タグ: レッドブル

  • レッドブルF1、原点回帰の『RB22』リバリーでフォード時代開幕

    レッドブルF1、原点回帰の『RB22』リバリーでフォード時代開幕

    レッドブル・レーシングは木曜夜、アメリカ・デトロイトで開催されたイベントで、チームの2026年F1リバリーを披露した。発表は“いかにもレッドブルらしい”演出で行われ、航空機がマシンを覆っていたカバーを引き剥がすという前代未聞の形でベールが取り払われた。

    ミシガン・セントラル・ステーションで行われた2026年シーズン・ローンチでは、レッドブルのパイロットであるマーティン・ソンカが圧巻のスタントを披露。

    飛行機がマシンのシートを一気に引き抜き、新しくもどこか懐かしいルックが姿を現した。これは、チームが2005年のF1デビュー時に採用していたグロス(光沢)仕上げへの回帰を示すものでもある。

    それから22年。F1は大規模な技術レギュレーション変更を控え、まもなく新時代へ突入する。その節目はオラクル・レッドブル・レーシングにとっても決定的な意味を持つ。開幕戦メルボルンは、チームが初めて同一拠点でシャシーとパワーユニットを開発・製造する体制で臨む「レッドブル・フォード・パワートレインズ」の公式レースデビューとなるからだ。

    この大胆な一歩を象徴するため、RB22はF1参戦初期のオリジナル・ルックに着想を得たリバリーをまとう。よりクラシックなレッドブル・レーシングの存在感を呼び起こし、照明下での反射を研ぎ澄まし、コントラストを高めることで、ヘリテージ要素がスピード域でよりリッチでプレミアムに映えるよう設計されている。

    レッドブル・レーシング

    2026年リバリーは、ヘリテージを象徴するホワイトを基調に、グロス塗装によって奥行きと透明感を強化。アイコニックなサン&ブルのロゴは、よりシャープなエッジと高い彩度で際立つ。光沢は躍動感とエネルギーを与えるだけでなく、ボディ全体に織り込まれた新しいジャカード・パターンを浮かび上がらせ、これはオラクル・レッドブル・レーシングの2026年シーズン全体のルック&フィールに通底する意匠となる。

    なお、飛行機がミシガン・セントラル・ステーションの内部にあったわけではない。実際のスタントはチェコのインジフーフ・フラデツ空港で実施された。機体の尾部にはカバーを外すための装置が取り付けられ、悪天候のなか、ソンカは極めて高度な曲技飛行「コブラ・マニューバ」を成功させた。これは、機首をほぼ垂直まで一気に引き上げながら高度を上げず、その後水平飛行へと戻す難度の高い技である。

  • 【動画】 レッドブル&レーシングブルズ 2026年F1ローンチイベント

    【動画】 レッドブル&レーシングブルズ 2026年F1ローンチイベント

    レッドブル・レーシングとレーシングブルズは、フォードとの協業により、ミシガン州デトロイトで開催されるイベントにて、2026年F1マシンのリバリーを初めて公開するチームとなる。

    このイベントでは、F1マシンのリバリー披露に加えて、フォードとともに進められてきたレッドブル・パワートレインズ・プロジェクトの正式ローンチも行われる。そのため、開催地はフォード・モーター・カンパニーの本拠地であるデトロイトが選ばれた。

    レッドブルは2025年末をもってホンダとのパートナーシップを終了し、2026年シーズンからはアメリカの自動車メーカーであるフォードと共同開発した自社製パワートレインでF1に参戦する。

    レッドブル・レーシングおよびレーシングブルズの2026年F1ローンチイベントは、レッドブル・レーシングの公式YouTubeチャンネルでライブ配信され、下記から視聴できる。また、フォード・レーシングのローンチイベントも、フォード・レーシングの公式YouTubeチャンネルを通じてライブ配信される予定だ。

    レッドブル・レーシングからは、4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンと、元レーシングブルズ所属ドライバーのアイザック・ハジャーが出席し、チーム代表のローラン・メキースも同席する。

