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  • レッドブルF1 オーストリアGP新パッケージでも「不十分」 メキース代表が認める

    レッドブルF1 オーストリアGP新パッケージでも「不十分」 メキース代表が認める

    レッドブル・レーシングのローラン・メキース代表は、次戦オーストリアGPで投入するRB22の大型アップグレードについて、「それだけでは十分ではない」と認め、さらなる開発が必要との認識を示した。

    2026年シーズンのレッドブルは、マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーを擁しながらも苦戦が続いている。

    RB22はバランス不足やグリップ不足に悩まされており、フェルスタッペンのドライビングによって結果を引き出しているものの、マクラーレン、メルセデス、フェラーリとの差は依然として大きい。

    オーストリアGPで大型アップデート投入
    レッドブルはホームレースとなるオーストリアGPで、今季2度目となる大規模アップグレードパッケージを投入する予定だ。

    しかしメキース代表は、その効果に期待を寄せながらも、一度のアップデートで状況を一変させることは難しいと率直に認めた。

    「今シーズンの勢力図は、どのチームがアップグレードを投入したかによって大きく変動している」

    「フェラーリは大きな前進を果たした」

    「もちろん、我々の次の大きなアップグレードはオーストリアだ。しかし重要なのは、実際にサーキットでどれだけラップタイムを改善できるかだ」

    「ミルトンキーンズの全員がこのパッケージ開発に懸命に取り組んできた。しかし、オーストリアで投入するアップグレードだけでは十分ではないことも分かっている」

    日本GP以降は着実に差を縮小
    レッドブルは今季序盤、ライバル勢に対して最大でコンマ4秒近い差を抱えているとみられていた。

    その後、マイアミGPでフロントウイング、ホイールダクト、サイドポッド、フロア、エンジンカバーを含む大規模改良を投入。フェルスタッペンはマイアミとモナコで予選2番手を獲得するなど一定の成果を示してきた。

    しかし、その間にもライバルたちは開発を進めていた。メルセデスはカナダGPでアップグレードを投入し、フェラーリもバルセロナ・カタルーニャGPで改良パッケージを投入。レッドブルとの差を広げる結果となった。

    メキース代表は、今後も継続的な開発が必要だと強調した。

    「さらなる前進が必要になることは分かっている」

    「重要なのは、日本GP以降続けてきたように、差を縮め続ける流れを維持することだ」

    「コンマ4秒差という話ではなく、できればそれ以下の差について語れるようにならなければならない」

    レッドブル・レーシング RB22

    表彰台争い復帰への道は険しい
    レッドブルは今季序盤こそフェルスタッペンの活躍で上位争いを演じていたが、現在はマクラーレン、メルセデス、フェラーリに対して苦しい戦いを強いられている。

    バルセロナ・カタルーニャGPでフェルスタッペンは4位でフィニッシュしたが、これはアンドレア・キミ・アントネッリとシャルル・ルクレールのリタイアにも助けられた結果だった。

    実際には3位ランド・ノリスから16.778秒遅れでチェッカーを受けており、現状のパフォーマンスを考えれば、ホームレースとなるオーストリアGPでも表彰台争いは容易ではない。

    レッドブルにとって次戦のアップグレードは重要な前進となるが、メキース代表が認めたように、それだけで勢力図を塗り替えることは難しい。タイトル争いへの復帰を目指すには、さらなる開発成果が求められている。

  • レッドブルF1代表 セットアップ論争を歓迎「マックスの“言っただろ”も必要」

    レッドブルF1代表 セットアップ論争を歓迎「マックスの“言っただろ”も必要」

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、F1カナダGPで浮き彫りになったセットアップ方針を巡るマックス・フェルスタッペンとの意見の違いについて、「チームが前進するために必要なプロセス」だと擁護した。

    モントリオールでは、レッドブルが導入したアップグレードの真価が問われていた。予選ではマックス・フェルスタッペンが6番手に沈み、依然として競争力不足への懸念が残ったが、決勝では追い上げを見せ、チームに今季初表彰台をもたらした。

