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  • リオネル・メッシ F1ドライバーのコラピントにエール「自分の物語を生きるべき」

    リオネル・メッシ F1ドライバーのコラピントにエール「自分の物語を生きるべき」

    リオネル・メッシが、F1マイアミGPで自己最高7位を獲得したフランコ・コラピント(アルピーヌ)にエールを送った。

    インテル・マイアミでプレーするメッシは、マイアミGP期間中にパドックを訪問。アルゼンチン期待の若手ドライバーであるコラピントと交流し、その才能を高く評価した。

    メッシは地元ポッドキャスト『Lo del Pollo』で、コラピントとの初対面について次のように語った。

    「実のところ、彼とはこれまで一度も接点がなかった。彼はヘルメットをくれて、いつか僕に会いたいとも思ってくれていた」

    「共通の知り合いがいて、先日ようやく実現した。彼が練習に立ち寄ることができて、そこで会った。本当に素晴らしい」

    “公の存在”として送ったメッシの助言
    メッシは、急速に知名度を高める22歳のコラピントに対し、脚光を浴びることの難しさにも言及した。

    「彼は自分自身の物語を生きるべきだと思う。そして多くのことに備えなければならない。公の場に立つと、良いことも悪いことも、あらゆる方向から自分に向かってくる」

    「特に悪い時期には、身近な人たち、家族、自分の周囲の支えが必要になる。結局、それが困難な時間を乗り越える助けになるからだ」

    「物事がうまくいっているときは、ずっと簡単だし、人も近づいてくる。でも大事なのは、物事がうまくいっていないときに誰がそばにいるかを知ることだ」

    コラピントにとっても“夢の時間”に
    一方、コラピントにとっても、メッシとの交流は特別な体験となった。

    「この7日間で多くの夢がかなった。うれしいし、この瞬間を楽しんでいる。レオがここに来てくれたのを見られた」

    「彼が家族全員で僕を応援しに来てくれたことは、とても特別だ。僕のアイドルであり、すべてのアルゼンチン人にとってのヒーローに再び会えたのは素晴らしかった」

    コラピントはマイアミGPで7位入賞を果たし、F1キャリア自己最高成績を記録。アルピーヌも2026年シーズン序盤で中団上位争いを展開しており、コンストラクターズランキング5位につけている。

  • 角田裕毅に少なくとも1チームが関心 2027年F1復帰へ水面下交渉

    角田裕毅に少なくとも1チームが関心 2027年F1復帰へ水面下交渉

    角田裕毅のF1復帰を巡る動きが、水面下で活発化している。2027年のドライバー市場に向け、すでに複数のマネージャーが各チームとの接触を開始しており、その中で角田裕毅の名前が再び注目を集めている。

    『F1.com』のローレンス・バレットによると、2026年F1マイアミGPのパドックでは、2027年以降のシートを見据えた非公式な交渉や情報収集が各所で進行。

    現時点では2026年のグリッド変更は予定されていないものの、フェルナンド・アロンソの去就やマックス・フェルスタッペンの将来不安が、早くも市場全体を動かし始めているという。

    角田裕毅に“F1復帰候補”として関心
    その中で、角田裕毅にはすでに具体的な関心が寄せられているようだ。

    ローレンス・バレットによれば、現在レッドブル陣営でリザーブドライバーを務める角田裕毅に対し、少なくとも1チームが興味を示しているという。

    角田裕毅は2026年シーズンのレギュラーシートを失ったものの、F1で積み重ねてきた経験値やレッドブル育成出身という経歴は依然として高く評価されている。

    特に2027年は、キャデラックF1チームの新規参戦によってグリッド拡大が予定されており、経験豊富なドライバーへの需要が高まる可能性がある。そこに加えて、レッドブル周辺の不透明感が市場全体に連鎖反応を起こし始めている。

