タグ: F1

  • レッドブルF1 “マカレナ”リアウイングは昨夏から開発 フェラーリのコピー説を否定

    レッドブルF1 “マカレナ”リアウイングは昨夏から開発 フェラーリのコピー説を否定

    レッドブルF1の“マカレナ”リアウイングは、フェラーリのコピーではなかったようだ。2026年F1マイアミGPで正式投入されたRB22の新型リアウイングは、フェラーリが先行して披露したソリューションに酷似しているとして注目を集めたが、実際にはレッドブル側でも昨夏から開発が進められていたという。

    マイアミGPの週末は、レッドブルの技術陣にとって久々に手応えを感じられるものとなった。RB22はまるで別マシンのように競争力を取り戻し、フェラーリを脅かす存在となったからだ。

    その背景には、大規模アップデートパッケージの投入がある。新型フロントウイング、改良型フロア、新しいサイドポッドに加え、注目を集めたのが“マカレナ”と呼ばれる新型リアウイングだった。

    RB22復調の裏にあった大規模アップデート
    マイアミでのRB22は、予選でフロントローを獲得し、決勝でもマックス・フェルスタッペンのスタート直後のスピンがなければ表彰台争いに加わっていた可能性があった。

    開幕当初のRB22は、シャシーと空力の両面で問題を抱えていた。しかし、非常に競争力の高いパワーユニットに支えられながら、レッドブルはマシン改善を継続。マイアミではその成果が明確に現れた。

    今回アップデートされたのは、フロントウイングやフロア、サイドポッドだけではない。フィルミングデーの写真で存在が確認されていた“マカレナ”リアウイングも、この週末に正式デビューを果たした。

    ローラン・メキースは、今回のコンセプトについて「実際にコースに出て他チームの動きを見るずっと前から、このコンセプトを考案していた」と説明している。

    「ただ、我々にはそれをサーキットへ持ち込めるようになる前に、解決しなければならないもっと大きな問題があった。これは、皆がどれだけ懸命にプッシュしているかを示す良い例だ」

    メキースのコメントからも、今回のリアウイングが短期間で生まれた“対抗策”ではなく、以前から進められていた独立開発だったことがうかがえる。

    フェラーリのコピー説は現実的ではない
    初見では、多くの関係者が「レッドブルがフェラーリをコピーしたのではないか」と推測した。しかし実際には事情は異なる。

    Autoracerによると、レッドブルはすでに昨夏の時点で、このコンセプトの設計をFIAへ提出していたという。そのタイミングはフェラーリとも大きく離れていなかった。

    こうした空力ソリューションは、数週間で完成できるものではない。フェラーリが2月に披露したあと、レッドブルが短期間で解析・設計・製造を行い、さらに実戦投入可能な完成度まで持っていくのは極めて困難だ。

    実際、レッドブルのリアウイングはフェラーリとは大きく異なる設計を採用している。

    レッドブル・レーシング F1 マイアミグランプリ

    “マカレナ”リアウイングの構造とは
    レッドブル版“マカレナ”リアウイングは、中央アクチュエーターを採用し、反転したフラップが左右エンドプレートを大きく超える独特な構造となっている。

    単なる模倣ではなく、このコンセプトのために独自の研究開発が進められていたことを示すデザインだ。

    しかも、もし本当にコピーだったのであれば、わずか2か月程度で完全に機能するリアウイングを仕上げるのは現実的ではない。フェラーリ自身も、初期段階では実戦投入を見送り、十分なセッティングと検証を経て正式投入に踏み切っている。

    つまり、このタイプのリアウイングは“思いつき”で成立するものではなく、長期的な開発が必要な高度な空力パッケージということになる。

    レッドブルが修正した「本当の問題」
    今回のアップデートで重要だったのは、単に新型パーツを投入したことではない。レッドブルは、中国GPと日本GPで露呈していた“ドライバーが限界までプッシュできない状態”そのものの解消に取り組んでいた。

    メキースはFP1後、次のように説明している。

    「中国と日本では、ライバルがどこにいたかに関係なく、マックスとアイザック・ハジャーがプッシュするのを妨げている要素がたくさんあった。そして、それを修正しようとしてきた」

    「ミルトンキーンズでは、我々を制限していたものを徹底的に掘り下げ、アップデートを投入するために膨大な作業が行われた。基本的には2種類のフロアを並行して開発していたようなものだ」

