タグ: WEC

  • ポルシェ919ハイブリッド:パワーユニット解説

    ポルシェ919ハイブリッド:パワーユニット解説

    ポルシェは、ポルシェ919ハイブリッドによりシルバーストンで開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦で表彰台に登り、スパ・フランコルシャンではポールポジションを獲得して、スポーツカーレースのトップカテゴリーへ見事な復帰を果たした。

    新たに結成されたポルシェ ワークスチームにとっては幸先の良いスタートとなったが、ポルシェ919ハイブリッドの大胆なイノベーションを考えると、決して予測可能な結果ではなかった。

    この結果はWECとル・マンにおける新時代の到来を告げている。ポルシェ919ハイブリッドは、未来の市販車のための技術プラットフォームであり、実証試験でもある。「WECのスターティンググリッドに並ぶ他のプロトタイプには、ポルシェ919ハイブリッドほど効率的で複雑なハイブリッドシステムを備えた車はない」とポルシェは自信をみせる。

    ポルシェは、WECのトップクラスへの復帰によって重要な課題に直面している。第一に、919ハイブリッドは、スポーツカーメーカーがかつて製造した中でも最も複雑なレーシングカーであるということ。第二に、ポルシェはライバル達とは異なり、比較するための前年度の経験やデータを持ち合わせていないということだった。そして第三に、新設のLMP1レーシングチーム内において、ポルシェは自社のエンジニアでプロトタイプを開発したということ。それは、他の企業から既存のコンポーネントを購入するより遥かに困難なことだが、長期的には、より将来性のある道筋といえる。このような試みにおいて、LMP1テクニカルディレクターのアレクサンダー・ヒッツィンガーと彼のチームは、将来の市販車カスタマーにメリットをもたらすソリューションを探し出すというポルシェ伝統の経路を辿ることになる。

    最適なエネルギー変換効率(供給されるエネルギーと使用するエネルギーの間の最良の比率)の追求が、エアロダイナミクスや重量が最適化された各コンポーネントなどポルシェ919ハイブリッドのあらゆる側面に大きな影響を与えている。高度で先進性溢れるエネルギー回生システムとドライブシステムは、2つの際立った特徴となっている。WECの画期的な2014年シーズンの新しいレギュレーションは、ポルシェのスペシャリストたちに大きな裁量を与えた。周回ごとに使用可能な燃料の量が、車の性能の主な制限要因になっている。このアプローチでは、エネルギー効率が主要な要因となる。一方、ハイブリッドシステムも、LMP1-Hカテゴリーから出場するワークスカーの必要条件となる。レギュレーションの制定者は、エンジンの気筒数と最大排気量の選択とともに、回生エネルギーの貯蔵のタイプと方法をメーカーの裁量に任せた。

    ポルシェ919ハイブリッドは24時間に4,500kmを超えるエネルギーを発生
    ル・マンにおいては、周回ごとにドライバーが使用できるブーストとして供給される電気エネルギーの総量は制限される。規定では、2〜8メガジュール(MJ)までのエネルギーレベルに応じて4つのカテゴリーに分かれている。ポルシェは、ポルシェ919ハイブリッドを6メガジュールのカテゴリーで登録した。つまりこのLMP1プロトタイプは、サルトサーキットの13,629kmのロングコースにおいて、厳密に1.67kWhのエネルギーを使用できるということになる。それは実質的にどういうことを表すのだろうか?

    2013年のル・マンの覇者は348周を走破した。同じ距離から算出すると、ニューポルシェ919ハイブリッドは581.2 kWhを発生し、使用する。それは、60Wの電球を9,687時間という莫大な時間点灯させる電力に相当する。言い換えると、LMP1ポルシェ プロトタイプがル・マンのレース中に回生するエネルギーによって、フォルクスワーゲンの新しいe-Golfなど、現在販売されているコンパクトクラスの最も効率的な電気自動車で、4,576kmを走行できることになる。それは米国の東海岸から西海岸、すなわちニューヨークからロサンゼルスまでを横断できる距離にあたる。

    熱エネルギー回生における新たなベンチマークを設定
    「フロントアクスルにおける制動時の運動エネルギーの回生は、ブレーキング時にダイナミックに前方に移動する軸荷重によって大きなポテンシャルを備えるので、これを利用するシステムが論理的な展開といえました。私達は、このソリューションの選択によってリアアクスルへのKERSの適用を諦めました。自然吸気エンジンから始めるとKERSが唯一の選択肢になります。しかしターボチャージャーを使用することによって他の選択肢が生じました。私達が、ターボチャージャーによって排気ガスからエネルギーを引き出すことを選択した理由はそこにあります」とアレクサンダー・ヒッツィンガーは説明する。

    極めて革新的な排気ガスによる熱エネルギー回生を備えた、新しいル・マン・プロトタイプの複雑なハイブリッドシステムは、WECにおいては唯一ポルシェが採用している。このシステムでは、基本的にいわゆるウェイストゲートバルブの代わりに追加のタービンジェネレーターユニットを使用している。このバルブは通常、コンプレッサーの駆動に必要のない、排気ガスによる余分なエネルギーを大気中に逃す。ポルシェは、排気ガスによるこの過剰なエネルギーを利用している。すなわち、このエネルギーが、電気エネルギーを発生するジェネレーターを駆動する2つめのタービンを動かす。この新しいテクノロジーは、他のシステムでは常に失われていたエネルギーを回生する。ポルシェ919ハイブリッドは、このような排気ガスからのエネルギーの使用により、同クラスの車両において唯一、制動時だけでなく加速時にもエネルギーを回生する車となっている。両方のシステムが、電気エネルギーに変換された運動エネルギーと熱エネルギーを、水冷式リチウムイオンバッテリーに戻す。

    走行性能はそのままに、燃料消費量を30%削減
    電気エネルギーの貯蔵方法においてもポルシェは自らの方針に基づく独自の手法をとった。それは効果が少なくても簡単に利用できるシステムを採用する代わりに、将来性のあるテクノロジー、この場合は水冷式リチウムイオンバッテリーを使用すること。

    「ポルシェのエンジニアとの協力で開発されたこのノウハウは、未来のハイブリッド車にメリットを与えます」とヒッツィンガーは強調する。ヒッツィンガーは、フライホイールによる貯蔵とウルトラキャパシターとも呼ばれるスーパーキャパシターの研究も行ったが、リチウムイオンバッテリーが最高の解決策であることを見つけ出した。「しかしあくまで、高出力密度に高度な貯蔵容量を提供するために適切なセルテクノロジーが利用できる場合に限られます」と彼は付け加えている。ポルシェはこれを達成するために、パートナーのA123システムズによるバッテリーセルに信頼を置いている。

    ポルシェがエンジンのために採用したアプローチも同様に他に類がない。2リッターの排気量と直噴を備えた新開発のV型4気筒ターボエンジンは、ポルシェにとっては異型のシステムで、ダウンサイジングの先駆的な例となる。4気筒エンジンは、低重量なコンパクトサイズと構造的剛性および高出力の理想的な組み合わせ。ポルシェが選択した6-MJカテゴリーでは500PSを超えるガソエンエンジンには、ル・マンの1周に対してわずか4.78リッターの燃料消費しか許可されない。回生システムがパワフルになるほど燃料の燃焼は減少することになる。走行性能は同じにもかかわらず、エネルギーの許容量は昨年より30%減少している。

