カテゴリー: トヨタ

  • ヤルノ・トゥルーリ(カナダGPプレビュー)

    ヤルノ・トゥルーリ(カナダGPプレビュー)

    モナコではノーポイントに終わったヤルノ・トゥルーリだが、トヨタ TF108のパッケージに自信をみせた。

    ヤルノ・トゥルーリ
    「モントリオールは、我々がF1で訪れる中でも最も良い都市のひとつだから、今週末を本当に楽しみにしている。モントリオールとサーキットの雰囲気はとにかくファンタスティックだよ。とても多くの人々が街の周りにいて、そして彼らはF1に関して非常に熱狂的なんだ。それはすばらしいことだよ。」

    「私はこのサーキットを楽しんでいるよ。なぜならばこのサーキットは良いリズムがあって、また適度にチャレンジングなんだ。面白いコースと素晴らしい都市とがあいまって、私はこのレースを気に入っている。ただ私はいままで本当にモントリオールでは運がなくて、去年はロバート・クビサの事故のために、いいレースではなかったから、今回はもっと良い週末であってほしいと思っているよ。」

    「我々はモナコとは全く異なったパッケージを使用するが、我々はより良い結果を得ることができると確信している。天候とトラフィックのせいでモナコは私にとって難しいレースだったが、我々が、あの結果が示すよりもはるかに良いパッケージを持っているのは分かっている。私の目標はポイント争いに戻ることであり、我々にはそれができる十分な可能性があると思っている。」

  • ヤルノ・トゥルーリ、「思っている形で運転できなかった」

    ヤルノ・トゥルーリ、「思っている形で運転できなかった」

    ヤルノ・トゥルーリは、モナコGPをノーポイントで終えた。天候が目まぐるしく変わったモナコGP。トゥルーリは、トヨタ TF108のグリップに問題があったとモナコGPを振り返った。

    モナコGPでは13位よりもいい結果を期待していたはずですよね?
    「当然ながら我々はもっといい結果になると考えていた。この結果はがっかりだったが、とにかく状況が我々に都合良く進まず、難しいレースだった。レース序盤、私がトップ6を争っていた時はそれほど問題なかったが、1回目のピットストップの後、レースの流れが我々から遠ざかり始めたんだ。モナコを走るのは楽しいから残念だった。大抵の場合は上手くいくのに、今回は計画通りに進まなかった」

    コース状況の変化がどんな風にあなたに影響したのか、説明してもらえますか?
    「スタンダード・ウェットタイヤでレースを始めたが、雨が降り続けたためグリップが全くなくなり、コースは非常にドライブしにくい状況になった。そこで我々はエクストリーム・ウェットタイヤに交換することに決めたんだ。最初のうちはこれが非常に上手く行き、速く走ることができた。相変わらず渋滞の中でタイムを失っていたものの、何度か良い形で追い抜きもできたしね。だがその後雨がやみ、サーキットがスタンダード・ウェットタイヤに適した状況になっていくと、エクストリーム・ウェットタイヤで走行を続けるのが難しくなった。そこで元々予定されていた1回目の燃料補給のためピットインした際にスタンダード・ウェットタイヤに戻したんだ。でもその時点で既に私はかなりのタイムを失っていた。たとえ自分が速くとも、モナコでは追い越しが不可能だからね。その後もコースはどんどん乾いていき、最後はドライのオプションタイヤも使える状況になった。そのタイヤを履いたレース終盤、私は何周かかなり速いラップタイムを叩き出したが、既に手遅れだった」

    レースの週末の最初の段階に話を戻しますが、フリー走行ではあなたに何が起こったのでしょう?
    「木曜日の午前中の走行で私はミスを犯し、ポルティエコーナーの出口の壁にクルマをぶつけてしまった。軽く当たっただけだったが、それでもサスペンションが壊れてしまった。2回目のセッションではメカニカルトラブルに見舞われ、そのせいで走行を止めなければならず、縁石でダメージを受けたクルマのフロアの一部を交換した。このクルマの修復作業のためにかなり走行時間を失ってしまった。全体的に言って、木曜日はクルマに対し十分な自信を持つ事ができず、土曜日の午前中になっても幾分苦しんでいた。全般的にタイヤが路面に食いつく感触やグリップが得られなかったんだ」