    フェルスタッペンの将来不透明感が市場を刺激
    現在、F1パドックで最大の注目材料のひとつとなっているのが、マックス・フェルスタッペンの契約問題だ。

    フェルスタッペンは2028年末までレッドブルとの契約を結んでいるが、パフォーマンス条項や他チームからの関心を巡る憶測は依然として続いている。

    もしフェルスタッペンが移籍、あるいは早期離脱に動けば、レッドブル陣営だけでなくF1全体のドライバー市場が一気に動き出す可能性がある。

    そうした状況もあり、各ドライバーのマネージャーたちは正式な契約交渉時期を待たず、すでに2027年以降を見据えた“ポジション探し”を開始しているという。

    アロンソ去就も“空席ドミノ”の引き金に
    さらに市場を大きく左右すると見られているのが、フェルナンド・アロンソの決断だ。

    報道によれば、アロンソは今後の現役続行について「夏休み期間中にも決断を下す可能性」があるという。

    もしアロンソが引退、あるいはF1から退くことになれば、ホンダとのワークス体制を進めるアストンマーティンは一気に魅力的な空席となる。

    そこから玉突き式に移籍市場が動き出せば、角田裕毅のような経験豊富なドライバーにも再びチャンスが巡ってくる可能性がある。

    2027年は角田裕毅にとって“再起の年”になるか
    2027年は、新レギュレーション時代が本格化する重要なシーズンになる。

    キャデラック参戦、新メーカー勢力図、契約条項、ベテランドライバーの去就──複数の要素が同時に動くことで、ここ数年で最も大きなドライバー市場になる可能性も指摘されている。

    その中で、角田裕毅が再びF1グリッドへ戻るチャンスをつかめるのか。少なくとも今のパドックでは、その可能性を真剣に探る動きが始まっているようだ。

  • R・シューマッハ ハミルトンF1引退論を展開「ベアマンがフェラーリに乗るべき」

    R・シューマッハ ハミルトンF1引退論を展開「ベアマンがフェラーリに乗るべき」

    ラルフ・シューマッハは、ルイス・ハミルトンが2026年限りでF1を引退し、オリバー・ベアマンがフェラーリF1のシートを引き継ぐべきだとの持論を展開した。

    2025年にフェラーリへ移籍したハミルトンは、シーズン序盤こそ適応の速さを見せたものの、ここ数戦ではシャルル・ルクレールとの差が広がりつつある。マイアミGPではルクレールが20秒加算ペナルティを受けたことでハミルトンは6位に繰り上がったが、ラルフ・シューマッハは長期的にはルクレールに対抗するのは難しいと見ている。

    ラルフ・シューマッハは、ドイツ『Sky Germany』の番組「Backstage Boxengasse」で、ハミルトンとフェルナンド・アロンソの将来について持論を語った。

    「フェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンは、F1で素晴らしい時間を過ごしてきた」

    「でも、今年限りでコックピットを去り、若い世代にチャンスを与える時だと思う」

    さらにラルフ・シューマッハは、フェラーリが抱える“世代交代”の必要性にも言及した。

    「ルイス・ハミルトンは、達成できることをすべて成し遂げた。史上最も成功したドライバーのひとりだ。もちろん、それに値する存在だ」

    「今回の挑戦は素晴らしかった。でも、すべてには終わりがある」

    「だからこそ、若い世代にチャンスを与えるべきだと思う。オリバー・ベアマンはフェラーリに乗る資格がある」

    「もし彼にチャンスが与えられれば、シャルル・ルクレールとも戦えると思う。簡単ではないだろうがね」

    現在20歳のベアマンは、フェラーリ・ドライバー・アカデミー出身の有望株として高く評価されており、2025年からハースF1チームで経験を積んでいる。フェラーリ内部でも将来的なエース候補と見なされており、ハミルトンの後継者候補として名前が挙がり続けている。

    ラルフ・シューマッハは、フェラーリが依然としてハミルトンの“ブランド価値”を重視しているとも指摘した。

    「彼らはルイス・ハミルトンというブランドを維持したいんだ」

    「でも、F2からは多くの若い才能が上がってきている。彼らにはチャンスを与えるべきだ」

    「ベアマンは間違いなくフェラーリに乗る資格がある」

    一方で、この発言はファンの間でも大きな議論を呼んでいる。SNSやコメント欄では「若手に席を譲る時だ」という意見が出る一方で、「ハミルトンはまだ戦える」「ラルフの発言は極端すぎる」といった反論も少なくない。

    実際、ハミルトンには2027年まで契約延長オプションが存在するとみられており、フェラーリがすぐにベアマンへ切り替える可能性は高くないと見られている。それでも、2026年シーズンの結果次第では、フェラーリ内部で世代交代論がさらに加速する可能性もありそうだ。

  • F1 V8エンジン回帰論が加速 ステファノ・ドメニカリ「もう時間は多くない」

    F1 V8エンジン回帰論が加速 ステファノ・ドメニカリ「もう時間は多くない」

    ステファノ・ドメニカリは、F1の将来のエンジン規則をめぐる議論が加速するなか、スポーツとして「時間を失いすぎることはできない」と警告した。

    2026年F1レギュレーションはまだ開幕4戦を終えた段階にすぎないが、すでに焦点は次のパワーユニット規則へ移りつつある。議論の中心にあるのは、持続可能燃料を軸にしながら、内燃エンジンの比重を高め、V8エンジンへ回帰する可能性だ。

