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  • アウディF1のWEC優位を他チームが阻止 FIAに圧力で規則変更見送り

    アウディF1のWEC優位を他チームが阻止 FIAに圧力で規則変更見送り

    アウディF1は、WEC(世界耐久選手権)で培った技術を新レギュレーションに活用することで、他チームに対して大きな優位性を得る可能性があった。しかし、その“アドバンテージ”は正式導入前に封じられていたことが明らかになった。

    背景には、既存のパワーユニットメーカーやチームによる働きかけがあったとされ、FIAの判断にも少なからず影響を及ぼしたとみられている。

    前輪回生を巡る攻防とFIAの判断
    新たなF1レギュレーションではエネルギー回生の運用が重要なテーマとなっているが、その中で議論となったのが「フロントアクスルを使った回生システム」だった。

    元マクラーレンのエンジニアであるマーク・スレイドは、ピーター・ウィンザーのインタビューの中で、この案が採用されなかった理由について言及している。

    「私の理解では、既にF1に参戦している他のエンジンメーカーが、アウディがWECでのフロント回生の知識を活かして優位に立つことを懸念していたからだ」

    「そのため彼らはFIAに働きかけ、このアイデアを認めさせないよう圧力をかけた。アウディは既存の知識をそのまま持ち込める立場にあったからだ」

    この証言が事実であれば、レギュレーションの方向性が“競争の公平性”というよりも、“既存勢力の防衛”によって左右された側面があったことになる。

    エネルギー問題の解決策としての前輪回生
    2026年の新レギュレーションでは、エネルギーマネジメントに起因する問題が多くのドライバーから指摘されている。

    急激な減速による回生や、バッテリー不足による出力低下など、レースの自然な攻防を損なうケースも報告されている。

    こうした状況の中で、前輪回生はエネルギー回収効率を高める有力な解決策として複数の専門家から支持されている。

    にもかかわらず導入が見送られたことは、技術的合理性よりも政治的判断が優先された可能性を示唆している。

    アウディ F1

    それでも結果を残し始めたアウディ
    こうした制約を受けながらも、アウディは2026年シーズン序盤で一定の競争力を示している。

    コンストラクターズランキングではまだ2ポイントにとどまるものの、当初の予想を上回るパフォーマンスを見せており、日本GPでは改善の兆しも確認された。

    ニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトは完走やスタートに苦しむ場面もあったが、マシンのポテンシャルは徐々に引き出されつつある。

    マッティア・ビノット体制のもとで開発が進めば、今後はより安定してポイント圏内に食い込む可能性も十分にある。

    今回の一件は、2026年F1レギュレーションが単なる技術革新の場ではなく、メーカー間の駆け引きが強く反映される“政治の舞台”でもあることを改めて浮き彫りにした。

  • F1トルコGP復活でも2027年カレンダーは24戦維持 新規参戦は制限へ

    F1トルコGP復活でも2027年カレンダーは24戦維持 新規参戦は制限へ

    トルコGPの復帰が決まった2027年のF1カレンダーだが、レース数は増えない見通しだ。年間上限とされる24戦は維持され、今回の復帰は“追加”ではなく既存イベントの入れ替えによって実現する。

    イスタンブール・パークでの開催は5年契約で復活するが、カレンダー全体の構造に変化はない。新規イベントの参入余地は依然として限られており、F1は拡張ではなく調整によってバランスを取る方針を続けている。

    復帰は「追加」ではなく既存枠の再配分
    2027年はオランダGPが契約満了を迎え、バルセロナGPもローテーションの影響でカレンダーから外れる見込みだ。

    その空いた枠にトルコGPとポルトガルGPが加わることで、全体の開催数は24戦に維持される。つまり今回の復帰は新規追加ではなく、既存枠の再配分によるものとなる。

    24戦上限は維持 新規開催は参入困難
    F1は年間24戦を持続可能な最大数と位置づけており、この上限はチームや関係者との合意のもとで維持されている。

    そのため、新規開催地は既存グランプリの契約満了やローテーションが発生しない限り参入できない状況にある。アルゼンチンやタイなど、近年関心を示す国々は依然として参入待ちの立場に置かれている。

    F1 トルコGP 2027年のF1世界選手権

    ドメニカリが復帰歓迎「刺激的なサーキット」
    F1のステファノ・ドメニカリCEOは今回の決定について歓迎の意を示した。

    「2027年からイスタンブールという素晴らしく活気ある都市に戻れることを非常に嬉しく思う。ここはF1にとって最も刺激的で挑戦的なサーキットのひとつだ」

    「多くの歴史的瞬間が生まれてきた場所であり、新たな章の始まりを楽しみにしている」

    拡張ではなく最適化へ 2028年以降が焦点
    現時点で2027年に契約満了を迎えるのはラスベガスGPのみとされているが、その商業的価値を考えれば短期間で外れる可能性は低い。