    それでもフェルスタッペン本人は結果を冷静に受け止めていた。

    「正直に言えば、マイアミのほうがマシンの感触は良かった」とフェルスタッペンは語った。

    「だから、ここで表彰台に乗れたのは少し驚きでもある。でもジョージ(ラッセル)のリタイアや、マクラーレン勢の戦略ミスも考慮しなければならない」

    一方で、ローラン・メキースは今回の週末がレッドブルにとって前向きな材料になったと考えている。

    「大局的に見れば、少なくともマイアミでの進歩を確認できたと思っている。我々はそれ以上の成果も得られたと考えている」とメキースは語った。

    「トップ勢との差を少し縮めることができたと思う」

    フェルスタッペンとの“温度差”も開発の一部
    今回のカナダGPでは、ドライバーの感覚とエンジニア側の判断が食い違う場面もあった。

    フェルスタッペンは予選後、レッドブルが選択したセットアップの方向性について疑問を抱いていたことを認め、「実際に試して失敗を感じてもらうしかない」と語っていた。

    「僕は何度も指摘してきた。でも時には、実際にやってみて『うまくいかない』と感じてもらう必要がある」

    メキースは、こうしたやり取りは現行世代マシンのポテンシャルを引き出すうえで避けられないものだと説明する。

    「我々は、バランスや競争力の差が適切ではないと感じるたびにリスクを取っている」とメキースは語った。

    「リスクを取るということは、異なるセットアップ方向を試すということでもある」

    さらに、レッドブルはシーズン序盤の段階で保守的になるつもりはないと強調した。

    「まだシーズン序盤だし、この世代のマシンも始まったばかりだ。我々は何かを解き放つために、ドライバーとともに様々なことを試していく。たとえ、その代償を払うことになってもだ」

    「そして学んでいく。予選向けにも、決勝向けにも学習する。この週末には多くの学びがあった。マシンの本来のポテンシャルからどれだけ離れていたのかは、誰にも分からない」

    レッドブル・レーシング ローラン・メキース

    “言っただろう”も前進には必要
    フェルスタッペンの不満げなコメントが注目を集めたが、メキースはドライバー側の意見が軽視されているとの見方を否定した。

    「まったくそんなことはない」とメキースは断言した。

    「外からは違って見えたかもしれないが、実際にはドライバーたちは我々の意思決定に完全に組み込まれている」

    「もちろん『君はどう思う?』『こちらはこう考える』という小さな駆け引きはある。しかし最終的には、何を試すかについて合意している」

    そのうえで、時にはフェルスタッペン側から“ほら見たことか”という空気になることも認めた。

    「時には『だから言っただろう』というゲームになることもある」

    だが、メキースはそれをネガティブには捉えていない。

    「それでも我々は一緒に学んでいる。そして明らかなのは、前進するためにはそのダイナミクス、その“言っただろう”という感覚が必要だということだ」

    リスクを取らなければ前進できない現実
    現在のF1は、マクラーレンやメルセデスとの競争が激化しており、レッドブルにとっても“現状維持”は後退を意味する。

    メキースは、多少の失敗を伴ってでも限界を押し広げ続ける必要があると語る。

    「リスクを取れば、当然痛みも伴う」

    「だが、ドライバーたちが『トップ勢との差はコンマ4〜5秒かもしれない。でももっと良くできる感触がある』と我々を突き動かしてくれる」

    「それは我々に対して、さらにリスクを取り、さらに探求を続けろというメッセージなんだ」

  • レッドブルPUが第5戦F1カナダGPで初表彰台 メキース「歴史的瞬間」

    レッドブルPUが第5戦F1カナダGPで初表彰台 メキース「歴史的瞬間」

    レッドブル・レーシングは2026年F1カナダGP決勝で、マックス・フェルスタッペンが3位表彰台を獲得し、アイザック・ハジャーも5位入賞を果たした。チームにとっては、レッドブル・フォード・パワートレインズとして初の表彰台獲得となる歴史的な週末となった。

    フェルスタッペンは序盤から安定したレースを展開し、終盤にはルイス・ハミルトンと激しい2位争いを繰り広げた。ハジャーも2度のペナルティを受けながら上位を維持し、ダブル入賞に貢献した。