    2026年規則の課題が早くも次期エンジン議論を加速
    現在のF1パワーユニットは、内燃エンジンと電動要素の出力配分がほぼ50対50に近い構成となっている。しかし、このバランスをめぐってはすでに見直し論が強まっており、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは以前から、ターボハイブリッド時代以前にファンが慣れ親しんだサウンドを想起させるエンジン規則への回帰を望んでいる。

    ビン・スライエムは最近、そうした変更について「2030年を目標にしている」と語った。

    一方、F1の商業面を統括するドメニカリは、自動車業界の流れは持続可能燃料、ハイブリッド、内燃エンジンの組み合わせに向かっているとしつつ、判断を先送りする余裕はないと強調した。

    「将来の中心には間違いなく持続可能燃料があり、強力な内燃エンジンと、将来の電動化がどのようなバランスになるのかという異なる配分があると見ている」とドメニカリは英オートスポーツ誌に語った。

    「我々は時間を失いすぎることはできない。時間は非常に速く過ぎていくからだ。だから私は以前言ったことに戻る。もし我々が追い込まれないだけの十分な強さを持つ必要があるなら、できるだけ早く決断する必要がある」

    焦点は“50対50”から内燃エンジン重視へ
    ドメニカリの発言は、現行規則の電動化比率を将来的に見直す可能性を示唆するものだ。完全に電動要素を排除するのではなく、持続可能燃料を前提にしながら、内燃エンジンの存在感をより強める方向性が議論されている。

    レッドブルなどは将来的な変更に前向きな姿勢を示しており、メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフも「新しいエンジン規則にはオープンだ」としながら、パワーユニットから電動要素を完全に取り除くことには慎重な姿勢を示している。

    つまり、争点はV8かどうかだけではない。F1がどこまで電動化を残し、どこから内燃エンジンの音、軽量化、シンプルさを優先するのかという、競技の方向性そのものに関わる議論になっている。

    F1 エンジン V型8気筒

    ビン・スライエムはV8回帰を支持
    ビン・スライエムは以前、V10エンジンへの復帰は将来のレギュレーションには適合しない可能性があると述べた一方で、V8内燃エンジンに「ごくわずかな」電動要素を組み合わせる形が望ましいとの考えを示している。

    「最も人気があり、最も扱いやすいのはV8だ」とビン・スライエムは語った。

    「サウンドが得られ、複雑さが少なく、軽量だ」

    「それについてはまもなく聞くことになるだろう。そして、それは非常に、非常に小さな電動化を伴うものになる。だが主役はエンジンだ。現在のような46対54の分配にはならない。電動パワーは非常に最小限になる」

    「V8はフェラーリ、メルセデス、アウディ、キャデラックのロードカーにも見られる。ほとんどのメーカーに存在しており、それが軽量なマシンをもたらす」

    F1は2026年に新しいパワーユニット時代へ入ったばかりだが、すでに次の方向転換をめぐる議論は始まっている。持続可能燃料を前提にしながら、電動化と内燃エンジンの比率をどう再設計するのか。ドメニカリの警告は、F1が技術的にも政治的にも、早急な判断を迫られていることを示している。

  • フェルスタッペンが快適になるほど危険?ハジャーに迫るレッドブルF1の現実

    フェルスタッペンが快適になるほど危険?ハジャーに迫るレッドブルF1の現実

    アイザック・ハジャー(レッドブル)は、2026年F1マイアミGPで厳しい週末を過ごした。マックス・フェルスタッペンとの差が一気に広がったことで、“レッドブルのセカンドシート問題”が再び注目を集めている。

    元インディカー王者でF1解説者のジェームズ・ヒンチクリフは、フェルスタッペンがRB22に適応し始めたことで、ハジャーが過去のレッドブルのチームメイトたちと同じ状況に陥る可能性を懸念していると語った。

    マイアミで広がったフェルスタッペンとの差
    マイアミGP予選で、アイザック・ハジャーは技術違反による失格処分を受ける前の段階で8番手タイムを記録していた。一方のマックス・フェルスタッペンはフロントロー2番手を獲得し、その差は約1秒に達していた。