    このため、新規参入やカレンダー拡張が本格的に動くのは早くても2028年以降となる見込みだ。トルコGPの復帰は、F1がレース数の拡大ではなく既存枠の最適化を優先している現状を象徴する動きといえる。

  • マクラーレンF1 マイアミGPで“完全新車”投入 カナダでも「MCL40は別物に」

    マクラーレンF1 マイアミGPで“完全新車”投入 カナダでも「MCL40は別物に」

    マクラーレンは、2026年F1シーズンの流れを変えるため、マイアミGPとカナダGPにかけてMCL40に大規模アップグレードを投入する。チーム代表のアンドレア・ステラは、北米2戦で「完全に新しいマシン」と呼べる仕様になると説明した。

    開幕からメルセデスに先行を許しているマクラーレンだが、日本GPではオスカー・ピアストリが優勝争いに加わり、キミ・アントネッリに次ぐ2位を獲得した。

    バーレーンGPとサウジアラビアGPが開催されなかったことで生じた5週間の中断期間を使い、チームは2026年F1レギュレーション下で大きな開発余地を持つ空力パッケージの改良に集中してきた。

    北米2戦で投入される「完全に新しいMCL40」
    ディフェンディングチャンピオンであるマクラーレンは、2025年シーズン終盤までドライバーズ選手権争いに巻き込まれた影響もあり、2026年型マシンの開発初期段階では出遅れた。さらに、長年のサプライヤーであるメルセデスの新型パワーユニットを理解する必要もあり、シーズン序盤は苦しい立ち上がりとなった。

    中国GPではランド・ノリスとオスカー・ピアストリのいずれも決勝をスタートできず、チームにとっては厳しい現実を突きつけられた。しかし、日本GPでは全体パッケージへの理解が進み、ピアストリが優勝争いに絡むまで競争力を引き上げた。

    「我々の意図としては、北米のレースに向けて、特に空力アップグレードの観点から、完全に新しいマシンを投入するという考えは常にあった。だから、この計画を維持することができた」と、ステラはウォーキングにあるチーム本拠地でのメディアデーで語った。

    「もちろん、カレンダーが変更されたことは少し助けになった。他のすべてのチームにとっても同じだと思うが、レースで忙しくするよりも、より流れを整えてマシンのアップグレードに取り組むことができた」

    「ただ、全体として言えば、マイアミとカナダを通じて、完全に新しいMCL40を見ることになる。改めて強調したいのは、これは我々の競争相手の多くにも期待されることだという点だ。だから、必ずしも勢力図が変わるということではなく、同じ時間枠の中で誰がより多くのパフォーマンスを加えられたかを確認することになる」

    マクラーレン F1 マイアミグランプリで大幅アップグレード

    メルセデスとの差を縮めるための開発競争
    マクラーレンは現在、チームズ選手権で首位メルセデスから89ポイント差の3位につけている。ステラは、メルセデスとの差を認めつつ、フェラーリに対してもまだ回復すべき部分があると語った。

    「メルセデスを見ると、我々には取り戻すべきパフォーマンスがある。ある程度はフェラーリに対してもそうだ。ただ、裏側で進めてこられた開発についてはかなり満足している」

    「日本での最後のレースはすでにまずまず競争力のあるパフォーマンスだったことを考えると、マイアミ、そしてカナダでは、もう少し競争力のあるMCL40を見ることができるはずだ。だから、次のレースを間違いなく楽しみにしている」

    HPPとの連携改善でパワーユニット理解も前進
    マクラーレンは、新しい2026年型パワーユニットへの理解でも前進している。ステラは、メルセデスのハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)との連携、そしてシミュレーションツールの共同開発が、開幕戦オーストラリア時点から大きく改善したと説明した。

    「HPPとの協力という意味でも、HPPと一緒にシミュレーションツールを開発するという意味でも、オーストラリアでの状況と比べて大きな前進を遂げた。だから、チームとして我々は今、はるかに準備が整っていると思う」

    「シーズン序盤には、カスタマーチームであることの自然な結果として、赤字が存在していた可能性がある。プログラミングが非常に押し込まれていたからで、パワーユニットの観点からもそうだった。それは問題なかったし、我々としても受け入れる準備ができていた。そしてHPPとともに非常に建設的に処理した」

    「だが、シーズンが進んだ今、このギャップは埋められたと思う。我々は、パワーユニットから最大限を引き出すために必要なすべてのツールを持っているはずだ」

    マクラーレンにとって、マイアミGPとカナダGPは単なるアップデート投入の場ではなく、MCL40が2026年F1の開発競争に本格的に加わる転機となる。メルセデスとの差をどこまで縮められるかは、北米2戦で投入される新仕様の完成度にかかっている。

