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  • アイザック・ハジャー F1イタリアGP欠場が決定 手首の痛み続き復帰を断念

    アイザック・ハジャー F1イタリアGP欠場が決定 手首の痛み続き復帰を断念

    アイザック・ハジャーが、今週末にモンツァで開催される2026年F1第13戦イタリアGPを欠場することになった。夏休み中に負傷した手首の痛みが依然として残っており、オランダGPに続いて2戦連続の欠場となる。

    RacingNews365が報じたところによると、ハジャーはイタリアGPでの復帰を目指していたものの、負傷した手首の状態はレースに出場できる段階まで回復していないという。

    レッドブル・レーシングは長期的な健康を優先し、モンツァでも無理に復帰させない判断を下した。

    ハジャーの手首に痛み残る イタリアGP復帰を断念
    21歳のハジャーはF1のサマーブレイク中、トレーニング中のアクシデントで手首を負傷した。この影響で前戦オランダGPを欠場し、代役としてリアム・ローソンがレッドブル・レーシングのRB22をドライブした。

    ハジャー自身はオランダGPの週末にザントフォールトのパドックを訪れており、前腕には保護用のスリーブを装着していた。そこから2週間後のイタリアGPでの復帰に期待が集まっていたが、「スピードの神殿」と呼ばれるモンツァでの一戦は、ハジャーにとってまだ早すぎることになった。

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、ハジャーの負傷が明らかになった当初から、将来的な健康を犠牲にしてまで復帰を急がせる必要はないとの姿勢を示してきた。

    レッドブルとレーシングブルズには代役を務められるドライバーがそろっており、無理にハジャーを復帰させる必要がないことも判断を後押ししたとみられる。

    ローソンと角田裕毅がイタリアGPでも代役続行
    ハジャーが欠場したオランダGPでは、ローソンがレッドブル・レーシングに移り、マックス・フェルスタッペンとともにRB22をドライブ。決勝では7位に入り、6ポイントを獲得した。

    そのローソンのレーシングブルズでのシートには角田裕毅が入り、F1復帰を果たした。角田裕毅は決勝で11位となり、ポイント獲得にはわずかに届かなかったものの、チームメイトのアービッド・リンドブラッドを上回ってフィニッシュした。

    両者がそれぞれの代役として安定したパフォーマンスを見せたことから、イタリアGPでも同じドライバー編成が維持される。

    つまりレッドブル・レーシングはフェルスタッペンとローソン、レーシングブルズは角田裕毅とリンドブラッドという組み合わせでモンツァに臨むことになる。

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング) イタリアグランプリ

    復帰を急がせないレッドブル 長期的な回復を最優先
    今回の決定で重要なのは、ハジャーの状態が深刻化したというより、レッドブル側が復帰にリスクを取らない方針を貫いている点だ。

    F1マシンのステアリング操作では手首や前腕に大きな負荷がかかる。特にモンツァでは高速域からの強いブレーキングが繰り返されるため、十分に回復していない状態での出場は負傷を悪化させるリスクにつながる。

    さらに、オランダGPでローソンと角田裕毅がそれぞれ代役として一定の結果を残したことで、チームにはハジャーの復帰を急がせる理由がない。

    ハジャーにとっては2戦連続の欠場となるが、レッドブル・レーシングとしては目先の1戦よりも、その後のシーズンを万全の状態で戦えることを優先した形だ。

    イタリアGPでは再びローソンがレッドブル・レーシング、角田裕毅がレーシングブルズをドライブする。ハジャーの復帰時期については、手首の回復状況を見ながら改めて判断されることになる。

  • レッドブルF1 アイザック・ハジャーと2027年契約延長へ メキース体制で方針転換

    レッドブルF1 アイザック・ハジャーと2027年契約延長へ メキース体制で方針転換

    レッドブル・レーシングは、アイザック・ハジャーとの契約を延長し、2027年もチームに残留させる方針だと報じられた。2026年のF1でマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めるハジャーのパフォーマンスを、チームは高く評価しているという。

    その背景には、ローラン・メキース代表の下で進むレッドブルのドライバー運営の変化もあるとされる。

    従来のように一人のドライバーを明確に中心へ据えるアプローチから距離を置き、2台をより近い立場で戦わせる方向へチームが変化しているとの報道もあり、ハジャーの契約延長はその新たな方針を象徴する動きとなる可能性がある。

    レッドブルがハジャーとの契約延長へ
    ドイツの『Auto Motor und Sport』によると、レッドブルは21歳のハジャーが今季ここまで見せてきたパフォーマンスに満足しており、現在ではミルトンキーンズとザルツブルクの組織にとって重要な存在とみなしている。

    ハジャーの契約は年ごとに見直される形になっているとされるが、レッドブルは2027年に向けて契約を延長する意向だという。

    フェルスタッペンはすでに2030年末までレッドブルとの契約を延長している一方、2027年のもうひとつのシートについては正式発表されていない。ハジャーとの契約延長が決まれば、レッドブルは早い段階で来季のドライバーラインナップを固めることになる。

    フェルスタッペンの隣で評価を高めたハジャー
    レッドブルにとって、フェルスタッペンのチームメイト選びは長年にわたる課題となってきた。

    ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、リアム・ローソン、角田裕毅らがその役割を経験してきたが、フェルスタッペンの隣で長期的にポジションを確立することは容易ではなかった。セルジオ・ペレスは比較的長くその座を務めたものの、レッドブルは安定して結果を残せるセカンドドライバーを求め続けてきた。

    そのなかで2026年にレッドブルへ加入したハジャーは、シーズン序盤から安定したパフォーマンスを披露。夏休み前には7戦連続でトップ6フィニッシュを記録するなど、フェルスタッペンのチームメイトとして存在感を示した。

    今季ここまでドライバーズランキング8位につけており、モナコGPでは表彰台圏内でフィニッシュ。アルピーヌによるピエール・ガスリーをめぐるレース後の異議申し立てによって最終的に表彰台を失ったものの、その走りはレッドブル内部で高く評価されている。

    メキース体制で変わるレッドブルのドライバー運営
    ハジャーの評価上昇と並行して、レッドブルのドライバーに対する考え方そのものにも変化が生じていると報じられている。

    ローラン・メキース代表は、従来のように一人のドライバーを明確に優先するアプローチを軟化させ、2台をより近い立場で戦わせる方向へチームを動かしているという。

    もちろん、4度のF1ワールドチャンピオンであり、2030年までの長期契約を結んだフェルスタッペンがレッドブルの中心的存在であることに変わりはない。

    一方で、セカンドカーを単なる補完的な存在として扱うのではなく、2人のドライバーがともにポイントを獲得できる環境を整えることは、コンストラクターズ選手権を戦ううえでも重要になる。