    ローラン・メキース「我々にとって歴史的な瞬間」
    チーム代表のローラン・メキースは、自社パワーユニット初表彰台の意義を強調した。

    「まず最初に、レッドブル・フォード・パワートレインズの全員に祝福を送りたい。わずか5戦目で、自分たちのPUによる初表彰台を獲得できたことは、本当に歴史的な瞬間だ。特に、我々のライバルたちが持つ経験や実績を考えればなおさらだ」

    「もちろん、PUだけで結果は得られない。この結果は、ミルトンキーンズのファクトリー、そして現場で働く全員のハードワークによるものでもある」

    「全体として、我々は前方との差を少し縮めることができたかもしれないし、正しい方向へ進んでいることも確認できた。ただし、あとコンマ3〜5秒ではなく、コンマ3〜5秒ではなくコンマ3〜5秒分のパフォーマンスを見つけ出すことこそが最も難しいことも理解している」

    「マックスはいつも通り非常に強力で、速さも安定感もあった。どのタイミングでプレッシャーをかけるべきかも理解していた。アイザックも週末序盤から良いリズムをつかみ、ペナルティを抱えながらも素晴らしいレースをしてくれた。選手権を考えても、2台揃って大量ポイントを獲得できたのは重要だった」

    「我々は、現在のパッケージからすべてを引き出す方法について、まだ多くを学ばなければならない。同時にミルトンキーンズでは、次のアップデートをサーキットへ投入するため、全員が全力で作業を続けている」

    長年準備を進めてきたミルトンキーンズのプロジェクトにとって、この結果は2026年F1時代における重要なマイルストーンとなった。

    「今のF1は複雑すぎる」
    しかしフェルスタッペンは、現在のF1が抱える複雑なパワーユニット規則やエネルギーマネジメントに対し、強い違和感を示した。

    「僕にとっては、今シーズンでさえそうだ。もちろん、僕はいろいろな種類のクルマを運転してきたし、特に先週は“モータースポーツがどれだけ純粋で、レースがどれだけ素晴らしいか”を改めて思い出させられた」とフェルスタッペンはコメント。

    「だからF1に戻ってくると、もちろんここには世界最高のドライバーたちがいる。だからレンタカーを与えられたとしても、僕たちは良いショーを見せるし、激しく、うまくレースをする」

    フェルスタッペンは、現在のF1の面白さは規則ではなくドライバーによるものだと強調した。

    「だから、そういう意味では規則とは関係ない。でも、ドライバーとして走っていると、すべてが少し混乱している。これは本来のF1であるべき姿じゃない。複雑すぎるんだ」

    エネルギーマネジメントへの苛立ち
    フェルスタッペンは、現在のF1でドライバーが管理を強いられている細かなエネルギー制御についても疑問を呈した。

    「ほとんどの規則について、ファンは僕たちが走行中に何を扱っているのか理解していないと思う」

    「後ろを走っている時に何が許されるのか、前を走っている時に何をしなければならないのか。フォーメーションラップでやるべきこと、アウトラップでやるべきこと、どれだけバッテリーをチャージしていいのか。こういうものすべてに対処しなければならないのは本当に残念なことだ」

    さらにフェルスタッペンは、FIAが検討している電動比率見直し議論にも言及し、より自然なレースへの回帰を望んだ。

    「僕にとって、F1はもっと純粋である必要がある。来年に向けて彼らがやろうとしていることが実現することを本当に願っている。少なくとも、もう少し自然で、普通で、純粋なレースに戻すために必要な最低限のことだと思う」

    「でも言ったように、僕たちドライバーはどんなクルマでもレースをするし、良いショーを見せる。“今のショーは素晴らしい、クルマ同士が戦っている”と言う人もいるけど、それはクルマのおかげじゃない。ただ、もっと純粋であるべきなんだ」

    “予想外”だったモントリオールの表彰台
    一方でフェルスタッペンは、カナダGPでの表彰台自体には驚きもあったと認めた。

    「正直に言えば、クルマの感触はマイアミの方が良かった。だから、ここで表彰台に乗れたのは少し驚いている」

    「ただ、ジョージ(ラッセル)のリタイアや、マクラーレン勢の戦略ミスもあった。だから、ここにいられること自体はもちろん嬉しい」

    レース中はタイヤの作動にも苦戦していたという。

    「ソフトタイヤでは少し競争力があった。でもミディアムでは、まったくタイヤをスイッチオンできる感覚がなかった。適正ウインドウに入らなかったんだ」

    「そのスティントではグリップ感を得るのがかなり難しかった。でも、それでも良い仕事はできたと思う。我々にとって初表彰台は非常にポジティブだし、かなり難しいコンディションの中で達成できたことを嬉しく思っている」