    ル・マン挑戦のための最先端テクノロジーソリューション
    FIA世界耐久選手権(WEC)の今年のカレンダーには、8つのレースが含まれる。イギリスのシルバーストンと「アルデンヌのジェットコースター」スパ・フランコルシャンの2つの6時間レースの後、待望の第3戦は、シーズンのハイライトであると同時に比類のない挑戦となる伝説のル・マン24時間。13.629kmのサルトサーキットの大半(9km)は、普段は通勤車や重量物運搬車も通行する、わだちの残る地方道を閉鎖して走る。長いストレートもル・マンの特徴。LMP1のワークスカーは、昼夜を問わず周回ごとに320km/hを超えることが数回におよび、2ヶ所のシケインでは、市街地での走行速度まで減速しなければならない。しかも周回の約70%でエンジンはフルスロットル。

    急ブレーキと長く続くパワフルな加速。ポルシェはこの特別な条件に合わせて、運動および熱エネルギー回生システムを備えた、パートタイム4WDのポルシェ919ハイブリッドを開発した。精巧なバランスのエアロダイナミクスも、ル・マンにおいてポルシェ919ハイブリッドの優位性を保つ上で決定的な役割を果たす。結果、発生するダウンフォースは、「ポルシェカーブ」などの高速コーナーで抜群のスピードをもたらす。これに対して可能な限り空気抵抗を減らすることにより、ロングストレートでは最高速度に達することができる。

    フランスのサルト県で行われるル・マン24時間の後、WECは3ヶ月のインターバルをおいてから、ヨーロッパを離れる。スケジュールには、米国(オースティン、9月20日)、日本(富士、10月12日)、中国(上海、11月2日)、バーレーン(サヒール、11月15日)、ブラジル(サンパウロ、11月30日)の5つの6時間レースが含まれる。

  • アウディ、徹底的に磨かれたエアロダイナミクスでル・マンに臨む

    アウディ、徹底的に磨かれたエアロダイナミクスでル・マンに臨む

    アウディ R18 e-tron クアトロ 2014年モデルは、アウディのプロトタイプカー史上、最高の燃費性能を誇っている。

    燃費とラップタイムの向上には、パワートレインだけではなく、優れたエアロダイナミクスが大きく貢献する。FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャンでは、ル・マンのハイスピードレイアウト向けに最適化したエアロダイナミクスを持つ、別バージョンのアウディ R18 e-tron クアトロがデビューを飾った。

    レースマシンのエアロダイナミクス開発は、マシンの基本コンセプトと密接に関連するのが通例。アウディスポーツの2014年モデルのエアロダイナミクス開発は、2012年の夏に新型マシンのコンセプトが決定した時から始まった。

    アウディスポーツ エアロダイナミクス部門リーダーのヤン・モンショーは「最初に大まかなレイアウトを作ります。エンジンの基本コンセプト、ホイールベース、ラフデザインの3要素をキーとして、基本的なエアロダイナミクス形状を決定します。その後、コンピューターによる空力シミュレーション(CFD : Computational Fluid Dynamics)を活用しポテンシャルを分析します。その結果をもとに、作業に無駄が出ない様に少しずつ詳細を煮詰めました」と説明しています。コンピューターによるCFDは、マシンの設計データをもとにボディ表面の空力を算出します。開発の初期段階でCFDを活用することで、より多くのコストを必要とする風洞実験を省略することが出来ます」と説明する。

    アウディスポーツ技術開発部門リーダーのDr. マーティン・ミュルメイアーは「レギュレーションにより、これまで以上に高い燃費性能が必要となったため、空気抵抗とダウンフォースのベストバランスを探さなければなりませんでした。実走行テストの前に何度もシミュレーションを行い、必要なコーナリングスピードを支えるダウンフォースを発生させる形状を探しました。その一方で、ストレートでのトップスピード向上のために、空気抵抗は出来るだけ抑えなければなりません。2014年から始まったより厳しい燃費規制は、パワートレインだけでなく、エアロダイナミクス開発にも新しいチャレンジを生み出しました」と述べた。

    ル・マンは長いストレートと多くのハイスピードコーナーからなっており、他のサーキットとは次元の異なる高速領域で闘われる。昨年のレースで、アウディのアンドレ・ロッテラーが記録したファステストラップ(3分22.746秒)の平均速度は242km/hにも達している

    アウディはこの問題に対処するため、多くのダウンフォースが求められる他のWEC開催サーキット向けとは別に、空気抵抗を最小限に抑えたル・マン バージョンのボディを専用開発した。

    2つのバージョンは、一目見ただけで違いが明らかだが、スパ フランコルシャン大会で2台が並ぶことにより、違いがより一層明らかになった。

    フロント部分は、開口部が上部から内側に移されたフェンダーが特徴的。そしてリヤ部分はもっと顕著な違いが生まれている。ル・マン専用マシンのボディはリヤウイングと一体化され、全長がレギュレーションで認められる4,650mm最大長まで伸ばされている。これに比べ、通常モデルの全長は短め。テールパイプの形状も異なる。ル・マン専用モデルでは、センターフィンの左右に分かれたレイアウトから、ディフューザーの上部ボディへ変更されている。

    アウディは、新しい燃費規制に対応するためボディの空気抵抗を徹底的に低減するシミュレーションを繰り返した。しかし、それと同時にコーナリングスピード向上のためのダウンフォースも必要とされる。

    ル・マン専用モデル開発についてヤン・モンショーは「ボディのほぼ全ての部分で、通常モデルと対照的な違いが現れています。2014年からの燃費規制によって、空気抵抗低減の要求がより一層厳しさを増しました。我々は、今までにない厳しい状況の中、針に糸を通すかのようなわずかな可能性を探し当てました」と説明。

    5月3日のスパ・フランコルシャンで初めて、2種のボディが同じ環境で同時に走行した。ル・マンのデータ収集のためにエントリーしたアウディ R18 e-tron クアトロのゼッケン3号車は、フィリップ・アルバカーキーとマルコ・ボナノミのドライブによって、アウディスポーツが狙った効果が発揮されていることを確認した。それらの成果を踏まえ、アウディは6月に行われるル・マン24時間レースに磨き抜かれたエアロダイナミクスで臨む。

  • ポルシェ、919ハイブリッドが4位でフィニッシュ (WEC第2戦)

    ポルシェ、919ハイブリッドが4位でフィニッシュ (WEC第2戦)

    ポルシェのLMP1プロトタイプカー、ポルシェ919ハイブリッドはシルバーストンで開催された世界耐久選手権(WEC)のシーズン開幕戦での表彰台に続き、第2戦となるスパ・フランコルシャン6時間レースで4位となった。

    スパでの6時間レースにおいて、カーナンバー14の919ハイブリッドのドライバーを務めたロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組はポールポジションからスタートし、長時間レースをリードした。