  • レッドブルF1 フェラーリ“マカレナ”型リアウイングをシルバーストンでテスト

    レッドブルF1 フェラーリ“マカレナ”型リアウイングをシルバーストンでテスト

    マックス・フェルスタッペンが、シルバーストンで行われたレッドブルのフィルミングデーで、フェラーリの“マカレナ”リアウイングに着想を得た新型リアウイングをテストしていたことが確認された。

    レッドブル・レーシングはRB22の新パーツ評価を進めており、フロントウイングやサイドポッドに加え、リアウイングにも変更を加えた。特に注目を集めたのは、開閉機構を備えたフェラーリ型コンセプトへの独自解釈だった。

    シルバーストンで確認された新型リアウイング
    フェルスタッペンは水曜日、レッドブルRB22でシルバーストンを走行した。これはフィルミングデーの一環として実施されたもので、チームは複数の新パーツを評価した。

    その中には新しいフロントウイングとサイドポッドが含まれていたが、リアウイングにも修正が施されていた。新たに確認された画像では、レッドブルがフェラーリのリアウイング設計に近い独自バージョンを開発していることが示されている。

    このフェラーリのリアウイングは、プレシーズンテストで注目を集めたものだった。ストレート上で270度にわたって開閉し、航空機の翼に近い働きで揚力を生み出し、最高速を高める仕組みとされている。

    フェラーリとは異なるレッドブルの解釈
    フェラーリの設計では、アクチュエーターはリアウイングのエンドプレートフェンス内に配置されている。従来型DRSのような中央アクチュエーターではなく、翼端側に作動機構を置く構成だ。

    一方、レッドブルの解釈はフェラーリの機構をそのまま踏襲したものではない。画像上では、中央ピラーがアクチュエーターの役割を担っているように見える。

    この違いは、レッドブルが単なるコピーではなく、RB22の空力パッケージに合わせて独自の作動方式を模索していることを示している。

    レッドブル・レーシング

    フェラーリもまだ実戦投入していない設計
    フェラーリはこのウイングをプレシーズンテスト以降、マシンに搭載してきたものの、グランプリ週末の実戦ではまだ使用していない。

    オーストラリアGPと日本GPでは一度も使用されず、中国GPではプラクティスで走らせたのみだった。その後、上海のスプリント予選に向けて、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールの両車は標準仕様のリアウイングに戻された。

    つまり、レッドブルが今回試したコンセプトは、フェラーリ自身もまだレース週末で本格投入に踏み切っていない領域にある。性能面だけでなく、作動の安定性、レギュレーション上の解釈、セットアップへの影響も含めて、慎重な評価が必要なパーツといえる。

    RB22の開発方向を示すテスト
    レッドブルにとって今回のフィルミングデーは、単なる撮影走行ではなく、RB22の開発方向を探る重要な機会となった。

    フロントウイング、サイドポッド、リアウイングを同時に評価していることからも、チームが局所的な修正ではなく、空力パッケージ全体の見直しを進めていることがうかがえる。

    フェラーリ型リアウイングの独自解釈は、その中でも特に象徴的な要素だ。実戦投入に至るかはまだ不透明だが、レッドブルが最高速と空力効率の改善に向けて、より踏み込んだ開発を試していることは明らかだ。

    Source: RacingNews365

  • FIA F1判定の裏側を公開 150台カメラとAIで全車を常時監視

    FIA F1判定の裏側を公開 150台カメラとAIで全車を常時監視

    FIAは、F1のレース運営において最大150系統の映像、全チームの無線、各車の位置情報やタイミングデータを統合し、違反の可能性がある事象を監視している。新たに公開したYouTube動画では、レースコントロールと遠隔支援拠点が連携し、インシデントの検知から審議、裁定に至るまでの流れを紹介した。

    とりわけ焦点となっているのは、たびたび論争を呼ぶトラックリミットだ。

    FIAは人の目による確認に加えて、映像解析や文字起こしなどのAI支援を拡充し、より一貫性があり迅速で、なおかつ透明性の高い判断体制の構築を進めている。

    レースコントロールと遠隔拠点が判断を支える
    FIAのスポーティングディレクターを務めるティム・マリオンは、レースコントロールについて「レースディレクションは、すべてのデータの中心であり、意思決定の中枢だ」と説明した。

    この中枢機能を担うレースコントロールでは、多数の専門スタッフが安全かつ公正で透明性のあるレース進行を支えている。ただし、判断は現場だけで完結しているわけではない。

    そこに加わるのが、レースコントロールを外部から支援するRemote Operations Centre(遠隔オペレーションセンター)だ。ここでは複数の専門家が並行して膨大なデータと映像を精査し、その評価をレースディレクションへ送っている。

