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  • フェラーリF1 メルセデスの“特殊燃料”に疑念 馬力差拡大でFIA検査強化へ

    フェラーリF1 メルセデスの“特殊燃料”に疑念 馬力差拡大でFIA検査強化へ

    フェラーリは、メルセデスのパワーユニットが2026年F1シーズン序盤に示している馬力面での優位について、“特殊燃料”が関係している可能性を強く疑っている。

    モナコGPではフェラーリが優勝候補と見られているが、それはシャシー性能の高さが大きく影響する例外的な舞台とされる。一方で、エンジン面ではメルセデスとの差が開きつつあるとの見方が強まっている。

    フェラーリが疑う“特殊燃料”と圧縮比の抜け穴
    Motorsport Italiaによれば、フェラーリはシーズン開幕時点でメルセデスに対して約20馬力のビハインドがあると見積もっていた。しかし現在では、その差がさらに拡大した可能性があると見ている。

    冬の段階から、メルセデスがエンジンレギュレーション上の抜け穴を利用し、燃料の最大許容圧縮比16:1を超える形で運用しているのではないかという噂があった。その運用には“特殊燃料”が必要とされる一方、追加の馬力を得られる可能性があるとされている。

    フェラーリは、この仕組みがメルセデスの優位を押し広げていると強く疑っている。どれほどの馬力差につながっているかについては見方が分かれるが、重要なのは、これまでのFIA検査では検出できなかった可能性がある点だ。

    FIAはモナコGPから高温状態で検査へ
    FIAはモナコGP以降、従来の常温状態ではなく、130度の高温状態でエンジンを検査する方針に切り替える。これは、問題視されている抜け穴を塞ぐための措置とされる。

    さらに8月以降には、この議論に決着をつけるため、より厳格な検査が導入される可能性もある。

    一方、メルセデスのブリックスワースにあるエンジン部門からは、今回の取り締まりによって「何も変わらない」との見方が出ている。仮に燃料の変更を迫られる事態になれば、パフォーマンス低下が目に見える形で表れる可能性もあるが、現時点ではメルセデス側は影響を否定している。

    ADUOを待つフェラーリと勢力図への影響
    フェラーリは2026年F1エンジン規則に新たに導入されたキャッチアップ制度、ADUO(追加開発・アップグレード機会)の対象になると見込んでいる。ただし、大規模なアップデートが投入されるまでにはまだ数か月を要する。

    メルセデスはワークスチームだけでなく、マクラーレン、アルピーヌ、ウィリアムズにもパワーユニットを供給している。そのため、仮に燃料や検査基準をめぐる問題が実際の性能差に影響していた場合、2026年F1シーズン全体の勢力図にも波及する可能性がある。

    フェラーリにとってモナコGPは勝機のある一戦だが、低速市街地という特性がその弱点を覆い隠すにすぎない可能性もある。FIAの検査強化によってメルセデスの優位が維持されるのか、それとも馬力差に変化が生じるのか。2026年F1パワーユニット戦争は、技術開発だけでなく燃料と検査基準をめぐる攻防へと広がっている。

  • アストンマーティンF1 なぜアップデートなしで改善? アロンソが語る変化の正体

    アストンマーティンF1 なぜアップデートなしで改善? アロンソが語る変化の正体

    アストンマーティンは2026年シーズン序盤の大不振に苦しんでいるが、カナダGPではフェルナンド・アロンソが「マシンとの一体感が増した」と語るなど、明るい兆しも見え始めている。

    興味深いのは、その改善がマクラーレンやメルセデスのような大規模アップデートによるものではない点だ。FIA提出資料上ではAMR26に大きな変更はなく、それでもパフォーマンスは向上しているという。

    アップデートがなくても速くなる理由
    現在のF1では、新パーツ投入によるパフォーマンス向上が一般的だ。しかし実際には、既存パッケージの最適化だけでもラップタイムは改善できる。

    アストンマーティンの場合、シーズン開幕時のAMR26は深刻な振動問題を抱えていた。まずはその根本的な問題を解決する必要があり、新しい空力パーツを投入する前にマシン本来の性能を引き出す作業が優先された。

    その結果、見た目には同じマシンでも、オーストラリア開幕戦時のAMR26と現在のAMR26では実質的な完成度が異なっている。

    ホンダPUにも改善の兆し
    ホンダ側でも改善作業は続いている。

    HRCの現場責任者である折原伸太郎は、カナダGPについて次のように説明した。

    「カナダでは大きな問題は発生せず、PUの観点からはすべてスムーズに進んだ。我々はポジティブな兆候を確認しており、モナコで重要となるいくつかの要素も検証できている」

