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  • WEC 上海6時間レース 結果:優勝はポルシェ、トヨタがダブル表彰台

    WEC 上海6時間レース 結果:優勝はポルシェ、トヨタがダブル表彰台

    FIA世界耐久選手権(WEC) 第8戦 上海6時間レースの決勝レースが6日(日)、上海インターナショナル・サーキットで行われた。

    優勝はポールポジションからスタートしたポルシェの1号車(ティモ・ベルンハルト / ブレンドン・ハートレー / マーク・ウェバー)。2位にはトヨタの6号車(小林可夢偉 / ステファン・サラザン / マイク・コンウェイ)、3位にはトヨタの5号車(中嶋一貴 / アンソニー・デビッドソン / セバスチャン・ブエミ)が続き、トヨタがダブル表彰台を獲得。

    今回の結果でポルシェが2016年のマニュファクチャラータイトルを獲得。トヨタ6号車は最終戦へドライバーズタイトルへの望みを繋いだ。

    LMP2クラスは、G-Drive Racingの26号車が優勝。2位にはEXTREME SPEED MOTORSPORTSの30号車、3位にはRGR Sport by Morandの43号車が続いた。

    LMP2クラスは、4位でフィニッシュしたSignatech Alpineの36号車がドライバーズタイトルを獲得した。

    GTE ProクラスはFord Chip Ganassi Team UKの17号車、GTE AmクラスではAston Martin Racingの98号車が優勝した。

  • トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 予選レポート

    トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 予選レポート

    素晴らしい天候に恵まれ、久し振りに澄んだ空気となった11月5日(土)、上海郊外にある上海国際サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第8戦上海6時間レースの予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは最前列2番手、2列目4番手のグリッドを獲得した。

    TOYOTA GAZOO Racingが参戦するLMPクラスの予選は予定より17分遅れて午後2時17分にスタートし、20分間にわたって行われた。

    WECの予選は2人のドライバーがタイムアタックを行い、2人が記録したタイムの平均で予選グリッドを決定する。ゆえに、2人のドライバーは小さなミスも許されない。

    TS050 HYBRID #5号車はセバスチャン・ブエミと中嶋一貴がアタックを担当。まずブエミ、次に中嶋、さらにブエミがアタックし、セッション終了間際の最終ラップでブエミが1分44秒368をマーク。平均タイムを1分44秒522まで更新し首位からわずか0.06秒差に迫った。#5号車は僅差でポールポジションを逃すこととなったが、最前列2番手グリッドを獲得し明日の決勝に臨む。

    TS050 HYBRID #6号車は、まずマイク・コンウェイからタイムアタックを開始、10分ほど経ったところでステファン・サラザンに交替、終盤再びコンウェイがタイム更新を目指しアタックしたが、2人の平均タイムは1分44秒810で4番手グリッドとなった。今回の予選はトヨタの2台を含むLM P1クラスの6台が0.6秒の中に入る僅差となっており、今大会明日の決勝レースも超接近戦となることが予想される。ドライバーズランキング2位につけ、逆転タイトルを狙う#6号車は前戦富士と同じく、この4番手グリッドから、2戦連続の勝利を目指す。

    6時間の決勝レースは明日11月6日(日)、現地時間午前11時(日本時間正午)にスタートが切られる。

    TS050 HYBRID #5号車(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第3回目: 6番手 (1分45秒663), 26周
    公式予選 2番手 (平均1分44秒522)

    TS050 HYBRID #6号車(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
    公式練習第3回目: 2番手 (1分44秒819), 27周
    公式予選 4番手 (平均1分44秒810)

    中嶋一貴
    今日午前中の公式練習3回目は満足できる車両の仕上がりとは言い難い状況でしたが、#6号車とも協力し、セットアップを詰めていったことで、午後の予選では良いレベルに仕上がりました。決勝レースでの車両バランスはもちろん予選とは違うものですが、明日こそ最高のパフォーマンスを発揮出来るように努力を続けます。今日の予選でライバルと同等のタイムを出せたことで決勝レースは本当に期待できるものとなります。キーになるのは安定したラップを刻めるかどうかでしょう。

    セバスチャン・ブエミ
    今日の予選でも高い競争力を発揮出来たのは素晴らしいことです。残念だったのは最終コーナーでLM P2カーに引っかかってしまったことで、あれがなければポールポジションを獲得出来ていたかなと思っています。しかし全体的に見れば今日のパフォーマンスは、チームに取って充分に満足行くものです。これでますます明日の決勝レースが楽しみになりました。勝利を目指して戦います。

    ステファン・サラザン
    我々のTS050 HYBRIDのパフォーマンスを考えれば、もう少し上のグリッドが狙えたと思います。マイクはコース上の混雑に阻まれなければ、最後のアタックラップでは更に速いタイムが出せたでしょう。しかし、予選で速さを示せたときは、決勝でも強さを発揮出来るものです。勝利という目標へ向けてとても良い兆候です。

    マイク・コンウェイ
    コース路面は予選のセッションが進むにつれて良くなっていくように見えたので、最後にタイムを更新すべく二度目のアタックをかけました。しかし、第1、第2コーナーで他車に阻まれる形となってしまい、タイム更新が果たせなかったのは少し残念です。最後に#5号車が素晴らしいラップタイムをマークしてくれたことで、明日は我々も力強いレースが出来ると確信しています。明日は、また見応えのあるレースが展開されるはずです。

  • トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 公式練習レポート

    トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 公式練習レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦 富士6時間レースで勝利を飾ったTOYOTA GAZOO Racingは、その勢いを駆って中国・上海での第8戦・上海6時間レースに挑む。

