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  • ニコ・ヒュルケンベルグ 「WEC参戦はF1に影響しない」

    ニコ・ヒュルケンベルグ 「WEC参戦はF1に影響しない」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、今週末のスパ・フランコルシャン6時間レースと6月のル・マン24時間レースへの参戦はF1に影響しないと述べた。

    ニコ・ヒュルケンベルグは、F1と平行してでWEC世界耐久選手権の2つのラウンドでポルシェをドライブすることになっている。

    今年始めには919ハイブリッドをテストしており、今週末はスパで最初のレースを迎える。

    「当然、去年ポルシェと契約する前にこういうことは考えたし、F1に影響すると思ったら契約はしなかった」とニコ・ヒュルケンベルグはコメント。

    「2月中旬にバーレーンでテストして、それからバルセロナに行った。もちろん、適応には数ラップ必要だけど、僕はもうF1に十分に慣れているし、頭と体に感覚が刻まれているので、切り替えにそれほど時間はかからない」

    ニコ・ヒュルケンベルグが駆るポルシェ 919ハイブリッドは、V型4気筒ターボエンジンを搭載しており、パワーは500馬力を超える。駆動方式は、フロントアクスルにKERSを搭載する四輪駆動となる。

    ニコ・ヒュルケンベルグは、そこがF1との最大の違いだと語る。

    「ハイブリッドシステムという点ではそれほど違いを感じない。でも、ポルシェは四輪駆動。それが一番の違いだ」

    今年のWEC開幕戦で、ポルシェはアウディやトヨタとスリリングなバトルを繰り広げて2位でフィニッシュした。だが、残念ながらヒュルケンベルグはそのシーンを見られなかったという。

    「ちょうど中国を発つところで、移動中だった。ちょっとだけライブタイミングを見たけど、離陸してしまったのでレースを最後まで見ることはできなかった」

  • ポルシェ、スパで初めての3台体制で参戦 / WEC世界耐久選手権

    ポルシェ、スパで初めての3台体制で参戦 / WEC世界耐久選手権

    ポルシェは、5月2日にスパ・フランコルシャン(ベルギー)で開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦に3台の919ハイブリッドで挑む。

    3台目の919ハイブリッドをドライブするのは、F1ドライバーであるニコ・ヒュルケンベルグ、アール・バンバーおよびニック・タンディ。カーナンバー19をドライブするトリオは、この6時間のレースで6月のル・マン24時間レースへ備える。

    ポルシェのレギュラーWECドライバーのラインナップは、他の2台のLMP1ハイブリッド・プロトタイプのコックピットに乗り込む。ティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組がカーナンバー17を、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブがカーナンバー18のポルシェ919ハイブリッドをそれぞれドライブする。

    3台のそれぞれのカーナンバーは、ポルシェにとって特別な意味を持ちます。カーナンバー17は、今日までポルシェがル・マンで挙げている合計16勝の最初の1勝を1970年に飾ったポルシェ917 KH(ショートテールを意味する”Kurzheck”)へのトリビュート。カーナンバー18は、919ハイブリッド・レーシングカーと、同じくハイブリッドシステムを搭載したスーパースポーツカー、918スパイダーのテクノロジーにおける密接な繋がりを象徴している。そして、カーナンバー19は、ポルシェの昨シーズンからのプロトタイプレースへの復帰を果たした919ハイブリッドを示す。

    スパでは、3台すべてのポルシェ919ハイブリッドが、いつものホワイトのボディカラーでレースに臨む。今年のチームプレゼンテーションで披露された色違いのカラーリングは、ル・マン限定で登場する。

    3台目のハイブリッド・プロトタイプの投入は、ヴァイザッハを拠点とする若きチームにとって、重大なオペレーション上の挑戦となる。これは、ポルシェの未来へのコミットメントと、WECでのハイレベルな闘いを強調するもの。2014年シーズンから導入された新しいWECのレギュレーションでは、パワフルで革新的なハイブリッドシステムが要求される。これこそが、ポルシェが復帰を決定した要因だった。第2世代へと進化したポルシェ919ハイブリッドは、さらに効率的に、さらに強く生まれ変わった。3つの部分で構成されるパワートレーンの最適化によってポルシェは参戦メーカー中、唯一となる最高レベルの8メガジュール・エネルギー回生クラスを選択した。これは、ポルシェ919ハイブリッドが、F1および他のメーカーのル・マン・プロトタイプを含む、他のどのレーシングカーよりも大きなエネルギーを回生することを意味する。極限のエネルギー回生を可能としたハイブリッドシステムを生み出したエンジニアリングは、ポルシェのプラグインハイブリッドモデルなどの電気を利用したロードカーと切っても切り離すことができない関係にある。

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「シルバーストンでのシーズン開幕戦で見せた第2世代919ハイブリッドの速さには、説得力がありました。これは、予選だけに言えることではなく、長時間にわたる走行でも進歩が目に見え、私達は1時間半にわたって1-2でリードを維持することができました。スパでの3台目の919ハイブリッドは、アール、ニックおよびニコのために完全に新たに作り上げたものです。これほど複雑な車3台と9名のドライバーをマネージメントすることは、チーム監督のアンドレア・ザイドルとそのクルーにとって大きなチャレンジとなるでしょう。3台すべての919ハイブリッドは、シルバーストンの決勝と同じエアロセッティングとなっています。8メガジュールクラスのハイブリッドマネジメントで何が必要となるかについては、常に学び続けています。一般的に言って、スパのサーキットのレイアウトは、私達の車に合っているはずです」

    WECシーズン全戦を戦うカーナンバー17および18のクルーのスパでの目標は、チャンピオンシップでのポイントの獲得。しかし、カーナンバー19のクルーには別の課題がある。総合的なテストの後、彼らはすべてのレース進行手順に慣れ、刺激的なLMP1でのレース経験を積み、シーズンのハイライトであるル・マンに備える必要がある。

    ポルシェ919ハイブリッド(No. 17)

    ティモ・ベルンハルト
    「2つの理由で、スパは私にとって特別なレースです。まず、スパは私の地元のブルッフミュールバッハ=ミーザウから遠くないため、多くのドイツ人ファンが来てくれるでしょう。次に、30年前にスパで亡くなったステファン・ベロフを追悼するため、私は特別なヘルメットを被って参戦します。私は彼をとても尊敬していて、彼のレーシングドライバーとしての才能を人々に思い出してもらいたいのです。レースについて言えば、スパのサーキットは、いつでも花形です。このサーキットのレイアウトは、地形に自然に溶け込んでおり、あまり手が加えられていません。安全性は大幅に向上しましたが、その伝統に変わりはありません。スパはテクニカルなサーキットで、正確なセッティングが要求されます。優れたチームワークで大きな差が出る場所です」。

    ブレンドン・ハートレー
    「私は、渡欧して初めてスパのサーキットを見てどれほど驚いたか、決して忘れることはありません。このサーキットは、あらゆるドライバーを興奮させると思います。オー・ルージュのようなコーナーは、独特ですばらしいです。919ハイブリッドは、シルバーストンよりスパに適しています。ここでレースするのを待ち切れない気持ちです」

