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  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1と2030年まで契約延長 移籍説に終止符

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1と2030年まで契約延長 移籍説に終止符

    マックス・フェルスタッペンがレッドブル・レーシングとの契約を2030年末まで延長した。チームが8月20日に正式発表し、これまで取り沙汰されてきた他チームへの移籍説に事実上の終止符が打たれた。

    従来の契約は2028年末までだったが、今回の新契約によってフェルスタッペンはさらに2年間レッドブル・レーシングに残留する。2026年の新レギュレーション下でチームが苦戦するなかでも長期的な将来を託す決断を下し、ローラン・メキース率いる新体制への信頼を明確に示した形だ。

    フェルスタッペンとレッドブルの成功物語は2030年まで継続
    フェルスタッペンは2014年にレッドブル・ジュニアチームに加入し、2016年シーズン途中に当時のトロロッソからレッドブル・レーシングへ昇格。チームでの初戦となったスペインGPでいきなり優勝を飾った。

    それ以降、フェルスタッペンとレッドブル・レーシングはF1を代表するパートナーシップを築いてきた。これまでにフェルスタッペンは4度のドライバーズタイトルを獲得し、チームとともに2度のコンストラクターズタイトルを達成。レッドブルでの通算勝利数は71勝に達している。

    2024年に4年連続となるドライバーズタイトルを獲得したフェルスタッペンだが、2025年は終盤に猛追したものの、ランド・ノリスにわずか2ポイント届かず、5連覇を逃した。

    さらに2026年は新たなF1レギュレーションの導入に伴い、レッドブル・レーシングが序列を落としたことで、フェルスタッペンの将来を巡る憶測が再燃。2028年まで契約を残していたものの、他チームへの移籍の可能性が繰り返し報じられてきた。

    今回の2030年までの契約延長によって、そうした移籍説には明確な回答が示されたことになる。

    フェルスタッペン「再びトップに戻ることが究極の目標」
    フェルスタッペンは契約延長について、レッドブル・レーシングにはトップへ返り咲くために必要な人材がそろっていると強調した。

    「契約を延長できて本当にうれしい。僕たちには最高の人材がいるし、再びトップに戻るために、みんなと一緒に仕事を続けていくことを楽しみにしている。それが僕たち全員が取り組んできた究極の目標だし、これからも追い続けていく」

    「僕を信頼してくれたレッドブル、ローラン、そしてレッドブル・レーシングのみんなに感謝したい」

    フェルスタッペンにとって、レッドブル・レーシングは単なる所属チーム以上の存在になっている。

    「僕はいつも言ってきたけど、このチームは僕にとって第二の家族のような存在だし、本当に居心地がいい」

    「僕はレースで勝てるようになりたいと思ってこのチームに加入した。その後、一緒に成し遂げてきたことは本当に素晴らしいものだった。たくさんの信じられないような瞬間を共有し、4度のワールドチャンピオンを獲得することができた」

    そして、自身のF1キャリアをともに歩んできたレッドブル・レーシングで今後も戦い続けることに特別な意味を感じていると語った。

    「僕のキャリアをずっと一緒に歩んできた同じチームで、この旅を続けられることは本当に特別だ。ずっとそうしたいと思っていた」

    メキース体制への信頼「明確なビジョンが見える」
    今回の契約延長では、2025年にチーム代表兼CEOに就任したローラン・メキースへの信頼も重要な要素となった。

    フェルスタッペンはメキースと1年以上仕事をしてきたなかで、チームの将来に向けた方向性が明確になっていると説明した。

    「ローランと1年以上一緒に仕事をしてきたけど、それも素晴らしいものだった。彼がチームに対して明確なビジョンを持っていることが分かる」

    「ミルトンキーンズのみんなが、僕たちが築こうとしているものを信じている。これからチームの未来を形作っていくなかで、さらに多くの勝利を目指し、チャンピオンシップを争う次の章を楽しみにしている」

    2026年からレッドブルはレッドブル・フォード・パワートレインズとして独自のF1パワーユニットプロジェクトを本格始動させた。チームは技術インフラや施設への投資も継続しており、フェルスタッペンを中心に次の成功時代を築くことを目指している。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    ローラン・メキース「まだ終わってはいない」
    ローラン・メキースは、フェルスタッペンとの長期契約をチームにとって極めて重要なニュースだと位置づけた。

    「マックスが我々とともに歩み続け、グリッドで最高のドライバーをチームに残せることは、レッドブル、レッドブル・レーシング、そしてF1とモータースポーツ全体にとって素晴らしいニュースだ」

    メキースは、フェルスタッペンとレッドブル・レーシングが築いてきた関係はスポーツ界でも特別なものだと強調する。

    「スポーツの世界で、マックスとこのチームほどの成果を達成するパートナーシップはほとんどない」

    「最初からマックスは、妥協のない競争心、絶え間ない決意、そして常識に挑戦する勇気という、レッドブル・レーシングを特別な存在にしているすべてを体現してきた。彼がチームとレッドブルのモータースポーツの歴史に与えた影響は非常に大きく、我々が成し遂げてきたすべてにおいて中心的な存在だった」

    契約延長の背景には、長年にわたって築かれた双方の信頼関係と、フェルスタッペンがチームの将来像を信じていることがあるとメキースは説明した。

    「ともに歩み続けるという決断の根底にあるのは、マックスとチームが長年かけて築いてきた信頼、そして我々の人材、文化、将来へのビジョンに対するマックスの信頼だ」

    「だが、我々はまだ終わってはいない。まだ勝つべきレースがあり、達成すべき節目があり、書き加えるべき歴史がある」

    「これから多くのことが変化していくだろうが、我々の野心は変わらない。同じ方向、同じビジョン、ひとつのチームとして進んでいく」

    最後のF1オランダGPで長期残留を発表
    今回の発表は、フェルスタッペンの母国レースである2026年F1オランダGPを前に行われた。ザントフォールトでのオランダGPは2026年を最後にF1カレンダーから姿を消すことが決まっており、フェルスタッペンにとって特別な週末での大型発表となった。