    初日となる11月4日(金)は午前10時と午後3時半から、それぞれ1時間半ずつの公式練習走行が行われた。

    公式練習1回目ではTS050 HYBRID #5号車はセバスチャン・ブエミが乗り込み1分47秒445のタイムで3番手、TS050 HYBRID #6号車は小林可夢偉が1分47秒632で4番手のタイムを記録した。公式練習2回目では#5号車が4番手(1分46秒812)、#6号車は6番手(1分47秒860)だった。

    今年のWECもこの上海6時間レースを含めて残り2戦。#6号車の3人のドライバーは現在ドライバーズ選手権でトップのポルシェ#2号車のドライバーに対し23点差の2位に付けており、残り2戦のレース結果次第では十分に逆転の可能性を秘めている。そのためには決勝レースで上位入賞が必須条件で、チームは初日から決勝レースに向けて着実にセッティングを行っている。上海は長いストレートと複雑なコーナーを備えたサーキットで、空力性能とサスペンション・セッティングの両方が高い次元で求められる。

    車両のセッティングばかりではなく、何種類か用意されたミシュラン・タイヤのゴムのコンパウンドから比較的低い路面温度に最適なものを選択することも重要な仕事だ。今日の路面温度は22℃。週末を通してほぼ同様の気温、路面温度が予想される。

    本日行われた2度の公式練習走行で、2台のTS050 HYBRIDが走破した距離は147周・801km。明日は午前9時から1時間の公式練習3回目が行われ、午後2時から20分間にわたってLMP1とLMP2クラスの予選が行われる。決勝レースは11月6日(日)の午前11時(日本時間正午)にスタートが切られる。

    TS050 HYBRID #5号車(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
    公式練習第1回目: 3番手 (1分47秒445), 39周
    公式練習第2回目: 4番手 (1分46秒812), 31周

    TS050 HYBRID #6号車(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
    公式練習第1回目: 4番手 (1分47秒632), 39周
    公式練習第2回目: 6番手 (1分47秒860), 38周

    中嶋一貴
    容易な一日ではありませんでした。午前中は中古タイヤで走りましたが、走り始めの路面はグリップが非常に低く、コントロールが非常に難しい状況でした。午後は一度新品タイヤで走りましたが、まずまずの感触でした。実戦を想定し、摩耗したタイヤでのセットアップを更に煮詰めていく必要があります。

    アンソニー・デビッドソン
    昨年と比べると今日は、路面のグリップが非常に低く、とても難しいコースコンディションだったので、満足いく車両バランスに仕上げるのが大変な一日となりました。車両を改善するために今夜は遅くまでデータの解析を行うことになるでしょう。セッションが進むにつれて路面コンディションが向上していくので、我々のTS050 HYBRIDに適合した状態になってくれることを期待しています。

    セバスチャン・ブエミ
    今日は非常に多くの距離を走破しましたが、各車のタイヤやコンディションは様々で、コース上もとても混み合っていたので、単純にラップタイムで自分たちの状態がどのあたりにあるかを判断するのは困難だと思います。前戦富士よりも難しいレースになるとは思いますが、心配はしていません。予選でも力強さを見せられるよう頑張りますが、あくまでも重要なのは日曜日の決勝です。

    小林可夢偉
    前戦富士での1日目と比べると車両の仕上がり状況は少し厳しいものになっていますが、恐らく今日の路面コンディションに寄るものでしょう。TS050 HYBRIDの仕上がりは進んでいますが、更なるパフォーマンス向上へ向け調整すべき箇所があります。今日得られたデータを今夜分析して更なる改良に繋げたいと思っています。

    ステファン・サラザン
    今日は路面コンディションが悪く、車両のセットアップを仕上げていく中で改善されては行きましたが、まだ全体的にグリップが足りません。明日の公式練習3回目までには全体的にレベルを上げる必要があります。明日も忙しい一日になると思いますが、しっかり仕上げれば決勝レースではチャンスがあるはずです。

    マイク・コンウェイ
    コースコンディションは今日一日、時間を追うごとに良くなっていきました。サポートレースも助けになってくれたのではないかと思います。我々は予選へ向けたシミュレーションは行いませんでした。とにかくロングランでの力強い走りをするための車両バランス向上と、何箇所かの改良に集中しました。まだパフォーマンス向上の余地はあるので、明日も全力で臨みます。

  • トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 プレビュー

    トヨタ:2016 WEC 第8戦 上海6時間 プレビュー

    2016年のFIA世界耐久選手権(WEC)も残り2戦。TOYOTA GAZOO Racingは11月6日(日)に中国・上海インターナショナル・サーキットで開催されるWEC第8戦上海6時間レースへ、富士からの2連勝達成に挑む。

    前戦、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID #6号車がトヨタのホームコースである富士スピードウェイで勝利を挙げ、小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの3名はドライバーズ選手権でも2位へと躍進した。

    #6号車の3名は、ドライバーズ選手権ランキングで8月の第4戦ニュルブルクリンク終了時点の首位との差をここまでで21ポイント縮め、23ポイント差で追っている。今季の残り2戦で最大52ポイントを獲得することが出来、逆転タイトル獲得へ向け、最後の2戦に全力で挑む。

    中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミのTS050 HYBRID #5号車は、今季これまで様々な不運に見舞われてきたが、前戦富士では僅差の4位完走を果たしており、上海ではシーズン初の表彰台を目指す。

