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  • アイザック・ハジャー 2026年F1エンジン規則の緩和を歓迎「正しい方向」

    アイザック・ハジャー 2026年F1エンジン規則の緩和を歓迎「正しい方向」

    2026年F1パワーユニット規則をめぐり、FIAとメーカー側が2027年以降のさらなる調整で原則合意したことについて、アイザック・ハジャーは「正しい方向に進んでいる」と歓迎した。

    FIA、FOM、チーム代表、5社のパワーユニットメーカーが参加した金曜日の重要会議を経て、FIAは2027年以降に向けた追加の「進化的変更」を検討していることを確認した。

    今月初めにマイアミで導入された規則調整により、過度なエネルギーハーベスティングは抑制され、競争環境は改善されたとされている。

    2027年に内燃機関寄りへ再調整か
    今回の合意で最大の焦点となったのは、内燃機関と電動パワーのバランスを2027年から大きく見直す案だ。

    提案では、内燃機関の出力を約50kW引き上げ、燃料流量も増加させる一方で、電動デプロイメントを約50kW削減する方向が検討されている。

    ポール・リカールで開催されたグランプリ・ド・フランス・ヒストリックでAFPの取材に応じたハジャーは、2026年に導入された内燃機関と電動パワーの50対50構造について、率直に不満を示した。

    「正しい方向に進んでいる。なぜなら、2026年に僕たちが始めたものを好きな人は誰もいないからだ」とアイザック・ハジャーは語った。

    「問題を悪化させるのではなく、改善するための解決策を見つける必要があるのは明らかだ」

    「来年については、昨日合意された内容を考えれば、正しい方向に進むしかない」

    ベッテル時代のV8レッドブルを走行
    ハジャーは同イベントで、ベッテル時代のレッドブルV8マシンも走行させた。その経験は、現在のF1マシンに対する自身の考えをより明確にするものだった。

    「それが僕にとってのドライビングの姿だ」

    「電動であろうと、音が大きかろうと、ブレーキングの前に最高速へ到達できる限り、それこそがレーシングカーというものだ」

    ハジャーは旧世代のV8マシンについて「まったく違う経験」だったと振り返った。

    「クルマは軽く、ダウンフォースははるかに少ない」

    「信じられないほど強くブレーキが効くし、サウンドも素晴らしい」

    レッドブルの巻き返しにも自信
    新時代の序盤でレッドブルが苦戦している状況についても、ハジャーは悲観していない。

    「年末までには、僕たちは大きく進歩したクルマを手にしているはずだ」

    「そして来年は、レースに勝てるクルマでシーズンを始めることになる。僕はそこにいる。それは間違いない」

    2026年F1パワーユニット規則は、電動化の比率を高める一方で、エネルギー管理の複雑化やレース中の不自然な速度変化が課題として浮上していた。FIAとメーカーが2027年以降の再調整で歩み寄ったことは、ドライバー側の感覚と競技性の両面から、現行規則の軌道修正が必要だったことを示している。

    ハジャーの発言は、単なる懐古ではなく、F1マシンに求められる本質を突いたものでもある。内燃機関と電動パワーの比率をどう整えるかは、2027年以降のF1の競争力だけでなく、ドライバーが感じる「レーシングカーらしさ」にも直結するテーマとなっている。

    Photo:Red Bull Content Pool

  • 元F1王者セバスチャン・ベッテル “17年支えた右腕”ブリッタ・ロースケが退任

    元F1王者セバスチャン・ベッテル “17年支えた右腕”ブリッタ・ロースケが退任

    セバスチャン・ベッテルの長年の“右腕”として知られたブリッタ・ロースケが、17年間にわたる協力関係に終止符を打つことが明らかになった。

    2009年からベッテルの広報担当として活動してきたロースケは、レッドブル時代の4連覇、フェラーリ移籍、そしてアストンマーティンでのラストシーズンまで、F1キャリアのほぼ全期間を支えてきた存在だ。F1パドックでは“ベッテルと常に行動を共にする人物”として知られていた。

