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  • マックス・フェルスタッペン「F1ルール全部をシュレッダーに入れたい」

    マックス・フェルスタッペン「F1ルール全部をシュレッダーに入れたい」

    ラスベガスGP開幕を前に、マックス・フェルスタッペンがF1の“増え続けるレースガイドライン”に対して、相変わらずの率直な姿勢で苦言を呈した。

    ブラジルGPでのオスカー・ピアストリへのペナルティを巡る議論や、カルロス・サインツ(GPDAディレクター)による「受け入れられない」とのコメントも重なり、FIAの裁定基準に再び注目が集まる中での発言となった。

    本来の意図を曖昧にせず語ることで知られるフェルスタッペンは、今回も遠回しな表現を避け、むしろ“アクセル全開”で問題点を指摘した。

    「ルールは好きじゃないけど従うだけ」フェルスタッペンが語る複雑化の行き着く先
    フェルスタッペンは現在のレース規定について、「いつも好きなわけじゃないけど、書かれているとおりに従っているだけ」と率直に語った。さらに「F1は複雑になりすぎていないか」と問われると、表情に出る“眉の動き”そのままに「そう言えると思う。ルールを増やせば増やすほど、自分たちを苦しめることになる」と答えた。

    彼はまた、スチュワードの立場が非常に難しいことを強調する。

    「結局、スチュワードの問題ですらない。彼らはルールブックに従っているだけ。自分の目で見て判断しても、ルールを見るとまた違った解釈になることがある。じゃあ何を適用するのか。スチュワードはいつも難しい立場にある」

    「モロッコでの“あの日”も、スチュワードは本当に良い人たちだった。でも最終的にはルールに縛られてしまう。正しい判断を下すのが難しいときもある」

    マックス・フェルスタッペン

    シンプル化への提案?「全部シュレッダーに入れてしまえばいい」
    ガイドライン簡素化の議論について、水面下でカルロス・サインツやジョージ・ラッセルが主導しているとされ、フェルスタッペンは「カルロスとジョージが全部準備してくれているから、僕は座ってリラックスしておくよ」と述べ、積極的に関わる様子は見せていない。

    しかし最後には“彼らしい”ユーモアを添えた。

    「僕だったら……」と一度言葉を切ったあと、フェルスタッペンは“紙をシュレッダーに投入する仕草”を無言で再現。記者たちを笑わせながらも、ルールの複雑化に対する皮肉を鮮烈に示した。

    F1が明確さと自由度のバランスを模索し続ける中、“シュレッダー発言”は単なるジョークとして片付けられない鋭い問題提起と言えるだろう。

  • マックス・フェルスタッペン F1ラスベガスGP予選「氷の上を走ってた感じ」

    マックス・フェルスタッペン F1ラスベガスGP予選「氷の上を走ってた感じ」

    2025年F1ラスベガスGP予選で、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は2番手を獲得した。変化する天候のなかで進んだセッションはウェットコンディションとなり、ドライバーたちはグリップと視界の確保に苦しんだ。

    フェルスタッペンはQ3でランド・ノリスに約0.3秒及ばず2番手となったが、「我々にとっては良い結果」と語り、困難な状況の中でフロントロウを確保できた点を前向きに捉えた。

    極限のウェット、氷の上のようなコンディション
    「本当に、本当に滑りやすかった。ドライでも滑りやすいのに、ウェットだと……楽しくはないと言える」

    「僕はウェット走行は好きだけど、今日は氷の上を走っている感じだった。タイヤを少しでも機能させるのに時間がかかった」

    フェルスタッペンはQ3でフルウェットからインターに切り替える流れが難しかったと振り返った。

    「エクストリーム(フルウェット)では少し競争力があったと思うけど、路面が改善していくからインターに変えないといけない。とにかくグリップがほとんどなくて苦しんだ。最後のラップでは少しリスクを取ったけど、それでもトップ争いには全然足りなかった」

    マックス・フェルスタッペン ラスベガスグランプリ

    P2は「良い結果」 明日のレースへ前向き
    「それでもフロントロウに並べるのは僕たちにとって良いこと。ラップ自体の感触は悪くなかったけど、ブレーキングポイントを合わせたり、タイヤの限界に乗せたりするのが本当に難しかった。でもやり切ったよ」