    このレースも前戦同様の接近戦となることが予想される。直近の2レースでは、LM P1-Hで参戦の3社による三つ巴のトップ争いが繰り広げられ、6時間に渡る激闘の末に、トップ3が30秒以内の僅差でフィニッシュするという厳しい戦いとなっている。

    トヨタは1周5.451kmの上海インターナショナル・サーキットで、2012年と2014年の優勝を含む4回の表彰台という好結果を残している。

    市街中心部から40km程離れて位置する上海サーキットは2004年に開設され、新たにWECが開催された2012年からシリーズの1戦に組み入れられている。それ以前にも、中国では2010年と2011年、広東省の珠海インターナショナル・サーキットでアジアン・ル・マン・シリーズの耐久レースが行われていた。

    11月4日(金)の2回にわたる90分の公式練習走行から、あわただしさの中でレースウィークが始まる。5日(土)午前中に行われる1時間の最終公式練習走行までにはTS050 HYBRIDの最適な状態のセットアップを仕上げなくてはならない。決勝のスターティンググリッド、そして1ポイントが獲得出来るポールポジションを決める公式予選は現地時間午後2時(日本時間午後3時)から行われる。そして、6日(日)午前11時(日本時間正午)に6時間の決勝レースのスタートが切られる。

    佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racingチーム代表)
    前戦、ホームとなる富士スピードウェイでは表彰台の頂点に戻ることが出来、大変嬉しく思います。この勢いを維持し、表彰台内での戦いを続けながら良い結果でシーズンを終えられるように全力を尽くします。現在のWECの競争レベルは驚くほど拮抗しており、特にここ数戦は、最後までスプリントレースのような戦いが続き、LM P1-Hの3社の車両が6時間に渡って終始、僅差の接戦を繰り広げました。それだけに、我々が目標を達成するためには、常に最大のパフォーマンスを発揮し続けなくてはなりません。週末の上海での戦いもとても楽しみです。

    中嶋一貴
    今週末の上海のレースが楽しみです。我々のTS050 HYBRIDは前戦富士で着実に調子を上げて来ました。もちろん我々の目標はここでの優勝です。ここ2戦の拮抗した激戦をファンの皆様にご覧いただけるのは素晴らしいことであり、戦っているドライバーにとってもエキサイティングです。表彰台に上らなくなって随分と長い時間が経ってしまいましたが、必ずチャンスは来ると思っています。

    アンソニー・デビッドソン
    私は2004年に初めてF1でこのコースを走りました。大変にチャレンジングなサーキットで、たくさんの素晴らしい特徴があります。中でも1コーナーから、タイトなセクションが続いたあとバックストレートへと向かうコーナーはとても魅力的です。高速コーナーと長いストレートがあり、エンジニアにとっても簡単なコースではありません。いつ走っても楽しいコースなので、TS050 HYBRIDで走るのが楽しみです。

    セバスチャン・ブエミ
    ここは素晴らしいコースで、近年のサーキットの中でも好きなコースのひとつです。私自身は高速コーナーが好きで、全体的に流れるようなレイアウトのこのコースは運転していてとても楽しいサーキットです。良い思い出もあります。デビュー3戦目だったF1でポイントを獲得出来ましたし、2014年にはWECでアンソニーと共に勝利し、タイトル獲得への足がかりを築きました。中国のファンの皆様は急速にモータースポーツへの知識を深めており、WECの魅力を感じて頂くにはとても良い機会だと思っています。

    小林可夢偉
    前戦富士でWEC初優勝を挙げることが出来たのは素晴らしい経験で、早く次のレースをしたい気持ちです。上海でも再び力強いレースが出来ることを願っています。今年、私にとっては全てのサーキットがLM P1-H車両で初めて走るコースになりますが、ここは何度か走った経験があるので良く知っています。TS050 HYBRIDでこのコースを走るのがとても楽しみで、必ず上位争いに絡む走りを約束します。そして、ドライバーズ選手権のタイトル争いのためにも可能な限り多くのポイントを獲得したいと思っています。

    ステファン・サラザン
    上海は特徴があるたくさんのコーナーを持つ難しいコースです。特に最初のセクターが最難関です。しかし、それだけにドライバーにとっては挑戦し甲斐があり、私はこのコースを走るのが大好きです。昨年もドライコンディションのもとで良いペースでレースを戦うことができましたので、今年のTS050 HYBRIDでは力強いレースをすることをお約束し、必ず良い結果に繋がるものと信じています。前戦富士での勝利の後、タイトル争いでも更に上位との差を詰めることができました。上海でまた好結果を目指して戦うことを本当に楽しみにしています。

    マイク・コンウェイ
    上海は幾つかの高速セクションのある素晴らしいコースです。今シーズンも残り2戦となり、ドライバーズタイトルを争っている我々にとって今週末はとても重要になります。ランキング首位のポルシェ#2号車を捕まえるのは簡単ではありませんが、シーズンの最後まで諦めることなく戦い続けます。そのためには、残りの上海とバーレーン戦でも表彰台を争い、出来る限りの好結果を残すことです。

  • アウディ撤退でWECの今後は? “走る実験室”はフォーミュラEへ

    アウディ撤退でWECの今後は? “走る実験室”はフォーミュラEへ

    アウディがWECから撤退し、今後はフォーミュラEに専念するという“戦略的”な決断を下した。

    自動車メーカーにとって、レースはマーケティング/プロモーションの意味合いもあるが、市販車のための技術を開発する“走る実験室”として技術力を鍛える役割も持っている。