    ホンダは現在、ADUO(追加開発機会)の適用を待ちながら、エネルギーデプロイメントやドライバビリティの改善を進めている。カナダではそうした取り組みの成果が徐々に表れ始めたようだ。

    アロンソが感じた「つながり」
    最も分かりやすい変化を語ったのはフェルナンド・アロンソだった。

    カナダGP後、アロンソは次のように振り返った。

    「僕たちは以前より速くなった。マシンとの一体感も増している。セットアップ、バランス、エンジン、エネルギー配分、ギアボックスなど、すべてが改善された」

    アロンソが挙げた改善点は、いずれもアップデートリストに掲載されるような新パーツではない。しかしドライバーが直接感じる操作性や安定性に関わる重要な部分であり、結果的にラップタイム改善へつながっている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    夏以降に本格アップデートを投入
    一方でアストンマーティンは、現在の改善だけで満足しているわけではない。

    ランス・ストロールによると、シャシー側の大規模アップデートはスパ・フランコルシャン、もしくはその次のレースで投入される予定だという。

    ストロールは現状の課題について、

    「もっとダウンフォースとパワーが必要だ」

    と率直に語っている。

    そのアップデートにはエイドリアン・ニューウェイの影響も反映される見通しだ。ニューウェイは開幕戦以降サーキットには帯同しておらず、シルバーストンで2026年マシンの問題分析と将来計画に集中している。

    モナコが本当の試金石になる
    カナダではアロンソがスプリント予選でSQ2進出ペースを示し、決勝でも19番手スタートからポイント圏争いに加わるなど、従来より競争力を見せた。

    もちろんAMR26が突然トップ争いに加われるレベルまで改善したわけではない。しかし、振動問題の緩和、PUのドライバビリティ向上、セットアップ理解の進展によって、マシンは確実に扱いやすくなっている。

    そして低速コーナー中心のモナコGPは、その進歩が本物かどうかを測る格好の舞台となる。大規模アップデート投入前のアストンマーティンにとって、今週末は今後を占う重要なレースになりそうだ。

  • F1モナコGPでアクティブエアロ禁止 FIAが“ストレートモードなし”を決定

    F1モナコGPでアクティブエアロ禁止 FIAが“ストレートモードなし”を決定

    2026年F1モナコGPでは、今季から導入されたアクティブエアロの「ストレートモード」が使用されないことが明らかになった。

    FIA(国際自動車連盟)はモナコ市街地コースにストレートモードゾーンを設定せず、安全性を優先する判断を下した。これにより、2026年シーズンで初めてストレートモードが全面的に使用されないグランプリとなる。

    アクティブエアロとは何か
    2026年の新レギュレーションでは、従来のDRS(ドラッグ・リダクション・システム)に代わり、可動式のフロントウイングとリアウイングを活用するアクティブエアロが導入された。

    ドライバーは指定された「ストレートモードゾーン」に入ることでウイング形状を変化させ、空気抵抗を減らして最高速度を向上させることができる。

    ただし、FIAは各サーキットごとに安全性やコース特性を評価した上でゾーンを設定している。

    モナコで禁止された理由
    モナコGPでは、スタート・フィニッシュストレートを含め、ストレートモードゾーンは一切設置されない。

    FIAはコース内の加速区間やブレーキング区間において、ストレートモード作動時にマシンの安定性へ悪影響を及ぼす可能性があると判断した。

    また、FIAの基準ではストレートモードの作動区間は最低3秒間継続する必要があるが、モナコにはその条件を満たす区間が存在しないとみられている。

    特に市街地コース特有の狭さやガードレールとの距離を考慮し、安全性が最優先された格好だ。

    モナコグランプリ

    オーバーテイクモードは使用可能
    一方で、2026年マシンに搭載されている「オーバーテイクモード」はモナコでも使用可能となる。

    作動ポイントは最終コーナー付近に設定されており、ドライバーは追加の電力を利用して前車への攻撃を試みることができる。

    ただし、アウディのガブリエル・ボルトレトは、モナコではエネルギー回生量が多くバッテリー不足に陥りにくいことから、大きな効果は期待しづらいとの見方を示している。

    「正直に言えば、モナコでオーバーテイクするのは難しいと思う。モナコでは回生が非常に多いから、エネルギー不足に悩まされることはほとんどない」

    「ストレートモードも使えないと理解しているので、ウイングの効果もなくなる」

    「昨年より少しでもレースが面白くなればいいと思うが、今のF1マシンは依然として大きく、オーバーテイクは簡単ではない。過去と大きく変わるとは思わないが、間違っていることを願っている」