    マーク・ウェバー
    「スパは好きなサーキットのひとつです。スパでのレースは、カレンダーに載っているきわめて個性的なクラシックレースの一戦であり、非常に高速のサーキットなので、919ハイブリッドを本当に速く走らせることができます。いつでも天気が重要な要素で、1周の距離が長いため、サーキットの一部では雨が降っていても別の場所はドライコンディションだったりします。オー・ルージュは、世界でも最も有名なコーナーのひとつで、TVで見るよりずっと急です。シルバーストンでは期待通りにはなりませんでしたが、私達に大きなポテンシャルがあり、スパではよい結果を出したいと思っています」

    ポルシェ919ハイブリッド(No. 18)

    ロマン・デュマ
    「昨年のスパでも私たちは非常に速かったのですが、ニュー919ハイブリッドはさらに速いでしょう。ダウンフォースが増しているので、今年のオー・ルージュとラディオンは全速で行けると思います。スパの耐久レースにはすばらしい伝統があり、毎回観客も集まります。私のスパにまつわる最高の想い出のひとつは、2003年にマルク・リーブとともに24時間レースで優勝したことです」

    ニール・ジャニ
    「シルバーストンの順調なシーズン開幕戦の後、スパでレースするのを待ち切れません。イギリスで愉しんだのと同様、さらにスリリングなトップ争いができることを期待しています。そして、このベルギーのサーキットは私達に合っているはずです。昨年は919の初ポールをスパで獲得し、序盤ではかなりの時間、レースをリードしていました。もちろん今回の目標は、レースの最後にリードしていることです」

    マルク・リーブ
    「スパは大好きなサーキットのひとつです。高速コーナーが多いこの自然の地形を生かしたサーキットには、独自の流れがあります。ロマン・デュマと優勝したスパ24時間レースは、私の耐久レースのキャリアで経験した初のハイライトでした。3台の919ハイブリッドで参戦するのは初めてで、これはチーム全体にとって大きなチャレンジです。十分な準備をしたと思うので、チャレンジを愉しみにしています」

    ポルシェ919ハイブリッド(No. 19)

    アール・バンバー
    「昨年、私にはとても大切なスパの想い出ができました。ポルシェ・モービル1・スーパーカップで、ポール・トゥ・ウインを決めたのは、最高に愉しかったです。私はこの壮観なサーキットが大好きです。919でオー・ルージュを走るのを非常に楽しみにしていますが、何よりあのクルマでレースするのが待ち切れません。シルバーストン戦では、画面に釘付けになりました。私が見た中でも最高のレースのひとつでした。6時間のスーパーカップレースのようでした。ニコとニックとのテストは愉しく、初めて彼らとともにレースするのを待ち遠しく思っています」

    ニコ・ヒュルケンベルグ
    「この数週間、スパでのウイークエンドで何が起こるかと考えると、すごく興奮しています。もちろん、あのグランプリ・サーキットをよく知っていますし、何度もレースをしました。しかし耐久レースはまったく新しい世界で、すべてがどのように展開するか、とてもワクワクしています。私は、このチャレンジに心を開いて立ち向かうつもりです。経験を積みたいですし、もちろんポルシェと自分自身のために、しっかりと働きたいと思っています。長いストレートがある高速サーキットのスパは、919ハイブリッドに合っているはずです。ドライコンディションだとよいのですが、アルデンヌ地方ではどうなるかはまったく予想できませんし、あらゆる事態に対する準備が必要です」

    ニック・タンディ
    「これまで何度もスパでレースをしました。シングルシーター、ポルシェ スーパーカップ、そして、2012年のGTオープンではポルシェで優勝しました。スパは、最高のサーキットのひとつで、919での初レースにとても興奮しています。私は、できる限りの準備ができていると感じています。しかし過大な期待はしていません。私達の仕事は、チェック項目を確認してル・マンに備えることです」

  • 日産、Nissan GT-R LM NISMOの耐久性に焦点

    日産、Nissan GT-R LM NISMOの耐久性に焦点

    日産は、ル・マン24時間レースにむけてLMP1カー『Nissan GT-R LM NISMO』でのテストを再開。耐久性テストに焦点を置いた。

    今週、Nissan GT-R LM NISMOは、ケンターキー州ボーリンググリーンにあるシボレーのテストトラックで4日間のテストを実施し、マシンのマイレージを重ねていく。

    日産のモータースポーツ責任者ダレン・コックスは「この段階まで、焦点は開発とクルマのパフォーマンスを高めていくことにあった」とコメント。

    「今後の6日間はクルマでマイレージを稼ぐことを計画している」

    Nissan GT-R LM NISMOはここまで3800kmしか走り込んでいないが、日産のテクニカルディレクターでチームプリンシパルを務めるベン・ボウルビーは、現在、マシンの仕様は耐久走行にむけて準備されていると述べた。

    日産は、ボーリンググリーンでのテストに向けてNissan GT-R LM NISMOが大きく進歩したと考えている。

    日産のドライバーを務めるマルク・ジェネは「セブリングまでは周回を重ねることに苦労していたけど、2週間前に大きなステップを果たした」と述べた。
    「今では、以前にはできなかった僕たちはロングランをすることができる」

    「僕たちはクルマがどのように機能するか理解し始めている。それが大きなゲインを得た理由だ」

    同じく日産のドライバーを務めるオリビエ・プラは、タイヤ摩耗という点で大きな進歩を果たしていることを示唆した。

    「クルマがいかにタイヤに優しいかについてとても驚いた」とオリビエ・プラは述べた。

    「2スティントにわたってクルマはとても一貫性があったし、かなり有望だ」

    だが、マルク・ジェネは、ル・マンにむけてNissan GT-R LM NISMOのリザルトを予測することを拒否した。

    「正直、クルマがどれくらい良くなっていくかはわからない。僕たちがわかっているのは、クルマは走る毎に改善しているということだ」

  • アウディ、激しい展開を制して優勝 / WEC 開幕戦 シルバーストン

    アウディ、激しい展開を制して優勝 / WEC 開幕戦 シルバーストン

    アウディは、2015年シーズンを最高のスタートで飾った。シルバーストンで開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦において、マルセル・ファスラー / アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ組のアウディ R18 e-tron クワトロが、幾度もトップが入れ替わる激しい展開となったスリリングな6時間レースを制し、優勝を獲得した。

    英国で開催された6時間レースを目の当たりにした観客は、今年のWECシーズンが波乱の展開となると予測したのではないだろうか。レース開始からゴールまでの間、アウディ、トヨタ、そしてポルシェの各チームが全力を尽くし、幾度もサイド バイ サイドの激しい闘いを繰り広げた。

    そしてチェッカーフラッグが振り下ろされた時、ゼッケン7号車のアウディ R18 e-tron クワトロは、2番手にわずか4.610秒というアドバンテージで勝利した。ルーカス・ディ・グラッシ / ロイック・デュバル / オリバー・ジャービス組は、2回の予定外ピットインを余儀なくされたため、5位でレースを終えた。

    アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング ウルリッヒは「6時間を見事な走りで闘い抜いてくれたマルセル、アンドレ、そしてベンに最大の祝辞を伝えたいと思います。今回の優勝は、最高の開幕戦であると同時に、オフシーズンに多大な苦労を重ねてきたチーム全員に対する、最高のプレゼントとなりました。さらに、これからの数週間に待ち受けているハードワークに向かう我々に最高のモチベーションをもたらせてくれました。シルバーストン大会は、今年のWECシーズンが、これまでになくスリリングでタフな展開になることをまざまざと感じさせてくれました」と述べた。

    ゼッケン7号車の状況は、レース序盤ではさほど有利なものではなかった。セレクトしたギヤへの切り替えにタイムラグが生じるトラブルに見舞われていたため、5番手グリッドからスタートしたブノワ・トレルイエは不利な形勢となり、レース序盤の数周にわたって、もとのポジションに復帰するための厳しいバトルを余儀なくされた。しかし、スタートから2時間30分がたち、アンドレ・ロッテラーがマルセル・ファスラーからステアリングを託されると、ロッテラーは30分後にトップの位置を獲得した。

    アンドレ・ロッテラーは「アウディやチームにとって完璧な日となりました。スタートから最後のラップまで、常に厳しいプレッシャーに晒され、ほんのわずかのスリップも許されない状況でした。ドライバーはこの状況下で完璧にマシンをコントロールし続け、チームは完璧な戦略を構築すると同時にピット作業も完璧に行うことができました。ぜひ、この勢いに乗ったまま、スパやル・マンに臨みたいと思います」とコメント。

    マルセル・ファスラーとポルシェのドライバー、 ニール・ジャニが繰り広げたスイス人ドライバー同士のバトルは、1周の間に何度も順位が入れ替わる激しいものとなり、大きな感動と興奮をもたらした。

    セカンドローからスタートしたゼッケン8号車のルーカス・ディ・グラッシ / ロイック・デュバル / オリバー・ジャービス組も、優勝の可能性を多くもっていたが、他車からの衝突によって破損したリヤボディワークの交換と、それと連続して発生したフロントカウルの破損を修復するために、2度に渡る予定外のピットインを余儀なくされたため、合計7分を失い表彰台獲得のチャンスを奪われ5位でゴールした。

    オリバー・ジャービスは「アウディにとって素晴らしい日になったものの、私たち3人は期待外れの感じが残っています。しかし、全体では非常に良い感触を得ています。とてもスリリングなレースを制して、新しいアウディ R18 e-tron クワトロが優勝を獲得したことで、今年のWECシーズンを幸先の良いスタートで飾れたと思います」とコメント。

    FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦は、わずか3週間後の5月2日にスパ・フランコルシャン(ベルギー)で開催される。アウディにとって次戦のスパ・フランコルシャン大会は、ル・マン24時間レースに向けたリハーサルの意味合いが強く、アウディスポーツ チームヨーストはその大会に、フィリップ・アルバカーキー(ポルトガル)、マルコ・ボナノミ(イタリア)、レネ・ラスト(ドイツ)組による3台目のアウディ R18 e-tron クワトロゼッケン9号車をエントリーさせる。

    Audi WEC

  • トヨタ、開幕戦は3位表彰台と4位 / WEC 開幕戦 シルバーストン

    トヨタ、開幕戦は3位表彰台と4位 / WEC 開幕戦 シルバーストン

    トヨタは、2015年WEC開幕戦シルバーストン6時間レースに、2014シーズンチャンピオンとして臨んだが、激しい戦いとなり、3位、4位でレースを終えた。

    アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴がドライブしたTS040 HYBRID #1号車は、スタートからゴールまでライバルと激しい戦いを繰り広げ、優勝したアウディに14秒816差で3位を獲得した。

    アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#2号車も力強い走りをした結果4位となり、チームに貴重なポイントを持ち帰った。

    スタートは#1号車がブエミ、#2号車をブルツが担当、アウディといつにない激しい争いを繰り広げた。スタートから息もつかせぬ30分が過ぎた時点では、#1号車は3位、#2号車はコース上の混雑に阻まれ6位を走行した。その直後にLMP2カーのコースオフで全コースに黄旗が提示されたタイミングで2台のTS040 HYBRIDはタイヤ交換と燃料補給のためにピットへ飛び込んだ。さらに30分後に再度黄旗が出され、#2号車はライバルと異なる作戦を取るための燃料補給に、再びピットへと入った。

    コースがクリアとなり、グリーンフラッグが提示されると、ブエミはタイヤのグリップ不足を訴え、苦しい戦いを強いられた。ブエミは5位まで順位を落としたが、ポルシェ#17号車とアウディ#2号車のトラブルによる後退で順位を上げ、#1号車は3位、#2号車は4位に繰り上がった。

    レースの4分の1を消化した時、#1号車はブエミからデビッドソンに交替、#2号車はブルツからコンウェイにステアリングが渡された。交替したデビッドソンはすぐにトップ争いに加わり、次のピットストップでタイヤ交換をしたライバル達を尻目に、トップに躍り出た。その時点でタイヤ交換を先に延ばしたデビッドソンが首位、コンウェイが2位を固めたが、アウディ、ポルシェとの三つ巴の戦いは激しさを増し、ホイール・トゥ・ホイールの争いが展開された。その後レースが半ばを過ぎた時、コンウェイはコーナーのポールを車体前部に引っかけ、4位に後退した。

    レースが3分の2を経過すると、#1号車には中嶋が、#2号車にはサラザンが交替し、2台のTS040 HYBRIDは異なったタイヤ戦略を採用して最後の2時間に突入した。その後はアウディ#7号車に大幅なリードを許したものの、#1号車はポルシェ#18号車との激しい2位争いに突入した。そして最後の1時間、#1号車はブエミの手に託され、2位を行くポルシェ#18号車を猛追した。しかし、最後の給油のためのスプラッシュ・ピットストップで#1号車はポルシェに届かず、3位でゴールを迎えた。サラザンから#2号車を受け取ったブルツは4位でレースを終えた。

    3位に入賞したTS040 HYBRID #1号車の素晴らしい戦い振りに対し、英国レーシング・ドライバーズ・クラブのメンバーで最高位となったドライバーに与えられるリチャード・ロイド・トロフィーをアンソニー・デビッドソンが獲得出来たのはチーム全体にとって非常に名誉なことだった。

    3週間のインターバルを経た5月2日(土)、トヨタ・レーシングはWEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースに挑む。