    「明日は楽しみだ。イン側のグリップがどうかは分からないけど、様子を見よう」

    視界ゼロのQ1「8秒は空けないと前が見えない」
    フェルスタッペンはQ1で必要な“ギャップ”が大きくなった理由についても説明した。

    「視界も本当に厳しかった。今のグラウンドエフェクト時代のマシンは、フロアから大量の水やスプレーを巻き上げるから、雨が降るととんでもない量になる」

    「だから最低でも8秒は空けたい。多いのは分かっているけど、そうしないと本当に前が何をしているのか見えないんだ」

  • マックス・フェルスタッペン F1ラスベガスGP初日「ここで速い保証はない」

    マックス・フェルスタッペン F1ラスベガスGP初日「ここで速い保証はない」

    レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、2025年F1ラスベガスGP初日のフリー走行を終えて、「ここで速く走れる保証はない」と慎重な姿勢を示した。低ダウンフォースのモンツァやバクーで勝利しているものの、ラスベガス特有の路面温度・低グリップ環境はまったく別物だと強調した。

    フェルスタッペンは初日のFP1を4番手、FP2では赤旗連発の影響でソフトタイヤを使えず9番手にとどまった。それでもトップのランド・ノリスとは0.5秒差に収まっており、タイヤの適正温度をどう作るかが週末の核心になると語った。

    「ここは特別なサーキット。ローダウンフォース=速いとは限らない」
    フェルスタッペンは、レッドブルRB21が今年モンツァとバクーで勝利を挙げたことと今回のラスベガスは“別問題”だと説明した。

    「ここはすごく寒くて、路面もかなり滑る。ローダウンフォースというだけで他のサーキットと比較することはできないし、ここで速く走れるという保証はない」

    ラスベガスは2023年の初開催時にもフェルスタッペンが勝利しているが、気温の低さと独特のレイアウトによってマシンの温度管理が難しく、ドライバーにとっても判断の難しいトラックだ。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) ラスベガスグランプリ

    赤旗でソフトを試せず「何をすべきか理解しづらい一日」
    FP2はマンホール/排水溝関連のトラックチェックで2度赤旗となり、ソフトタイヤによる予選シミュレーションが多数のドライバーで中断された。フェルスタッペンもその1人で、赤旗明けの混雑の中でソフトを使う機会がなかった。

    「途中で止まったりして、何をすべきか理解しづらい一日だった。まだ少し改善する必要があるし、もう少しグリップを見つけたい。もちろんセッションごとに路面が良くなっていくから、そこにどう適応していくかを考えないといけない」

    「予選と決勝に向けて、タイヤをどう扱うかが重要になると思う」

    フェルスタッペンは依然として今季6勝目と逆転タイトルの可能性を残しているが、初日は慎重かつ現実的なトーンで週末を見据えた。

  • マックス・フェルスタッペン “リカルドの3番”にF1カーナンバー変更を検討

    マックス・フェルスタッペン “リカルドの3番”にF1カーナンバー変更を検討

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が、2026年シーズンに自身のF1レースナンバーを変更する可能性を示した。

    2022年以降、4年連続王者として“1番”を使用してきたフェルスタッペンだが、今季タイトルが厳しくなったことで、来季から再び個人番号に戻る見通しとなっている。

    現行ルールでは、2014年以降、ドライバーはキャリアを通じて使用する希望ナンバーを選ぶことができる。フェルスタッペンは「33」を選んでいたが、2026年に向けて意外な“別のナンバー”の希望を明かした。

    お気に入りは「3番」──ただし許可が必要
    フェルスタッペンは、ラスベガスでオランダメディアに対し「お気に入りは3番」と語り、2026年のカーナンバー変更を検討していることを明かした。

    「冬の間に考えるつもりだけど、僕のお気に入りは3番だ。実際に可能なのか確認しないといけない」

    「3番」は元レッドブルのチームメイト、ダニエル・リカルドが使用していた番号だが、F1の番号ルールでは「2シーズンF1に参戦しなかったドライバーの番号が再び解放される」と規定されている。リカルドの最終レース出走は2024年シンガポールGPで、まだ期限は切れていない。

    そのため、フェルスタッペンが「3」を使うにはFIAの特別許可が必要となる。

    ただし、リカルド本人はすでにモータースポーツからの引退を表明しており、復帰の可能性は実質的に消えている。これがフェルスタッペンの希望を後押しする可能性がある。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    「69も好きだった」フェルスタッペンが明かす“ナンバートーク”
    フェルスタッペンはインタビューで、別の興味深い番号候補も語っている。

