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  • F1のV8復活論にフェラーリも前向き アウディは現行PU支持

    F1のV8復活論にフェラーリも前向き アウディは現行PU支持

    2026年の新PUレギュレーションを巡り、F1パドックでは早くも“V8回帰論”が議論の的となっている。持続可能燃料の導入によって、将来的に自然吸気V8エンジンへ戻る可能性も取り沙汰されるなか、各メーカーやチーム代表の間では温度差も浮き彫りになっている。

    アウディは現行ハイブリッド路線を支持する一方で、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは「エンジン予算削減」を重要テーマとして提示。サウンドやエンターテインメント性だけでなく、F1の将来像そのものを巡る議論が本格化しつつある。

    アウディは現行PUレギュレーションを擁護
    2026年からF1にワークス参戦するアウディは、現行PUレギュレーションの成立を強く後押ししてきたメーカーのひとつだ。

    そのため、将来的なV8復活論についても、アウディ側は慎重なスタンスを崩していない。

    アウディの責任者であるマッティア・スピーニは、現在のF1について次のように語った。

    「まず強調したいのは、我々のドライバーたちは現在のフォーマットを評価しているということだ。過去とは大きく異なるが、誰もがこの変化に適応しなければならない」

    「レースを見ても、ファンにとって素晴らしいショーになっている。開幕戦からオーバーテイクがあり、大きなレギュレーション変更にもかかわらず接戦が実現している」

    さらにスピーニは、現在のF1が依然として“技術革新の最前線”である点を強調した。

    「F1は依然として最先端技術のプラットフォームだ。ファンも、その背後にある技術的挑戦を理解している」

    「将来についてはまだ早い段階だが、FIAとは今後について議論を始めている。我々はF1にとって何がベストかを話し合っていく」

    ジェームス・ボウルズは“V8サウンド”を歓迎
    一方、PUメーカーを持たないウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、より率直に“V8回帰”への思いを口にした。

    「私はPUメーカーではないから、あくまで個人的な意見になる」

    「だが、FIAとチームは非常に協力的に議論を重ねている。現在のプロダクトが十分なのか、どこを改善すべきなのかを話し合っている」

    「必要なら今後も変更を検討していくことになるだろう」

    そのうえで、ボウルズは率直にこう語った。

    「私はV8復活を歓迎したい。あの時代が恋しい」

    フェラーリF1代表バスールが重視する“予算問題”
    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、V8議論について“感情論”だけでなく、F1全体のコスト問題という現実的な側面を強調した。

    「我々は素晴らしいレースを見ている。オーバーテイクも多い」

    「人工的だと感じる人もいるかもしれないが、DRSより人工的ではない」

    現在のエネルギーマネジメント主体のレースについても、バスールは一定の評価を与えている。

    「これは単にボタンを押すだけではない。ドライバーやチームによるエネルギーマネジメントだ」

    「我々は毎戦後にFIAと協力しながら改善を進めている」

    その一方で、将来的なPU議論では“予算削減”が極めて重要だと指摘した。

    「将来については複数のエンジン案がテーブルに載っている」

    「だが最初から我々が念頭に置いているのは、天文学的なエンジン予算を削減することだ」

    「これはPUメーカーだけでなく、カスタマーチーム、そしてF1全体の利益にも関わる問題だ」

    F1 V8 / V型8気筒

    F1は“サウンド”か“効率”かの時代へ
    2026年レギュレーションは、電動比率を大幅に高めた新世代PUとして導入された。しかしその一方で、ドライバーやファンの間では「F1らしいサウンド」を求める声も根強い。

    今回の議論では、単なる懐古主義ではなく、技術革新・持続可能燃料・コスト削減・エンターテインメント性という複数のテーマが複雑に絡み合っている。

    FIAとFOM、そして各メーカーが今後どの方向へ舵を切るのか。V8復活論は、すでにF1の次なる時代を巡る本格的な政治テーマになり始めている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 ベルギーGPでの“Bスペック”投入計画を否定