    2025年導入の2ストップ義務も廃止
    なお、昨年のモナコGPで導入された義務的な2ストップルールは、ドライバーから賛否両論の評価が寄せられたことを受けて2026年は廃止された。

    そのため今年のモナコGPは、ストレートモードなし、2ストップ義務なしという形で開催されることになる。

    アクティブエアロという2026年最大の技術革新のひとつが封印されることで、モナコは他のグランプリとは異なる特殊なレースウイークとなりそうだ。

  • フォード 22年ぶりF1表彰台でレッドブルとの提携に自信「長期的に続けたい」

    フォード 22年ぶりF1表彰台でレッドブルとの提携に自信「長期的に続けたい」

    フォードは、2026年F1カナダGPでマックス・フェルスタッペンが3位に入ったことで、レッドブル・フォード・パワートレインズとして初の表彰台を獲得した。フォードの名がF1の表彰台に戻ったのは、ジョーダン・フォードのジャンカルロ・フィジケラが2003年ブラジルGPで優勝して以来、22年ぶりとなる。

    フォード・レーシングのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは、レッドブルおよびレッドブル・パワートレインズとの提携が順調に進んでいると強調。

    2026年F1シーズン序盤から注目を集めるRBPT製パワーユニットの競争力について、フォードとしても確かな手応えを得ている。

    22年ぶりに戻ったフォードの表彰台
    カナダGPでのフェルスタッペンの3位は、フォードにとって象徴的な結果となった。フォードの名前がF1で表彰台に上がったのは、2003年ブラジルGP以来。かつてF1で176勝、10度のコンストラクターズタイトルを支えたフォードにとって、今回の結果は単なる3位以上の意味を持つ。

    「マックスがレッドブル・フォード・パワートレインズ時代の初表彰台を獲得したことは、我々のパートナーシップにとって節目となる瞬間だ」とマーク・ラッシュブルックはコメント。

    「2026年シーズンに向けて注がれてきた並外れた努力を目の当たりにできたことは素晴らしいことであり、この結果はオラクル・レッドブル・レーシングとフォード・レーシング双方の努力にふさわしい指標だ」

    レッドブル・フォードPUへの評価
    2026年F1シーズン序盤、レッドブルRB22の競争力には一貫性を欠く部分もあるが、パワーユニットに関してはパドック内で高い評価を受けている。メルセデスと並ぶトップ2の一角、あるいはベンチマークに近い存在と見る声も出ている。

    ラッシュブルックは、レッドブルとの技術提携について「我々は今の位置に非常に満足している」と語った。

    「レッドブル・レーシングとレッドブル・パワートレインズは素晴らしいパートナーだ。それは3年半前に契約を結んだときから分かっていた」

    「ミルトンキーンズを拠点に、彼らとともにまったく新しいパワートレインを開発してきたこのパートナーシップは素晴らしいものだった。そして、そのパワーユニットがレッドブル・レーシングのマシン、そしてレーシングブルズのマシンにも搭載されていることを非常に誇りに思っている」

    ラッシュブルックは、RBPTを率いるベン・ホジキンソン、そしてレッドブルのレーシング部門全体を統括するローラン・メキースとの関係にも満足していると説明した。

    「もちろん、我々はレースに勝ち、チャンピオンシップを勝ち取りたい。もっと上位にいたいという思いはあるが、現時点ではトップハーフにいること、そしてミルトンキーンズに存在する能力を考えれば、今の位置には満足している」

    問題はあるが、解決への姿勢を評価
    ラッシュブルックは、レッドブル・フォードのプロジェクトに課題がないとは言わなかった。ただし、その問題を解決し続ける姿勢こそが、フォードが求めるパートナー像だと語っている。

    「2025年には、マックスをチャンピオンシップまで2ポイント差に迫らせるところまで巻き返した。キャンパス内外の全員が、パフォーマンスを改善し続けるために非常に懸命に働いている」

