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  • WEC:トヨタ、バーレーン6時間レースを最前列からスタート

    WEC:トヨタ、バーレーン6時間レースを最前列からスタート

    全8戦で戦われるFIA世界耐久選手権(WEC)も残すところ2戦。その第7戦バーレーン6時間レースの公式予選が終了し、トヨタは2番手と4番手のタイムを記録、最前列グリッドからのスタートとなった。

    トヨタは、2013年の第6戦富士6時間レース以来、最前列グリッドからのレーススタートを継続しており、ここバーレーンで10戦連続となる。

    今週末の結果次第でドライバーズ選手権タイトル獲得の可能性を秘めたTS040 HYBRID 8号車のアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミは、ポールポジションを奪ったポルシェから僅か0.265秒遅れる1分43秒410のタイムをマーク、2番手グリッドを獲得した。

    7号車はアレックス・ブルツとマイク・コンウェイが予選を走り、1分44秒260で予選4番手。この2台で現在29点差をつけてリードしているマニュファクチャラーズ選手権を戦い抜く。

    WECのスターティング・ポジションは複雑な予選システムで決定される。各車2人のドライバーが最低2周のタイムアタックを行い、それぞれ最速2周の平均タイムを合わせたタイムで決まる。

    25分の予選セッションが始まるとすぐ、トヨタはまず7号車をブルツが、8号車をデビッドソンがドライブ、それぞれ2周のタイムアタックを終えるとブルツはコンウェイに、デビッドソンはブエミにステアリングを託した。

    共に力強い走りを見せ、7号車のコンウェイはこれまで一度しかTS040 HYBRIDで予選を走ったことがなかったにもかかわらず、セッション終盤まで8号車に続く3番手の速さを見せていた。しかし、セッション終了間際にポルシェに0.069秒先を越され、4番手に後退。8号車をデビッドソンから受け継いだブエミは、3周のアタックを終えると、決勝レースに向けてタイヤを温存するために、セッションを終えた。これは、すべての出場車が予選を走ったタイヤで決勝レースをスタートしなければならないルールのため。

    決勝レースは、明日・土曜日の現地時間午後3時(日本時間午後9時)に6時間にわたる熱戦の火蓋を切って落とされる。

    TS040 HYBRID 7号車:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)
    公式練習3回目: 2番手(1分44秒710) 26周
    予選:  4番手(平均1分44秒260)

    アレックス・ブルツ:
    我々の予選は計画通りには行きませんでした。クルマの状態もあまり良くなく、性能を引き出すことが出来ませんでした。時にはこうしたこともあり、悩んでも仕方ありません。とにかく、明日の6時間レースでより良い結果を目指して頑張るのみです。

    マイク・コンウェイ:
    予選は悪くありませんでした。最初の周回は良かったのですが、プッシュした2周目に急にタイヤが垂れてしまいました。クールダウンしてもう1度タイムアタックを行い、初めは良かったのですが、セクター3でタイムロスをしてしまいました。残念ながら、我々が求めていたレベルには達することが出来ませんでした。ライバルのポルシェに勝つのはたやすいことではありません。明日は心機一転、出来る限りプッシュして行きます。

    TS040 HYBRID 8号車:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習3回目: 5番手(1分46秒226) 21周
    予選:  2番手(平均1分43秒410)

    アンソニー・デビッドソン:
    ドライバーとしてはポールポジションが獲得出来ればそれに越したことはありませんし、ボーナスポイントも獲得出来るので良いのですが、納得出来る結果でした。予選でのポルシェの速さを見て、正直なところ彼らを破ることは難しいと思っていました。それだけに、最前列グリッドを獲得出来たことは本当に喜んでいます。明日はタイヤの摩耗やマネージメントという要素もありますし、全く異なる1日になると思うので、決勝レースが楽しみです。

    セバスチャン・ブエミ:
    全体的に見て我々のパフォーマンスには満足しています。いつもポールポジションを争っていた我々が、今日、平均タイムでコンマ2秒遅れを取ったというのは、ポルシェが良くやったということです。しかし、我々の競争力は高く、決勝レースではハードなバトルとなったとしても良いペースで周回を重ねられることを確信しています。我々の目標は最後までクリーンなレースを戦うことで、そうすれば自ずと結果は付いてくるはずです。

  • WEC:トヨタ、待望の選手権タイトル獲得に向けて力強いスタート

    WEC:トヨタ、待望の選手権タイトル獲得に向けて力強いスタート

    FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦バーレーン6時間レースの幕が開き、トヨタ・レーシングはトヨタ自動車にとって1999年の世界ラリー選手権(WRC)以来となる待望の選手権タイトル獲得に向けて、力強いスタートを切った。

    木曜日に行われた2回の公式練習では、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミのTS040 HYBRID 8号車が1回目にトップタイムを記録、夕闇が迫る中で開始された2回目には2番手につけた。

    トヨタ・レーシングは第5戦富士6時間レース、第6戦上海6時間レースと2戦続けて1-2フィニッシュを飾り、デビッドソンとブエミがドライバーズ選手権で2位に42点差をつけ、マニュファクチャラーズ選手権でも29点のリードを保ってバーレーンに乗り込んだ。

    今回のレースでは、先週鈴鹿サーキットで行われたスーパーフォーミュラでシリーズチャンピオンを獲得した中嶋一貴が、ツインリンクもてぎで行われるSUPER GT最終戦に出場するために欠席、代わって第4戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースで初めてTS040 HYBRIDのステアリングを握ったマイク・コンウェイが7号車のラインアップに加わった。コンウェイは2013年にバーレーン国際サーキットでLMP2のステアリングを握ってクラス優勝を飾っている。