    ホンダ創業者・本田宗一郎は「レースは走る実験室」と語り、F1で培った技術を市販車に投入してきた。

    だが、リーマンショック以降、自動車メーカーのコスト意識が高まり、2015年にホンダがF1復帰を果たしたものの、BMWとトヨタが撤退している。

    アウディは、予てから耐久レースこそが“実験室”だとして、F1参戦を否定してきたメーカー。そのアウディが、WECに見切りをつけ、電気自動車のレースであるフォーミュラEに舵を切った。

    アウディの撤退は、フォルクスワーゲン・グループの排ガス不正問題によるコスト削減とディーゼル・エンジン技術から徐々に離れるという方向性によって決定したとされている。報道によると、アウディのシーズン予算は2億ユーロ(約228億円)以上だとされている。

    トヨタとポルシェは、ガソリンエンジンのハイブリッドを採用しているが、アウディのWECカーはディーゼルハイブリッドを採用していた。

    そして、近年、フォーミュラEには自動車メーカーの参入が相次いでいる。2014年からスタートしたフォーミュラEは、初年度こそルノーのワンメイクだったが、現在はDS(シトロエン)、ヴェンチュリー、マヒンドラ、そして、ジャガーが参戦。さらに今回のアウディに加え、BMW、メルセデス・ベンツといったメーカーが参戦を表明。また日産、ホンダも検討中と噂されている。

    自動車メーカーは、ハイブリッドから電気自動車へとその将来を見据えており、フォルクスワーゲンは、2025年までに電気自動車を25車種まで増やすことを計画。まさに“走る実験室”はフォーミュラEへと移行している。

    一方、アウディのWEC撤退を受け、ル・マン24時間レースを運営する西部自動車クラブはWECが“将来のクルマに向けた新技術のためのベストなプラットフォームを提供する革新の最前線”だと主張。

    西部自動車クラブ代表のピエール・フィヨンは「ハイブリッドテクノロジーと電気モーターはすでに耐久レースにおいて日常となっている。新時代のエネルギーの要求においては水素電池に対するテクニカルレギュレーションの変更も進んでいる」とコメント。

    またWECのCEOを務めるジェラール・ヌーブは「ひとつのマニュファクチャラーが去るが、また別のマニュファクチャラーがやってくるだろう。これが選手権の流れだ」と述べた。

    かつてはプジョーや日産が撤退しているWECおよびル・マン24時間レース。来季から最高峰クラスはトヨタとポルシェの一騎打ちとなり、トヨタのル・マン初制覇も見られるかもしれない。

    関連:アウディ、WEC撤退を発表

  • アウディ、WEC撤退を発表

    アウディ、WEC撤退を発表

    アウディは、今シーズン限りでWEC(FIA世界耐久選手権)から撤退することを発表。2017年からはフォーミュラEに専念するとした。

    アウディ AG 取締役会会長のルパート・シュタートラーは26日(水)、アウディのモータースポーツ部門で働く300名の従業員を前に、アウディが今後も競争力を維持し続けるため、課題に注力することが重要であることから、今回の戦略的決断が取締役会で下されたことを説明した。

    アウディは今後もノイブルク及びネッカーズルムに在籍するモータースポーツ専門家たちのノウハウとスキルを、モータースポーツと生産モデルに活用していく。

    「将来を見据え、電気自動車によるレースに参戦することにしました」とルパート・シュタートラーは述べた。

    「アウディのラインアップにおいて、今後電気自動車の比率が次第に高くなっていきます。アウディの先進技術を代表するモータースポーツのレースカーは、その技術力を示すものでければなりません」

    電気自動車による最初のレースシリーズであるフォーミュラEは、2018年から完全なバッテリー駆動による電気自動車をラインアップに加えるアウディのブランド戦略に完璧にマッチしたものといえる。

    アウディは現在会社の歴史のなかで、もっとも大きな変革の時期にさしかかっている。FIAフォーミュラEへのワークスチームとしての参戦は、来年2017年から開始される予定。このレースは、未来に向けてもっとも大きな可能性を持ったレースシリーズと期待されている。

    そのためにアウディは、現行の2016/2017シーズンから、チームABTシェフラー アウディスポーツとのこれまでの協力関係を強化している。アウディのワークスチームとしてのフル参戦に向けて、現在技術開発にも積極的に参加している。

    アウディがFIA世界耐久選手権(WEC)から撤退することは、偉大な成功の時代の終焉を意味している。18年間にわたって、アウディはル・マン プロトタイプ レーシングで、積極的に耐久レースに参加してきた。その間アウディは、ル・マン24時間レースで13度の勝利を挙げるとともに、数々の技術的金字塔を打ち立てた。2001年にTFSIエンジンでの最初の勝利を挙げ、2006年にはTDIエンジンを搭載したレースカーでル・マン史上初の優勝。さらに2012年にはハイブリッドのパワートレインを用いたスポーツカーで最初の優勝を成し遂げた。

    今日まで参戦した185のレースにおいて、アウディのル・マン プロトタイプは、合計106回の優勝、80回のポールポジション、94回のファステストラップを記録している。ハイブリッドのドライブシステムを用いたAudi R18 e-tron quattroでは、2度にわたってFIA世界耐久選手権(WEC)のタイトルを獲得している。さらにアウディは、2000年から2008年にかけて9年連続で、その当時ル・マン プロトタイプによる世界でもっとも重要なレースシリーズであったアメリカン ル・マン シリーズ(ALMS)のタイトルを獲得し続けた。

    「18年間にわたってアウディに大きな成功をもたらしたプロトタイプレースを離れることは、もちろん非常に辛いことです」と、アウディ モータースポーツ責任者Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒは語る。