    それが予選での走行にも影響したのでしょうか?
    「もちろん私はなんとか予選第3セッションに進出し、最善を尽くした結果8番グリッドを得たわけだが、“モナコではこんな感じで走りたい”と自分で思っている形では運転できなかった。私が抱えていた様々な問題は全てグリップに関わるもので、自分が望むようなフィーリングをクルマから得ることができなかった。それでも一定レベルで戦う事ができたが、100パーセント満足はしていなかったし、望んでいた程プッシュする事もできなかった。そしてモナコではちょっとでも自信を失ったりすれば、コンマ2〜3秒は失うことになるんだ」

    予選第3セッションに進出し、8番グリッドを獲得した事は嬉しかったですか?
    「第3セッションに進めたのは嬉しかったと言っていい。クルマの中の私は望んでいたような自信を手にできなかったものの、とにかく自分をプッシュし、そしてなんとかやり遂げたんだ。自分のラップにはハッピーだったし、結果にも満足していた。いいパフォーマンスができたと思うし、8番グリッドというのはレースをスタートするにはいい位置だったとも思う。レースでの私はかなりいい戦略を手にしていたので、本当ならポイントが獲れていて不思議はなかったはずだが、残念ながら今回の日曜日の天候が我々の足を引っ張ってしまった」

    カナダに向けて、どんなことを考えていますか?
    「モントリオールは足を運ぶのにいい場所だし、いつ行っても心地よい雰囲気がある。モナコは例年のことながら1回限りの特別なレースで、一方でモントリオールのサーキットはモナコとは大きくレイアウトが異なる。カナダでは遥かにダウンフォースを削ることになるし、またブレーキが特に重要な要素になる。直近のポールリカールでのテストでは、カナダ用に幾つかテストを行う予定だったが、残念ながら最終日は雨にたたられてしまった。もちろんチームには前年までのレースデータがあるので大丈夫だが、ただし丸一日使ってテストをこなし、カナダに向けて準備ができていればもっと良かったね」

    モナコで起こった事を気にしていますか?
    「それほどでもない。なぜならモナコは唯一無比の場所だし、日曜日の午後の状況はかなり特異だったからね。だからカナダで我々が同じような問題を抱えるとは思わない。レース序盤に雨が降っていた際も我々はかなりいい位置にいたわけだから、落ち込む必要はないし、私はいつも通り期待を胸にしつつカナダに赴くつもりだ」

  • トヨタ、戦略を生かせず下位に終わる

    トヨタ、戦略を生かせず下位に終わる

    トヨタは、F1 モナコGPで、ティモ・グロックが12位、ヤルノ・トゥルーリは13位だった。

    パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、ヤルノ・トゥルーリが8番手グリッド、ティモ・グロックが10番手グリッドでスタートした。両車とも良いスタートを切ったが、その後はタイヤの選択をはじめ、様々な事態が待ち受けていた。

    ティモ・グロックは序盤のスピンのためノーズ交換のためピットイン。その際、エクストリームウェットタイヤに交換したが、コースが乾きつつある中で厳しい走行となり、ピットイン直前に再度スピン。ゴールまでの給油を行ったが、その後ドライタイヤに交換、最終的に12位でフィニッシュした。

    一方ヤルノ・トゥルーリは、8位でスタートした後、セーフティーカー走行時にエクストリームウェットタイヤに交換、ポジションを上げ7位を走行したが、やはり乾いていくコースに厳しい走行を強いられた。一旦、給油と共にスタンダードウェットタイヤに交換したが、その後ドライタイヤに交換することになり、最終的に13位でチェッカーを受けた。

    ティモ・グロック (12位)
    「とにかく、今日は自分にとって良い日ではなかった。ポイントを獲得することは可能だったのに、あまりに多くのミスをしてしまった。チームに対して申し訳ないと思っている。良いスタートを切れて、第1コーナーで前を走るウェバーをパスした。しかし、それから数周後にスピンしていまい、ピットに入らなければならなかった。第1スティントのために我々はエクストリームウェットタイヤに履き替えたのだけれど、コースが乾くにつれて辛い状態になってきた。我々のピットストップのすぐ後に、コースはさらに乾いていったから、ドライタイヤに履き替えるために再びピットに入らなければならなかった。 そして、それはレース終わり間近だったんだ。次回はぜひ、より良いレースにしたい。」

