タグ: レッドブル

  • ヘルムート・マルコ、正式にレッドブルF1の取締役を退任 会社登記から抹消

    ヘルムート・マルコ、正式にレッドブルF1の取締役を退任 会社登記から抹消

    ヘルムート・マルコは、レッドブル・レーシングの取締役職から正式に外れた。英国の会社登記(Companies House)に更新された書類により、マルコがレッドブル・レーシング、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズ、レッドブル・アドバンスト・サービス、そしてレッドブル・パワートレインズの各社で取締役を解任されたことが確認された。

    マルコの後任として、長年レッドブルに在籍するアリステア・ルーが非業務執行取締役に任命された。

    ルーは2007年からレッドブル・テクノロジー(持株会社)の取締役を務め、2021年にはレッドブル・パワートレインズ、2022年以降はレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズおよびレッドブル・アドバンスト・サービスの取締役にも就任している。

    最新の登記書類では、レッドブル・レーシングの取締役として、ルーに加え、今季途中にクリスチャン・ホーナーの解任を受けてチーム代表に就任したローラン・メキースの名も並ぶ。メキースは業務執行取締役として登録されている。

    今回の変更は、レッドブルGmbHがマルコのシニア・アドバイザー職からの退任を発表したことを受けたものだ。マルコは2005年のレッドブルF1参戦以来、チームのF1活動における中心人物の一人として長年にわたり影響力を持ってきた。

    その間、レッドブルは合計14回の世界選手権制覇を成し遂げている。2010年から2013年にかけてのセバスチャン・ベッテルによるドライバーズタイトル4連覇、そして2021年から2024年までマックス・フェルスタッペンが達成した同じく4連覇に加え、コンストラクターズタイトル6回を含む。

    ヘルムート・マルコ レッドブル F1

    マルコは退任に際し、次のような声明を発表している。

    「私はモータースポーツに60年以上関わってきたが、レッドブルで過ごした20年以上は、並外れていて、非常に成功した旅路だった。

    多くの才能ある人々と共に、物事を形作り、分かち合うことができたのは、本当に素晴らしい時間だった。

    我々が共に築き上げ、成し遂げたすべてのことを、誇りに思っている」

    さらにマルコは、2025年シーズンの結果が自身の決断に影響したことも明かしている。フェルスタッペンは2025年F1で5連覇に迫り、シーズン途中で104ポイント差を追う立場から、アブダビGPのチェッカー時点ではわずか2ポイント差まで巻き返した。

    この結果について、マルコはこう語った。

    「今季、世界選手権を惜しくも逃したことは、私の心を強く動かした。そして、個人的に、この非常に長く、濃密で成功した章を終えるのに、今が適切な時だと明確に感じさせた。

    チーム全員の今後の成功を願っているし、来年も再び両タイトルを争うことになると確信している」

    レッドブルは新体制のもとで、マルコ不在という大きな転換点を迎えることになったが、チーム内部ではすでに次の時代に向けた動きが本格化している。

  • フェルスタッペン「ナンバー2でもポイントが必要」 角田裕毅 レッドブルF1評価

    フェルスタッペン「ナンバー2でもポイントが必要」 角田裕毅 レッドブルF1評価

    マックス・フェルスタッペンは、2026年シーズンに向けてレッドブル・レーシングに加入するアイザック・ハジャーについて、F1における自身の明確な序列観を率直に語った。

    2026年シーズンに向けて、レッドブルF1は角田裕毅に代わり、アイザック・ハジャーを昇格させる判断を下した。

    初のシーズンをフェルスタッペンのチームメイトとして迎えるハジャーに対し、4度のワールドチャンピオンは、理想的なF1チーム運営の在り方について妥協のない見解を示している。

    フェルスタッペンはViaplayのインタビューで、2025年にマクラーレンがタイトル争いで代償を払ったのは、ドライバー間に明確なヒエラルキーを築かなかったことにあると指摘した。