    今回、ロースケ本人が声明を発表し、「新たなキャリアの章を始める」と説明。新たな職業的チャレンジを求めていることを明かした。

    17年間にわたってベッテルを支え続けた存在
    ブリッタ・ロースケは、単なる広報担当の枠を超えた“最側近”とも言える存在だった。

    レッドブル時代には、セバスチャン・ベッテルの4度のF1ワールドチャンピオン獲得を現場で支え、その後のフェラーリ移籍、アストンマーティン移籍にも同行。ベッテルのメディア戦略や対外コミュニケーションを一手に担ってきた。

    2022年末にベッテルがF1を引退した後も関係は続いていた。近年は個別プロジェクトやイベント出演の調整を担当しており、2025年のイモラで行われたアイルトン・セナのマクラーレンによるデモランにも関与していたという。

    また、ベッテルが近年力を入れていた環境保護やサステナビリティ活動についても、長年にわたってロースケが調整役を務めてきた。

    セバスチャン・ベッテルとブリッタ・ロースケ(フェラーリF1在籍時)

    ベッテル周辺体制にも変化
    ロースケは声明の中で、ベッテルとの仕事について「個人的にも職業的にも大きな影響を受けた、豊かで特別な経験だった」と振り返った。

    今後は、新たなチームがベッテル関連プロジェクトやパートナーシップ、メディア対応などを引き継ぐことになる。

    ブリッタ・ロースケは、F1パドックでも特に知られた広報担当者のひとりだった。ベッテル以前にはルノーやレッドブルでも活動しており、長年にわたってF1のメディア対応を支えてきた実績を持つ。

    今回の離別は、単なるスタッフ交代という以上に、ベッテル時代を象徴してきたひとつの関係性の終焉とも言えそうだ。

    Photo:Red Bull Content Pool

  • メルセデスF1 アルピーヌ株取得でも“支配否定” FIAは独立性を警戒

    メルセデスF1 アルピーヌ株取得でも“支配否定” FIAは独立性を警戒

    アルピーヌF1の株式売却問題が、新たな“マルチチーム化”論争へ発展している。

    ルノー傘下のアルピーヌF1では、24%の株式を保有するオトロ・キャピタルが持ち分売却を検討しており、その有力候補としてメルセデスF1の名前が浮上している。だが、この動きに対してFIA内部では「競技の独立性」を巡る懸念が強まっている。

    メルセデスF1による“アルピーヌ支配”を否定
    ザク・ブラウンは以前からレッドブルとレーシングブルズの関係性を批判してきた立場であり、今回のメルセデスによるアルピーヌ株取得についても「健全ではない」と警戒感を示している。

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムも最近、この問題について公に言及。「マルチチーム所有」の問題を調査中であることを認めた。特定勢力が規則投票で過剰な影響力を持つことや、“スポーツとしての公平性”が損なわれればファン離れにつながるとの懸念を示している。

    そんな中、RACERによると、メルセデスは依然としてルノー側が最優先とする買い手候補だという。

    ただし、関係者は今回の取引について「純粋な金融投資」であり、メルセデスがアルピーヌを支配することにはならないと強調している。

    仮に取引が成立しても、ルノーは引き続き76%を保有する見込みで、メルセデス側に“支配権”は渡らない構図だ。

    トト・ヴォルフも以前、「アルピーヌをジュニアチーム化するつもりはない」と説明しており、レーシングブルズのような立場にはしない考えを示している。

    それでもFIA側が納得するかは未知数だ。現行レギュレーションでは、各F1チームが“独立した競技主体”として運営されることが求められている。

    約443億円規模の大型案件に
    今回売却対象となっている24%株式の評価額について、双方はまだ正式合意に至っていない。

    しかし、ブラックブック・モータースポーツによる試算では、その価値は約6億ドル(約443億円)規模に達すると見られている。

    なお、この案件には元レッドブルF1代表クリスチャン・ホーナーも関心を示しているという。

    レッドブル退団時の契約制限が今週で解除され、ホーナーは他チームでの活動が可能となった。アルピーヌ以外ではアストンマーティンとの関連も報じられているほか、自身のチーム設立やMotoGP転向など複数の可能性が取り沙汰されている。