    「Audi Sportチーム ヨーストは、文字通りWECを席巻し続けました。この偉大な成功を分かちあったチームメンバー、ラインホルド ヨーストと彼のチーム、ドライバー、そしてパートナー、スポンサーの皆様に、心から感謝の意を表明したいと思います。本当に素晴らしい時間を過ごすことができました。」

    アウディは、ル・マン プロトタイプ レースに参戦し続けたことで、ブランドのスローガンである「Vorsprung durch Technik」(技術による先進)を世界に示すとともに、市販モデルに役立つ数多くのノウハウを獲得した。

    一方で、DTMへの取り組みは、これまで通り継続される。2017年シーズンは、Audi RS 5 DTMの後継モデルで参戦する予定。アウディは、10月の中旬にマニュファクチャラー及びチームの2つの部門で勝利を確定した。2013年には、マイク・ロッケンフェラーが、DTMドライバーズチャンピオンのタイトルをアウディにもたらしている。

    FIA世界ラリークロス選手権(World RX)への参戦については、最終的な結論がまだ出ていない。現在行われている2016年シーズンでは、DTMのワークスドライバー、マティアス・エクストロームがAudi S1 EKS RX quattroをドライブし、並み居るワークスチームを抑え、見事にチャンピオンのタイトルを獲得した。今日までアウディとしての参画は、プライベートのEKSチームを支援するだけに留まっている。アウディは現在、この支援体制を継続するかについて検討中だが、ラリークロス レーシングについても、現在、電動化が主要な議題として上がっている。

  • アウディ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 決勝レポート

    アウディ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 決勝レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC)の富士戦は、これまでにない白熱した大接戦となった。6時間にもおよぶ長き闘いの末に、アウディ、ポルシェ、トヨタの3チーム間のタイム差はごくわずか。アウディは5時間に渡りトップを走行していたが、わずか1.4秒差で2位となった。

    ルーカス・ディ・グラッシ / ロイック・デュバル / オリバー・ジャービス組は、日本のレースファンに驚異的なパフォーマンスを披露した。

    彼らは決勝レースを今シーズン2度目のポールポジションからスタートした。その後は6号車のトヨタと1号車のポルシェを相手に、6時間に渡る非常に厳しい闘いを繰り広げ、わずか1.4秒という僅差で2位となった。

    アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング・ウルリッヒは「3人のドライバーは、素晴らしいパフォーマンスを発揮、最後まで激しいバトルを繰り広げました。トヨタは最後のピットインをギリギリまで遅くし、さらにタイヤ交換をしないという戦略を実行し、初めてトップに立ちました。ロイック・デュバルはトップ奪還のためにトヨタを猛追し、およそ12秒もの間隔を取り戻しました。非常に残念なことに僅差で及びませんでしたが、今大会は希にみる激しい展開となったレースでした」とコメント。

    アウディは富士戦で2位を獲得したことで、チャンピオンシップ獲得にさらに近づいた。今回、ディ・グラッシ / デュバル / ジャービス組は9ポイントを獲得、順位は2番手だが、ランキングトップのロマン・デュマ / ニール・ジャニ / マルク・リーブ組とのポイント差を、わずか28.5ポイントにまで縮めた。

    7号車マルセル・ファスラー / アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ組は、トレルイエが4番手を走行中の18周目に、ハイブリッドシステム内のモータージェネレーター ユニット(MGU)に不具合が発生した。レースを続行するために、Audi Sportチームヨーストは、フロントのドライブシャフトを取り外した状態で、マルセル・ファスラーがレースに復帰。同時にアウディはFIA側に、今回の処置がレギュレーション上どの様に解釈されるかを照会したところ、技術委員長からその状態での走行はホモロゲーション規則に違反するとの指摘を受けリタイアした。

    Dr. ウルリッヒは「今回の事態は、非常に遺憾に思っています。チームは、本来の耐久レースの精神に則り、その時点で出来うる限りの努力と判断をもって、マシンを完走させようとしていました」とコメント。

    Audi Sport LMPプログラム代表のステファン ドライヤーも「僅差で2位となったものの、ルーカス・ディ・グラッシ、ロイック・デュバル、オリバー・ジャービスの3人は、非常に素晴らしいパフォーマンスとファイティング スピリッツを発揮しました。彼らに加え、素晴らしいチーム力を発揮してくれた、富士に来たクルーやノイブルクとネッカーズルムでサポートしているすべてのチーム員に心から感謝しています。残念ながら7号車は、テクニカルトラブルに見舞われてしまいました。2度目のトラブル発生に対し誠に遺憾に思います。次回のレースでは、1-2フィニッシュを飾ることを望みます。」と述べた。

    全9大会のうち第8戦目となる次回は、わずか3週間後の11月6日に、アウディ最大のマーケットに成長した中国の上海で開催される。

    Audi WEC Fuji関連:WEC 富士6時間レース 結果:トヨタがホームレースで今季初優勝!

  • 【動画】 2016 WEC 富士6時間レース 決勝ハイライト

    【動画】 2016 WEC 富士6時間レース 決勝ハイライト

    2016年 FIA世界耐久選手権(WEC) 第7戦 富士6時間レースの決勝が16日(日)、富士スピードウェイで行われた。

    富士山の麓で行われた6時間レース決勝は常時ドライコンディションの下で行われ気温は20℃前後だった。

    レースは最終ラップまでの激戦を制したTOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID #6号車がホームコースである富士スピードウェイで今季初勝利を飾った。

    LMP2クラスはG-DRIVE RACINGの26号車、GTE ProクラスはFORD CHIP GANASSI TEAM UKの67号車、GTE AMクラスはASTON MARTIN RACINGの98号車が優勝した。

    2016年 FIA世界耐久選手権(WEC) 第7戦 富士6時間レース 決勝

    関連:WEC 富士6時間レース 結果:トヨタがホームレースで今季初優勝!