    アストンマーティン・ホンダF1 ベルギーGPでの“Bスペック”投入計画を否定

    アストンマーティンF1チームは、7月のF1ベルギーGPに向けて「Bスペック」と呼べるほど大規模なAMR26のアップデートを準備しているとの見方を否定した。

    この憶測は2026年F1マイアミGPのパドックで浮上した。アストンマーティンが同週末に空力アップデートを申告していなかったことが、その根拠のひとつとされた。

    マイアミでアップデートなし “Bスペック説”が浮上
    マイアミGPでは、多くのチームが大規模なアップデートを投入した。FIAのリストでは、フェラーリが11点、マクラーレン、レッドブル、ウィリアムズがそれぞれ7点、レーシングブルズとアルピーヌがそれぞれ6点の改良パーツを申告していた。

    一方で、アストンマーティンは空力面のアップデートを持ち込まなかった。メルセデス、アウディ、ハースF1チームも小規模な変更にとどまったが、メルセデスはモントリオールでより大きなアップデートを投入する計画だとされている。

    現在のアストンマーティンは上位勢との差が大きく、現実的にはキャデラックとの争いに近い位置にいる。そのため、チーム代表であり技術面を率いるエイドリアン・ニューウェイが、レースごとに小規模な改良を重ねるのではなく、一度に大きな進化を目指しているという見方には一定の説得力があった。

    しかし、チーム側はベルギーGPのスパ・フランコルシャンに特別な意味があるとの見方を否定した。

    「“Bスペックカー”という言葉は、チーム内部では使っていない」とアストンマーティンの広報担当者はCrash.netに語った。

    「どのシーズンでも通常そうであるように、レースごとに開発は行われる。一部のレースでは、他よりも大きな変更が入ることもある」

    「マイアミにアップデートを予定していたことは一度もない。我々には何カ月も前から計画された開発戦略があり、アップデートは準備が整ったタイミングで、今後数カ月、そして各レースで投入される」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    否定したのは“開発停止”ではなく“特定レースへの集中投入”
    今回の発言で重要なのは、アストンマーティンが開発そのものを否定しているわけではない点だ。否定したのは、ベルギーGPを節目とする「Bスペック」構想という表現であり、アップデート投入自体は今後も継続される。

    マイアミで更新がなかった理由についても、ベルギーGPへの一点集中ではなく、もともとの開発計画に基づくものだと説明している。

    2026年シーズンのアストンマーティンは苦戦が続いているが、チーム内部では中長期的な改善に向けた開発が進められていることも示唆された。

    マイク・クラック「後方を走りたいレーサーはいない」
    マイアミGPの木曜日、トラックサイド責任者のマイク・クラックは、現在の競争状況がフェルナンド・アロンソとランス・ストロールにとって特に厳しいものであることを認めた。

    「我々は皆レーサーであり、フィールドの後方を走りたいとは思っていない」とマイク・クラックは語った。

    「だから年ごとに改善したいと思うものだが、問題があると分かったときには、現実を冷静に受け止めなければならない」

    「フラストレーションを抱えても意味はない。ただ、それが人間として自然な反応であることは認めなければならない。そして繰り返しになるが、最も表にさらされるのはドライバーたちだ」

    「以前にも述べたが、ランスやフェルナンドのような経験豊富なドライバーがフィールドの後方を走ることは、彼らの本来いるべき場所ではない。その点で、彼らには最大限の敬意を払わなければならない」

    「だから、我々が管理しなければならないフラストレーションのレベルは確かにある。一方で、彼らは素晴らしいプロフェッショナルでもあり、より良い時期が来ることも分かっている」

    アストンマーティンにとって、問題はアップデートの有無だけではない。大きな遅れを抱える現状で、どのタイミングで、どれだけ効果のある開発を投入できるかが問われている。

    チームは“Bスペック”という表現を否定したが、AMR26が今後数カ月でどこまで競争力を引き上げられるかには、引き続き注目が集まる。

  • マクラーレンF1 ランビアーゼ代表就任説を否定「ステラは最高の人物」

    マクラーレンF1 ランビアーゼ代表就任説を否定「ステラは最高の人物」

    マクラーレンは、レッドブルから加入するジャンピエロ・ランビアーゼが将来的にチーム代表に就任するとの見方を否定した。

    マックス・フェルスタッペンの長年のレースエンジニアを務めてきたランビアーゼは、遅くとも2028年までにマクラーレンのチーフ・レーシング・オフィサーに就任することが決まっている。この人事をめぐっては、現在のチーム代表アンドレア・ステラの後任候補ではないかとの憶測も浮上していた。