    F1の“マルチチーム化”問題はさらに拡大か
    今回の案件は、単なる投資案件にとどまらない。

    2026年からアルピーヌはメルセデス製PUを搭載することが決まっており、そこへ資本関係まで加われば、“事実上の提携チーム化”との見方が強まる可能性がある。

    FIAが問題視しているのは、単純な株式保有そのものではなく、技術・政治・投票力が複数チーム間で連動する構造だ。

    レッドブルとレーシングブルズの関係性が長年議論されてきたなか、今後はメルセデスとアルピーヌの関係も、新たな焦点になっていく可能性がある。

    Photo:Getty Images

  • フェラーリF1“革命PU”が裏目? メルセデスに10馬力差の危機

    フェラーリF1“革命PU”が裏目? メルセデスに10馬力差の危機

    スクーデリア・フェラーリは2026年シーズン開幕4戦でコンストラクターズランキング2位につけているものの、その裏側では“大胆すぎるPUコンセプト”が苦戦の原因になっているとの見方が浮上している。

    マイアミGPまでにフェラーリは3回の表彰台を獲得したが、直近2戦ではマクラーレンにも後れを取る展開となった。シャシー性能は高く評価されている一方で、PU性能不足が足かせになっているとの指摘がパドック内で強まっている。

    100度超の“異端設計”を採用したフェラーリF1
    伊モータースポーツ系メディア『Motorsport Italia』によると、フェラーリは2026年F1パワーユニットにおいて、あえて出力を犠牲にする代わりに、マシン全体の性能上限を引き上げる方向性を選択したという。

    一般的にはPUへ取り込む空気温度は70〜80度前後が理想とされるが、フェラーリは100度を超える“前例のない”高温コンセプトを採用。記事では「革命的」と表現されている。

    この極端な設計により、SF-26ではサイドポンツーン周辺などで非常に攻めた空力パッケージが可能になったとされる。

    しかし、その代償としてメルセデスPUに対して10〜12馬力を失っている可能性があると報じられている。

    “エンジンフォーミュラ化”の読みを外した可能性
    2026年F1は新PUレギュレーション導入により、「エンジン性能が勢力図を左右する」との見方が開幕前から支配的だった。

    だがフェラーリは、純粋なPU出力競争よりも“総合性能型パッケージ”を優先。その結果、空力面では優位性を得たものの、ストレート性能で苦戦する状況に陥っている可能性がある。

    実際、フェラーリはマイアミGPで11個ものアップグレードを投入したにもかかわらず、パフォーマンス向上は「0.08秒」にとどまったとされている。

    この結果は、現在のSF-26が“シャシーで補い切れないPU不足”を抱えていることを示唆している。

    カナダGP後へ延期された“救済システム”評価
    フェラーリは現在、FIAが導入したADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発救済制度)による巻き返しを狙っている。

    この制度は、基準PUとの差が大きいメーカーに対して追加開発機会を与える仕組みで、フェラーリは夏以降のPUアップグレード投入を計画しているという。

    当初、FIAはマイアミGP後に各PUメーカーの性能差を評価する予定だった。しかしバーレーンGPとサウジアラビアGPの開催中止により、マイアミが“第4戦”となったことで、評価タイミングはカナダGP後へ延期された。

    この変更により、フェラーリのアップグレード計画にも影響が及ぶ可能性がある。

    現在のフェラーリは“最高レベルのシャシー”を持ちながら、その武器を最大限活かし切れていない状況とも言える。今後数戦で性能向上が見られなければ、現在の唯一の強みである車体性能面でもライバル勢に飲み込まれる可能性が出てきそうだ。