    ヤルノ・トゥルーリ (13位)
    「今週は厳しい週末だった。そして、今日は物事がうまく行かない日だった。あるステージでは激しく雨が降っていたから、我々はエクストリームウェットタイヤを履く賭けに出た。 序盤では、私は速かったし、何回か追い越しの作戦を取ったほどで、タイヤ選択は上手く行っていた。 しかし、雨があがってしまい、コースが乾いてきたため、エクストリームウェットタイヤの走行に苦労することになってしまった。 残念ながら、ここモナコではトラフィックにはまるのが常だ。そして私もピットストップの間に順位をかなり落してしまった。レースの終わり頃に、我々はドライタイヤに履き替え、ゴールを迎えたんだ。」

    新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター
    「コンディションに振り回されて、フレキシブルに考えていたストラテジーも有効に使えず、大変残念なレースだったとしか言えない。ヤルノは最初のセーフティーカーが出た時にインターミディエートからエクストリームウエットタイヤに履き替えたが雨は結局小康状態でタイヤの賭けが裏目に出てしまった。またティモは途中2度スピンを喫して緊急ピットインをせざるを得ず、予定したストラテジーを有効に使うことが出来なかった。一方で、レーススタートをヤルノ、ティモとも見事に決めることが出来た事は良かった。次戦のカナダGPでは、過去セーフティーカーの出るレースが多かったので、今回の教訓を活かせればと思っている。」

    山科忠 TMG会長 兼 チーム代表
    「我々が予選で示したパフォーマンスを保っていたなら、何ポイントか獲得できただろう。しかしそれどころか、非常に厳しい一日になってしまった。 両ドライバーは好調なスタートを切り、レース序盤は順調だった。 しかし、ティモは我々が予期していないスピンをしてしまった。またヤルノは、コースが乾いて、他の車が追いついてくる中、エクストリームウェットタイヤでペースを得ようと苦闘していた。我々のタイヤ変更の戦略が今日の天候に合わなかったのと共に、ドライバーもこのコースでの車に対する自信を失ってしまった。それで、レースはあらゆる分野で我々に不利に働いてしまった。我々には分析しなくてはならないことが沢山ある。我々はカナダでもっと良いレースをするべくプッシュし続けなければならない。」

  • トヨタ:モナコGP予選 トゥルーリが8番手

    トヨタ:モナコGP予選 トゥルーリが8番手

    トヨタはF1 モナコGPで、ヤルノ・トゥルーリが8番手、ティモ・グロックが11番手だった。

    予選第1セッションでは、ヤルノ・トゥルーリは12番手、ティモ・グロックは11番手で共に予選第2セッション進出を決めた。第2セッションでは、ヤルノ・トゥルーリは7番手となり第3セッション進出を決めた。一方ティモ・グロックは最終的に11番手となり、惜しくも第3セッション進出はならなかった。

    第3セッションで、ヤルノ・トゥルーリは8番手グリッドを獲得。明日の決勝レースでは、ヤルノ、ティモともに更なるポイント獲得を目指し戦いに挑む。

    ヤルノ・トゥルーリ (8位)
    「今日の予選は良かったけれど厳しかった。週末の間ずっと、私はこのクルマのパッケージから最大限の性能を引き出すのに問題を抱えていた。そして今日の予選の間でさえ、完全にハッピーだったわけではないんだ。ここモナコでは、自信を持てないと限界までプッシュするのは難しい。 だから、再び10位以内に入れて嬉しいし、決勝レースには大きな期待を持っている。 チームとメカニックの皆に心から感謝したい。彼らは木曜日の公式練習で、我々がいくつかの問題を抱えているとき、本当に一生懸命作業をしてくれた。だから彼らに良い予選結果をもたらすことができて良かった。」

    ティモ・グロック (11位)
    「この週末はうまくいっていたから、今日第3セッション進出を逃したのは悔しかった。何が起きたのか分からないんだ。第2セッションの1周目で悪くないラップを出したのだけれど、最後のタイヤセットでよい結果が出なかった。ファーストセクターは良かったんだけれど、後半の2セクターがうまくまとまらなかった。そして、コンマ1秒未満の差で第3セッション進出を逃してしまった。慰めになるのは、自分には明日、自由な戦略が取れるということだ。 天候が依然重要な要素になるかもしれないので、我々は前に追いつくためにプッシュしていくつもりだ」