  • レッドブルF1 カナダGPでも改良継続「マイアミで明確な進歩」

    レッドブルF1 カナダGPでも改良継続「マイアミで明確な進歩」

    レッドブル・レーシングがマイアミGPで投入したアップデートに手応えを示した。2026年F1シーズン序盤は表彰台争いに届かない苦しい展開が続いているが、テクニカルディレクターのピエール・ワシェは、マイアミで導入したパッケージが「明確な前進」だったと評価している。

    ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルは、今季も上位争いを維持することを目指して開幕を迎えた。

    しかし実際には勢力図の中で後退し、ここまで各戦で表彰台に絡むことができていない。直近のマイアミGPではマックス・フェルスタッペンが5位に入り、これが今季ここまでのチーム最高位となっている。

    マイアミで見えた“明確な前進”
    それでも、レッドブルはマイアミGP後にマシンパッケージへの見方をやや前向きに変えていた。その評価はカナダGPを前にしても変わっていない。

    「マイアミでは明確な前進が見られた。アップグレードパッケージはパフォーマンス面で心強い向上をもたらし、マシンのいくつかの重要な領域への対処にも役立った」とピエール・ワシェはコメントした。

    「同時に、マシンの弱点や、全体のパフォーマンスを引き出すために改善すべき余地も浮き彫りになった」

    マイアミでのアップデートは、単にラップタイム向上だけを示したものではなく、RB22が抱える課題をより明確にする役割も果たした。レッドブルにとって重要なのは、改善の方向性が実走行で確認できた点にある。

    レッドブル・レーシング カナダグランプリ

    カナダGPでは小規模アップデートを継続投入
    レッドブルはモントリオールでも開発を止めるつもりはない。他チームと同様に、カナダGPでも新パーツの投入を予定している。

    「カナダは、この週末に投入するいくつかの小規模アップデートとともに、このパッケージを試すもうひとつの良いテストになる」とワシェは付け加えた。

    「舞台裏で多くの努力を重ねてきた結果、その進歩がコース上で表れたことはチームにとって前向きな後押しになっている。そしてヨーロッパラウンドに向かう中で、マシン開発はさらに進んでいくと考えている」

    マイアミでの5位は、レッドブルが望む水準ではない。それでも、開幕からの苦戦の中でアップデートが実際に効果を示したことは、今後の開発判断において大きな意味を持つ。

    カナダGPは、レッドブルにとって復調の確証を得るための次の検証の場になる。マイアミで見えた改善が一過性のものではなく、今後のヨーロッパラウンドに向けた本格的な巻き返しにつながるのかが焦点となる。

  • レッドブルF1 フェラーリ“マカレナ”型リアウイングをシルバーストンでテスト

    レッドブルF1 フェラーリ“マカレナ”型リアウイングをシルバーストンでテスト

    マックス・フェルスタッペンが、シルバーストンで行われたレッドブルのフィルミングデーで、フェラーリの“マカレナ”リアウイングに着想を得た新型リアウイングをテストしていたことが確認された。

    レッドブル・レーシングはRB22の新パーツ評価を進めており、フロントウイングやサイドポッドに加え、リアウイングにも変更を加えた。特に注目を集めたのは、開閉機構を備えたフェラーリ型コンセプトへの独自解釈だった。

    シルバーストンで確認された新型リアウイング
    フェルスタッペンは水曜日、レッドブルRB22でシルバーストンを走行した。これはフィルミングデーの一環として実施されたもので、チームは複数の新パーツを評価した。

    その中には新しいフロントウイングとサイドポッドが含まれていたが、リアウイングにも修正が施されていた。新たに確認された画像では、レッドブルがフェラーリのリアウイング設計に近い独自バージョンを開発していることが示されている。

    このフェラーリのリアウイングは、プレシーズンテストで注目を集めたものだった。ストレート上で270度にわたって開閉し、航空機の翼に近い働きで揚力を生み出し、最高速を高める仕組みとされている。