  • ホンダF1に“約30億円救済” ライバル勢が撤退危機を警戒

    ホンダF1に“約30億円救済” ライバル勢が撤退危機を警戒

    ホンダが2026年F1シーズンで深刻な苦境に直面するなか、F1陣営内では“異例の救済措置”が必要との見方が広がっている。

    アストンマーティンとの新体制でF1へ復帰したホンダだが、2026年型パワーユニットは出力不足と信頼性問題に苦しみ、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは開幕から下位争いを強いられている。

    さらにAMR26側も深刻な振動問題を抱えており、ドライバーの健康面への懸念まで浮上。エイドリアン・ニューウェイがホンダ側のパフォーマンス不足に不満を示したことで、両者の関係悪化説まで報じられる状況となっている。

    そんな中で浮上しているのが、F1側による“追加支援”だ。

    F1全体がホンダ支援を容認する背景
    The Raceのジョン・ノーブルによると、F1陣営ではホンダの状況を「放置できない問題」と認識する空気が強まっているという。

    背景にあるのは、2026年型PUレギュレーションで導入されたADUO(追加開発機会)制度だ。

    通常、この制度ではベンチマークから2%遅れているメーカーに年間1回、4%遅れている場合には年間2回の追加アップグレード機会が認められる。

    しかし、ホンダはその基準を大きく超える“10%遅れ”に達しているとみられており、F1側は特別措置の拡大を認める方向に傾いている。

    報道によると、ホンダには以下の支援が認められる見通しだ。

    ■ 開発予算上限を1100万ドルへ拡大
    ■ 800万ドルの特別追加支援を付与
    ■ 合計1900万ドル(約30億円)の追加開発余地
    ■ PUテストベンチ使用時間を190時間から230時間へ拡大

    今回の措置は単なる開発優遇ではなく、「ホンダにF1を撤退されては困る」という危機感が背景にあるとの見方も出ている。

    ホンダF1 / 本田技研工業

    “ホンダ撤退”はF1全体のリスク
    現在のF1は、2026年新レギュレーションへの移行に伴い、PUメーカーの維持を重要課題としている。

    アウディの参戦によってメーカー色は強まった一方、複雑化したハイブリッドPUと莫大な開発コストは各メーカーに大きな負担を与えている。

    その中でホンダのような大手メーカーが撤退すれば、F1全体の信頼性や将来計画にも影響を及ぼしかねない。

    ジョン・ノーブルはThe RaceのYouTubeチャンネルで次のように語っている。

    「ホンダが問題を解決できず、F1に背を向けるリスクを各チームとメーカーは懸念していた。ホンダのような大手自動車メーカーを失うことは、F1全体にとって利益にならない」

    この動きは、2026年型PUレギュレーションそのものへの不満がパドック内で強まっていることも示している。

    FIAはすでにマイアミGPからエネルギー回生制限を緩和。さらに2027年以降には内燃エンジン比率を高める方向での議論も進められている。

    アストンマーティン・ホンダの未来は
    問題は、今回の支援で状況を立て直せるかどうかだ。

    アストンマーティン内部では失望感が広がっているとも報じられており、ニューウェイの厳しい発言もチーム内の緊張感を象徴している。

    一方でホンダ側は関係悪化説を否定しており、HRCさくらを中心に振動対策と信頼性改善を急いでいる。

    ただ、今回の“約30億円救済”は、単なる技術支援というよりも「F1全体でホンダをつなぎ止めるための延命措置」という側面が強い。

    2026年レギュレーションは始まったばかりだが、F1はすでに“次の方向転換”を模索し始めている。

    Photo:Honda Racing

  • F1“ヨーヨー現象”を防止へ FIA技術責任者が2027年修正を説明

    F1“ヨーヨー現象”を防止へ FIA技術責任者が2027年修正を説明

    2026年F1シーズンで導入された新世代パワーユニット規則に対する批判が強まるなか、FIA(国際自動車連盟)シングルシーター部門責任者ニコラス・トンバジスが、2027年に向けて進められているルール修正の狙いを説明した。