    佐藤俊男 チーム代表:
    LMP1に参戦する3メーカーによるエキサイティングな戦いを目の当たりにし、とても感銘を受けました。各メーカーの先行する1台ずつの3台が最後まで僅差の戦いを繰り広げたレースは、まさに6時間スプリントレースと言えるものでした。本日、素晴らしいパフォーマンスを発揮したアウディの勝利を祝福したいと思います。 我々は、可能な限り全力を尽くし、良い戦いが出来たと思います。もちろん勝利がベストですが、本当の戦いは始まったばかりです。 オフシーズンを通じて競争力を増しており、挑戦の準備は整っております。 より強くなって次戦のスパへ戻れることを確信しています。

    アンソニー・デビッドソン:
    リチャード・ロイド・トロフィーを獲得出来ました。今日何かを勝ち取れたということについては喜んでいます。このサーキットでは我々の強さを真に示すことは出来ませんでした。これまでも我々はここで苦戦して来ました。昨年1-2フィニッシュ出来たのは天候に助けられた部分もあります。次のレースを楽しみにしており、第2戦スパではもっと強さを見せられると思っています。次戦はタイヤの摩耗が大きな要因となると思いますが、上手く行くことを望んでいます。
    セバスチャン・ブエミ:
    我々にとっては難しいレースでしたが、スタートから本当にハードにプッシュしました。 1セットのタイヤで2スティントを走りながら全力でプッシュし続けるなど、いくつかのことを試しました。最後はポルシェを捕らえるべくアタックしましたが、摩耗の進んだタイヤではそれは叶いませんでした。素晴らしい仕事をしたアウディとポルシェに祝福を贈ります。これから我々は、次戦スパでもっと良い結果を得るべく全力で準備を進めて行きます。

    中嶋一貴:
    LMP1クラスは非常に僅差で、タフなレースでした。大変な接近戦となり、6時間にわたってずっと全力でプッシュし続けなくてはなりませんでした。ポルシェをパスし2位を得るチャンスはあったと思いますが、最後まで果たすことは出来ませんでした。とはいえ表彰台を獲得出来たのはまずまずの結果です。ハードなレースになることを予想していましたが、我々のやるべきことを成し遂げ、ミス無くレースを走り切ることが出来ました。これは着実なスタートと言えると思います。

    アレックス・ブルツ:
    チームとして、今日はアウディのペースで戦うことは出来ませんでした。我々のTS040 HYBRIDの特性を考えると、このサーキットは最も厳しいものでしたが、他のライバルより遅くて良いということはありません。淡々とハードワークをこなさなければなりませんでした。今シーズンは最終戦までライバルとの壮絶な戦いになると思いますが、それは良いニュースです。そして、悪いニュースは、今日、優勝という結果を出せなかったことです。

    ステファン・サラザン:
    去年の1-2フィニッシュと比べれば、確かに最高の結果とは言えません。しかし、我々は良く戦ったと思うし、たくさんポイントも獲得しました。このサーキットが我々向きではなく、この何年間もアウディがとても速くて得意とするコースであることも知っています。完璧なスタートではないですが、良い滑り出しと言えるのではないでしょうか。チャンピオンシップでは2位に付けています。もう気持ちはスパに切り替え、次戦ではさらに良い結果を出せると確信しています。

    マイク・コンウェイ:
    タフなレースでした。コース脇の樹脂製ポールをフロント部に当ててしまい、それが私のスティントを台無しにしてしまいました。ダウンフォースを失い、スティントの残りが予測不能な状態になってしまったからです。ピットストップでこのポールを取り除いてから、すべては正常に戻ったので、遅れを取り戻そうと試みました。4位獲得は成し得たベストの結果であり、ポイントも獲得して帰れます。スパの週末がより良くなるよう、楽しみにしています。

  • ポルシェ、WEC開幕戦表彰台で順調にシーズンを始動

    ポルシェ、WEC開幕戦表彰台で順調にシーズンを始動

    ポルシェの新型ポルシェ919ハイブリッドを駆るワークスドライバーのロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組は、FIA世界耐久選手権(WEC)第1戦、シルバーストンにおいて、完全なドライコンディションのもとに繰り広げられたスリリングなレースで201周を周回し2位でフィニッシュした。

    スタート後の1時間半は、2台のポルシェ919ハイブリッドが1位と2位で周回を重ねた。マーク・ウェバーがポールポジションからスタートし、リードを広げていたが、ギアボックストラブルによりカーナンバー17はリタイヤを余儀なくされた。

    デュマ/ジャニ/リーブ組のカーナンバー18がチームメイトに代わってレースをリードしたが、レース終盤での息を呑むようなバトルの末、4.6秒差でアウディに勝利を譲った。

    カーナンバー17のレース展開
    マーク・ウェバーがポールポジションからスタートし、最初の23周で7秒以上のリードを広げた。彼は24周目を終え、フルコース・イエロー・フラッグが出されている間に最初のピットストップを行い、タイヤを交換。その後、スタート後ほぼ1時間半までしっかりとリードを保ったがギアボックストラブルのためピットに戻り44周でリタイヤという結果になった。

    カーナンバー18のレース展開
    ロマン・デュマが2番手グリッドからスタート、フルコースのイエローフラッグが出された24周目の最初のピットストップまで、2位のポジションを守った。マルク・リーブが車両を引き継ぎ、ニュータイヤで2位を維持していたが、チームメイトがリタイヤしたためトップに立った。53周でピットインし、給油、タイヤ交換およびドライバー交代を行い、ニール・ジャニがコックピットに乗り込んだ。58周目以降、彼はアウディを操る同胞のマルセル・ファスラーと見応えのあるバトルを展開、80周目にアウディがピットに入るまで、彼らは何度も順位を入れ替えた。その2周後、ジャニがピットインし車両をデュマに託し、彼は3位でレースを続けた。112周で再びリーブがドライブを担当、その後142周でジャニが交代した。レース終盤、彼はファスラーを追撃したが、最後まで捉えることはできなかった。

    レース後のコメント

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「昨日は両車をフロントローにつけることに成功し、シーズン開幕戦で2位というすばらしい結果を出すことができました。観衆にとっても、スタートから6時間後に上位3台が15秒以内の僅差で走行するのを見るのは圧巻だったでしょう。私達は今日、スイス人ドライバー達のおかげで、最もエキサイティングなバトルを演じることができました。この開幕戦は、耐久レースとWECにとって、優れたプロモーションとなりました」。

    アンドレア・ザイドル (チーム監督)
    「チーム全員におめでとうと言いたいです。クルーとドライバー全員がすばらしい仕事をしました。私達のピットクルーは、すべてのピットの中でも最高の仕事をしてくれました。この2位という結果は、2015年モデルのポルシェ919ハイブリッドにとって非常に良い結果です。なぜなら、シルバーストンはこのクルマが最も苦手とするサーキットだからです。しかし、私達は両車がフィニッシュすることを期待していたため、複雑な気持ちでパドックを後にします」。