    「我々がパートナーに求めるのは、それだけだ。トップ・オブ・ザ・グリッドを目指して努力し続けるために、何であれ必要なことをするというコミットメントだ」

    「当然、問題はあった。間違いなくあった。しかし我々は、その問題を解決し、パフォーマンスを改善し続けることにコミットしている」

    ADUOと開発制限への見解
    2026年F1パワーユニット規則では、各メーカーの性能差を是正するためのADUOが注目されている。パドック内では、RBPTがトップ性能から2%以内に入っているため、追加のホモロゲーション更新機会を得られない側になる可能性もささやかれている。

    ラッシュブルックはその具体的な推測には踏み込まなかったが、キャッチアップ・メカニズムそのものには理解を示した。

    「何らかの仕組みは必要だ。皆がここにいるのは、イノベーション、学習、そしてマーケティングのためでもある。全員のブランドが懸かっている。だから、機会を与えることは適切だと思う」

    「我々は、ローランとベンがFIAやF1との直接の議論をリードすることに任せている。我々も彼らとオフラインで話をしているし、会議の場で彼らが我々をどう代表しているかを信頼している。彼らは素晴らしい仕事をしている」

    一方で、ホジキンソンは以前、現在のホモロゲーション規則よりも自由な開発競争を望む考えを示していた。ラッシュブルックも、コスト管理の重要性を認めつつ、競争の余地は議論されるべきだとした。

    「コストを管理し、コストキャップを維持することは重要だと思う。制御不能になれば、スポーツを傷つける可能性があるし、誰かがスポーツを去る原因にもなり得る」

    「しかし、我々は競争者でもある。変更を加える機会があること、それがレースだ」

    フォードはF1長期参戦を希望
    フォードのF1復帰は、規則議論とレッドブルの大規模な体制変更が重なる中で始まった。クリスチャン・ホーナー退任後、ローラン・メキースがレッドブルのレース活動全体を統括する形となり、RBPTもその枠組みの中に置かれている。

    それでもラッシュブルックは、フォードとレッドブルの関係は今後さらに深まっていくと見ている。

    「最初の段階、3年半前から、我々はどこで貢献できるか、レッドブルがどこで我々に貢献してほしいと考えているかのリストを持っていた。そのリストはこの3年半で広がってきた」

    「レッドブルはレーサーであり、我々もレーサーだ。我々は勝ちたい。だから、その取り組みに貢献できるものは何であれ提供してきた」

    「我々は現在のレギュレーション期間を通じて、それを続けることにコミットしている。フォードはF1に長期的にいたい。我々は22年間グリッドから離れていた」

    「戻ってこられて非常にうれしいし、それを長期的に続けたい。そして、レッドブルとの関係にも非常に満足している。これはパートナーシップであり、戦略的な技術提携だ。我々は互いに話し、耳を傾け、前に進むことができていると感じている」

  • アストンマーティンF1低迷をトスト分析「健康次第だがニューウェイなら立て直せる」

    アストンマーティンF1低迷をトスト分析「健康次第だがニューウェイなら立て直せる」

    元F1チーム代表のフランツ・トストは、アストンマーティンがホンダとの新時代で苦戦している背景について、ホンダ製パワーユニットの問題、エイドリアン・ニューウェイの加入時期、そして健康面への懸念を含めて見解を示した。

    トストは『15 Love – Der Business podcast』で、アストンマーティンの2026年シーズン序盤が期待外れに終わっている理由について語り、まずホンダの新エンジンに厳しい評価を下した。

    ホンダの問題とニューウェイの“時間不足”を指摘
    「まず第一に、残念ながらホンダはこの新しいエンジンで混乱を招いた。彼らは、おそらく期待していたようには機能しないものを作ってしまった」とトストは語った。

    ただし、トストは日本メーカーが問題を解決できると見ている。

    「私は日本人を知っているし、遅くとも来年までには彼らが問題を解決すると確信している」

    トストはさらに、ニューウェイのアストンマーティン加入が遅かったことも要因に挙げた。

    「エイドリアン・ニューウェイはアストンマーティンに非常に遅く加わった。彼が始めたのは昨年4月だけだったと思うし、これほど大規模なプロジェクトにとっては極めて短い期間だ」

    「まだ修正すべきことはたくさんある」

    ニューウェイ低調説と健康面への含み
    この発言が注目されるのは、ニューウェイがチーム内で急に表舞台に出なくなったことや、健康面への懸念をめぐる噂が出ているためだ。

    「健康が許すなら、彼は2027年に向けてまともなマシンをまとめ上げることができると思う」とトストはコメント。

    「実際、私はかなりそう確信している」

    アストンマーティンにとって2026年は、新しいホンダ時代の出発点でありながら、信頼性やドライバビリティ、パフォーマンスの面で厳しいスタートとなっている。トストの見方では、その立て直しにはホンダ側の改善だけでなく、ニューウェイが十分な時間と状態を確保できるかも重要な条件になる。