    現在の2026年規則では、内燃エンジンと電動システムの出力比率をほぼ50対50とする構成が採用されたが、実戦では“ヨーヨー現象”とも呼ばれる不自然なエネルギーマネジメントが問題視されている。

    “ヨーヨー現象”の背景にあるエネルギー不足
    2026年F1マシンでは、ストレート途中でバッテリー残量が尽きるケースが発生し、ドライバーは次の周回へ向けてエネルギーを温存するためアクセルを戻さざるを得ない状況に追い込まれている。

    その結果、ドライバー同士がストレートで一度接近し、その後に減速と回生を繰り返す“ヨーヨー”のような展開が生まれ、従来のF1とは異なるレーススタイルへの批判が噴出していた。

    こうした問題を受け、FIAはマイアミGPから緊急的な調整を導入。さらに2027年以降に向けて、内燃エンジン出力を約50kW引き上げる一方で、電動出力を同程度削減する方向で各メーカーと原則合意に達している。

    トンバジス「防御的な走りだけにはしたくない」
    ニコラス・トンバジスは独『Auto Motor und Sport』に対し、今回の修正が“ハイブリッド放棄”ではないと強調した。

    「当初のエネルギー配分では、特定条件下で非常に早い段階でバッテリーを使い切ってしまう可能性があると認識した」とトンバジスは説明した。

    「2027年以降は内燃エンジンに少し余裕を持たせることで、エネルギーマネジメントをより安定したものにできる」

    さらにトンバジスは、現在のF1で問題視されている“防御的なレース”を避けたい考えを示した。

    「我々の目的はハイブリッドコンセプトを薄めることではない」

    「しかし、システムが完全に防御的に機能するだけの状態ではなく、ドライバーがストレートで攻め続けられる状況を確保する必要がある」

    「次の周回のためにエネルギーを残そうとして、ストレート途中でアクセルを戻さなければならないような状況は避けたい」

    2026年への前倒しは見送り
    一方で、こうした変更が2026年シーズン中に前倒し導入される可能性については否定した。

    トンバジスは「2026年用の設計はすでに大部分が凍結されている」と説明している。

    「2027年向けの調整によって、メーカーは十分な準備期間を得ながら、それぞれのコンセプトを最適化できる」

    「これは急進的な改革ではなく、進化的な改良だ」

    Photo:Alpine

  • オスカー・ピアストリ レッドブルF1移籍説をけん制「マクラーレンを強くしたい」

    オスカー・ピアストリ レッドブルF1移籍説をけん制「マクラーレンを強くしたい」

    オスカー・ピアストリが、レッドブル移籍説が浮上するなかでもマクラーレンへの強い忠誠心を改めて示した。

    マックス・フェルスタッペンの将来的な去就が不透明視されるなか、レッドブルが後継候補としてピアストリに注目しているとの報道が続いている。しかし、本人の最新コメントからは、少なくとも現時点でマクラーレンを離れる意思がないことが明確に伝わってくる。

    “チームに尽くすドライバー”として記憶されたい
    ピアストリはマクラーレンのYouTubeチャンネルの特集内で、自身がF1ドライバーとして何を重視しているかを語った。

    「自分自身をしっかり管理する必要がある。エンジニアのチームだけじゃなく、ファクトリーにいる何百人もの人たちとも協力していかなければならない」

    「求められるものは本当に多い。でも、それらを全部備えていても、速くなければ意味はない」

    そう語ったピアストリは、自身のキャリアを“マクラーレン成功時代の一員”としてだけではなく、“チームを強くしたドライバー”として残したいと説明した。

    「僕がただ成功した時代のドライバーだった、というだけではなく、チームの成功に貢献したドライバーだったと思ってもらえたら嬉しい」

    「たとえワールドチャンピオンになれなかったとしても、常に全力で戦い、ベストを尽くそうとしていたドライバーとして記憶されたい。それも正しいやり方でね」

    「真のレーサーでありながら、チームにとても献身的で、マクラーレンをより良いチームにしようとしていた人物として覚えられたい」

    レッドブル移籍説との温度差
    ピアストリは現在、F1グリッドでも屈指の評価を受ける若手ドライバーのひとりであり、レッドブルが関心を寄せるのは自然な流れとも言える。