    この発言からも、今回のアップデートが単発の空力変更ではなく、RB22全体の挙動改善を目的とした包括的な修正だったことが見えてくる。

    合法性にも問題なし レッドブル技術陣の底力
    “マカレナ”リアウイングはパドックの大きな話題となったが、現時点では完全に合法なソリューションとみられている。

    マイアミGPでのデビューでも特に異常や問題は確認されず、期待どおりのパフォーマンスを示した。

    ピエール・ワシェ率いるレッドブルの技術陣は、再びF1パドックに強いインパクトを与えた。今回のリアウイングはフェラーリの後追いではなく、2026年F1レギュレーションの中で、異なるアプローチから同じ空力領域へ到達した結果と言えそうだ。

    そしてマイアミGPは、RB22が再びタイトル争いへ戻る可能性を示した週末になった。

  • メルセデスF1 アントネッリのスタート失敗は「完全にチームの責任」

    メルセデスF1 アントネッリのスタート失敗は「完全にチームの責任」

    メルセデスF1は、2026年F1マイアミGPでキミ・アントネッリがスプリントと決勝のスタートで順位を落とした件について、ドライバーではなくチーム側に責任があると認めた。

    メルセデスは今季ここまで4戦すべてでポールポジションを獲得しているが、オープニングコーナーを先頭で通過できていない。圧倒的な速さを見せる一方で、スタート手順とクラッチ制御は明確な弱点として浮上している。

    ヴォルフ「彼の責任ではまったくない」
    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、マイアミでのアントネッリの出遅れについて、本人を責める考えを明確に否定した。

    「彼の責任ではまったくない」とヴォルフは語った。

    「土曜日も日曜日も、チームのミスだったと思う。我々全員が、それが十分ではないことを分かっている」

    「クラッチであれ、グリップの見積もりであれ、我々は彼らの手に適切な道具を与えるという点で十分な仕事ができていない」

    「そして、ここ数戦でそれを正しくできていないのは、言ってみれば我々だけだ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    速さで覆い隠せないメルセデスの弱点
    メルセデスはグランプリ決勝で無敗を維持しているが、ヴォルフはその速さに頼ってスタートの問題を放置することはできないと強調した。

    「我々はさらに深く掘り下げて、どうすれば修正できるのかを理解しなければならない」

    「差は、悠々と逃げ切れるほど大きくはない。だから、スタートを失敗している余裕はない」

    アントネッリのミスではなく、メルセデスのシステム側の問題として整理された今回の発言は、今季の勢力図を見るうえで重要な意味を持つ。マシンには勝てる速さがある一方で、スタートで先頭を守れなければ、その優位は一気に消える。

    メルセデスにとってマイアミGPは勝利だけでなく、2026年F1シーズンを支配しきるために修正すべき弱点を突きつけられた週末でもあった。

  • リアム・ローソン レッドブルF1の指示に驚き「ポジション返還は不要だと思った」

    リアム・ローソン レッドブルF1の指示に驚き「ポジション返還は不要だと思った」

    リアム・ローソン(レーシングブルズ)は、2026年F1マイアミGP決勝の序盤に起きたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのバトルについて、自身としてはポジションを返す必要はないと考えていたことを明かした。

    フェルスタッペンは2番グリッドからスタートしたものの、ターン2でスピンを喫して後退。その後の追い上げの中で、ターン11でローソンと激しく並び合う展開となった。

    両者はコース外にはみ出しながらも走行を続け、ローソンが前でコーナーを立ち上がったが、直後にチームからポジションを譲るよう指示を受けた。

    ローソンは「返す必要はない」と認識
    リアム・ローソンは、レース後の取材でこの場面を振り返り、自身としてはペナルティ対象にはならないと感じていたことを認めた。

    「僕はポジションを返す必要はないと思っていた。でも、どうやら返さなければならなかったみたいだ」とローソンは語った。

    「接近戦だったけど、正直なところ今日はそこで激しく争うつもりもなかった」

    このやり取りは、かつてレッドブル陣営でフェルスタッペンと同じ環境にいたローソンだからこそ、より注目を集める場面となった。レーシングブルズ側が即座にポジション返還を指示した背景には、ペナルティ回避を最優先した判断があったとみられる。

    その直後にギアボックストラブルでリタイア
    しかし、ローソンのレースはその後まもなく終わりを迎えた。ギアボックストラブルが発生し、マシンコントロールを失ったことでピエール・ガスリー(アルピーヌ)と接触。そのままリタイアとなった。

