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  • メルセデスF1 2026年可動フロントウイングを評価「まだ楽観視できない」

    メルセデスF1 2026年可動フロントウイングを評価「まだ楽観視できない」

    メルセデスがアブダビのポストシーズンテストで、2026年レギュレーションを見据えた“アクティブ・フロントウイング”の試作仕様を公開し、来季のF1に最も鮮明なヒントを与えた。同時にチーム代表トト・ヴォルフは、メルセデスが新時代の本命と見なされることを強く否定し、慎重な姿勢を貫いている。

    今回投入されたフロントウイングはFIA承認のテスト項目で、ノーズから伸びる2本のプラスチック製チューブによって作動し、ストレートでは角度をフラットにする“ストレートラインモード”を再現する極めて原始的な構造だ。

    フェラーリも、より控えめな形で同様の機構を評価したとみられる。

    ピレリのマリオ・イゾラは、火曜日に2026年タイヤを披露した際、このテストの重要性を強調した。

    「FIAはチームに、フロントウイングでストレートラインモードを再現するシステムを開発する機会を与えている」とイゾラは述べている。

    一方で、ヴォルフはメルセデスが2014年のような“圧倒的黄金期”に入るという観測を一蹴した。

    「P2、P4、P3、P2……壊滅的というわけではない。しかしチャンピオンシップを逃したことに変わりはない。ようやくこのグラウンドエフェクト時代が終わることに満足している」と語り、2022年以降の迷走を振り返った。

    メルセデスはこの4年間、空力の根本的な問題を解決できず、風洞やCFDなど“ツールそのもの”の誤差に長く悩まされてきたという。

    「最後のレースが示したように、我々は依然としてこのマシンを完全には理解できていない。2022年に悪いスタートを切り、問題を修正しようとするたびに新たな問題が生まれた」とヴォルフは説明する。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ただし、2025年終盤になってようやく開発基盤が整ったという手応えを語った。

    さらにヴォルフは、当時の2014年とは状況が根本的に異なると強調した。

    「2014年のときは事前に良い感触があった。しかし今は比較にならない。当時に比べて全チームの準備が格段に整っている」と述べ、2026年メルセデスPUと新車のパフォーマンスについても慎重な姿勢を崩さない。

    「私は決して楽観主義者ではない。グラスは常に半分空の状態だ。我々は正しい方向に進んでいるが、目標が十分に野心的なのかどうか、それを判断するのは時間だけだ」

  • ジョージ・ラッセル F1アブダビGP初日「予選はサプライズがあるかもしれない」

    ジョージ・ラッセル F1アブダビGP初日「予選はサプライズがあるかもしれない」

    日没とともに涼しくなったヤス・マリーナ・サーキットで、メルセデスのジョージ・ラッセルはFP1の6番手からFP2で3番手へ順位を上げた。

    しかしトップのランド・ノリスとは0.379秒差と開きが残り、マクラーレンが一歩リードしたまま初日を終えた。一方でベアマン(ハース)が4番手、ヒュルケンベルグとボルトレト(キック・ザウバー)が5・6番手に並ぶなど、中団勢が僅差で迫る混戦状態となった。

    こうした状況を受け、ラッセルは「サプライズが起きるだろう」と予選の接戦を予想しつつ、メルセデスにはまだ改善すべきポイントがあると率直に認めている。

    ラッセル:予選は“接戦”、ロングランに不満も
    ラッセルはFP2後、マシンのフィーリングが良くなったとしながらも、依然として十分ではないと分析する。

    「今夜は確かに良くなった。暗くなって気温が下がると、いつも走りやすく感じるんだ」

    予選については、複数チームが絡む接戦になると見ている。

    「予選は僕たち、レッドブル、フェラーリの争いになると思う。他にも予想外のチームがいる。ベアマンが上位にいたし、ヒュルケンベルグもそうだ。何かサプライズがあるかもしれない」

    特に懸念していたのが、決勝を想定したロングランだ。

    「正直言ってレースペースは良くなかった。今夜しっかり確認して改善しなければならない。C5タイヤはグリップが高くてミスも起きやすい。僕のラップは力強かったし、もうあまり残っていなかったと思う。でも3番手だ。まだ少しペースを見つける必要がある」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) アブダビグランプリ

    アントネッリ:FP1は好走、FP2は最終コーナーのミスで10番手
    メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、非代表的なコンディションのFP1で4番手と上々の滑り出しを見せた。トップのノリスからわずか0.1秒強でまとめ、手応えを口にした。