    パスカル・バセロン シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
    「今日の午前中の天候と公式練習で我々が抱えていた問題の両方により、全体的に非常に忙しい週末だった。しかし、ヤルノは特にモナコで強く、厳しい一日となった木曜日の後であったが、彼は見事に復活して、4列目グリッドを獲得してくれた。彼は第2セッションでトップの車から0.5秒以内にいたのだが、それはトップとのギャップが小さくなってきていることを示している。ティモについては、わずかの差で第3セッション進出を逃してしまったので、本当に残念に思っている。彼は週末を通して強かったし、ドライコンディションとウェットコンディションの両方共、すべてのセッションで良い仕事をしてくれたからだ。 だが、彼は明日の決勝にむけて良いポジションにいる。なぜならば彼は今晩中、自由に戦略を決めることができるクルマの中で、先頭にいるからだ。変わりやすい天候状態が重要なアドバンテージとなるかもしれないので、我々はレースでは希望が持てると思っている。」

    新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター
    「雨が降るのではと心配した予選は、ドライコンディションで行うことが出来た。しかし、初日より好調だったティモが、第2予選の最後のアタックで後半タイムを更新できずに11位に留まり、本当に残念で仕方がない。逆に、朝の練習走行までグリップが上手く感じられないと苦しんだヤルノは、徐々にタイムをあげ、7番手で第3予選に進出。レースでは8番手グリッドを確保してくれた。明日は雨の可能性が高く、レースへ向けての作戦はその点を考慮して準備している。ティモはトップ10に届かなかった分、燃料搭載量は自由に決めることが出来、そのメリットを十分に活かしたい。明日は8番、11番グリッドからのスタートで、2台揃ってのポイント獲得も十分可能と思う。」

  • トヨタ:モナコGP初日 厳しい一日

    トヨタ:モナコGP初日 厳しい一日

    トヨタは、F1第6戦 モナコGPのフリー走行でティモ・グロック12番手、ヤルノ・トゥルーリが17番手だった。

    パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、フリー走行1回目でティモ・グロックが11番手、ヤルノ・トゥルーリは壁に接触してリアを損傷した影響もあり、16番手となった。フリー走行2回目では、ティモ・グロックが12番手で終了。一方のヤルノ・トゥルーリは17番手でセッションを終えた。

    ティモ・グロック
    フリー走行1回目 11番手 1分17秒942
    フリー走行2回目 12番手 1分16秒688
    「フォーミュラ1の車でモナコを乗り回すのは、興味深い経験だったよ。ここのようなコースは他にはないから、モナコGPは特別なイベントだし、このサーキットは運転するのが面白い。モナコのコースではとても忙しくて、することが多くあるよ。今までのところ、車には満足している。けれどもっと速い車にするために、我々はまだいくつか改良する必要がある。 車の性能を最大限に生かすためには自分にはもっと経験が必要だけれど、好調なスタートだと思っているよ。全体的に見て、今日はダメージもなく、すべてのプログラムをやり遂げることが出来たから、良い公式練習になった。今は、週末により良い結果を出すために強くプッシュしていきたい。」

    ヤルノ・トゥルーリ
    フリー走行1回目 16番手 1分18秒360
    フリー走行2回目 17番手 1分17秒379
    「今日は私にとっては大変な一日だった。 午前中にミスをしてしまい、トンネルに向かう途中で壁に接触してしまった。それによりリア・サスペンションが壊れてしまったため、私は何周か走行のチャンスを逃してしまった。次に、午後に入ってからフロア部分に問題が発生したため直さなくてはならず、私はさらに多くの走行時間を失ってしまった。そういうわけで、今はまだ多くの結論を導き出すのは難しいよ。ここモナコでは いろんなことが起きるから、予測を立てるのは困難だね。週末は濡れたコースになりそうだから、状況は更に厳しいものになるだろう。モナコには変動要素がたくさんあり、それゆえに他にはないレースの場になっている。ここの雰囲気はいつも特別だね。」

    ディーター・ガス レース&テスト チーフエンジニア
    「モナコではいつものことだが、今日は楽な一日ではなかった。ヤルノは第1セッション終盤で壁に接触してしまい、彼の最初のセッションは短く終わってしまった。そして午後には、フロアに修理しなければならない問題が生じたため、彼の走行時間は更に中断されてしまった。ティモは問題の無い一日で、スムーズにプログラムを行うことができた。ここでの問題は、コースの状況が日増しによくなっていくため、一歩退いて大きな観点からデータを分析しなければならないということだ。我々には明日、土曜日の最も良いセットアップを考えるための時間がいっぱいある。週末後半は雨の予想が出ているため、天候がこのレースにおいて大きな役割を果たすかもしれない。」

