カテゴリー: トヨタ

  • ブレンドン・ハートレー、全力で攻めた平川亮を「全面的にサポートする」

    ブレンドン・ハートレー、全力で攻めた平川亮を「全面的にサポートする」

    2023年のル・マン24時間レースで2位になったブレンドン・ハートレーは、トヨタチームが日本の若手ドライバーである平川亮に、優勝したフェラーリに追いつくためにすべてを賭けるように指示したと語った。

    平川はレース最後のダブルスティントに起用されたが、最後の1時間にアルナージでスピンし、バリアにマシンのフロントとリアを当てて損傷し、ピットインする前にトラックに復帰するのに時間がかかり、勝利への挑戦の機会を失った。

    レース後、ハートレーは平川が「マキシマムアタック」の指示を受けて送り出されたことを明かしたが、同時に、その時のブレーキングジにマシンをコントロールするのが非常に難しかったことも説明した。

    「僕たちは全力を尽くした」とハートレーはEurosportに語った。「いろいろな感情があった。今日は劣勢だったし、レースの大部分で僕たちは遅いクルマの1台だった」

    「最後は路面温度が上がって少し調子が悪かったけど、最後の数スティントはこれまでで一番いい走りだった。とにかく予選ラップを重ねた。彼らに何らかのプレッシャーをかけることができるかどうかはわかっていたし、彼らがペースで有利であることもわかっていたけど、僕たちはあらゆる手を尽くし、すべてをぶつけた」

    「我々は亮を投入して『フルリスク、最大限のアタックだ。僕たちはレースに勝ちたい』と言った。そして彼はちょっとしたアクシデントに見舞われた。それは起こりうることだ。我々の誰にも起こりうることだし、24時間を通して多くの人に起こったことだ」

    「亮を全面的にサポートする。目標はマキシアムアタックをすることだったし、それが僕たちがやったことだ」

    ハートレーは、トヨタ8号車がギリギリのところで走るのがいかに難しいかを説明し、トラックで最も遅いコーナーであるアルナージュのブレーキングでは、自分でもその瞬間を経験したことを認めた。

    「ターン14では、僕も彼と同じように小さな問題がいくつかあった。大きな問題ではなかったと思う。決して諦めない姿勢を見せてくれたチーム全員に多大な感謝をしている」とハートレーは語った。

    「最後まで2位で走りきることができたのは、大きなチームワークのおかげだ。チームを誇りに思うと同時に、自分の仕事には満足しているけど、2位(表彰台)に立つのは少し厳しいね」


    夜に複数台の車両事故に巻き込まれ、自分のクルマはリスタートできなかったトヨタのWECチーム代表である小林可夢偉は、トヨタのチャンスを妨げた物議を醸したBalance of Performance(BoP/性能調整)の変更を踏まれば、チームの努力を誇りに思うと語った。

    「やれることは全部やれたと思います」と小林可夢偉は語った。

    「フェラーリは素晴らしい仕事をしたと思います。残念ながら、レースでは十分なペースがなかったし、僕の車も不運でした」

    「せっかくチームが頑張ってくれたのに、本当に残念です。でも、絶対に強くなって帰ってきます。勝てなかったのは本当に残念です」

  • ル・マン24時間レース:死闘も僅かに及ばず、トヨタ8号車が2位表彰台

    ル・マン24時間レース:死闘も僅かに及ばず、トヨタ8号車が2位表彰台

    2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦、第91回ル・マン24時間レースの長い戦いがフィニッシュを迎えた。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は深夜に7号車を失った後、孤軍奮闘の8号車が最後までフェラーリと僅差での首位争いを展開したが、惜しくも及ばず2位でフィニッシュ。目標の6連覇に届かず、ル・マン24時間連勝記録は、昼夜を通じて続いた壮絶なバトルの末に途絶えることとなった。

    5年連続でル・マンを制してきた、世界チャンピオンであるTGRは、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そして、ポルシェといった、これまでで最多となる16台のハイパーカーが競い合う伝統あるフランスのレース、ル・マン24時間の100周年大会で、6連覇に向けて挑んだ。

    チケットが即完売となったこのイベントでは、32万5千人もの大観衆が見守る、最後の最後までドラマティックな展開のバトルが繰り広げられた。

    昨年のル・マンウィナーであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、サバイバル戦となった今年のル・マンで最後までトップ争いに生き残り、フェラーリとの一騎打ちを繰り広げた。しかし、惜しくも勝利には届かず、24時間にわたる長い戦いの末、8号車は優勝したフェラーリ51号車と同一周回、かつ僅か1分21秒793差の2位でチェッカーを受けることとなった。

    この記念すべきル・マンに2台体制で挑んだGR010 HYBRIDだったが、チェッカーを受けたのは1台のみだった。小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの7号車は、スタート8時間後の深夜0時を過ぎたところで不運なアクシデントに見舞われ、勝利への望みは絶たれてしまった。小林がドライブしていた7号車は後続から追突され、修復不能なダメージを負ったため、リタイアを余儀なくされた。

    今回のレースにはチームオーナーであるモリゾウこと豊田章男も駆けつけた。決勝日の朝のチームブリーフィングで豊田は力強い言葉でチームを鼓舞し、チームの結束力をより確かなものに。WECチームに関わる全てのメンバーの気持ちをひとつにし、決勝レースへ臨んだ。

    10日(土)午後4時にスタートが切られたレースは、3番手からスタートを切ったブエミの8号車がすぐに首位に立ち、5番手スタートからコンウェイの7号車も表彰台圏内へと浮上した。