    しかしFP2では10番手。トップとの差は0.667秒まで広がったが、ラッセルとのギャップは0.3秒未満で、ミスがなければ順位はさらに上だった。

    「最初のセッションは本当によかった。FP2は実力を示せたとは言えない。ソフトでの最後のラップはかなり良かったけど、最終コーナーでミスして大きくタイムを失った」

    それでも方向性は悪くないと強調する。

    「僕たちはしっかり戦えている。もちろんマクラーレンは一歩先にいるけど、ギャップはとても小さく、ミスがすぐ響く。ロングランはFP1よりFP2の方が良かった。セットアップをいろいろ試していて、方向性は良い。まだやるべきことは多いけどね」

    ポイントは“夜の路面”とC5タイヤの扱い
    決勝と同条件となる夜間の路面への最適化が、メルセデスの最重要課題だ。気温低下と高いグリップにより、C5タイヤは一発の速さを発揮する反面、スライドやオーバーシュートが起きやすいピーキーな挙動を示す。

    ラッセルの指摘した「ミスしやすい」挙動は、アントネッリの最終コーナーでの失速にも直結しており、セットアップの微調整が大きなタイム差に繋がる状況だ。

    さらに中団勢も接近しているため、わずかな失敗で3列目から5列目以降まで後退する可能性がある。メルセデスは予選に向けた一発の仕上げと、レースペース改善という二つの課題を短時間でクリアする必要に迫られている。

  • ペプシコがメルセデスF1チームと大型契約 7UPジョーダン以来の本格復帰

    ペプシコがメルセデスF1チームと大型契約 7UPジョーダン以来の本格復帰

    メルセデスF1チームは2026年に向け、ペプシコ(PepsiCo)と新たな大型パートナー契約を締結した。ペプシコがF1チームの正式スポンサーとなるのは、アイコニックな“7UP×ジョーダン”タイトルスポンサー以来となる。

    今回の契約は、Gatorade、Sting、Doritosという同社の主要ブランドを軸に展開され、ファン向けアクティベーションのほか、Gatorade Sports Science Instituteの知見を取り入れたパフォーマンス向上プロジェクトも共同で進める計画だ。

    ペプシコがメルセデスと本格タッグ F1とのグローバル契約を拡張
    ペプシコは今季初めにF1公式パートナー契約(2030年まで)を結んでおり、今回のメルセデスとの提携はその活動を拡張するものとなる。対象ブランドは同じくGatorade、Sting、Doritosで、ファン体験とチーム支援の両面で連携を強めることになる。

    契約内容の詳細やロゴ掲出場所については現時点で最終決定しておらず、マシン、ドライバーのレーシングスーツ、チームウェアのどこにブランドを配するかは今後詰められていく。

    メルセデス代表トト・ヴォルフは次のように述べた。

    「ペプシコのように強力なブランドポートフォリオを持つ企業を我々のパートナーエコシステムに迎えることは、チームとスポーツの強さを示すものだ。
    彼らは革新と卓越性を追求する我々の姿勢と完璧に一致している」

    ペプシコの国際飲料部門CEOユージーン・ウィレムセンはこうコメントした。

    「Gatorade、Sting、Doritosを通じて、我々はこのスポーツの文化の内側にいる。アスリートとファン、双方がF1のスリルを求めるその瞬間を支えている」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    “7UP×ジョーダン”以来の本格チームスポンサー復帰
    ペプシコがF1チームと大規模な契約を結ぶのは、1991年に7UPがジョーダンのタイトルスポンサーを務めて以来のことだ。

    ジョーダン191の鮮やかなグリーン×ブルーのカラーリングは今もなお人気の高い名車であり、エンジンカバーに大きく描かれた7UPロゴは象徴的な存在だった。このパートナーシップは1991年シーズン限りで終了したものの、F1史に残る名コラボとして語り継がれている。

    その後、ペプシコは2002年にウィリアムズとマーケティング契約を結び、7UPがチームの「公式ソフトドリンクパートナー」となったが、マシンやチームウェアにロゴが掲出される本格的なスポンサー契約ではなかった。

    ペプシコは年間約920億ドルの収益規模
    ペプシコはGatorade、Pepsi-Cola、Mountain Dew、SodaStreamなどの巨大ブランドを抱え、2024年には約920億ドルの純収益を計上している。今回のメルセデスとの大型契約により、同社のF1市場での存在感は一段と強まることになる。