    新居章年 技術コーディネーション担当ディレクター
    「伝統のモナコGP初日はなかなか厳しいものとなった。ヤルノは午前、午後ともガードレースに接触して予定したプログラムをこなすことが出来なかった。ティモはタイヤ比較のロングランも行い予選、そしてレースへのデータ取りをしっかり行ってくれたが、まだ車の安定性などセットアップの余地を残している。 モナコでは明日金曜日の走行が無く、時間はたっぷりあるので今日の結果を元にセッティングの最適化を進める。ヤルノはモナコでの優勝経験もあり、今日の走行時間が短かった影響は無いし、ティモもコースの習熟は問題ない。天候が下り坂とも言われるが 予選では2台揃ってトップテン入りを決めたい。」

  • モナコGPの舞台裏

    モナコGPの舞台裏

    トヨタF1チームのチームマネージャーであるリチャード・クレーガン、モナコGPの舞台裏を解説。

    モナコではロジスティクスに関してどんなことが問題になるのでしょう?
    「毎年問題となるのは交通とモナコの基本特性そのものだ。スペースが非常に限られているため、例えばスペアパーツ用のトラックをモーターホームがあるパドックに駐車しなければならないなど、色々と妥協を強いられることになる。(パドックは)F1カーがあるピットエリアからかなり離れているのにね。通常のサーキットであれば必要なパーツは全てガレージ内か、あるいはそのすぐ隣に置いておく。つまりモナコでは必要なパーツを必要な場所に時間通り届けること自体が一つの挑戦なんだ。オーガナイザーが幾ら努力しようとも、困難なこの状況は避けようがない。だがそれもまたモナコGPを特別なものにしている要素の一つだからね」

    F1の新しいサーキットと比べると、その厄介さが一層際立つのでは?
    「そうだね。例えばイスタンブールのように新しいパドックに行くと、あらゆるものが整然としていて素晴らしい。だがモナコではそうはいかない。だがそういったモナコへ挑むことが楽しくもあるんだ。全ての準備が整ってしまえば、そこは唯一無二の世界になるからね。これはF1で仕事をしている者にとっては嬉しいことの一つだ。今後もモナコでずっと開催できればいいと思っているよ」

    この状況は年月と共に改善されてきたのでしょうか?
    「設備面で近年一番大きな改善だったのが、新しいガレージとピットレーンだ。お陰で今はなんとかレースの週末を上手くこなせるようになったから、これがもたらした違いはかなり大きいと言える。それ以前は、王宮の下にあるパーキングエリアでクルマの準備をしていたんだ。あれはまるでラリーのサービスパークのようなもので、クルマの周りに色々な備品が散らばっていたんだよ。あらゆる類の制限があることを考えれば、今の形のピットとガレージは最善のソリューションだ。今年の一番の違いは、スペアカーがなくなったことだね。それによって当然ながらスペースに更なる余裕が生まれた。2〜3年前まではTカーを2台ガレージに用意していたんだ。だからかつての4台体制から今は2台に減ったことになる」

    エンジニアがピットウォールに陣取らないのはこのレースだけですか?
    「そうだ。ここではピットガレージの上の建物内に陣取る。いつものピットウォールスタンドもそこにあるんだ。スターティンググリッドを俯瞰できるよう、ガレージの裏手に設営しようとしたのだが、そこはタイヤのためのスペースとして使わなければならなかった。様々な意味で、エンジニアは全員同じ部屋にいたほうがいい。そうすればコミュニケーションが楽になるからね。だがその一方でレースエンジニアにとっては状況が一層困難になる。なぜなら、常に階段を上に下に行ったり来たりしなければならないからだ。それでもなんとかできるものだし、我々は上手くやっているけどね」

    チームスタッフはガレージとパドックの2カ所に分散していますが、これにはどうやって対処するのですか?
    「この2つの場所はお互いにかなり離れていて、しかもコース上をF1カーが走っている時はガレージへのアクセスが制限されるため、自由に行き来できないこともある。いつも抱える問題の一つが携帯電話による通信だ。地域の携帯ネットワークに多大な負荷がかかるため繋がりにくくなるんだ。このためチームは自前の無線ネットワークを準備しなければならない。通常より広範な無線システムを構築するため、IT専門スタッフも増員が必要だ。更に、常時パドックに1〜2名スタッフを配置しておく必要もある。なぜなら全てのパーツが基本的にそこに置いてあるからね。何か必要となれば、そのスタッフがそのパーツをガレージまで持ってくるんだ。これを適切に機能させようと思ったら、追加の人員が必要になる」