    しかしロマン・デュマがドライビング中に電気系統のトラブルが発生したのに加え、レース終盤ではパンクのためニール・ジャニが予定外のピットインを余儀なくされたのです。

    一方、カーナンバー20の919ハイブリッドをドライブしたティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は、さらに不運に見舞われました。5番手スタートの直後に3番手まで浮上しましたが、テクニカルトラブルに阻まれ、最下位まで後退してしまいました。

    しかし、新たに編成されたポルシェ ワークスチームは2台のLMP1カーを完走させるという今週末の主な目標を達成した。スパでのポルシェ919ハイブリッドのスピードは説得力のあるものだった。919ハイブリッドは長時間にわたり、サーキット最速を維持しました。ファステストラップはマルク・リーブが記録した(1:59.887、フリープラクティス2)。また、ニール・ジャニの最速予選ラップ(2:00.334)が、2位のラップタイムとなった。

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1プロジェクトのリーダー)
    「私達の主な目標は、2台の919ハイブリッドが完走することであり、これは達成することができました。ポールポジションを獲得し、決勝では非常によいラップタイムを刻んでいたので、当然もっとよい結果を期待していました。しかし、両車ともにテクニカルトラブルに見舞われ、それは不可能でした」

    アレクサンダー・ヒッチンガー (LMP1テクニカル・ディレクター)
    「カーナンバー14では、誤った警告が出てハイブリッドシステムがシャットダウンしました。そのため、ロマンが時間のかかる再起動手順を行わなければなりませんでした。ハイブリッドシステムについては非常に保守的な立場を取っているため、このようなことが起こり得るのです。これは課題として持ち帰ります。カーナンバー20のポルシェは、リアダンパーにトラブルを抱えたほか、フロントドライブシャフトが2回破損しました。私達はこれらが非常に重大なパーツであることを認識していたため、次回のテストおよびル・マンではより強度の高いパーツを使用する準備ができています。919ハイブリッドは予選ではきわめて速く、決勝では2台とも完走しました。今週は完走を最重要視していたため、結果には満足しています」

    アンドレア・ザイドル (LMP1チーム監督)
    「この週末には、数多くのポジティブな瞬間がありました。例えば、予選でのパフォーマンスや決勝でのラップタイムなどです。しかし、同時に、いろいろな問題も出ました。それでも、決勝ではライバル達と同じレベルにありました。全体として、チームは多くを学び、 今回もすばらしい仕事をしてくれました。このレースは、ル・マンに向けてのもうひとつの大きな次へのステップとなりました」

    ロマン・デュマ (#14 ポルシェ919ハイブリッド)
    「ポルシェ919ハイブリッドでの最初のスティントを終えて、とても嬉しく思っています。しかし私が乗り込んでから、電気系統のトラブルが発生し1周をロスしたのが悔やまれます。1セットのタイヤでは2.5回のスティントはもたないことは明らかだったので、1.5回でピットインしてタイヤ交換と給油を済ませ、最後のスティントはニールが再度ドライブしました」

    ニール・ジャニ (#14 ポルシェ919ハイブリッド)
    「スタート後の第1コーナーでトップを守ることが重要であることがわかっていました。ラ・スルスでは本当に全力を注ぎ、オー・ルージュでも少なからずリスクを取る必要がありました。最初のスティントではすべてを出し切り、大きくリードを広げました。2セット目のタイヤは少し硬く感じましたが、リードを保つことができました。シルバーストンでは予選はまあまあの出来でしたが、決勝は全くダメでした。スパでは予選は上出来で、決勝では長時間トップをキープできたので、大きな進歩があったと思います」

    マルク・リーブ (#14 ポルシェ919ハイブリッド)
    「私のスティントは、どちらかといえば穏やかなものでしたが、前走車のペースについていくのにも苦労しました。しかし、今日学んだ重要なことは、どのように1セットのタイヤを2スティントもたせるために温存するか、ということです」

    ティモ・ベルンハルト (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「スタート直後、集団に少し押し込まれましたが、1周でアウディとトヨタを抜き、5位から3位にポジションを上げることができました。しかし9ラップ後、突然クルマに異常を感じたため、すぐにピットに入りました。トラブルを解決した後は、50周のダブルスティントを1セットのタイヤでこなしましたが、これは容易なことではありませんでした。残念ながら、その後もさらなるトラブルに見舞われました」

    ブレンドン・ハートレー (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「ティモの最初の数周はすばらしかったのですが、その後、技術的な問題が起こりました。しかし、クルマがそれほど長時間ピットで足止めされなかったので、チームは非常に良い仕事をしてくれたと思います」

    マーク・ウェバー (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「私達はクルマに問題を抱えていましたが、決してレースを諦めることなく、最善を尽くしました。919ハイブリッドは非常によい走りをしていますが、ポテンシャルを100%活かすことができませんでした。チームは熱心に仕事に取り組み、すごい速さでさまざまな事を学んでいます。919ハイブリッドのスピードは励みになります。私達は、初期に起こる問題の解決に当たらなければなりませんが、これはこのような新たなプロジェクトではごく普通のことです。スパでのレースがシルバーストンより良くなることはわかっていました。シルバーストンでは戦闘力が全くありませんでしたが、この週末は力を発揮することができました」

  • トヨタ、開幕戦に続き2連勝 (WEC第2戦)

    トヨタ、開幕戦に続き2連勝 (WEC第2戦)

    5月3日(土)ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでFIA世界選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが行われ、トヨタ・レーシングのTS040 HYBRID #8が優勝。トヨタ・レーシングは開幕戦に続き2連勝を飾った。

    #7も3位に入賞し、2台揃って2戦連続表彰台獲得を果たした。チャンピオンシップでも1位、2位のポジションを守り、シリーズ最大のイベントである、第3戦ル・マン24時間レース(6月14日決勝)へと臨む。

    トヨタ・レーシングはWEC第2戦スパで、緊迫した6時間のレースを勝利で飾り、WEC開幕から2連勝を挙げた。

    TS040 HYBRID #8を駆り、勝利へと導いたアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエールとセバスチャン・ブエミは、昨年最終戦からの3連勝となり、今季のドライバーズ選手権でも2位以下との差を広げて首位を守ることとなった。

    また、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと中嶋一貴が駆るTS040 HYBRID #7が3位入賞を果たし、トヨタ・レーシングはマニュファクチャラーズ選手権でもライバルとの差を広げた。

    #8はラピエールがスタートを担当し、2番手グリッドからポジションをキープ。一方でサラザンが最初にステアリングを握った#7は4番手グリッドから、スタート直後の激しい順位争いを繰り広げた。

    2台は共に最初のスティントを終えてタイヤを交換すると共に、#7が中嶋、#8はブエミへと交代。ブエミは首位との差を詰めると、続くピット作業で首位の座を奪い、更にリードを広げていった。中嶋も表彰台圏内へとポジションを上げ、前を行くライバルを追撃した。

    その後、チームはタイヤ交換時のタイムロスを抑えるために、2スティントを1セットのタイヤで走行する作戦を試みたが、この作戦は効を奏せず、その後は1スティントごとにタイヤを新品に交換することとなった。