    スプリント予選でも同様の傾向が見られ、ハジャーの無線やコメントは、かつてフェルスタッペンのチームメイトたちが口にしてきた苦悩を思わせる内容だった。

    ヒンチクリフは『Drive to Wynn』ポッドキャストで、レッドブルがマイアミに持ち込んだアップグレードに注目した。

    「今週末に話題になったことのひとつが、レッドブルが投入した大量のアップグレードだった」

    「もちろんパフォーマンス向上パーツもあるが、実際にはマックスの要望によるステアリングシステムの根本的な変更も含まれていた」

    「彼はずっと、フロントの感覚、つまりステアリングホイールを通じて伝わってくるフィーリングに不満を訴えていた」

    「単純に“もっとグリップが欲しい”という話ではなく、ステアリングシステムにおける特定の感覚、動的なフィードバックの問題だった」

    「彼らはマイアミまでの期間で変更を加えることができた。そして突然、マックスは“クルマに乗せられている感覚”ではなくなった。自分で完全にコントロールできるようになり、クルマが自分の入力に望む通り反応するようになった」

    「すると突然、ハジャーとの差が大きく広がった」

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    “フェルスタッペン専用化”への懸念
    ヒンチクリフは、現時点でハジャーを判断するのは早すぎるとしながらも、今後それが“傾向”になる可能性を危惧している。

    「彼はまだ若い。これはまだ1回の悪い週末に過ぎない」

    「確かに良くはなかったが、まだトレンドとは言えない」

    「ただ、これがその始まりなのではないかとは思っている」

    「なぜなら、マックスがクルマに満足している状態になると、彼は常に誰よりもレースカーから速さを引き出せるドライバーだからだ」

    「今また彼が快適に感じていて、クルマが彼の望む動きをしているなら、他の誰にもできないような走りを引き出せてしまう」

    レッドブルF1が再び抱える“セカンドカー問題”
    今回のマイアミGPは、2026年型RB22がフェルスタッペン寄りの方向へ進化しつつある可能性を強く印象づけた週末でもあった。

    レッドブルは近年、セルジオ・ペレス、リアム・ローソン、そして他の若手ドライバーたちも含め、“フェルスタッペンだけが限界を引き出せるマシン”という問題に悩まされてきた。

    マイアミで投入されたステアリング関連アップデートによって、フェルスタッペンは「乗りづらい」と訴えていたRB22への不満を大きく改善させたとみられている。その結果として、ハジャーとのギャップが急拡大したことは、パドック内でも大きな議論を呼んでいる。

    もちろん、ハジャーはまだF1キャリア初期段階にあり、1回の週末だけで結論を出すことはできない。ただ、フェルスタッペンが“快適なRB22”を手にしたことで、レッドブルのセカンドシート問題が再燃する可能性は現実味を帯び始めている。

  • ウィリアムズF1の転落点 FW20が終わらせた黄金時代の実像

    ウィリアムズF1の転落点 FW20が終わらせた黄金時代の実像

    1998年のF1は、長年続いた勢力図が大きく崩れた転換点だった。1992年以降、ウィリアムズとルノーは圧倒的な支配体制を築いてきたが、その終焉を決定づけたのがFW20だった。

    前年にチャンピオンを獲得したチームは、わずか1年で勝利ゼロ・ランキング3位へと転落。123ポイントから38ポイントへの急落は、単なる不振ではなく構造的崩壊を示していた。

    ルノー撤退と旧型エンジンが生んだ致命的ハンデ
    転落の最大要因はパワーユニットだった。ルノーは1997年限りでワークス活動を終了し、1998年のウィリアムズは実質的に前年型エンジンを使用することになる。

    メカクロームとして供給されたそのエンジンは、メルセデスやフェラーリの開発型ユニットに対して30〜50馬力の差があったとされる。この出力差はストレートスピードに直結し、レース全体で決定的な遅れを生んだ。

    2000年からBMWとのワークス体制が始まるまで、この“つなぎ”の状態がチームの競争力を大きく制限した。

    ニューウェイ離脱が奪った開発の中核
    もうひとつの致命傷が、エイドリアン・ニューウェイの離脱だった。1997年シーズン前にマクラーレンへ移籍したことで、ウィリアムズは開発の核を失う。

    FW20はギャビン・フィッシャー、ジェフ・ウィリス、パトリック・ヘッドの3人体制で設計されたが、ヘッド自身が「保守的」と評した通り、革新性を欠いたマシンとなった。

    特に1998年のレギュレーション変更(ナロートレッド化、グルーブドタイヤ導入)に対し、ニューウェイ不在の影響は大きく、適応に完全に出遅れた。

    その背景には政治的対立があった。フランク・ウィリアムズはチーム支配権を譲らず、ニューウェイの株式取得要求を拒否。さらにドライバー人事でも意見が反映されなかったことが決定打となり、離脱へとつながった。