    メキース発言で再燃したランビアーゼ代表就任説
    マイアミGPのフリー走行後、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、ランビアーゼがマクラーレンで将来的にチーム代表になるとの見方を示し、波紋を呼んだ。

    「“GP”には素晴らしいチャンスがあった。彼はそこでチーム代表になる。私にできることは、彼の幸運を祈ることだけだ」とメキースはSky Sports F1に語った。

    これに対し、マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、同じくSky Sports F1で次のように反応した。

    「彼はどうやら、私が知らないことを知っているようだ!」

    「私は素晴らしいチーム代表を抱えている。ピットレーンで最高の人物、アンドレア・ステラがいる。だから、アンドレアにはこれ以上ないほど満足している」

    ブラウン「CEOの仕事は最高の人材を集めること」
    ブラウンは、ランビアーゼの加入がステラの後任人事ではなく、マクラーレンのレーシング部門を強化するためのものだと説明した。

    「CEOとしての私の仕事は、最高の人材を集め、長期的に考え、ピットウォールとファクトリーの両方で最大限の強さを持つことだ。アンドレアは素晴らしい仕事をしているし、我々の技術チームも同じだ」

    「GPは非常に大きな才能を持っている。だから、レーシングチームを強化する機会が訪れたとき、我々はまさにそれを実行する。それがエンジニアであれ、ドライバーであれ、ストラテジストであれ、どんな場合でも同じだ」

    「だから、彼が我々に加わることをとても喜んでいる」

    ステラの負担軽減がランビアーゼ起用の狙い
    ブラウンはCrash.netを含むメディアに対し、ランビアーゼの役割をめぐる当初の憶測についても説明した。

    「レーシングオペレーションの側面では、アンドレアは実際には3つの仕事をしている」

    「我々は時々、彼には2つの仕事があると話すことがあると思う。だが実際には3つある。彼はチーム代表であり、レーシングチームを運営し、さらにテクニカルディレクター的な役割でも大きな部分を担っている」

    「アンドレアは、それらをひとつにまとめる接着剤のような存在だ。今は多くのチームでCEOとチーム代表がいる形になっており、チーム代表の役割も進化している」

    「そして、これらのチームは非常に大きくなっている。すべての役割で優れた状態を保つには、アンドレアは2つの仕事をこなす能力は十分にあると思うが、3つの仕事を求めるのは大きな負担だ」

    「だから、GPはそこに入って素晴らしい役割を果たすと思う。そして私の仕事は常に、この先を見据え、誰がこのスポーツの中で役割を担い、成長していけるかを考えることだ」

    「GPの経験と年齢を考えれば、彼はマクラーレンで長く働き、成長していける人物だと思っている」

    後任人事ではなく組織拡張としての大型補強
    今回の発言で明確になったのは、マクラーレンがランビアーゼを単なる将来の代表候補としてではなく、肥大化するF1チーム組織を支える重要な人材として位置づけている点だ。

    ステラがチーム代表、レーシングチーム運営、技術部門の統合という複数の役割を担っている以上、ランビアーゼの加入はその負担を分散し、現場の判断力と組織の厚みを高める意味を持つ。

    一方で、メキースの発言によって「ランビアーゼはステラの後任」という見方は再び注目を集めた。だがブラウンは、少なくとも現時点ではステラへの信頼を強調し、マクラーレンの狙いが代表交代ではなく、長期的な人材強化にあることを明確にした。

  • アントネッリ F1マイアミGP勝利も課題はスタート「大きく改善が必要」

    アントネッリ F1マイアミGP勝利も課題はスタート「大きく改善が必要」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2026年F1マイアミGPで3戦連続優勝を飾り、チームメイトのジョージ・ラッセルに対する選手権リードを20ポイントに広げた。

    だが、19歳のイタリア人ルーキーは、タイトル争いをリードする立場にありながらも、スタート手順、とりわけクラッチドロップの安定性を「大きく改善が必要」な課題として挙げた。