    レーシングブルズからは、リアム・ローソンとルーキーのアービッド・リンドブラッドが、チーム代表アラン・パーメインとともに登場する予定だ。

    また、2025年9月にフォード・レーシングのブランドアンバサダーに就任したダニエル・リカルドも、このイベントに出席すると見込まれている。

  • レッドブルF1、メルセデスの圧縮比“抜け穴”は使わず 最大の反対派はアウディ

    レッドブルF1、メルセデスの圧縮比“抜け穴”は使わず 最大の反対派はアウディ

    2026年F1パワーユニットを巡り、メルセデスが見つけたとされる圧縮比に関する“抜け穴”を、レッドブル・レーシングは使用しない方針だと報じられた。オランダの専門メディアによれば、メルセデスはこの手法によって約10〜15馬力を上積みしているというが、レッドブルは同じ技術を把握していながら採用を見送るという。

    問題となっているのは、2026年F1レギュレーションで規定された圧縮比だ。

    新規則では圧縮比は16:1と定められているが、メルセデスはFIAの静的検査では16:1を満たしつつ、走行中には従来どおり18:1相当で作動させる方法を見出したとされている。かつてメルセデスに在籍していた技術者がこの仕組みをレッドブルに持ち込んだとも伝えられているが、同チームはこの“トリック”を使わない判断を下したという。

    この構造に対しては、フェラーリ、アウディ、ホンダが強く反発しており、なかでもアウディが最も強くFIAに抗議していると報じられている。FIAは昨年12月時点では「検査時の数値のみを確認する」との立場を示していたが、伊紙『コリエレ・デロ・スポルト』によれば、この件を協議し、場合によっては禁止するため、1月22日に緊急会合が開かれる予定だという。

    レッドブルは不使用を決断、2026年は不利も覚悟
    報道によれば、レッドブルは最終的にこの仕組みを使わない見通しで、2026年のパワーユニット性能では最速勢に対してやや遅れを取る可能性があると見られている。ただし、レッドブル・パワートレインズと協業するフォードのパフォーマンス部門責任者マーク・ラッシュブルックは、初期段階では不足があるかもしれないと認めつつも、シャシーや空力など他の要素で十分に補えるとの見解を示している。

    なお、この動きは2026年の勢力図にも影響を及ぼす可能性があり、マックス・フェルスタッペンの将来を含め、各陣営の駆け引きは今後さらに激しさを増していきそうだ。

  • フォード 「レッドブルF1との長期目標? 2026年最初から勝ちにいく」

    フォード 「レッドブルF1との長期目標? 2026年最初から勝ちにいく」

    アウディが2030年にF1世界選手権制覇を目標に掲げる一方で、フォードはレッドブルとともに、最初から競争力を発揮する必要があると考えている。

    フォード・パフォーマンスのディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、マックス・フェルスタッペンの将来に関するレイモンド・フェルミューレンの発言にも言及しつつ、彼を引き留めることは重要だが、プロジェクト自体は一人のドライバーに依存するものではないと強調した。

    レッドブルにとって2026年シーズンは、チーム史における新たな章となる。2005年にジャガーを買収して以来初めて、ミルトンキーンズのチームは自社製パワーユニットでF1を戦うことになる。この移行は、長期的にはエンジンとシャシーの統合といった面で多くの利点をもたらすはずだが、新パッケージが短期的にどこまで競争力を発揮できるかについては疑問も残る。

    ラッシュブルックは、社内目標は順調に達成されており、パワートレインズ・プロジェクトは計画通りに進んでいるとすでに明言している。ただし、他のパワーユニットメーカーがどのレベルに目標を設定しているのかは、依然として大きな未知数だ。

    ラッシュブルックは、レッドブル・フォードが新規参入として「エベレストを登るような挑戦」に直面しているというトト・ヴォルフの評価にも同意している。しかし同時に、2026年にスロースタートの余地は一切ないことも理解している。

    マックス・フェルスタッペンのマネージャーであるレイモンド・フェルミューレンは、2026年がオランダ人ドライバーの長期的な将来にとって決定的な年になると指摘している。これは、2027年に向けたドライバー市場が非常に流動的になると見られている状況とも一致している。

    昨年、フェルスタッペンの将来が再び話題になった際、ラッシュブルックはすでに、フォードのF1参戦は特定の個人、すなわちフェルスタッペン一人に結び付いたものではないと説明していた。その一方で、4度の世界チャンピオンが依然としてプロジェクトの一員であることを喜ばしく思っているとも語っている。