    アントネッリを「新世代のスーパースター」と評価
    一方でトストは、メルセデスの選手権リーダーであるキミ・アントネッリを、F1で最も際立つ新星として挙げた。

    「マックス・フェルスタッペンは現在、明らかにF1で最高のドライバーだ。それは疑いない」

    「だが、キミ・アントネッリはセンセーショナルな仕事をしていると言わなければならない。本当に印象的だ」

    トストは、19歳のアントネッリがチームメイトのジョージ・ラッセルを上回っていることにも驚きを隠さなかった。

    「アントネッリが現在、ラッセルをこれほど明確にコントロールしていることには驚いている」

    「彼の方が速い。ここまでとは予想していなかった」

    現在もレッドブルで非常勤コンサルタントを務めるトストは、アントネッリの成熟度を高く評価した。

    「アントネッリは、この経験値で最初の数レースにおいてセンセーショナルなパフォーマンスを見せている」

    「彼が見せる落ち着き、視野の広さ――彼はすでに新世代のスーパースターの一人に入っている」

    トストはまた、メルセデス代表で同じオーストリア出身のトト・ヴォルフが、アントネッリにとって理想的な指導者だと見ている。

    「重要なのは、天狗にならないことだ」

    「トトという優れたチーム代表でありリーダーがいる。彼は正しく導いてくれるだろう」

  • アントネッリのメルセデスF1支援体制にブランドル「トトとボノの存在は幸運」

    アントネッリのメルセデスF1支援体制にブランドル「トトとボノの存在は幸運」

    キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2026年F1カナダGPでジョージ・ラッセルとの激しいチームメイト対決の末に感情を爆発させた。

    しかし元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、その若さゆえの反応に一定の理解を示しつつ、メルセデスにはトト・ヴォルフとピーター・“ボノ”・ボニントンという強力な支援体制があると評価した。

    カナダGPのスプリントでは、ラッセルとアントネッリがレースを支配。ポールポジションのラッセルを背後から追うアントネッリの方がペースに優れているようにも見えたが、なかなかオーバーテイクには至らなかった。

    ターン1で起きた接触と“感情的な無線”
    6周目、アントネッリはターン1でアウト側から仕掛けた。両者は軽く接触し、ラッセルは若いチームメイトをコース外へ押し出す形となった。

    アントネッリはコースへ復帰したものの、無線では「かなり悪質だ」と不満を爆発させ、「僕は並んでいた」と主張。その直後の別のオフコースによってランド・ノリスにも先行を許し、最終的にはラッセルから1.8秒差の3位でスプリントを終えた。

    Sky Sports F1のコラムでブランドルは、まずラッセル側の対応について理解を示した。

    「ジョージの方がわずかに状況をコントロールできていて、トラックポジションを維持していた。ただ、キミの方が少し速そうにも見えた。これは決勝でも再び見られたことだ」とブランドルは記した。

    「ターン1でアントネッリがアウト側から仕掛けたことで、避けられない瞬間が訪れた。彼はレーシングルームを得る権利にかなり近づいていたが、結局のところ、勝利やタイトルを争っているドライバーなら誰でも相手をコース外へ押し出しただろう。我々もそうしたし、そうされることも予想していたはずだ」