    3戦連続ポールから露呈したスタートの課題
    アントネッリは直近3戦すべてでポールポジションを獲得しているが、決勝やスプリントのスタートでは順位を落とす場面が続いている。マイアミGP決勝でもスタート直後にポジションを失いかけ、スプリントではさらに大きく後退した。

    「今日は正直、それほど悪くはなかった。2つポジションを失ったと思う。スプリントでは6つ失ったから、少しは良くなった」

    「でも、それでも受け入れられるものではない。特に今回のように差がかなり接近している週末では、レースを大きく変えてしまう可能性がある」

    「だから、チームと一緒に取り組む必要があるポイントだと思う。昨日のスプリントでは、例えば手順としては良かったけど、我々があると思っていたグリップレベルが、実際にはそこになかった」

    メルセデス代表のトト・ヴォルフは、スプリントでの出遅れについて、アントネッリ側の操作ではなく「我々側の不具合」だったと説明している。ただし、アントネッリ自身もスタートの一貫性にはまだ課題があると認めている。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) / F1 マイアミグランプリ

    「クラッチドロップにまだ確信が持てない」
    マイアミGP決勝では、アントネッリはランド・ノリスの追撃を抑えて勝利したが、スタート直後にはマックス・フェルスタッペンやシャルル・ルクレールに先行される可能性もあった。結果的には混乱の中で大きな損失を避けたものの、本人は改善点を明確にしている。

    「チームと一緒にという部分もあるけど、間違いなく主に僕自身のところだ。特にクラッチドロップで、まだ少し一貫性がない」

    「そこに対して、まだ自信を持って安定してできていない。まだ少し不確実さがある。だから、大きく改善が必要なポイントだ」

    「でも、今日は昨日よりうまく対処できたと思う。昨日はかなりフラストレーションがあったけど、今日は少し冷静に、少し良く対応できた。そして気持ちを切り替えて、レースに集中できた」

    速さだけでは守れない選手権リード
    アントネッリは開幕から圧倒的な速さを見せ、マイアミで3連勝を達成した。しかし、スタートで順位を落とす傾向は、中国、日本、オーストラリアでも見られており、今後ライバルとの差がさらに接近すれば、同じ弱点が勝敗を分ける可能性がある。

    王座争いの主導権を握る一方で、アントネッリは自らの課題を隠していない。メルセデスのマシン性能と予選での速さに、スタートの安定性が加われば、19歳のルーキーはさらに盤石な立場を築くことになる。

  • フェラーリF1 マイアミGPで今季最悪の失速 バスール「ものすごく厳しい日曜」

    フェラーリF1 マイアミGPで今季最悪の失速 バスール「ものすごく厳しい日曜」

    フェラーリF1は2026年F1マイアミGPで今季最も厳しいレースを強いられた。シャルル・ルクレールはスプリントで表彰台を獲得し、決勝でも序盤に首位へ浮上する場面があったが、最終的にはスピンと20秒ペナルティにより8位。ルイス・ハミルトンもオープニングラップで受けたダメージを抱えながら6位でフィニッシュした。

    チーム代表のフレデリック・バスールは、週末全体の流れは決勝までは悪くなかったとしながらも、日曜の展開がフェラーリにとって「ものすごく厳しい」ものだったと振り返った。

    決勝で崩れたフェラーリの週末
    「ものすごく厳しい日曜だった」とバスールはF1 TVで語った。

    「レースまでは週末はかなりうまく進んでいたと思う」

    「1周目にルイスはフロントのバージボードの一部を失い、それでほぼレースは終わってしまった。シャルルについては3位争いをしていたし、良い面を見ることもできる。彼はターン4でマシンを止めてしまっていてもおかしくなかったが、厳しい結果だった」

    ルクレールは終盤まで表彰台争いに絡んでいたが、最終ラップでスピン。さらにその後の20秒ペナルティにより8位へ後退した。

    「正直なところ、レース直後にはまだその件について話す時間はなかった。ただ、彼は少し縁石に乗せてしまったのだと思う。最後のラップでオスカー・ピアストリについていこうとプッシュしていた」