    フェラーリとは異なるレッドブルの解釈
    フェラーリの設計では、アクチュエーターはリアウイングのエンドプレートフェンス内に配置されている。従来型DRSのような中央アクチュエーターではなく、翼端側に作動機構を置く構成だ。

    一方、レッドブルの解釈はフェラーリの機構をそのまま踏襲したものではない。画像上では、中央ピラーがアクチュエーターの役割を担っているように見える。

    この違いは、レッドブルが単なるコピーではなく、RB22の空力パッケージに合わせて独自の作動方式を模索していることを示している。

    レッドブル・レーシング

    フェラーリもまだ実戦投入していない設計
    フェラーリはこのウイングをプレシーズンテスト以降、マシンに搭載してきたものの、グランプリ週末の実戦ではまだ使用していない。

    オーストラリアGPと日本GPでは一度も使用されず、中国GPではプラクティスで走らせたのみだった。その後、上海のスプリント予選に向けて、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールの両車は標準仕様のリアウイングに戻された。

    つまり、レッドブルが今回試したコンセプトは、フェラーリ自身もまだレース週末で本格投入に踏み切っていない領域にある。性能面だけでなく、作動の安定性、レギュレーション上の解釈、セットアップへの影響も含めて、慎重な評価が必要なパーツといえる。

    RB22の開発方向を示すテスト
    レッドブルにとって今回のフィルミングデーは、単なる撮影走行ではなく、RB22の開発方向を探る重要な機会となった。

    フロントウイング、サイドポッド、リアウイングを同時に評価していることからも、チームが局所的な修正ではなく、空力パッケージ全体の見直しを進めていることがうかがえる。

    フェラーリ型リアウイングの独自解釈は、その中でも特に象徴的な要素だ。実戦投入に至るかはまだ不透明だが、レッドブルが最高速と空力効率の改善に向けて、より踏み込んだ開発を試していることは明らかだ。

    Source: RacingNews365

  • レッドブルF1 ADUO対象でもPU改良見送り検討 シャシー改善優先か

    レッドブルF1 ADUO対象でもPU改良見送り検討 シャシー改善優先か

    レッドブルとフォードが開発を進める初のF1パワーユニットをめぐり、追加開発の権利を得た場合でも、短期的には性能アップグレードを実施しない可能性が浮上している。焦点となっているのは、エンジンそのものの改良ではなく、まずRB22のシャシー側の課題解消を優先するかどうかという判断だ。

    同時に、後れを取ったメーカーに開発機会を与えるADUO(追加開発・アップグレード機会)の適用時期についても、当初想定より前倒しされる方向で調整が進んでいる。

    制度の運用次第では、レッドブルの戦略判断が2026年F1の勢力図を左右する可能性がある。

    レッドブルとフォードはPU改良を急がない可能性
    GPblogによると、レッドブルとエンジンパートナーのフォードは、仮にADUOの対象となった場合でも、短期的にはパワーユニットの性能アップグレードを見送る方向で検討しているという。

    ADUOは、基準とされるエンジンに対して一定以上の性能差があるメーカーに対し、開発機会を与える制度だ。現行の枠組みでは、メルセデスのパワーユニットが基準とされ、そこから2%以上遅れていると判断された場合にアップグレードが認められる。

    ただし、レッドブル陣営では現時点で最大の課題はエンジンではないとの見方が強い。ミルトンキーンズでは、まずRB22のシャシー改善を優先すべきとの判断が共有されているとされる。

    そのため、開発機会を得たとしても、即座にエンジン改良へ踏み切らず、車体側のパフォーマンス改善を優先する可能性がある。

    ADUO対象外となる可能性も
    一方で、そもそもレッドブルがADUOの対象とならない可能性も指摘されている。

    一部では、レッドブルのエンジンがICE性能では最も優れているとの見方もあり、その場合はADUOの対象から外れる可能性がある。開発機会そのものを得られないシナリオも排除できない。

    この場合、PU改良を見送るという判断は消極策ではなく、制度の枠組みを踏まえた現実的な戦略と位置付けられる。

    ADUOの判断時期は前倒しの方向
    もうひとつの焦点は、2026年F1シーズンにおいてADUOの適用判断をいつ下すかという点だ。

    当初は、4月開催予定だったレースの中止を受け、モナコGP後のシーズン第6戦終了時点で判断する流れが想定されていた。しかしGPblogは、そのタイミングをさらに前倒しし、ひとつ前のラウンド後に判断する方向で調整が進んでいると報じている。