    「本当は69番が欲しかった。でも父に『それはやめておけ』と言われた」

    「69はどの角度から見ても同じだから、写真やマーケティングにはすごく良い。キャップにしてもどう被っても“69”のままだ。マーケティングツールとしては完璧だよ」

    さらに、他の“推し番号”についても言及した。

    「27も好きだけど、あれはニコ(ヒュルケンベルグ)が使っている。2と7を並べた形も好きだ。3が一番のお気に入りだけど、クールな番号はいくつかある」

    F1委員会でも“ナンバー変更ルール緩和”を議題に
    FIAは最新のF1委員会で、永久番号の変更に関するレギュレーション議論が行われたことを明かしている。

    「2014年に導入されたドライバーの永久番号制度について、キャリア中に番号変更を認める提案が議論された。導入に向けて合意が得られた」

    この制度変更はレッドブル側の提案によるものと報じられており、フェルスタッペンのゼッケン変更を事実上後押しする動きと言える。

    来季、フェルスタッペンが「33」に戻るのか、FIAの承認を得て「3」を新たに選ぶのか──2026年に向けて、注目が集まる。

  • マックス・フェルスタッペン 「100点差を巻き返せたのは誇り」 F1ラスベガスGP

    マックス・フェルスタッペン 「100点差を巻き返せたのは誇り」 F1ラスベガスGP

    マックス・フェルスタッペンは、シーズン前半に直面していた大きなポイント差を縮められたことについて「誇りに思う」と語った。一方で、今年のパフォーマンスレベルについては「望んでいたものではなかった」と振り返っている。

    フェルスタッペンは夏休み明け直後のオランダGP終了時点で、当時ランキング首位だったオスカー・ピアストリに100ポイント以上の差をつけられていた。しかし、その後4戦のうち3勝を挙げたことで大きく巻き返し、タイトル争いに復帰した。

    現在は再び首位に立ったランド・ノリスとの差が49ポイントとなっているが、フェルスタッペンは自らの立て直しに満足している。

    「今年がF1で最高のシーズンか?」という問いに
    フェルスタッペンはラスベガスGPを前に、「今年がこれまでで最も良いシーズンか」と問われると、次のように語った。

    「良いシーズンだったと思う。毎年もっと良くなろうとするけど、簡単ではない。もっと安定したいとも思うし、クルマでできることをすべて最適化しようとしてきた。ほとんどの場合、それはできていたと思っているから満足している」

    「シーズンの大半は望んでいたレベルではなかった。そうでなければシーズンを通してタイトル争いができていたはずだからね。勝てたレースのハイも楽しんだけど、もちろんローの部分は良いものではなかった」

    「でもシーズン中盤、特に夏休み後は100ポイント以上も離されていたし、その差はもっと大きくなっていくように見えた。そこからかなり巻き返せた。多少の運もあったけれど、終盤に良い結果を重ねられたことは誇っていいと思う」

    「同じアプローチを維持するだけ」
    タイトル争いについて考え方が変わるかと問われたフェルスタッペンは、次のように答えている。

    「何も変わらないよ。大量のポイント差だから気にしていないし、考えても仕方がない。運に大きく左右される状況になっているから、個人的にはタイトルについて特に考えていないんだ」

    ブラジルGPの“ピットレーンスタートからP3”を受けて
    前戦サンパウロGPでは、ピットレーンスタートから3位表彰台まで追い上げたフェルスタッペン。ラスベガスでの勝利の可能性について聞かれると、こう答えた。

    「ブラジルを振り返れば、そう言えるかもしれない。レースペースはかなり良かった。もちろん前方からスタートしたかったけど、同時にすごく楽しかった。後方から追い上げて、最終ラップまでバトルを続けられた。P2争いではあったけど、すごく楽しめたし、今週末も競争力を発揮できるといいね」

  • レッドブルF1 メキースが語るフェルスタッペンの真価「彼は最高のセンサー」

    レッドブルF1 メキースが語るフェルスタッペンの真価「彼は最高のセンサー」

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、マックス・フェルスタッペンと仕事をすることをどれほど楽しんでいるか、これまで一度も隠したことがない。

    2025年のタイトル争いでは数理的にはまだ可能性が残るものの、フェルスタッペンがファンジオの5度目到達に並ぶには、残り3戦すべてを完璧にこなす必要がある。

    今季中盤まで苦しんでいたレッドブルが後半戦で見せた“復活”は無視できない。メキース本人はその功績を否定するが、クリスチャン・ホーナーの後任として即座にチームに変化をもたらしたことは明らかで、フェルスタッペン側のフィードバックもより重視される体制に変わったとされる。