    「彼は世代を代表する才能だ。レッドブル・フォードのパワーユニットを搭載したマシンをチャンピオンがドライブすることは重要だろう? 我々はチームを信じているし、パワーユニットを信じているし、マシンを設計する人々も信じている。ただ、最終的にパフォーマンスのすべてを引き出すのはドライバーだ。我々は、マックスがチャンピオンだと信じている」とラッシュブルックはモータースポーツ・ドットコムの独占インタビューで語った。

    ただし、フォードの関与が特定のドライバーに依存していない点は改めて強調している。

    「マックスは重要な存在だが、彼がチームを去ったら我々も去る、というほどではない。そういうことはない。我々はチームを信頼しているし、将来的には他のドライバーも出てくると分かっている」

    フォード レッドブル・レーシング

    フェルスタッペンを引き留めるために必要なこと
    理想的なシナリオは、もちろん2026年以降もフェルスタッペンを維持することだが、フォードはそれが何を意味するかを理解している。

    「レーサーとして、常に勝ちたいと思うのは当然だ。だからこそ、サーキットで結果を出すことが重要になる。2026年は新レギュレーションによって、パドックの全員にとって厳しい年になると分かっている。ドライバーが誰であれ、チームが結果を出すことが不可欠だ」

    ドライバー市場の状況やフェルスタッペンの立場を考えると、レッドブル・フォードには適応のための時間があまり残されていないのではないかと指摘された際、ラッシュブルックはこう答えている。

    「私のコメントはマックスとは独立したものだ。我々は勝つつもりでサーキットに向かう」

    これは新規メーカーにとっては非常に野心的な目標に見えるかもしれない。その点で、たとえばアウディとは対照的だ。四つの輪を持つブランドは、2030年を世界タイトル獲得の目標年として設定しており、レッドブル・フォードとは明確に異なるタイムラインを描いている。

    「そうだが、彼らは立場が違うと思う。チーム、マシン、その他すべての面でね。マシンという点でチームが何を提供できるかは、これまでのレッドブルを見れば分かる。その一部は2026年にも引き継がれるだろう」

    「バルセロナやバーレーンで、我々がどこにいるのかが本当の意味で分かるだろう。とにかく、グリッドの前方にいたい。完全に新しいパワーユニットで挑むのは大きな挑戦だと分かっているが、それが我々の意志だ。もしすぐに達成できなかったとしても、目指す場所に到達するために、できる限りのことを続けていく」

    多様なバックグラウンドを持つ集団
    パワートレインズ・プロジェクトは、非常に多様な構成を持っている。レッドブルとフォードの従業員に加え、以前のエンジンパートナーであったホンダ出身の技術者や、メルセデスから加わった新戦力も含まれている。異なる組織で培われた知見を集約できる一方で、こうした多様なバックグラウンドを持つ人材が、いかに効果的に協働できるかが最大の課題となる。

    「それは常に挑戦だ。既存のエンジンメーカーには、すでに確立された文化がある。一方で、このケースでは少なくともミルトンキーンズのキャンパス内には、すでに明確な文化があった。そこに人が加わり、適応していく必要がある。パワートレインズ部門の従業員がゼロから500人以上に増える中で、全員がその文化を受け入れ、自分のものにすることが重要だ」とラッシュブルックは語る。

    ラッシュブルックによれば、フェルスタッペンはこのプロジェクトに強い関心を示しているという。それは新エンジンのドライバビリティに関する技術的フィードバックという意味だけでなく、ファクトリーで働く人々にとっての重要なメッセージにもなる。

    「彼は何度も施設を訪れている。彼の関心をチームが直接感じられるのは素晴らしいことだし、彼がそこにいるだけで違いが生まれる。彼が本気で気にかけていることが伝わるのは大きい。こうした関与を示してくれるのは良いことだし、同時に彼自身も、チームが2026年に向けて準備しているものに対する信頼を深めることができる」

  • エイドリアン・ニューウェイが残した最後のレッドブル RB17が完成形に到達

    エイドリアン・ニューウェイが残した最後のレッドブル RB17が完成形に到達

    レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズは、注目を集めてきたハイパーカー「RB17」の最終デザインを公開した。これは、伝説的空力技術者であるエイドリアン・ニューウェイの指揮のもと構想された、サーキット専用マシンの完成形だ。

    ニューウェイはすでにアストンマーティンに移籍しているが、RB17プロジェクトには引き続き深く関与しており、現在は初期テストとミルトンキーンズでの生産準備が進められている段階にある。