    レーススタートから1時間、上位10台ほどのハイパーカーがホイール・トゥ・ホイールでの激しい接近戦を展開。その後、2度にわたり豪雨に見舞われ、コンディションも順位もめまぐるしく変わったが、レース開始後3分の1の間、2台のGR010 HYBRIDは共に上位争いを繰り広げた。

    しかし、日付が変わった直後、2位で首位を追っていた7号車がテルトル・ルージュでストップ。時速80km制限のスローゾーンへと向かう直前、小林が速度を落としたところ、後方から2台の下位カテゴリーの車両に追突され、激しい衝撃によりGR010 HYBRID 7号車は車両後部にダメージ、ピットへ戻ってレースを継続することは不可能となってしった。

    ここでレースを終えることとなった7号車だったが、担当のメカニックとエンジニアは悔しさをバネに、チームスピリットと決意を新たに8号車のサポートに入り、共にTGRの戦いに加わった。

    レース前半上位を争っていたプジョー94号車とフェラーリ50号車が脱落すると、その後はTGRの8号車とフェラーリ51号車との一騎打ちとなった。夜が明ける頃には首位に立っていた8号車だったが、その後、フロントスプリッターにダメージを負うと共にリアタイヤのパンクに見舞われ、修復のためにピットへ向かい、2位へと後退した。

    それでも大きく差をつけられることなくコースに復帰した8号車とフェラーリ51号車は、僅差での首位争いを数時間にわたって続け、20時間を過ぎた時点でも、2台の差はわずか3秒。最後まで休む間のない争いが続いた。

    最後の2時間、8号車は4スティント連続走行という大健闘を見せたハートレーから、平川へと最後のステアリングが託された。この時点で2位につける8号車とトップとの差は16秒。この差を詰めるべく全力でアタックに入った平川は、アルナージュコーナーで痛恨のコースオフ。コース脇のバリアにヒットし、車両の前後にダメージを負ってしまった。この修復のために8号車は緊急ピットイン。メカニックの迅速な作業に助けられ、2位の座を守ったままコースへと復帰することに成功したが、トップとの差は3分に広がってしまった。

    平川はコース復帰後、着実に順位を守ってチェッカーを受け、ポイントを獲得することに優先度を切り替え、2位でチェッカー。レースは残念な結果に終わったが、8号車の3名は、リードするドライバーズタイトル争いで2位との差を25ポイントに拡げることとなった。

    マニュファクチャラーズタイトル争いでは、首位につけるTGRと2位フェラーリとの差は18ポイントに迫られることとなった。シーズンは残り3戦。次戦はわずか4週間後の7月9日(日)、イタリアのモンツァ6時間となる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    残念ながら、このル・マン100周年記念大会は我々のレースではありませんでした。7号車は私がドライブしているときに信じられないような不運に見舞われてしまいました。スローゾーンへ入る前の準備エリアで、前の車両が速度を落としたので、ペナルティを避けるためにこちらも速度を落としたところ、後方から追突されました。車両のダメージは大きく、ガレージに戻る術はありませんでした。それまで力強くレースが戦えていただけに、本当に厳しい結果となってしまいましたが、8号車は最後まで全力で戦い、2位でフィニッシュしてくれました。チームとしてできることは全てやりましたし、クルマから最大限のパフォーマンスを引き出し、ドライバーもベストを尽くしてくれました。このル・マン100周年記念大会では、チームが今までに無いほど団結して、みんなで勝利を目指し、共にレースを楽しみました。この無念を晴らすためにも、もっと強くなって戻ってこなくてはなりません。応援してくれた全ての方々に感謝いたします。本当にたくさんのメッセージを頂き、皆様の大きな支えがあることを感じました。これからもまた一緒に戦いましょう。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    8号車は100%の力を発揮し、本当によく頑張ったと思います。このレースウィークを通して素晴らしい仕事をしてくれたチーム全員に感謝します。残念ながら我々のレースは早めに終わってしまいましたが、序盤の難コンディションの中でも健闘し、ミスも無く、上位争いに加わり続けました。最速ではなかったかも知れませんが、できる限りのことはしました。あのようなアクシデントでレースを終えることになってしまったのは残念ですが、スローゾーンなどではアクシデントが多発していました。悲しいことですが、あの時点で我々のレースが終わってしまいました。シリーズチャンピオンの可能性はかなり低くなってしまいましたが、残りのレースでは幾つか勝ちたいですし、次のレースへ向けて頑張ります。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    またも我々7号車にとっては残念なル・マンとなってしまいました。私のスティントだけ振り返れば、ステアリングを受けとったときはトップ10の最後尾あたりにいましたが、3位まで順位を上げて戻ってこられたので、その部分では満足しています。スリックタイヤのまま雨の中を走らねばならず、リスク管理が肝となるサバイバル戦となっていました。厳しいレースでしたが、我々は全力を尽くしましたし、起こったことに対し可夢偉の責任はなく、また、彼のあの状況での判断にミスがあったわけではありません。もちろん今日の結果はとても残念ですが、我々はリタイア後もそばに残り、8号車を応援していました。彼らは全力で素晴らしいレースを戦い、我々にとって誇りです。毎回のことですが、ル・マンでは何が起こるかわからないので、最後までレースに留まることが重要だと教えてくれました。また戻ってくることを楽しみにしています。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    タフなレースでした。レース序盤には、コンディションの急激な変化によりコース上に留まることすら容易ではありませんでした。我々には勝てるだけの圧倒的な速さはありませんでしたが、全力で戦い続け、最後までライバルを追い詰めました。フェラーリは我々よりも速かったので、彼らを追随するためにハードにプッシュする必要があり、それはマージン無しでのアタックを意味しました。勝つためにできることはやり尽くしたので、後悔はありません。優勝したフェラーリ、おめでとう。彼らは予選の時から印象的な速さを見せていました。ここからはチャンピオン争いへと切り替え、次戦へ向け、さらに強くなって戻ってくるべく努力していきます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    今は様々な感情が渦巻いています。全てを出し切ったので、何も残っていないかのようです。パフォーマンスが明白だったわけではなかったですが、我々はフェラーリとの一騎打ちで最後まで彼らにプレッシャーをかけ続けました。最後は、流れが少し我々の方に向いたときにエキサイトしてしまいました。亮は最も大変な状況でのドライブでした。彼は首位フェラーリとのギャップを詰めるために最大限に攻めろと言われてコースへ向かい、リスク覚悟でアタックしたので、責められることはありません。今となっては、あそこまで追い詰めたが届かなかった、という気持ちです。フェラーリには最大の祝福を贈ります。彼らは速かったですし、ミスをすることもなく、良いレースを戦ったと思います。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    まず本当に頑張ってくれたセバスチャンとブレンドンに感謝します。また、レースウィークを通して素晴らしい仕事で支えてくれたチームと、応援してくれた全てのサポーターの皆様、ありがとうございました。フェラーリとのバトルは本当に大変でしたが、決して諦めることなく、またル・マンで勝つために全力で戦いました。今日のレースを分析し、改善すべき点を見出さなくてはなりません。個人的には、自分自身のミスから学び、さらに強くなって戻って来たいと思います。シーズンはまだ3戦残っているので、ここからは世界チャンピオン獲得に集中します。