    ポルシェ919ハイブリッド(No. 17)のドライバーのコメント

    マーク・ウェバー
    「本当にすべてが順調で気分良くトップで走行していましたが、ドライブトレーンのトラブルが発生しました。ピットインする僅か1周前にその問題を感じたのですが、レースを続けることはできませんでした。良い位置につけていただけに本当に残念です。私達は、このウイークエンドに向けて着実に調子を上げてきました。全員がしっかりと仕事をしましたが、結果を出すことができませんでした。思っていた以上にタイヤとの相性が良く、それは嬉しいサプライズでした。ポルシェのハイブリッドテクノロジーはセンセーショナルの一言で、短期的にも長期的にも私たちを優位に立たせてくれるでしょう」。

    ポルシェ919ハイブリッド(No. 18)のドライバーのコメント

    ロマン・デュマ
    「まず、スタート後の私の最初のスティントは、非常に順調でした。しかし、15周ほどしたところで、リアのグリップがなくなりました。2回目のスティントでは、予選のタイヤセットを使ったのですが、さらに扱い辛くなりました。しかし、シルバーストンが私達にとって楽なサーキットでないことを理解していましたし、その中で最善を尽くしました」。

    ニール・ジャニ
    「今回のレースは、すばらしいバトルが展開できた非常に興味深いレースでした。特に、マルセル・ファスラーとの争いは、大いに愉しませてもらいました。これぞレースというべきバトルでした。トップの車両にストップアンドゴーのペナルティが課されたにも関わらず、結局優勝できなかったのが残念でなりません。その後、また接戦になりました。3社すべてのメーカーが互いに拮抗しているのはすばらしいことです。今年はエキサイティングなシーズンになるでしょう。終盤、私はポルシェ919ハイブリッドで存分にアタックすることができました。私達は昨年からこの車両を大幅に改善してきました。まだいくつかの課題はありますが、良い方向に向かっています」

    マルク・リーブ
    「私の2回目のスティントは、明らかに1回目のスティントより上手くいきました。ずっと良いリズムに乗れましたし、アンダーステアが収まってドライブしやすくなり、ずっと大きな余裕を感じました。私は燃料節約の作戦をとっていましたが、より低いパワーで出したラップタイムには十分満足しています。全体的にはまだ課題が残されていますが、チームができることすべてをやり尽くし、次のレースにはより強くなって臨めると確信しています」

  • アウディ、WEC開幕戦に向け「万全の準備を整えた」

    アウディ、WEC開幕戦に向け「万全の準備を整えた」

    アウディは、FIA世界耐久選手権(WEC) 2015年シーズンに、万全の準備で臨む。WECは来る4月12日(日曜日)に英国・シルバーストンで始まる。

    アウディは、2012年、2013年とこの大会を制している。今年も同大会でシーズン初優勝を遂げるため、アウディスポーツ チームヨーストは2台の新しいアウディ R18 e-tron クワトロと6名の優秀なドライバーを擁し、万全の体制で臨む。

    3月末に行われたFIA主催の公式テストでは、2月のフィットネスキャンプを皮切りに共にトレーニングをしてきたチームメンバーや、数万kmにおよぶテストを重ねた新開発レーシングマシンなど、今シーズンのチームを構成するすべてが一堂に会した。

    アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング・ウルリッヒは「アウディは2015年シーズンに向けた万端の準備を調えました。先日ポールリカールで行われた公式テストで、我々は今シーズン初めてライバルチーム達と対面し実力は未知数なものの、今シーズンはこれまでになく厳しい年なると考えています。我々の目標は、2012年、2013年に続く、シルバーストン大会での優勝獲得です」とコメント。

    アウディは、公式テストで初めて、最新世代のハイブリッド レースマシンを公開した。最高出力410kw(558ps)のV6 TDIエンジンと、これまでの2倍にあたる4メガジュールを発揮するエレクトリック ドライブシステムを組み合わせたe-tron クアトロが生み出すハイブリッドドライブは、過去最高の低燃費とパワフルな走りを実現する。大きく進化したエアロダイナミクスと新開発シャシーも採用したことで、新しいアウディ R18 e-tron クアトロは、従来と比べ、より少ない燃料でより速いラップタイムで走行する。

    数多くの改善が行われたアウディ R18 e-tron クアトロは、シルバーストンでのデビューに期待を膨らませている。もとは飛行場として使われ、ハイスピードコースとして有名だったシルバーストンだが、数多くのタイトコーナーが設けられた今日では、マシンセッティングが難しい、屈指のエンジニア泣かせのコースとなっている。アウディ R18 e-tron クアトロは、通称“ループ”と呼ばれる第4コーナーを1速ギヤで80km/h弱で走行するが、その一方で“マゴッツ”セクションは7速ギヤを使い270km/h超で走行する。コーナリングスピードが大きく異なるレイアウトのため、ドライバーは、全長5.891kmのコースを1周する間に、シフトアップ18回、シフトダウン18回の合計36回ものシフト操作を行う必要がある。

    4月12日の正午(現地時刻)にスタートするレースに、2012年のシルバーストン大会優勝クルーのマルセル・ファスラー / アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ組はゼッケン7号車を駆って登場する。このクルーは、過去3回のル・マン24時間レース優勝経験を持ち、2012年には世界耐久選手権の王者に輝いている。その翌年には、ロイック・デュバルが、トム・クリステンセンならびにアラン・マクニッシュと共に世界耐久選手権のタイトルを獲得した。そのロイック・デュバルは今年、ルーカス・ディ・グラッシとシルバーストンがホームラウンドとなるオリバー・ジャービスと共に、ゼッケン8号車で闘う。シルバーストンからわずか130kmのバーウェルの街に住むジャービスは、FIA世界耐久選手権への年間出場は初めてとなる。

    アウディにとってシーズン開幕戦は、非常に重要なマーケットである英国で開催される。アウディの英国での販売実績は、前年比11.8%増となる158,800台を記録した。アウディはこれまでの10年間で、英国での販売台数を2倍に増やしている。英国は、アウディにとって、ドイツ国内に次いで、ヨーロッパ圏内で2番目に大きな市場に成長している。

    アウディはシルバーストンで、LMPレースカーによるレースで合計5回の優勝を獲得している。そして今年のシルバーストン大会優勝者には、選手権ポイント24ポイントの付与と合わせ、1905年から続く非常に伝統ある英国モータースポーツの栄冠である、ツーリスト トロフィーが授与される。

  • トヨタ:WEC 開幕戦 シルバーストン6時間レース プレビュー

    トヨタ:WEC 開幕戦 シルバーストン6時間レース プレビュー

    トヨタは、日本の自動車メーカーとして初めて世界耐久選手権(WEC)を制したチャンピオンチームとして、来る4月12日に行われる2015年WEC開幕戦シルバーストン6時間レースに参戦する。冬のオフシーズンに行われたテストを順調にこなし、新しいシーズンに向けてチームはタイトル死守へと全力で臨む。