    開幕時点で露呈した“勝てないマシン”
    プレシーズンテストの段階で、FW20の限界は明らかだった。ジャック・ビルヌーブは数周で「勝てるクルマではない」と判断する。

    開幕戦オーストラリアGPでは、ポールから2.5秒差の4番手。決勝では周回遅れという、前年の王者チームとしては考えられない状況に陥った。

    その後も状況は改善せず、チームはベネトンやジョーダンと“ベスト・オブ・ザ・レスト”を争う中団チームへと転落した。

    ウィリアムズ・レーシング

    王者ビルヌーブの離脱が象徴した内部崩壊
    結果以上に深刻だったのが内部の崩壊だった。ビルヌーブはFW20を公然と批判し、チームへの不信感を強めていく。

    そしてシーズン途中、新規参戦のBARへの移籍を決断する。

    「ウィリアムズでは自分は部品の一つに過ぎない。BARではゼロから世界を作れる。崩れかけた宮殿の住人でいるより、新しい家の設計者になりたい」

    この発言は、当時のチーム状況を象徴していた。トップチームのエースが、新興チームを選ぶという事実そのものが、ウィリアムズの地位低下を物語っていた。

    わずかな光と、決定的な終焉
    それでもシーズン中盤にはドイツとハンガリーで3位を獲得し、わずかな競争力は示した。しかし優勝争いには一切絡めず、トップとの差は常に大きかった。

    最終的にFW20は3度の表彰台のみでシーズンを終え、ウィリアムズは10年近く続いた支配体制を完全に失う。

    赤いカラーリングに変わったそのマシンは、かつての栄光とは対照的な存在となり、結果的に「王朝の終わり」を象徴する1台として記憶されることになる。

    なぜ1998年が“分岐点”だったのか
    FW20の失敗は単発の開発ミスではない。エンジン供給体制、技術トップの流出、組織統治の硬直化という複数の要因が同時に表面化した結果だった。

    つまり1998年は、“結果が崩れた年”ではなく、“構造が崩れた年”だったと言える。

    そしてこの時に失われた技術力と組織力は、その後長期間にわたって回復することはなかった。FW20は単なる不振マシンではなく、ウィリアムズF1の歴史における明確な断絶点となった。

    Source: Motorsport Week

  • 2027年F1エンジン規則大転換に賛否 4戦で“50対50”崩壊に業界は何を見た?

    2027年F1エンジン規則大転換に賛否 4戦で“50対50”崩壊に業界は何を見た?

    F1は2027年に向けて、パワーユニット規則の大幅な方向転換に踏み出した。内燃エンジンと電動要素による“50対50”出力配分を事実上見直し、より現実的な60対40に近い構成へ移行する方針で原則合意したことで、業界内では早くも賛否両論が巻き起こっている。

    2026年シーズン開幕からわずか4戦。F1がここまで早い段階で理念の修正に動いたことは、現在のパワーユニット規則が抱える問題の深刻さを示すものでもある。

    『The Race』は、この決定について複数の記者による論評を掲載し、「現実的な修正」と歓迎する声がある一方で、「最初から問題は見えていた」とF1側の対応を疑問視する意見も出ている。

    “物理法則には勝てなかった”という現実
    The Raceのスコット・ミッチェル=マルムは、今回の変更を「絶対に必要だった修正」と評価した。

    現行規則では、バッテリー容量やMGU-Kの制約に対して、回生・放出要求が過大になっており、エネルギー管理とレース性能が両立できていなかったという。

    「F1は巨大な総合出力を掲げながら、それを予選ラップの一部でしか使えない状況に陥っていた」と指摘し、現在の複雑なエネルギーマネジメントは“ナンセンス”だったと断じた。

    さらに、問題点は数年前から議論されていたにもかかわらず、十分な修正が行われなかったと批判。「もっと早く対応できたはずだった」と振り返っている。

    エド・ストローも同様に、「結局は物理法則そのものが、このコンセプトの成立を許さなかった」と指摘した。

    「細かな調整では解決できなかった。数字そのものが成立していなかった」とし、“50対50”という理念自体に無理があったとの見方を示している。

    “ようやく常識が勝った”という歓迎論
    一方で、今回の方向転換を強く歓迎する声も多い。

    ベン・アンダーソンは、「常識が勝利した」と表現。“50対50”構想を「粗悪なエンジンコンセプト」とまで表現し、現在のF1はドライバーがデプロイメントアルゴリズムに縛られ、本来の“攻める走り”ができなくなっていたと指摘した。

    特に問題視されたのは、エネルギー不足による“スーパークリッピンング”だ。ストレート途中で出力が尽きる現象や、コーナー進入で回生を優先しなければならない状況が、ドライバーの自由なアタックを妨げていた。