    トヨタ 2023年 ル・マン24時間レース

  • 小林可夢偉 「前のクルマを抜けばペナルティなのでブレーキをかけた」

    小林可夢偉 「前のクルマを抜けばペナルティなのでブレーキをかけた」

    小林可夢偉が、2023年のル・マン24時間レースでリタイアを喫することになった状況を説明した。

    8時間が経過する頃、小林可夢偉の駆るトヨタ7号車はアクシデントに巻き込まれた。LMP2のグラフレーシングの39号車とLMGTEPROのJMWモータースポーツの66号車が接触。すると低速で走行するトヨタ7号車にアルピーヌの35号車が追突してきた。

    小林可夢偉は、ミュルザンヌストレートでマシンを止め、レースをリタイアすることになった。

    「僕はスローゾーン前に備える“Next SLow”ノーゾンというエリアにいました。前のドライバーが何らかの理由でブレーキをかけました」と小林可夢偉は状況を説明。

    「そこで彼をオーバーテイクすれば、ペナルティを科されれることになるので、ブレーキをかけ、後ろのクルマが僕にぶつかってきました」

    「両方のリアタイヤがパンクして、左リアのドライブシャフトが壊れ、戻るための駆動がありませんでした。フラストレーションを感じています」

    「まだ1台のクルマが戦いっているので、彼らをサポートしていきます。僕はドライバーですが、チームプリンシパルでもありますからね」

    「僕たちはベストを尽くしていきます。これがル・マン24時間レースの厳しさですね」

  • ル・マン24時間レース:トヨタ7号車が玉突き事故に巻き込まれリタイア

    ル・マン24時間レース:トヨタ7号車が玉突き事故に巻き込まれリタイア

    トヨタ GR010 HYBRID 7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペス)は、LMP2マシンに追突されたことが原因で2023年のル・マン24時間レースをリタイアで終えることになった。

    小林可夢偉が駆る7号車は、低速ゾーンの開始時に複数の車による奇妙な玉突き事故に巻き込まれた。ルイ・プレッテが運転するJMWモータースポーツの66号車フェラーリGTE Amが、元F1ドライバーのギエド・ファン・デル・ガルデと衝突したとみられる。するとメモ・ロハスの35号車アルピーヌLMP2が小林可夢偉に接触した。

    その後、ミュルザンヌストレートに駐車してコックピットから出てくる小林可夢偉が目撃され、ホセ・マリア・ロペスとマイク・コンウェイとシェアする7号車のレースは終わりを告げた。

  • トヨタ、水素エンジンのル・マン車両コンセプト「GR H2 Racing Concept」

    トヨタ、水素エンジンのル・マン車両コンセプト「GR H2 Racing Concept」

    6月9日、サルト・サーキットで開催されたACO(フランス西部自動車クラブ)のプレスカンファレンスに会長の豊田 章男が参加し、ル・マン24時間レース100周年の祝辞と、レースを通じてクルマを鍛えさせていただいた感謝を述べた。また、先日ACOより公表された「水素カテゴリーへ燃料電池車両に加え水素エンジン車両の参戦を認める」ことを受け、将来の参戦を見据えた水素エンジン車両のコンセプトカー「GR H2 Racing Concept」を発表した。

    トヨタはこれまで、2021年スーパー耐久シリーズ第3戦より水素エンジンカローラで参戦し、2022年12月にはタイのチャーン・インターナショナル・サーキットにて開催された「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」にも同車両で参戦。モータースポーツという過酷な環境下でその技術を鍛え、カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向けて、業界内外の仲間と共に水素を「つくる」「はこぶ」「つかう」取り組みを加速させてきました。