    今日の公式練習初日では、2台のTS040 HYBRIDは5.412kmのサーキットで最高の性能を絞り出せるように細心の注意を払ってセットアップを行った。公式練習第1回目は赤旗で一時中断されたが、5人のドライバーは全員がステアリングを握り、8号車が最速タイムを記録、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、コンウェイの3人が組んだ7号車は僅か0.058秒遅れで2位に付けた。公式練習第1回目で2台のTS040 HYBRIDの合計走行距離は351kmだった。

    公式練習2回目は夕闇が迫る午後7時半から行われた。7号車はまずコンウェイが走り、39周を走破。8号車もデビッドソンが同様の走行距離を稼ぎ、セットアップとタイヤの状態を確認した。チェッカーが振り下ろされ、公式練習第1回目のセッションが終了した時点で、8号車は2番手、7号車は6番手のタイムを記録。公式練習第2回目の2台の合計周回数は86周。2回の公式練習の合計走行距離は816kmに及んだ。

    公式練習第3回目は明日金曜日の午前11時10分(日本時間午後5時10分)から1時間、公式予選は午後5時35分(同午後11時35分)から25分間行われる。決勝レースのスタートは土曜日の午後3時(同午後9時)。6時間に及ぶ戦いの火蓋が切られる。

    TS040 HYBRID 7号車:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)
    公式練習1回目: 2番手(1分45秒505) 37周
    公式練習2回目: 6番手(1分45秒895) 46周

    アレックス・ブルツ:
    我々のTS040 HYBRID 7号車は、特に問題なく走行プログラムを終えることが出来ました。タイヤを含め、セットアップで確認したかったいくつかの点についても、沢山のデータが取れました。これから予選と決勝に向け、より強いクルマとするために全てを一つにまとめなければなりません。リストアップされた仕事は全部できたので、今日のセッションから得られたデータに、エンジニアも満足してくれると思います。

    ステファン・サラザン:
    今のところは順調ですが、TS040 HYBRIDについては少しだけ改良すべきところもあります。全般に、ちょっとグリップが足りなかったので、それを何とかしたいところです。今日の目標は決勝に向けたセットアップだったので、まずは良しとしたいです。第2セッションではクルマは良くなりましたが、私自身はあまり距離を走ってはいないので、明日の走行が楽しみです。もっと頑張って、更に改良点を見つけられればと思っています。

    マイク・コンウェイ:
    今日は楽しかったです。2回目の公式練習走行では、ほぼフルスティント走ることが出来ました。スティントを通したタイヤの変化に慣れることや、事をうまく進めるためにどうすべきかを知るのはとても大事です。我々のTS040 HYBRID 7号車は新しいタイヤで上手く走れなかったのがちょっと残念ですが、明日はもっと良くなると思います。8号車が上位にいるのがその証拠です。

    TS040 HYBRID 8号車:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習1回目: 1番手(1分45秒447) 28周
    公式練習2回目: 2番手(1分44秒233) 40周

    アンソニー・デビッドソン:
    再び、バーレーンでドライブすることが出来てとても嬉しい。いつもここでのレースは楽しんでいますが、今日は全体的にグリップが低かったので、やや挑戦が必要でした。明日もセットアップの最適化などいくつかやるべき作業が残っています。今シーズンでは珍しく、セバスチャンと私とで車両の感触が少し異なりました。非常にまれなことですが、妥協点を見出す必要があります。

    セバスチャン・ブエミ:
    通常通りの練習走行初日でした。戦いは激しさを増しており、タフな週末になるでしょう。我々は決勝レースを楽しみにしています。決勝レースが最も重要です。我々の目的は世界選手権タイトルを獲得することであり、そのための課題を確実にこなさなくてはなりません。決勝レースのために必要なデータを慎重に分析し、充分な準備が出来ると確信しています。今日は必要な作業をこなすことが出来たので、明日も作業を継続します。

  • J SPORTS、トヨタ初制覇がかかったWEC第7戦バーレーンを生放送

    J SPORTS、トヨタ初制覇がかかったWEC第7戦バーレーンを生放送

    J SPORTSは、トヨタがドライバーズおよびマニュファクチャラーズの両タイトルのシリーズ初制覇をかけて挑むWEC 第7戦 バーレーン6時間レースをゴール2時間前の11月16日午前1時から生中継すことを発表した。

    今年、トヨタはWECで4勝を挙げており、第5戦富士、第6戦上海と連続で1-2フィニッシュを果たすなど、好調を維持している。

    ドライバーズランキングでは、トヨタ 8号車のアンソニー・デイビッドソンとセバスチャン・ブエミが2位に42ポイント差をつけてをリード。マニュファクチャラーズランキングでもトヨタが首位に立っている。

    バーレーンの結果によっては、トヨタが2012年のWEC復帰から3年で両チャンピオンシップでシリーズ初制覇を決める可能性がある。

    当初、J SPORTSは、バーレーン戦を含む終盤3戦はレース後にダイジェスト版を放送すると予定だったが、第7戦でトヨタの両タイトル決定の可能性が高まったため、チャンピオン決定の瞬間を生中継で届けるために急遽特別編成を組んで対応することになった。

    11月16日午前1時から3時45分までは、J SPORTS 3でゴール2時間前から生中継、16日午後4時30分から7時まではJ SPORTS 4で再放送。また、J SPORTS LIVE+オンデマンドでは、レース開始からゴールまで、インターネットでライブ配信を行う。

  • ポルシェ、ジェンソン・バトンとの交渉を否定

    ポルシェ、ジェンソン・バトンとの交渉を否定

    ポルシェは、2015年のWECにむけてジェンソン・バトンと交渉しているとの噂を否定した。

    フェルナンド・アロンソ加入が噂されるマクラーレンはいまだ2015年のドライバーラインナップを確定しておらず、ジェンソン・バトンはポルシェからWECに参戦するのではないかと囁かれている。