    その中でメキースは、フェルスタッペンへの称賛の言葉を新たに語った。ただし「彼には言わないでほしい」と前置きしながら。

    メキース「フェルスタッペンはレッドブルの“最高のセンサー”」
    メキースはレッドブル公式ポッドキャスト「Talking Bull」で、フェルスタッペンと働くことについてこう語った。

    「本当に、彼と一緒に働けるのは幸運なんだ。車の中の彼が extraordinary(並外れている)のはもちろんだけど、車の外ではさらに extraordinary なんだ。

    レベルの高い技術的感性を持っていることを知るんだ。僕たちは彼を“車の中で最高のセンサー”と呼んでいる。でも、彼には言わないでほしい。実際に最高なんだ」

    さらに彼はフェルスタッペンの姿勢をこう評価した。

    「コミットメントのレベル、エネルギーの量、モータースポーツに全身全霊で浸っている姿勢……F1以外のレースにも出るし、レースのない週末はシムで走り続けている。

    レース翌日の月曜日に連絡すると“休んでる?”と聞くんだけど、彼は“いや、今レース中だよ”と返してくる。レース翌日でもシムを走ってる。信じられないよ」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    フェルスタッペンが抱える“今年最大のハンデ”
    フェルスタッペンは後半戦だけで100点以上あった差を大きく縮め、依然として王座争いに踏みとどまっている。
    しかし今季の戦いを通じて明らかになったのは、レッドブルがフェルスタッペン一人に依存しすぎているという事実だ。

    角田裕毅は昇格後に苦戦が続き、ブラジルではフェルスタッペンのセットアップ方向性を探るため“実験役”に回されたが、有効な比較データを残せなかった。
    2026年のチームメイトはアイザック・ハジャーと予想されるが、F1参戦20戦のルーキーに大きな負荷がかかるのは避けられない。

    レッドブルF1が2026年に向けて直面する最大のテーマ
    メキース自身が認めるように、レッドブルの“最強の武器”はフェルスタッペンである。
    しかしレッドブルがコンストラクターズとドライバーズの両タイトルを狙うためには、フェルスタッペンだけに負担が集中する現在の状況を変える必要がある。

    2026年は大改革の年であり、チーム体制見直し・技術トランジション・育成戦略の再構築が不可欠になる。

    メキースはフェルスタッペンの能力を最大限に活かす一方、ガレージの“もう片方”の戦力をどこまで引き上げられるかが、レッドブルの未来を決めることになる。

  • マックス・フェルスタッペン F1目指す若手に「カートよりシミュレーターに座れ」

    マックス・フェルスタッペン F1目指す若手に「カートよりシミュレーターに座れ」

    マックス・フェルスタッペンが、将来のレーシングドライバーを目指す若手に向けて「ゴーカートよりもシミュレーターに投資した方が良い」と語り、従来の“プロへの道”を覆す発言をした。

    ゴーカートは長年にわたりモータースポーツの登竜門とされ、世界中のトップドライバーがカート競技を経てシングルシーターへステップアップしてきた。しかし近年では、フェルスタッペン自身を含む現役F1ドライバーの間で自宅用シミュレーターの活用が急増しており、その価値は急速に高まっている。

    ブラジルGP週末に出演したポッドキャスト「Pelas Pistas」では、GTレースやシミュレーターへの強い関心を持つガブリエル・ボルトレトとともに出演し、育成の在り方について踏み込んだ議論を展開した。

    フェルスタッペン「ゴーカートは“基本”は学べるが本質的に別物だ」
    フェルスタッペンは「300日をゴーカートに使うか、300日をシミュレーターに使うか」と問われると、迷うことなくこう語った。

    「ゴーカートは忘れた方がいい。それが僕たちのスポーツの問題なんだ。サッカーなら、子どもは幼い頃から“同じボール”で練習する。でも僕たちの場合、ゴーカートはレースカーとはまったく違う」

    「確かにスタート、防衛、オーバーテイクといったレースの基本は学べる。でもゴーカートはクルマとは全然違う動き方をする。シートのポジションも違うし、サスペンションもない。リアアクスルの構造上、常に滑らせて走る必要がある」