    特に、2025年シーズン終盤にはチーム内でランド・ノリスとの扱いの差が話題になったことで、“エース待遇”を求めて将来的な移籍を検討する可能性も取り沙汰されてきた。

    しかし今回のコメントでは、個人の立場よりも“チーム全体への貢献”を重視する姿勢が前面に出ている。

    実際、ピアストリはF1デビュー前にもアルピーヌとの既存関係を断ち切ってまでマクラーレン加入を選択しており、一度決めたプロジェクトに対して強いコミットメントを示してきた。

    マクラーレンはピアストリに応えられるか
    ザク・ブラウンはこれまで、タイトル争いで明確な優位性が生まれればピアストリを支援する可能性を示唆している。

    ただ、昨年のチームオーダーや戦略判断を巡っては、「本当にピアストリを全面支援するのか」という懐疑的な見方も依然として存在する。

    だからこそ、2026年シーズンはマクラーレンにとっても重要な意味を持つ。ピアストリの“献身”に対して、チームがどこまで本気で応えられるか――その姿勢が、今後の長期的な関係性を左右する可能性がある。

    Photo:Getty Images

  • アウディF1「PU性能が不足」 ル・マン哲学で2030年の頂点目指す長期計画

    アウディF1「PU性能が不足」 ル・マン哲学で2030年の頂点目指す長期計画

    アウディF1は2026年シーズン序盤の苦戦を認めつつも、長期的な視点で頂点を目指しているようだ。新たにレーシングディレクターに就任したアラン・マクニッシュは、現時点で最大の課題がパワーユニットにあることを率直に認めた。

    一方で、シャシー面については「予想以上のスタート」と評価。ル・マンで培った耐久レースの哲学を引き合いに出しながら、「2030年までにタイトル争いをできるチームになる」という現実的なロードマップを描いている。

    アラン・マクニッシュ「最大の課題はパワーユニット」
    アラン・マクニッシュは、マイアミGPでF1.comに対し、アウディの現状について率直に語った。

    「パワーユニット側について言えば、間違いなくそこが最大かつ最も難しい仕事だ」

    「初めて参入する分野だから、多くを学ばなければならない」

    「現時点では、まだピークパフォーマンスを発揮できているとは思っていない」

    「そこには改善すべき点があるし、パフォーマンス面でも少し不足している」

    アウディは2026年からワークス体制でF1参戦を開始したが、新レギュレーション下では独自PU開発の難しさに直面している。特に序盤戦では信頼性やエネルギーマネジメント面で苦戦が目立っていた。

    “予想以上”のシャシー性能を評価
    その一方で、マクニッシュは車体側についてはポジティブな評価を下している。

    「マシン側については、非常に良い仕事をしていると思う」

    「全体として、我々がここまで良いスタートを切ると予想していた人は多くなかったのではないか」

    アウディは開幕4戦でコンストラクターズランキング8位、2ポイントを獲得。結果だけを見ると苦しいスタートだが、一発の速さやQ2進出など、断片的には競争力を見せている。

    現場ではオペレーション面のミスや信頼性問題も発生しているが、マクニッシュは「新規参入チームとしては悪くない出発点」と捉えているようだ。

    ル・マン経験から語る“長期戦”の重要性
    マクニッシュは、アウディのプロジェクトを耐久レースになぞらえながら、短期的な結果だけを追うべきではないと強調した。