    ジェンソン・バトンのマネージャーを務めるリチャード・ゴッダードも、ポルシェでのWEC参戦という選択肢をほのめかしていた。

    しかし、ポルシェLMP1プロジェクトを率いるフリッツ・エンツィンガーは、ジェンソン・バトンやそのマネジメント陣からの接触はないと語る。

    フリッツ・エンツィンガー は、ジェンソン・バトンが2000年にBMWエンジンを搭載したウィリアムズからF1デビューを果たしていた頃に交流があったというが、2015年に関するコンタクトは取っていないと述べた。

    「私はBMW時代のジェンソンを知っているし、彼はナイスガイだ。だが、現時点で接触はしていない」とフリッツ・エンツィンガーは述べた。

    フリッツ・エンツィンガーは、ポルシェのLMP1チームは2015年もマーク・ウェバーと含む現在のドライバーラインナップを継続する予定であり、すでにその契約も結んでいると明かした。

    「我々は、6名のドライバー、そしてチーム内の雰囲気に満足している。なので、すでに彼らと来シーズンの契約を結んでいる」

    また、フリッツ・エンツィンガーは、ポルシェが2015年のル・マン24時間レースに3台目のマシンを投入することを決定した場合も、ドライバーはポルシェGTチームの中から決めるだろうと述べた。実際、ポルシェのGTプログラムの5名が、919ハイブリッドのテストを行っている。

    「今後数週間で3台目のマシンについて決定するが、その出発点は我々のGTチームになるだろう。彼らの2〜3名は本当に速い」とフリッツ・エンツィンガーは述べた。

  • トヨタ、WEC上海6時間レースで席巻の1-2フィニッシュ

    トヨタ、WEC上海6時間レースで席巻の1-2フィニッシュ

    トヨタは、上海国際サーキットで行われたFIA世界耐久選手間(WEC)第6戦・上海6時間レースで、前戦、富士6時間耐久レースに続いて1-2フィニッシュを飾り、選手権争いを大きくリードした。

    アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミの駆るTS040 HYBRID 8号車は圧倒的な速さを誇り、今シーズン4度目の勝利。この勝利でドライバーズ選手権ポイントは、2位に42点差をつけている。

    アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の3人が駆ったTS040 HYBRID 7号車も2位に入り、その結果、マニュファクチャラーズ選手権では残り2戦で2位に29ポイントと差を広げた。

    予選日までぐずついた天候に見舞われた上海も、レース当日の今日は快晴に恵まれた。秋の日差しが照りつける中、ブエミが2番グリッドから、ブルツが4番グリッドからスタート。しかし、スタートしてすぐに後方グループでアクシデントが発生、セーフティカーが9周に渡って導入された。トヨタ・レーシングはそのタイミングを逃さず2台をピットに入れ、タイヤ交換と燃料補給を行った。これは、レース終盤に燃料補給のためピットへ入ってタイムを失うことを回避するためだった。

    セーフティカーが退場してレースが再開された時、ブルツの7号車がブエミの8号車の前に出ていた。8号車は1回目のピットストップ時に燃料補給が充分に出来ておらず、予定外の連続ピットインを強いられた。

    この序盤のピットインで2台のTS040 HYBRIDは一時順位を落としたが、大きな時間のロスなく上位に返り咲き、トップ6に食い込んだ時には8号車が7号車の前に出た。その後ブエミはファステストラップを刻みながら上位を次々と抜き去り、デビッドソンにステアリングを渡した時にはトップに浮上していた。ブルツの7号車もペースを上げて2位に付け、TS040 HYBRIDが1-2体制を整えた。

    レースが2時間を過ぎて7号車はブルツからサラザンに交代したが、8号車はデビッドソンがそのままドライブを続けた。その後、100周目にデビッドソンはブエミに8号車を託し、7号車に対するリードを保った。

    レースが最後の2時間を迎える頃、7号車はサラザンから中嶋に交代。ブエミはそのまま8号車のステアリングを握り続けた。レースが1時間を残す頃にブエミは再びデビッドソンに交代したが、その時点で8号車は2位の7号車以下に1周の差を付けて完全にレースをコントロールしていた。そして、2台のTS040 HYBRIDは8号車がデビッドソンに、7号車が中嶋にステアリングを託しながら、今シーズン3度目の1-2フィニッシュを飾った。

    上海6時間レースを終え、2014年WECはいよいよ最終ステージに突入します。来る11月15日にバーレーンで第7戦が、11月30日にはサンパウロで最終戦が行われる。

    木下美明 チーム代表:
    これこそが、我々全員が望んで努力してきた成果です。ピットクルー、ドライバー、それに、特にタイヤマネジメントで頑張ってくれたエンジニア、チームの全員に感謝します。僅差でポールポジョションを逃したのは残念でしたが、今日のレースはみんなが頑張ってくれました。これは世界選手権タイトル獲得のために本当に欲しかった戦績であり、おかげで残るレースの励みにもなります。これでバーレーンとサンパウロに向けても、自信を持って臨めます。

    TS040 HYBRID 7号車:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    決勝結果: 2位 188周、ピットストップ6回、最高ラップタイム:1分49秒216

    アレックス・ブルツ:
    我々にとって最高の結果です。チームでの1-2フィニッシュ以上の良い結果はありません。1周目の後、我々のTS040 HYBRID 7号車はセンサーのトラブルに見舞われたため、レース序盤は全てのパフォーマンスを発揮出来ず、8号車と首位争いに加わることが出来ませんでした。とはいえ、その後のチーム全員の努力のおかげで、7号車も2位でフィニッシュ出来、本当に嬉しいです。