    モナコでは金曜日に走らないわけですが、これは不思議な感じじゃないでしょうか?
    「色々な面でこれは良いことではあるが、個人的にはレースの週末の一環した流れが好きだね。モナコでは月曜、火曜、水曜と準備を進め、木曜日にクルマを走らせる。そして翌日はお休みで自由な日になるからここでみんなリラックスする。そのため、土曜日に向けてアドレナリンを高めるために再度みんなを鼓舞しなければならないんだ」

    モナコGPに参加するのは何回目ですか? その中で印象に残っていることはありますか?
    「今回で7回目になるが、いつ行っても、実際にドライバーがF1カーを走らせて結果を出していく様子を目の当たりにすると圧倒されるね。モナコのマーシャルはコースオフしたクルマの撤去作業も他より早い。彼らは本当に有能で、オペレーションがとてもスムーズなんだ」

    何かモナコに関してすぐに思い出せる逸話はありますか?
    「昨年、セッション開始前に最上階の水道管が破裂して、当然ながら、ありとあらゆるありがたくない場所に水が流れ込んでしまった。大量の水が最上階の床から漏れてきて、ガレージ内にあった配電ボックスと棚が濡れてしまったんだ。そのため我々は2台のクルマをラップトップPCの“パナソニック・タフブック”から操作した。でもその後は、何人かが携帯電話や無線をハーバーに落としてしまった以外は、それほど酷いことにはならなかったよ!」

    ハーバーの管理者との交渉にあなたも関わっているのですか?
    「自分のボートをハーバーに停泊させたいというスポンサーやクライアントのために、私もハーバーの管理者と話すことがある。これはお金の問題ではなく、どの場所が空いているか、既に誰がどの場所を確保しているのか、ということなんだ。これにはかなりの交渉が必要になる。またボートで何をしたいのかによっても変わってくるしね。管理者側は、ボートでパーティーが開催されるのかどうか、有名人を招くのかどうかといったことを知りたがる。パーティーは数が多ければ多い程良い。管理者側は、そういった賑やかで華やかな雰囲気を求めているからね」

    全体的に見て、ロジスティクス面での悪夢よりもそういった楽しみの方が優っているということでしょうか?
    「私はモナコという場所が大好きだ。ネガティブな部分に目を向けるより、あらゆるグランプリの一番良い部分を味わいたいしね。これから何年か先に振り返った時、我々はモナコでレースをする機会に恵まれ、しかもそこでモータースポーツを楽しむのに給料までもらったんだ、と思うことだろう。それ以上に求めるものなんて何もないさ!」

    モナコGP 開催スケジュール

    5月22日(木) フリー走行1回目 10:00〜11:30 (日本時間 17:00〜18:30)
      フリー走行2回目 14:00〜15:30 (日本時間 21:00〜22:30)
    5月23日(土) フリー走行3回目 11:00〜12:00 (日本時間 18:00〜19:00)
      予選 14:00 (日本時間 21:00)
    5月24日(日) 決勝 14:00 (日本時間 21:00)
  • トヨタ、モナコ仕様のパッケージに自信

    トヨタ、モナコ仕様のパッケージに自信

    トヨタF1チームのパスカル・バセロンは、モナコGPに投入するTF108のモナコ仕様の空力パッケージに自信をみせた。

    パスカル・バセロン シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
    「私にとって、モナコはシーズンの中で傑出しているレースだ。F1の開催される他のどんなサーキットよりも、車を感じて聞いて、またにおいを感じることができる場所だ。そして、これがモナコを本当に特別な場所にしている。

    「我々が今年今まで訪れたトルコやスペインのコースと違い、ラインからはずれる余裕は少しもないため、ドライバーにはいつもプレッシャーがかかる。エンジンパフォーマンスと空力の重要度が一般的なサーキットよりも少し低く、モナコでは少し別の性能要件が重要になってくるので、ドライバー自身がさらに差をもたらすことになる。」

    「我々は、必要とされる高いダウンフォースと低い平均速度のために、他のアイテムとともに改良したフロントウィングとリヤウィングを備えたモナコ仕様の空力パッケージを用意する。セットアップに関して、ドライバビリティを向上させるためにできることは何でも探っているし、強いパッケージを持っていると確信している。我々はトルコで期待した通りの結果を得られなかったが、TF108はまだ競争力があると思っている。そして、我々はモナコでのポイント獲得に向け戦わなくてはならない。」