    スクーデリア・フェラーリ F1 マイアミグランプリ

    ミディアムでは光明もハードで失速
    バスールは、ミディアムタイヤでの第1スティントには一定の手応えがあったと認めた。ルクレールはキミ・アントネッリ、ランド・ノリスと首位争いを展開し、フェラーリにもペースがあることを示していた。

    しかし、気温の高さによりピレリタイヤを適切な作動領域に保つことが難しく、ハードタイヤではスピン以前から先頭争いから大きく離されていった。

    「週末の最初から、タイヤマネジメントとタイヤ温度がテーマだった」とバスールは語った。

    「良い位置にいればすぐにペースは出る。それは我々にとっても事実だったが、全員にとっても同じだった。パフォーマンスの振れ幅が大きく、オーバーヒートして反対側に行ってしまうのはかなり簡単だった」

    「第1スティントが非常にうまくいったのは事実だ。その後セーフティカーが入り、全員がひとまとまりになった。そこからはエネルギーマネジメントの要素が大きくなった」

    「レースには2つの局面があった。ひとつはクリーンエアで走り、良いペースを発揮できていた前半。そしてセーフティカーによって全員が戻ってきた後半だ。そこからはかなり難しくなった」

    アップグレード投入でも表彰台に届かず
    フェラーリはマイアミで複数のアップグレードを投入し、開幕3戦で最も近いライバルだったメルセデスとの差を詰めようとしていた。ルクレールのスプリント表彰台と決勝序盤の走りは、その方向性に一定の可能性を示していた。

    だが、決勝ではハミルトンが序盤のダメージで戦線から外れ、ルクレールもタイヤ温度と終盤のミスで表彰台を失った。速さの兆候はありながら、それを日曜の結果に結びつけられなかったことが、マイアミGPにおけるフェラーリの最大の痛手となった。

  • F1のV8復活論に追い風 フォードとGMも支持表明

    F1のV8復活論に追い風 フォードとGMも支持表明

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが「実現する」と発言したことで、F1におけるV8エンジン復活論が一気に現実味を帯び始めている。これまで慎重姿勢だったメーカー勢からも前向きな声が相次ぎ、2026年F1レギュレーション導入前にもかかわらず、すでに“次の次”のパワーユニット論争が動き始めた。

    特に注目されるのは、アメリカ勢の明確な支持だ。キャデラックF1として参戦するゼネラルモーターズ、そしてレッドブルと組むフォードの双方が、V8復活に好意的な姿勢を公に示している。

    フォードとGMがV8支持を明言
    デトロイト・ニュース紙に対し、フォードのレーシング部門責任者マーク・ラッシュブルックは次のように語った。

    「FIAとF1がすでに次のレギュレーションについて議論しているのを見るのは素晴らしいことだ」

    「我々はこのスポーツのステークホルダーであり、自分たちの見解を共有していく」

    「当然ながら、多くの自然吸気V8を生産している企業として、ここでV8を見たいと思っている」

    キャデラックF1の母体となるGMの社長マーク・ロイスも、同様の立場を示した。

    「私はV8とそのサウンドが大好きだ」

    「ただ、V6ハイブリッドに多額の投資をしてきたメーカーへの敬意も持っている」

    「だからF1、FIA、そしてチームが“V8へ行く”と決めるなら、我々は準備ができている」

    メルセデスF1も容認姿勢
    パドック内部でも流れは変わりつつある。メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、V8回帰に対してオープンな立場を示した。

    「我々は新しいエンジンレギュレーションに対してオープンだ」

    「V8エンジンには良い思い出しかないし、我々にとっては“真のメルセデスエンジン”だった」

    その一方で、完全な自然吸気回帰には慎重な姿勢も見せている。

    「もし突然、自然吸気エンジンへ完全回帰するなら、少し時代遅れに見えるかもしれない」

    「おそらく内燃エンジンで800馬力、そこに電動パワー400馬力を組み合わせる形が考えられる」

    これは現在の“電動50%時代”から完全に逆戻りするのではなく、V8+高出力ハイブリッドという折衷案を示唆した発言とも受け取れる。

    V8 / V型8気筒

    レッドブルF1も賛成 フェラーリはコスト削減重視
    新PUプロジェクトに巨額投資を続けるレッドブル・フォード・パワートレインズも、この議論に前向きだ。ローラン・メキースは次のように語った。