    ローソンは当初、問題の深刻さには気付いていなかったものの、数周後には厳しい状況を悟っていたという。

    「その時点では分かっていなかった。でも、その数周後にはマシンバランスがあまり良くないことに気付いた」

    「だからトップ10に留まるのは難しかったと思う。でも、今日はそれでも可能性はあったし、少なくとも数ポイントは獲れていたと思う」

    結果としてポイント獲得は叶わなかったが、フェルスタッペンとの一件と合わせ、ローソンにとっては再び自身の存在感を示すレース序盤となった。

  • 「人生には決断が必要だ」マリオ・イゾラ 330戦支えたF1に涙の別れ

    「人生には決断が必要だ」マリオ・イゾラ 330戦支えたF1に涙の別れ

    マリオ・イゾラは、2026年F1マイアミGPを最後にF1パドックへ別れを告げた。ピレリで長年F1活動を率いてきたイゾラは、今後ACIスポーツの上級職に就く。

    2011年からF1の単独タイヤサプライヤーを務めてきたピレリ。その顔としてパドックで存在感を放ってきたイゾラにとって、マイアミでの最終戦は感情的な週末となった。

    イゾラ「第二の家族を残していくのはつらい」
    「とてもうれしい。パドックの多くの人が私のところに来て、私がF1のために多くの良いことをしてきた、そして寂しくなると言ってくれた」とイゾラはスカイ・ドイツに語った。

    「私には新しい挑戦があり、それを楽しみにしている」

    「だが、ここに第二の家族を残していく。それは私にとって難しいことだ。人生では時に決断を下さなければならない」

    イゾラは2011年以降、ピレリがF1の単独タイヤサプライヤーとして歩んできた時代を見届けてきた。その間には大きなレギュレーション変更、タイヤをめぐる議論、そして数々の記憶に残るレースがあった。

    330戦以上の記憶と、忘れられない瞬間
    「330戦、あるいはそれ以上あった。その中からひとつを選ぶのは本当に難しい」

    「2011年のメルボルンでの最初のレース。レース後、我々は全員が感情で泣いていた」

    「それからジュール・ビアンキの事故があったレース。あれはとても悲劇的だった」

    「そして最近の数戦、イタリア人ドライバーが表彰台に上がり、国歌が流れたことも、とても特別だった」

    イゾラは、F1で過ごした時間の中で叶わなかった思いにも触れた。

    「フェラーリのワールドチャンピオン獲得を経験できなかったのは残念だ」とイゾラは語った。

    「私の在任中にそれが起こることを願っていた」

    「願わくば、それが将来実現してほしい」

  • アロンソ アストンマーティンF1の現状に自虐「トップ5ならその日に引退」

    アロンソ アストンマーティンF1の現状に自虐「トップ5ならその日に引退」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年F1マイアミGPで今季自己最高となる15位でフィニッシュした。しかし、依然としてポイント争いには届かず、アストンマーティンの苦戦は続いている。

    そんな中でも、アロンソはユーモアを失っていなかった。今季のアストンマーティンF1の現状を自虐的に語りつつ、「もしトップ5に入れたら、その日の午後に引退する」と冗談を飛ばしている。

    「トップ5ならその場で引退する」 アロンソ節が炸裂
    マイアミGP後、スペイン紙『Marca』の取材に応じたフェルナンド・アロンソは、現在のAMR26の戦闘力について率直な見解を示した。

    「もし今季どこかのレースで5位を獲れたら、その日の午後に引退するよ」

    アロンソはそう冗談交じりに語り、現在のアストンマーティンF1が置かれている厳しい状況を皮肉った。

    2026年シーズンのアストンマーティンは、開幕から深刻な競争力不足に苦しんでいる。マイアミGPではアロンソが15位、チーム全体としてもこれが今季最高順位となった。

    一方で、ホンダの振動問題改善やアップデート投入など、徐々に前進の兆しも見え始めている。ただし、依然として上位勢との差は大きく、アロンソ自身も現状を冷静に受け止めている。