    ステファン・サラザン:
    チームにとって非常に良いレースになりました。富士に続いての1-2フィニッシュは素晴らしい。今日のレース結果で、我々は最大の目標である、マニュファクチャラーズ選手権で非常に多くのポイントを獲得出来ました。私の担当スティントでは、あまりリスクを負わないように努め、周回遅れ車両を抜く際も慎重にこなし、着実にペースを守ることを心掛けました。目標であるチャンピオン獲得へ向け、チームとしてやるべきことを成し遂げられました。

    中嶋一貴:
    まず、今日、素晴らしい仕事をしたチームにおめでとうと言いたいです。1-2フィニッシュということは、最高のポイントを獲得出来たことであり、両チャンピオンシップにとって素晴らしい結果となりました。私のスティントはポルシェとの激しい接近戦で、2位でフィニッシュするために、本当に気が気ではありませんでした。可能な限りプッシュした結果、最終的には彼らとの差を広げることが出来たので、とても満足しています。

    TS040 HYBRID 8号車:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    決勝レース:1位 188周、ピットストップ7回、最高ラップタイム:1分48秒694

    アンソニー・デビッドソン:
    今日はチームの全員が正しい戦略と手堅いピット作業で、とても良い仕事をしてくれました。誰もが落ち着いて結果を手に入れることに集中していました。富士では我々のTS040 HYBRIDがいちばん速いことを証明しましたが、ここ上海でもそれを示すことが出来て本当に良かった。特に先行車の追い抜きなど、あまりリスクは冒したくなかったので、どちらかというと私にとっては落ち着いたレースが出来ました。シーズンのこの時期に、好成績を得られるというのは願ってもないことで、残り2つのレースでも全力を尽くします。

    セバスチャン・ブエミ:
    チャンピオン獲得に向け、良いステップを踏めて本当に嬉しい。今日は1-2フィニッシュという予想出来る最高の結果が出せました。チームの全員が本当に良くやってくれましたし、アンソニーも然りです。実に良いレースで、我々のTS040 HYBRIDは最初からゴールまで良く走ってくれました。シルバーストンと富士に続き、今季3回目の1-2フィニッシュ。バーレーンのレースが待ち切れません。この調子でバーレーンも頑張ります。

  • トヨタ、同タイムながら惜しくもポールポジションを逃す (WEC第6戦)

    トヨタ、同タイムながら惜しくもポールポジションを逃す (WEC第6戦)

    FIA世界選手権第6戦の上海6時間レースの予選、トヨタ・レーシングはかつてないほどの接戦を繰り広げたが、惜しくもポールポジションを逃した。

    ドライバーズ選手権でトップを走っているTS040 HYBRID 8号車のアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの二人は、ポルシェ14号車と4周平均で1000分の1秒まで全く同じトップタイムを記録したが、同タイムの場合、先にベストラップを記録した方を優位とするため、2番手からのスタートとなった。

    7号車をステファン・サラザンと共に駆るアレックス・ブルツと中嶋一貴は、トップから0.234秒差の平均タイムをマークし、2列目4番手から決勝スタートを切る。

    予選は降雨が心配される中、少々の雨粒はあったが、過去の2シーズン、上海で2度ポールポジションを獲っている7号車のブルツと、8号車のデビッドソンは、コースがまだ乾いている内にスリックタイヤでセッションをスタートした。

    2台のTS040 HYBRIDは予選開始からコンスタントにタイムを刻み、ポールポジション獲得に向けて周回を重ねた。ブエミに交替した時点での8号車の順位は3番手、中嶋がブルツからドライブを引き継いだ時点で7号車は4番手だった。中嶋は3周のタイムアタックを終え、セッション終了間際までピットレーンで待機しつつ、結局4番手のグリッドに落ち着いた。

    予選では2人のドライバーが最低2周、合計4周のタイムアタックをこなす必要があり、それぞれのドライバーが記録した最速2周の平均タイムの合計でグリッド順位が決められる。チェッカーフラッグが振られ予選が終了した時点で、8号車はポルシェ14号車と全く同じ平均タイムを記録していた。

    しかし、4周の平均タイムで、ベストラップを先に記録した方を優位とする規則のため、8号車は、残念ながらポールポジション獲得とはならず、最前列2番手からのスタートとなった。

    明日2日(日)の決勝レースは、現地時間午前11時(日本時間正午)に6時間のスタートが切られる。

    TS040 HYBRID 7号車:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習3回目: 3番手(1分48秒859) 24周
    予選:  4番手(平均1分48秒534)

    アレックス・ブルツ:
    僅かコンマ数秒届かず4番手となってしまいましたが、重要なのは決勝レースです。レースは6時間と長丁場ですし、上位争いは僅差の戦いとなるはずです。予選のスタート直前に弱い雨がありましたが、コース路面は問題なく、TS040 HYBRIDの感触も悪くありませんでした。我々は決勝レースのために、それぞれ最低限のアタックラップでタイヤを温存するという判断を下しました。

    中嶋一貴:
    我々にとっては良い予選でした。セットアップの面で進歩を遂げられたと考えており、TS040 HYBRIDには満足しています。もう少しタイムを詰めることも出来たと思うので、その面では若干残念なところもありますが、その分も明日巻き返します。決勝レースでの我々の競争力は高いと思いますので、良いバトルが出来ることを楽しみにしています。

    TS040 HYBRID 8号車:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習3回目: 2番手(1分48秒417) 23周
    予選:  2番手(平均1分48秒300)

    アンソニー・デビッドソン:
    4周平均で全く同タイムという結果となり、ポールポジションを逃したのは残念ですが、彼らの1周目は驚くべきタイムでした。我々にとっては今季最高の予選とは言えませんでしたが、そこから学ぶこともあると思います。いくつかの理由で1周目はグリップを得るのに苦戦し、スピードも足りませんでした。そのため、平均ラップを向上させるために、追加のアタックラップを走ることになりました。全体的に見れば、我々はタイムを向上させましたが、それ以上にライバルが頑張ったと言うことです。彼らはポールポジションにふさわしい走りでした。明日は良いレースが出来そうです。