  • トヨタ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 決勝レポート

    トヨタ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 決勝レポート

    10月16日(日)、2016年FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースの決勝が行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID #6号車がホームコースである富士スピードウェイで今季初勝利を飾った。#5号車も4位フィニッシュを果たした。

    大勢の熱心なファンの皆様が見守る中、LM P1-Hカテゴリーを戦うアウディ、ポルシェ、トヨタの3メーカーのハイブリッド・レーシングカーによる超接近戦が展開された。

    5時間を経てもトップ3台が10秒以内で首位を争う白熱したレースを展開。小林可夢偉が最後のスティントを担当した#6号車が逃げ切って今季初勝利を獲得した。トヨタにとっては2014年11月のバーレーン大会以来となる、WECでの通算11勝目。富士で行われた5年間のWEC戦で4勝目を挙げた。また、この勝利で#6号車の3名のドライバーはランキングでも首位に23ポイント差の2位に浮上した。

    #5号車も上位争いから大きく離されることなく6時間を戦い抜き、優勝したチームメイトの#6号車から約53秒遅れで4位フィニッシュ。今季の不運を断ち切り、ベストリザルトを記録した。

    この日のレースはスタートから接近戦の様相を呈した。#6号車は小林可夢偉、#5号車は中嶋一貴がスタートを担当し、スタート直後はそれぞれ4位、6位となったが、最初のピットストップを終えた時点で#6号車は2位、#5号車も4位へとポジションを上げた。

    その後、小林から#6号車のステアリングを引き継いだマイク・コンウェイはアウディ#8号車と僅差の首位争いを展開。アンソニー・デビッドソンへと交代した#5号車も4位から表彰台を争った。

    首位争いにはポルシェの#1号車も加わり、レースが半分を過ぎても、LM P1-Hクラスを戦う3メーカーによって勝利を目指し三つ巴のバトルが続けられた。

    4時間を過ぎても、首位を争う3メーカーの3台は10秒以内でのバトルを継続。そこから30秒ほど離れた#5号車は中嶋が再びステアリングを握り、トップ3との差を詰めていった。

    多くの周回遅れ車両による激しいコース上の混雑をかわしながら、アウディ#8号車、ポルシェ#1号車とのバトルを繰りひろげた#6号車は、2位を守って残り1時間半ほどで、ステファン・サラザンから小林へとドライバーチェンジ。

    トップ3台がほぼ同じペースで周回を重ねた終盤戦、小林は残り44分を切ったところで迎えた最後のピットストップでタイヤ無交換作戦をとり、タイヤ交換に費やす時間を省いて首位に躍進。ライバルが新品タイヤに交換し、猛烈なペースで追い上げて来たが、小林は摩耗したタイヤでもペースを堅守。ピットアウト直後は11秒あった2位との差を、最後は1.4秒まで詰められはしたが、見事に逃げ切ってトップでチェッカーを受けた。

    TOYOTA GAZOO Racingはホームコースの富士スピードウェイで今季初勝利。#6号車の小林可夢偉にとればWEC初勝利。#5号車も追従してチェッカーを受け、今季ベストリザルトとなる4位フィニッシュを果たした。

    次戦は2016年シーズンの最終戦のひとつ前となる、第8戦上海6時間レースが11月6日(日)に行われる。

    TS050 HYBRID #5号車(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
    決勝: 4位、244周、ピットストップ6回、スターティンググリッド:3番手、ベストラップ(1分25秒377)

    TS050 HYBRID #6号車(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
    決勝: 1位、244周、ピットストップ6回、スターティンググリッド:4番手、ベストラップ(1分25秒320)

    佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racing代表)
    ホーム富士でのレースはLMP1-Hの参戦3メーカーによる緊張感に満ちたエキサイティングなレースとなり、それは、まるで6時間のスプリントレースとも呼べるものでした。チームスタッフは、今日のこの“超接戦”でこれ以上はないと言うほど全力を尽くしました。フルコースイエローの無いクリーンなレースで、コース上での速さ、ピットワーク、そしてタイヤ戦略が結果に繋がりました。共に戦ったライバル、アウディとポルシェも素晴らしい戦いをされました。ホームコースでのレースで素晴らしい仕事をこなしてくれたチームスタッフや、これまで厳しい仕事を続けてくれたトヨタ自動車東富士研究所の仲間やケルンの従業員にも感謝を述べたいと思います。また、本日、富士スピードウェイで熱い応援を頂いたファンの皆様に心から御礼を申し上げます。

    中嶋一貴
    今季TOYOTA GAZOO Racingが初勝利を挙げることが出来たのは、チーム全員にとって最高の結果です。我々の#5号車は、特に序盤苦戦し、主にコース上の混雑でタイムをロスしてしまいました。その後は首位グループと同等のペースで走ることが出来ましたが、ギャップを縮めるまでには到りませんでした。しかし、チームがこのレベルまで進歩を遂げたことにとても嬉しく思います。また、応援してくれた日本のファンの皆様やトヨタの社員の方々に素晴らしいレースを見て頂けたのは幸せでした。

    アンソニー・デビッドソン
    ホームコースで勝つことが出来たことは、チームにとって最高の栄誉です。また、富士スピードウェイでの勝利記録を伸ばすことも出来ました。残念ながら我々の#5号車は首位争いに加わることが出来ず、表彰台に上ることは叶いませんでした。しかし、チームメイトの表彰台を共に祝え、集まってくれたファンの皆様の前で素晴らしい戦いをお見せできたことを、この上なく嬉しく思っています。