    最終デザインで加えられた視覚的・機能的進化
    Top Gearが伝えたところによれば、今回公開された最終デザインでは、フロントに特徴的な「ホッケースティック」形状のLEDライトが新たに採用され、より明確なビジュアルアイデンティティが与えられた。

    あわせて冷却ベントは再設計され、エンジンカバー上にはセイルフィッシュ(カジキ)を思わせる大型フィンが追加されている。サイズ面では、初期プロトタイプより全体的にわずかにコンパクト化されたが、フットプリント自体は現代のF1マシンに近いものとなっている。

    サイドミラーやウインドスクリーンワイパーといった実用的な装備も備えられており、極端なトラック専用車でありながら、実際の走行を強く意識した設計であることがうかがえる。

    レッドブル・RB17

    F1の空白番号を冠する初のRB17
    RB17は、F1のマシン命名において意図的に使われてこなかった「17」という番号を初めて冠したモデルでもある。2シーター構成のカーボンファイバー製ハイパーカーとして、20年以上にわたるF1の技術的知見が凝縮されている。

    パワーユニットには、コスワースが開発した自然吸気V10エンジンを搭載。レブリミットは15,000rpmに達し、スムーズな出力特性とリバースギアのために小型電動モーターが組み合わされている。

    システム全体での最高出力は1,200馬力を超え、車重は900kg未満を目標としている。これにより、F1に匹敵するラップタイムと、最高速350km/h超を実現するとされている。

    エイドリアン・ニューウェイ レッドブル・RB17

    50台限定 生粋のドライバー向けハイパーカー
    RB17の生産台数はわずか50台に限定され、すべてがオーナーごとの完全オーダーメイドとなる。さらに購入者には、世界各地の象徴的なサーキットでの専用トラックデープログラムも提供される予定だ。

    レッドブルは、圧倒的なパフォーマンスと同時に、熟練ドライバーが扱える「アクセシビリティ」にも重点を置いている。ミシュランが専用開発したタイヤやアクティブサスペンションが、強大な空力負荷を制御する役割を担う。

    2025年テスト開始、2026年生産へ
    RB17は2025年にサーキットテスト段階へ移行し、2026年の生産開始が予定されている。F1以外の領域においても、レッドブルのエンジニアリング能力がいかに過激な形で具現化され得るのかを示す、極めてラディカルな存在だ。

    この最終形RB17は、エイドリアン・ニューウェイの設計思想が色濃く刻み込まれた、究極のトラック専用ハイパーカーとして位置づけられている。

  • フォード、レッドブルの2026年F1エンジンは「社内で設定した目標を達成」

    フォード、レッドブルの2026年F1エンジンは「社内で設定した目標を達成」

    フォードは、レッドブル・レーシングと共同開発する2026年F1向け新パワーユニットについて、社内で設定した目標を達成していると明かした。一方で、初の実走テストとなるバルセロナでの非公開テストを前に「一定の緊張感は常にある」と率直な心境も語っている。

    2026年からレッドブルは、ホンダとの成功した提携を経て、自社製PUにフォードが技術パートナーとして加わる体制で参戦する。

    フォード・パフォーマンスのグローバルディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、メルセデスF1のトト・ヴォルフが指摘した「エベレストに挑むようなもの」という評価に理解を示しつつも、ミルトンキーンズでの準備は可能な限り最適化されてきたと強調した。

    初実走となるバルセロナテストへの緊張感
    「計画通りに進めてはいるが、すべては実際にクルマに搭載し、サーキットを走らせた時に初めて分かる」とラッシュブルックは英オートスポーツ誌であるAutosportの独占取材で語った。
    「最初のテスト初日は非常に重要だし、その週全体が重要になる。過去3年間の努力がどのように結実するのかを確認する場だからだ」

    非公開で行われるバルセロナのウインターテストを前に、神経質になっているかと問われると、「新車や新エンジンが初めて走るときには、常にある程度の緊張や期待がある」と認めている。設計やハード評価、キャリブレーションはコンピュータやラボで高精度に行えるが、「実際のサーキットで一体となったときに、ラボでは見えなかった何かが必ず見えてくる」と述べた。