    レースディレクションには最大30人が直接関与し、ROCにはサーキットに応じて4人から8人の専門スタッフが配置される。さらに最終的なペナルティ判断を下すスチュワードも加わり、各自がデータアナリストの支援を受けながら大量の情報を効率的に評価している。

    インシデント検知から裁定までの流れ
    判断の出発点となるのは、違反の可能性がある事象の検知だ。これは自動システムによって検出される場合もあれば、人の目で見つけられる場合もあるが、多くはまずROCで拾い上げられる。

    その後、関連する映像、テレメトリー、位置情報、無線交信といったデータが収集され、ひとつのパッケージとしてまとめられる。これがレースディレクションに送られ、最初の分析が行われる。

    マリオンは「インシデントはさまざまな視点から分析される」と語り、「その後、ルール違反の可能性があるかどうかを判断する」と説明した。

    そして、違反の可能性があると判断された場合にのみ、完全なデータパッケージがスチュワードへ送られる。最終的にペナルティの有無を決めるのはスチュワードであり、レースディレクションやROCはその判断を支えるための整理と分析を担っている。

    150系統の映像とAIが監視精度を高める
    FIAが処理している情報量は非常に大きい。最大150系統の映像に加え、全チームの無線通信、全車両の正確な位置情報とタイムデータが並行して集約されている。

    重要なのは、これらを単に集めることではなく、相互に関連づけて意味のある形で解釈することだ。その負荷を軽減し、判断の速度を高める役割を担っているのが、AIを含む新しい技術だ。

    FIAの情報システム戦略責任者クリス・ベントレーは、システムが自動的にレビュー対象となる場面を認識していると説明した。システムは特定のコース区間を常時監視し、異常を抽出する仕組みになっているという。

    ベントレーは「ある意味でプレフィルターのように機能する」と述べた。こうした事前のふるい分けによって、分析担当者は本当に重要な場面へ集中しやすくなっている。

    トラックリミット監視は“全車・全周・全コーナー”へ
    特に難しいテーマとして挙げられたのがトラックリミットの監視だ。時速200キロを超える状況で、全車の走行ラインを一貫して見極めることは容易ではない。

    マリオンは「ドライバーは常に限界を攻めており、より高いパフォーマンスを得るために、それを超えることもある」と述べた。その上で、FIAの役割はその限界を一貫して公正に適用することだとした。

    FIAはこの問題に対し、ふたつの方向から取り組んでいる。ひとつは、グラベルや改良型の縁石などを用いて、コース外にはみ出すメリットを小さくするサーキット側の構造的対策だ。もうひとつが、監視技術の高度化である。

    長期的にFIAが掲げているのは、「All cars, every turn」という考え方だ。すべてのマシンを、すべてのコーナーで、漏れなく監視する体制を目指している。

    この実現に向けて、追加カメラ、より高精度な位置測定、改良されたソフトウェアの開発が進められている。理想的には、違反の有無を数秒以内、場合によってはドライバーが次のコーナーへ到達する前に判断できる状態を目指している。

    AIは補助役 ただし自動化の余地は広がる
    FIAはすでにコンピュータービジョンなどの技術を活用し、ルール違反の可能性がある場面を自動的に検出し、選別している。全体のおよそ90%は事前に除外できるようになっており、専門スタッフは判断が必要な局面に集中できるという。

    また、無線交信についてもAIを使ってテキスト化が進められており、内容の検索や確認がより迅速になっている。

    もっとも、現段階でAIはあくまで人間の判断を助ける存在という位置づけだ。マリオンは「現時点では、この技術は主として人を支援するためのものだ」と強調した一方で、「将来的には特定のプロセスが自動化される可能性もある」との見通しも示した。

    FIAが重視するのは安全性と透明性
    FIAは、こうした技術が安全面でも大きな可能性を持つとみている。将来的には、事故の危険が迫った際にマシンが自律的に反応し、自動ブレーキのような形で危険回避につながる可能性もあるという。

    同時に、FIAが強く意識しているのが透明性の向上だ。正しい判断を下すだけでなく、なぜその判断に至ったのかをドライバー、チーム、ファンが理解できることが重要だと位置づけている。

    マリオンは「我々の目標は、明確で、理解しやすく、透明性のあるルールシステムだ」と語った。FIAは、そうした仕組みこそが長期的な信頼の強化につながり、最終的にはF1のエンターテインメント価値を高めることにもつながると考えている。

  • ザク・ブラウンが“Uターン” ホーナーF1復帰を歓迎「戻らなければ驚き」

    ザク・ブラウンが“Uターン” ホーナーF1復帰を歓迎「戻らなければ驚き」

    マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンが、レッドブルF1の元チーム代表クリスチャン・ホーナーの復帰について見解を示した。