    こうした“モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり”と“CN社会の実現”に向けた取り組みをさらに進め、新世代のル・マン24時間レースに挑戦していく。

    「GR H2 Racing Concept」は、ル・マン24時間レース期間中、会場内ACOのH2ビレッジにて、展示される。

    ■展示期間 : 6月9日(金)現地時間9:30より6月11日(日)

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  • トヨタ:2023年 第4戦 ル・マン24時間レース ハイパーポール レポート

    トヨタ:2023年 第4戦 ル・マン24時間レース ハイパーポール レポート

    6月8日(木)、FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間の公式練習とトップ8のスターティンググリッドを決定するハイパーポールが行われた。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは、記念すべき100周年大会での連続ポールポジション記録更新を目指したが惜しくも叶わず、それぞれ3番手、5番手グリッドから決勝レースのスタートを切ることになった。

    サルト・サーキットで昨年まで6年連続ポールポジションを獲得してきたTGRは、新記録更新へ向けハイパーポールへの進出を果たしたが、驚くべき速さを見せたライバルと、不運なタイミングで出された赤旗、そして、トラックリミット違反によるタイム抹消もあり、望みは絶たれることとなってしまった。

    昨年のル・マン勝者であるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、ハートレーのアタックによる3分24秒451というタイムで3番手グリッドとなった。ハートレーのこのタイムは、圧倒的な速さで最前列グリッドを独占したイタリアンメーカー、フェラーリ50号車のポールタイムと1.469秒差だった。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、ジャッキー・イクスの持つポール獲得記録5回に並ぶチャンスであった小林がアタックを担当したが、ポールから1.951秒遅れの5番手となった。

    ハイパーポールでの結果は残念なものとなったが、チームの目標であるル・マン6連覇と、今シーズンでの無敗記録更新へ向け、この日も2度にわたって行われた公式練習で、車両セットアップとレース戦略を徹底的に練り上げる作業が続けられた。

    30分間で争われるハイパーポールセッションでは、前日行われた予選での各カテゴリー上位8台が進出し、スターティンググリッドが決定されます。現地時間午後8時、まだ明るく、気温も約29度と暖かな陽気の下でセッションが開始され、直後のアタックから、前日の予選同様にフェラーリ勢が速さを見せた。小林とハートレーも計測2周目でさらにタイムを更新したが、ポールまでには届かなかった。

     2台のGR010 HYBRIDはピットインしタイヤを交換、残り10分というところで再アタックに入った。2台共に第1セクターでは自己ベストタイムを更新するペースで、ポールポジションへの望みを繋いだが、このアタック中に他のハイパーカーがトラブルによりコース中でストップ。2台共にアタックラップを終える前に赤旗が出され、セッションは中断となった。

    車両排除のために11分間中断されたセッションは、残り約5分で再開され、2台のGR010 HYBRIDは最後のアタックに向かった。再スタート時の好ポジションを得るため、セッション中断時のままのタイヤでのアタックとなり、ベストな状況ではなかったものの、2台はそれぞれタイムを更新。小林が3番手、ハートレーが4番手につけたが、ここでの小林のタイムはトラックリミット違反を取られたため、抹消となってしまった。

    これによりハートレーの8号車が3番手グリッド。7号車は5番手となった。TGRの車両がル・マンで最前列以外からスタートするのは、2016年以来のこととなる。

    ポールポジション争いとは別に、ハイパーポールセッションを挟む形で、決勝レースへ向けた懸命な車両セットアップ作業がこの日も2回の練習走行で続けられた。3時間にわたって行われた練習走行第3回目では大きなトラブルも無く、7号車は小林が3番手タイム、8号車はハートレーのタイムで4番手となった。

    日が落ちた午後10時から1時間にわたり、決勝前のセッティング最終確認の機会となる練習走行第4回目が行われたが、多くのチームの慎重なアプローチがそのままラップタイムに反映される結果となった。7号車はロペスのタイムが6番手、8号車は少ない周回数でブエミのタイムが14番手となった。

    チームの意識は既に決勝レースに移っている。明日9日(金)はコース上での走行こそないが、チームにとっては重要な一日となる。チームは2台の車両を整備し直し、レースへ向けたセットアップと戦略を決定する。10日(土)は正午から行われる15分間のウォームアップ走行を経て、現地時間午後4時(日本時間午後11時)に第91回ル・マン24時間のスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
     今日は全力を尽くしましたが、現実的には我々にポールポジションのチャンスはありませんでした。ポールを獲得したフェラーリを祝福します。彼らのラップタイムは非常に速く、我々にとっては困難なタイムでした。もちろんル・マンでのポール獲得は特別なものであり、そのために私も可能な限りハードにアタックしましたが、やや攻めすぎてトラックリミット違反を取られてしまいました。レースは長時間にわたるので、ポールでなければ、3番手と5番手というスターティンググリッドにあまり意味はなく、決勝レースは全く別物になることもあり得ます。今日の結果から、1周のアタックという点では我々は最速ではなく、決勝も容易な戦いにはならないでしょうが、24時間レースで勝つためには、チームスピリット、正しい戦略、そして、ミス無く戦うこと、その全てが必要です。日曜午後のチェッカーへ向け、ベストを尽くすだけです。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
     最終的に3番手グリッドを獲得できたことには満足しています。フェラーリの2台が速すぎ、グリッド最前列獲得は不可能でした。彼らのポール獲得に祝福を贈ります。私の最初のアタックはそれほど好感触では無く、ラップタイムもあまり良くありませんでした。次のアタックはとても良い感触だったので、赤旗に阻まれることになってしまい残念でしたが、最後はクリーンな状況でアタックが出来ました。ベストなラップではありませんでしたが、3番手が獲得できました。最善を尽くしたので、ポールを獲得できれば良かったのですが、3番手は悪くない結果です。みんなが知っているとおり、決勝レースは全く別ですし、気持ちを切り替える必要があります。今シーズン、我々は決勝での戦い方やチームワークで結果を残してきたので、それをまた披露する時です。チーム一丸となり、これまでの全ての経験を活かし、日曜日にトップを取るために集中しなくてはなりません。戦う準備はできています。