    アンダーソンは、「フェルスタッペンの批判は単なる不満ではなかった」とも語っており、現場側でも現在のレギュレーションに対する危機感が強まっていたことを示唆している。

    グレン・フリーマンも、「最悪なのは、ミスを認めず問題を放置することだ」としたうえで、わずか4戦で修正に動いたF1の対応には驚きもあると評価した。

    F1 エンジン 国際自動車連盟

    F1は“失敗”したのか それとも“柔軟”だったのか
    今回の議論で興味深いのは、単純な“失敗論”だけでは終わっていない点だ。

    ジャック・ベニオンは、「F1にはPR上の勝機もあった」と指摘する。

    問題を認め、シーズン序盤で方向修正に踏み切ったこと自体は、本来なら“柔軟な統治”として評価できるはずだったという。

    しかしその一方で、F1首脳陣がここまで問題を軽視するようなメッセージを発してきたことには強い違和感を示している。

    「ファンは、彼らが考えている以上に理解力がある」

    そうした言葉からは、F1側が批判を“過剰反応”として扱ってきたことへの不満もにじむ。

    実際、2026年F1レギュレーションは導入当初から、“エネルギー不足”“ストレート失速”“回生優先走行”といった問題が繰り返し指摘されてきた。

    それでもF1は当初、「新時代のレースを受け入れるべきだ」という姿勢を崩してこなかった。

    だからこそ、わずか4戦で“50対50”の理念を実質的に修正する今回の動きは、業界内でも極めて大きなインパクトを持って受け止められている。

    “誰がF1を動かしたのか”という新たな焦点
    今回の急転換を受け、業界内では「誰がこの変更を主導したのか」にも注目が集まっている。

    ドライバーなのか、パワーユニットメーカーなのか、それともテレビ局やプロモーターなど外部勢力なのか。

    The Race記者陣の間でも、「ファンの反発を無視していたF1が、なぜここまで早く動いたのか」という疑問は共通している。

    現時点では詳細な技術内容は今後の協議に委ねられているが、“50対50”という2026年F1規則最大の象徴が、わずか1年で事実上見直される流れになったことだけは間違いない。

    そしてその背景には、“理想”よりも“実際にレースとして成立すること”を優先せざるを得なかった現実がある。

  • 2026年終盤戦が大混乱? F1サウジアラビアGP復活で4連戦案も浮上

    2026年終盤戦が大混乱? F1サウジアラビアGP復活で4連戦案も浮上

    2026年F1カレンダーを巡る調整が、新たな局面を迎えている。中東情勢の悪化によって開催延期となっていたサウジアラビアGPについて、復活可否の判断が「2〜3週間以内」に下される見通しであることが明らかになった。

    F1と各プロモーター、そしてFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)は現在も協議を継続しており、2026年シーズン終盤にカレンダーを再編成する案が現実味を帯びてきている。

    サウジアラビアGP復活案でアブダビGP延期の可能性
    中国GPの週末に、2026年F1カレンダーからバーレーンGPとサウジアラビアGPが予定通り開催されないことが正式発表された。