    「でもレーシングカーは逆で、リアは常に安定していなければならない。そのうえで可能な限りフロントを攻める。運転の力学が根本から違うんだ。ゴーカートは子どもが楽しむものとしては最高だけど、“本格的な練習”としては限界がある」

    フェルスタッペンは現在、シミュレーターでの練習を中心に行っており、「最後にゴーカートに乗ったのは2016年だ」と明かした。

    F1準備にもGTレースにも「シミュレーターが最も現実的」
    フェルスタッペンは近年、シミュレーター上での走行に加え、GTマシンのテストや参戦にも強い関心を示している。

    「GTカーに乗ってテストしたりレースしたりする方がずっと楽しい。あるいは自分の家のシミュレーターに座って、F1の準備をしたり、オランダでやっているシミュレーター関連の仕事に取り組んだりする方が良い」と語り、実際のライフスタイルにも練習方法の変化が反映されている。

    シミュレーター技術は年々進化しており、タイヤの動き、荷重移動、空力変化までも再現されるようになった。若手育成においても、コスト面で圧倒的に有利なシミュレーターは現実的な選択肢となりつつある。フェルスタッペンの発言は、従来の“ゴーカート至上主義”に一石を投じる内容となった。

  • マックス・フェルスタッペン逆襲の舞台裏:レッドブルF1によるRB21“劇的変貌”

    マックス・フェルスタッペン逆襲の舞台裏:レッドブルF1によるRB21“劇的変貌”

    マックス・フェルスタッペンのサンパウロGPにおける予選から決勝へのパフォーマンスの変貌は、驚くべきものだった。予選では16番手のタイムしか出せなかったが、決勝ではピットレーンスタートから3位表彰台に上がるほど、彼のレッドブルRB21はレースで最速の1台になっていた。

    ピットレーンスタートになった理由は、予選でのクルマの状態があまりに悪かったため、チームがパルクフェルメを解除してセットアップを完全に変えたからだ。

    クルマをパルクフェルメから外して仕様変更を行うと、グリッド上の位置を失い、ピットレーンからスタートしなければならない。

    これは実は、フェルスタッペンのマシンに週末を通して試された4つ目のセットアップだった。FP1では元のセットアップが使用され、スプリント予選とスプリントでは別のものが投入された。フェルスタッペンはスプリント予選で4番手、ランド・ノリス(マクラーレン)のポールタイムより0.337秒遅れ、スプリント本戦では遠く離れた4位に終わった。

    3つ目のセットアップはグランプリ予選で使用され――そこで彼は16番手となり、最終的には決勝日のセットアップへと変更された。

    金曜プラクティス中、細いローダウンフォース仕様のリアウイングを使っていたフェルスタッペンは、ラップの低速区間でアンダーステアがあると訴えていた。「中間セクターでグリップがない」と彼は無線で報告した。「クルマを回頭させられないし、その一方でリアからの支えもあまり感じられない」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)フェルスタッペンは金曜と土曜の両方でサンパウロGPのマシンに苦戦を訴えていた

    フェルスタッペンはサンパウロGPで勝てていたのか?
    スプリント予選/スプリントでは、彼は2種類あるリアウイングのうち小さい方を維持したが、メカニカル面で大幅な変更が施された。チームメイトの角田裕毅は、決勝予選でフェルスタッペンのセットアップを決めるためのデータ収集の一環として、より大きいリアウイングとフェルスタッペンとは異なるメカニカルセットアップでスプリントに臨んだ。

    角田裕毅はウイングによる改善はないと報告し、その仕様は週末残りのセッションでは採用されなかったが、フェルスタッペンは土曜午後の予選で角田裕毅のメカニカル設定の一部を取り入れた。

    フェルスタッペンの予選仕様は、ウイングこそ同じだったものの、スプリントで使ったものとは完全に異なるものだった。100kmのスプリントでフェルスタッペンが訴えていた激しい乗り心地を和らげるため、サスペンションは柔らかくされた。

    だが、これによりフロア下のプランク摩耗を避けるために車高を上げる必要が生じた。これはダウンフォースの大幅な低下を招く。「乗り心地は良くなった」と彼は報告した。「でもグリップは悪くなった」

    レッドブルでのキャリアで初めて、フェルスタッペンは純粋なペース不足によりQ1敗退した(パワーユニット交換ペナルティによるものではなく)。

    「もちろん、誰もこんなことになるとは思っていなかった」とチーム代表ローラン・メキースは予選後に語った。「我々は、ここに来た時点からクルマに満足しておらず、プラクティスやスプリントでの苦戦は皆さんも聞いていたと思う。勝てる状況ではないにしても、そのすぐ後ろにはつけると感じていた。