    レースが半分を過ぎて間もなく、中嶋はブルツへと、ブエミはデビッドソンへと交代。デビッドソンはレース中の最速ラップタイムをマークする速さを見せ、2位以下との差を更に広げていった。

    2位を争っていたブルツは、他車により排出されたオイルがフロントウィンドウに付着し、視界が妨げられるというハンディを負い苦戦。このトラブルは次のピットストップで改善され、サラザンへと交代した#7は再び2位争いを展開。首位の#8はラピエールが最後のスティントを担当し、首位を快走した。

    2台は共に、最後にわずかな燃料を給油するためにピットイン。ポジションを守ったままコースへ戻った#8ラピエールは、2位に1分13秒926の差をつけてトップでチェッカー。開幕からの2戦連続の優勝を飾った。また、#7サラザンは2位にわずか6.935秒及ばず3位でフィニッシュした。

    次戦第3戦はシリーズ最大のレースであるル・マン24時間。決勝日の2週間前、6月1日(日)の公式テストデーで幕を開ける。

    木下美明 チーム代表:
    今日、チームが成し遂げた仕事を大変誇りに思っている。トヨタ・レーシングがマニュファクチャラーズ選手権をリードするというのは大変嬉しく、ル・マンへ向けてチーム全体のモチベーションを上げることが出来る。今日は、大変多くの観客の前で、ライバルとの素晴らしいレースが出来た。優勝できたのは、最高の結果を出そうと全員が頑張った結果であり、チームも、ドライバーも、皆が本当に良くやってくれた。この先、ル・マンまで厳しい時間が待っている。何度も経験してきたように、ル・マンは特別なレースで、何が起こっても不思議ではない。そのレースに向けて我々は全力で仕事をこなし、最高のチャンスを得られるように頑張って行く。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
    決勝レース:1位、171周、ピットストップ7回、最速ラップ:2分01秒327

    アンソニー・デビッドソン:
    今シーズンはとても上手く行っている。選手権のポイントリーダーも守れている。チームのホームレースのひとつであるスパで、ケルンからやって来た大勢の仲間の応援を受けながら勝つということは、本当に素晴らしいことだ。セバスチャンはレース中盤の難しい局面でとても良い仕事をしてくれた。おかげで私がステアリングを受け持つ時には、やるべきことは殆ど彼が終えてくれていた。こうして再び2台とも表彰台に上がれたというのは実に嬉しい。もう我々の関心は、6月の大きなイベントに移さなければいけない。私は、我々の持つパッケージと周りの皆に自信を持っている。本当に、良い時に波に乗れているという感じだ。

    ニコラス・ラピエール:
    チームの皆にとって大変素晴らしい結果だ。週末の始めから全てが上手く行っていた。予選では持てる力を全て発揮出来たので、レース中は落ち着いていられた。ポルシェとの戦いは本当に厳しいものだったが、我々はピットストップでリードすることが出来たのだから、メカニックにはお礼を言いたい。セバスチャンとアンソニーが上手く走ってくれたおかげで、リードを更に広げられた。最後にチェッカーフラッグを無事に受けられるよう、全てがコントロール下にあったことが何よりだ。我々はここスパでル・マン仕様が上手く機能することと、ハイブリッドシステムの素晴らしさも確認している。この結果は大変嬉しいし、ル・マンへの備えとしては最高だ。

    セバスチャン・ブエミ:
    今日のレースには本当に満足している。これで昨シーズン末のバーレーン、今シーズン初めのシルバーストンに続き、もう3度目の優勝だ。レースは厳しいものだった。私がTS040 HYBRIDに乗り込んだ時は首位とのギャップを縮め始めることが出来たが、首位に立ってからは、後続とのギャップを広げるよう、プッシュしなければならなかったからだ。しかし、#14のポルシェが何かのトラブルを抱えた時も、我々はきちんとコントロールが効いていたので、とにかくどんなミスもしないように、という点だけに留意した。シーズン最初の2レースを勝って、ル・マンへの準備は完璧だ。しかし、我々は、基本に立ち返らなければいけない。昨年よりも良い準備が出来たからこそ、こうして今の結果があるのだから。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    決勝レース:3位、171周、ピットストップ7回、最速ラップ:2分02秒089

    アレックス・ブルツ:
    面白いレースだった。出来ればまた1-2フィニッシュを飾りたかったが、ほんの些細なことが理由でそれは叶わなかった。私自身にとってレースは大忙しだった。とても簡単な事ではなかった。全般的に我々のTS040 HYBRIDはナーバスで、もう1台のTS040 HYBRIDのようにプッシュすることが出来なかった。とはいえ、ポイントは獲得出来、チームとして世界選手権のリードを広げられたということは良い気分だ。

    ステファン・サラザン:
    1位、3位でゴール出来たことはチームにとって素晴らしい結果で、力強いシーズンスタートを続けることが出来た。#8は非常に速く、最高の仕事をした。それに引き替え我々はベストバランスを見つけるのに苦労し、オーバーステアに悩んだ。TS040 HYBRIDの性能を100%引き出すのは難しかった。攻めた走りをしたし、もう少しで2位を捕まえられそうだったが、まず、選手権ポイントを獲得することが重要で、諦めるしかなかった。これからはル・マンに向けての準備が待っている。

    中嶋一貴:
    チームは良い仕事をし、2台揃って表彰台に立てたことは最高の結果だ。我々に戦闘力の高いTS040 HYBRIDを与えてくれたチームには感謝している。恐らく2位は可能だったと思うが、僅かに力不足だったと思う。私のスティントの時には、タイヤを2スティント通して使用した。他のライバルも同様だったと思う。しかし、それはリスキーな判断で、グリップが低下してしまった。ここから先は次のレースに向けて集中しなくてはいけない。我々にとって絶対に落とせない大きな目標だ。

  • ポルシェ、919ハイブリッドが初ポールポジション獲得 (WEC第2戦)

    ポルシェ、919ハイブリッドが初ポールポジション獲得 (WEC第2戦)

    ポルシェは、WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選で早くもLMP1クラス復帰後初となるポールポジションを獲得した。

    ポルシェ919ハイブリッド 14号車は、マルク・リーブとニール・ジャニが予選を担当。マーク・リーブが、最速タイムとなる2分0秒334を記録し、ポールポジションを獲得した。

    ティモ・ベルンハルトとブレンドン・ハートレーが予選アタックに挑んだ20号車は5番手だった。

    ヴォルフガング・ハッツ (ポルシェAG 研究開発担当役員)
    「今夜は本当に嬉しい夜だ。シルバーストンの後、我々は大きな前進を果たした。トリッキーな環境で初ポールポジションを獲得できたことは本当に信じられないこおとだ。チーム全体が素晴らしい仕事をした。我々の戦略は適切だったし、予想以上のことをすることができた。相応しい結果だ。クルマには大きなポテンシャルがある。今夜はこの瞬間を楽しみ、明日はレースをフィニッシュすることに集中する。スパの週末を成功した週末と呼べるのはその後だ」