    かつては「ホーナー不在の方がF1は健全」とまで語っていたブラウンだが、今回の発言では一転して復帰を歓迎する姿勢を示しており、そのスタンスの変化が注目されている。

    対立関係から一転 ブラウンがホーナー復帰を歓迎
    クリスチャン・ホーナーは、レッドブルで20年間チームを率いた後、昨年7月に解任されて以降、F1復帰の可能性が取り沙汰され続けている。

    現在52歳のホーナーは、アルピーヌF1チームの少数株取得を目指すコンソーシアムに関与しているとされるほか、アストンマーティンなど複数チームとの関係も報じられている。

    そのなかで、かつて激しく対立していたザク・ブラウンが、復帰に前向きなコメントを発した。

    「クリスチャンはこのスポーツにとって素晴らしい存在だった」とブラウンは語った。

    「スポーツには常に強い個性が存在する。彼らは現れては去っていくものだが、クリスチャンが戻ってくるのは素晴らしいことだと思う。彼は非常に優れたオペレーターであり、その実績がすべてを物語っている」

    「ここ数年でチーム代表の動きはかなりあったが、彼が戻ってくるのは歓迎すべきことだ。彼の情熱と年齢を考えれば、アルピーヌであれ別の場所であれ、戻ってこないとしたらむしろ驚きだ」

    過去の発言との乖離 “Uターン”の背景
    ブラウンは以前、ホーナー不在のF1について「より健全な状態」と評しており、今回の発言は明確な方針転換と受け止められている。

    両者は2024年シーズンを通じて激しい場外戦を繰り広げており、F1の政治的なテーマを巡っても対立が続いていた。

    それでもブラウンは、個人的な対立を超えて、ホーナーの持つ存在感と実績を評価した形だ。

    復帰へのハードル 依然として残る懸念
    一方で、ホーナーの復帰には依然として課題も残る。

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、ホーナーの復帰について「かなり多くのガラスを割ってしまった」と述べ、F1復帰の難しさを指摘している。

    ホーナーはレッドブル在任中、女性従業員からセクハラや強圧的行動の疑いで告発されたが、本人は一貫して否定しており、調査では2度にわたり潔白とされた。

    それでも、その一連の騒動が与えた影響は小さくなく、F1パドック内での評価が今後の去就にどう影響するかが焦点となる。

    復帰は時間の問題か F1パドックの関心集まる
    ブラウンの発言からは、ホーナー復帰が単なる可能性ではなく、現実的なシナリオとして見られていることがうかがえる。

    アルピーヌを含めた複数チームとの関係が取り沙汰されるなかで、ホーナーがどの形でF1に戻るのか、パドックの関心は高まり続けている。

  • 角田裕毅がイスタンブール市街地を疾走 F1デモ走行でトルコGP復帰を象徴

    角田裕毅がイスタンブール市街地を疾走 F1デモ走行でトルコGP復帰を象徴

    角田裕毅がイスタンブール中心部でデモ走行を行い、トルコにおけるF1復帰を象徴する走りを披露した。レッドブルのマシン『RB8』を駆り、市街地を走る姿が今回のイベントの主役となり、街に久々のF1エンジンサウンドが響き渡った。

    同日、ドルマバフチェ大統領府で行われた会見では、2027年からのトルコGP復帰が正式に発表されており、角田裕毅の走行はその決定を体現する形で実施された。

    ガラタポートから大統領府へ 市街地を駆け抜ける
    角田裕毅はガラタポート・イスタンブールをスタートし、海岸線に沿ったルートを走行。市内の主要エリアを結びながら、最終的にドルマバフチェ大統領府へと到達した。

    このルートは都市の象徴的なエリアを繋ぐ構成となっており、多くの観客にF1マシンの迫力を間近で伝える形となった。沿道には多くの観客が集まり、都市の中心部でF1マシンが走る異例の光景が広がった。

    街に響いたF1のサウンド 復帰を実感させる瞬間
    走行中、F1特有のエンジンサウンドがイスタンブールの海岸沿いに響き渡り、長らく遠ざかっていたF1の存在を強く印象付けた。

    このデモは観客に直接体験を提供することで、「F1が戻ってくる」というメッセージを視覚と音で伝える役割を果たした。長年の空白を経て再び街に響いたサウンドは、復帰を象徴する瞬間となった。

    エルドアン大統領「信頼の証」復帰を評価
    トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はドルマバフチェ大統領府での会見で、トルコGPが2027年から2031年まで5年間にわたり開催されることを正式に発表した。