    「もし自分がチーム代表なら、常に明確な序列、ナンバー1とナンバー2を設定する。1人で戦える状況なら、よりアグレッシブに攻められる。それがいつも自分の好みだ」

    2025年はランド・ノリスとオスカー・ピアストリが優勝とタイトルを争ったマクラーレンについて、フェルスタッペンはこう続けた。

    「マクラーレンは2人のタイトル候補を抱えていたから、戦略面でチャンスを逃した。もちろん、僕たちもそこから利益を得た。マクラーレンは時に保守的すぎたと思う」

    最終的にフェルスタッペンはノリスからわずか2ポイント差でシーズンを終えたが、タイトル争いが最後まで続いた大きな理由のひとつとして、マクラーレンが明確なリーダーを指名しなかった点を挙げている。

    それでもフェルスタッペンは、ナンバー2ドライバーの役割が決して軽視できないことも強調した。

    「ナンバー2でも、コンストラクターズ選手権のために十分なポイントを獲得しなければならない」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング アイザック・ハジャー

    この発言は、2025年においてレッドブルがほぼフェルスタッペン1人の得点に依存していた状況を踏まえたものだ。

    こうした背景が、ハジャー昇格の理由を説明している。レッドブルのCEOであるオリバー・ミンツラフもこの判断を支持している。

    「アイザックはマックスの隣で走る機会を得た。それはレッドブルにとって完璧に理にかなっている。我々は最高の才能を、最高のポジションに配置する」

    一方、ハジャー自身も幻想は抱いていない。21歳のフランス人ドライバーは、数日前に非常に冷静な姿勢を示していた。

    「もちろん、マックスと同じくらい速くなりたい。でも、レッドブルに来てすぐ彼と同じレベルで戦えると思うのは危険だ。マックスと競える可能性は極めて低い。最初の数か月は自分が遅いと受け入れたほうがいい。そうすれば、自分に集中できるし、彼のテレメトリーデータを分析して、どこでタイムを失っているのかを正確に理解できる」

    ハジャーはフランス国内でも強力な後ろ盾を得ている。Canal+の特集の中で、アラン・プロストがその人格と個性を高く評価した。

    「彼は非常に強い個性を持っている。だから、誰かに似る必要はない。それが全員に好かれるとは限らないが、彼の振る舞い、そしてそこから生まれるパフォーマンスを見るのは本当に興味深い」

    プロストは、F1におけるプレッシャー管理について、個人的にハジャーを支援する意思まで示している。

    「マシンのセッティングについてアドバイスすることは決してない」と4度の世界王者は笑顔で語った。

    「でも、自分が経験してきたこと、プレッシャーの扱い方についてなら、彼のためにやるつもりだ。彼のことが好きだからね」

  • アイザック・ハジャー レッドブルF1昇格のメディア露出増加は「鬱陶しいだけ」

    アイザック・ハジャー レッドブルF1昇格のメディア露出増加は「鬱陶しいだけ」

    アイザック・ハジャーは、レッドブル・レーシング昇格に伴う“代償”が何かをすでに理解している。オーストリアの名門で迎える初のシーズンを前に、21歳のフランス人は、新たな立場に付随するメディア露出の増加について「正直、ただただ鬱陶しい」と率直に認めた。

    F1での初年度はとりわけ説得力のある内容だった。レーシングブルズでのシーズンを終え、ドライバーズランキングのトップ10に肉薄。

    1度の表彰台と、さらに10回のポイントフィニッシュを積み上げ、シーズンを通して最も印象的なルーキーとして存在感を放った。その結果、レッドブル陣営内での昇格論は自然な流れとして加速していった。

    その昇格は最終戦アブダビを前に正式発表された。レッドブル・レーシングは、角田裕毅に代わり、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてハジャーを起用すると公表した。