    出力・信頼性からドライバビリティ重視へ
    開発は段階的に進められてきた。まず出力を引き上げ、次に信頼性を目標水準まで高め、その後さらに出力を引き出すという手順だ。
    現在は、出力や信頼性だけでなく、ドライバビリティ、すなわちドライバーが感じる扱いやすさやソフトウェア/キャリブレーション面の完成度に重点が移っている。

    「出力、パフォーマンス、信頼性、そしてドライバビリティだ。プログラム初期に設定したタイムラインは達成できている」とラッシュブルックは説明する。
    「今はキャリブレーションやドライバビリティの細部を詰めている段階で、コンピュータ、ラボ、ドライバーと連動したシミュレーター作業を組み合わせて進めている」

    社内目標は達成、ただし他陣営の基準は不明
    内燃エンジン(ICE)については、圧縮比に関する“抜け穴”の噂も含め、各メーカーがどこに目標を置いたのかが最大の不確定要素だ。ラッシュブルックは「社内目標は達成している」としつつも、フェラーリF1、ホンダF1、メルセデスF1がどの水準をベンチマークにしているかは分からないと述べた。

    「全員が同じ規則と物理法則の中で、理論的に可能な最大値を見積もる。最終目標は似通ってくるはずだが、そこにどれだけ効率的に到達できるかが違いを生む」

    レッドブルのチーフエンジニアであるポール・モナハンは、既存メーカーに比べICEでわずかな不利が出る可能性を示唆していたが、ラッシュブルックは「仮に少し後れを取っても、その差は小さいと考えている。経験豊富な人材が集まり、他の部分で取り戻せる」と自信をのぞかせた。

    レッドブル フォード F1

    2014年の再来を防ぐADUO制度
    ICE性能については、FIAがADUO(追加開発・アップグレード機会)制度を導入している。6戦ごとに評価が行われ、最高出力から2〜4%遅れているメーカーは1回、4%以上遅れていれば2回の追加アップグレードが認められる。
    2014年のような長期的な一強時代を防ぐ狙いで、ラッシュブルックも「競争の機会を確保するために正しい措置だ」と評価した。

    ファンの一部がBoP(性能調整)と混同する点についても、「これはBoPではない。F1は技術規則に基づく競争であり、その枠内で追いつくための仕組みだ」と明確に否定している。

    慎重ながらも前向きなフォードの評価
    真価が問われるのは、バルセロナでの初走行、そしてシーズン開幕戦まで待つ必要がある。それでもラッシュブルックは、ミルトンキーンズでの準備状況に満足していると語った。

    「これは新しいスタートアップであり、トトの言う通り簡単ではない。しかし、異なるプログラムから集まった人材の力を結集している。今は良い位置にいると考えているが、全体像が見えるのは実際に走ってからだ」

    フォードの“ブルーオーバル”は、2026年のF1復帰に向け、慎重な楽観論を保ったまま、いよいよ実走の舞台へと向かう。

  • レッドブルF1 オリバー・ミンツラフ新体制の裏で続く権力の綱引き

    レッドブルF1 オリバー・ミンツラフ新体制の裏で続く権力の綱引き

    レッドブルはF1の将来に向けて新たな一手を打った。その動きとして大きな注目を集めているのが、2026年シーズンにアイザック・ハジャーがマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めるという決定だ。オランダ人王者と同じガレージを共有することは、ここ数年、誰にとっても極めて厳しい挑戦だった。チーム内の比較は常に苛烈で、経験豊富なドライバーでさえ、そのプレッシャーに耐えきれず後退してきた。直近の前例を見ても、楽観できる材料は多くない。

    レッドブルのハジャー 新レギュレーションが与える好機
    セルジオ・ペレスは経験を武器に衝撃に耐えようとしたが、時間とともに精神面の脆さが目立つようになり、パフォーマンスは徐々に低下した。リアム・ローソンや角田裕毅に至っては、言うまでもない。
    一方でハジャーは異なるプロフィールを携えてレッドブルに加わる。レーシングブルズで過ごしたF1デビューシーズンは堅実だった。

    51ポイントを獲得し、安定した成長を示したことが評価され、チームは彼に賭ける決断を下した。昇格は当然の結果とも言えるが、同時に大きな期待を背負うことになる。若きフランス人は、新たな立場の重圧をすでに感じていることを隠していない。トップチームへの昇格は、露出、メディアの注目、そしてはるかに大きな責任を伴う。