    「トルコGPのカレンダー復帰は、我が国に対する信頼の証だ」とエルドアン大統領は述べた。

    「F1はそのショー性や若いファン層、自動車技術におけるリーダーシップによって、世界有数のスポーツイベントのひとつだ」

    「我が国でもF1は特に若者を中心に幅広い年齢層に支持されており、非常に情熱的なファン層を持っている」

    「レースは国内で約1900万人にリーチし、ソーシャルメディアでも約750万人がF1をフォローしている。これまで我々は9回開催してきた。2005年から2011年にかけて7回、そして2020年と2021年の2回だ」

    「特にターン8で知られるイスタンブール・パークは、2027年から2031年まで再び5シーズンにわたり質の高いレースを開催することになる」

    「トルコのF1復帰は、我が国の組織力、現代的なスポーツおよび医療インフラ、そしてトルコ国民のもてなしの精神への信頼の明確な証だと考えている」

    「F1が我が国とイスタンブールに戻ることに貢献したすべての関係者に心から祝意を表したい」

    「今後もF1とのパートナーシップがさらに強化されていくことを期待している」

    角田裕毅 F1 トルコGP

    制御下で実施された象徴的ランと復帰発表の連動
    このデモ走行は安全管理のもとで実施され、角田裕毅がコントロールされた条件下で市街地ルートを完走した。

    同日に行われた会見での正式発表と連動する形で実施されたこの走行は、政策と体験を結びつける役割を果たした。

    イベントとしての側面を持ちながらも、実際のF1マシンによる走行を通じて復帰が現実のものとして進んでいることを示し、「F1が戻ってくる」というメッセージを強く印象付ける結果となった。

  • バルテリ・ボッタス キャデラックF1で初体験「マシン設計に関与できる」

    バルテリ・ボッタス キャデラックF1で初体験「マシン設計に関与できる」

    バルテリ・ボッタスは、2026年F1シーズンから参戦したキャデラックF1チームで、これまでのF1キャリアでは経験したことのない領域に関わっていると明かした。

    ウィリアムズ、メルセデス、アルファロメオ/キック・ザウバーを経て、新規参入チームに加わったボッタスは、ステアリングホイールのレイアウトやボタン配置、ステアリングレシオの選定など、マシン設計の細部にまで関与している。

    新規チームだからこそ可能になったマシン設計への関与
    キャデラックは、10年ぶりにF1グリッドへ加わった完全な新規チームであり、過去から引き継ぐ習慣や設計思想に縛られない。その環境が、ボッタスにとってこれまでにない自由度を生んでいる。

    「ステアリングホイールのレイアウトを設計したり、ホイール用の正確なボタンを選んだりすることに関わったことは一度もなかった」とボッタスはスカイスポーツF1に語った。

    「たとえば、自分が望むステアリングレシオそのものを選ぶこともそうだ。新しいチームとしてスタートするときは、過去からの習慣や部品を引きずっていないから、できることが本当に多い。マシンのすべてを設計する一部になれる。それは本当に最高だ」

    信頼性で築いたキャデラックの出発点
    キャデラックにとって、F1参戦初年度から競争力を発揮することは大きな挑戦だった。それでも2026年開幕からの3戦で、ボッタスは2戦を完走し、チームメイトのセルジオ・ペレスは3戦すべてを完走している。

    多くの既存チームが信頼性に苦しむなか、中国GPと日本GPで2台を完走させたことは、キャデラックにとって重要な基盤となった。メルセデスで経験を積んだボッタスと、レッドブルでトップチームを知るペレスの存在も、チーム形成に大きく作用している。

    「僕たちは2人とも、このスポーツで多くのものを見てきた。良いチームで何が機能するのかも見てきたし、何がうまく機能しないのかも見てきた」

    「良い面も悪い面も見てきた。チームに何が必要か、マシンが最高のレベルで機能するために何が必要かについて、僕たちはよく理解していると思う。だから、特に僕たち2人が持っているマインドセットを考えれば、僕たちは間違いなく自分たちよりもチームを優先している。それが、より早く改善していく助けになればいい」

    バルテリ・ボッタス キャデラック F1

    1年の離脱が変えたF1への向き合い方
    ボッタスは2025年にメルセデスのリザーブドライバーを務め、フルタイムのレースシートから離れていた。その時間は、F1への意欲を失わせるものではなく、むしろ現在の立場への感謝を強めるものになったという。

    「大きな違いをもたらした。僕はこのスポーツの一部であることに感謝しているし、このスポーツそのもの、そしてその周りにあるすべてを以前よりずっと大切に思っている」

    「特にレースの部分だ。日曜日のプロセス全体、準備をして、マシンに乗り込み、グリッドに立ち、国歌を聞く。そのすべてに対して、そこにいられる自分たちは本当に幸運なんだという感謝の気持ちがある。だから、僕にとっては大きな違いになったし、それはこれからの数年で自分を助けてくれると思う」