    レッドブル・レーシングのドライバーであることは、必然的により高い期待と注目を意味する。とりわけ、この“難しいシート”で結果を出せずに苦しんだ前任者たちの歴史を踏まえれば、注視の度合いは一層強まる。そうした状況を前に、増える名声と関心に耐えられるかと問われたハジャーは、遠回しな表現を一切使わなかった。

    「いいや」とハジャーは言い切った。「正直、ただ鬱陶しいだけだ」

    どう対処するつもりかと促されると、今度はユーモアを交えてこう続けた。

    「消えるためのプランはあるよ。マスクを着けるとか、分からないけど……」

    アイザック・ハジャー F1 レッドブル・レーシング

    ルーキーイヤーを終え、ハジャーはレーシングブルズという章に区切りをつける。同チームは、和やかな雰囲気と結束を重んじる文化で知られ、とりわけSNS上ではその空気感が色濃く表れていた。

    リアム・ローソンとともに、ハジャーはしばしば遊び心のあるコミュニケーションにも参加してきた。ユーモア動画やミームの再現、意図的に肩の力を抜いたやり取りなど、極めて競争的な世界に“余白”を持ち込む試みだった。

    そうした雰囲気の一部を恋しく思う気持ちは認めつつも、ハジャーの優先順位ははっきりしている。

    「来年は、ずっとシリアスになる。レーシングブルズは家族的なチームだ。でも同時に、僕はふざけるためにここにいるわけじゃない」

    「楽しむのは家に帰って友達とやる。サーキットでは仕事をするためにいる。それはまったく苦じゃない」

  • レッドブルF1昇格のアイザック・ハジャーに警鐘「感情の爆発は容認されない」

    レッドブルF1昇格のアイザック・ハジャーに警鐘「感情の爆発は容認されない」

    2026年シーズンに向けてアイザック・ハジャーはレッドブル・レーシングへ昇格する。チームメイトにはマックス・フェルスタッペンを迎え、些細なミスや振る舞いまで精査される極めて高い要求水準の環境に身を置くことになる。初年度から強い印象を残した一方で、ハジャーの爆発的な気質は、今後センシティブなテーマになり得る。

    フォーミュラカーでのキャリアを通じて、ハジャーは状況が悪化した際、とりわけ無線で感情を隠さない姿勢を貫いてきた。

    率直さは時に見応えがあるが、最高峰では問題になりかねない。本人も自覚しており、今年初めにはコクピット内で「叫んだり罵ったりしてしまう」ことを認めつつ、そうした瞬間に無線ボタンを押さないよう改善していると語っていた。

    この点は依然として改善課題だと、ヘルムート・マルコも述べている。数日前にもフランス人ルーキーの能力を「信じている」と語ったばかりだ。

    努力は評価されているものの、マルコや一部の識者はまだ十分ではないと見る。元F1ドライバーで、Sky F1の常任解説者を務めるアンソニー・デビッドソンは、レッドブルで成功するには感情の制御をさらに高める必要があると指摘した。

    「彼は爆発しないことを学ばなければならないと思う」とデビッドソンは説明した。

    「特に来年、チーム・レッドブルでマックスと向き合うことになるのだから、その点に取り組む必要がある」

    もっとも、英国人解説者はハジャーの才能自体を疑ってはいない。今季の活躍は高く評価している。

    「今年、彼が素晴らしいシーズンを送ったのは我々も見てきた」とデビッドソンは続けた。

    「ただ、物事が思い通りに進まない場面が多く、そのたびに彼はマシンの中で完全に爆発していた」

    こうした振る舞いは、組織的で要求の厳しいレッドブルでは受け入れられにくい可能性がある。

    「それはレッドブルのチーム内では容認されないだろう。非常にエンターテインメント性が高く、純粋なショー、ボックスオフィス的ではあるが」とデビッドソンは付け加え、その派手さと限界の両面を強調した。

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    ハジャーのトップチーム昇格は、フランス・モータースポーツ復権への期待も呼び起こしている。フランスがF1で定期的な成功を収めた最後の時代は、1980年代のアラン・プロストの全盛期、そして1993年の勝利に遡る。両者はアブダビで顔を合わせてもいる。