    セバスチャン・ブエミ
    ホームコースで勝利を挙げたチームメイトに祝福を送ります。#6号車は勝利に値する素晴らしいレースをしました。我々も今季ベストリザルトを記録できましたが、望んでいた結果には届きませんでした。ベストは尽くしましたが、僅かに足りませんでした。とはいえ、チームが再び勝利を勝ち取れたことは、今季の残り2戦へ向け、とても勇気づけられる結果です。

    小林可夢偉
    チームの全員が素晴らしい仕事をしてくれたことが、この好結果に繋がりました。予選の後、感触は良かったので、ホームレースで勝利を勝ち取るために全力で臨みました。それだけに、地元のファンの皆様やトヨタの社員の方々の前で優勝という最高の結果を成し遂げられて嬉しく思っています。皆様の大きなサポートに感謝します。本当に大変なレースでつかんだ勝利でしたが、まだ優勝の実感はありません。最後、タイヤ無交換でのダブルスティント走行はリスクはありましたが、勝つことだけを考えての選択だったので、それがこの結果となって最高の気分です。

    ステファン・サラザン
    ホームレースで勝つことが出来て、最高の気分です。ル・マンの後、今大会はTOYOTA GAZOO Racingにとっては最も重要なレースでしたので、全力を尽くして戦い、信じられないような素晴らしい結果になりました。マイクは見事な仕事をしてくれましたし、可夢偉も最高の走りを見せてくれました。2回連続した私自身のスティントでは、コース上の混雑に苦しめられましたが、全般的に見れば我々は良いペースでレースを戦うことが出来ました。ここ富士で高い競争力を望んでいたので、チームに取っても、ファンの皆様に向けても良い結果を出すことが出来て幸せです。

    マイク・コンウェイ
    最高の気分です。レースウィークの最初から感触は良く、チャンスはあると思っていました。決勝レースは最初から最後まで接近戦で、ラップタイムもコンマ1秒を争うような戦いでした。緊張の張り詰めたレースで、最後の1時間はとても長く感じられました。最後のダブルスティントを担当した可夢偉が最高の仕事をしてくれました。タイヤ無交換作戦はどうなるか分かりませんでしたが、彼は見事にやり遂げてくれました。チームも素晴らしい仕事でピット作業も早く、戦略も完璧で今日の大きな勝利の一因でした。

    関連:WEC 富士6時間レース 結果:トヨタがホームレースで今季初優勝!

  • ポルシェ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 決勝レポート

    ポルシェ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 決勝レポート

    ポルシェのワークスチームがFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦する2台の919ハイブリッドは、富士スピードウェイで行われた6時間耐久レースで3位と5位に入賞した。

    これによって全9戦で争われるWECの7戦終了時点でポルシェはマニュファクチャラーズ選手権、ドライバーズ選手権ともにトップの座を維持している。トヨタは自身のホームサーキットで優勝を遂げた。244周に及ぶレースがフィニッシュした時、3つのマニュファクチャラーが参戦するLMP1クラスのトップ3台の差は僅か18秒だった。

    昨年のチャンピオンチームである、ティモ・ベルンハルト、ブレンドン・ハートレー、マーク・ウェバー組は2番手グリッドからスタートし、レース中はトップを快走する場面もありまったが、最終的には3位でレースを終えた。今年のル・マンウィナーであり現時点でのポイントリーダーであるロメイン・デュマ、ニール・ジャニ、マルク・リーブ組は6番グリッドからスタートし、マシンのバランス不足を抱えながら5位に入賞したものの、ドライバーズ選手権を争うチームがより多くのポイントを獲得したため、リードは23ポイントに減った。一方でマニュファクチュアラーズ選手権においてポルシェ(263ポイント)は、アウディ(204ポイント)に対するリードを広げた。トヨタは174ポイント。今シーズンのWECで、残るは2つの6時間レースとなる。

    富士山の麓で行われた6時間レース決勝は常時ドライコンディションの下で行われ気温は20℃前後だった。

    カーNo.1のレース展開
    スタートドライバーのマーク・ウェバーは序盤カーナンバーのアウディを追い続けた。21周目、以前F1ドライバー仲間であった小林可夢偉が駆ってハイペースを保つカーナンバー6のトヨタにポジションを譲りことになった。この時点でのポジションはトップがカーNo.8のアウディ、次にカーナンバーのトヨタ、そしてカーナンバーのポルシェという順位で、レース中、5回の給油とドライバー/タイヤ交換を含むピットストップの時を含めてこの前後関係はほとんど変わりはなかった。

    36周目、ウェバーからティモ・ベルンハルトへ交代し、73周目にはブレンドン・ハートレーがコクピットに乗り込む。110周目にウェバーが再びステアリングを握り、147周目にはまたベルンハルトへ交代する。雲が空を覆い路面温度が下がるにつれてカーナンバー1のポルシェは2位を走るトヨタに迫る。156周目、ベルンハルトはトヨタのステファン・サラザンに襲い掛かるが、一度は阻まれるが、次のラップ、ベルンハルトはオーバーテイクに成功し、トップを行くアウディとの差を縮める。そして183周目、トップに立つ。ピットストップの後、カーナンバー1はカーナンバー6の後ろの3番手でコースに復帰する。ニュージーランドのドライバーと小林は何度かポジションを入れ替る。小林可夢偉は2位を走行中にタイヤ無交換で最終ピットストップを行うが、ハートレーは220周でピットストップし、タイヤを交換してウェバーに最終スティントを託す。マーク・ウェバーはマシンのバランスに手を焼いてポジションを戻すことは叶わず、3位でチェッカードフラッグを受けることになった。