    「このレベルの知名度やメディアの注目には、正直あまり居心地の良さを感じていない。うっとうしいけど、消える方法は見つけるよ。マスクをかぶるかもしれないし、分からないけどね」

    冗談めかした言葉ではあるが、そこには実際の戸惑いがにじんでいる。

    ただし、ハジャーが身を置く環境は、近年よりも抑圧的でない可能性もある。ヘルムート・マルコやクリスチャン・ホーナーといった強烈な存在が去ったことで、内部の緊張が和らぐ余地があるからだ。新体制は、ドライバーの日常的なマネジメントを重視している。ローラン・メキースはシーズン前半ですでにハジャーと仕事をしており、重要な拠り所となる存在だ。目標は、彼を守りつつ成長を導くことにある。

    それでも、チームがフェルスタッペンを中心に回り続けることは明白だ。技術面・戦略面の指針は彼から発せられる。ハジャーは迅速に適応し、不均衡なチーム内対決と共存する術を学ばなければならない。しかし、2026年F1レギュレーションは、その力関係を多少なりとも揺さぶる可能性がある。変革は、レッドブルのセカンドドライバーにとって、過去の誰よりも多くのチャンスをもたらすかもしれない。

    レッドブル・レーシング F1 レッドブル

    ホーナーとマルコ退任後も続く レッドブルの権力闘争
    レッドブルでもう一つの火種となっているのが、内部に根付く権力闘争だ。ホーナーとマルコの退任により、一時的な安定が訪れたように見えるが、実際にはそれは長い戦いの一局面にすぎない。意思決定は、企業としてのオーストリア側からも下されている。

    タイ側が多数派であることを踏まえつつも、スポーツ運営の中枢に再び強く関与しようとする勢力が存在する。CEOのオリバー・ミンツラフは、より強い決定権を取り戻そうとしている。摩擦は決して解消されていない。この状況を批判的に捉えているのが、元ウィリアムズF1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤだ。

    「聞こえてくる話では、オーストリア側はもっと深く関与し、チームを直接管理したがっている。それは諸刃の剣だ。もし彼らが過剰な支配力を手にすれば、すべてが独裁に変わりかねない。ひとつの方向性、ひとつのやり方、単一のリーダーシップの下でね」

    その言葉は、大きな変革を経た今なお、レッドブル内部の均衡がいかに脆弱であるかを浮き彫りにしている。

  • フェルスタッペン陣営 レッドブルの2026年F1エンジンは「良い話を聞いている」

    フェルスタッペン陣営 レッドブルの2026年F1エンジンは「良い話を聞いている」

    2026年F1の大転換点が近づくなか、最大の焦点のひとつは、レッドブルが自社製パワーユニットという歴史的挑戦を成功させられるかどうかだ。

    ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルは、フォードと提携し、初めてOEMとして自前のエンジンを一から開発する。前例のない挑戦であるがゆえに、不確実性と同時に強い関心も集めている。

    そんな中、マックス・フェルスタッペン陣営の中枢から、内部の空気感をうかがわせる発言が明らかになった。マネージャーのレイモンド・フェルミューレンは、新エンジンについて「良い話を聞いている」と認めつつも、実際の競争力は依然として不透明だと語っている。

    白紙のスタートと早期の答え
    フェルミューレンは、新レギュレーションがいかに大きな変化をもたらすかについて、現実的な見方を示している。新型マシンと新型パワーユニットが走り出せば、従来の比較基準はほとんど意味をなさないという認識だ。

    「来年の基準は何なのか? 誰にも分からない」とフェルミューレンはオランダのRacingNews365に語った。

    「だから最初の数戦で、状況がどう展開していくのかは非常にはっきりするはずだ。我々はフレッシュなアプローチでスタートすることになる」

    この「序盤での明確化」という見方は、2026年シーズンの開幕数戦で、新時代をつかんだチームとそうでないチームが早々に判明するという、パドック全体の共通認識とも一致している。

    顧客エンジンから完全な自社運営へと踏み出すレッドブルにとって、その瞬間は特に重要な意味を持つ。

    良い話は聞くが、保証はない
    この壮大な挑戦にもかかわらず、フェルミューレンはレッドブルとの日常的なやり取りを通じて、慎重ながらも前向きな感触を得ているという。