    こうした背景の中で、マルコは若きフランス人を「小さなプロスト」と呼び、比較を口にした。

    しかし、その点についてデビッドソンは、少なくとも性格面では懐疑的だ。

    「彼は明らかにアラン・プロストよりも鋭い。より噛みつくようなところがあり、感情の振れ幅もはるかに大きい」

  • レッドブル、2026年自社F1エンジンに慎重「最初から最強と考えるのは甘い」

    レッドブル、2026年自社F1エンジンに慎重「最初から最強と考えるのは甘い」

    レッドブルのチーム代表ローラン・メキースは、自社製として初めて投入されるF1パワーユニットを前に、「数カ月にわたる非常に厳しい時期」を迎える可能性があることを認めた。

    レッドブルは2019年以降、F1でホンダ製エンジンを使用してきたが、2026年から日本メーカーはアストンマーティンに独占供給することになる。これによりレッドブルは、フォードと組み「レッドブル・パワートレインズ・フォード」の名称で、ミルトンキーンズにて自社でパワーユニットの開発・製造を行うという極めて野心的なプロジェクトに乗り出す。

    この決断は、ホンダが一度はF1撤退を決めたことを受けて下されたものだった。しかしホンダはその後、F1への関与を継続する方針に転じ、2026年から2030年までの次期コンコルド協定にも名を連ねている。

    2026年からレッドブルは、ホンダ、メルセデス、フェラーリ、そして新規参入のアウディといった実績あるメーカーと真正面から戦うことになる。各エンジンサプライヤーにとって、新規則下のパワーユニットがどれほどの信頼性と性能を備えるのかは未知数であり、依然として多くの疑問符が付く状況だ。

    パドックでは、2014年にV6ハイブリッド時代が始まって以降の支配的な実績から、メルセデスが有利な立場にあるのではないかとの見方も根強い。一方で、レッドブルのような新規プロジェクトについては、初年度から競争力を発揮できるのか懐疑的な声も少なくない。

    レッドブル F1 パワーユニット

    2026年のエンジン規則には、遅れを取ったメーカーに対して追加の開発時間や予算を認める条項も盛り込まれているが、それでも短期的には痛みを伴う可能性がある。これについてメキースは率直に語っている。

    「最初からトップに立てると考えるのはナイーブだ。我々は、非常に、非常に厳しい数カ月を迎えることになると分かっている。眠れない夜も、頭痛もあるだろう……だが、こうした挑戦に取り組めること自体が特権だ」

    「何度も言ってきたが、自分たちでエンジンを造るという決断、しかも我々の場合はフォードの支援を受けて行うというのは、おそらく考え得る中で最もクレイジーな選択だ。こんな決断ができるのは、たぶんレッドブルだけだろう」

    メキースは、プロジェクトの現状についても明かしている。

    「我々はゼロからスタートした。今は建屋があり、テストベンチがあり、600人のスタッフがいる。そして、90年にわたってこの分野をやってきた人たちと戦おうとしている。この挑戦が好きだし、レッドブルらしい。我々はフォードと共にこれを成し遂げることを誇りに思っている」

  • レッドブルF1は何を優先するのか? ハジャー昇格で問われる“哲学”

    レッドブルF1は何を優先するのか? ハジャー昇格で問われる“哲学”

    マックス・フェルスタッペンが2026年F1シーズンに向けて新たなチームメイトを迎える準備を進める中、元F1ドライバーのカルン・チャンドックは、レッドブルのドライバー起用問題は最終的に「哲学的な決断」に行き着くと指摘した。焦点は明確だ。フェルスタッペン個人のドライバーズタイトルの“威信”を最優先するのか、それともコンストラクターズタイトルも同時に狙うのか。もし後者も求めるなら、2人のドライバーが同時に機能するマシンを設計する必要がある。