    「予選前にクルマを良くするために、より大きなリスクを取ったのは事実だが、結果は逆に出てしまった。リスクを取れば、時にこういう代償を払うことになる。

    「痛いが、学べることもある……我々は長い間、大胆なアプローチを取ってきており、ときにそれが裏目に出る」

    「全く攻められなかった」とフェルスタッペンは言った。「クルマはあちこちで滑っていた。コースに留めるためにアンダードライブしないといけなかったが、それでは予選でうまくいくはずがない。

    「週末全体が厳しかったが、こんなにクルマを変えた後でこれは予想外だった。全く反応しなかった――グリップがなかった」

    レッドブル・レーシング RB21フェルスタッペンのマシンでは、パルクフェルメ解除後、双要素ビームウイングが単要素に交換された

    パルクフェルメを解除したことで、さらに別のセットアップを試すことができ――今回はそれが機能した。柔らかいサスペンションは廃止され、車高は再び下げられ、空力グリップが回復した。

    だが、難しいバランスの問題は依然として残っていた。他にも多数のメカニカルな変更(バラスト配置を含む)が施され、さらにリアのビームウイングに調整が加えられた。

    細いメインウイングは維持されたが、双要素のビームウイングは単要素に変更された。ビームウイングはアンダーフロアから排出される気流とメインウイング下面に入る気流をつなぎ合わせ、双方の効率を高める役割を持つ。

    しかし、低速でアンダーステアがある場合、理想的には低速でのリアウイング効果を弱めたい。一方で高速コーナーでは安定性が必要だ。

    単要素ビームウイングでは、低速でのリアの効果がより弱まり、高速では流速が高いため失速傾向を打ち消しやすい。

    RB21 レッドブル F1フェルスタッペンはサンパウロGPでメキシコ前の旧型フロアを使用し、角田裕毅はアップデート版フロアを走らせた

    メキース、フェルスタッペンの“素晴らしい”表彰台を振り返る
    決定的な要因が何だったのかは、チーム自身のデータだけが明らかにしているだろう。だが、いずれにせよ、それは機能した。「もしマックスがもっと前で予選を終えていたら」とレース勝者ノリスは語った。「彼が勝っていた。今日は彼らの方が僕たちより速かった」

    サンパウロの週末は、ザントフォールト以降のレッドブルが非常に速い一方で、セットアップの“ウインドウ”が極めて狭いことを改めて確認する結果となった。これはメキースも認めている。

    「我々のウインドウが狭いことは秘密ではないと思う」とメキースは説明した。「特定のトラックレイアウトや状況、コンディションに対して適切なポイントを見つけるのが難しい。週末を通してそのポイントを探して戦っていた」

    RB21が“別マシン”に変貌した技術的理由
    サンパウロで起きた現象は、レッドブルRB21が持つ「セットアップウインドウの極端な狭さ」が強く表面化した結果だった。
    このマシンはザントフォールト以降で高い潜在能力を得た一方、空力とメカニカルのバランスがわずかな要因で崩れやすい。

    今回フェルスタッペンのRB21が劇的に改善した理由は、以下の3点が“揃って”初めて効果を発揮したためだ。

    ① 車高を下げ、フロアの空力エネルギーを最大化できる状態に戻した
    ② 双要素→単要素ビームウイング化で低速のリア押しつけを抑制
    ③ アップデート版ではなく旧型フロアに戻し、空力重心の不確定要素を排除

    フェルスタッペンが訴えた「回頭しないのにリアの支えもない」という症状は、RB21特有のフロア由来のバランス崩壊であり、車高・ビームウイング・フロアの“3つの要素”が噛み合って初めて解消される。

    結果として決勝日のRB21は、マクラーレンを上回る“本来の速さ”を取り戻した。

  • マックス・フェルスタッペン、インディカー王者パロウに「F1転向はやめておけ」

    マックス・フェルスタッペン、インディカー王者パロウに「F1転向はやめておけ」

    マックス・フェルスタッペンは、インディカーで4度の王者に輝いたアレックス・パロウに対し、「F1への転向はリスクが大きすぎる」と忠告した。フェルスタッペンは、自身のカート時代のチームメイトでもあるスペイン人ドライバーに対し、「現在の支配的な地位を失う危険を冒す必要はない」と語っている。