  • メルセデスF1のトト・ヴォルフ、アントネッリの急成長に確信「計画通りだ」

    メルセデスF1のトト・ヴォルフ、アントネッリの急成長に確信「計画通りだ」

    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、ラスベガスGPで鮮烈な走りを見せたアンドレア・キミ・アントネッリについて、「今は発展途上のごく初期段階にすぎない」と強調し、来季以降にさらなる伸びしろがあると語った。

    ラスベガスGPで予選17番手から追い上げたアントネッリは、5秒ペナルティによって一度は5位に後退したものの、マクラーレン勢の失格により3位へ昇格。今季3度目の表彰台を獲得した。

    予選失敗からの完璧な挽回「19歳でこれはすごい」
    トト・ヴォルフは、アントネッリが19歳という若さでビッグチームに放り込まれながらも、期待以上の成長曲線を描いていると語った。

    「彼は19歳だ。我々はずっと『ルーキーイヤーは難しい』と言ってきたし、実際にそういう瞬間は見てきた」

    「ビッグチームに“パラシュートで降りてきた”ような形で、知らないサーキットも多い。そのうえプレッシャーも大きい。だが、これが想定していた成長の軌道だ。来年(2026年)は皆が新しいクルマになる。彼は1年分の経験を積み、もっと成熟する。すべて計画通りだ」

    ハードタイヤでの長距離走行、判断力も評価
    アントネッリは予選Q1敗退により17番手スタートとなったが、これが戦略を有利に運んだ。ソフトでスタート後、早いVSCでハードに交換し、ほぼ全レースを走り切った。

    ヴォルフはその判断力と持久力を称賛した。

    「最初はワンストップが現実的だとは思わなかった。だが周回を重ねるごとに速さが戻り、グレイニングを克服した。非常に価値ある3位だった」

    スタート罰則の根拠「センサーを確認する必要がある」
    アントネッリはスタート前にマシンが“わずかに動いた”として5秒ペナルティが科された。ヴォルフはその根拠に疑問を呈している。

    「クラッチにも不規則な動きはなかったように見えた。FIAはセンサーを持っているから、その判断を待つ必要がある」

    「私だけが見えたのかもしれないが、少し動いたようには見えた。ただし、クラッチを離したりブレーキを離した動きではなかったと思う。FIAの説明を待つ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ アンドレア・キミ・アントネッリ

    「決断を疑ったことは一度もない」
    アントネッリは今季すでに3度の表彰台とスプリントポール1回を記録。サンパウロでは予選でチームメイトを圧倒するなど、一発の速さも示している。

    ヴォルフは、アントネッリを早期にF1に昇格させた判断は揺るがなかったと語る。

    「アップダウンの激しいシーズンになることは最初から分かっていた。素晴らしい瞬間も、頭を抱えたくなる瞬間もあるだろうとね」

    「これは発展の終わりではなく、まだごく初期段階だ。来年も、そしてその先の何年も、キミはもっと強くなると確信している」

  • メルセデスF1、アントネッリの“謎の微動”判定でFIAに説明求む

    メルセデスF1、アントネッリの“謎の微動”判定でFIAに説明求む

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、2025年F1ラスベガスGP決勝でアイザック・ハジャーのチームメイトであるアンドレア・キミ・アントネッリに科された「フライングスタート(フォルススタート)」判定について、原因が分からないとしてFIAに説明を求めている。

    アントネッリはスタート直前にグリッドボックス内で“ごくわずかに”マシンが動いたとして5秒ペナルティを受けた。P17スタートから序盤にハードタイヤへ切り替えるロングスティント戦略を選択し、チェッカー後は4位でフィニッシュしたものの、ペナルティにより一度は5位へ降格。

    しかし、レース後にマクラーレン勢がダブル失格となったことで、最終結果は3位へ繰り上がった。

    ヴォルフは、この動きがドライバーの操作によるものではない可能性を示唆している。

    「クラッチにもブレーキにも異常なし」ヴォルフ、原因不明と強調
    「クラッチにも異常は見つからなかったし、我々を不正スタートへ導くような兆候も何もなかった」
    とヴォルフはRacingNews365などに語った。

    「FIAは専用のセンサーを持っているから、彼らの説明を待つことになる。僕には確かに“わずかな動き”があったように見えたが、それはクラッチを放したり、ブレーキペダルを離したことによる動きとは断定できない」