    メキース自身も夏休み前、ハジャーの存在についてこう語っていた。

    「かなり長い間いなかった強力なセカンドドライバーがいるというのは良いニュースだ」

    「アイザックは安定して結果を出しているし、チームやマックスから多くのことを学んでいる。我々の2台が少し近づいていることは、マックスにとっても良いニュースだ」

    この発言からも、レッドブルがハジャーの速さだけでなく、フェルスタッペンとの組み合わせそのものをポジティブに評価していることがうかがえる。

    メキースはすでに「論理的な決断」を示唆
    ハジャーの2027年残留について、メキースはハンガリーGP終了後の段階ですでに強いヒントを出していた。

    「将来についてはまだ話し合っていないが、アイザックが素晴らしい仕事をしていることは誰の目にも明らかだ。だから我々は論理的な決断を下すことになる」

    当時は正式な契約交渉について明言しなかったものの、ハジャーのパフォーマンスを考えれば継続起用が自然な選択になるとの考えを示した形だ。

    今回、『Auto Motor und Sport』がレッドブルによる契約延長の方針を報じたことで、メキースが語っていた「論理的な決断」の方向性がより明確になった。

    ハジャーの残留が正式決定すれば、フェルスタッペンのチームメイトが短期間で入れ替わってきた近年のレッドブルにとって、ドライバー面での安定を取り戻す重要な一歩にもなる。

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    イタリアGP出場可否は契約とは別問題
    一方、今週末のF1イタリアGPにハジャーが出場できるかどうかは、2027年の契約問題とは切り離して判断される。

    ハジャーはトレーニング中に手首を骨折したため、前戦オランダGPを欠場。ザントフォールトではレーシングブルズのリアム・ローソンが代役としてレッドブルに復帰した。

    イタリアGPに向けてはハジャーの復帰が期待されているものの、モンツァで実際にマシンへ戻れるかどうかは手首の回復状態を確認したうえで最終決定される見通しだ。

    ただし、今回の契約延長報道を見る限り、イタリアGPへの出場可否がレッドブル内部におけるハジャーの長期的な評価を左右するものではなさそうだ。

    再建を進めるレッドブルにとって重要な残留
    ハジャーとの契約延長は、大規模な組織再編を進めているレッドブルにとっても重要な意味を持つ。

    近年のレッドブルからは、クリスチャン・ホーナー、エイドリアン・ニューウェイ、ジョナサン・ウィートリー、ヘルムート・マルコ、ロブ・マーシャルら黄金期を支えた主要人物が相次いで離脱。さらにフェルスタッペンのレースエンジニアを務めてきたジャンピエロ・ランビアーゼも、マクラーレンへの移籍が決まっている。

    その一方で、新たな体制づくりも進められている。メルセデスで若手育成を担当してきたグウェン・ラグルーを迎え、アストンマーティンからトム・マッカローを獲得。チーフエンジニアのポール・モナハンについても、キャデラックへの移籍を阻止して残留させたと報じられている。

    多くの主要スタッフが入れ替わるなか、ドライバーラインナップまで毎年変更することはチームにさらなる不確定要素をもたらす。

    2026年にフェルスタッペンのチームメイトとして結果を残し、チーム内部からも高い評価を得ているハジャーを継続起用することは、再建を進めるレッドブルにとって合理的な選択といえる。

    メキース体制でドライバー運営にも変化が生まれつつあるとされるレッドブル。ハジャーとの2027年契約延長が正式発表されれば、それは単なる若手ドライバーの残留にとどまらず、新体制が目指すチームづくりを示すひとつの象徴となりそうだ。

  • フェラーリF1 アロンソに伏せてベッテル獲得交渉「不公平な交渉だった」

    フェラーリF1 アロンソに伏せてベッテル獲得交渉「不公平な交渉だった」

    フェルナンド・アロンソが2014年限りでフェラーリを離れた舞台裏には、当時本人が知らされていなかった重要な動きがあったという。アロンソが自身の将来についてフェラーリと交渉を続けていた一方で、マラネロではすでにセバスチャン・ベッテル獲得に向けた動きが進んでいたと、F1ジャーナリストのマーク・ヒューズが明かした。

    2010年から2014年までフェラーリのエースを務めたアロンソは、2010年と2012年に最終戦までF1ワールドチャンピオン争いを繰り広げた。

    しかし、タイトルには届かず、両者の関係は次第に悪化。最終的にアロンソは2014年末にチームを離れ、翌2015年からマクラーレン・ホンダへ移籍した。

    アロンソが知らなかったベッテルとの交渉
    ヒューズがポッドキャスト『F1 Rewind』で語ったところによれば、2014年のアロンソとフェラーリの交渉は、双方が同じ情報を持った状態で行われていたわけではなかった。

    当時、アロンソには2016年までフェラーリとの契約が残っていた。一方で、自身の将来を見据えてメルセデスやマクラーレン・ホンダとも交渉を進めていたという。

    アロンソ自身はフェラーリとの交渉において有利な立場にいると考えていた。

    「アロンソは、自分が非常に有利な立場にいると思っていた。自分こそがフェラーリの中心人物だと考えていた」とヒューズは説明する。

    しかし、その裏側では別の動きが進んでいた。

    当時レッドブルで4年連続F1ワールドチャンピオンとなっていたベッテルには、一定の条件を満たせば契約を解除できる条項が存在していた。2014年、レッドブルは新たなパワーユニット規則への対応で苦戦し、ベッテル自身も新加入のダニエル・リカルドに後れを取っていた。

    ベッテルがレッドブルを離れる可能性が生まれると、フェラーリは獲得へ向けて動き始めた。

    だが、ヒューズによれば、アロンソはベッテルの契約解除条項についても、フェラーリがベッテルと交渉していることについても知らされていなかった。

    「状況は常に変化していた。フェラーリは何が起きているのかを知っていたが、アロンソは知らなかった。だから、本当に不公平な交渉だった」

    「フェルナンドは自分がすべての情報を持っていると思っていた。でも、実際にはそうではなかった」

    フェラーリにはアロンソへ知らせる義務があった?
    さらにヒューズは、フェラーリとアロンソの契約には、チームが他のドライバーと交渉する場合、それをアロンソ側へ知らせることを求める条項が存在していたと主張している。

    これが事実であれば、フェラーリがベッテルとの交渉をアロンソに伏せていたことには、契約上の問題があった可能性も出てくる。

    ただし、ヒューズによれば、フェラーリ側にもアロンソを完全に手放すと決断できない事情があった。

    ベッテルがレッドブルとの契約解除条項を実際に行使できるかどうかが、まだ確定していなかったからだ。

    「起こり得たのは、セバスチャンが契約解除条項を発動しない、あるいは発動できる状況にならないことだった。その場合、フェラーリにはアロンソに残ってもらう必要があった」

    つまりフェラーリは、ベッテル獲得の可能性を探りながら、もし交渉が成立しなかった場合に備えてアロンソを残す選択肢も維持していたというのがヒューズの説明だ。

    アロンソから見ればフェラーリとの将来を巡る交渉だったが、フェラーリ側から見れば、ベッテル獲得の成否を見極めながら進める二重の交渉だったことになる。

    ミハエル・シューマッハがベッテル獲得を推薦
    ベッテルのフェラーリ加入には、ミハエル・シューマッハも間接的に関わっていたという。

    シューマッハとベッテルは親しい関係にあり、ヒューズによれば、シューマッハは当時フェラーリ会長だったルカ・ディ・モンテゼーモロにベッテル獲得を推薦していた。

    「ルカをその気にさせるのに、それほど説得は必要なかった」とヒューズは振り返る。

    重要なのは、その動きが2014年になって突然始まったものではなかったとされている点だ。

    ヒューズの説明では、シューマッハからモンテゼーモロへの推薦を含め、ベッテルを将来のフェラーリドライバーとして迎える構想は2013年の段階ですでに存在していたという。