    この件については、FIAとF1チーム代表らの会合での正式発表が見込まれていたが、現時点で明確な言及はなく、最終決定は来週に持ち越される見通しだという。

    レッドブル・レーシング

    フェラーリとメルセデスで分かれる見方
    ADUOをめぐっては、各チームの受け止め方も一致していない。

    フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、ADUOが「差を縮める機会になることを願っている」と期待を示した。一方で、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、制度の運用次第では本来の趣旨を逸脱しかねないと警戒感を示している。

    ヴォルフは、ADUOは「パワーユニット面で後れを取ったチームが追いつくためのもの」であり、「追い越すためのものではない」と強調している。

    制度設計と開発判断が今後の鍵
    今回の一連の動きが示しているのは、2026年F1においてパワーユニット開発の自由度が増す一方で、それをどう使うかは各陣営の戦略に大きく委ねられているという点だ。

    レッドブルとフォードが、仮に開発機会を得た場合でもすぐにエンジン改良へ動かず、まず車体側の改善を優先するのであれば、ADUOは単なる救済策ではなく、チーム全体の開発配分を映し出す制度として機能することになる。

    さらに、そもそも対象外となる可能性も含め、最終判断の結果次第では各メーカーのシーズン戦略そのものが左右されることになりそうだ。

  • レッドブルF1 RB22大幅改良か フェルスタッペン走行で新仕様が浮上

    レッドブルF1 RB22大幅改良か フェルスタッペン走行で新仕様が浮上

    レッドブルはシルバーストンでのフィルミングデー走行にマックス・フェルスタッペンを投入し、RB22に複数の変更が施された可能性が浮上した。流出したスパイショットからは、フロントウイングやサイドポッド、リアウイングにかけて従来とは異なる設計が確認されている。

    2026年F1マイアミGPを前に約5週間のインターバルを経た各チームのアップデート動向に注目が集まる中、レッドブルは明確な変化を示した最初の存在となった。

    序盤戦で苦戦を強いられた状況を受け、マシンコンセプトそのものに踏み込んだ改修が進められている可能性がある。

    フロントウイングに他チーム共通要素を導入
    RB22のフロントウイングエンドプレートには、これまで採用していなかったグリッド共通の処理が確認された。この要素はダウンウォッシュの乱流制御を目的とするもので、近年の空力トレンドに沿った設計といえる。

    これまでレッドブルは独自アプローチを維持してきたが、ここにきて主流コンセプトへの寄せが見られる点は大きな変化だ。空力の安定性を優先した方向転換と捉えることができる。

    サイドポッド形状に明確な再設計
    サイドポッドにはより顕著な変更が見られる。従来は滑らかで均一に流れるラインだったが、新仕様では途中に鋭い折れ(キンク)が確認されている。

    これは気流の剥離制御やリアセクションへのエネルギー供給を意識した設計変更と考えられ、単なる微調整ではなく空力コンセプトの再構築に近いレベルの改修といえる。

    リアウイング機構にも新しい試み
    リアウイングでは可動部の支点位置に変化が見られ、新たな作動特性を試している可能性がある。これは直線性能とエネルギーマネジメントの最適化を狙った変更とみられる。

    2026年レギュレーション下ではバッテリー使用といわゆる“スーパークリッピング”がレース展開に大きく影響しており、この領域での改善はパフォーマンスに直結する重要要素となっている。

    マイアミGPに向けた“別マシン化”の可能性
    今回確認された変更は単発のテストにとどまらず、マイアミGPで実戦投入される可能性もある。特にサイドポッドとリア周辺の改修規模を踏まえると、RB22は外観だけでなく特性面でも別物に近づく可能性がある。

    序盤戦で期待を下回るパフォーマンスに苦しんだレッドブルにとって、このタイミングでの大幅アップデートは不可避だったともいえる。シルバーストンでの走行は、その転換点を示す重要な一歩となった可能性が高い。