    トヨタ ル・マン24時間レース

  • トヨタ:2023年 第4戦 ル・マン24時間レース 予選1日目 レポート

    トヨタ:2023年 第4戦 ル・マン24時間レース 予選1日目 レポート

    6月7日(水)、FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間の公式走行セッションが始まった。初日となったこの日は、2度の公式練習走行と翌日に行われるハイパーポールへの出場権をかけた予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは3,4番手で共にハイパーポールへの出場権を獲得した。

    100周年を迎えるル・マン24時間レースの記念すべき今大会は、TGRにとって、2017年から続いているル・マンの歴史に残る7連続ポールポジションのかかった大会でもある。昨年までにTGRは6年連続でのポールポジションを獲得し、ポルシェの持つ記録に並んだ。

    7日(水)に行われた、全カテゴリーの車両が同時に走行する1時間の予選セッションでは、各カテゴリーの上位8台が8日(木)のハイパーポールへ出場し、それぞれ4列目までの決勝スターティンググリッドを決定する。2台のGR010 HYBRIDは、このセッションでハイパーポールへの進出を決め、新記録更新への望みを繋いだ。

    マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスと共にGR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉は、レジェンドであるジャッキー・イクスの持つル・マンでのポールポジション記録に並ぶ、5度目のポールポジションを目指す。小林は、この予選セッションで最初にアタックを担当すると、セッション開始と共に3分25秒485の好タイムをマークした。その後、フェラーリの2台がタイムを更新し、最終的には0.272秒差の3番手となったが、ハイパーポールへの進出を決めた。

    昨年のル・マンウィナーであるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、昨年のポールシッターでもあるハートレーのアタックで4番手につけ、こちらもハイパーポール進出を決めた。

    今年のル・マンの公式走行セッションは、7日(水)午後3時から3時間の練習走行第1回目で開始された。去る4日(日)に行われたテストデーを、他のレースの日程都合により欠席したため、これが今年のル・マンで初走行となるブエミがまず初めに8号車のステアリングを握り、慣れ親しんだサルト・サーキットの感触を思い出すべく、他の2人よりも多い17周を走破した。

    4日(日)の6時間に及ぶテストデーでの走行で開始されたレースへ向けた準備は、この公式練習走行でも続けられ、使用可能な3種類のタイヤコンパウンドに加え、様々なメカニカル、及び空力のセットアップなどの確認作業を行った。

    62台もの車両が走行することに加え、このセッションでは35分間の赤旗もあり、クリーンなアタックラップを行うのは難しい状況だったが、そんな中、小林が赤旗からの再開直後、コースがクリーンなタイミングでのアタックで、今年のル・マンで最初に3分28秒台を刻んだ。その後まもなく、ハートレーが小林のタイムを0.133秒更新し、この3分27秒742が公式練習第1回目のトップタイムとなり、予選へ向けた準備を終えた。

    予選は、午後7時ながら気温30度のコンディションの中、開始された。セッション開始と共にアタックに入った7号車の小林がまずトップタイムをマーク。一方、ハートレーは2度の赤旗中断に見舞われるも、その後のアタックで辛うじてハイパーポール進出を決めた。

    ハートレーは最初のアタックで、その時点での6番手につけますが、ライバル勢がタイムを更新したことで11番手まで後退。イエローフラッグとコース上の混雑に阻まれ、なかなかタイムを更新できず、苦戦を強いられたが、残り30分を切ったところで好ラップを記録し、4番手に浮上、ハイパーポールへの進出を決めた。その後、7号車はロペス、8号車はブエミがドライブし、車両のセットアップを継続した。

    緯度が高く、夏至に近いこの時期はなかなか暗くならないル・マンも日が沈み、闇に包まれつつある午後10時に公式練習第2回目がスタート。このナイトセッションでは、全てのドライバーが最低5周することが義務づけられている。TGRの6名のドライバーは、これを問題なく消化。7号車は小林のタイムで5番手、8号車はブエミのタイムで11番手となった。