    セバスチャン・ブエミ:
    もちろん、ポールポジションを逃したのは残念です。信じられないほどの接近戦でしたが、ライバルのポルシェを祝福したいと思います。ポールポジション獲得のボーナスポイントは欲しかったですが、僅か1ポイント差です。明日の決勝レースはもっと多くのポイントを獲得出来る場として、そこに集中します。我々は良い状況にあると思っています。

  • トヨタ、雨の上海で幸先の良いスタート (WEC第6戦)

    トヨタ、雨の上海で幸先の良いスタート (WEC第6戦)

    10月31日(金)から11月2日(日)にかけて、中国の上海国際サーキットで、FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦上海6時間レースが開催されている。

    31日(金)は2度にわたる公式練習が行われ、選手権争いでシリーズをリードするトヨタ・レーシングは、雨に煙る中行われた上海6時間レースの練習走行でトップタイムを記録し、幸先の良いスタートを切った。

    ドライバーズ選手権を26点差でリードするアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミの駆るTS040 HYBRID 8号車が、雨脚の強くなる前に公式練習走行2回目でトップタイムを記録した。

    アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の乗る7号車がこれに僅差で続き、3週間前の富士6時間レースでの1、2位を彷彿とさせた。

    これまでに5レースが消化された今シーズン、トヨタ・レーシングは4輪駆動1000馬力のTS040 HYBRIDで3勝を挙げ、マニュファクチャラーズ選手権でも2位に8点差でトップを堅持している。

    上海の1日目は雨で開けた。トヨタ・レーシングの2台は最初ウエットタイヤで、次に溝のないハイブリッド・インターミディエイトタイヤを履き、最後はスリックタイヤに履き替えての走行だった。コース・コンディションが変化する中、チームはそれぞれのタイヤを試すことが出来、同時にタイムの向上にも繋がった。

    雨が降る前の公式練習1回目で、チームは様々な空力仕様とメカニカルセットアップを試したが、2台揃って高い信頼性を誇り、合計392kmの距離を走破した。このセッションで、今日が誕生日のブエミが操る8号車がトップタイム、サラザンの7号車が2番手のタイムを記録した。

    午後の公式練習2回目も天候の変化に見舞われたが、序盤に降り続いた霧雨のおかげでドライバーはウエット・コンディションの上海サーキットを経験出来た。しかし、雨は終盤に向けて強さを増し、17分を残して赤旗が提示され、セッションは予定より早く切り上げられた。その時点でデビッドソンの8号車がトップタイム、ブルツの7号車が2番手タイムをたたき出していた。

    明日11月1日(土)は午前9時半(日本時間午前10時半)より1時間にわたる最後の公式練習走行の後、午後1時55分(同午後2時55分)より25分間でLMPクラスの予選が行われます。決勝レースは2日(日)午前11時(同正午)に6時間のスタートが切られる。

    TS040 HYBRID 7号車:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    公式練習1回目: 2番手(1分50秒981) 34周
    公式練習2回目: 2番手(1分49秒806) 22周

    アレックス・ブルツ:
    予定していたプログラムは全てこなし、やりたいテストが出来た。午後の走行セッションの終わりは、ウエット路面になり、走っていて楽しかった。これからデータを見て明日の公式練習と予選に向けた改善をする。大変意義のある良い日になり、週末が楽しみだ。

    ステファン・サラザン:
    テストという意味では、とても面白い1日だった。TS040 HYBRIDはとても良い状態で、走りだしの最初から速かったし、いろいろな種類のタイヤも評価出来た。2回目のセッションの最初の周回では完全にウエット路面でしたが、TS040 HYBRIDは素晴らしく、驚くほどグリップも高かった。天気予報によると決勝日はドライのようだが、例え雨が降っても私達のクルマは大丈夫だと思う。

    中嶋一貴:
    今日はあまり多くの周回はしていませんが、TS040 HYBRIDの戦闘力は高そうなので良いですね。まだバランスが完全ではないので、セットアップを少し変える必要はあると思います。この状況でセットアップをうまく改善するのは難しい作業ですが、データを見ながら予選の前までには決めたいと思います。一日目としては全体に良かったと思います。あとは天気がどうなるか、ですね。

    TS040 HYBRID 8号車:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    公式練習1回目: 1番手(1分49秒833) 38周
    公式練習2回目: 1番手(1分49秒134) 27周

    アンソニー・デビッドソン:
    天候という点では微妙な日だったけど、あらゆるコンディションを経験出来た。ドライとウエットでのTS040 HYBRIDのバランスには満足している。パフォーマンスは十分だ。いつもの金曜日通り、今夜も宿題が少しある。明日はもう少し天気も良くなって欲しいが、日曜までには晴れてくれることを願っている。

    セバスチャン・ブエミ:
    我々トヨタ・レーシングの2台のTS040 HYBRIDにとって、良い初日だった。いろいろな条件下でたくさん周回することが出来たからね。決勝日の日曜は、ウエットになって欲しくはないけれど、明日の土曜日は多分ウエットだと思う。なので、今日はさまざまな条件下で走れ、いい経験が出来たと思う。

  • トヨタ:WEC第6戦 上海6時間レース プレビュー

    トヨタ:WEC第6戦 上海6時間レース プレビュー

    トヨタは、全8戦で戦われているFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦上海6時間レースに、現在首位に立っている選手権のリードをさらに広げるべく全力で臨む。

    チームは第5戦富士6時間レースで1-2フィニッシュを飾り、ホームコースでの3連覇を果たした。この結果、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権で8ポイント差の首位に立ち、上海へと向かう。