    “2台目を戦いに加えたいのか”という根本問題
    レッドブルは2018年末にダニエル・リカルドを失って以降、セカンドシートに苦しんできた。ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレスと入れ替わりが続き、ペレスは2021年アブダビGPでの献身的な走りによりフェルスタッペンから「レジェンド」と称された一方、最終的には2024年シーズン終了後にチームを去った。

    その後、リアム・ローソンが昇格したが、わずか2戦でレーシングブルズに戻され、角田裕毅と入れ替わる形に。角田裕毅はシーズンを完走したものの、22戦で30ポイントに留まり、2026年のレースシートを失う結果となった。そして、フェルスタッペンの2026年F1チームメイトとしてアイザック・ハジャーが起用された。

    チャンドックはSky Sports F1 Showで次のように語っている。

    「最終的にはレッドブルの哲学的な決断に戻る。コンストラクターズを狙うなら、2人が運転できてポイントを取れるクルマを作らなければならない。マックスはドライバーズで僅差まで迫ったが、コンストラクターズでは大きく遅れていた」

    「もしドライバーズの威信を最優先し、すべてをマックスに集中させるなら、マクラーレンが抱えるようなチーム内バトルの問題は避けられる」

    「どれだけ2台目を戦いに加えたいのか。それが経営陣に突き付けられている哲学的決断だ」

    レッドブル・レーシング アイザック・ハジャー 角田裕毅

    “もし”が示したセカンドカーの重要性
    チャンドックは、2025年シーズンを振り返り「極端な例だった」とも指摘する。

    「もしマックスが勝った2〜3戦で、もう1台が2位に入っていたらどうなっていたか。角田がその位置にいれば、ノリスやピアストリをさらに後方に押しやれた。あれはチャンピオンシップになり得た」

    「マックスを倒す必要はないが、2021年のチェコ(ペレス)のように、定期的に表彰台を取れるレベルには引き上げる必要がある」

    規則刷新がもたらす“公平なスタートライン”
    ハジャーにとって追い風となるのは、2026年F1レギュレーションによる完全なリセットだ。2026年のレッドブル・フォードRB22は、フェルスタッペンにとっても未知の新車となる。

    ハジャーはアブダビで次のように語った。

    「マックスがクルマを知っているわけじゃない。全員がゼロからスタートする。タイミングとしては最高だ。とても運がいいと思っている。クルマがどちらかの方向に行くなら、僕もそこにいる」

    もっとも、当初はフェルスタッペンに及ばない可能性も認めている。

    「最初の1カ月は自分が遅いことを受け入れるのが目標だ。そういう心構えでいれば、データを見て“まだ到達できない”と感じても準備ができる。とてもフラストレーションが溜まるだろうけど、分かっていれば対処できる」

    レッドブルが2026年に向けて下すべき決断は、単なるドライバー選択ではない。1台目にすべてを賭けるのか、2台体制で勝利を積み重ねるのか。その“哲学”が、ハジャーの未来だけでなく、チーム全体の行方を左右することになりそうだ。

  • フェルスタッペンはレッドブルがF1マシンに搭載する“最高のセンサー”

    フェルスタッペンはレッドブルがF1マシンに搭載する“最高のセンサー”

    マックス・フェルスタッペンはレッドブルの成功において極めて重要な存在であり、ローラン・メキースは4度のワールドチャンピオンについて、どれほど強い印象を受けたかを明かした。

    今夏、レッドブルの前代表クリスチャン・ホーナーの後任として就任したメキースは、チームのエースドライバーが持つ才能の幅を、間近で知ることになった。

    「最高のセンサー」と称される技術的フィードバック
    メキースは、フェルスタッペンのデブリーフィングの質、パフォーマンスレベル、そして技術的理解の高さに、どれほど驚かされたかを強調した。

    「我々は皆、F1であまりにも長い時間を過ごし、マックスが信じられないような偉業を成し遂げる姿を何年も見てきた。それでも、実際にパドックで彼と一緒に仕事をする機会を得ると、常に感心させられる」とメキースは語った。