    「エンジンについては良い話を聞いている。でも“良い”って何なんだ? 基準は何だ?」とフェルミューレンは述べた。

    「だから、待ってみるしかない」

    この含みを持たせた言い回しは、2026年F1レギュレーションが抱える本質的な緊張感を象徴している。純粋な性能は重要だが、それ以上に適応力が勝敗を分ける可能性がある。

    フェルミューレンによれば、レッドブルの運命を左右するのは、スタート位置そのものではなく、ライバルに遅れを取った場合にどれだけ迅速に立て直せるかにあるという。

    「重要なポイントは、仮に序列の上位にいなかった場合、どのチームが最も早く状況をひっくり返せるかだと思う」と彼は続けた。

    「工場の体制をどう組み替え、新しいパーツをどれだけ素早くマシンに投入して、速いクルマを作れるか。どう展開するか見ていくしかない。でも、それは全員に当てはまることだ。そこが良い点でもある」

    2025年シーズン、勝者と凡走者を分けたのはコンマ数秒、時にはコンマ数百分の差だった。その状況を踏まえれば、この“回復速度”への言及は極めて現実的だ。

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    モメンタム、モチベーション、そしてグレーゾーンの噂
    フェルスタッペンは、未完の課題を抱えたまま2026年を迎える。2025年は最終戦までもつれ込む接戦の末、わずか2ポイント差でランド・ノリスに敗れ、5連覇を逃した。

    マクラーレンは2026年の早期本命と目されており、さらにパドックでは、メルセデスとレッドブルが、新パワーユニット規則の中にコンマ数秒分のアドバンテージを生む可能性のある“グレーゾーン”を見つけたのではないか、という囁きも絶えない。

    もしそれが事実であれば、メルセデスのカスタマーであるマクラーレンも恩恵を受けることになり、競争はさらに拮抗する。ただし、両メーカーはFIAの厳しい監視下にあるとされている。

    それでもフェルミューレンは、フェルスタッペン自身のメンタリティこそが重要な武器であり続けると見ている。

    「現時点では、我々は間違いなく満足している」と彼は語った。

    「本当に素晴らしいシーズンだったと思う。これから非常にチャレンジングな年が待っている。マックスはまだ若く、意欲もあり、そして今も非常に速い。だから、すべてはこれからだ」

    全面的なコミットメント
    エンジンそのものに加え、フェルミューレンはプロジェクトに対するレッドブルの本気度――資金面、技術面、そして文化的側面――にも手応えを感じているという。

    「良い人材のグループがある。レッドブル、そしてエンジン会社は完全にこのプロジェクトを支えている」と彼は締めくくった。

    「エンジン、風洞、ファクトリー設備に莫大な資金を投じ、すべてがゴーサインだ。だから、あとは見ていくだけだ」

    この「見ていくしかない」という一言こそ、現在の状況を最も端的に表している。自信は高まり、楽観論も芽生えているが、確信には至っていない。

    レッドブルとフェルスタッペンにとって、2026年へのカウントダウンはもはや約束の話ではない。やがてストップウォッチが、すべての答えを示すことになる。

  • レッドブルF1、マルコ退任後の発言をCEOが是正 批判を受けた判断を正当化

    レッドブルF1、マルコ退任後の発言をCEOが是正 批判を受けた判断を正当化

    2025年シーズン終了をもって歴史的な節目を迎えたレッドブル・レーシングでは、ヘルムート・マルコの退任が企業組織図上でも正式化された後も、その余波が続いている。レッドブルGmbH(チームの親会社)の最高経営責任者であるオリバー・ミンツラフは、最近相次いだ元モータースポーツ顧問による辛辣な発言から距離を置く姿勢を明確にした。

    82歳のマルコは、2025年シーズン限りでミルトンキーンズ拠点の体制を離れ、20年以上にわたるレッドブルとの関係に終止符を打った。

    オーストリア人のマルコはブランドのジュニアプログラムの中核人物として、チームをパドックの基準へと押し上げ、コンストラクターズタイトル6回獲得に貢献してきた。

    レッドブルが2005年シーズン前にジャガー・レーシングを買収して以降、マルコは17人のドライバーをF1に導いてきた。この数は、近く昇格予定のアービッド・リンドブラッドを含めれば18人に達する。その中には、いずれも4度の世界王者であるセバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンが含まれ、若手育成の成功を象徴する存在となった。