    雨頼みだったアストンマーティンF1
    アロンソは、マイアミGP決勝で唯一期待していたのは天候だったと明かした。

    「僕たちは雨を期待していただけだった。『雨が降るかもしれない、ピットストップを回避できるかもしれない』と思っていた」

    「でも、あまり状況は変わらなかった。前のマシンとはすでに1回ピットストップ分の差があったから、たとえ相手が追加ストップしても、まだ前にいる状況だった」

    「できることはあまりない。でも、戦略マネジメントやタイヤマネジメントについて学ぼうとしている」

    アストンマーティンF1は、現時点で純粋なペース不足を戦略だけで覆せる段階にはなく、アロンソのコメントからも苦戦の深刻さがうかがえる。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ランス・ストロールとの“実験”も継続
    アロンソはDAZNの取材では、チームメイトのランス・ストロールと協力しながらマシン理解を進めていることも明かした。

    「毎朝ランスと話しているんだ。もし一緒に走れたらどうするか、離れたら待つべきか、とかね」

    「エネルギーマネジメントなどを少し学ぼうとしている。冬季テストで十分な走行距離をこなせなかったから」

    2026年型マシンではエネルギーマネジメントが重要なテーマとなっており、アストンマーティンF1も依然として最適解を探っている段階にある。

    アロンソはまだ終わっていない
    アロンソの“トップ5なら即引退”発言は冗談ではあるものの、それだけ現在の状況が厳しいことを象徴している。

    それでも、アロンソ自身は現時点で引退を考えているわけではない。むしろ、2027年以降に向けてアストンマーティンF1が競争力を取り戻すことを期待している。

    エイドリアン・ニューウェイ加入、ホンダとの本格体制、そして新時代プロジェクト。アロンソは、その完成形を見るまではまだF1を去るつもりはないようだ。

  • キミ・アントネッリ F1史上23人目の3連勝 20人がワールドチャンピオン

    キミ・アントネッリ F1史上23人目の3連勝 20人がワールドチャンピオン

    キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2026年F1マイアミGPで今季3勝目を挙げ、F1史上初となる記録を樹立した。

    これまで初ポールから3戦連続でポールポジションを獲得したドライバー、あるいは初優勝から3戦連続でグランプリを制したドライバーは存在した。しかし、その両方を同時に達成したドライバーは一人もいなかった。

    初ポールから3連続ポール、初優勝から3連勝
    アントネッリは中国GPでF1初ポールポジションを獲得し、翌日の決勝で初優勝を飾った。その後、日本GPでもポールポジションと優勝を記録し、マイアミGPでも同じ結果を繰り返した。

    2026年シーズンは開幕から4戦を終えた段階で、アントネッリがドライバーズランキング首位に立っており、タイトル争いの有力候補としての立場を固めている。

    「クールな記録だ」とアントネッリはマイアミGP後に語った。

    「知らなかったけど、あまり考えすぎたくはない。今この瞬間を楽しむつもりだ。でも、うん、クールだと思う」

    セナ、シューマッハ、ハッキネンと並ぶ系譜
    統計的に見ても、アントネッリの達成は大きな意味を持つ。初ポールポジションから3戦連続でポールを獲得したのは、これまで1985年のアイルトン・セナと1994年のミハエル・シューマッハだけだった。

    一方、初優勝から3戦連続でグランプリを制したのは、1993年のデイモン・ヒルと、1997年から1998年にかけてのミカ・ハッキネンだった。

    セナ、シューマッハ、ヒル、ハッキネンはいずれも後にF1ワールドチャンピオンとなっている。アントネッリがその2つの系譜を同時に結びつけたことは、単なる若手の勢いを超えた記録として受け止められる。

    さらに、アントネッリはF1史上23人目となる「3連勝達成ドライバー」にも名を連ねた。このリストには、マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、アラン・プロスト、ニキ・ラウダ、フアン・マヌエル・ファンジオら歴代王者が並んでいる。

    そして、その23人のうち20人がF1ワールドチャンピオン経験者という事実は、アントネッリの現在地をより際立たせている。現役勢ではオスカー・ピアストリも名を連ねているが、アントネッリはわずかシーズン4戦目でこの領域に到達した。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) F1 マイアミグランプリ

    ヴォルフ「最も重要なのは浮かれないこと」
    この結果は、トト・ヴォルフが10代のアントネッリをメルセデスのワークスチームに昇格させた判断を裏付けるものになっている。アントネッリは2年目のシーズンで、その賭けがすでに大きな成果を生み始めていることを示した。