    “学級主任”ヴォルフが無線介入
    一方でブランドルは、アントネッリのその後の反応については冷静さを欠いていたと指摘した。

    「キミはスプリントの間、少し頭に血が上ってしまっていた。そのため“学級主任”のトト・ヴォルフが無線で介入するほどだった」

    ヴォルフは無線で、アントネッリにドライビングへ集中するよう求め、議論はレース後のデブリーフに持ち越すよう伝えていた。

    ブランドルはさらに、メルセデスのサポート体制の重要性を強調した。

    「キミはこういう瞬間に、ボノとトトの知恵を得られるのは幸運だ。我々の時代なら、接触や事故の現場へ真っ直ぐ向かって、レース後に言い争いになっていただろう」

    決勝では4連勝で“雪辱”
    しかし翌日の決勝では、アントネッリが見事に立て直した。

    フロントロウから好スタートを決めたアントネッリは、序盤にラッセルと激しく首位を争いながらも後続を5秒以上引き離す展開を築いた。

    レースをリードしていたラッセルは30周目前後でバッテリートラブルによりリタイア。その後はアントネッリがルイス・ハミルトンに10秒以上の差をつけて快勝した。

    これでアントネッリは4連勝を達成。ランキングではラッセルとの差を43ポイントへ広げ、タイトル争いの主導権をさらに強めている。

    19歳王者候補に求められる“感情のコントロール”
    今回の一件は、アントネッリの速さと同時に、19歳という若さも改めて浮き彫りにした。

    メルセデス内部では、ラッセルとアントネッリの関係が2026年F1タイトル争いの中心軸になりつつある。ブランドルの指摘どおり、今後の鍵は純粋なスピードだけではなく、激しいプレッシャー下でも感情を制御できるかどうかにある。

    特にラッセルのような経験豊富なチームメイトとの接近戦では、“自分が正しい”という感情だけでは勝てない。ヴォルフやボニントンの存在は、アントネッリが王者候補として成熟していくうえで極めて重要な支えになりそうだ。

  • カルロス・サインツJr. 2027年F1規則でFIAに要求「反対勢力に屈するな」

    カルロス・サインツJr. 2027年F1規則でFIAに要求「反対勢力に屈するな」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は、2027年F1パワーユニット規則を巡る議論について、FIAに対して強いリーダーシップを発揮するよう求めた。

    現在、FIAとFOM(フォーミュラワン・マネジメント)は、2026年から導入された新世代パワーユニットの電動依存を緩和するため、2027年から内燃エンジンと電力の出力配分を現行の50対50から60対40へ変更する案を協議している。

    しかし、アウディとフェラーリが反対姿勢を示しており、実現には高いハードルが残されている。

    サインツ「FIAは強い姿勢を示すべき」
    サインツは、FIAが競技の利益を最優先に考え、必要であれば反対意見を押し切るべきだと主張した。

    「チームが投票権を持つ委員会があるけれど、僕がFIAとFOMに言いたかったのは、計画を押し進めて、その方針を貫いてほしいということだ」

    「もし彼らが『こうあるべきだ』と言えば、不満を持つチームや完全には同調していないチームも、それに従う以外に選択肢はなくなると思う」

    「もちろん全員の合意は必要だ。でも、それがスポーツやレース、そしてショーのためになるなら、統治する側が非常に強いアプローチと明確な立場を取るべきだと僕は思っている」

    2027年変更案を支持する理由
    サインツは、提案されている変更が現在のレギュレーションの弱点を改善できると考えている。

    「提案されている内容には、このエンジンやレギュレーションを改善する余地があると思う」

    「今年のうちにできることは多くないと思うし、僕自身はもう不満を言うのをやめようと決めた。なぜなら、今年の状況が理想的ではないことは明らかだし、それが大きく変わることもないからだ」

    「でも来年については非常に期待している。どれだけ変わるのか楽しみだ」

    アウディとフェラーリが反対する構図
    今回の議論は、2027年以降のF1の方向性を左右する重要な政治問題となっている。

    現在の情報では、ホンダ、メルセデスHPP、レッドブル・パワートレインズは60対40案を支持する方向とみられている一方、アウディとフェラーリは反対している。

    パワーユニット諮問委員会で規則変更を成立させるには、5メーカー中4社に加え、FIAとFOMの賛成が必要な「スーパー・マジョリティ」が求められる。そのため、アウディとフェラーリが反対を維持する限り、現行ルールでは可決は困難な状況だ。

    サインツの発言は、こうした膠着状態に対する苛立ちを示すものでもある。2026年レギュレーションでは電力依存の大きさが以前から課題視されており、2027年の修正案はフェルスタッペンの将来や各メーカーの開発戦略にも影響を及ぼすテーマとして注目を集めている。

  • アルピーヌF1改革で300人削減 ブリアトーレにルノー内部から不満

    アルピーヌF1改革で300人削減 ブリアトーレにルノー内部から不満

    アルピーヌF1のエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレが進めた大胆な改革は、チームを確実に前進させる一方で、ルノー内部には今なお強い反発を残しているようだ。

    2025年にコンストラクターズ選手権最下位に沈んだアルピーヌは、2026年から自社製パワーユニットを廃止し、メルセデス製パワーユニットのカスタマーチームへ移行。エンストンを拠点とするチームにとって大きな方向転換となった。

    この決断を主導したのがブリアトーレだった。ルノーのヴィリー=シャティヨン工場で行われていたF1エンジンプログラムを終了させたことで、約300人の人員削減につながり、ルノーグループ内には現在も不満が残っているという。