  • ネルソン・ピケJr F1離脱の真相「フラビオに任せたのは間違いだった」

    ネルソン・ピケJr F1離脱の真相「フラビオに任せたのは間違いだった」

    ネルソン・ピケJr.(元ルノーF1)は、2026年NASCARユーロシリーズ開幕戦の週末に応じたインタビューで、自身のF1キャリアを振り返り、2009年の離脱に至る経緯について率直に語った。

    ブリアトーレ体制下での判断やチーム内の状況に触れ、「自分のキャリアを任せたのは間違いだった」と明かしている。

    多様なルーツと現在の活動
    ネルソン・アンジェロ・タムスマ・ピケ・ソウト・マイオールは、1985年7月25日にドイツ・ハイデルベルクで生まれた。幼少期はモナコで過ごし、その後ブラジルへ移っている。

    「正直、いろいろな場所の要素があるけど、やっぱり主にブラジル人だと思っている」

    現在はブラジルのストックカー・プロシリーズにも参戦しながら、2026年はアルミテック・レーシングからNASCARユーロシリーズに参戦。フォード・マスタングをドライブしている。

    サーキットよりもマシン適応
    20年前にGP2でポールポジションと勝利を記録したリカルド・トルモでの再走行について問われると、記憶よりも適応の重要性を強調した。

    「かなり昔のことだから正確には覚えていない。GP2の方が速いクルマだったのは間違いない。このサーキットは同じだと思うが、細かいところは覚えていない。重要なのはコースではなくクルマに適応することだ。このコースはテクニカルで難しいから、セットアップやタイヤを合わせることが重要になる」

    父ネルソン・ピケのスタンス
    父である3度のF1世界王者ネルソン・ピケの関わり方については、一定の距離を保っていたと明かす。

    「父はアドバイスをするタイプではなかった。一歩引いたところから見ている感じだった。常に関わっていたわけではなく、チームに任せていた。主にビジネス面で関わり、チームを正しい方向に導いてくれたが、ドライビングは自分に任せていた」

    ルノー加入時の現実
    2007年にテストドライバーとしてルノーに加入し、2008年にF1デビュー。当時のチーム状況については、タイヤ変更の影響が大きかったと振り返る。

    「2006年はとても強いチームだったが、その後は苦しんでいた。ミシュランからブリヂストンへの変更が大きかったと思う。2005年と2006年はタイヤとクルマの相性が完璧だったが、それを失った。2008年に競争力がなかった理由の半分以上はタイヤだったと思う」

    アロンソから受けた衝撃
    同年、チームメイトだったフェルナンド・アロンソの存在は大きな学びだったという。

    「フェルナンドから学んだのは、自分が考えていたよりも遥かに上にスピードの限界があるということだった。彼は非常に速く、ハングリーなドライバーだった。当時はキャリアの頂点にいて、最も倒すのが難しい相手だった。そして今でもグリッドで最高レベルの一人だと思う」

    また、長年にわたってF1で戦い続ける点にも言及した。

    「20年以上もF1にいるというのは本当に驚異的だ。簡単な環境ではないし、精神的にも肉体的にも厳しい中でそれを続けるのは尊敬に値する」

    ドイツGPでの手応え
    2008年ドイツGPでの2位については、運だけではなかったと語る。

    「ホームのようには感じなかったし、好きなサーキットでもなかった。ただ戦略がうまくいった。一度のピットストップだったが、レースの大半で争い続け、リードする場面もあった。運もあったが、フェラーリ勢を抑えながらポジションを維持できた。あのレースは自分がトップで戦えることを証明できたものだった」