    「レッドブル・フォード・パワートレインズは、このアイデアにかなりオープンだ」

    「我々はこの世代のパワートレインをゼロから開発しなければならなかった。同時に、新たな挑戦には興奮している」

    一方、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、技術思想よりもコスト面を問題視している。

    「異常なほど膨れ上がったエンジン予算を削減することが極めて重要だ」

    “2031年V8回帰”は現実路線になりつつある
    今回の発言群が示しているのは、V8復活論がもはや“懐古主義”ではなく、現実的な政治テーマになっているという点だ。

    FIAはすでに2031年を視野に、より軽量・低コスト・高音量なエンジンへの移行を検討しているとされる。さらに一部では、2026年F1レギュレーションの複雑さやコスト増への不満から、「もっと早い段階で方向転換が起きる可能性」まで囁かれ始めている。

    特に今回、メルセデス、フォード、GMという大手メーカーが相次いで肯定的な姿勢を示したことで、“V8復活”は単なるファン向けの理想論から、一気に現実味を帯び始めた。

  • ホンダF1 マイアミで信頼性改善「次の焦点はエネルギー管理とドライバビリティ」

    ホンダF1 マイアミで信頼性改善「次の焦点はエネルギー管理とドライバビリティ」

    ホンダは、アストンマーティンとの2026年F1プロジェクトで厳しい開幕を迎えてきたが、マイアミGPで今季初めて2台が決勝を完走したことで、次の優先課題を明確にした。

    序盤戦ではパワーユニット由来の振動が大きな問題となり、アストンマーティンのシャシーだけでなく、コックピット内のドライバーにも負担を与えていた。

    しかしマイアミでは、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが初めてフルレース距離を走り切り、アストンマーティン・ホンダのパッケージにとって重要な節目となった。

    信頼性対策に手応え「大きな問題なく完走できた」
    ホンダのチーフエンジニアである折原伸太郎は、レーシングニュース365を含むメディアに対し、日本GP後からHRCとアストンマーティンが対策に取り組んできたと説明した。

    「日本GPの後、HRCとアストンマーティンがここに対策を持ち込むために非常に懸命に取り組んできたと話しました」

    「それらがうまく機能していることを確認できましたし、ドライバーからもアストンマーティンとホンダにとって良い前進だという前向きなコメントをもらいました」

    「大きな信頼性の問題なく、フルレース距離とスプリントレース距離を走り切ることができました。これは良い前進です」

    ホンダF1 本田技研工業

    次の課題はエネルギー管理とドライバビリティ
    これまでホンダは信頼性への対応を最優先せざるを得なかったが、マイアミで一定の前進を確認したことで、今後はパフォーマンス面の改善に軸足を移すことができる。

    折原伸太郎は、次の焦点としてエネルギー管理とドライバビリティの最適化を挙げた。

    「次の焦点として、エネルギー管理とドライバビリティに関するデータ設定の最適化に取り組むことができます」

    「パワーユニットには、まだ改善できる余地がたくさんあります。それが次です」

    アストンマーティン・ホンダは依然として競争力の面で大きな課題を抱えているが、まず完走できる基盤を整えたことは、開幕から続いた苦戦の中で重要な転換点となる。次に問われるのは、信頼性確保から得られた余地を、どこまで実際のパフォーマンス向上につなげられるかだ。

  • アイザック・ハジャー F1マイアミGPでクラッシュもメキースが全面擁護

    アイザック・ハジャー F1マイアミGPでクラッシュもメキースが全面擁護

    アイザック・ハジャー(レッドブル)は、2026年F1マイアミGPでのクラッシュを受け、早くも厳しい視線にさらされている。フランス国内では、マックス・フェルスタッペンのチームメイトに課される“セカンドシートの呪い”が再び話題となり始めた。

    ハジャーはアップグレード版RB22を投入した週末でフェルスタッペンとの差に苦しみ、決勝では追い上げを見せながらもクラッシュでリタイア。だが、チーム内部では依然として高い評価を受けているようだ。