    「私のこれまでのレース経験、特にスポーツカーの世界から学んだことがある。ル・マンは完璧な例だが、常にスプリントではない」

    「個々のレースは短期決戦でも、チャンピオンシップは耐久戦であり、長期的なビジョンが重要なんだ」

    「その点で言えば、我々は未来に向けてかなり良い形で築き上げていると思う」

    アウディ首脳陣は、このプロジェクトに対して2030年までにタイトル争いへ到達することを期待していると報じられている。

    “新参者”として現実的な目標設定
    マクニッシュは、現時点で過度な期待を抱くべきではないとも語った。

    「我々は現実的でなければならない」

    「我々は新参者だ。サーキット内外で学ばなければならないことが非常に多い」

    「そういう観点から見れば、現時点の我々は非常に良いスタートを切れていると思う」

    短期的な目標については、安定したQ3進出とポイント獲得を掲げた。

    「Q3争いに加わり、安定してポイントを狙える位置に行きたいと思っている」

    「ただ、それが毎回可能だとも分かっているわけではない」

    「だからこそ、これは長期プロジェクトの1年目なのだと理解する必要がある。次の1戦だけに固執するのではなく、我々がどこへ向かっているのかというビジョンを持つことが重要なんだ」

    2026年F1の新規ワークス参戦組として注目を集めるアウディだが、マクニッシュの発言からは“即結果”ではなく、“数年単位で頂点へ向かう計画”を重視している姿勢が色濃く見えてくる。

    Photo:Audi

  • アストンマーティンF1 “異例の問題”で開発停滞 アップグレード遅延を説明

    アストンマーティンF1 “異例の問題”で開発停滞 アップグレード遅延を説明

    アストンマーティンは、2026年F1マイアミGPにAMR26の空力アップグレードを持ち込まなかった理由を説明した。開幕4戦を終えてコンストラクターズ選手権最下位、獲得ポイントなしという厳しい状況にあるなか、チームは新パーツ投入よりも信頼性、振動低減、ドライバビリティ改善を優先している。

    フェラーリが11点、マクラーレンとレッドブルがそれぞれ7点のアップデートを投入し、他チームも少なくとも1点の開発アイテムを持ち込んだ一方で、アストンマーティンはAMR26に空力面の新パーツを用意しなかった。

    空力アップデートより優先された「異例の問題」
    元チーム代表で現在はチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、空力開発の投入時期について明言を避けた。

    「我々はこの数週間、数か月で見てきた。特に、信頼性、振動の低減、ドライバビリティの改善に関して進歩を遂げてきたやり方を考えれば、すでにかなり大きなアップグレードを行ってきたと思う」

    「そして、その方向で作業を続けなければならない。だから、次のレースなのか、その次のレースなのか、あるいはいつになるのかという話には引き込まれたくない」

    「シーズンが始まったとき、我々には多くの問題があった。異例の問題だった。しかし、我々がリソースを投入したスピードはかなり注目に値するものだったと思う」

    「さらに前進できることを期待できるし、そうなると考えている。ただし、埋めなければならない差が大きいことも認めなければならない。これは決して1週間でできる作業ではないかもしれない」

    アストンマーティンの開幕戦からの問題は深刻だった。シーズン序盤は技術的トラブルによって両ドライバーの走行時間が制限され、マイアミGP前までの完走扱いは鈴鹿でのフェルナンド・アロンソの18位のみだった。

    なかでもパワーユニットのバッテリーに起因する振動問題は大きな焦点となり、中国GPではアロンソが不快感を理由にリタイア。アロンソとランス・ストロールの双方が、神経への影響を懸念する状況にまで発展していた。

    マイアミGPでは、アロンソが15位、ストロールが17位でフィニッシュし、チームとして今季初の2台完走を達成した。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「今のパッケージから引き出せるものがまだある」
    フェルナンド・アロンソは、空力アップデートが夏休み明けまで投入されない可能性にも言及している。そうしたなかで、なぜ開発投入を遅らせる価値があるのかを問われたクラックは、現行パッケージの使いこなしがまだ不十分だと説明した。

    「『戦略は何か』『計画は何か』を認識しなければならない」

    「ここトラックでの我々の仕事は、持っているものから最大限を引き出すことだ。マイアミでは、何らかの理由で、すべてが最適だったとは言えないと思う」

    「うまくやったとは思うが、もっと良くできたはずだ。同じことはエネルギーにも当てはまるし、ドライバビリティにも当てはまる」

    「だから、現時点のこのパッケージから引き出すべきものは多い。全員のモチベーションを保ち、その作業を続けることが重要だ。そして、大きなステップが来るのを待つことになる」