    富士で今季3勝目を挙げ、ドライバーズ選手権首位の座を守ったTS040 HYBRID#8のドライバー、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミは、今回も2名で走る予定。ニコラス・ラピエールは、都合により今シーズンの残りのレース出走をとりやめることとなった。

    アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴のドライブするTS040 HYBRID #7は、上海での過去2戦でポールポジションを獲得しており、3年連続ポールポジションを目指す。

    昨年の上海6時間レースはポールポジションこそ獲得したものの、不満の残る結果となってしまった。#8が勝利へ向け好走を見せていたが、サスペンションのダメージによりリタイアを余儀なくされてしまった。#7は終盤タイヤのパンクに見舞われ、2位に終わった。

    しかし、トヨタ・レーシングは上海での優勝トロフィーをケルンの本拠地に飾っている。ブルツとラピエールのドライブした#7が2012年の活躍のひとつとして上海で勝利をもたらしたからである。

    四輪駆動から1000馬力を発揮するトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)は今年、25%の燃費削減を果たしながらも更なるパワーを得ており、16のコーナーを持つ1周5.451kmの上海国際サーキットには適していると思われる。

    上海6時間レースのスケジュールは、10月31日(金)に午前10時45分と午後3時半(日本時間の午前11時45分と午後4時半)からの1時間半にわたる2度の練習走行が行われる。11月1日(土)は午前9時半(同午前10時半)から1時間の最終練習走行の後、午後1時55分(同午後2時55分)からLMPクラスの予選が25分間で実施され、6時間の決勝レースは11月2日(日)午前11時(同正午)にスタートが切られる。

    木下美明 チーム代表:
    「富士6時間耐久レースでの1,2位という結果は大きな自信になったが、今週のレースも世界選手権タイトル獲得に向け、これまで以上に気を引き締めて臨む。今まで、特に上海ではトヨタTS030 HYBRIDは非常に速かった。今年のモデルTS040 HYBRIDもそれに劣らない力を発揮してくれると期待している。もちろん富士の後、我々の強力なライバルも更に進化しており、レースは非常に厳しい戦いになると思う。我々も、全力でレースに臨みたい」

    アレックス・ブルツ(TS040 HYBRID #7):
    「このサーキットには良い思い出があり、上海戦は楽しみにしている。コースレイアウトが私のドライビングスタイルによく合っているので、運転のリズムに乗り易い。それに、ここでは2012年にはポール・トゥ・ウィン、昨年もポールポジションを獲得したという好戦績を残している。このサーキットはTS040 HYBRIDの特性に合っていると思うので、期待している。富士での1-2フィニッシュは最高の弾みになったので、残るレースも全開で頑張る」

    ステファン・サラザン(TS040 HYBRID #7):
    「また中国で走ることにとても興奮している。いくつかの高速コーナーや面白い要素があって、このコースは好きだ。昨年のレースはついていない結果となったが、それまでは良い戦いをしていたし、#7と#8の2台のTS030 HYBRIDは非常に速く、強かった。特にアレックスは速かった。我々はシーズンを通じて高い競争力を見せ続けて来たし、この週末もまた勝てると自信を持っている。我々の目標は世界選手権でのライバルに対するリードを広げることだ。出来る限りプッシュする」

    中嶋一貴(TS040 HYBRID #7):
    「上海を最後に走ったのは2009年で、LMP1でここを走るのは初めて(2012・2013年はブルツとラピエールの2名で参戦)なので、上海に戻って来るのがとても嬉しい。ここは非常にトリッキーなコースで、攻略法を覚えるのは容易ではない。タイヤにも厳しく、周回遅れの車両の処理も難しいだろう。我々のTS040 HYBRIDがこのコースで速いことは知っているので、また勝てるように頑張る。そして、ここが、2つの世界選手権タイトル獲得のために、とても重要なレースになるだろう。シーズンも終盤戦に入るので、それだけに大量ポイントの獲得が大切になる」

    アンソニー・デビッドソン(TS040 HYBRID #8):
    「マニュファクチャラーとドライバーの両選手権でリードを保って上海に向かえるのは素晴らしいことだ。シーズン終了時点でこのポジションにいられるよう全力を尽くす。昨年はレースをリードしながらも技術的トラブルでリタイアしており、私個人にとって上海はやり残した仕事といえる。今年は必ず勝利し、この仕事をやり遂げるつもりだ。我々はまだ富士の勝利の余韻に浸っているが、気持ちを入れ替え、必ず選手権タイトルを獲得するつもりで残り3戦に立ち向かう」

    セバスチャン・ブエミ(TS040 HYBRID #8):
    「昨年の上海のレースは、トラブルでリタイアするまで最高の流れだった。予選でポールポジションを獲得し、決勝レースでは最初からリードした。我々のTS030 HYBRIDは明らかに最速だった。この素晴らしい思いを胸に、今年もレースを楽しんで来たい。上海サーキットはTS040 HYBRIDに適したコースだと思うので、今年も良いレースが期待出来る。ポールポジションからスタートして1,2位でゴールした富士6時間は理想的なレースだったが、この勢いを活かし、世界選手権タイトル獲得へ向け戦う。残り3戦が勝負だ」

  • ポルシェ 919ハイブリッド:ステアリングホイール解説

    ポルシェ 919ハイブリッド:ステアリングホイール解説

    ポルシェのワークスチームからFIA世界耐久選手権(WEC)のル・マン・プロトタイプ・クラス1(LMP1)に参戦する919ハイブリッドは、ステアリングホイールで各種のセッティングを行うことができる。

    ドライバーは両手でコンピューターを操作することができる。彼らは、ポルシェが製造した最も複雑なレーシングカーを制御するために、ステアリング上24個のボタン/スイッチと裏側6つのパドルを操作しなければならない。