    ただし、ヴォルフはマイアミGP後、期待の高まりを抑える姿勢も見せた。

    「彼がこのポジティブな流れを続けられることを願っている。最も重要なのは、浮かれないことだ」

    それでも、ヴォルフはアントネッリの将来に強い手応えを示している。

    「彼にはスピードがある。そしてそこに、これからさらに経験が加わっていく。将来的には多くの成功について話すことになると思う」

    アントネッリが打ち立てた記録は、過去の偉大な王者たちが残した足跡と重なるだけでなく、その両方を同時に上回るものだった。マイアミGPの勝利は、単なる今季3勝目ではなく、F1史に新たな基準を刻む一戦となった。

  • ミック・シューマッハ F1復帰に未練認める「チャンスがあれば断らない」

    ミック・シューマッハ F1復帰に未練認める「チャンスがあれば断らない」

    ミック・シューマッハは、インディカーへの新たな挑戦を始めながらも、依然としてF1復帰への思いを捨てていないことを明かした。

    ミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハは、ハースF1チームでの2年間を経てF1のシートを失い、その後はメルセデスのリザーブドライバー、WECのアルピーヌ、そして2026年からはインディカーへと活動の場を移している。だが本人は、再びF1への道が開かれる可能性を否定していない。

    ミック・シューマッハ「F1に戻る機会があれば断らない」
    ミック・シューマッハはドイツ『ntv』の取材に対し、今でもF1時代を振り返ることがあると認めた。

    「F1時代を時々振り返って、あの場所で走るというのがどういうものだったかを思い出さないと言ったら嘘になる」

    「もちろん、今は違う時間を過ごしている」

    「もし再びチャンスが訪れるなら、もちろん断ることはない。それは間違いなくそうだ」

    シューマッハは2021年から2022年までハースF1チームに所属したが、それはチームがグリッド最後尾に沈んでいた時期でもあった。

    さらに、2022年最終戦アブダビGPを前に翌年の契約終了が決まり、他チームのレースシートを探す十分な時間を得られないまま、メルセデスのリザーブドライバーに就任した。

    その後も複数のチームとの関係が噂されたものの実現には至らず、シューマッハは活動の場をWEC、そしてインディカーへと広げていった。

    インディカーで始まった新章
    現在のミック・シューマッハは、ラハル・レターマン・ラニガン・レーシングからインディカーに参戦している。

    すでにインディ500のルーキーテストを通過しており、5月24日に開催される伝統のインディアナポリス500に向けて準備を進めている。

    シューマッハは、新天地での環境の違いについても語った。

    「インディカーは、これまで自分が経験してきたモータースポーツとはもちろん大きく違う」

    「こちらでは人々の働き方もまったく違う。慣れていかなければならない新しい環境だ」

    「すごく楽しい。何より、自分自身のマシンでまたレースができることが一番楽しい」

    「もちろん、まだすべてが新しい。今も適応している途中だ」

    開幕から5戦を終えた時点で、シューマッハの最高成績はロングビーチでの17位となっている。

    F1への未練と現実が交錯するキャリア
    ミック・シューマッハの発言から見えてくるのは、「F1を完全に諦めたわけではない」という率直な本音だ。

    2026年のF1グリッドでは若手ドライバーの起用が加速しており、新規参戦メーカーやチーム拡大の流れもある。一方で、経験を持つドライバーの価値が再評価される場面も少なくない。

    そうした中でシューマッハは、インディカーという新たな挑戦を受け入れながらも、F1への扉が再び開く可能性を静かに待っている状況だ。

    インディ500という世界最大級のレースを控える今、その新章がキャリア再生の転機になるのかにも注目が集まる。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1で現役延長に意欲「あと4年は走りたい」

    セルジオ・ペレス キャデラックF1で現役延長に意欲「あと4年は走りたい」

    セルジオ・ペレス(キャデラック)は、2026年シーズンから果たしたF1復帰について「想像以上に楽しい」と語り、当初は短期間の復帰を想定していた考えを改め、さらに長くF1で走り続けたいとの意向を明かした。

    レッドブル離脱後に2025年シーズンを離れていたペレスは、2026年からキャデラックF1でグリッド復帰。現在の契約は2年だが、自身はさらにその先まで現役を続けることを視野に入れている。

    「短い復帰」のつもりだったペレス
    ドイツ紙『ビルト』のインタビューで、F1復帰について聞かれたセルジオ・ペレスは、再び競争の世界に戻れた喜びを率直に語った。