  • レッドブルF1 初勝利から17年 雨の中国GPでベッテルが刻んだ転換点

    レッドブルF1 初勝利から17年 雨の中国GPでベッテルが刻んだ転換点

    レッドブルF1にとっての歴史的な転換点は、2009年4月19日に訪れた。

    中国GP決勝は激しい雨に見舞われる中で行われ、その過酷なコンディションのなかでセバスチャン・ベッテルがポールポジションから完璧なレースを展開。チームメイトのマーク・ウェバーとともに1-2フィニッシュを達成し、レッドブル・レーシングにとってF1初勝利をもたらした。

    雨の上海で刻まれたレッドブルの“始まり”
    この勝利は、ベッテルにとってはキャリア2勝目だった。前年、トロロッソで記録したモンツァでの初優勝に続くものであり、そのポテンシャルを完全に証明する結果となった。

    一方で、チームにとっての意味はそれ以上に大きい。レッドブルが参戦初期の育成・開発フェーズを経て、トップ争いに本格的に加わる転換点となった瞬間でもあった。

    レッドブル・レーシング

    ここから築かれた王者への系譜
    上海での初勝利以降、レッドブルは勝利を積み重ねていく。これまでにグランプリ勝利は129回を追加し、コンストラクターズタイトルも6度獲得するなど、F1のトップ勢力へと成長を遂げた。

    あの雨の一戦は、単なる1勝ではない。レッドブルがF1において“勝つチーム”へと変貌する、その起点となったレースだった。

  • レッドブルF1 RB22の不安定挙動 サスペンション応答が鍵

    レッドブルF1 RB22の不安定挙動 サスペンション応答が鍵

    2026年シーズン序盤3戦を終え、各チームはマイアミGPに向けたアップグレード投入の最終段階に入っている。多くは事前に計画されていた開発ロードマップに沿ったものだが、開幕戦からのパフォーマンスを受けて修正も加えられている。

    その中で、レッドブルは再び安定して上位争いに加わるために、マシンの根本的な挙動改善に取り組んでいる。特に問題視されているのは、コーナリング時に見られる急激かつ予測不能な挙動だ。

    各チームの開発方針とマイアミへの準備
    メルセデスは依然として基準となるマシンを持ちながら、当初の計画通りにアップデートを進めている。これまでに発生した問題は主にソフトウェア関連の軽微なものであり、パフォーマンスへの大きな影響は出ていない。

    開発の重点は重量削減にあり、バラスト配置の自由度を高めることで重量配分の最適化を狙う。また、リア周辺を中心とした空力の進化も進められている。

    フェラーリは「マカレナ」リアウイングのコンセプトを軸に、空力効率の最大化を図る方向でSF-26を見直す。アップデートはフロアやサイドポッド下部、フロントウイングのフラップ形状に及び、さらにエネルギー回生システムを制御するソフトウェアにも大きな改善が見込まれている。

    マクラーレンは、これまで「開発途上」と位置づけられてきたMCL40を次の段階へ進めるため、大規模なアップグレードパッケージを投入する予定だ。

    RB22に潜む“決定的弱点”
    一方で、レッドブルの状況はより複雑だ。パドック内の情報によれば、最大の課題は車両ダイナミクス、特に荷重変化に対するサスペンションの応答にある。

    この特性が、コーナリング中に突然かつ予測しづらい挙動を引き起こす原因となっている。ドライバーにとっては限界領域でのコントロールが難しくなり、一貫したパフォーマンス発揮を妨げている。

    興味深いことに、RB22の強みはパワーユニット側にあると見られており、性能不足はADUOの適用対象となるほど深刻ではないとされる。つまり、問題の本質はエンジンではなく、車体側の統合にある。

    レッドブル・レーシング

    空力とメカニカルの“統合”が鍵
    レッドブルが目指しているのは、空力とメカニカル挙動の統合的な最適化だ。具体的には、空力負荷の分布を再マッピングし、各コンポーネントの連携をより一体的に機能させることにある。

    このアプローチは、外見上の大きな変更として現れるものではなく、むしろマシン全体の挙動を滑らかで予測可能なものへと変える内部的な改善となる。

    また、重量削減も重要な柱の一つだ。不要な質量を削減することで、車両ダイナミクス全体に大きな影響を与え、より安定したバランスの実現につながると見られている。

    マイアミGPに投入されるアップグレードは、単なるパフォーマンス向上ではなく、RB22の性格そのものを変える試みとなる可能性がある。ここでの改善が実現すれば、レッドブルは再び安定したフロントランナーへと復帰する足がかりを得ることになる。