    カーNo.1のレース展開
    ロメイン・デュマはスタート直後に5番手へポジションを上げるが、1周後にはまた6番手に戻る。15周目、カーナンバー7のアウディにトラブルが発生して、ロメイン・デュマは自動的にポジションを上げた。無線からはリアの挙動が安定しないことを伝えてくる。36周を走り終えた後、ニール・ジャニが次に乗車し、ダブル・スティントをこなすことになった。コースインした直後、彼は前走車を追い上げることができたが、73周を終了してタイヤ交換した後、バランスの悪化に直面した。路面から拾ったタイヤ滓がフロントカウルに潜り込んだせいで空力に影響を及ぼした。このため110ラップ時点でのピットストップ時にフロントカウルを交換することになった。マルク・リーブはそのまま走り続け、147周目にデュマに交代し、183周目からはジャニが最後のスティントを担当した。このニール・ジャニは220ラップで給油ストップを行った時点でポジションを上げる可能性は消え、最終的に5位でフィニッシュした。

    レース後のコメント
    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「ル・マンから全てのレースで我々は勝ち続けてきました。今日は上位3台が最後まで僅差で争うエキサイティングなレースを戦い、ポディウムに上る事が出来ました。ホームグラウンドで優勝したトヨタの皆様を祝福いたします。同様にアウディの強力なパフォーマンスにも敬意を表します。今日のレースの結果、マニュファクチュアラーズ選手権においてさらに優位に立ちました。今シーズンもいよいよ残り2レースとなりましたが、最後まで精一杯戦います」

    アンドレア・ザイドル (チーム監督)
    「トヨタは勝利に値する素晴らしい戦いをしました。おめでとうございます。今日はレースを通して、彼らを上回るには少し力が足らなかったようです。2台の919ハイブリッドをドライブした6人の尽力には感謝しています。カーナンバー1はレースの半分以上に渡って前を行く2台を追いかける事が出来ましたが、残念ながら最後に履いたタイヤのセットでレースを勝つために充分なパフォーマンスを発揮できませんでした。カーナンバー2にとっては厳しい場面の多いレースでした。上海戦に向けて、今日起こった全ての出来事の分析をします。それでも919ハイブリット向きとは言えない富士で、マニュファクチュアラーズ選手権のポイント差は広げました。ドライバーズ選手権でもカーナンバー2は余裕あるリードを保っています」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)
    ティモ・ベルンハルト
    「スタートを担当したマークから引き継いだスティントでは全て順調で、トヨタのステファン・サラザントとフェアなバトルが出来ました。一度は彼に抜き返されましたが、二度目のアタックで仕留めました。しかしトップのアウディに迫った時、LMP2クラスのマシーンを避けようとしてラインを外した際にタイヤカスを拾ってしまいました。耐久レースではよくある事ですが、特に富士ではたくさんのタイヤカスがコース上に落ちていたようです。タイヤに付着したゴムを取り除くのに時間を費やした結果、トップとの差は広がりました。トップの3台で素晴らしいレースが出来たと思います。2016年に富士で行われたこのイベントは、耐久レースの魅力が詰まっていました」

    ブレンドン・ハートレー
    「3番目にクルマに乗り込み、スムースなスティンでした。2度目のスティントではトヨタと良いバトルを戦いました。最後のピットストップで彼らはタイヤ無交換で、我々は新しいタイヤを履いてコースに戻りました。 タイヤの磨耗を考えれば当然の事ながら我々が有利になるはずでしたが、残念ながら3位に留まりました。3連勝の後だっだだけに、残念なレースでした。それでも力強いパフォーマンスを見せる事は出来ました」

    マーク・ウェバー
    「1ラップ目は全車がポジションをキープしました。その後は序盤にしてアウディとトヨタに突き放される厳しい展開の中、気温が下がると状況は良くなり何とかトップ争いに踏み止まる事ができました。2度目のスティントでは前を行く2代のピットストップで問題が起きたため、差が詰まりました。レースの殆どでトップ3は近い位置を走り、誰が勝っても不思議ではない展開でした。トヨタの勝利を祝福いたします」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー2)
    ロマン・デュマ
    「スタートではリスクを取らなかったにも関わらずトラブルが発生し、クルマのコントロールに手こずりました。フロントのボディワークを調整しバランスを変更した後、だいぶ状況は改善されました。次のスティントではグリップを感じる事が出来ました。もちろん今日のレース結果に満足はしていません」

    ニール・ジャニ
    「レース序盤であまりに多くの時間を失いました。ドライバー交代せずに2つのスティトを続けてドライブしました。2度目のスティントでタイヤカスがフロントノーズを直撃してエアロダイナミクスのバランスが狂ったようです。ノーズを交換した後はトップのアウディと遜色ないペースで走れました。チャンピンになるには、まだまだ進歩が必要です」

    マルク・リーブ
    「難しい1日でした。バランスを失ったため運転するのが難しく、戦うにはクルマが遅すぎました」

    911RSRが参戦するGTE-Amクラスではメキシコシティーで勝利したポルシェカスタマーチムのKCMGが3位に入りポディウムに上がった。ポルシェワークスドライバーのリヒャルト・リーツ(オーストリア)とミヒャエル・クリステンセン(デンマーク)は、GTE-Proクラスで7位フィニッシュとなった。

    上海で行われるWEC第8戦は11月6日に開催される。

    関連:WEC 富士6時間レース 結果:トヨタがホームレースで今季初優勝!