    一般的にはステアリングホイールと呼ばれているが、919ハイブリッドのそれは多くのレーシングカーと同じように円形ではなくフラットな矩形で、これはドライバー交代に必要なスペースを確保するための形状。この形状でなければ、特にマーク・ウェバーやブレンドン・ハートレーなど長身のドライバーは、長い脚を迅速に収めるために苦労することになる。

    ポルシェ 919ハイブリッド ステアリングホイール

    中央の大型ディスプレイは、ドライバーに多くの情報を提供する。情報には、速度、選択ギア、選択中のエンジンマネージメント、リチウムイオンバッテリーの充電状態(前輪を駆動するためにどのくらいの電気エネルギーを使用できるか)が含まれる。919ハイブリッドでは、フロントアクスルの電気モーターが後輪を駆動する2リッター4気筒ターボエンジンをアシストする。左上のコントロールボタンで表示される情報を選択し、右グリップのコントロールボタンで夜間にディスプレイの輝度を下げる。同様に左グリップのコントロールボタンは、ピット無線の音量調節用で、右上の4つめのロータリースイッチはフロントワイパーの作動間隔を変更するためのもの。

    ステアリングホイールのボタン/スイッチは、ドライバーがレースで確実に操作できるように、慎重に配置されている。最も頻繁に使用するボタンは、親指が届くように上部外端に沿って配置されている。最も頻繁に使用する右上のブルーボタンは、ヘッドライトフラッシャー。これは、WECにおいて、速いプロトタイプが遅い車両を追い越す前に警告用に使用する。一度押すとヘッドライトが3回点滅する。当然、昼間はヘッドライトの点滅を確認するのが難しいので、ドライバーはほとんど親指をそこに置いたままになる。

    左上のレッドボタンも使用頻度が高く、バッテリーからエレクトリックパワーを引き出すときに使用する。いわゆる「ブースト」。ドライバーは追い越すためにブーストできるが、1周のエネルギー量は規定されているので、パワーの割り当てには注意が必要。ル・マンの1周で使用できるエネルギー量は6MJで、短い距離のサーキットでは変わってくる。トラフィックから抜け出すために周回の途中でエネルギーを消費すると、ストレートの最後で使えなくなる。

    左右のさらに内側には、駆動力を前輪と後輪にバランス良く配分するために、フロントとリアのトラクションコントロールを調節するプラスとマイナスのスイッチがある。イエロー、ブルー、ピンクのこれらのスイッチは、それほど頻繁に使用されることはない。

    さらに下のオレンジボタンは、ドリンクシステム(左)と、トランスミッションのニュートラルボタン(右)。左下のレッドボタンは、フロントウインドウウォッシャーで、右側のレッドボタンは、速度が制限されているピットレーンを走行するときに使用するスピードリミッター。

    中央上部には無線コミュニケーションのグリーンボタン(左)と、OKボタン(右)がある。ドライバーは、OKボタンを使用してピット無線を介して要求のあったセッティングの変更を実施したことを伝える。ロータリースイッチを使用するセッティングの変更は、片方の手をステアリングホイールのグリップから放す必要があるため通常はストレートで行う。

    「マルチ」と呼ばれる2つのロータリースイッチは互いに連携している。左側はABC設定、右側は数値設定。エンジンマネージメントやフューエルマネージメントのプログラムは、A2やB3など文字と数字の組み合わせによって指示される。他の3つのロータリースイッチは、ブレーキバランスのプリセレクト、トラクションコントロールのウェットコンディションまたはドライコンディションのセッティング、およびハイブリッドプログラムに使用する。

    スイッチは夜間でも簡単に識別できるように、ドライバーのヘルメットに取り付けたブラックライトランプに反応する蛍光カラーが使用されている。

    ステアリングホイールはカーボン製で、グリップハンドルは滑り止めラバーで覆われている。パワーステアリングシステムにより、細いグリップにもかかわらずドライバーはステアリングを問題なく操作することができる。ステアリングホイール裏側には6つのパドルが配置されている。中央のパドルはギアチェンジに使用し、右パドルを引くとシフトアップ、左パドルを引くとシフトダウンする。左右が同じ機能をもつ一番下のパドルはクラッチ操作用。右コーナーか左コーナーかによって、使いやすいほうを選択することができる。左上のパドルはブースト用で、ドライバーは好みでフロントのボタンかこのパドルを使用することができ、右上のパドルによってエネルギーの回生を手動で作動させることができる。ドライバーはハンドブレーキをかけるような感覚で、運動エネルギーから得た電気エネルギーをバッテリーのリザーバーに供給できる。

  • トヨタ、1-2フィニッシュでホームレース3連覇 (WEC第5戦富士)

    トヨタ、1-2フィニッシュでホームレース3連覇 (WEC第5戦富士)

    トヨタは、富士スピードウェイで行われたFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦富士6時間耐久レースで1、2位を独占。ホームレースである日本ラウンドで2012年の参戦以来、無敵の3連勝を打ち立てた。優勝はアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミが駆ったTS040 HYBRID #8。

    富士のレースで過去2連勝を挙げているTS040 HYBRID #7は、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴のドライブで僅差の2位に入った。

    2台のTS040 HYBRIDは3位以下のライバルに1周の差を付け、マニュファクチャラーズ選手権でもアウディを逆転、8ポイント差の首位に立った。

    ドライバーズ選手権の順位は、勝利を得た#8のアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミがチームメイトで今回欠場したニコラス・ラピエールに26ポイント差を付けてトップ、ラピエールの背後にはアウディ#2のドライバー達が29点差で続いている。

    昨年のレースは大雨に祟られて僅か16周で終了したが、今年は天気にも恵まれ、気温は摂氏14度と涼しい気候ではあったが、コース上では熱を帯びた激しい戦いが繰り広げられた。