    ローラン・メキースはハジャーを全面擁護
    フランス『レキップ』紙のフレデリック・フェレ記者は、マイアミGP後のレッドブル内部の状況について言及。その中で、チーム代表ローラン・メキースがハジャーを強く支持していると伝えた。

    「ローラン・メキースは彼の強力な擁護者だ」とフェレは記している。

    ハジャーは予選でチーム側の技術規則違反が発覚したことで、決勝をピットレーンスタートで迎えることになった。それでもレースでは力強い追い上げを見せ、一時はポイント圏争いに加わるペースを披露していた。

    しかし、その挑戦はクラッシュによって突然終わりを迎えた。

    ハジャー「57周のレースでリスクを取りすぎた」
    レース後、アイザック・ハジャーは自身のミスを率直に認めた。

    「週末を通してずっと限界で走っていたし、その限界には快適さを感じていた。でも今回はうまくいかなかった」とハジャーはCanal Plusに語った。

    「十分に正確ではなかった。57周のレースでリスクを取りすぎた。あまり賢くなかった」

    さらにハジャーは、速さがあっただけに悔しさは大きかったと明かした。

    「腹が立っている。ペースは良かったからだ。すごく簡単に追い上げられていた」

    「自分で愚かにもポイントを捨ててしまった。本当にフラストレーションを感じているし、そのうえマシンにもダメージを与えてしまった。それも重要なことだ」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング) F1 マイアミグランプリ

    “セカンドシート問題”は再燃するのか
    2026年シーズンここまで、ハジャーの獲得ポイントは4。一方でマックス・フェルスタッペンは26ポイントを積み重ねている。

    数字だけを見れば差は大きく、フランスメディアが“セカンドシートの呪い”という表現を持ち出した背景も理解できる。ただ一方で、マイアミでは追い上げ時のペース自体は決して悪くなく、レッドブル内部でも即座に評価を下げる空気ではないようだ。

    特にローラン・メキースが公然と擁護に回っている点は重要だ。レッドブルはこれまでにもセカンドドライバーへのプレッシャーが問題視されてきたが、少なくとも現時点では、ハジャーに対して短期的な結論を出す段階ではないと考えている可能性が高い。

  • エイドリアン・ニューウェイ 健康問題で入院報道 アストンマーティンF1は詳細語らず

    エイドリアン・ニューウェイ 健康問題で入院報道 アストンマーティンF1は詳細語らず

    アストンマーティンの苦境が続くなか、今度はエイドリアン・ニューウェイの健康問題が報じられた。英Daily Mailによると、ニューウェイは体調不良によって入院治療を受けており、その影響で2026年F1マイアミGPを欠席していたという。

    エイドリアン・ニューウェイは2026年からアストンマーティンに加わり、チーム再建の切り札として期待されている存在だ。

    しかし、チームは新レギュレーション初年度で深刻な不振に陥っており、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはいまだノーポイント。そんな中で浮上した“健康不安説”は、パドック内でも大きな注目を集めている。

    ニューウェイ欠席の背景に“健康問題”報道
    英Daily Mailは、エイドリアン・ニューウェイが病院で治療を受ける必要がある体調不良に見舞われ、現在も回復過程にあると報じた。

    ニューウェイはもともと全戦帯同するタイプではなく、現場ではマイク・クラックがメディア対応を担うケースが多い。ただ、今回のマイアミGP欠席については、健康上の理由が背景にあったとされている。

    報道によれば、ニューウェイは現在も主に自宅から業務を行っており、苦戦するアストンマーティンの立て直しに取り組んでいるという。

    アストンマーティンF1は深刻な低迷状態
    2026年の新レギュレーション導入後、アストンマーティンは大きく競争力を失っている。

    マイアミGPではフェルナンド・アロンソが15位、ランス・ストロールが17位に終わり、グリッド最後尾ではキャデラックF1と争う状況となった。特にホンダ製パワーユニットを巡る振動問題は依然として解決途上とされており、チーム全体が苦しい立場に置かれている。