    ただし、その時点でも「中東情勢が改善した場合には復帰の可能性を残す」という立場が示されており、完全消滅ではなかった。

    『PlanetF1.com』によると、現在もっとも有力視されている案は、サウジアラビアGPを12月に組み込むプランだという。

    その場合、最終戦アブダビGPを少なくとも1週間延期する必要があり、2026年シーズン終盤は異例の“超過密日程”となる可能性がある。

    関係者は『PlanetF1.com』に対し、「2〜3週間以内に決定される」と語っている。

    FOMは現時点で“22戦前提”を維持
    一方で、リバティ・メディア側は現時点では「22戦開催」を基本想定としている。

    同社の最高会計責任者ブライアン・ウェンドリングは投資家向け説明会で次のように説明した。

    「我々は22戦カレンダーを前提に動いている」

    「ただし、シーズン後半に1戦を移動できる可能性には依然として期待している。それが実現すればプラス要素になるが、現時点の予測では22戦だ」

    さらにリバティ・メディアCEOのデレク・チャンも、代替案の検討が続いていることを認めた。

    「我々はあらゆる代替案を検討している。変更や調整を行う場合に十分な準備期間を確保できるよう、適切なタイミングで判断を下そうとしている」

    “ラスベガスGP第2戦”案も浮上
    代替案のひとつとして浮上しているのが、ラスベガスでの追加開催だ。

    ラスベガスGPはリバティ・メディア自らがプロモートしているイベントであり、開催権や運営面をFOM側がコントロールしやすいという利点がある。

    もっとも、市街地封鎖や地域経済への影響を考慮すると、現地自治体との調整が必要不可欠であり、さらに開催コストを誰が負担するのかという問題も残る。

    中東ラウンド中止による広告収入損失を補填する目的で、FOM自身が負担する可能性も議論されているという。

    10月開催案では“トリプルヘッダー”再発も
    もうひとつの選択肢として検討されているのが、10月への組み込み案だ。

    具体的には、10月2〜4日の週末にバーレーンGPをアゼルバイジャンGPとシンガポールGPの間へ挿入する案が浮上している。

    この場合、再び3連戦(トリプルヘッダー)が発生することになるが、既存イベントの日程変更を避けられるメリットがある。

    ただし、12月にサウジアラビアGPまたはバーレーンGPを追加した場合、シーズン終盤は4連戦(クアドラプルヘッダー)になる可能性もある。

    チャンCEOは次のようにも述べている。

    「F1に関わるすべての人々の健康と福祉が最優先であり、その原則に基づいて常にカレンダーを管理している」

    その一方で、「シーズン終盤に1戦を再配置できる可能性はある」とも認めた。

    ステファノ・ドメニカリCEOは“残業状態”で状況監視
    F1 CEOのステファノ・ドメニカリは、中東情勢を注視し続けていることを明かした。

    「我々にはプランがある。ただ、それを実行しないで済むことを願っている。世界情勢が、レースだけでなく正常な状態へ戻ることを本当に望んでいる」

    「4月に開催できなかったレースを後から回収するケースと、11月末から12月初旬に起きる可能性のある事態では、必要なリードタイムや判断期限が異なる」

    「我々はチームやプロモーターと連携している。非常に大きな連鎖反応を伴う問題だからだ」

    さらにドメニカリは、現時点での憶測を避けたいと強調した。

    「推測だけを話すことは避けたい。最優先は、本来レースを開催すべき場所に戻れる状況になることだ」

  • メルセデスF1が“アントネッリ・フィーバー”を警戒 イタリアメディア対応を制限

    メルセデスF1が“アントネッリ・フィーバー”を警戒 イタリアメディア対応を制限

    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフが、2026年シーズンのF1で急速に“イタリアの新たなスター”となったアンドレア・キミ・アントネッリを守るため、イタリアメディアとの接触を制限していることが明らかになった。

    19歳のアントネッリは、マイアミGPで3連勝を達成。ランキング首位を快走しており、ジョージ・ラッセルに20ポイント差をつけてカナダGPを迎える。母国イタリアでの人気は急激に高まり、“アントネッリ・フィーバー”とも呼べる状況になりつつある。

    “イタリア全体が注目している”
    スペイン『Marca』によると、トト・ヴォルフはアントネッリを“イタリアからの過剰な雑音”から守るため、イタリアメディアとの接触を制限しているという。

    ヴォルフは現在のイタリアについて、サッカー代表の低迷もあり、テニス世界王者のヤニック・シナーとアントネッリが“国民的スター”になっていると説明した。

    Sky Sportsによると、ヴォルフは次のように語った。

    「一番簡単なのは、彼がチームの中でしっかり地に足をつけていられるようにすることだ。彼の両親は、彼を落ち着いた状態に保つ素晴らしい仕事をしている」

    「もっと大きな問題はイタリアの世論だ。彼らはサッカーW杯に出場できなくなっているから、今はシナーとアントネッリ一色になっている。シナーはマドリードで優勝したと思うし、今やイタリアには2人のスーパースターがいる。それは我々が抑えなければならないものだ」

    “ハンドブレーキをかける必要がある”
    ヴォルフは、アントネッリに対する取材やイベント出演依頼が急増している現状にも触れ、チームとして慎重に対応していく必要性を強調した。

    「彼の時間を求める依頼は本当に多い。我々がそこに“ハンドブレーキ”をかける役割を果たさなければならない」

    「本当に冷静さを保つ必要がある。これほど若い人間が、この段階でこれだけの成功を収めれば、イタリア全体の注目を背負うことになる」

    「シナーとアントネッリ、アントネッリとシナー。我々はすでに3勝していて、シナーは世界ランキング1位でグランドスラムをいくつも制している」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    アントネッリ本人は“まだ不安定”と自己分析
    一方で、アントネッリ本人は現在の好調にも浮かれてはいない。マイアミGP決勝ではターン1でロックアップを喫したこともあり、自身のドライビングにはまだ改善点があると認めている。