    つまり、フェラーリが2014年の新F1パワーユニット規則への対応に苦戦したことだけが、アロンソからベッテルへの交代を決定づけたわけではない可能性がある。

    フェルナンド・アロンソ(スクーデリア・フェラーリ)

    関係悪化の始まりは2010年アブダビGP
    アロンソとフェラーリの関係が決定的に悪化するまでには、数年間にわたる積み重ねがあった。

    ヒューズが大きな転換点として挙げたのが、2010年F1最終戦アブダビGPだ。

    アロンソはフェラーリ加入初年度からタイトル争いを展開し、ポイントリーダーとして最終戦を迎えた。しかし、決勝ではフェラーリの戦略が裏目に出て、ルノーのヴィタリー・ペトロフを抜けないまま7位でフィニッシュ。ベッテルに逆転され、3度目のF1ワールドチャンピオン獲得を逃した。

    ヒューズによれば、この敗戦を境にフェラーリとアロンソの関係性は変わり始めたという。

    「ほとんどすべてが、その瞬間から壊れていった。それ以降、うまくいかなければチームの責任で、うまくいけばフェルナンドのおかげ、という構図になった」

    ヒューズは当時、モンテゼーモロ本人からも同様の不満を聞いていたと明かしている。

    「彼は基本的にこう言っていた。アロンソは素晴らしいドライバーだが、うまくいったときは『アロンソだから』で、うまくいかなかったときは『チームのせい』になると感じていた」

    2010年のタイトル逸失だけで両者の関係が破綻したわけではない。しかし、その後もフェラーリはアロンソが望むだけの競争力を持つマシンを用意できず、不満が蓄積していった。

    2014年に決着 アロンソ離脱とベッテル加入
    2014年にはF1がV6ターボ・ハイブリッド時代へ移行したが、フェラーリはメルセデスに大きく後れを取った。

    一方のレッドブルも、それまでの圧倒的な優位を失い、4連覇王者だったベッテルはチームメイトのリカルドに苦戦した。

    その状況下でベッテルはレッドブル離脱を決断。フェラーリはアロンソとの契約を予定より早く終了させ、ベッテルをキミ・ライコネンのチームメイトとして2015年から迎え入れた。

    アロンソはマクラーレンへ移籍し、ホンダがF1にパワーユニットサプライヤーとして復帰する新プロジェクトに参加した。

    結果だけを見れば、アロンソがフェラーリに見切りをつけ、ベッテルがその後任として加入したというドライバー交代だった。

    しかしヒューズの証言を踏まえると、その過程はより複雑だったことになる。

    フェラーリはベッテルという次の選択肢を水面下で確保しようとしながら、その交渉が成立しなかった場合に備えてアロンソ残留の可能性も維持していた。一方のアロンソは、その重要な情報を知らないまま自身の将来を巡る交渉を進めていたとされる。

    2014年末の離別は一つのシーズンの不振によって突然決まったものではなく、2010年アブダビGPを起点とする関係悪化と、2013年頃から進んでいたとされるベッテル獲得構想が重なった末の結末だったというのが、今回ヒューズが明かした内幕である。

  • 角田裕毅 オランダGPで評価を上げ2027年ハースF1候補に再浮上

    角田裕毅 オランダGPで評価を上げ2027年ハースF1候補に再浮上

    角田裕毅が、2027年のF1復帰に向けて再びハースのドライバー候補に浮上している。オランダGPでレーシングブルズから緊急参戦し、限られた準備時間のなかで見せたパフォーマンスによって、パドックでの評価を改めて高めたようだ。

    F1公式サイトのローレンス・バレットによれば、角田裕毅はオリバー・ベアマンのチームメイト候補として再び検討対象に入っているという。

    ハースではエステバン・オコンの2027年シートが不透明となっており、角田裕毅にとってF1復帰への有力なルートとなる可能性が出てきた。

    オランダGPの緊急参戦でF1復帰へアピール
    角田裕毅に突然チャンスが巡ってきたのは、夏休み中にアイザック・ハジャーが手首を負傷したことがきっかけだった。レッドブル・レーシングはハジャーの代役としてリアム・ローソンを起用し、空いたレーシングブルズのシートにはリザーブドライバーを務めていた角田裕毅が入った。

    角田裕毅にとっては2025年最終戦アブダビGP以来となるF1実戦であり、2026年型マシンでレースウイークを走るのは初めてだった。しかもオランダGPはスプリントフォーマットで、通常よりもフリー走行が少ない。レーシングブルズのVCARB 03をシミュレーターで初めて試したのもレース直前の水曜日だった。

    それでも角田裕毅はセッションを重ねるごとにマシンへの理解を深めた。グランプリ予選ではQ1を突破し、Q2では12番手。チームメイトのアービッド・リンドブラッドとの差をわずか0.102秒まで縮めた。

    決勝ではピエール・ガスリーとポイント圏内を争い、最終的には11位。ポイント獲得こそ逃したものの、長期間F1の実戦から離れ、初めて扱うマシンだったことを考えれば、その適応力は強い印象を残した。

    角田裕毅自身もオランダGP終了後、短期間で自分の力を示すことができたとの手応えを語った。

    「自分に何ができるかは分かっていますし、今回の1レースと数セッションだけでも、パドックの多くの人たちに自分が何をできるかをかなり示せたと思います」

    「ポイント近くで戦うことができました。もちろんポイントを獲れればもっと良かったですけど、そのためにできることはすべてやったと思っています」

    さらに2027年については、「僕のマネージャーと、来年のラインナップをまだ決めていない他のチーム次第です。僕を起用したいかどうかですね。でも、起用するべきだと思います!」とアピールしている。

    ハースの2027年候補に角田裕毅が再浮上
    オランダGP前まで、角田裕毅のF1復帰への道は決して広いとはみられていなかった。インディカーへの転向も選択肢として取り沙汰されるなか、2027年のF1グリッドでは各チームのラインナップが次々と固まりつつある。

    しかし、ザントフォールトでの緊急参戦が状況を変えた。

    F1公式サイトのローレンス・バレットは情報筋の話として、角田裕毅がハースの2027年シートをめぐって「再び候補に入った」と伝えている。

    ハースではベアマンの残留が有力視される一方、オコンの将来は確定しておらず、そのシートをめぐって複数の候補が浮上している。

    角田裕毅にとって追い風となるのは、小松礼雄が以前からその能力を評価していることだ。ハースは過去にも角田裕毅の獲得に関心を示したとされており、レッドブル側が2026年のドライバー選択を検討していたことから実現には至らなかった。