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「信じられない結果だ。早すぎると感じるくらいだ。シルバーーストンでの表彰台のあと、また新たなマイルストーンだ。だが、スパで最も重要な目標は2台のポルシェ919ハイブリッドが6時間レースをフィニッシュすることだ」

    アンドレア・ザイドル (LMP1チーム監督)
    「今日チームが成し遂げたことはただただ素晴らしい。我々は難しいコンディションで全て正しい判断を行った。トラックが改善していくだろうことは明らかだったし、序盤にインターミディエイトスリックタイヤを搭載したクルマでドライバーを戻すことを決断した。彼れらのラップタイムは改善にむけて最大のポテンシャルがあった。マーク・リーブが、そこで絵に描いたような仕事をした。ブレンドン・ハートレーもラップタイムを改善したが、2回目のラップでタイムを残せなかった。この結果はチーム全体のタフな仕事に対する大きな報酬だ」

    ロマン・デュマ (#14ポルシェ919ハイブリッド)
    「僕たちは午前中に速かったし、午後と予選でも速かった。雨となった1回目のプラクティスセッションは予選のための良いレッスンとなった。スパ・フランコルシャンでは多くのことが予測しづらい。バランスは良かったし、ドライビングはとても楽しかった。スピードも問題ないし、有望そうだ」

    ニール・ジャニ (#14ポルシェ919ハイブリッド)
    「ポールは本当に素晴らしい結果だ。コンディションはトリッキーだった。特にスリックでの1周目はね。そのあと良くなってきて、2回目のラップは速かった。でも、同時に暗くなってきたこともあり、ウェットパッチが残っていないことをただただ願っていた。さらに改善できると思ったけど、そのあとピットに戻るという連絡があり、再びマークに託した。最初は驚いたけど、チームによる素晴らしい戦略判断だった。今日はフリープラクティスでウェットで多くの経験を積むことができた。スパはウェットレースで有名だけど、モンスーン・スタイルでない限り僕には問題ない。僕たちのハイブリッドカーの一時的な4輪駆動はエキサイティングだし、システムのポテンシャルをフルに発揮できるようにドライビングスタイルに取り組み続けたい」

    マルク・リーブ (#14ポルシェ919ハイブリッド)
    「このポールポジションは僕にとって多くの意味がある。多くの人々のために長い間懸命に取り組んできた。今日ポールポジションを獲得できたことは本当に驚きだった。1回目の走行はスリックにとっては十分にドライではなかった。そのあとニールがクルマに乗り込んだ。ガレージの裏でコーヒーを飲みながら彼を見ていた。その後、突然ヘルメットを被って、ラップタイムを改善するように伝えられた。時間管理はタフだったけど、とてもハッピーだ。今は良いレースができることを期待している」

    ティモ・ベルンハルト (#20ポルシェ919ハイブリッド)
    「1回目のフリープラクティスセッションはスムーズに進んだし、多くのインフォーメーションを集めることができた。予選ではちょっと長くステイアウトしてしまい、ブレドンが2回のフライングラップをする十分な時間がなこっておらず、改善することができなかった。それでも、素晴らしい予選だった。カーナッバー14のスタッフにおめでとうと言いたい。このポールポジションは、僕たちにとってもうひとつの素晴らしい瞬間だ。これから明日のレースに向けてクルマを改善するために働き続けていく」

    ブレンドン・ハートレー (#20ポルシェ919ハイブリッド)
    「午前中から919がウェットでとても良いとすでに感じていたし、クルマはとても信頼できた。一時的な4輪駆動は以前い経験していたよりも多くのトラクションを届けてくれたし、とても素晴らしかった。FP2では赤旗の不運があって、3周しかできなかった。予選でのコンディションの変化はもちろん難しかった。でも、チームは本当にうまく実行した。僕たちはコンペティティブだし、明日はエキサイティングなレースが見られそうだね!」

    マーク・ウェバー (#20ポルシェ919ハイブリッド)
    「ここスパで僕たちの新しいポルシェ919ハイブリッドを走らせるのはとても楽しかった。素晴らしいトラックだし、今日は天候が典型的なスパとなり、僕たちにチャレンジを提供したけど、僕たちはできる限り多くの情報を集めているし、自信はある。土曜日の天気予報を考慮すれば、シルバーストンよりドラマティックなレースにはならないだろう。僕たちの一番のゴールは2台揃ってスパの6時間を走り切ることだ」

  • トヨタ、2戦連続で最前列から決勝レースへ (WEC第2戦)

    トヨタ、2戦連続で最前列から決勝レースへ (WEC第2戦)

    5月2日(金)、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選が行われた。

    ウェットから徐々に乾いていく難しいコンディションの下、予選終了直前まで激しく順位が入れ替わるタイムアタック合戦が繰り広げられ、TS040 HYBRIDは#8が最前列2番手グリッドを獲得。#7はその後方4番手につけ、明日の6時間レース決勝に臨む。

    トヨタ・レーシングは、変わりやすいコンディションに翻弄されたスパ6時間レースの予選セッションで、2戦連続となる最前列グリッドを獲得した。

    開幕戦で勝利を挙げ、選手権をリードする、アンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミのTS040 HYBRID #8が、セッション終了間際までトップタイムを守っていたが、最後に惜しくもポルシェにかわされ、最前列2番手グリッドとなった。

    アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の#7は4番手。共に濡れた路面でウェット用タイヤで予選をスタートしたが、中盤にはスリックタイヤに履き替え、タイムを上げていった。

    昨年から、WECの予選システムは2人のドライバーがそれぞれ最低2周以上のタイムアタックを行い、ベスト2周ずつの計4周平均タイムで争われる。

    #7はサラザンと中嶋がドライブ。序盤溝のないハイブリッド・インターミディエイトタイヤでアタックしたサラザンは予選終盤再び中嶋からステアリングを受け継いでコックピットに収まり、更なるタイムアップを果たした。

    #8も同様に、ブエミが最初にアタックしたが、デビッドソンのタイムアタック終了後、再びブエミがドライブし、好タイムをマークした。

    ブエミがタイムアタックを終え、セッション終了を示すチェッカーフラッグが振られた時には、#8はトップタイムを守っていた。しかし、まだタイムアタックを終えていなかった#14ポルシェがこのタイムを上回り、ポールポジションを獲得した。トヨタ・レーシングは、ポルシェのプロトタイプカーレース復帰後初のポールポジション獲得に祝福を送りたい。

    この日は、2時間ずつ2回の公式練習走行で始まり、最初の公式練習セッションから降雨に見舞われ、早速、変わりやすいことで有名な「スパ・ウェザー」の洗礼を受けることとなった。

    トヨタ・レーシングは1回目の公式練習セッションで多くの周回を重ね、6人のドライバー全員がウェットタイヤを装着して走行。#7が2番手、#8が3番手タイムをマークした。

    公式練習2回目には、コンディションが良くなり、チームはドライでのセットアップを試した。ラップタイムもコンディションの改善と共に着実に向上していった。

    公式練習では2度にわたって短い赤旗中断があったが、TS040 HYBRIDは2台共に40周以上と多くの周回をこなし、チームのトータルでは1000km以上を走破した。この公式練習セッションでは#8が2番手、#7が4番手となった。