    「最高だ。自分がどれだけ競争を楽しんでいるかを改めて実感している」

    「チームと一緒に仕事をするのは本当に素晴らしい。レースウイークに注ぎ込むあのエネルギーも、まだ十分に残っている」

    そして、その感覚が自身の将来設計を変えたと説明した。

    「それほどまでに気持ちが変わった。F1に戻ってきた時は、短い章になると思っていた。でも今はもっと長く続けたいと思っている」

    「僕はまだ高いレベルで走れているし、十分に戦えている」

    「あと4年」を視野に
    現在36歳のペレスは、キャデラックF1との契約が2年であることを認めつつも、さらに長いスパンで現役続行を考えていると語った。

    「今の契約は2年だ。でも僕の頭の中では、もっと4年くらいのイメージになっている」

    「競争力がある限り、僕は続ける。そして家族の理解も必要だ。でも家族も賛成してくれている」

    「妻も子どもたちも、僕がF1に戻ったことをとても喜んでいる」

    2026年F1マシンへの不満も吐露
    一方で、ペレスは現在の2026年F1マシンについては率直な不満も口にした。

    「正直に言えば、今回の変化はあまり好きではない。完全に別のF1になってしまったし、みんながそれに適応しなければならない」

    「ただ、今よりもっと良いスポーツにできるはずだと思っている」

    「F1が経済的な魅力を維持するために進むべき方向性は理解している。でも、まだ多くの改善が必要だ」

    「結局、僕たちはレースが好きだからここにいる。でも、その情熱が少し失われてしまった気がする」

    特に現在のエネルギーマネジメント重視のレースについては、多くのドライバーと同様に懸念を示した。

    「今のF1は、以前ほど楽しくない」

    「ドライバーたちの要望もあってルールは少し修正されつつある。でも運営側は、もっと僕たちの声を聞くべきだ。まだ変えてほしいことはたくさんある」

    セルジオ・ペレス キャデラック F1

    フェルスタッペンを“最高のチームメイト”と評価
    自身のキャリアを振り返る中で、ペレスはこれまで組んだ中で最も優れたチームメイトとしてマックス・フェルスタッペンの名前を挙げた。

    「マックス・フェルスタッペンがナンバーワンだ」

    「もちろん特別な才能を持っている。でも、そこまで大きな差があるわけではない」

    「もし全員が100%自信を持てるマシンを与えられていたなら、もっと接近していたと思う」

    キャデラックF1で描く現実的な目標
    新天地キャデラックF1での目標について、ペレスは現実的な言葉を並べた。

    「他のチームを追い抜いていきたい」

    「新しいチームとしてそれができれば、本当に素晴らしいことだ」

    「既存のチームを2つか3つ倒せたら最高だと思っている」

    2026年F1シーズン開幕前には、“短期プロジェクト”とも見られていたペレスの復帰。しかし本人の中では、その物語は想像以上に長く続く可能性が出てきている。

  • アストンマーティンF1 ホンダと前進も課題明確「大きな差は依然存在」

    アストンマーティンF1 ホンダと前進も課題明確「大きな差は依然存在」

    アストンマーティンは2026年F1マイアミGPを経て、パフォーマンス面では厳しい現実に直面しながらも、開幕前からの進歩に手応えを感じている。

    結果だけを見ればフェルナンド・アロンソは15位に終わり、トップ争いとは大きな差があった。しかしチーム内部では、プレシーズンからの改善という観点で前向きな評価がなされている。

    出発点から見れば確かな前進
    アストンマーティンはプレシーズン段階で深刻な問題を抱えており、連続周回すらままならない状況にあった。

    その状況と比較すれば、マイアミでは2台がスプリントと決勝を完走し、最低限の安定性を確保したこと自体が前進と捉えられている。

    また、予選・決勝ともにキャデラックを上回った点も見逃せない変化だ。日本GPのように最後尾に沈む展開とは明確に異なる内容となった。

    マイク・クラックが語る「顕著な進化」
    マイク・クラック(アストンマーティン トラックサイド責任者)は、ここ数戦の進歩を次のように評価している。

    「ここ数週間で見てきたように、我々の進み方、特に信頼性、振動の低減、そしてドライバビリティの改善は顕著なものだった」

    「すでにかなり実質的な改善が見えているし、この方向で作業を続ける必要がある」

    さらに開幕当初の状況についても振り返る。

    「シーズン序盤には非常に大きな問題を抱えていた。しかし、それを解決したスピードは本当に際立っていた」

    一方で、アップデートの具体的な内容や投入時期については明言を避けている。

    それでも埋まらない“決定的な差”
    進歩が認められる一方で、トップ勢とのギャップは依然として大きい。

    クラックもその現実を認めている。

    「さらなる改善が得られると信じているが、大きな差が存在することも認識しなければならない」

    現状では、1周あたり数秒規模の差があり、単なる改善では埋めきれない領域にある。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    問題はマシンだけではない
    クラックは課題がマシンに限定されないことも強調する。