    「だからこそ、FIAがどう説明するか見てみよう」

    P17→3位 “現実的ではなかった”驚異の追い上げ
    ヴォルフは、アントネッリの追い上げ自体にも驚いたと語っている。

    「P17スタートで、序盤にアグレッシブにピットへ入ったとき、正直、それで最後まで走り切るのは現実的ではないと思っていた」

    「だが彼は周回を重ねるごとに速さを増し、グレイニングも克服した。ペナルティがあってもP5は本当に見事な結果だった。もしもっと前からスタートしていたら、どこまで行けたのか分からない」

    メルセデスはFIAの最終説明を待っているが、アントネッリの走りはルーキーとしての存在感をさらに強める週末となった。

  • メルセデスF1 “セットアップシート未提出”ではなくITセキュリティの問題で不問

    メルセデスF1 “セットアップシート未提出”ではなくITセキュリティの問題で不問

    メルセデスのジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリは、FIAによる調査の結果いずれも制裁を受けずに済み、F1ラスベガスGP決勝を予定グリッドからスタートできることになった。

    金曜夜の雨に翻弄された難しい予選後に審議が行われたが、いずれも「不問」と判断され、上位勢のグリッドに変更は生じない。

    メルセデスは“セットアップシート未提出”ではなかった──ITセキュリティの問題と判明
    メルセデスは、予選開始時刻の20時までに両マシン(ラッセル/アントネッリ)のサスペンションセットアップシートを提出できなかったとして、FIAから召喚を受けた。

    規定では、スプリント予選および通常予選の走行前に、ピットレーンへ出る前までに技術代表へセットアップシートを提出する必要がある。しかしFIA側は規定時刻までに電子データを受信できず、形式上の“未提出”として扱われた。

    ところが、聴聞の場でメルセデスは「シートを時間内に送信した」ことを証拠メールとともに提示。FIAによれば、提出先である技術部門側のITセキュリティ設定の問題により、メールが受信されなかった可能性があるという。

    そのため、スチュワードは「違反なし」と判断し、ラッセルは4番手、アントネッリは17番手から予定どおりスタートする。

    雨のQ3でステアリングの問題を訴えていたラッセルは「フロントロウを狙えたはずのチャンスを逃した」と語っており、悔しさを残しつつも本戦へ向けて視線を切り替えた。一方アントネッリは、路面状況が目まぐるしく改善する中で最終アタックをロックアップにより失い、Q1敗退となっている。

  • メルセデス “セットアップシート未提出”でF1ラスベガスGP予選失格の可能性

    メルセデス “セットアップシート未提出”でF1ラスベガスGP予選失格の可能性

    メルセデスがF1ラスベガスGPの予選前に、2台分のセットアップシートを提出しなかったとしてスチュワードに召喚される可能性がある。

    チームはジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリのマシンに関して、FIAテクニカルデリゲートのジョー・バウアーから「書類が提出されていない」と指摘されており、規定違反と判断されれば罰則、さらには予選失格の可能性もある。

    FIAが問題視した提出遅延
    FIAの文書によると、「20時12分の時点で、メルセデスは両マシンのセットアップシートを提出していなかった」と記されている。

    スポーティングレギュレーション40.1条では「各コンペティターは、スプリント予選および予選セッションでピットレーンを初めて離れる前に、両マシンのサスペンションセットアップシートをテクニカルデリゲートに提出しなければならない」と定められている。

    メルセデスの代表者は、現地時間21時45分(英国時間5時45分)にスチュワードへ出頭することが求められている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 ラスベガスグランプリ

    ラッセルは4番手、アントネッリはQ1敗退
    ラッセルは日曜のラスベガスGP予選で4番手につけ、一方アントネッリはQ1でノックアウトされ、17番手に沈んだ。

    サインツとウィリアムズにも別件で審議
    カルロス・サインツは予選中のランス・ストロールとのインシデントによりスチュワードに召喚されている。

    さらにウィリアムズも、FP3終了後に必要なインターミディエイトタイヤの電子返却を行わなかったとしてスチュワードに付託されている。

  • キミ・アントネッリ メルセデスF1で今季初優勝は「十分に達成可能」

    キミ・アントネッリ メルセデスF1で今季初優勝は「十分に達成可能」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、F1ルーキーイヤー終盤でのグランプリ初勝利が「十分に達成可能だ」と自信を示した。鍵となるのは、サンパウロGPで示したような理想的なパフォーマンスウインドウに再びマシンを入れ込めるかどうかだという。