    Source: RacingNews365

  • レッドブルF1 技術部門を再編 人材流出の中で体制立て直しへ

    レッドブルF1 技術部門を再編 人材流出の中で体制立て直しへ

    レッドブル・レーシングは4月17日、技術部門の組織改編を発表し、設計と車両性能の連携を強める新たな体制に移行した。近年は主要人物の離脱が相次いでおり、チームとしては技術リーダーシップの再構築を急ぐ局面に入っている。

    今回の変更では、ベン・ウォーターハウスが即日付で「チーフ・パフォーマンス&デザイン・エンジニア」に就任し、設計部門と車両性能部門を横断して統括する役割を担う。レッドブは、この再編によって部門間の統合を強め、競争力の高いソリューション開発を加速させる狙いだとしている。

    相次ぐ離脱を受けた技術体制の再編
    レッドブルでは近年、組織の中核を担ってきた人物たちの離脱が続いていた。長年チームを率いてきたクリスチャン・ホーナーをはじめ、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコ、スポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリー、チーフ・エンジニアリング・オフィサーのロブ・マーシャル、レース戦略責任者のウィル・コートネイ、チーフデザイナーのクレイグ・スキナーらがチームを去っている。

    さらに最近では、マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアを務めてきたジャンピエロ・ランビアーゼも、契約満了となる2028年末でマクラーレンへ移籍することが決まった。こうした流れのなかで、今回の組織変更は単なる役職の入れ替えではなく、レッドブル・レーシングが次の時代に向けて技術部門の土台を組み直す動きと受け取れる。

    ウォーターハウスに設計と車両性能の統括権限
    新体制の柱となるのが、ベン・ウォーターハウスの役割拡大だ。ウォーターハウスは今後、設計と車両性能にまたがる「包括的な責任」を持つ立場となり、テクニカルディレクターのピエール・ワシェにレポートする。

    ウォーターハウスは2014年にBMWザウバーからレッドブル系組織に加わり、当初はトロロッソで副テクニカルディレクターを務めた。その後、2017年からはレッドブル・レーシングのパフォーマンスエンジニアリング責任者として活動しており、内部事情と現場運用の両方を理解する人材として重用されてきた。

    レッドブル・レーシングは今回の発表で、「この進化は、これらの領域の統合を強化し、競争力が高く高性能なソリューションの開発を加速させる」と説明している。設計とパフォーマンスをこれまで以上に密接に結びつけることで、開発の意思決定を速める意図がにじむ。

    レッドブル・レーシング

    フェラーリとレーシングブルズ経験者も新加入
    さらに7月1日からは、アンドレア・ランディがヘッド・オブ・パフォーマンスとしてチームに加わる。ランディはウォーターハウスの直属となり、実務面でのパフォーマンス部門を担う形となる。

    ランディはこれまでフェラーリで副ヘッド・オブ・ビークル・パフォーマンスを務めたほか、レーシングブルズでは副テクニカルディレクターも歴任してきた。異なるチームで積んだ経験を持つ人材を招き入れることで、レッドブルは社内昇格だけでなく外部からの知見も取り込もうとしている。

    チームは今回の変更について、「これらの変更はチームの長期的な技術的野心を支えるものであり、内部人材の育成を続けながら、スポーツ界全体から優れた専門性を引きつける姿勢を反映している」と強調した。

    レッドブル・レーシングが示した“次の技術組織”の方向性
    今回の発表で明確になったのは、レッドブル・レーシングが離脱者の穴を単純に埋めるのではなく、組織構造そのものを見直しながら再構築を進めていることだ。ウォーターハウスの権限拡大は、設計と車両性能をより一体化させる象徴的な人事と言える。

    同時に、ランディの加入は外部の経験を取り込みながら技術部門の厚みを増す狙いを示している。主要人物の退任が続いたあとでも、レッドブル・レーシングが技術力の低下を避け、次の競争局面に備えようとしている姿勢が今回の組織改編には表れている。