    次戦カナダGPまで3週間のインターバルがあるが、その間にどこまで状況を改善できるかが注目される。

    アストンマーティンは詳細コメント避ける
    一方で、アストンマーティン側は今回の報道について詳細な説明を避けている。

    チームの広報担当者は「チームメンバー個人に関する事項についてはコメントしない。エイドリアンは業務を行っており、先週もファクトリーに来ていた」とコメントした。

    ニューウェイ本人の病状や復帰時期については現時点で明らかにされていないが、チーム再建の中心人物だけに、その動向は今後も注目を集めそうだ。

  • ハミルトン フェラーリF1のシミュレーターに不信感「間違った方向に導かれる」

    ハミルトン フェラーリF1のシミュレーターに不信感「間違った方向に導かれる」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1シーズン序盤で苦戦が続く背景について、フェラーリF1のシミュレーター作業が「間違った方向に導いている」と感じていることを明かした。

    ランキング上ではまだ深刻な状況には見えない。ハミルトンはチームメイトのシャルル・ルクレールからわずか8ポイント差に位置しており、すべてのポイント対象セッションでトップ7入りを維持している。これはメルセデス勢以外では唯一の記録だ。

    しかし、上海で非常に好感触だった週末以降、鈴鹿では後退し、マイアミでは特にルクレールとの差が目立った。

    ハミルトン「シミュレーターが間違った方向に導いている」
    マイアミGPでは、スプリント週末の全セッションでルクレールがハミルトンを上回った。決勝ではルクレールがダメージを負った状態でのトラックリミット違反により順位を落としたことで、最終的にハミルトンが前でフィニッシュしたが、週末全体では苦しい内容だった。

    ハミルトンは、その原因として事前準備に使用しているシミュレーターとの相関問題を挙げた。

    「正直に言えば、シミュレーターが僕を間違った方向に導いている気がする。だからしばらくやめてみようと思う」

    グランプリ予選後にそう語ったハミルトンは、翌日さらに詳細を説明した。

    「次のレースでは違うアプローチを取るつもりだ。今の準備方法は助けになっていない」

    「結局は相関性の問題なんだ。シミュレーターで準備して、現地に行くと、実際のマシンの感触がまったく違う」

    ハミルトンによれば、問題はコーナー進入時の応答性不足と、中盤で発生する大きなアンダーステアだった。

    「コーナー進入でマシンが全然シャープじゃなかったし、中盤では大きなアンダーステアが出ていた。望んでいるバランスではない」

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    “中国GPが最高の週末”だった理由
    ハミルトンは、今季ベストの内容だった中国GPでは、オーストラリアとの連戦だったため、事前のシミュレーター準備ができなかったことにも触れた。

    「僕がシミュレーターを好きじゃないのは有名な話だと思う」

    「でも毎週シミュレーターには乗っているし、常に相関性の改善に取り組んでいる」

    「シミュレーターで準備して、セットアップを決めて、実際にサーキットへ行く。でも現地ではそのセットアップが機能しない」

    特にスプリント週末では、フリー走行が1回しかないため、大胆なサスペンション変更などを避ける傾向が強く、そのまま週末を進めざるを得ないという。

    「スプリント週末ではFP1しかないから、大きな変更を加えたくなくなる。だからそのまま走り続けてしまう」

    「予選前に変更しても、理解する時間は6周しかない」

    「理想を言えば、週末の最初からシャルルと同じ方向で始めるべきだった。そうすればもっと強い週末になっていたと思う」

    そのため、ハミルトンは次戦カナダGPまでシミュレーター作業を停止する考えを明かした。

    「次のレースまでシミュレーターには乗らないつもりだ。もちろんファクトリーには行ってミーティングはする。でも少し距離を置いてみる」

    マイアミGP決勝では序盤接触でダメージ
    決勝では、1周目にフランコ・コラピントとの接触でマシンにダメージを負ったことも、ハミルトンの評価を難しくした。

    ハミルトンによれば、その影響で「ダウンフォースを0.5秒分失った」という。

    「1周目に起きるのが最悪なんだ。そうなるともう何もできない。ただ待つしかない」

    「正直、ダメージがなければ僕たちは十分に争えていたと思う。グリッドへ向かうラップではマシンの感触は良かった」

    「だから残念だ。チームがやってきたハードワークを正しく反映した結果にはならなかった」