    明日3日(土)午後2時半(日本時間午後9時半)に6時間にわたる決勝レースのスタートが切られる。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習第1回目:2番手(2分15秒415)42周
    公式練習第2回目:4番手(2分01秒292)41周
    予選:4番手(平均2分03秒177)

    ステファン・サラザン:
    奇妙な予選だった。WECの予選フォーマットでは通常2度も運転はしない。しかし、そのどちらでもトラフィックが問題だった。LMP1を追い抜きにかかるのがいつもトラフィックに見舞われる場所で、そのせいでタイムを失った。レースのように前車を捕まえに行ったのだが、上手く行った時もあればそうでない時もあった。とにかく今日はトラフィックが問題だった。しかし、このコースで我々のTS040 HYBRIDは好調で、レースでは当然勝ちに行く。

    中嶋一貴:
    今日はいつもの予選とはちょっと違った。状況はトリッキーで、リズムを掴むのが非常に難しかった。私がステファン・サラザンからステアリングを受け継いだ時にはコースが乾き始め、スリックタイヤでタイムアタックに臨んだ。しかし、ベストタイムを記録することは出来なかった。ただ、その後ステファンに再びステアリングを託し、好タイムを出せたおかげで4番手のグリッドを獲得することが出来た。このスタート順位なら十分に勝利を狙えると信じている。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第1回目:3番手(2分15秒467)40周
    公式練習第2回目:2番手(2分00秒638)44周
    予選:2番手(平均2分01秒836)

    アンソニー・デビッドソン:
    予選セッションのかなりの部分でトップタイムを守り続けていたので、ポールポジションを獲れなかったのは何とも残念だ。しかし我々は、ベストを尽くすことが出来たし、良い状態だと思う。セバスチャンは最後にもう一度タイムアタックへ挑み、平均ラップタイムを上げてくれた。我々はやるべきことを全てやった感じもあり、少々胸が痛い。明日は多くのポイントとトロフィーを獲得出来るよう、そちらに集中する。

    セバスチャン・ブエミ:
    ポールポジションを獲りたかったので少々残念だ。ポルシェはうまくまとめたと思う。祝福したい。今は、明日何が出来るかを見極めることだ。最前列からスタート出来るのは実に嬉しいことなので、出来る限りプッシュして行きたい。この予選セッションは最後まで厳しい戦いだった。ポールポジションの位置を守り続け、最後の瞬間にそれを失ったのは残念だが、それもレースだ。

  • トヨタ:WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース プレビュー

    トヨタ:WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レース プレビュー

    トヨタは、4月20日(日)に行われたFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦シルバーストン6時間レースで初めての1-2フィニッシュを果たすというシーズンの好スタートを切った。

    チャンピオンシップをリードすることとなったトヨタは、その勢いを保ち、第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースを戦うべくベルギー・アルデンヌの森へ向かう。

    最高のデビューを飾ったTS040 HYBRIDは、ハイブリッドシステムと空力などの改良により、前年型を大きく上回る1000馬力を誇りながらも、燃費は25%の削減を果たしている。

    スパ・フランコルシャン・サーキットは、チームの本拠地であるドイツ・ケルンのトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)からわずか120km程の場所に位置しており、第5戦の富士6時間レースと共に、スパ6時間レースもトヨタ・レーシングにとってのホームレースと言える。

    このため、スパでは多くのTMG従業員が、2台のTS040 HYBRIDに初めて声援を送ることになる。

    前戦同様、TS040 HYBRID #7はアレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の3名が、また、開幕戦で勝利を飾った#8はアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミの3名がステアリングを握る。

    2日間のコンパクトな日程で開催される今大会、5月2日(金)は2時間の公式練習セッションが午前9時(日本時間午後4時)と午後2時15分(同午後9時15分)の2回に渡って実施された後、午後8時(同3日午前3時)よりLMPクラスの予選が行われる。6時間の決勝レースは3日(土)午後2時30分(同午後9時30分)にスタートが切られる。

    木下美明 チーム代表:
    富士スピードウエイと同じく、スパはTMGにとってホームレースであり、全従業員と応援してくださるファンの皆さんのためにも、良い結果を出そうと、とても気合いが入っている。シルバーストンの週末のような、非常に拮抗した、予断を許さぬエキサイティングな戦いになるだろう。チャンピオンシップにとっても、ファンにとっても見どころの多いものになるに違いない。シルバーストンでは勝つことが出来たが、スパは全く異なるタイプのサーキットであり、ここでも最高のパフォーマンスが引き出せるよう、持てる力の全てを尽くす。

    アレックス・ブルツ (TS040 HYBRID #7):
    シルバーストンは、チームにとっては、良い結果を出せたということよりも、TS040 HYBRIDについてもっと知り、どうすればベストに持って行けるかを学べた点で、非常に大切なワンステップだった。この新世代LMP1カーはとても複雑で、レースの週末にやるべきことが多い。スパでは、全てのコース上での活動が2日間に集約されるので、チームにとってはさらに厳しいものになる。我々は最前列で戦うべく、全てを正しい方向に持っていけるように時間を使わなければならない。スパではたくさんのファンとTMGの仲間が来てくれるはずなので、彼らが喜んでくれるような戦績をあげられるよう、全力で戦う。

    ステファン・サラザン (TS040 HYBRID #7):
    スパでのレースは本当に楽しく、私にとっては、いつもシーズンのハイライトだ。今年は特に四輪駆動となるTS040 HYBRIDを走らせることになり、待ち切れない。3つのLMP1ワークスチームは、性能面で非常に拮抗しているので、この週末も素晴らしい戦いになると思う。我々はシルバーストンで最高のスタートを切ることが出来、#8のチームメイトと共に表彰台に上れたのは最高だった。スパでの目標が、同様の成果を達成することであるのは明らかだ。できる限りプッシュし、それが出来ると信じている。

    中嶋一貴 (TS040 HYBRID #7):
    チームとして最高の結果を得られたシルバーストンから、すぐにレースに戻れるのは良いことだ。我々はTS040 HYBRIDについて多くを学んだし、シルバーストンでレースを戦ったことは、今週末のスパへ向けた準備として有用なものとなるだろう。スパは天候が変わりやすく、それがレースに大きな影響を及ぼすことは過去のレースでも経験している。それだけに、車両のセットアップとタイヤについてだけでなく、天候にも注意を払い続けなくてはならない。しかし、雨が降っても降らなくても、この週末もエキサイティングなものになると思うし、多くの観衆がレースを楽しんでくれることを望んでいる。

    アンソニー・デビッドソン (TS040 HYBRID #8):
    スパはクラシックなサーキットで、本当に大好きだ。改修は重ねられているが、ドライブするのに素晴らしいコースであることは変わりなく、特にプロトタイプカーで走るのは最高だ。シルバーストンでの勝利の興奮はまだ冷めておらず、再びレースを戦うのが待ち切れない。2週間というのはそういう意味でもちょうどいい休息期間だ。望みうる最高のシーズンスタートを切ることが出来、我々は大きな自信を得たが、厳しい戦いの中にいることは分かっており、再び完璧な週末にすることを目標に準備を整える必要がある。