    昨シーズン、トヨタ・レーシングは幸先良く開幕戦シルバーストン戦を1、2位で飾り、その勝利を皮切りに全8戦中5勝を成し遂げた。

    その主役であるTS040 HYBRIDは、省エネルギー規則が施行された新時代のモータースポーツにおける最高性能のレースカーであることを証明した。

    しかし、今シーズンはLMP1クラスで戦うアウディ、ポルシェ、トヨタの3メーカーは、いずれも性能を向上させて参戦、WEC史上かつてない激戦が予想される。

    2014年にWECドライバーズ・タイトルを獲得したトヨタ・レーシングのアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミは、開幕戦から新しいチームメイト中嶋一貴を加え、TS040 HYBRID1号車で開幕戦に挑む。また、デビッドソンとブエミは、1905年以来、タツィオ・ヌボラーリ、スターリング・モス、グラハム・ヒルら偉大なイギリス人ドライバーが獲得して来た伝統ある王室自動車クラブ(RAC)国際ツーリストトロフィー(*注1)の保守にも挑む。
    *注1…シルバーストンで開催される世界的ツーリングカーレースの勝者に与えられ、2013年からWECの優勝ドライバーに与えられている。

    TS040 HYBRID 2号車は今年から、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンにマイク・コンウェイが正式に加わる。コンウェイはすでに昨年彼らとチームを組んで3戦を戦い、バーレーンで勝利を挙げている。イギリス人のコンウェイが加わることで、TS040 HYBRIDは2台ともイギリス人ドライバーが走る事になり、シルバーストンでは自国のファンの大きな声援を得ることになるだろう。

    TS040 HYBRIDは昨年仕様から大幅な改良が施され、動力性能と信頼性向上、更に軽量化のために80%の部品が新しく設計し直された。パワートレインは昨年と比べて信頼性を向上した上に、6MJのハイブリッド・エネルギーを使用し、1000馬力を越える出力を誇る。空力性能にも当然磨きをかけ、ハイダウンフォース、ローダウンフォースの2仕様を準備している。高速コーナーの多いシルバーストンにはハイダウンフォース仕様が持ち込まれる。このハイ、ロー2つのダウンフォース仕様は、3月末にポールリカールで行われたWEC合同テストで試走、満足のいくデータが得られている。

    最後に、シルバーストン6時間レースはトヨタ・レーシングにとって新しいスタートとも言える。これまでトヨタ・レーシングWECプログラムを牽引してきた木下美明TMG社長が4月1日付けで日本に帰国、後継の佐藤俊男TMG新社長のもとでの初めてのレースになるからだ。とはいえ、このレースには木下前社長も来場、佐藤新社長に指揮権の引き継ぎを行う。

    レース・スケジュールは4月10日(金)に90分の公式練習が2セッション(午前11時55分、午後3時55分)行われ、翌11日(土)に最終公式練習セッション(午前9時)、続いて公式予選(午後12時30分)が行われる。決勝レースは12日(日)正午(日本時間午後8時)にスタートを切る。

    佐藤俊男 チーム代表:
    トヨタ・レーシングの一員として最初のレースを迎えるにあたり、とても興奮しています。木下さんとケルンのTMGスタッフ全員から歓待を受け、声援をもらうことが出来ました。今週末、WECのレースウィークという強烈な経験が出来ることを楽しみにしています。私は新しい役割を任されることとなりましたが、何年も前からチームの進化を見守って来ており、チーム代表になることは大きな名誉と思っています。毎年我々は強さを増しており、それは今年も変わらないはずです。勿論、今季も手強いライバルからの挑戦を受けるでしょう。しかし、我々は着実に努力を重ねて来ており、間違いなく更に厳しくなるであろうシーズンへ向け、必要な準備は出来ていると信じています。まずは目前に迫った開幕戦シルバーストンで、新しいTS040 HYBRIDから最大のパフォーマンスを引き出し、最高のシーズンへとスタートを切るために集中しなくてはなりません。

    アンソニー・デビッドソン (#1 TS040 HYBRID):
    シルバーストンは素晴らしいコースで、いつも最高の観客が応援してくれます。それだけに戻れることに興奮し、地元のファンの前で素晴らしい戦いを見せられればと思っています。初めてワールドチャンピオンとしてレースをスタート出来るというのは素晴らしいことで、ゼッケン1のTS040 HYBRIDをドライブするのは最高の気分でしょう。シルバーストンでその姿を披露出来ることは誇らしく、ゼッケン1を守ることが今年の目標なので、良いスタートが切れればと思っています。セバスチャンと私は昨年、シルバーストン6時間レースの勝者に送られるツーリストトロフィーも獲得しましたが、モータースポーツ界で最古のトロフィーであるこれを防衛するという意味でも、重要な週末になるでしょう。

    セバスチャン・ブエミ (#1 TS040 HYBRID):
    シルバーストンでのレースを予測するのはいつも簡単ではありません。4月の天候は変わりやすく、何が起こるか分かりません。昨年我々は1-2フィニッシュを達成したので、今年もその再現が出来ればと思いますが、ライバルとの相対関係が分からないので、それを予測するには早過ぎます。ゼッケン1を着けてスタートするのは素晴らしい気分です。それは昨年我々が成し遂げた大きな成果を示したものですが、既に過去のことであり、来年もゼッケン1が維持出来るように全力を尽くします。今年も優勝を争えることを期待しています。

    中嶋一貴 (#1 TS040 HYBRID):
    開幕戦は常に興味深いものです。全ての異なるマニュファクチャラーのパフォーマンスを確認出来るので、本当に楽しみにしています。シルバーストンでのレースはエキサイティングです。良い印象を持っていますし、多くのハイスピードコーナーを持つ新しいコースレイアウトも素晴らしいものです。昨年は1-2フィニッシュという完璧な結果でシーズンをスタートすることが出来たので、今年もそれが再現出来れば最高です。我々は冬季オフシーズンもハードワークを続けて来たので、高いモチベーションとチームスピリットと共にシルバーストンに向かいます。目標は勿論優勝です。出来る限りハードにプッシュしていくつもりです。

    アレックス・ブルツ (#2 TS040 HYBRID):
    シーズンの開幕戦は、ライバルも同じですが、パフォーマンス面で我々がどのレベルにいるのか全く分かりません。タフな戦いになるとは思っていますが、再びトップ争いが出来ることを望んでいます。私はシルバーストンをよく知っています。非常に高速で荒れた路面を持っていますが、全体的に見ればスポーツカーでのレースには最高のコースです。イギリスのファンは本当にモータースポーツ好きなので、ここに来るのはいつも良い気分です。時に気温が下がったり、風が強まったり、ウェットコンディションになることもありますが、それも英国モータースポーツの聖地であるシルバーストンでのレースの一部です。

    ステファン・サラザン (#2 TS040 HYBRID):
    シルバーストンに行くのを楽しみにしており、当然勝ちたいと思っています。再び1-2フィニッシュでシーズンのスタートが切れれば良いのですが、間違いなくライバルとの激戦になるでしょう。私はシルバーストンがとても好きで、特に高速セクションは本当に楽しいです。天候は常に大きな要素となりますが、予測は困難です。難しいレースになることが多いのですが、それもシルバーストンならではのレースといえます。アレックス、マイクと共に戦うシーズンのスタートとなる、この週末が楽しみです。我々には素晴らしいチームスピリットがあり、チームメイトは真のプロフェッショナルです。