    F1離脱の決断
    2009年の離脱については、当時のチーム代表フラビオ・ブリアトーレとの関係が大きく影響したと明かす。

    「フラビオの判断で契約を打ち切られた。自分のキャリアを彼に委ねたのは間違いだったと思う。彼は利益しか見ていなかった」

    その後の進路については明確だった。

    「その後、F1への情熱を失った。違うことをやりたいと思い、アメリカへ行き、NASCARで自分らしくレースを楽しむことができた」

    ネルソン・ピケJr. F1

    アメリカとの違い
    F1とアメリカのレース文化の違いについても印象的な見解を示している。

    「アメリカでは人々は純粋にレースが好きでサーキットに来る。F1では半分以上が“そこにいること”のために来ているように感じる」

    フォーミュラEでの成功
    その後参戦したフォーミュラEでは初代王者を獲得。適応力こそが鍵だったと語る。

    「どんなクルマでも与えられたものに適応するしかない。ラリーでもNASCARでもフォーミュラEでも同じだ。それが自分の強みだった」

    「タイトルを取った年は全車同一だったからこそ勝てた。もし差があったなら、もっとタイトルを取れていたと思う」

    現在のF1への見方
    現在のF1については、競争の重要性を指摘する。

    「複数のチームとドライバーが争っていれば、それでいい。問題は1チームが独走することだ。4〜5人が勝てる状況が理想だ」

    「8台が勝利争いをすれば、批判の半分は消えるだろう」

    新たな挑戦
    NASCARユーロシリーズでの今季については、まずチームの基盤作りを重視している。

    「新しいチームだから、まずはお互いを理解することが必要だ。少しずつ改善していきたい。異なる国籍のメンバーが集まっているので、コミュニケーションにも時間が必要だ」

    「最終的には自分の仕事をしっかりやり、チームの成長に貢献したい」

    走り続ける理由
    40代に差し掛かってもなお現役を続ける理由については、シンプルな答えだった。

    「これは仕事でもあるが、何よりも好きだからだ。体調も良く、まだ戦える。いずれは飽きる時が来るかもしれないが、今はまだ楽しんでいる」

    「すべてのドライバーは走ることを楽しんでいる。そうでないと言うなら嘘だ」

    キャリアの浮き沈みを経てもなお、ピケJr.はステアリングを握り続けている。その原動力は、変わらない競争への意欲にある。

  • アウディF1 マクニッシュがレーシングディレクター就任 マイアミGPから現場指揮

    アウディF1 マクニッシュがレーシングディレクター就任 マイアミGPから現場指揮

    アウディは、元F1ドライバーのアラン・マクニッシュをレーシングディレクターに任命し、2026年F1マイアミGPからトラックサイドの統括業務を担わせると発表した。チームは今季からザウバーを母体にワークス参戦しており、体制強化の一環として現場指揮系統の再編に踏み切った。

    今回の人事は、チーム代表を務めていたジョナサン・ウィートリーの離脱を受けたもので、CEO兼チーム代表のマッティア・ビノットが暫定的に担っていた役割を整理する狙いがある。

    今後はビノットの下で、マクニッシュがトラックサイドの実務を統括する体制へと移行する。

    内部昇格で現場体制を再構築
    アウディは上級マネジメント構造の見直しを進めており、今回の人事では外部招聘ではなく内部昇格を選択した。マクニッシュは新設されたレーシングディレクターとして、CEO兼チーム代表マッティア・ビノットに直接レポートする。

    同氏は2002年にトヨタからF1に参戦し17戦に出走。その後は長年にわたりアウディのモータースポーツ活動に関与してきた。近年はアウディ・グループ・モータースポーツのコーディネーションディレクターやフォーミュラEチーム代表を務め、直近ではドライバー育成プログラムの責任者も兼任している。

    レーシングディレクターとしては、スポーティング面、エンジニアリング調整、ドライバーマネジメント、戦略、ガレージ運営に加え、トラック上でのメディア対応やパートナー活動まで幅広く統括する。

    ビノット「チーム構築の重要な一歩」
    ビノットは今回の任命について次のように説明した。

    「アランはレース経験、技術理解、リーダーシップを兼ね備えている。我々のモータースポーツ体制の中心的存在であり、F1プロジェクトの立ち上げ段階から重要な役割を果たしてきた」

    「今回の任命は、我々のプロジェクトにとって重要な段階でトラックサイド体制を強化するものだ。スポーティング運営からドライバー育成まで、パフォーマンスに関わるあらゆる領域を結びつける能力は、今後のチーム構築に不可欠となる」

    アウディ F1 マッティ・ビノット

    マクニッシュ「歴史的転換点での挑戦」
    マクニッシュも新たな役割への意欲を語った。

    「アウディF1チームのレーシングディレクターという役割を担うのは大きな名誉だ。このブランドは自分にとって特別な存在であり、モータースポーツの最高峰であるF1で代表できることを誇りに思う」

    「これはアウディとF1の歴史における重要な転換点であり、トラックサイドのパフォーマンスにより直接的に貢献できることを楽しみにしている」

    「我々のプロジェクトは非常に野心的であり、レース運営のすべての要素が最高の競争力を発揮し、継続的に改善されるよう取り組む」

    「ドライバー育成プログラムにも引き続き関与しながら、成功に向けた基盤を構築していくことに集中する」

    ビノット体制の明確化と2030年目標
    今回の再編により、ビノットは車体開発拠点ヒンウィルとパワーユニット開発拠点ノイブルクの両面に集中できる体制が整う。従来はウィートリーと共同でプロジェクトを運営していたが、より伝統的な指揮系統へと移行した形だ。

    マクニッシュは長年アウディに深く関わり、チーム内外からの信頼も厚い人物であることから、今回の配置はスムーズな移行が見込まれている。トラックサイドの統括を担うことで、現場と開発部門の連携を強化し、アウディは2030年までにタイトル争いに加わるという目標に向けて体制を固めていく。