    今回のオランダGPは、角田裕毅にとって小松礼雄をはじめとするハース首脳陣に自身の実力を改めて示す機会になった。

    一方、小松礼雄は2027年のドライバー決定を急ぐつもりはないとして、現行ドライバーのパフォーマンスを見極めながら判断する姿勢を示している。

    「我々はまったく急いでいません。今はオリーとエステバンという2人のドライバーに集中し、彼らから最大限を引き出そうとしています」

    「彼らに何ができるかは分かっています。オリーはそれを何度も示していますし、エステバンもマシンに満足しているときに何ができるかは分かっています」

    角田裕毅 ハースF1チーム

    カマラ、フォルナローリ、平川亮らもハースのシート争い
    もっとも、角田裕毅が2027年ハースの最有力候補になったというわけではない。

    ハースは将来の選択肢を幅広く検討しており、ラファエル・カマラ、レオナルド・フォルナローリ、平川亮らも候補として名前が挙がっている。3人はポルティマオで行われたハースのTPC(旧型車テスト)にも参加しており、チームは複数のドライバーを評価している。

    カマラはハースにパワーユニットを供給するフェラーリと契約している。一方、平川亮はハースのタイトルスポンサーであるトヨタとの結びつきが強い。

    フォルナローリにはそうした直接的な後ろ盾はないものの、所属するマクラーレンがF1シート獲得に向けてハースに競争力のある条件を提示する用意があるとも伝えられている。

    そのなかで角田裕毅が持つ大きな武器は、すでに豊富なF1経験を備えていることだ。オランダGPでは2026年型マシンをそれまで一度もドライブしていなかったにもかかわらず、限られた走行時間のなかでリンドブラッドに迫り、決勝でもポイント圏内を争った。

    若手ドライバーの将来性を取るのか、それとも即戦力としての経験を重視するのか。ハースにとって2027年のドライバー選択は、その判断も重要なポイントになりそうだ。

    2027年F1復帰へハースが重要な選択肢に
    角田裕毅にとっては、2027年のF1グリッドに残された選択肢そのものが限られつつある。

    上位チームではすでにラインナップが固まり、ウィリアムズとアルピーヌも2027年の体制を決めている。アウディ、キャデラック、レーシングブルズについても、現行ラインナップを維持する可能性が高いとみられている。

    そのため、現時点ではハースが角田裕毅にとってF1レギュラー復帰を実現するうえで最も重要な選択肢のひとつとなる。

    オランダGPの前にはインディカーへの転向も取り沙汰され、F1復帰への道が狭まりつつあるように見えた角田裕毅。しかし、ハジャーの負傷によって突然巡ってきた一度のチャンスを生かし、ほとんど準備のない状態から2026年型マシンでポイント圏内を争うパフォーマンスを披露した。

    その走りによって、角田裕毅は再び2027年のF1ドライバー市場で存在感を高めた。以前から角田裕毅を評価してきた小松礼雄率いるハースが最終的にどの選択を下すのか。オランダGPでの好走は、角田裕毅のF1復帰への道を再び開く重要なアピールとなった。

  • ハースF1 イタリアGPで後半戦の命運握る大型アップデート投入「中団争いに戻る」

    ハースF1 イタリアGPで後半戦の命運握る大型アップデート投入「中団争いに戻る」

    ハースF1チームは、2026年F1第13戦イタリアGPでVF-26に大型アップデートを投入する。今季の欧州ラウンドで苦戦を強いられてきたチームにとって、モンツァで導入する新パッケージは、シーズン後半戦で再び中団争いに加われるかを左右する重要なアップデートとなる。

    ハースはマシン製造をイタリアのダラーラに委託し、フェラーリの本拠地マラネロにも設計拠点を置く。

    そのためイタリアGPはチームにとって“ホームレース”に近い意味を持つ一戦でもあり、エステバン・オコン、オリバー・ベアマン、小松礼雄チーム代表はいずれも、新パーツから最大限のパフォーマンスを引き出すことを最優先課題に挙げている。

    モンツァ仕様だけではない「包括的アップデート」
    モンツァはF1カレンダーの中でも最高速度が最も高いサーキットのひとつであり、各チームは通常、ドラッグを抑えた低ダウンフォース仕様を投入する。

    しかし、今回ハースが用意する変更は単なるモンツァ専用の空力仕様にとどまらない。オコンは「中団のライバルたちのレベルに戻る」ことを狙った包括的なアップデートだと説明している。

    フェラーリ製パワーユニットがストレートで相対的に苦戦していることは懸念材料となるものの、オコンは新しいパッケージへの期待を隠さない。

    「チーム全体がいくつかの理由から、このレースをかなり前から楽しみにしていた」

    「まず、僕たちにはイタリアに設計オフィスがある。現地のチームと一緒に仕事をする素晴らしい機会だし、彼らにとっても、自分たちが懸命に取り組んできたものが実際にコースを走るところを見ることができる」

    「そして2つ目に、モンツァには包括的なアップデートを持ち込む。中団のライバルたちのレベルに僕たちを戻すことを狙ったものだ」

    オコンはハンガリーGPとオランダGPではVF-26に比較的好感触を得ていたとし、その流れを新パッケージにつなげたいと語る。

    「ブダペストとザントフォールトは、僕自身としてはポジティブだった。マシンの中で快適に感じられていたし、僕たちが持っていたパッケージから本当に最大限を引き出せたと思う」

    「だから、その流れを続けたい。初日からアップデートの性能を最大限に引き出して、ポイント争いに戻りたい」

    ベアマン「大きなパフォーマンス向上を期待している」
    オリバー・ベアマンにとっても、モンツァはザントフォールトでの失望を払拭する重要な週末となる。ハースはオランダGPで2台とも完走できず、結果を残すことができなかった。

    「レースを完走できなかったときは、当然すぐにマシンへ戻って、もう一度仕事を始めたくなる」

    ベアマンも今回のアップデートには大きな期待を寄せている。

    「でも今週末に走るのが楽しみなのはそれだけじゃない。僕たちはアップデートを持ち込むし、それによってマシンに大きなパフォーマンス向上が加わることを期待している」

    「今シーズンのヨーロッパでの戦いは僕たちにとって厳しかった。だから、ここを終えるときには残りのシーズンに向けて楽観的な気持ちになっていたい」

    フェラーリ・ドライバー・アカデミー出身のベアマンにとって、モンツァそのものにも特別な意味がある。

    「『スピードの神殿』は僕のお気に入りのサーキットのひとつだ。パラボリカやアスカリを走っていると、文字通り歴史の中を走っているように感じる」

    「コースの外ではティフォシが信じられないような雰囲気を作ってくれる。フェラーリ・ドライバー・アカデミーの一員として、その愛情の一部を感じられる僕は本当に幸運だと思う」

    ハースF1チーム イタリアグランプリ

    小松礼雄「フリー走行を最大限に活用することが重要」
    小松礼雄チーム代表も、モンツァで新たなアップデートパッケージを投入することを認めている。

    一方で、新パーツを装着すれば即座に速くなるわけではない。限られたフリー走行の中でデータを集め、実際に狙い通り機能しているのかを評価し、セットアップを最適化する作業が重要になる。