    アントネッリはサンパウロGP決勝で自身初の2位フィニッシュを記録。終盤にはマックス・フェルスタッペンの猛追を振り切り、ルーキーとしてキャリア最高の結果を手にした。

    今季のメルセデスはここまで2勝しているが、いずれもジョージ・ラッセルが挙げたものだ。

    「シーズン中に初優勝、十分可能」
    シーズン終盤に勝利を狙えるかと問われたアントネッリは、Sky F1に次のように語った。

    「もちろん、最後のもう一歩を踏み出す必要がある。シーズンが終わるまでに初勝利を挙げられたら本当に素晴らしいと思う」

    「簡単ではないことは分かっているけど、今の流れを維持して、マシンから最大限を引き出すことができれば、十分に達成可能だと感じている」

    メルセデスは次戦ラスベガスで“要注意チーム”として名前が挙がっており、低温コンディションが同チームに有利に働くとの見方が強い。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    「コンストラクターズ2位死守へ」
    サンパウロGP後、メルセデスはコンストラクターズ選手権2位に浮上。アントネッリはチームに向けて、気を緩めず戦い続けることの重要性を語った。

    「ブラジルではパフォーマンスを最大化できた。あれ以上のことは望めなかった」

    「コンストラクターズでは多くのポイントを稼げた。だから、僕たちはこのレベルを維持して戦う必要がある」

    アントネッリはルーキーながら既に2度の表彰台を獲得しており、メルセデスのマシン特性とコース相性次第では、シーズン終了までに初優勝を掴む可能性も十分に見えてきている。

  • メルセデスF1代表 アントネッリを称賛「これから先の可能性を示した」

    メルセデスF1代表 アントネッリを称賛「これから先の可能性を示した」

    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、F1サンパウロGP決勝で2位に入ったアンドレア・キミ・アントネッリの走りを称賛した。ルーキーのアントネッリは、終盤にタイトル争い中のマックス・フェルスタッペンを抑えきり、自身最高位となる2位でフィニッシュした。

    この結果により、アントネッリはヨーロッパラウンドの不調から完全に立ち直り、シーズン終盤に向けて確かな成長を示した。

    「プレッシャーの少ない環境で完璧に遂行」
    ヴォルフはレース後の取材で、今回のパフォーマンスがアントネッリにとって最も完成度の高い週末だったかと問われると、次のように答えた。

    「週末を通して本当に強かった。最初からすべてがうまく噛み合っていた。初めて訪れたサーキットということもあり、良い意味で期待値が下がり、プレッシャーも少なかったのかもしれない」

    「フェルスタッペンのような速いドライバーを、新しいタイヤで追ってくる状況の中で抑えきったのは見事だった。完璧な遂行であり、これから先の可能性を示す素晴らしい走りだった」

    「若者が大人へと成長している」
    さらにヴォルフは、アントネッリがヨーロッパ以外のサーキットで調子を取り戻している理由についても言及した。

    「それは成長の過程だと思う。来年はすでに経験のあるサーキットに戻ってくるわけだが、過度な期待を背負わずに臨めるだろう。まさに“学びの年”であり、我々が想定していたアップダウンのあるシーズンそのものだ。今日は間違いなく“アップ”の日だね」

    「この先の3戦で、若い少年が若い大人になり、真のレーシングドライバーとして成熟していく姿を見られると思う」

    メルセデス、コンストラクターズ2位へ前進
    ブラジルGPでは、アントネッリが2位、ジョージ・ラッセルが4位とダブル入賞を果たし、メルセデスはコンストラクターズ選手権で2位浮上への一歩を踏み出した。レッドブルとの差は32ポイント、フェラーリとの差は36ポイントに広がった。

    しかしヴォルフは依然として慎重な姿勢を崩さない。

    「1レースで30ポイントのスウィングは起こり得る。フェラーリのようにダブルDNFになれば、すぐに立場が入れ替わる。だからこそ地に足をつけて、一戦一戦を確実に戦うことが大切なんだ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「これがF1のあるべき姿」
    アントネッリがフェルスタッペンを抑え込んだ一方で、ラッセルもオスカー・ピアストリの追撃を見事に防ぎ、4位を守り切った。

