと思っています。

    勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
    今朝はクルマのフィーリングが非常に良く、とても楽に走ることができていました。それほどプッシュしていなかったにも関わらずフィーリングは良く、タイムも出ていたので、とてもハッピーでした。午後は、限界まで攻めることなく高いスピードを保とうとしたのですが、路面には滑りやすい雪が多く、深い轍も刻まれている非常に難しいコンディションでした。SS5のフィニッシュ近くの高速コーナーで、轍のために十分スピードを落とすことができず、クルマの向きも完全には変えることができなかったため、コーナリングラインが膨らんでしまい、スノーバンクに激突してしまいました。完全に自分のミスですし、チームに本当に申し訳ないことをしてしまいました。今朝はとても良いスタートを切っていただけに残念です。明日、再出走して良いフィーリングを取り戻せることを願っています。

    ラリー・スウェーデン デイ2の結果
    1 クレイグ・ブリーン/ジェームズ・フルトン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 57m05.5s
    2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) +2.6s
    3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +11.2s
    4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +26.5s
    5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +31.1s
    6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +36.8s
    7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1m16.2s
    8 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +2m56.8s
    9 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +3m09.8s
    10 ヤリ・フットゥネン/アンティ・リンナケト (シュコダ Fabia R5) +3m31.9s
    46 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +30m45.0s

    明日のステージ情報
    競技3日目となる2月11日(土)のデイ3は、ウーメオーの北側エリアで3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち、今回最も北側のエリアが舞台となるSS10/13「フロダ」は、今大会最長となる全長28.25kmのロングステージ。また、フロダとSS9/12「ノルビー」は今年新たに設定されたステージ、そして、一日の最後にはSS1およびSS8のロングバージョンである、10.08kmの「ウーメオー1」がSS15として行われる。SSは全部で7本となり、その合計距離は126.22kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は468.50kmとなる。

  • WRC:トヨタ 2023年 第2戦 ラリー・スウェーデン デイ1 レポート

    WRC:トヨタ 2023年 第2戦 ラリー・スウェーデン デイ1 レポート

    2023年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」が2月9日(木)に開幕。ウーメオーで1本のナイトステージが行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)がベストタイムを記録し、首位スタート。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合6位につけた。

    WRC2023年シーズンの第2戦は、森林地帯の積雪路が舞台となるラリー・スウェーデン。シリーズ唯一のフルスノーイベントであり、昨年大会からホストタウンをウーメオーに移して再出発した。首都ストックホルムの北約600kmに位置するウーメオーは、スウェーデン北部最大の都市であり、例年多くの積雪があることで知られている。今年のラリーウイークは例年よりもやや気温が高く、まとまった降雪もないが、ステージとなる森林地帯の道は氷と雪に覆われ、路肩には高さ50cm前後の雪壁(スノーバンク)もあるなど、スノーラリーを行なう上で理想的なコンディションとなった。

    9日(木)はまず午前中にシェイクダウンが行われ、全長5.45kmのステージで、昨年のこのラリーの勝者であるロバンペラが1番手タイムを記録。今回、初めてチームのマニュファクチャラーズポイント獲得対象ドライバーに選ばれた勝田が3番手タイムを、エバンスが4番手タイムを記録した。その後、ウーメオーのサービスパークの北側に設けられた特設ステージで、夜7時過ぎから競技がスタート。全長5.16kmのSS1「ウーメオー・スプリント1」で、世界王者であるロバンペラがベストタイムを刻み、首位でラリーをスタートした。また、エバンスは3.1秒差の総合3位で、勝田は5.6秒差の総合6位で初日を走破した。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
    ラリー・スウェーデンはいつだって素晴らしいイベントですし、今晩最初のステージを見に集まった多くの観客の姿を目にして、とても嬉しかったです。カッレは本当に自信を持って走っているように見えましたし、エルフィンと貴元も良い走りをしていたので、チームとして良いスタートが切れたと思います。クルマも雪の上で調子が良さそうなので、この週末に向けてとても満足のいくスタートになりました。今日は気温が少し高かったですが、これからマイナス状態になるので、ラリーにとっては良い気候になりそうです。明日の最初のステージは、レッキの時点で既に轍(わだち)が刻まれていたので、2回目に走行する際は少し難しくなりそうですが、全体的には、早い出走順からスタートするのは悪いことではないように思います。

    カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
    ラリーが始まり、スウェーデンのファンの皆さんがラリーを見に来てくれたことを嬉しく思います。また、ここはフィンランドからも非常に近く、フィンランドからも多くのファンの皆さんが来てくれたのも素晴らしいことです。今晩の最初のステージはとてもテクニカルで、差が出やすいステージでした。自分としてはとにかくクリーンに、しっかりと走ることだけを心がけていたので、それほど速かった感じはしませんでしたが、結果的に良いタイムが出ました。ステージのコンディションは、明日一番手で走行する自分たちにとっては昨年よりも少し難しくなっているように思います。路面が柔らかくなっているので、シェイクダウンの最初の走行時と同じように、自分の後から走る選手たちの方が速く走れると思います。また、同じステージを2回目に走る時もきっと大変だと思いますが、ベストを尽くして走ります。

    エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
    今晩の最初のステージは、ラリーのスタートを飾るものとしてはなかなか良かったと思いますが、私たちはベストな走りができませんでした。路面のグリップを読むのが難しく、スタート直後のジャンクションでやや慎重になってしまいました。事前にテストを行なって臨んでもなお、ここスウェーデンの道はコンディションが独特で、カルチャーショックを受けました。シェイクダウンのステージのコンディションは、テストの時と大きく異なり、そのため最初は少し遅れてしまいましたが、その後改善点を見つけることができました。今回は新しいステージが多いため、ペースノートを新たに作らなければならないところが多く、非常にハイスピードなステージも多いので大変ですが、全力を尽くして頑張ります。

    勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
    今晩のような暗いステージでラリーをスタートするのはいつも大変で、少し慎重になってしまいましたが、本当のステージが始まる明日からが本番です。氷と雪に覆われた道に戻ってくることができて嬉しいですし、シェイクダウンではクルマのフィーリングも非常に良かったです。ただし、路面のコンディションは走るたびに悪くなっていったので、明日からのステージを2回目に走る時に、路面がどうなっているのか気になります。深い轍が刻まれ、グラベルも多く出ると思うので、注意しなくてはなりません。それでも、ここまでのところ自信はありますし、今晩はいいスタートが切れたと思います。

    ラリー・スウェーデン デイ1の結果
    1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 3m23.3s
    2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) +1.6s
    3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +3.1s
    4 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +3.9s
    5 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +5.0s
    6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.6s
    7 クレイグ・ブリーン/ジェームズ・フルトン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +6.7s
    8 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +10.8s
    9 ヤリ・フットゥネン/アンティ・リンナケト (シュコダ Fabia R5) +11.4s
    10 オーレ・クリスチャン・ベイビー/トシュテン・エリクソン (フォルクスワーゲン Polo GTI R5) +12.3s

    明日のステージ情報
    競技2日目となる2月10日(金)のデイ2は、いよいよ森林地帯での本格的な戦いがスタート。ウーメオーの西側から北側にかけてのエリアで3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行する。そのうち、最も北側に展開するSS4/7「ボッツマーク」は、今年新たに設けられた全長25.81kmのロングステージで、2回目のSS7は日没後の走行となる。そして、一日の最後にはSS1の再走ステージがSS8として行われる。SSは全部で7本となり、その合計距離は106.76km。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は488.90kmとなる。