    「イタリアGPは、マラネロに設計オフィスを置いている私たちにとって、いつも特別なイベントです」

    「多くの仲間をモンツァに迎えて、彼らが毎日取り組んでいる仕事が何につながっているのかを実際に体験してもらえますし、本当に特別な雰囲気を楽しんでもらうこともできます」

    ハースにとって前戦ザントフォールトは、運営面では一定の収穫があったものの、純粋なパフォーマンスという面では満足できるものではなかった。

    「ザントフォールトでのフラストレーションの残る週末を完全に過去のものにしたいという気持ちでイタリアに向かいます」

    「オペレーション面では確かにポジティブな部分もありましたが、最終的にはVF-26からもっとパフォーマンスを引き出す必要がありました」

    「今週末はマシンにもうひとつアップデートパッケージを持ち込みます。そのため、フリー走行の時間を最大限に活用し、データを徹底的に評価して、中団でさらに前進するための努力を続けることが改めて重要になります」

    2025年終盤の再現を狙うハース
    ハースが今回のアップデートに期待を寄せる背景には、前年の経験もある。チームは2025年もシーズン後半までマシン開発を継続し、終盤戦に入ってからパフォーマンスを引き上げることに成功した。

    小松礼雄は、2026年も同様に開発を止めず、残りのシーズンでVF-26の競争力を高め続けることが目標だと強調する。

    「シーズン後半のレースは速いペースで次々と続きます。それは素晴らしいことですが、間違いなくチャレンジでもあります」

    「昨年は、シーズンがかなり進んだ段階でもパフォーマンスを見つけ続けられることを示しました。今年もそれが一貫した目標です」

    ハースにとってモンツァは、単なる低ダウンフォース仕様への変更を試す週末ではない。今回投入する大型アップデートが狙い通り機能し、中団勢との差を縮められるかどうかは、残る2026年シーズンの戦い方そのものを左右する可能性がある。

    まずは金曜日のフリー走行で新パッケージを正確に理解し、そのポテンシャルを引き出せるか。ハースにとってイタリアGPは、後半戦の巻き返しに向けた重要な分岐点となる。

  • マクラーレンF1 イタリアGPに「Hウイング」投入 低ドラッグ仕様で3連勝狙う

    マクラーレンF1 イタリアGPに「Hウイング」投入 低ドラッグ仕様で3連勝狙う

    マクラーレンF1は、2026年F1第13戦イタリアGPに向け、MCL40にモンツァ専用のロードラッグ仕様を投入する。最大の注目点は、チームが「Hウイング」と名付けたウイングの実戦投入だ。

    マクラーレンはハンガリーGPとオランダGPで2連勝を飾り、MCL40の競争力を大きく引き上げてきた。しかし、長いストレートと低ダウンフォースが特徴のモンツァでは要求される性能が大きく異なる。

    チームは直近2戦の勢力図がそのままイタリアGPに持ち込まれるとは考えておらず、ロードラッグ性能とエネルギーマネジメントを週末の重要課題に挙げている。

    モンツァ専用のロードラッグ仕様と「Hウイング」
    マクラーレンは金曜日から2台のMCL40に小規模な空力アップデートを用意するほか、すでに申告済みの高速サーキット向けパーツも投入する。

    その中でも特徴的なのが「Hウイング」だ。名称は2010年のマクラーレンで話題となった「Fダクト」を意識したものとなっている。

    当時のFダクトは、開口部付近に配置されていたスポンサーのロゴに由来して「F」の名称が定着した。今回のHウイングも同様の発想で、その機構が設置される側に掲出されるエティハド(Etihad)の「H」にちなんで命名された。

    さらにマクラーレンは、モンツァに合わせて新しいロードラッグ仕様のリアウイングも投入する。予選までに複数の空力およびロードラッグ仕様を比較し、最終的なパッケージを決定する計画だ。

    2連勝でもモンツァでは勢力図が変わる可能性
    マクラーレンはハンガリーGPとオランダGPで連勝しているが、チームはモンツァで同じ優位性を期待できるとは考えていない。

    マクラーレンのテクニカルディレクター(エンジニアリング)を務めるニール・ホールディは、直近の結果に手応えを示す一方、イタリアGPはまったく異なる性格の戦いになると警戒する。

    「我々は2連勝を挙げてモンツァにやって来る。今シーズンに積み重ねてきた進歩がコース上で結果として報われたことは、チーム全員にとって素晴らしいことだった。再び勝てたことは最高の感覚だったし、さらにプッシュし続けようというチーム全体のモチベーションを高めてくれた」

    「ここ数戦で速いマシンを持っていたことは分かっているが、我々は何も当然だとは考えていない。ここは最近のサーキットとは大きく異なり、ハンガリーやオランダで見られたものとは必ずしも一致しない勢力図になる可能性がある」

    ライバルもシーズン中の開発を続けており、マクラーレン自身もMCL40の性能をさらに引き出す必要がある。

    「ライバルたちは空力とパワーユニットの開発を続けてくる。我々が再び先頭で戦うためには、セットアップやエネルギーマネジメントから、ドライバーが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることまで、あらゆる細部を完璧に実行しなければならない」

    ロードラッグだけではないモンツァ特有の難しさ
    モンツァはF1カレンダーを代表する高速サーキットであり、長い全開区間に対応するためドラッグを可能な限り減らす必要がある。

    一方で、単純にリアウイングを寝かせればいいわけではない。高速域からの強烈なブレーキングではマシンの安定性が必要となり、シケインでは縁石を使いながら方向転換するための良好な動的特性も要求される。

    ホールディは次のように説明する。

    「モンツァは独特のチャレンジを突きつけてくる。長いストレートがあるため、ドラッグを減らすことが非常に重要になる」

    「大きなブレーキングゾーンでは安定性が求められ、シケインでは優れた動的挙動が必要になる。また、ラップ全体を通じてエネルギーにも制限があるため、どのように最適な形で回収し、展開するかを理解することがプラクティスでの重要なポイントになる」

    マクラーレン F1 イタリアグランプリ

    エネルギー戦略が生む「ヨーヨー効果」
    2026年F1マシンにとって、モンツァではパワーユニットの電気エネルギーをどこで回収し、どこで使用するかも大きなテーマになる。

    長いストレートが続くため、ライバル同士で異なるエネルギー戦略を採用した場合、同じラップの中でも場所によって加速性能の優劣が入れ替わる可能性がある。

    「その結果、オーバーテイクのマネジメントが特に重要になる。エネルギーの回収と展開について異なるアプローチを取れば、ラップの場所によって各マシンの優位性が入れ替わる『ヨーヨー効果』が生じる可能性がある」

    これは予選の一発の速さだけでなく、決勝でのバトルにも直結する要素となる。ロードラッグ化による最高速、ブレーキング時の安定性、シケインでの挙動、そしてエネルギー展開をどのように両立させるかがMCL40の競争力を左右する。