    パロウは過去5年間のインディカーにおいて、まさにフェルスタッペンがF1で果たしてきたような存在だ。

    2025年シーズンも圧倒的な強さを見せ、17戦中8勝を挙げ、勝率はほぼ50%に到達。さらに、史上初のスペイン人として第109回インディアナポリス500マイルレースを制した。

    ヨーロッパのジュニアフォーミュラから日本のスーパーフォーミュラを経てインディカーへと渡ったパロウは、当初F1参戦の夢を抱いていた。しかし、フェルスタッペンはポッドキャスト『Pelas Pistas』で次のように語っている。

    「F1で走るチャンスを得るに値するかって? もちろんそうだと思う。でも僕が彼の立場なら行かないね。なぜ行く必要がある? 勝てるチャンスを持って、しっかり稼げるドライバーなんてほんの一握りなんだ。人間は生きていかなきゃならないし、お金も稼がなきゃいけない。支配的な立場にいられるなら、良い生活を確保できる。わざわざそれを捨ててまで数年間のリスクを負う理由はない。どうせトップチームから始めるわけじゃないし、むしろ逆に悪い方向に転がることもある」

    フェルスタッペンは続けてこう付け加えた。

    「もちろん、『もういいや、挑戦してみよう』って思うのもひとつの選択だけどね」

    パロウはかつてマクラーレンとインディカーとF1の両立契約を結んでいたが、約束不履行を巡って関係が悪化し、マクラーレン側が2,000万ドル(約30億円)の損害賠償訴訟を起こしている。裁判は先週ロンドンで最終審理を終え、結果待ちの状態だ。

    マックス・フェルスタッペン レッドブル

    フェルスタッペン「パロウ獲得はレッドブルの方針に反する」
    今年8月、レッドブルが2026年のマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてアレックス・パロウを検討しているという報道がインディスター紙で流れた。当時、角田裕毅がパフォーマンスに苦しんでいたことから、パロウの名が浮上したが、本人とチップ・ガナッシ代表はすぐにこれを否定している。

    フェルスタッペンは同ポッドキャストで、トップF1チームがパロウにアプローチしない理由を問われ、レッドブルのジュニアドライバープログラムの存在を指摘した。

    「いくつかのチームにはジュニアプログラムがある。僕たちのチームでも、時々プログラム外のドライバーを起用することもあるけど、それを繰り返したら何のためのプログラムなのか分からなくなる。だからある程度は方針に忠実でいないといけないんだ」

    とはいえ、フェルスタッペンは「パロウのような才能がF1チームの関心外なのは奇妙だ」とも感じている。

    「確かに少し変だとは思う。でも僕が彼の立場なら、もうF1を目指すことすら考えないね。ただ、もし本人が本気で信じていて『やってみたい』と思うなら、それはそれでいいと思う」

    今年のインディ500優勝後、パロウはインタビューで「もうF1には興味がない」と語り、自らの居場所をインディカーに見出したと明かしている。

    フェルスタッペンの視点:安定と栄光のバランス
    フェルスタッペンのコメントには、トップドライバーとしての現実的な視点が表れている。彼はパロウの才能を高く評価しつつも、「安定した成功を維持すること」と「夢への挑戦」の間にあるリスクを冷静に見極めている。レッドブルのジュニア育成哲学を踏まえれば、パロウのような“外部からの即戦力”獲得は構造的に難しい。

    フェルスタッペン自身もレッドブル育成の純粋な成果としてF1の頂点に立っただけに、その発言にはチーム哲学への忠誠と、同業者への現実的な助言が込められている。

  • フェルスタッペンのNLS勝利でノルドシュライフェのライセンス規定が変更

    フェルスタッペンのNLS勝利でノルドシュライフェのライセンス規定が変更

    ドイツのモータースポーツ連盟は、DMSBパーミット・ノルドシュライフェ(DPN)のアクセス規定を変更し、史上初めてシムレースを考慮に入れることを決定した。背景には、マックス・フェルスタッペンが9月に示した驚異的なパフォーマンスがある。

    DPNレベルBでは、候補者はニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)の公式シムレース大会への参加をカウントできるようになる。この調整はパーミットBにのみ適用される。

    より高速クラス(SP9 GT3など)に参戦するためのパーミットAについても要件が緩和された。これまで2結果・14周が必要だったところ、今後は1結果と8周で十分となる。さらに最低走行時間(レース全体の20%以上)の条件も完全に撤廃された。