    「戦略と計画を明確にする必要がある。我々の仕事は、持っているものから最大限を引き出すことだ」

    「すべての面で最適とは言えない。マイアミでは良い仕事をしたが、もっと良くできたはずだ」

    具体的にはエネルギーマネジメントやドライバビリティといった運用面でも改善の余地があると指摘する。

    不足していた走行データが足かせに
    アストンマーティンはシーズン序盤に十分な周回を重ねられなかった影響も抱えている。

    「毎周ごとに新しいことを学んでいるが、シーズン序盤からの走行不足という大きなハンディキャップがある」

    その中で、他チームとの直接比較や接近戦は重要なデータ源となっている。

    「直接のライバルと戦えることは追加の情報をもたらす。それが今後の開発において重要な要素になる」

    カナダGPに向けてアップデート投入も示唆されており、ここから“第2フェーズ”に入るかが注目される。

  • FIA会長が警戒 トト・ヴォルフのアルピーヌF1関与に「反対」

    FIA会長が警戒 トト・ヴォルフのアルピーヌF1関与に「反対」

    マクラーレンのザク・ブラウンが提起した“チーム間の相互依存”問題が、F1パドックに新たな政治的緊張を生み出している。

    その議論の中心にあるのが、メルセデスF1のチーム代表であるトト・ヴォルフによるアルピーヌへの出資計画だ。FIAのモハメド・ビン・スライエム会長もこの問題に言及し、慎重な姿勢を示している。

    ブラウンが問題提起した“チームB”構造
    F1パドックで現在進行中の政治的対立のひとつが、いわゆる“チームB”の存在だ。

    マイアミGPを前に、マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンはこの構造を強く批判した。レッドブルが長年にわたり2チーム体制を維持している点に加え、フェラーリとハースF1チームの技術・人材面での密接な関係、さらにトト・ヴォルフとメルセデスがアルピーヌの株式取得を検討している点にも疑問を投げかけた。

    現在、アルピーヌは投資ファンドによって売却が進められており、ヴォルフとメルセデスは約24%の株式取得に向けた交渉を行っているとされる。

    ベン・スライエムは“個人的に反対”と明言
    こうしたブラウンの問題提起に対し、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムも反応を示した。

    「もしそれが、他者に取得させないためや、レギュレーションに関する投票権を強めるためでないのであれば、ある程度は理解できるかもしれない。しかし一般的に言えば、2つのチームを所有することは正しい方向ではないと考えている」

    「これはあくまで私個人の見解だが、この問題は非常に複雑であり、現在も検討を続けている」

    この発言は、FIAとして正式な規制に踏み込む可能性を示唆するものではないが、トップ自らが否定的な見解を示したことは無視できないシグナルとなっている。

    ヴォルフの意図とパドックの思惑
    パドックでは、かつてレッドブルのチーム代表だったクリスチャン・ホーナーもアルピーヌへの関与に関心を示していたとされる。

    そのため、ヴォルフによる出資検討は、長年のライバルを排除する意図があるのではないかとの憶測も流れた。しかし、この見方についてヴォルフ本人は否定している。

    それでも、今回の問題は単なる投資案件にとどまらず、F1における“勢力図”や“影響力”に直結するテーマであることは明らかだ。

    レッドブル体制にも波及する可能性
    仮にFIAがチーム間の相互依存や複数チーム所有に対して厳格な姿勢を打ち出した場合、その影響はヴォルフとアルピーヌの関係にとどまらない。

    レッドブルが長年維持してきた2チーム体制の正当性も、改めて議論の対象となる可能性があるためだ。

    今回の発言が単なる個人的見解にとどまるのか、それとも将来的なルール変更の前触れとなるのか。F1の政治構造を揺るがす議論は、今後さらに激しさを増していくことになりそうだ。