    このフランス人代表によれば、その理由は、フェルスタッペンがマシンの中で見せる走り以上に、マシンの外で発揮する能力にあるという。

    「無線で多くのことは聞こえてくるが、すべてが聞こえるわけではない」とメキースは説明する。

    「彼の技術的なコメントの質や、マシンの中での感覚の鋭さは本当に印象的だ。チーム内では冗談半分で、彼はマシンに搭載されている中で最高のセンサーだと言っていた。おそらく一番高価なセンサーでもあるが、それはまた別の話だ!」と、メキースは笑いながら続けた。

    昼夜を問わず続くフェルスタッペンの没入
    ローラン・メキースは、時にその強い闘争心がコース上で物議を醸すことがあったとしても、フェルスタッペンが常に全力でプロジェクトに関わっていることを高く評価している。そして、オランダ人ドライバーのモチベーションに疑問を投げかける声には、耳を貸すつもりはないと断言した。

    「この男は、文字通り昼も夜もモータースポーツのために生きている。本当に昼も夜もだ。我々の誰よりも、おそらく彼はある意味でモータースポーツそのものを体現している。何か他のことをするためにミーティングを欠席することは一切ない。彼はすべてを完全に融合させている」とメキースは語る。

    「レースの合間には、シミュレーションで走行を重ねている。おそらく、自分のドライビングでまだ学べること、改善できること、あるいは次のレースへの準備を常に意識しながらだ。もし週末が空けば、GT3マシンで別のレースに出場する。それは我々からすると、まったく現実離れしている、いや実際に非現実的なことだ」と続けた。

    メキースは、2025年シーズン中盤にチームが苦しい時期を迎えた際、フェルスタッペンの関与の深さが特に印象的だったとも明かしている。とりわけ、レッドブルを立て直そうとする彼の強い意欲が際立っていたという。

    「彼は外からプロジェクトを評価するのではなく、完全にその中に入り込んで取り組む。全員が同じ方向を向いて進んでいるか、そして彼がコミュニケーションを通じて何を伝えようとしているのかを、我々全員が理解できるようにするための正しい鍵を探そうとしているんだ」とメキースは締めくくった。

  • レッドブルF1、ホンダとの8年間を総括する動画を公開「Arigato Honda」

    レッドブルF1、ホンダとの8年間を総括する動画を公開「Arigato Honda」

    レッドブル・レーシングとレーシングブルズは、ホンダとのパートナーシップ8年間を総括する動画「Thank You Honda For Eight INCREDIBLE Seasons Together!」を公開した。

    この動画では、両チームとホンダがともに築き上げた輝かしい歴史を回顧。2019年F1オーストリアGPでのホンダ初勝利、2020年F1イタリアGP(モンツァ)でのピエール・ガスリーの優勝、2021年F1アブダビGPでのマックス・フェルスタッペンの初のドライバーズタイトル獲得など、記憶に残る名場面が数多く収められている。

    8年間の協力関係の中で、オラクル・レッドブル・レーシングおよびビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズは、71勝、140回の表彰台、そしてドライバーズ世界選手権4冠を達成。動画は、単なる結果だけでなく、勝利までの過程やチームとホンダの結束の強さを象徴する内容となっている。

    チームはこの動画を通じて、ホンダへの感謝と敬意を改めて表明し、「我々はこれからもホンダのスピリットを胸に刻み続ける」というメッセージを発信した。8シーズンにわたる協業は、F1の歴史に刻まれる象徴的なパートナーシップとして語り継がれていくことになる。

  • アイザック・ハジャー レッドブルF1でフェルスタッペン対策「最初は負けていい」

    アイザック・ハジャー レッドブルF1でフェルスタッペン対策「最初は負けていい」

    アイザック・ハジャーは、2026年F1シーズンにレッドブル・レーシングでマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして戦うにあたり、従来とは異なるアプローチで臨む考えを明かした。