    マイク・コンウェイ (#2 TS040 HYBRID):
    シルバーストンは私にとってホームレースなので、再びこのコースに戻るのを楽しみにしています。私自身、コースを訪れるのは2013年以来となりますが、新しいコースレイアウトは本当に楽しめると思うし、ハイスピードコーナーなど、我々のTS040 HYBRIDにとても適していると思っています。地元のファンの前で走るのはいつも素晴らしい気分です。イギリスのファンは本当に情熱的で、素晴らしい雰囲気で盛り上げてくれます。シーズンのスタートが待ちきれません。我々がどのレベルにいるのか確かなことは分かりませんが、シルバーストンでそれは明らかになるでしょうし、出来れば我々が良い位置にいることを望んでいます。

    トヨタ・レーシングのシルバーストンでの戦績:
    2012 #7:予選3番手、決勝2位
    2013 #7:予選1番手、決勝4位/#7:予選2番手、決勝3位
    2014 #7:予選1番手、決勝2位/#7:予選5番手、決勝1位

  • トヨタ、2015年型「TS040 HYBRID」を発表

    トヨタ、2015年型「TS040 HYBRID」を発表

    トヨタは、2015年の世界耐久選手権(WEC)に参戦するLMP1カー「TS040 HYBRID」を発表した。

    トヨタ・レーシングは、2015年の世界耐久選手権(WEC)に、マニュファクチャラー/ドライバーの“ダブルタイトル”ホルダーとして参戦する。トヨタ自動車は、2014年にWECで好成績を挙げた結果、日本の自動車メーカーとして初めて世界耐久選手権を制した企業になった。同時にトヨタ車を駆ったアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミがドライバーズ選手権タイトルを獲得している。

    スピードだけでなくエネルギー効率が性能を決める重要な要素になった昨年のWECで、TS040 HYBRIDは8戦中5勝という記録を達成した。

    2015年型TS040 HYBRIDは、2014年にタイトルを獲得したTS040 HYBRIDの進化モデル。進化型とはいえ、空力を最新のものに改良したのを始め、ボディ前端のクラッシャブルストラクチャーを含めて見直し、タイヤを今まで以上に効率良く使える様にサスペンションを設計し直し、加えて重量の軽減に努めた。

    2015年型TS040 HYBRIDは、これまで高い信頼性を誇ってきたトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)をパワートレインに採用。このシステムは非常に高い熱効率を誇り、総出力1000馬力以上を発揮する。

    昨シーズン同様、TS040 HYBRIDのERS(エネルギー回生システム)は放出エネルギー量6MJを採用するが、更なる性能のためスーパーキャパシタの構造変更も行っている。

    チームは今年もふたつの空力パッケージを準備し、今週ここポールリカールで両方をテストする。ル・マン仕様は高速なル・マンのサーキットでの走行に向けて準備したもので、もう一方のスプリント・パッケージはリアウィング、エンジンカバー、フロントのボディワーク等に手を加え、高いダウンフォースを発生している。

    今年のTS040 HYBRIDは昨年のル・マン24時間レースが終了するとすぐに開発に取りかかり、今年の1月13日にポールリカールで初走行を行った。それからチームはモーターランド・アラゴン(スペイン)で2回、ポルティマオ(ポルトガル)で1回、3日間にわたるテスト走行を行い、今日の発表会までに2万5000kmの走行をこなした。

    TS040 HYBRID #1号車の運転席には2014年のチャンピオン・コンビであるアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミ、そして今年は初めてWEC全戦出場となる中嶋一貴が乗る。#2号車にはアレックス・ブルツ、ステファン・サラザンに加え、2014年はテスト/リザーブ・ドライバーとして第7戦バーレーン6時間レース優勝の一角を担ったマイク・コンウェイが全戦を走る。 ニコラス・ラピエールは3シーズンをレースドライバーとして戦った後、今年はテスト兼開発ドライバーとして参加する

    2015年はWECのレギュレーションにもいくつかの変更が見られている。まずエンジンに関しては、1シーズンを通して5基までの使用しか許されなくなる。とはいえ、過去3シーズンに於いていずれのチームも5基以上のエンジンは使用していない。タイヤに関しても、バーレーン、上海、ル・マン以外のレースでは、練習走行ではスリックタイヤは最大4セット、予選と決勝では6セットまでしか使用出来ない。但し、予選・決勝用には、バーレーンと上海は8セット、ル・マンは11セットまで使用可能となる。

    ボディワークの柔軟度に関しても新しい規定が導入された。スプリッター、リアウィング、ディフューザー、プランクなどが走行中規定以上に変形しないようにする必要がある。また、体重が平均80Kg以下の軽いドライバーが搭乗するときにはバラストを搭載しなければならない。

    開幕戦は4月12日のシルバーストン6時間レースとなる。

    村田久武 モータースポーツユニット開発部部長:
    我々はTS040 HYBRIDをアップグレードするために努力を重ねてきました。そして、パワーユニットを含む、多くの領域で進化を遂げました。これはトータルでの最大出力が1000馬力以上になり、パワーユニットのパフォーマンスがかなり向上したことを意味しています。我々の開発目標は、トータルでの最高出力と安定性を昨年よりも高めることです。ハイブリッドシステムのパフォーマンス向上は、特にレースで距離を走行したときに、全てのサーキットにおいて見ることが出来るでしょう。我々の2015年シーズンへ向けたアップグレードは、より良いハイブリッドカーを生み出すためのステップであり、何度も言っていますが、TS040 HYBRIDによって培われたコンポーネントおよび技術は将来、トヨタの市販車に活かされることになります。

    パスカル・バセロン テクニカル・ディレクター:
    車両規則が大きく変わらなかったので、我々のコンセプトは明快で、2014年シーズン以上のパフォーマンスを出すことです。そのため、2015年型のTS040 HYBRIDは、完全な新型ではありませんが、ほぼ全ての面で進化を遂げていると言えます。一見あまり変わっていないように見えるかもしれませんが、部品の80%はデザインし直しました。今年も我々はハイダウンフォース仕様とローダウンフォース仕様を用意します。理由は例年と同じく、ル・マンは他の多くのコースとは要求される性能が大きく異なるからです。現行の車両規則では、空気抵抗を低く保ったままこれらのパッケージにおいて最大の効果を得るには、リアウィングやエンジンカバー、そして車両先端部の変更が有効となります。これまでのところ「1チームだけのレース」であるテストにおいて、満足行く結果を得ています。我々は、残された数週間で、開幕戦へ向けた準備を終えなくてはなりません。