    新リアウイングを比較して予選仕様を決定
    マクラーレンは事前シミュレーションに加え、金曜日の走行で複数の仕様を比較する。

    「先頭集団の差は依然として非常に小さい。したがって、イベント前のシミュレーションとシミュレーター作業の精度が、しっかりとしたベースラインを作るうえで極めて重要になる。そこからクリーンなプラクティスセッションを重ね、マシンを微調整してマシンとドライバーのパッケージを最大限に引き出す必要がある」

    「今週末は、新しいロードラッグ仕様のリアウイングを含め、競争力を発揮するために必要だと考えているものを持ち込んだ。Hウイングも初めて使用する。それとともに、いくつかの小規模な空力オプションとロードラッグオプションを評価し、予選に向けた最終仕様を決定する」

    MCL40には「まだ引き出せる性能がある」
    マクラーレンにとってイタリアGPは、ハンガリーとオランダで示したMCL40の進歩が、性格のまったく異なる高速サーキットでも通用するのかを測る重要な一戦となる。

    ホールディは、現在のパッケージだけでもまだ性能を引き出せる余地があり、さらに今後のグランプリに向けたアップデートも予定されていると明かした。

    「全体として、MCL40にはまだ引き出せるパフォーマンスがあることが分かっている。すでに持っているパッケージを最大限に活用することでもそうだし、今後のレースに予定しているさらなるアップデートによっても可能だ」

    また、イタリアGPではOKXとのパートナーシップを記念してMCL40のカラーリングにも変更が加えられる。基本デザインを維持しながらOKXロゴ周辺などに専用グラフィックを採用し、ドライバーはオールブラックのレーシングスーツを着用する。

    2連勝という勢いを持ってモンツァに乗り込むマクラーレンだが、低ダウンフォースという特殊な環境では直近の優位性がリセットされる可能性もある。新しいロードラッグ仕様のリアウイングとHウイング、そして2026年F1で重要性を増したエネルギーマネジメントをどこまで最適化できるかが、3連勝を狙うMCL40の鍵となる。

  • 2026年F1イタリアGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

    2026年F1イタリアGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

    2026年F1第13戦イタリアGPは、9月4日(金)からモンツァ・サーキットで開催される。初日にフリー走行1回目(FP1)とフリー走行2回目(FP2)、2日目にフリー走行3回目(FP3)と予選、最終日の9月6日(日)に決勝レースが行われる。

    舞台となるモンツァ・サーキットは、イタリア北部ミラノ近郊のモンツァに位置するF1屈指の高速サーキットである。

    全長5.793km、11のコーナーで構成され、長いストレートと高速区間を組み合わせたレイアウトから「スピードの神殿」として知られている。決勝は53周で争われる。

    1922年に建設されたモンツァは、1950年のF1世界選手権創設時からカレンダーを支えてきた歴史的な舞台でもある。1980年を除いてイタリアGPを開催し続けており、フェラーリを熱狂的に支持する「ティフォシ」がスタンドを埋め尽くすことでも知られている。

    モンツァ最大の特徴は、F1カレンダーでもトップクラスの平均速度にある。各チームはストレートスピードを最大限に引き出すため、シーズンで最もダウンフォースレベルを落とした専用仕様に近い空力パッケージを投入する。一方で、第1シケインやロッジアなどでは高速域からの強いブレーキングが要求され、低ドラッグだけでなくブレーキング時の安定性も重要となる。

    2026年は新世代F1マシンとパワーユニットで迎える最初のモンツァとなる。長いストレートを持つサーキットだけにエネルギーマネジメントも新たな課題となり、各チームのシミュレーションでは前年より約2秒速いラップタイムが予想されている。

    2026年イタリアGPでは、ピレリは最も軟らかいC3、C4、C5の3種類を選択した。C3がハード、C4がミディアム、C5がソフトとして使用される。モンツァでこの組み合わせが採用されることで、3種類すべてのコンパウンドが決勝戦略の選択肢となる可能性がある。

    モンツァではピットストップによるタイムロスがシーズンでも大きい部類に入るため、基本的にはタイヤを長く持たせる1ストップ戦略が有力となる。ただし、気温と路面温度が高くなればデグラデーションが増加する可能性があり、コンディション次第では戦略の幅が広がることになる。

    イタリアGPは伝統的にフェラーリにとってシーズン最大級のホームイベントとなる。ティフォシが埋め尽くすモンツァで、低ダウンフォース仕様のマシン性能、新パワーユニットのエネルギーマネジメント、そしてタイヤ戦略がどのような勢力図を生み出すかが注目される。

    2026年F1イタリアGP スケジュール
    ■ 9月4日(金)
    フリー走行1:19:30~20:30(現地時間:12:30~13:30)
    フリー走行2:23:00~24:00(現地時間:16:00~17:00)

    ■ 9月5日(土)
    フリー走行3:19:30~20:30(現地時間:12:30~13:30)
    予選:23:00~24:00(現地時間:16:00~17:00)

    ■ 9月6日(日)
    決勝:22:00~(現地時間:15:00~)

    フジテレビNEXT 放送スケジュール(生放送)
    ■ 9月4日(金)
    フリー走行1:19:20~21:10
    解説:松田次生、米家峰起
    実況:堀池亮介

    フリー走行2:22:50~24:40
    解説:松田次生、米家峰起
    実況:堀池亮介

    ■ 9月5日(土)
    フリー走行3:19:20~21:10
    解説:松田次生、川井一仁
    実況:堀池亮介

    予選:22:50~27:00
    解説:松田次生、川井一仁
    実況:堀池亮介

    ■ 9月6日(日)
    決勝:21:20~27:00
    解説:松田次生、川井一仁
    実況:堀池亮介

    FOD 配信スケジュール
    FODでは2026年F1第13戦イタリアGPをライブ配信する。また、フジテレビが8月19日に発表したシーズン後半戦の無料配信施策により、フリー走行1回目(FP1)、フリー走行2回目(FP2)、フリー走行3回目(FP3)は無料配信の対象となっており、FODへの登録なしで視聴できる。

    無料配信ではFOD限定のコメンタリーが使用される。

    ■ 9月4日(金)
    フリー走行1:19:20~(無料配信)
    フリー走行2:22:50~(無料配信)

    ■ 9月5日(土)
    フリー走行3:19:20~(無料配信)
    予選:22:50~

    ■ 9月6日(日)
    決勝:21:20~

    フジテレビは第12戦オランダGPから最終戦アブダビGPまで、フリー走行とスプリント予選をFODで無料配信する。スプリントが実施されないイタリアGPでは、3回のフリー走行がすべて無料配信の対象となる。

    モンツァ・サーキット
    FORMULA 1 PIRELLI GRAN PREMIO D’ITALIA 2026
    2026 イタリアグランプリ
    サーキット名: モンツァ・サーキット
    コース全長: 5.793km
    周回数:53
    レースディスタンス:306.72 km
    ラップレコード:1分20秒901(ランド・ノリス / 2006年)