    ポールポジションからスタートを切った#8のブエミは、1コーナーで後続から軽く追突され3位へと後退したが、1000馬力を4輪で駆動するトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)のパフォーマンスにも助けられ、1周目の間にライバルを抜き返し、首位でストレートへと戻って来た。

    中嶋もスタート直後の激しいバトルの中で順位を上げ3位へ躍進。ライバルのポルシェ#20が早めのピットインを行ったこともあり、レース序盤にして2台のTS040 HYBRIDが1-2体制となり、後続との差を広げていった。

    スタートからまもなく1時間になろうかというタイミングでチームは1回目のピットストップを行い、#7はサラザン、#8はデビッドソンへとドライバーチェンジ。タイヤも交換し、首位争いに復帰した。

    他クラスの車両により混雑したコース上での首位争いを繰り広げながらも、3秒ほどの差で連なったまま周回を重ねた2台のTS040 HYBRIDは、両ドライバー共に2回のスティントを問題なくこなし、3位以下との差を約1周近くまで広げた。

    レースが半分ほどを消化したところで、ブエミが#8のコクピットへと戻り、#7もブルツがステアリングを握り、後半戦も2台のTS040 HYBRIDによるレースの支配が続いた。

    ライバルに1周以上の差をつけたことで、この週末、最大のポイントを獲得することを目標に、チームは慎重なタイヤ戦略を採り、ドライバーもコース上の周回遅れを用心深くクリアしていった。

    その後、#8はデビッドソン、#7は中嶋が再びステアリングを引き継ぎ、さらに、#7は最後の1時間をサラザンへと託し、2台のTS040 HYBRIDは、この週末、富士スピードウェイに集まった5万1千人のファンの前で、1-2フィニッシュという最高の結果でチェッカーフラッグを受けた。

    WECは、来月11月にシリーズ終盤の3戦をこなすクライマックスを迎える。11月2日(日)には第6戦上海6時間レース、そして第7戦はバーレーン、最終戦はブラジル・サンパウロで行われる。

    木下美明 チーム代表:
    ホームレースで1-2フィニッシュを果たしたチームとドライバーを本当に誇りに思う。ここ富士では過去2連勝を挙げているが、今年の勝利は格別だ。多くの人が、ホームレースということに特別なプレッシャーを感じるかと尋ねてきた。しかし、実際には特別なサポートを感じていただけだった。全てのファン、富士スピードウェイの方々、それから今週末にこのような勇気を与えてくれたトヨタの仲間たちに感謝したい。TS040 HYBRIDはこの週末、本当に強かった。この力を今シーズンの残り3レースでも出せるように努めたい。

    TS040 HYBRID #7:
    (アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
    決勝結果: 2位 236周、ピットストップ6回、最高ラップタイム:1分27秒887

    アレックス・ブルツ:
    ホームレースで1-2フィニッシュ出来たことは本当に素晴らしいし、予想もしていなかった。非常に攻略の難しいコースだが、タイヤの選択とセットアップで課題を上手く克服出来た。これが、今日この結果を得るチャンスになった。このような1-2フィニッシュを果たせ、ファン、トヨタの仲間たち、そしてチームと喜びを分かちあえた。これで絶対の確信をもって、次戦中国に臨める。

    ステファン・サラザン:
    トヨタとチーム全体にとって輝かしい結果で、本当に素晴らしい。チームは良い仕事をこなし、1,2位独占は最高の戦績だ。2台のTS040 HYBRIDが一緒にゴールを目指し、本当に僅差でレースを終えた。再び表彰台に上れたのは、本当に幸せだ。ここ富士での目標はマニュファクチャラーズ選手権でリードを奪うことだった。今、その目標を達成出来た。ル・マンとオースティンでのフラストレーション後、我々にとって、偉大な結果になった。次なる勝利を目指す。

    中嶋一貴:
    TS040 HYBRID #8のメンバーを祝福したい。彼らは本当に良い仕事をして、チームにとって最高の結果を得た。マニュファクチャラーズ選手権も素晴らしい結果だ。日本のファンとサポーターの前で勝利することが出来て嬉しい。実はWECでスタートドライバーを担当するのは初めてだった。2台の燃費戦略は異なっており、それをこなすのは若干難しかったが、スタート直後の混乱にも巻き込まれることなく、ペースも良かったと思う。本当に良い一日になった。

    TS040 HYBRID #8:
    (アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)
    決勝レース:1位 236周、ピットストップ6回、最高ラップタイム:1分27秒815

    アンソニー・デビッドソン:
    全てが完璧なレースであり、トヨタ・レーシングにとって完璧な週末だった。チームの皆の頑張りで、最強のTS040 HYBRIDと、完璧な戦略、それにピットストップもバッチリ決まった。ホームレースでの1-2フィニッシュ以上に望むものはない。チームにとって、ここ富士での3連覇は格別だ。ドライバーズ選手権でのリードを更に広げ、マニュファクチャラーズ選手権でも首位を奪還したので、チームとしてもこれ以上言うことはない。すべての人々、特に、この週末熱心に応援してくれたトヨタの人たちには特にお礼を言いたい。

    セバスチャン・ブエミ:
    1-2フィニッシュを成し遂げ、ドライバーとマニュファクチャラーの2つの選手権をリードしながら富士を後にするというのは格別な気分だ。スタートではタイヤを温めるのが少し難しく、そのため激しい戦いにさらされた。最初の周回は大変だったが、その後はレースを制することができた。アンソニーとチームの皆は良い仕事をしてくれた。正直言って、これほどリード出来るとは思わなかったが、これはハードワークの成果だ。今はこの瞬間を味わいたいが、すぐに次のレースへと切り替えなえればならない。今日の戦績はシーズン残りへの良い兆候だ。