    8日(木)も午後3時から3時間にわたる公式練習第3回目が行われ、その後、午後8時からハイパーポール、そして、決勝レース前最後の走行となる公式練習第4回目が午後10時から1時間に渡って行われる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
     忙しい初日でしたが、練習走行で、2台ともトラブル無く走ることができて良かったと思います。決勝レースへ向けてクルマのバランスは良くなっていますし、今日の我々の目標は、明日のポールポジションを争うために、2台共にハイパーポールへ進出することでした。簡単ではありませんでしたが、なんとか達成できました。正直なところ、現時点で我々にはポールポジションを獲得するために充分な速さがあるかはわかりません。練習走行で一歩一歩着実に進化しているので、更なる改良へ向けハードワークを続けていきます。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
     無事走行を開始し、問題なく最初の練習走行を終えられて良かったです。特に、ナイトセッションとなった練習走行2回目は、1回目に比べ、アクシデントが少なかったので、多くの周回をこなすことができ、また、決勝レースへ向け、時間を有意義に使うべくプログラムを進めました。まだ望んだような形ではないですが、徐々に改善を進めていくつもりです。予選では可夢偉が素晴らしい走りをしてくれたので、ポールも狙っていきますが、大事なのは決勝での力強いレースペースです。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
     多くの周回をこなし、様々な内容を試したので、それらにより得られたデータが更なるパフォーマンス向上に役立つことを期待しています。可夢偉とブレンドンは素晴らしい走りで、2台揃って今日の予選での目標であったハイパーポール進出を決めてくれました。かなり接近戦でしたが、フェラーリはとても速く、また、他のハイパーカーも競争力は高いと思います。我々は練習走行でクルマのバランスを改善することができましたが、まだ改良の余地は残っており、それが明日木曜日の優先事項です。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
     例年通り忙しい公式練習初日となりました。ようやくここに来られて、またル・マンを走れて嬉しいですし、目標であったハイパーポールに進出できたことも本当に嬉しいです。予選はなかなか難しいセッションでしたが、ブレンドンが後半上手くタイムをマークしてくれました。タイムが非常に接近していただけに、少しほっとしています。これでハイパーポールと、決勝へ向けたセットアップに集中することになります。練習走行の時間はまだ長いですし、頑張るだけです。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
     タイム差の小さい、厳しい予選でした。最初のアタックラップでは、アタック開始時にプジョーに接近しすぎてタイムが出ず、今思うと、あの時点でそれなりのタイムを出しておくべきでした。その後はイエローフラッグが立て続けに出され、何度もタイムを失いましたが、幸運にもクリーンなラップを得ることができ、ハイパーポールへの進出を決められてほっとしています。とは言え、最速ではありませんでしたし、クルマのバランスはまだ100%ではありません。まだセットアップの幾つかの妥協点を探っている段階ですが、ハイパーポールと決勝で更なるパフォーマンスを発揮できるようプッシュを続けます。

    平川亮(8号車 ドライバー)
     良い一日でした。レースウィークが本当にスタートしたという実感があります。ル・マンではいつもコース上の混雑や様々なアクシデントに見舞われるため、クリーンラップを得るのは容易ではありません。私も練習走行時に直面しました。それ以外、クルマのセットアップも順調に進んでおり、これまでのところ、進捗状況には満足しています。まだ車両のバランス面で調整は必要ですが、この段階では普通のことです。予選は非常に接近したタイムで、見ていてエキサイティングでした。ブレンドンがいいラップをマークしてくれましたし、ハイパーポールが楽しみです。

    トヨタ ル・マン24時間レース

  • 小林可夢偉、インディアナポリスのロードコース戦でNASCARデビュー

    小林可夢偉、インディアナポリスのロードコース戦でNASCARデビュー

    トヨタと23XIレーシングは、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のドライバー兼WEC(FIA世界耐久選手権)のチーム代表である小林可夢偉が、8月13日(日)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われるNASCARカップ・シリーズのロードコース戦にToyota Genuine Parts Camry TRD 67号車でデビューすることを発表した。

    小林可夢偉は、カートからレースキャリアを始め、多くのタイトルを獲得後、フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS:現TGR-DCレーシングスクール)のスカラシップを得て、フォーミュラレースにステップアップし、トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP:現TGR-DC)の支援の下、ヨーロッパで経験を積んだ。

    欧州のフォーミュラ・ルノーやGP2アジアでのチャンピオンを獲得するなどの活躍を見せた小林小林は2006年、トヨタF1チームのサードドライバーとして契約し、2009年のブラジルGPでレースデビュー。2014年までF1に参戦した。

    その後、小林可夢偉は日本のスーパーフォーミュラやSUPER GTに参戦すると共に、TGR WECチームにドライバーとして加わり、2020年にはWECシリーズ世界チャンピオン、2021年にはル・マン24時間レースも制した。

    また、2022年にはIMSAウェザーテック・スポーツカー・シリーズのLEXUSレーシングプログラムで、負傷したジャック・ホークスワースの代役としてカナディアンタイヤ・モスポートパーク戦に出場した。現在はスーパーフォーミュラと、WECシリーズにTGR WECチームのドライバー兼チーム代表として参戦している。

    トヨタはNASCARカップ・シリーズに2007年から参戦を開始し、以来17シーズンで174勝を挙げています。この間にトヨタドライバーはカイル・ブッシュの2015年と2019年、マーティン・トゥルークス・Jr.の2017年と、3回のシリーズチャンピオンに輝き、トヨタは3回のマニュファクチャラーチャンピオン(2016年、2017年、2019年)を獲得している。

    今季2023年シーズン、トヨタのドライバーはここまで4人の異なるドライバーが4勝を挙げており、この勝利によりこの4名はシーズン終盤のプレーオフ進出権を獲得しる。この中の一人が23XIレーシングのタイラー・レディック。23XIレーシングは2020年にバスケットボール界のスーパーヒーローであるマイケル・ジョーダンとトヨタの現役NASCARトップドライバー、デニー・ハムリンが設立したNASCARチームで、今年創設4年目にもかかわらず、既にカップ・シリーズで4勝を挙げている。

    北米を舞台として転戦し高い人気を誇るストックカー・シリーズのNASCARは、主にオーバルコースで戦われるが、年間数戦ロードコースでのイベントが含まれており、今回小林可夢偉がスポット参戦するのもその一戦、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで行われる第24となる。

    インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで行われるNASCARカップ・シリーズ第24戦の決勝は、8月13日(日)現地時間午後2時半(日本時間14日午前3時半)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー兼WECチーム代表)
    「アメリカのモータースポーツ文化は、日本やヨーロッパとは少し違いがあり、中でも独特の文化を持つNASCARは、現地のドライバーにとってはアメリカンドリームです。私は幸運にもここ数年、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の幾つかのレースを戦ってきました。IMSAとNASCARは異なるレースではありますが、レースのテクノロジーは非常に高いレベルにあると思っています。この機会を与えてくれたTRD-USAと北米トヨタ、TGRに本当に感謝しています。トヨタがNASCARに参戦を開始してからしばらく経ちますが、トヨタの車両でカップ・シリーズに参戦する日本人ドライバーは私が初めてになると思うので、このチャンスをいただけて本当に嬉しいです」

    デビッド・ウィルソン(TRD-USA/Toyota Racing Development社長)
    「NASCARカップ・シリーズプログラムへの参加を可夢偉が望んでくれたことは本当に光栄です。23XIレーシングの協力の下、競争力の高いTRDカムリでインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースイベントに出場してもらえることに期待が高まっています。可夢偉は、トヨタとTRD-USAの社員全員が常に抱いているモータースポーツへの情熱を共有しており、彼がTRDカムリをドライブしてNASCARプログラムに参加してくれるのがとても楽しみです」

  • WEC:トヨタ 2023年 第4戦 ル・マン24時間 テストデー レポート

    WEC:トヨタ 2023年 第4戦 ル・マン24時間 テストデー レポート

    2023年のル・マン24時間レースへ向けた公式テストでの走行が6月4日(日)に行われ、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing/TGR)は、伝統あるコース、サルト・サーキットでの準備を開始した。

    今週末の6月10日(土)から11日(日)にかけて行われる、ル・マン24時間の100周年記念大会には、30万人もの観客の来場が予想されている。大観衆の見守る中、16台の素晴らしいハイパーカーが競い合うこの偉大なレースで、TGRは6連覇を目指す。

    ただ、レースを目前にしたルール変更により、TGRのハイパーカー、GR010 HYBRIDは37kgの重量増となった。

    WECのディフェンディングチャンピオンでもあるTGRの2台のGR010 HYBRIDは、公道を含む1周13.626kmのサルト・サーキットのフルコースを、レースウィーク以外で走行できる唯一の機会であるこのテストデーにおける2回の練習走行セッションで車両のセットアップを進め、合計1798kmを走破した。

    GR010 HYBRID 7号車は小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスがドライブし、この日の総合で、トップのフェラーリ51号車から0.323秒遅れの3分29秒827で3番手となるタイムをマークした。GR010 HYBRID 8号車は昨年のル・マン勝者である平川亮とブレンドン・ハートレーに加え、テスト兼リザーブドライバーの中嶋一貴がドライブし、この日9番手のタイムをマークした。セバスチャン・ブエミは他のレース日程の都合により、この日の走行には参加せず、5日(月)からチームに加わる予定。

    この日、TGR2台のGR010 HYBRIDは、ル・マン24時間へ向けたスペシャルカラーリングでのコースデビューを果たした。桜の花とつぼみをあしらったこのカラーリングは、日本のDNAを示すと共に、TGRのサスティナビリティへの取り組みと、モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」の一環として、ル・マンをはじめ、耐久レースへの参戦で育まれている最先端技術を象徴している。

    TOYOTA GAOO RACING ル・マン24時間レーストヨタ ル・マン24時間レース

    午前中のセッションは晴れて暖かな気候の下、現地時間午前10時に開始され、2台のGR010 HYBRIDは最初の45分間でまずインストレーション走行を行った。8号車は、3度のル・マンウィナーであり2018-19年シーズンのWECチャンピオンでもある中嶋がステアリングを握り、自身のドライブで2位のチェッカーを受けた2021年以来となる、サルト・サーキットでの周回ラップを刻んだ。

    コースの一部で公道を使用しているサルト・サーキットは、セッションが進むごとにそのコンディションが良くなっていき、それにあわせて、チームは本格的なプログラムを実施。2台のGR010 HYBRIDは様々なメカニカル、及び空力の設定を試して解析し、翌週の公式練習走行へと続く車両セットアップを行った。

    セーフティカーや赤旗によりそれぞれ25分間のタイムロスとなった以外は、チームのプログラムは比較的順調に進んだ。しかし、セッション最終盤、コンウェイがドライブしていた7号車がテルトル・ルージュのバリアへクラッシュ。GR010 HYBRIDは車体のフロントとリアにダメージを負ってしったが、この午前中のセッションでは、7号車はコンウェイが序盤にマークしたタイムで5番手。8号車は平川のラップがベストタイムで8番手となった。

    メカニックによる修復作業と素晴らしいチームの努力により、新たなフロントとリアを装着した7号車は午後のセッション開始までに作業を終え、タイムロスすることなく、ロペスがセッション開始と同時にコースに出ることができた。

    午後の3時間のセッションは、中盤にセーフティカーが30分ほど入ったものの、チームは更なる車両セットアップの比較や、異なるタイヤコンパウンドのパフォーマンスや耐久性の分析などの作業を進め、7号車の小林が出したベストタイムが3番手。8号車はハートレーのタイムが9番手となった。