    ルノー内部には依然として不満の声
    The Raceのポッドキャストでジャーナリストのジョン・ノーブルは、ブリアトーレの決断が大きな波紋を呼んだと語った。

    「アルピーヌは昨年、明らかにどん底だった。コンストラクターズ選手権最下位に終わり、将来性も見えず、非常に厳しい状況だった」

    「フラビオは、ごく限られた人しかできない方法で組織を揺さぶった」

    「ルノーのエンジンプログラムを終わらせ、『我々はカスタマーチームになる。メルセデスへ移行する』と決断したことは、当時大きな批判を招いた。ルノー内部には、今でもその決定に非常に不満を抱いている人たちがいるだろう」

    勝利だけを目指すブリアトーレ
    一方でノーブルは、ブリアトーレの視点から見れば、この決断は極めて合理的だったと説明する。

    「しかしフラビオの視点では、これはF1で勝つための話だ。彼が戻ってきた理由も、彼の唯一の使命もF1で勝利することにある」

    「彼はパワーユニットという観点では目的を達成した。メルセデスはF1最高のパワーユニットを持っている。その体制を手に入れた」

    「さらに最高のスポンサーと最高レベルの予算も必要だが、それも確保した」

    アルピーヌは2027年から高級ファッションブランドのグッチとのタイトルスポンサー契約締結を発表しており、資金面での強化も進んでいる。

    まだ優勝争いの段階ではない
    ただしノーブルは、現状を過大評価すべきではないと警鐘を鳴らしている。

    「グッチが加わり、メルセデスのパワーユニットを搭載したからといって、来年すぐにアルピーヌが優勝争いをするわけではない」

    「これはまだ2〜3年規模のプロジェクトだ」

    「それでも昨年から今年への進歩は非常に大きい。2027年に向けてさらに大きな前進を果たす可能性は十分にある」

    実際、アルピーヌは開幕5戦終了時点でコンストラクターズランキング5位につけており、2025年の最下位から大きく巻き返している。フランコ・コラピントの好調もあり、ブリアトーレの改革は少なくとも短期的には成果を示し始めている。

    BYD参入説と工場売却の行方
    一方で、ヴィリー=シャティヨンの旧F1エンジン施設を巡る動きにも注目が集まっている。

    アルピーヌの株式24%を保有するオトロ・キャピタルが持ち株売却を検討しているとの報道が続く中、中国の自動車メーカーBYDがアルピーヌへの関心を示していると噂されている。

    仮にBYDがF1参入を目指してアルピーヌへの出資や買収に動けば、現在は稼働していないヴィリー=シャティヨンの施設が再び活用される可能性もある。

    また、クリスチャン・ホーナーやメルセデスとの関係を巡る様々な憶測も続いており、アルピーヌの将来像を巡る議論は今後も続きそうだ。

  • レッドブルF1 メキース代表が再主張「ランビアーゼはマクラーレンF1代表になる」

    レッドブルF1 メキース代表が再主張「ランビアーゼはマクラーレンF1代表になる」

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、ジャンピエロ・ランビアーゼが将来的にマクラーレンのチーム代表に就任することを目指して移籍すると改めて主張した。

    マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアとして長年コンビを組み、近年はレッドブルの上級職も兼任していたランビアーゼは、2028年からマクラーレンへ移籍することが決定している。

    マクラーレンは正式発表で、ランビアーゼがチーフ・レーシング・オフィサー(CRO)に就任すると説明している。

    メキース「最終的な目標はチーム代表」
    マイアミGPの週末に行われたインタビューで、ローラン・メキースはランビアーゼの移籍について独自の見解を示していた。

    当時メキースは、ランビアーゼの最終的な目標はマクラーレンのチーム代表職にあるとの認識を明かしていたが、この発言に対しマクラーレンCEOのザク・ブラウンは「私の知らないことを知っているようだ」と冗談交じりに反応し、その見方を否定していた。