  • ティモ・グロック、「モナコは初ポイントにぴったりな場所」

    ティモ・グロック、「モナコは初ポイントにぴったりな場所」

    いまだポイントを獲得できずにいるティモ・グロック。伝統のモナコで初ポイントを狙う。

    ティモ・グロック
    「これが自分にとって最初のモナコグランプリになるので、本当に楽しみにしている。モナコは多くのドライバーがレースをしたがっている、とても多くの歴史と感動がある有名なレースだよ。私はすべてのファンの目の前で、そのような伝説的な雰囲気の中でグリッドに並ぶことが待ちきれないし、それは本当に特別だろうね。」

    「コースは既に知っていて、個人的に好きなコースだから、どんなことが想定されるかは正確に分かる。ガードレールがあまりに近くにあるから
    どんなミスをおこす余地もないし、週末全体を通して本当に集中しなければならない。私はまだ望んでいる結果を出していないが、モナコは私がチームのために最初のポイントを獲得するにはぴったりの場所だよ。」

    「モナコではいつものことだが、追い越すのがほとんど不可能だから予選が鍵になってくるだろう。私は、今年の予選で何回か強いパフォーマンスを出せているから、今回はレースでポイントを争うために少しでも良いグリッドを獲得することが目標だ。」

  • ヤルノ・トゥルーリ、「我々は今年強い車を持っている」

    ヤルノ・トゥルーリ、「我々は今年強い車を持っている」

    ヤルノ・トゥルーリは、モナコGPに向け、今年のマシンのパフォーマンスに自信をみせた。

    ヤルノ・トゥルーリ
    「モナコはすばらしいコースで、私の好きなコースのうちの一つだ。そして2004年にはモナコでの勝利という素晴らしい宝物をもらっているので、私はこのレースを楽しみにしている。」

    「私はドライバーの力が重要とされるコースが好きで、特にモナコではドライバーが本当に違いを生み出せるんだ。確かに、常に良い車が必要であるが、今までの我々のパフォーマンスが証明してきたように、我々は今年強い車を持っていると思っている。

    「カレンダー上のコースの中では、本当は一番遅いコースにも関わらず、ドライバーとしてはバリアがあまりに近くにあるためこのコースは非常に速く見える。ミスに対するマージンが全くないコースなので、ドライバーには緻密さが要求され、全ての周回に十分に集中することがとても重要だ。このコースでは、小さいミスで容易にバリアにぶつかり、レースから退くことになってしまう。」

    「コース自体と同様に、ファンも近くにいるので、レースをしている時に彼等をとても近くに感じることができる。そのためモナコの雰囲気は本当にユニークで、とても特別なんだ。ここは、いつも楽しみにしている素晴らしい開催地でありレースだよ。大概において、モナコでは過去にいいドライビングができているから、より多くのポイントを獲得することができると確信している。」

  • トヨタ 「スーパーアグリのF1撤退は残念」

    トヨタ 「スーパーアグリのF1撤退は残念」

    トヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)社長としてトヨタのモータースポーツ活動に携わるジョン・ハウエットが、今季のトヨタのパフォーマンスやトヨタF1チームのドライバー、そしてF1全体に関してを語った。

    今シーズンここまでのパナソニック・トヨタ・レーシングについてどう評価していますか?
    「シーズンの滑り出しとしては非常に期待が持てる状況と言える。5戦を通じて我々のクルマには相対的な速さがあり、またレースでも何度かいい結果を手にしてきた。ヤルノはTF108の基本特性をとてもポジティブに評価しているし、一方のティモは高いレベルのパフォーマンス及びこれから発揮されるであろう潜在能力の一端を何度も見せてくれた。シーズンが進むにつれ、彼が更にクルマに馴染んでくるのは間違いない。ただしトルコGPでは期待していたような結果を手にできなかったので、クルマから更なるパフォーマンスを引き出すべく戦っていかなければならない」

    シーズン全体については如何ですか?
    「全体的に見てF1は非常に良い状態にあると思う。スキャンダルの件は除いてね。人々はF1をネガティブに語る傾向があるようだが、我々は世界で最も強力かつ最大の人気を誇るスポーツの一つを手にしているわけで、しかも今はこれまでの長い間と比べても非常に競争が激しい状況になっていると思う。各チーム間のギャップに目を向けてみれば、今年はかなりの僅差だとわかる。F1として、これは喜ばしい状況でもある。もちろんスーパーアグリの撤退は残念だったが、全般的に見てF1は商業面では非常に力強い状況にある。世界最大の企業の幾つかがF1に関わっているし、世界への波及効果という点では他のどんなスポーツイベントよりも大きなものがある。4年に1度開催されるサッカーのワールドカップとオリンピックを除いてね。F1は完璧ではないかもしれないし、確かに改善の余地はある。だがポジティブに捉えるべき理由は数多くある。そういった面にもっと焦点を当てるべきなんだと思うね」