    ニコラス・ラピエール (TS040 HYBRID #8):
    私はスパの大ファンであり、昨年は純粋に楽しむために、スパ24時間レースに参戦したくらいだ。それだけに再びスパに行くのが待ち切れない。特に、TS040 HYBRIDでスパのレースを戦うというのは、素晴らしい経験になると期待している。このレースはル・マン24時間レースを前にした最後のレースであり、とても重要な週末となる。好結果だけでなく、6月へ向けての準備もしなくてはならない。#8での初レースで勝利を挙げられたことは私にとっても素晴らしい経験で、それを再現したいと思っている。またハードなバトルになると思うが、準備は出来ている。

    セバスチャン・ブエミ (TS040 HYBRID #8):
    シルバーストンの前は、どのレースカーに競争力があるのか判断するのは難しかったが、第1戦を終えた今、我々のTS040 HYBRIDは勝てるパフォーマンスを持っているが、その差は非常に小さいということが分かった。このことはファンにとってはとてもエキサイティングだが、チームにとっては非常にチャレンジングだということを意味している。しかし我々にとってはこのようなレベルでの競争こそが好ましいものであり、全力を尽くして今週末も勝利を狙う。スパを走るのはいつでも特別な経験だ。我々がシルバーストンで見せたような追い抜きを見せられたら、最高のレースになるだろう。

  • 中野信治、WEC第2戦も所属チームが参戦を見送り

    中野信治、WEC第2戦も所属チームが参戦を見送り

    中野信治の所属するミレニアム・レーシングが、WEC第2戦となるスパ・フランコルシャン6時間レースも欠場することになった。

    ミレニアム・レーシングは、財政難とみられる理由でWEC開幕戦シルーバストンを欠場していた。

    中野信治は自身のTwitterで「チームがスパへの参戦も見送る決定を下しました。開幕戦以降チームも問題の解決に向けて懸命に動き続けていたのですが。」と投稿。

    「今期共に戦う予定であったドライバー全員が大きなショックを受けています。僕自身もテストからトップタイムを叩き出し絶好調でした。この決定は余りに大きな衝撃です。悔しい。」

  • ポルシェ、919ハイブリッドがデビュー戦で3位表彰台 (WEC開幕戦)

    ポルシェ、919ハイブリッドがデビュー戦で3位表彰台 (WEC開幕戦)

    ポルシェは、シルバーストンで行われた世界耐久選手権(WEC)の第1戦で919ハイブリッドがついにレースデビューを果たし、3位でフィニッシュした。

    ポルシェ919ハイブリッドは、シルバーストン(イギリス)で開催された6時間におよぶ激しいレースで、デビュー戦にして表彰台を獲得。ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は、ポルシェ919ハイブリッドで1周5.891 kmのサーキットを165周し、3位入賞を果たした。

    レースは豪雨のため、予定の6時間の24分前にレッドフラッグで終了し、919ハイブリッドはセーフティカーの先導のもとマーク・ウェバーのドライブでフィニッシュした。

    もう一台の919ハイブリッドをドライブしたロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は、テクニカルトラブルにより1時間15分でリタイヤしている。

    総合優勝は、トヨタ・レーシングのセバスチャン・ブエミ(スイス)/アンソニー・デビッドソン(イギリス)/ニコラ・ラピエール(フランス)組が獲得した。

    ヴォルフガング・ハッツ (ポルシェAG 研究開発担当役員)
    「本当に誇らしく感じています。このレースは、耐久レースのトップクラスへの正式なカムバックとなるものでした。準備、オペレーション、ピットおよび2台のポルシェ919ハイブリッドのコックピットでも、非常によく統制が取れていました。レースそのものも興味深く、技術的に大きな自由度が与えられているにも関わらず、というより与えられているためなのか、WECの新レギュレーションはしっかりと機能していることがわかりました。3メーカーが、3種類の革新的なハイブリッドシステムで、最高レベルのエキサイティングな戦いを展開するのです。個人的な意見を言わせてもらえるなら、これこそがロードカーの開発に寄与するモータースポーツだと思います」

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「プロジェクトは全体的にごく初期の段階にあるため、レースでのペースについては私はあまり心配していません。カーナンバー14のリタイヤには、私たち全員がフラストレーションを感じましたが、カーナンバー20は、6時間を通してまったくトラブルがありませんでした。初戦から表彰台に上がれたことはとってすばらしい結果であり、今夜は全員がぐっすりと眠れるのではないかと思います」

    アレクサンダー・ヒッチンガー (LMP1テクニカル・ディレクター)
    「このまったく新たなテクノロジーの複雑さを考えると、1台とはいえレースを完走したことは非常にポジティブな結果です。カーナンバー20のポルシェ919ハイブリッドは、トラブルなしで走行しました。これから、カーナンバー14のリタイヤの原因をしっかりと調査しなければなりません」

    アンドレア・ザイドル (LMP1チーム監督)
    「私達は強力なチームで、オペレーションサイドでは複雑な仕事はありませんでした。このサーキットとヴァイザッハでプロジェクトに関わったメンバー全員に感謝しています。カーナンバー20のポルシェ919ハイブリッドの3位入賞で、2013年6月のシェイクダウン以来の多大な努力が十分に報われました。レース中は、私達は適切な判断を下し、ドライバー達も困難な状況でもまったくミスをしませんでした。全員が最高の仕事をしました」

    ティモ・ベルンハルト (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「これ以上望むことができないほどの結果です。ル・マン・プロトタイプへのポルシェ復帰第1戦にして表彰台獲得、というのはすばらしいとしか表現できません。完走と適切な判断が非常に重要でした。それにより膨大なデータを収集しました。よいスタートを切ることができ、前を行くライバル達に遅れずついていくことができました。雨が降り出したとき強さを発揮し、あっという間に差を詰めることができました。私のピットストップで、インターミディエートのタイヤを選択しましたが、これは正しい判断でした。結果としてこれは完璧な決断でした。チーム全員に本当に感謝しています。ここまで、長い道のりでした」

    ブレンドン・ハートレー (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「ポルシェのワークスドライバーとして、初めてのスティントを終えピットに戻り、クルマをマークに渡したときは、何ともいえない感動がありました。スティントの中盤は、フロントウインドウに雨粒がつく難しいものでした。路面がウエットなのか、ラインはドライなのか、判断するのが困難でした。トラフィックに関してはリスクを冒さないようにし、タイヤにも注意していました。初仕事がうまくいき、嬉しいです」

    マーク・ウェバー (#20 ポルシェ919ハイブリッド)
    「私達にとって、すばらしい日になりました。ここに到達するまでにチームおよびファクトリーの全員が注いだ大きな努力の中で、わずかながらでも役割を果たすことができ嬉しく思っています。ティモとブレンドンも、並外れたドライビングを見せました。もう1台の919ハイブリッドは残念でしたが、日が悪かっただけのことです。ドライバー全員にとって、見極めにくい条件の厳しいレースでしたし、スリックタイヤに小雨というのは決して簡単ではありません。私達はいくつかの危険を回避することができ、難しい局面を乗り越えることができました。今日のレースはすばらしい経験となり、非常に多くのことを学びました。ピットストップでのタイヤのチョイスは完璧でした」