    しかしメキースは今回、その主張を撤回しなかった。

    「見ての通り、私の理解ではGP(ジャンピエロ・ランビアーゼ)はチーム代表になるためにマクラーレンへ行く」

    「それが私が当時あなたたちに話したことだ」

    本人との会話が根拠
    ここ数か月、現マクラーレン代表のアンドレア・ステラにはフェラーリ移籍説も浮上していたが、本人はその憶測を明確に否定している。

    メキースはマクラーレン内部の将来的な組織体制について詳細を把握しているわけではないと認めながらも、自身の見解はランビアーゼ本人との会話に基づいていると説明した。

    「彼が決断を下す前に、我々は何度も話をした」

    「それが実際に実現するのか、あるいはいつ実現するのかは私の仕事ではない」

    「私が言えるのは、我々の会話の内容だけだ」

    マクラーレンの将来構想に新たな注目
    ランビアーゼはレッドブルでフェルスタッペンとともに複数回の世界選手権獲得に貢献し、現在のF1パドックでも最も評価の高いレースエンジニアのひとりとされている。

    マクラーレンは2028年からランビアーゼを経営陣に迎えることを明らかにしているが、その先にチーム代表就任という青写真が存在するのかどうかは依然として不透明だ。

    ただし、ランビアーゼ本人と直接話し合ったとするローラン・メキースがここまで断定的な見方を繰り返していることは、マクラーレンの長期的な後継体制を巡る憶測をさらに強めることになりそうだ。

  • メルセデスF1 ラッセルのリタイアを招いた“壊滅的なバッテリー故障”を説明

    メルセデスF1 ラッセルのリタイアを招いた“壊滅的なバッテリー故障”を説明

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)は2026年F1カナダGPで好走を続けていたが、レース30周目に突然マシンが停止しリタイアを喫した。

    当初はパワーユニット関連の問題とみられていたが、メルセデスはレース後の分析で原因がバッテリーの重大な故障だったことを明らかにした。チームにとっては今季初の大規模アップグレードを投入した重要な週末だっただけに、大きな痛手となった。

    ジェームス・アリソンが明かした故障の詳細
    メルセデスのチーフテクニカルオフィサーを務めるジェームス・アリソンは、チームのレース後レビュー映像で今回のトラブルについて説明した。

    「我々にとって重要な週末だった。今年最初の大規模アップグレードを投入し、その効果を確認する場だったからだ」

    「実際にマシンのパフォーマンスは良好だった。しかし、その一方でジョージのマシンの信頼性によって彼を失望させてしまったことは、チーム全員にとって非常に残念なことだった」

    アリソンはラッセルのリタイア原因について次のように明かした。

    「ジョージのPUトラブルについてだが、バッテリーの故障によってエンジン停止が引き起こされた」

    「レースの3分の1ほどの時点でバッテリーが壊滅的な故障を起こし、それによってジョージのレースは終わった」

    「レース後の解析では、バッテリーがかなり深刻な状態だったことが確認できている。熱によるダメージも見られた」

    「今後数日から数週間をかけて、何が原因だったのかを正確に突き止め、対策を講じる必要がある」

    タイトル争いに大きな痛手
    ラッセルはリタイア時点でチームメイトのキミ・アントネッリをリードしていた。

    しかしラッセルの脱落によってアントネッリは前方のクリーンエアを確保。そのまま4連勝を達成し、ランキングではラッセルとの差を43ポイントに拡大した。

    メルセデスにとってはアップグレードの競争力を示した週末だった一方で、信頼性面で大きな課題を露呈する結果となった。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセル「今はキミのタイトルだ」
    レース後、ラッセルはタイトル争いの現状について率直な心境を語った。

    「正直に言えば、今は彼のタイトルだと思う」

    「かなり大きなポイント差がついている」

    「日本GPのセーフティカーのタイミング、中国GP予選Q3でのトラブル、そして今日ここで首位を走っていた時のリタイアを考えると、まるで神様が僕をこの戦いに加えたくないような気がする」

    ラッセルは不運が続いていることを認めながらも、シーズンを諦めるつもりはないと強調した。

    「もうプレッシャーはない。毎レースを楽しみ、毎レース勝利を目指していくだけだ」

    「失うものは何もない。ただ、こういう話をしている自分は好きじゃない」

    「もちろん悔しいし、タイトル争いに加わりたいと思っている。願わくば運が向いてきてほしい」

    メルセデスに残された課題
    今回の故障は単なるパワーユニットの不調ではなく、エネルギーストアに起きた深刻なトラブルだったことが判明した。熱損傷も確認されていることから、単発の部品不良なのか、それとも設計や運用に起因する問題なのかが今後の焦点となる。

    カナダGPではアップグレードの効果によってW16の競争力向上が確認された一方、ラッセルのタイトル争いには大きなダメージとなった。メルセデスが原因究明と再発防止をどれだけ迅速に進められるかが、今後の選手権争いを左右することになりそうだ。