    テストデーでの充実した走行セッションを終え、チームは収集した貴重なデータを、7日(水)に開始される2回の公式練習走行と予選へ向け、この2日間で分析しなくてはならない。また、車両セットアップ作業は8日(木)の2回の公式練習走行でも続けられる。8日は公式練習走行の間にハイパーポールセッションが実施され、決勝レースの各カテゴリー上位のグリッドが決定される。第91回ル・マン24時間レースは6月10日(土)現地時間午後4時にスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    ル・マンに戻ってこられて最高です。このコースにはいつも感動させられますし、ここを走るのは本当に楽しいです。我々の7号車は午前中のセッション終盤にアクシデントに見舞われ、今日は期待していたほどスムーズな一日ではありませんでしたが、マイクが無事だったことが最も大事ですし、メカニックも素晴らしい作業でダメージを迅速に修復してくれました。そのおかげでプログラムへの影響は最小限に抑えられ、車両のセットアップやバランスの作業を続けることができました。パフォーマンスの面ではやや厳しい状況にありますが、とにかく作業を続けるだけです。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    今年初めてのル・マンでの走行で、幾つかの課題はあるものの、まずまずの一日でした。今日は車を理解することに努め、比較検討のプログラムをこなしました。セッションが進むにつれて我々も進歩し、バランスも良くなってきています。まだラップタイムという面では幾つかやるべきことがありますが、この段階ではいつものことです。とは言え、今のところ悪くない状況ですし、この調子で作業を続けます。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    またここに戻れて嬉しいです。まだ初日なので、全てがきちんと動くかを確認する作業でした。初日としては順調ですが、ラップタイムを基準に何かを語るのはまだ早いです。特にトップスピードの面で、ライバル勢が強そうだというのが私の第一印象ですが、我々もプッシュしていきます。これからの数日、更なるパフォーマンスを見出すべく頑張ります。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    まだやるべきことはありますが、幸運なことにレースのスタートまでは何日かあります。ル・マンに戻ってこられるのはいつものことながら嬉しいですし、特にこのGR010 HYBRIDはこのコースのために作られたクルマなので尚更です。昨年、このクルマは乗っていて本当に素晴らしいフィーリングだったので、そのバランスを取り戻したいと思っています。私の周回は好調でしたし、ここでは退屈することはないのですが、土曜日の決勝へ向けてとにかく努力あるのみです。新たな挑戦へ向け、ハードワークを続けていきます。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    昨年に続き、GR010 HYBRIDで再度ル・マンを走ることができて嬉しいです。昨年のテストデーでは多くのことを学びましたが、今年は全く感触が違います。今日は多くの周回をこなすことができ、その点では全てが順調でした。ラップタイムはまだ我々が望んだレベルには達していないので、原因を解明する必要があります。水曜日の公式練習走行までにはセットアップを改善すべく、プッシュを続けます。

    中嶋一貴(テスト兼リザーブドライバー)
    GR010 HYBRIDで走るのは3月のセブリング戦後のテスト以来ですが、また走ることができて本当に最高でした。この車でル・マンを走るのはいつでも特別なことで、8号車のセッション最初のドライバーを任されたのはとても光栄でした。短いスティントでしたが、まるで故郷に帰ったようでしたし、テストプログラムに貢献できて嬉しいです。

  • トヨタ、宮田莉朋をWECチャレンジドライバーに選出

    トヨタ、宮田莉朋をWECチャレンジドライバーに選出

    トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は、今シーズンSUPER GT、スーパーフォーミュラに参戦している宮田莉朋が、TGR WECチャレンジドライバーに選出されたことを発表した。

    TGR WECチャレンジプログラムでは、サステナブルなモータースポーツ業界の実現に向け、将来FIA世界耐久選手権(WEC)で活躍できるドライバーの育成・輩出を目指している。

    WECチャレンジドライバーに選ばれた宮田莉朋は、WECで活躍することを目指し、今年はドイツ・ケルンにあるTOYOTA GAZOO Racing Europe GmbH(TGR-E)でのドライビングシミュレータートレーニングやフィジカルテストに参加する。また、6月のル・マン24時間レース、7月のモンツァ6時間レース、および9月の富士6時間レースでは、TOYOTA GAZOO Racing WECチームと共に行動し、コミュニケーション力の向上、チームとの融和を目指す。なお、本プログラムへの参加継続については、毎年のパフォーマンスと成長を評価した上で判断される。

    現在23歳の宮田莉朋は、TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)出身で、今季SUPER GTのGT500クラスにTGR TEAM au TOM‘Sから、スーパーフォーミュラにVANTELIN TEAM TOM’Sからそれぞれ参戦している。国内レースで安定した速さを見せてきていること、海外参戦への強い意志を持ち、それに向けた自助努力をしてきていること、そして昨年末のTGR-Eでのシミュレータセッションに参加し、レギュラードライバーに劣らぬタイムでの走行パフォーマンスを見せ、チームからも高い評価を得ていることが今回の選考理由となる。

    またエントリーレベルの若手ドライバーを対象として、6月ル・マン24時間レースにてWECチャレンジプログラム特別研修を実施。世界最高峰のレースをル・マンで体感し、海外経験によって視野を広げるとともに、将来WECで活躍することを目標にすべく、今回はTGRドライバー・チャレンジ・プログラム レーシングスクール(TGR-DC RS)の中村 仁、小林利徠斗が参加を予定している。

    トヨタは「プログラムの参加を通じて、ドライバーたちが将来につながる多くの経験を積み、成長していくことを期待しています」とした。

    宮田莉朋