  • F1イタリアGP 異色のトロフィー「FRAGILE」を発表 食器を重ねた芸術作品

    F1イタリアGP 異色のトロフィー「FRAGILE」を発表 食器を重ねた芸術作品

    2026年F1第13戦イタリアGPで表彰台に立つドライバーたちに贈られるトロフィー「FRAGILE」が公開された。カップや小さなボウルを積み重ねたような、F1のトロフィーとしては極めて異色のデザインとなっている。

    タイトルスポンサーを務めるピレリが、イタリア人アーティストと共同で制作したもので、一見すると今にも崩れそうな食器の塔。しかし、その不安定さには「勝利は永遠ではなく、常に勝ち取り直さなければならない」という意味が込められている。

    モンツァの勝者に贈られる「FRAGILE」
    2026年のイタリアGPは、モンツァ・サーキットで開催される77回目の大会となる。「スピードの神殿」と呼ばれるモンツァはF1カレンダーを代表する歴史的な舞台であり、イタリアのタイヤメーカーであるピレリにとってはホームレースでもある。

    ピレリとモンツァの関係は、F1誕生よりもはるか以前までさかのぼる。1922年9月10日、新設されたモンツァで初めて開催されたグランプリでは、ピエトロ・ボルディーノがピレリタイヤを装着したフィアット804を駆って優勝した。

    その歴史を持つピレリは今年もイタリアGPのタイトルスポンサーを務め、特別なトロフィーと表彰台用キャップを用意した。

    日曜日の決勝後、トップ3のドライバーと優勝チームの代表者が手にするのが「FRAGILE」だ。

    カップとボウルを積み重ねた異色のデザイン
    「FRAGILE」をデザインしたのは、ステラ・スカラとシメオネ・クリスピーノによるイタリアのアーティストデュオ「vedovamazzei」だ。

    ピレリは現代美術館「Pirelli HangarBicocca」と共同で、イタリアGPのトロフィーを国内のアーティストにデザインしてもらうプロジェクトを展開しており、今回で6年目を迎える。

    vedovamazzeiは、日常的な物を別の文脈に置き換えることで、現実に存在する矛盾や複雑さを表現する作品で知られる。

    今回の「FRAGILE」も、その作風を色濃く反映したものだ。

    トロフィーは、カップや小さなボウルといった家庭で使われる食器を縦に積み重ねたような構造になっている。それぞれが微妙にずれながら重なり、今にもバランスを崩しそうな外観を作り出している。

    だが、この不安定さこそが作品の核心だという。

    「トロフィーのアイデアは、祝杯のカップを人から人へと回していた古い伝統から生まれました」とステラ・スカラとシメオネ・クリスピーノは説明する。

    「それは飲み物を入れる大きな器として使われ、祝福や喜びをみんなで共有する感覚を生み出していました」

    イタリアグランプリ 2026年トロフィー 「FRAGILE」

    「勝利は不安定で一時的なもの」
    「FRAGILE」は、勝者がひとりで手にするトロフィーでありながら、その背後に存在するコミュニティーも表現している。

    「私たちは、このトロフィーを個人が手にする勝利の象徴であると同時に、コミュニティーの精神を映し出すものにしたいと考えました」

    「F1の場合、そのコミュニティーにはチーム、ファン、そしてドライバーを取り巻くすべての世界が含まれます」

    さらに、積み重ねられた食器には、F1で勝利を築き上げていく過程そのものが重ねられている。

    「この構成は、繰り返される動作を通じて日常的な側面も想起させます。それは1周ずつ積み上げて獲得する勝利を示しており、決して永遠で不変の地位ではありません」

    「勝利は不安定で、一時的なものであり、もう一度勝ち取らなければなりません。実際、それは“壊れやすい(FRAGILE)”ものなのです」

    食器が崩れそうな状態で積み上げられたデザインと「FRAGILE」という名称には、F1における勝利の儚さが込められている。

    3Dプリントで製造された最先端のトロフィー
    日用品をモチーフとしている一方で、「FRAGILE」の製造には現代的な技術が投入されている。

    制作は紙に描かれたスケッチから始まり、そのデザインをもとにナイロンパウダーを使用した3Dプリントで造形された。

    その後、塗装、電気めっき、研磨といった工程を経て、表面には鏡のような反射性を持たせている。

    伝統的な芸術制作、身近な日用品、そして最新の製造技術を組み合わせた作品というわけだ。

    このプロジェクトでは、2021年にアリーチェ・ロンキ、2022年にパトリック・トゥットフォーコ、2023年にルース・ベラハ、2024年にアンドレア・サラ、2025年にニコ・ヴァシェラーリがイタリアGPのトロフィーを手掛けてきた。

    2026年のモンツァで勝者を待つ「FRAGILE」は、単に奇抜さを狙ったトロフィーではない。1周ずつ積み上げて初めて手にできる一方、その勝利は永遠に保証されるものではなく、次のレースでは再びゼロから勝ち取らなければならない。

    今にも崩れそうなカップとボウルの積み重ねは、F1で勝利することの価値と、その地位の儚さを表現した作品となっている。

  • フェラーリF1 バスールが語る終盤戦変更の影響「開発に回せる資金が増える」

    フェラーリF1 バスールが語る終盤戦変更の影響「開発に回せる資金が増える」

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、2026年シーズン終盤のカレンダーが変更された場合、コストキャップの面でチームの開発に思わぬ恩恵をもたらす可能性があると説明した。

    イランを巡る紛争の影響により、カタールGPとアブダビGPが予定通り開催できるかは依然として不透明となっている。

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、中東で予定されている最後の2戦について9月中旬をめどに最終判断を下す方針を示しており、中止となった場合にはイモラでの欧州代替戦が候補に挙がっている。

    中東2戦の開催可否で変わるPU運用
    シーズン終盤のカレンダー変更は、各チームのパワーユニット(PU)運用にも影響を及ぼす。残りのレース数が確定しなければ、各コンポーネントをどのように割り振るかという計画を立てにくくなるためだ。

    ただし、バスールはフェラーリについては十分な余裕があり、大きな問題にはならないとの見方を示している。

    「エンジンの使用については、残りが10戦なのか12戦なのか分からない状態で何かを組み立てるのは、確かに簡単ではない。ただ、我々にはそれを管理するだけの十分な余裕があると思う。今季ここまで、パワーユニット側ではほとんど問題も起きていない」

    一方、残り2戦の開催可否によってフェラーリの最終的な開発計画そのものを変更することはないという。

    「開発計画は変わらない。最後の2戦だからだ。最後の2戦に新しいものを持ち込むことはない」

    中東遠征の巨額コストを開発費へ転用可能
    より大きな影響が予想されるのがコストキャップだ。

    カタールとアブダビで2戦を開催するためには、マシンや機材、人員を中東へ輸送する巨額のロジスティクス費用が必要になる。一方、欧州での代替開催となれば、その費用の一部を節約し、別の用途へ振り向けられる可能性がある。

    「コストキャップについては、もう少し難しいポイントになるかもしれない。アブダビとカタールへ行って2レースを戦うための費用は莫大だからだ」

    「そこへ行かなければ、その前にその資金を別のところで使うことができる。開発でも、それ以外でもいい。これは我々だけではなく、グリッドのほぼすべてのチームに当てはまると思う」