    今シーズンのトヨタの結果は昨年より良いですが、これには特に何かこれといった理由があるのでしょうか?
    「今シーズンの我々の戦績は2007年よりも向上しているが、その理由はクルマが基本的に昨年より良いからだ。これに関して疑問の余地はない。TF107の場合、理想的なパフォーマンスを発揮できる幅が狭かったし、数多くのサーキットで最適なパフォーマンス目指してクルマをセットアップするのも難しかった。その適切な幅の中で上手くセットアップできた時はかなり調子が良かったし、実際の所、シーズン終了時の結果そのものよりも状況は良かったんだ。今年のクルマは状況に応じてパフォーマンスを発揮できる幅が広く、そのお陰でドライバーとエンジニアも最高のものを引き出せるようになっている。ドライバーの二人はバーレーンテストの際にすぐにこのことに気づいた。昨年よりもクルマが安定してドライブしやすくなっていると感じていたしね」

    トヨタはトップチームとのギャップを縮めることができるのでしょうか?
    「F1ではほぼすべてのチームがかなり似通ったリソース(設備や資金力、人材など)を持っていると思うし、我々は懸命に仕事を進めている。ギャップを縮めるのは容易なことではないし、それを否定することはできない。今年の我々の目標は第2集団の中で上位に到達し、できればトップ3に食らいつきたい、というものだ。実際、中団グループはフェラーリ、マクラーレン、BMWに近づきつつあると思う。と言ってもそれすら簡単なことではないが。だがこれは、F1における容赦ない挑戦がもたらしてくれる喜びでもあるからね」

    チームのメンバーに対し、ポジティブな結果はどんな影響を及ぼしていますか?
    「F1で働くことは特権的なことでもあると思うが、結果がチームの面々をハッピーにし、そしてみんながハッピーなときは全体的に雰囲気が一層ポジティブになると言って良いだろう。今年のチームの仕事に対する姿勢は昨年と同じくらいしっかりしているし、これは全く変わっていない。いつも通り、チーム全体が全力で仕事をしているからね。そういった努力が結果に表れれば一層報われた気持ちにもなれるが、ただし、我々は勝利を手にするために存在していることを忘れてはならない。今シーズン進歩しているのは確かに喜ばしいことだが、本当に喜べるようになるまではまだまだ道程が残されている」

    5戦を終えた時点で、ティモの印象はいかがですか?
    「彼の仕事ぶりにはとても感銘を受けている。彼は非常に良い形で進歩していると思うし、本人も益々大きな自信を手にしつつある。予選では一発の速さがある所を見せてくれたが、ただしトルコGPでは残念ながらクルマに問題が生じたため、素晴らしいラップになったはずの周回を途中で終えなければならなかった。今後数戦のうちに彼の本当の潜在能力を見られることを我々は楽しみにしている。彼に速さがあることに疑いの余地はないし、いずれ結果もついてくるだろう」

    今シーズンここまでのヤルノついては如何ですか?
    「クルマに乗ったときの彼は自信に満ちているし、今年の彼は本当に輝いている。彼自身ハッピーな様子だし、予選でいい結果を手にし、そしてレースでもその予選結果を生かして非常に力強いペースで走れている。競争力があるクルマを与えてあげれば、上位で争えることを彼は実証してみせたんだ。なかには彼のそういった走りに驚いた人もいたようだが、我々にとっては別に意外でも何でもない。彼のパフォーマンスについてはとても嬉しく思っているよ」

    サードドライバーの小林可夢偉については如何ですか?
    「可夢偉はGP2アジアシリーズで良い走りを見せて、何度か力強いバトルを見せてくれた。本格的なGP2シリーズではそれなりにいいスタートを切れたし、既に1度優勝もしている。このレベルのドライバーとして1年目のシーズンでこれができたことは素晴らしい。彼がどんな走りを見せてくれるのか、今後も我々は注目していくが、彼は今年の最優秀新人の有力候補だと思う。彼は常時進化しているし、明らかに未来の有力ドライバーの一人だね」