    アンソニー・デビッドソン (#1 TS040 HYBRID):
    ゼッケン1を自分たちの車両に付けられるというのは本当に素晴らしいことで、これを堅守したいと思っています。昨年はチャンピオンを獲得し最高の気分でしたが、最大のレースであるル・マン24時間で勝てませんでした。私個人よりも、チームとして、この6月の偉大なレースに勝つことが目標です。競争がさらに厳しいものになることは分かっており、昨年以上に運に恵まれることを望んでいます。ル・マン24時間レースでは運を味方につけることも必要です。現行の規則になって2年目のシーズンなので、我々のTS040 HYBRIDは多くの領域で正常進化を遂げました。第一印象は良好で、今重要なことは改良を続け、チャンスを逃さないことです。

    セバスチャン・ブエミ (#1 TS040 HYBRID):
    ゼッケン1番を付けてのシーズンスタートはいつでも嬉しいものです。それは昨年の我々が成し遂げたことを表しているからです。今年も出来る限り多くのレースで勝ちたいとは思っていますが、最大の目標は間違いなくル・マン24時間での勝利です。ル・マン24時間は獲得ポイントも倍なので、シリーズタイトル争いにも大きな助けとなります。我々には昨年の時点で既に、素晴らしいTS040 HYBRIDがあるので、大きな変更をすることなく、さらなる進化を目指しています。全ての領域で少しずつ改良を重ねていけば、それはラップタイム向上につながります。我々の努力が報われ、昨年同様に上位争いが続けられることを期待しています。

    中嶋一貴 (#1 TS040 HYBRID):
    WECのシリーズにフル参戦出来ることになって最高の気分です。昨年は何戦かをTVで観戦することになり、チームと共に戦うことが出来ませんでした。それだけにシルバーストンでの開幕戦が待ち切れません。今年はアンソニー、セバスチャンと組むということで、きっと楽しいものになるでしょう。チーム構成は変わりますが、我々は2台で一つのチームとして同じ目標を持っています。今年は昨年同様、全てのレースでトップを狙い、ゼッケン1を守れればと思っています。ゼッケン1が付いた自分の車両を見るのは素晴らしいことです。これまでのところ、アップデートされたTS040 HYBRIDの感触は良く、自信もありますが、まだやらなくてはならない作業も残っており、最良の状態で開幕戦を迎えられるよう準備をしなくてはなりません。

    アレックス・ブルツ (#2 TS040 HYBRID):
    希望に満ちた新シーズンがスタートします。我々はチームとして昨年タイトルを獲得しました。今年の目標はそれに加えてル・マン24時間でも勝つことです。私自身にとっては3度目となるル・マンでの勝利を切望しています。我々は既に最初のテストを改良型のTS040 HYBRIDで行っており、2014年よりも早いラップタイムをマークし、加えて信頼性でも改良は進んでいます。これらの面から見て、全てが順調と言えます。もちろんライバルもハードワークを重ねて来ていることは分かっていますが、全体的に見れば、それが耐久レースをさらに素晴らしくしてくれます。驚くべき技術で多くの開発が進んでいますが、それがライバルよりも上手く行っていることを願っています。

    ステファン・サラザン (#2 TS040 HYBRID):
    2014年はタイトル獲得など、信じられないようなシーズンでしたが、もちろん今年はさらに良いシーズンにしたいと願っています。我々は既にTS040 HYBRIDの改良を進めており、テストは本当に上手く行っています。改良型TS040 HYBRIDの感触は非常に良く、思い切り攻めることが出来ます。チームは驚くほどの仕事ぶりでアップデートをこなしてくれました。我々は再び強さを見せられると思います。ライバルメーカーからの挑戦は激しく、厳しいものになると予想されるので、我々は集中してハードワークに励まなくてはなりません。ドライバー、エンジニア、メカニック、我々全員がベストを尽くせば、必ず良いシーズンが過ごせると思います。我々の素晴らしいチームスピリットがあれば、再び力強いシーズンが戦えるはずです。

    マイク・コンウェイ (#2 TS040 HYBRID):
    自分が世界チャンピオンを目指して戦えることにとても興奮しています。チームのタイトル防衛に貢献できると確信していますし、楽しみです。アレックス、ステファンと共にまた戦えることも嬉しいですし、互いに多くを学べると思っています。共にプッシュし合って、我々のパッケージからベストを引き出せるはずです。私自身は昨年バーレーンで初勝利を挙げることが出来ましたが、今年の目標は、昨年以上の勝利です。そしてもちろん全員が、最大のレースであるル・マン24時間を見据えています。戦いがどれだけ厳しいものかを伝えるのは難しいですが、2015年仕様のTS040 HYBRIDは良好ですし、開幕戦を楽しみにしています。

    TOYOTA TS040 HYBRID 2015 TOYOTA TS040 HYBRID 2015 トヨタ TS040 ハイブリッド

  • トヨタ WEC:木下美明がチーム代表を退任

    トヨタ WEC:木下美明がチーム代表を退任

    トヨタ WECでチーム代表を務めてきた木下美明が、退任することが発表された。

    ケルンに本拠を置き、トヨタWEC活動の中心であるTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)で永く社長を務めてきた木下美明は、4月1日付けで日本に帰国、トヨタ自動車で新しいポストに就く。

    トヨタのWEC参戦プロジェクトの長期継続の確約、世界耐久選手権タイトルの獲得、世界ラリー選手権(WRC)への参戦復帰という重要な仕事を終えた木下は、4月のWEC開幕戦シルバーストン6時間レースを最後に日本に帰国する予定。

    「TMGのスタッフ一同、木下がTMGとTMGのモータースポーツ活動に対して注いでくれた計り知れなく大きな貢献に対し、心から感謝し、新しいポジションでの成功を期待しています」とプレスリリースで述べた。

    木下美明のTMG社長職およびWECチーム代表からの離任に伴い行われた人事で、佐藤俊男がTMGとWECチーム代表に新しく就任する。

    佐藤俊男は、トヨタがF1グランプリに参戦していた時期にエンジン担当技術者としてTMGで働いており、いわば復帰と言うことになる。モータースポーツを離れていた期間、佐藤俊男はトヨタとレクサスにおいてハイブリッドシステムの開発に携わっており、膨大なハイブリッド技術を持ってのTMG復帰となる

    木下美明
    「TMGとモータースポーツプロジェクトから離れることになったのは寂しいです。しかし、今後も出来る限りレースを近くから見守り、チームをサポートしたいと思っています。我々が参戦を開始した2012年以来、励まし、サポートをしてくれたWECの関係者に感謝すると共に、耐久レースを戦う仲間の一員になれたことを誇りに思っています。今季、ゼッケン1を付けた我々のTS040 HYBRIDを見られるのは本当に素晴らしいことで、残る目標はル・マン24時間レースの制覇です。今シーズンは、4チームに増えたLMP1のマニュファクチャラー全てが異なる技術アプローチで参戦するということで、挑戦はこれまで以上に素晴らしいものになるでしょう。我々は懸命にTS040 HYBRIDの改良を続けてきました。今のところ、テストでの結果は勇気づけられるものです。しかし、まだ長い戦いは始まったばかりですし、ライバル達の最初のパフォーマンスを知りたいところですが、まず開幕戦としてのシルバーストンがとても大切だと思っています」