    レーシングブルズでのルーキーシーズンを経て昇格した21歳のハジャーは、F1でもっとも難しいとされるシートに就くことになるが、本人は当初からフェルスタッペンより「遅くなる」ことを受け入れる姿勢を示している。

    新レギュレーションがもたらす“白紙のスタート”
    レッドブルは長年、フェルスタッペンの好みに合わせたマシン開発を続けてきた。その結果、極めて神経質でオーバーステア傾向の強い特性が、セカンドドライバーにとって大きな壁となってきた。

    しかし、2026年F1シーズンから導入される新レギュレーションにより、RB22は白紙の状態から開発される。

    「新しいマシンだ。マックスがすでに知っているクルマというわけではない。全員がゼロからのスタートになる」

    「このタイミングでレッドブルに来られるのは、本当に幸運だと思っている。もしクルマがある方向に進む必要があるなら、僕もそこにいるし、もしかしたらそれは僕のフィードバックによるものかもしれない。だからワクワクしている」

    ハジャーは昇格後、こう語っている。

    “慣れていないこと”を武器にする発想
    ハジャーはフォーミュラ・リージョナルからFIA F3、F2、そして現行グラウンドエフェクト最終年のF1まで、5年間で5つの異なるレギュレーションを経験してきた。

    その適応力について問われると、次のように答えている。

    「その通りだと思う。僕は何かに慣れているわけじゃない。ただ与えられたクルマをドライブするだけだ。それは大きなアドバンテージだと思う」

    “最初の1か月は遅い”と受け入れる覚悟
    ダニエル・リカルドが2014年にセバスチャン・ベッテルと互角以上に戦った例のように、新レギュレーション下で即座に結果を出す可能性もある。

    それでもハジャーは、隣のガレージにいるのがフェルスタッペンである事実を強調する。

    「もし同じレギュレーションが続いていたら、最初から彼と同じレベルにいるなんてあり得ない」

    「この2026年F1マシンが、たまたま僕に完璧に合う可能性もある。でも同時に、相手はマックス・フェルスタッペンだ」

    「彼には決まったドライビングスタイルがない。与えられたものに適応する。それが彼の強さだ。来年のクルマでも、今年と同じように、そしてその前の年と同じように速いはずだ」

    “踏み潰されないため”の現実的思考
    フェルスタッペンの隣で苦しんだドライバーたちは、最初から敗北を意識していたのではないかと問われると、ハジャーは否定した。

    「むしろ逆だと思う。誰もが自分は特別だと思っている」

    「『彼も人間だ。自分が勝てる』と思って入ってきて、そこで踏み潰される。そこから雪だるま式に悪くなっていく」

    そのうえで、ハジャーは自身の考えをこう説明している。

    「だから僕は、『どうせ最初は彼のレベルじゃない』と受け入れる」

    「グリッドで一番のドライバーの話をしている。シーズン序盤に自分が遅い可能性は非常に高い」

    「なら、今のうちに受け入れて、そこに到達するために努力したほうがいい」

    「もちろん、彼と同じくらい速くなりたいとは思っている。でも現実的に見れば、その可能性はとても小さい」

    最初から理想を追わず、現実を直視する。その“異端の構え”こそが、ハジャーなりのフェルスタッペン攻略法だ。

  • ローラン・メキース、レッドブルF1を変える「政治より純粋なレース」

    ローラン・メキース、レッドブルF1を変える「政治より純粋なレース」

    ローラン・メキースは、レッドブルが「純粋なレース」のみに焦点を当て、ライバルに対して「敬意」を払うことが重要だと述べた。

    2025年F1タイトル争いはアブダビGP最終戦までもつれ込んだが、パドックの空気は2021年とは大きく異なっていた。4年前、レッドブルとメルセデスの間には敵対的とも言える緊張感が漂っていたが、2025年の最終戦後、マックス・フェルスタッペンはその見方を一笑に付している。