    「これこそF1本来の姿だ。攻める側も守る側も全力で戦っていた。2人とも素晴らしい仕事をしてくれた。アントネッリの2位はもちろん輝かしい成果だが、ラッセルの防御も同じように誇らしい」

    「エネルギーマネジメントも完璧だった。エンジン担当、レースエンジニア、ドライバーが一体となってエネルギー回収と使用を最適化し、ストレートで最大限の力を発揮できた。あれが勝負を分けた要因のひとつだった」

    成長を続ける18歳、次戦以降への期待
    アントネッリのインテルラゴスでの2位は、彼がメルセデスの将来を担う存在であることを改めて印象づけた。ヴォルフの言葉どおり、残り3戦で18歳のルーキーがどこまで進化を遂げるのか、注目が集まる。

  • トト・ヴォルフ、メルセデスF1株式を一部売却へ チーム評価額は約9200億円

    トト・ヴォルフ、メルセデスF1株式を一部売却へ チーム評価額は約9200億円

    メルセデスF1のボス、トト・ヴォルフは、関係筋によると、チームの評価額を60億ドル(約9200億円)とする条件で、自身が保有する33%の持分の一部を売却するための交渉を進めている。

    取引が完了すれば、それはF1チームとして過去最高の評価額となり、先月マクラーレンLPの株式売却でつけられた47億ドル(約7200億円)を上回ることになる。

    ヴォルフは現在の役職を維持し、メルセデス・チームのCEOおよびチーム代表として引き続き務める予定だ。この取引は、ヴォルフが株式を保有する持株会社を通じて行われるチームの中位の一桁台(mid-single-digit)の持分の売却である。スポルティコは買い手を特定することができなかった。

    メルセデスAMGペトロナスF1チームの広報担当者は電子メールで次のように述べた。
    「この件についてコメントする予定はありません。チームのガバナンスは変更されず、3人のパートナー(メルセデス・ベンツ、トト、イネオス)は、フォーミュラ1におけるメルセデス・ベンツの継続的な成功に引き続き全面的にコミットしています」

    メルセデスF1チームの現在の資本構成は、ドイツの自動車メーカーであるメルセデス・ベンツ、ヴォルフ、そして英国の化学大手イネオスの3社がそれぞれ33%ずつ保有している。イネオスは英国の億万長者であり会長兼筆頭株主であるジム・ラトクリフのもと、2022年1月にメルセデスチームの持分を取得した。

    メルセデスAMGペトロナスは2024年に8億1200万ドル(約1250億円)の収益を計上しており、これはF1チームの中でトップの数字である。ヴォルフは、給与と配当を合わせて5000万ドル(約77億円)を超える報酬を自身の持分から得ている。

    ヴォルフは、メルセデスに参加する前、ウィリアムズF1チームの投資家でもあった。その後、メルセデスが2010年にF1に復帰したのを受け、2013年に投資家兼チームCEOとしてメルセデスに加わった。彼の投資は、当時チームの評価を約1億6500万ドル(約250億円)と見積もって行われたものだった。2014年、メルセデスはコンストラクターズタイトル8連覇のスタートを切り、その間にルイス・ハミルトンの7度のドライバーズタイトルを含む黄金期を築いた。

    メルセデスの支配的な時代は、リバティ・メディアによるF1の所有と、人気ドキュメンタリーシリーズ『Formula 1: Drive to Survive』によって後押しされたF1人気の拡大と重なった。新たに導入されたコストキャップも、スポーツの経済構造を劇的に変化させ、チームの評価額を急上昇させた。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    かつてF1チームの所有は「金を燃やすライセンス」と言われ、チームは赤字に耐えられなくなると撤退していた。2010年代にはケータハム、HRT、マノー・レーシングがいずれも活動を停止している。2015年には、ルノーがロータスを象徴的な1ポンド(約190円)で買収した。

    9月には、マクラーレン・レーシングのオーナーが、F1チームの残りの30%を取得した。MSPスポーツ・キャピタルは、2020年12月に1億8500万ポンド(約350億円)でマクラーレン株を購入しており、今回の売却で10倍のリターンを得たことになる。これは、機関投資ファンドによるスポーツチーム投資として史上最大の利益確定事例となった。

    メルセデスのドライバーたちは、日曜日のブラジルGPで2位と4位に入り、チームは残り3戦の時点でランキング2位に位置している。マクラーレンはすでに2年連続のタイトルを確定させている。