    特にコストキャップ上限まで予算を使っているチームにとって、中東遠征がなくなれば、浮いた費用を10月の開発活動などへ振り向けることが可能になる。収益性の高い最後の2戦から得られる収入が支払われるかどうかとは別に、支出面で新たな余地が生まれるためだ。

    2026年のコストキャップは2億1500万ドル。上限付近まで予算を投入しているチームであれば、カタールGPとアブダビGPの遠征費が不要になった分だけ、開発やその他の活動へ予算を再配分できる。

    一方、予算規模がコストキャップを大きく下回るハースにとっては、この仕組みの恩恵は相対的に小さく、むしろ上限まで予算を使うライバルが開発費を増やせることで不利になる可能性がある。アルピーヌについても、予算が上限に達しているかは明確ではない。

    9月末が物流面での決断期限
    ただし、カレンダー変更を決めるタイミングには限界がある。

    中東ラウンドを実施する場合、各チームは事前に大量の機材を現地へ送り出す必要があり、開催直前まで判断を先送りすることはできない。

    「どこかの時点で決断しなければならない。ただ、物流上の理由から、全体として9月末までには決める必要があると思う。中東へ機材を送らなければならないので、それ以上先延ばしすることはできない」

    バスールは、9月末までに決定されれば、その後のシーズンを組み立てる時間としては十分だと考えている。

    「9月以降の最後の6戦、あるいは7戦を管理するには十分早い時期だと思う」

    フェラーリがモンツァで重視する「完璧な仕事」
    シーズン終盤のカレンダーが不透明ななか、フェラーリはホームレースとなるF1イタリアGPをモンツァで迎える。

    バスールは、そこで結果を左右するのはマシンが本来持っている純粋な速さだけではなく、週末を通じてその性能をどこまで引き出せるかだと強調した。

    「我々はベストを尽くす。今季ここまで、予想していなかった結果を得られたこともあれば、もっと良い結果を期待していたのに、より苦しんだこともあった」

    前戦オランダGPでは、フェラーリだけでなく上位勢全体にとって、わずかなミスや週末の組み立ての違いが最終順位を大きく左右することが改めて示されたとバスールは考えている。

    「純粋なポテンシャルよりも、実行面で得られるものの方がはるかに大きいと思う。オランダGPから得た最大の教訓は、勝ちたい、トップに立ちたいのであれば、完璧な仕事をしなければならないということだ」

    その例としてバスールが挙げたのが、メルセデスのジョージ・ラッセルだった。

    「これは我々だけではなく、ジョージにも当てはまる。彼はスプリントでは優勝したが、決勝では3位で、我々の後ろの5位で終わるところまでそれほど遠くなかった」

    「実行がうまくいくか、うまくいかないかによって、1位から6位まで動く余地がある。トップ6全員に当てはまるし、マックス(フェルスタッペン)を含めればトップ7だ」

    モンツァでフェラーリが問われるのは、SF-26の絶対的な性能だけではない。僅差で争う上位勢のなかで、セットアップ、予選、戦略、ピット作業まで含めた週末全体をどれだけミスなくまとめられるかが、ホームGPでの結果を大きく左右することになる。

  • アストンマーティン・ホンダF1 入賞はアップグレードではなくアロンソの力?

    アストンマーティン・ホンダF1 入賞はアップグレードではなくアロンソの力?

    フェルナンド・アロンソがF1オランダGPで18番グリッドから9位まで追い上げた走りについて、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、アストンマーティンのAMR26Bそのものよりも「アロンソの力」が結果を大きく左右したとの見方を示した。

    アストンマーティンはザントフォールトで金曜から土曜にかけて苦戦し、スプリント予選と決勝の予選で期待された結果を残せなかった。

    それでもアロンソは日曜の決勝で力強いレースペースを発揮。18番手から9位まで順位を上げ、チームにポイントをもたらした。

    シュタイナー「アロンソの特別なレースが救った」
    シュタイナーは、ハンガリーGP後にはアストンマーティンの進歩を高く評価していた。しかし、ザントフォールトで金曜日からマシンのパフォーマンスを見たことで、その評価を一度見直したという。

    ポッドキャスト『The Red Flags』でシュタイナーは「金曜日、そして予選とスプリントを見た後、私は『彼らの復活について少し過剰に反応していたのではないか』と思った」と語った。

    「そして土曜日の決勝に向けた予選を見て、『これは良い方向には進んでいないな』と思った」

    アストンマーティンは予選でアロンソが18番手、ランス・ストロールが19番手に終わり、2台ともQ1で敗退。前戦までに高まっていたAMR26Bへの期待とは対照的な結果となった。

    しかし、決勝では状況が一変した。アロンソはソフトタイヤで長い第1スティントを走り、レースペースを生かして順位を上げていった。

    シュタイナーは、その結果を単純にAMR26Bの競争力によるものとは捉えていない。

    「フェルナンドにとって特別なレースだった。それが彼らを救った」

    「彼は良いペースを維持することができた。それに今の彼らにとって助けになっているのは、グリッド後方に他から大きく離れた3チームがいることだ」

    つまりシュタイナーは、アストンマーティンが中団上位の競争力を完全に取り戻したというより、アロンソがマシンから結果を引き出した側面が大きかったとみている。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    AMR26Bのレースペースには明確な改善
    ただし、アロンソの9位をドライバーの力だけで説明するのも適切ではない。

    AMR26BはハンガリーGPですでにタイヤデグラデーションの少なさを示しており、ザントフォールトでもその特徴が表れた。アロンソはソフトタイヤで長い第1スティントを成立させ、戦略の自由度を広げている。

    さらに、スプリントでもアロンソとストロールはクリアエアでは比較的良好なペースを示していた。前方を走るアレクサンダー・アルボンを抜けずにタイムを失ったことで結果には結びつかなかったものの、決勝で突然速さが生まれたわけではない。

    ストロールとの直接比較については、決勝序盤にマシンへダメージを負い、最終的にリタイアしたため判断材料にはしにくい。

    それでも、予選では最後尾付近に沈んだAMR26Bが、決勝ではポイント争いのできるペースを示したことは、現在のアストンマーティンが一発の速さよりもロングランで競争力を発揮しやすいことを改めて示す結果となった。

    「アロンソ効果」とマシン改善の両方
    シュタイナーの指摘通り、アロンソが結果を大きく押し上げたことは間違いない。18番グリッドからポイント圏まで戻り、タイヤを管理しながらレースペースを維持した走りは、44歳となった現在もアロンソがF1で違いを生み出せるドライバーであることを示した。

    一方、AMR26Bにもその走りを可能にするだけのレースペースとタイヤマネジメント性能があった。予選での18、19番手という結果だけを見れば失望の週末だったが、決勝ではマシンが持つ別の側面が表れている。

    ザントフォールトでアストンマーティンを救ったのは「アロンソ効果」だったのか、それともAMR26Bの進歩だったのか。実際にはその両方が重なった結果と見るのが妥当だが、シュタイナーは、その中でもアロンソ自身の貢献をより大きく評価している。