    F1公式に対してアントネッリは次のように語った。

    「まだ少し不安定なんです。特にクラッチスタートの部分ですね」

    「そこに関しては、まだ安定した自信を持てていない。不確実さが残っているので、大きく改善しなければいけないポイントです」

    「でも今日は昨日よりもうまく対処できたと思う。昨日はすごくフラストレーションを感じていたけど、今日はもっと冷静でいられたし、気持ちを切り替えてレースに集中できた」

    “守られながら育てられる次世代スター”
    アントネッリの3連勝は、単なるルーキー旋風の域を超えつつある。イタリアではすでにヤニック・シナーと並ぶ“国民的スター”として扱われ始めており、その熱狂をメルセデスが警戒するのも当然と言える。

    一方で、アントネッリ本人は浮かれることなく、自身の弱点や未熟さを冷静に分析している。ヴォルフがメディア露出を制限している背景には、才能だけでなく精神面まで含めて長期的に育てていきたいという意図が透けて見える。

    2026年F1シーズンは、単なるタイトル争いではなく、“次世代の絶対的スター誕生”を見守る一年になりつつある。

  • マクラーレンF1 フェルスタッペン加入説に冷静対応「今のラインナップに満足」

    マクラーレンF1 フェルスタッペン加入説に冷静対応「今のラインナップに満足」

    マクラーレンF1のCEOを務めるザク・ブラウンが、レッドブルのジアンピエロ・ランビアーゼ加入決定を受けて浮上した“マックス・フェルスタッペン獲得説”について言及した。

    マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアとして長年コンビを組んできたジアンピエロ・ランビアーゼは、2028年にレッドブルを離れ、マクラーレンでチーフ・レーシング・オフィサーに就任することが決定している。この人事によって、将来的にフェルスタッペンもマクラーレンへ移籍するのではないかとの憶測が広がっていた。

    “GP加入”でもフェルスタッペン獲得には消極姿勢
    マイアミGPの週末、Sky Sports F1のインタビューに応じたザク・ブラウンは、ランビアーゼ加入がフェルスタッペン獲得への布石なのかと問われると、現在のドライバーラインナップへの強い満足感を強調した。

    「我々のドライバーラインナップにはこれ以上ないほど満足している」

    「ランド(ノリス)とオスカー(ピアストリ)は、コース上だけでなくコース外でも素晴らしい人物だ。そしてチームメイトとしての関係性も非常に良い。それこそが、今のマクラーレン成功の大きな理由だと思っている」

    「ガレージ、ファクトリー、ピットウォール、レースチーム全体に素晴らしいケミストリーがある。我々が今持っているものに本当に満足しているし、変えるつもりはまったくない」

    現在、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリはともにマルチイヤー契約を結んでおり、マクラーレンは長期体制を構築している。ノリスはチームで8年目のシーズンを迎え、ピアストリも2023年のデビュー以来、チームの中核として成長を続けている。

    それでもフェルスタッペンの実力は高評価
    一方で、仮に将来的に空席が生まれた場合、フェルスタッペンが候補になるかとさらに追及されると、ブラウンはその才能を高く評価した。

    「彼は素晴らしいレーシングドライバーだ。もし空席ができれば、それはまた別の話になる」

    「彼の才能を見れば当然だよ。もちろん、素晴らしいドライバーは他にもたくさんいる。シャルル・ルクレールも素晴らしい仕事をしているし、ルイス(ハミルトン)が再び調子を取り戻しているのを見るのも嬉しい。キミ(アントネッリ)も素晴らしい仕事をしているし、ジョージ(ラッセル)も素晴らしいドライバーだ」

    「今ここで見ている限り、キミがタイトル争いの本命のようにも感じる。ただ、このスポーツは流れが本当に速く変わる」

    「だからこそ、今のラインナップに満足しているし、ドライバーを探す状況にならないことを願っている」

    “GP流出”はレッドブルにとって象徴的な転機
    今回のランビアーゼ流出は、単なるエンジニア移籍以上の意味を持っている。2016年からフェルスタッペンとコンビを組み、4度のF1ワールドチャンピオン獲得を支えた存在だけに、レッドブル内部でも極めて象徴的な別れとなる。

    フェルスタッペン自身も「彼の決断を本当に嬉しく思う」と語り、両者の関係性について「レース界では非常に珍しいレベルのケミストリーだった」と表現していた。

    もっとも、現時点でマクラーレン側は“フェルスタッペン獲得プロジェクト”を進めているわけではなく、少なくともザク・ブラウンの発言からは、現在のノリス&ピアストリ体制を維持したい意向が色濃く見えている。