    「敵対的、敵対的って……誰も殴り合いなんてしていないだろう? 僕は敵対的だとは思わなかった。敵対的というのはかなり極端な言葉だ。ただ非常に競争が激しかっただけで、その時に両チームがお互いを好きではなかったというのは別の話だ。でも敵対的というのは違う。」

    とはいえ、当時のレッドブル代表だったクリスチャン・ホーナーと、メルセデス代表のトト・ヴォルフの間では、数多くの政治的駆け引きが繰り広げられていた。その流れは、マクラーレンがレッドブルの最大のライバルとなった後も続き、フレキシブルウイングやタイヤへの水注入をめぐる示唆が飛び交い、それに対してマクラーレンのザク・ブラウンCEOが“特製の飲料ボトル”で応酬する場面もあった。

    しかし、この夏以降、そうした論争はほぼ姿を消している。アブダビGPを前にした金曜の記者会見で、ブラウンと、7月にホーナーの後任として代表に就任したローラン・メキースが並んで登壇した姿は、その変化を象徴していた。タイトル決定戦を控えた週末にもかかわらず、場の雰囲気は驚くほど友好的だった。

    さらに変化を示す出来事として挙げられるのが、いわゆる「テープゲート」だ。この件の後、メキースはレッドブルがランド・ノリスのピットウォールのテープを剥がす行為をやめると、すぐに明言している。こうしたトーンの変化は、少なからずメキースの影響によるものと見られているが、本人は功績を自分のものとは考えていない。

    「以前のレッドブルが“限界の際”にいたと呼ぶべきかどうかは分からない。我々は非常に強い戦いをしてきたし、それは公正でクリーンな戦いだった。これこそが、我々がレースをしたい形だ。すべてを限界まで攻めるが、競争相手を尊重することは間違いなく大切にしている。」

    「スポーティングフェアネスと競争相手への敬意について言えば、我々は両立できると考えている。限界ぎりぎりで戦いながら、同時に相手を尊重することは可能だ。スポーツとは巨人同士の戦いであり、我々はその戦いに強い覚悟を持って臨んでいる。そして、競争相手を尊重している。」

    ローラン・メキース レッドブル・レーシング

    純粋なレースに集中するという発想
    この姿勢は、ライバルとの関係性だけでなく、レッドブル内部にも好影響をもたらしているとメキースは語る。狙いは、これまで以上に雑音を減らし、集中力を高めることにある。

    「言い換えれば、ここは信じられないほど競争の激しい環境で、競争力を保つためには、自分たちがやっていることを楽しむ必要があると我々は信じている。我々は一生懸命働き、全力で楽しむ。それがレッドブルのスピリットだ。」

    「我々がやってきたのは、グループとして“純粋なレース”に集中できるようにし、周囲の雑音に気を取られ過ぎないようにすることだけだ。我々が本質的に愛しているのは、マシンをサーキットで速く走らせることだ。その一点に集中し、誰よりも強くプッシュし、その過程を楽しもうとしている。」

    この考え方は、エンジニア出身であるメキースのバックグラウンドとも重なる。彼は、マシンを速くすることに直接つながる要素だけに体系的に取り組みたいと考えており、政治的な駆け引きは必ずしもそこに合致しない。そのため、現在のレッドブルでは、そうした要素が以前よりも前面に出なくなっているように見える。

    そして、この流れはレッドブルだけに限ったものではない。マクラーレンのアンドレア・ステラ、ハースF1チームの小松礼雄、そしてアストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイと、近年はエンジニア出身者がチーム代表の役割を担うケースが増えている。それに伴い、公の場での激しい舌戦は徐々に影を潜めつつある。

    トト・ヴォルフはザントフォールトで、「エンターテインメントとしてのF1には、まだ“嫌なやつ”のチーム代表が必要だ」と冗談を飛ばしていたが、2025年後半は、かつてと比べて言葉による戦争が明らかに少なくなっていたのも事実だ。メキースが進める“純粋なレース”への回帰は、そうした時代の変化を象徴する動きと言える。