    これは2010年代と比べ大きな要件緩和となる。当時はパーセンタイル基準内での2結果提出と18周走行が義務で、安全性向上に寄与した一方、ドライバーがパーミット取得待ちとなり、24時間レースでチームがドライバー変更を強いられるケースもあった。

    このシステムの代表的な批判者のひとりがバレンティーノ・ロッシだ。MotoGPレジェンドであるロッシはWEC最終戦バーレーンで「状況さえ整えばニュル24時間に出たい」と語っている。

    「そう、計画にはある。ニュルブルクリンクは走りたい。でもニュルでレースをするには、他のレースを通じてパーミットを取得しないといけない。来年その時間が取れるか分からない」とAutosportに語った。

    シムレースはあくまでパーミットBへの“3つ目の選択肢”
    最も大きく、そして衝撃的な変更は、国際Dライセンス以上を持つドライバーが、バーチャルレースへの参加をパーミット取得に活用できるようになった点だ。

    冬季に開催されるデジタルNLS(DNLS)4ラウンドのうち3戦をペナルティなしで完走すれば、これまでRCN(NLSの2つ下位カテゴリ)出走の部分的代替として使用できるようになる。

    シムレースはあくまで追加の1ルートで、既存の選択肢も維持される。選択肢は以下の通り:

    ■ フェルスタッペンがNLS7参戦前に行った標準DPN-Bコースを修了
    ■ ドライバーチェンジありで2回のRCNレース完走、または単独ドライバーで1回完走
    ■ 新規:ドライバーチェンジありのRCN1戦+ペナルティなしのDNLS3戦

    ナショナルAライセンス保持者は新オプションの対象外で、これまで通りRCNを3戦完走する必要がある。

    フェルスタッペンの影響
    この決断の重要な要因となったのが、エミール・フライのフェラーリ296 GT3で出場したフェルスタッペンのNLS9での突出した走りだ。マルチクラス実戦経験がなかったにもかかわらず、長年のマルチクラス・シムレース経験により、渋滞処理で驚異的な成熟を見せた。

    「DNLSが2020年に始まって以来、シムレースは娯楽以上の存在で、極めて正確に現実を再現していることを我々は知っていた」と語るのは、NLSレースコントロールとDNLSレースディレクション両方に関わるVLNスポーティングディレクターのクリスティアン・フォアマン。

    「最近のフェルスタッペンのNLS参戦で、バーチャルでの準備がいかに重要かが明確になった。彼の秘密はシムレースだ。フェルスタッペンはiRacingで数え切れないほどのニュル走行を重ね、DNLSイベントもこなしてきた。すぐに適応したのは驚きではない」

    DMSBスポーツコーディネーターのロビン・シュトリツェクもこう述べる。

    「NLS組織に加え、PorscheはPEETNを通じて関与し、実際のNLSのマーシャルや関係者も参加している。強いメディア露出も加わり、現実とデジタルの独自の結び付きがある。新しいパーミットB規定は、このつながりをさらに補強するものだ」

    シムレースを公的ライセンス取得の一手段として認める決定は、国際モータースポーツでは前例がない。FIAはこの動向を注意深く見守ることになるだろう。シムレースを通じたライセンス条件クリアは、将来的に有力なモデルとなる可能性がある。

    マックス・フェルスタッペン

    フェルスタッペンが“シムレースの価値”を実証した瞬間
    今回の規則変更は、単なる緩和措置ではなく、現代モータースポーツにおけるシムレースの地位向上を象徴する出来事だ。

    特に重要なのは以下の3点:

    ■ トップドライバーがシムレースの信頼性を証明した事例が制度を動かした
    フェルスタッペンのNLS参戦は、実戦経験ゼロでも「マルチクラス渋滞の捌き方」や「レースクラフト」をシムから習得できることを示した。

    ■ 安全性とアクセス性のバランス転換
    これまで過剰に厳しかった部分を見直すことで、若手・外国人ドライバーの参入ハードルを下げつつ、シミュレーター準備による安全向上も担保する。

    ■ 国際モータースポーツ界への波及効果は必至
    特にFIAは“2026年F1レギュレーションでのシミュレーション技術の拡大”を進めている段階であり、シムレースのライセンス利用が他カテゴリーへ広がる可能性もある。

    今回のドイツASNの決断は、「シムレース=準公式トレーニング」から「シムレース=公的に認められた競技」への転換点といえる。