    アストンマーティンにとって、空力アップデートの遅れは単なる開発停滞ではなく、AMR26が抱える根本的な問題への対応を優先した結果でもある。信頼性、振動、ドライバビリティという基盤を整えなければ、新パーツを投入しても本来の効果を測ることは難しい。

    ただし、ライバルがすでに大規模なアップデート競争に入っているなかで、アストンマーティンが「大きなステップ」を待つ時間的余裕は限られている。マイアミでの2台完走は前進ではあるが、ポイント圏外という現実は変わっておらず、AMR26が次に示すべきなのは、完走だけでなく競争力の明確な改善となる。

  • ジョージ・ラッセル 次世代F1レギュレーションにV8熱望「軽量化も必要」

    ジョージ・ラッセル 次世代F1レギュレーションにV8熱望「軽量化も必要」

    メルセデスのジョージ・ラッセルが、将来のF1レギュレーションについて自身の理想像を語った。2026年F1レギュレーション導入からわずか4戦ながら、すでにFIA内部やメーカー間では“次の時代”を見据えた議論が始まっている。

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが2030年までにV8エンジン復活の可能性に言及したことで、パドックでは次世代パワーユニット論争が活発化。そんな中、ラッセルは「V8」「持続可能燃料」「軽量化」を次のF1に必要な要素として挙げた。

    ジョージ・ラッセル「V8はかなりクール」
    ジョージ・ラッセルは次世代レギュレーションについて問われると、まずV8エンジン復活への期待を隠さなかった。

    「もちろん、話すべきことはたくさんある」とジョージ・ラッセルは語った。

    「V8に戻るというのは、かなりクールだと思う」

    「持続可能燃料というテーマも素晴らしいものだし、F1にとってすごく良い方向性だと思う」

    近年のF1はハイブリッド化と電動化を強く推し進めてきたが、2026年F1レギュレーションでは“電動比率50%”が過度になりすぎたとして、すでにエネルギー配分の見直し議論が進んでいる。

    その流れの中で、V8回帰論は単なるノスタルジーではなく、“よりシンプルで軽量なF1”を求める流れとも重なり始めている。

    「もっと軽いF1マシンが必要」
    ジョージ・ラッセルが特に強調したのがマシン重量だった。

    「もっと軽いマシンにする方法を見つける必要があると思う」

    「マシン重量を減らすことは、レースやドライバビリティの面でポジティブな影響があったと思うし、お互いに接近して戦えることにもつながっている」

    現在のF1マシンは安全装備やハイブリッドシステム大型化の影響で、20年前と比べて大幅に重量が増加している。特に2026年F1マシンでは大型バッテリーやエネルギー回生システムの存在が重量問題をさらに複雑化させている。

    その一方で、FIAとFOMは“オーバーテイク可能なF1”を維持したい考えも強く持っている。ラッセルも、単純に2000年代マシンへ回帰すればいいわけではないと語った。

    F1レギュレーション V型8気筒

    “黄金時代”でもオーバーテイクは少なかった
    ジョージ・ラッセルは、ファンから“F1黄金時代”と語られる2000年代初頭についても冷静な視点を示した。

    「20年前のF1は史上最高のマシンだったと言われているし、僕もあれはF1史上最もクールなマシンだったと思う」

    「でも、2000年代前半はほとんどオーバーテイクがなかった」

    「そこは忘れてはいけないし、次のステップを考える上で重要なことだと思う」

    近年のF1は空力規則変更によって接近戦を増やす方向へ進化してきた。一方で、“音”“軽さ”“シンプルさ”を求める声も根強い。

    2026年F1レギュレーションを巡る混乱が続く中、すでにパドックでは“2030年のF1”を巡る議論が始まっている。ラッセルの発言は、その流れを象徴するものとなった。