    しかし、レッドブルを去るにあたり、マルコは沈黙を守らなかった。退任声明ではチームの経営陣を公然と批判し、7月のイギリスGP後に解任された元チーム代表のクリスチャン・ホーナーに対しても、正面から矛先を向けた。

    オランダ紙『デ・テレグラーフ』の取材に応じたミンツラフは、これらの発言は個人の見解に過ぎないと強調し、レッドブルとしての公式見解ではないと明確にした。

    「クリスチャンについてのこれらの言葉は、ヘルムート個人のものだ。私はクリスチャンについて否定的なことは何も言えない。彼はレッドブルにとって計り知れない存在だったからだ」と述べている。

    一方で、ホーナーとの決別がチームの将来像を見据えた判断であったことは認めた。

    「どんな組織でも、物事が以前ほど機能しなくなる時は来る。そのとき企業として、さらに時間を与えるのか、新しいリーダーを迎えるべきかを決断しなければならない。我々は変化の時だと判断した」と説明した。

    レッドブル F1

    マルコは、レッドブル内部で多くが変わり、その変化が正しい方向ではないとの見解を示しているが、ミンツラフはこれに同意しない。

    「私はヘルムートの発言には賛成できない。組織の中で物事が進化するのは当然だ。もしかすると、マルコ博士自身も年月とともに変わったのかもしれない」と反論した。

    大規模組織における内部変化は不可避だというのが、ミンツラフの立場だ。

    「5年前とまったく同じである必要はない。クリスチャンとヘルムートは2005年の初期から20年以上にわたり、非常に素晴らしい形で共に働いてきた」と語る。

    この二重の別れを歴史的文脈で捉えるべきだとも訴えた。

    「これほど長期間、同じ経営陣が続いた大規模スポーツ組織の例を挙げられるだろうか」。

    失敗と見るのではなく、異例の長寿体制だった点を評価すべきだという。

    「二人が同時に去ったことを非常にネガティブに捉えることもできる。しかし私は、これほど長く共に在り、これほど多くを成し遂げたこと自体が特別だと言いたい」。

    そして最後に、変化の必要性をこう締めくくった。

    「時には、物事を少し揺さぶるための変化が必要なだけなのだ」

  • 角田裕毅 レッドブルF1リザーブ就任で決意「チャンスが来たら全力でつかむ」

    角田裕毅 レッドブルF1リザーブ就任で決意「チャンスが来たら全力でつかむ」

    角田裕毅は、2026年シーズンに向けてレッドブルF1のリザーブドライバーという新たな役割に就くことについて、「チャンスが来たら全力でつかむ」と強い決意を示した。

    2025年シーズンをもってレースシートを失い、来季はレッドブルのサードドライバーとして帯同することになる角田裕毅。今季はマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして苦しい戦いを強いられ、シーズン終盤には去就を巡る憶測が絶えなかった。

    レッドブルはアブダビGPを前に、2026年シーズンからアイザック・ハジャーが角田裕毅に代わって加入することを正式に発表。好調なルーキーシーズンを送ったハジャーが昇格する形となった。

    角田裕毅は、初めてレースから離れた立場でF1に関わることについて、前向きな姿勢を示している。

    「違う視点、違う目線で来年を見られるのが楽しみです」と角田裕毅はRacingNews365を含むメディアに語った。

    「キャリアの中で初めて、レースをしていない年になります。今までは、みんなが走っている間にオフィスで座っていることはなかったので、こういう立場は経験がありません」

    「全体を俯瞰して見られますし、無線も聞けますし、各ドライバーが何をしているのかも分かる。自分が想像もしていなかったことをたくさん学べるかもしれないので、それが楽しみです」

    フルタイムシートは失ったものの、角田裕毅はフェルスタッペンやハジャーが欠場した場合、真っ先に代役として起用される立場にある。

    25歳の角田裕毅は、いつ訪れるか分からない出番に向け、準備を怠らない姿勢を強調した。

    「できる限り良いコンディションを維持し続けたいです」

    「もしチャンスが来たら、そのチャンスを全力でつかみにいきます。だからそれまではしっかりと状態を保って、待ち続けます」

    レースシートを失うという厳しい現実に直面しながらも、角田裕毅は新たな立場を成長の機会と捉え、次なる一歩に備えている。