    ニール・ジャニ (#14ポルシェ919ハイブリッド)
    「最初、よいスタートを切ることができたのですが、第1コーナーで曲がりきれず、順位を下げてしまいました。アンダーステアの問題があり、そのため前走車についていくのが難しかったのです。24周目に左のフロントホイールにトラブルが発生し、再度ピットに戻らなければなりませんでした。チームが16分以下でクルマをコースに戻してくれましたが、これはすばらしい仕事です。しかし、30周目で別の問題でリタイヤせざるを得なかったのが残念です」

    ポルシェ WEC 世界耐久選手権

    関連:
    ・トヨタ、WEC開幕戦で参戦初のワン・ツー・フィニッシュ
    ・アウディ、WEC開幕戦はダブルリタイア

  • アウディ、WEC開幕戦はダブルリタイア

    アウディ、WEC開幕戦はダブルリタイア

    アウディは、シルバーストンで開催された2014年のFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦で卓越したパフォーマンスを発揮したものの、その後に大きな不運に見舞われた。

    2台のアウディ R18 e-tron クアトロはドライバーに怪我はなかったものの深刻なクラッシュを喫し、リタイアとなった。

    アウディは、燃費規制が一層厳しくなった新しいスポーツカー時代の幕開けに優れた技術力を結集して臨み、WEC開幕戦を順調に滑り出した。今年からルーカス・ディ・グラッシ(ブラジル)をメンバーに加えた、ゼッケン1号車を駆る昨年のワールドチャンピオン、トム・クリステンセン(デンマーク)とロイック・デュバル(フランス)は、土曜日に行われた予選でファステストラップをマークした。

    翌日にはアンドレ・ロッテラー(ドイツ)が、レースでのファステストラップをマーク。新しい規制をクリアした後も、依然としてアウディのマシンが素晴らしいパフォーマンスを持つことが証明された。

    6時間で闘われた決勝レースの序盤は非常にスリリングな展開となり、レース開始から22分後には、予選4番手からスタートしたロッテラーがトップに躍り出た。しかし、その後降り続いた雨により、コースコンディションは最悪の状態となり、不運にもルーカス・ディ・グラッシがウェット路面でスリップし、ガードレールに激突。グラッシは、何とか自力でピットまで戻ったが、モノコックに大きな損傷を受けていたため、アウディスポーツ・チームヨーストは、1号車をリタイアさせる苦渋の決断を下した。

    そして34周目に、今度はアンドレ・ロッテラーがスリップしてグラベルトラップに捉えられてた。オフィシャルのマシン回収を待つ間に、ゼッケン2号車はトップから4ラップのギャップを喫した。その後、ブノワ・トレルイエ(フランス)にバトンタッチされたマシンは4番手でレースに復帰したものの、いまだ雨が降り続く中にあって、装着されていたタイヤは、インターミディエイトだった。12周後、トレルイエは高速コーナーでグリップを失ってコースアウト。アウディ R18 e-tron クアトロはフロントセクションに自力ではピットに戻れない程の大きなダメージを負った。

    アウディはこれら2つの不幸な出来事により、WECレースで初めて、出場した2車両がともにリタイアを喫するという厳しい状況に直面した。これほどまで厳しい結果を喫したのは、2011年にロードアトランタで開催されたプチ ル・マン大会以来。それ以降、アウディ R18は全24大会で13勝を獲得(優勝確率54%)という素晴らしい好成績を残してきた。

    2週間後には、スパ・フランコルシャン(ベルギー)でWEC第2戦が開催される。アウディスポーツとアウディスポーツ・チームヨーストのメンバーには、時間との厳しい闘いが幕を開けた。チームメンバーは、第2戦までに1号車と2号車を完璧に修復し、かつル・マンでフィリップ・アルブカーケ(ポルトガル)とマルコ ボナノミ(イタリア)が駆る、第3のアウディ R18 e-tron クアトロを製作する必要もある。

    Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディモータースポーツ代表)
    クラッシュにより2台とも失ったことは、痛恨の極みです。ル・マン プロトタイプカーのレースをノーポイントで終えたのは、2011年のロードアトランタ大会以来のことです。レース序盤で発揮したパフォーマンスは素晴らしかったと思っています。しかし、雨が降り始めた時、自分たちが立てた気象予想にこだわり過ぎ、レインタイヤへの交換を決意するまで、あまりに長い時間を掛けてしまいました。振り返ってみれば、これは多大なリスクを背負う行為であり、我々の戦略ミスでした。このミスにより、2台ともコースアウトを喫するという多大な損失を被ることになりました。ルーカス(ディ グラッシ)のマシンは、レースを継続出来ないほど大きなダメージを負っていました。アンドレ(ロッテラー)のマシンはレースに復帰出来ましたが、大きな遅れを余儀なくされていました。我々は、インターミディエイト タイヤを装着したブノワ トレルイエが無事に走ってくれることを祈っていましたが、その願いは果たされず、再びスリップを喫してしまいました。2台のマシンの損傷は非常に深刻で、次戦のスパ大会に向け、チームは一丸となって難しい局面を乗り越えなければなりません。

    クリス・レインケ (LMPプロジェクトリーダー)
    レースウィークの前半は、我々が思い描いていた通りの展開でした。何もかもが上手く運び、予選だけでなく決勝レースでも、ファステストラップをマークしました。2台ともリタイアとなったのは遺憾ですが、尋常ならざる状況が原因であったことが、せめてもの救いだと考えています。しかし、今回の不運が、より一層チームを一丸とさせ、次戦のスパに向けた準備に持てるパワーを存分に発揮出来るようになったと考えています。

    ラルフ・ユットナー (アウディスポーツ・チームヨーストのテクニカルディレクター)
    すべてのマシンがリタイアしてノーポイントでレースを終わるという、最悪のシナリオとなってしまいました。路面コンディションは本当に厳しく、タイヤ選択は非常にリスキーなものでしたが、我々は持てる技術と経験のすべてを使って、何とか完走させようと努力していました。2台ともリタイアし、レースが半分しか終わってないのに撤収を始めるとは、まったく想定外の出来事でしたが、マシンのパフォーマンスは素晴らしかったと間違いなく断言できるのが、せめてもの好材料です。これまで行ってきた新しいレギュレーションへの万全の対策が功を奏し、さらに多くのことを学ぶことが出来ました。チームメンバーにとって、2台のマシンを新たに準備するのは、過酷な作業になります。次戦のスパまでに時間はありませんが、我々はそれを成し遂げ、次こそは優勝を狙います。

    関連:
    ・トヨタ、WEC開幕戦で参戦初のワン・ツー・フィニッシュ
    ・ポルシェ、919ハイブリッドがデビュー戦で3位表彰台 (WEC開幕戦)