    「ザントフォールトで行われる最後のグランプリで、この発表ができることも僕にとって素晴らしい瞬間だ。最後のレースでファンのみんなに特別な締めくくりを届けられたらと思っている」

    2028年までだった契約を2030年まで延長したことで、フェルスタッペンはレッドブル・レーシングの次なる時代にも中心人物として残ることになった。

    新レギュレーション導入後の苦戦によって浮上していた移籍の可能性ではなく、フェルスタッペンが選んだのはレッドブル・レーシングとともに再びF1の頂点を目指す道だった。長年にわたって続いてきた両者のパートナーシップは、少なくとも2030年末まで継続する。

  • ジョニー・ハーバート「熱狂的なフェルスタッペンファンは最悪」殺害予告も告白

    ジョニー・ハーバート「熱狂的なフェルスタッペンファンは最悪」殺害予告も告白

    元F1ドライバーで、FIAスチュワードやテレビ解説者を務めたジョニー・ハーバートが、マックス・フェルスタッペンを批判したことで受けた誹謗中傷について振り返った。

    ハーバートは、フェルスタッペンの熱狂的なファンから「ハーバートに死を」といったメッセージまで送られたと明かし、スチュワードや解説者として活動してきたなかで「彼らが最悪だった」と語った。

    フェルスタッペン批判をきっかけに激しい反発
    ジョニー・ハーバートとフェルスタッペン陣営の対立が表面化したのは、2024年F1メキシコシティGPだった。

    このレースでフェルスタッペンはランド・ノリスとのバトル中、同一周回で発生した2つのインシデントについて、それぞれ10秒のタイムペナルティを科された。

    当時FIAスチュワードも務めていたハーバートは、レース後にベッティング関連サイトの取材に応じ、フェルスタッペンのドライビングについて「やりすぎだ」と批判。さらに、ライバルをコース外へ押し出すことでアドバンテージを得ようとする「ひどい考え方」に陥っているとの見解を示した。

    この発言は大きな反響を呼び、フェルスタッペン本人だけでなく、父ヨス・フェルスタッペンも反発した。

    ヨス・フェルスタッペンは当時、「FIAはスチュワードの人選をしっかり見直すべきだ。誰を配置しているのか、利益相反と受け取られる可能性がないのかも含めてだ」と語り、ハーバートがスチュワードを務めながらメディアで意見を発信している状況に疑問を呈した。

    「『ハーバートに死を』とまで言われた」
    その翌年1月、ハーバートは2025年F1シーズン開幕を前にFIAのスチュワード職を離れることになった。

    今回、別のベッティング関連サイトのインタビューで、スチュワードや解説者として活動してきたなかで、どのファンから最も激しい攻撃を受けたかと問われると、ハーバートは迷わずフェルスタッペンのファンを挙げた。

    「それは簡単だ! 僕がマックス・フェルスタッペンに疑問を呈したことに腹を立てたオランダのファンだ」

    「実際にはオランダ人だけじゃなかった。他の国の人たちもいた。『ハーバートに死を』とまで言われた。彼らが最悪だった。僕が偏っていると非難するんだ。今でもマーティン・ブランドルに対して同じことを言っている」

    ハーバートによれば、自身がイギリス人ドライバーをひいきしているという批判も繰り返し浴びたという。

    「『ルイス・ハミルトンに偏っている』と言われる。でも僕たちはイギリス人で、ルイスもイギリス人だ。あなたたちはオランダ人でマックスを応援している。それなのに僕たちを偏っていると言いながら、僕たちにもマックスを応援してほしいと言うんだ」

    ジョニー・ハーバート

    「もちろんイギリス人ドライバーを応援する」
    一方でハーバートは、イギリス人としてハミルトンら母国のドライバーを応援することと、F1を評価する際の客観性は別のものだと主張した。

    「もちろん僕たちはイギリス人ドライバーを応援する。でも、それでも客観的に見ている。僕たちだって“フライング・ダッチマン”には驚かされている」

    「もしサッカーでイングランドとオランダが対戦するなら、もちろん僕はイングランドを応援する」

    ハーバートはフェルスタッペンの能力そのものを否定しているわけではなく、あくまで特定のドライビングやインシデントについて批判的な意見を示してきたという立場だ。

    F1で問題となるファンによる誹謗中傷
    F1ではSNSの普及とともにドライバーへの支持が世界規模で拡大する一方、ライバルや評論家、関係者に対する攻撃が過激化するケースも問題となっている。

    フェルスタッペンやハミルトンのように巨大なファンベースを持つドライバーの場合、コース上の接触やタイトル争いをきっかけに、ドライバー本人だけでなくチーム関係者、ジャーナリスト、解説者、スチュワードにまで批判が向かうことがある。

    今回ハーバートが「最悪だった」と表現したのは、フェルスタッペンを支持するすべてのファンではなく、自身に誹謗中傷を浴びせた熱狂的なファンについてだ。実際、ハーバート自身も「オランダ人だけではなかった」と説明しており、国籍ではなくフェルスタッペンへの批判に反発した人々を指している。

    「死」を持ち出すようなメッセージは、ドライバーへの支持やスポーツに対する意見の範囲を明らかに逸脱している。ハーバートの告白は、2024年メキシコシティGPをめぐるフェルスタッペン陣営との対立を改めて浮かび上がらせるとともに、F1の巨大なファンコミュニティが抱える誹謗中傷の問題を示すものとなっている。

  • マックス・フェルスタッペン F1オランダGP惜別の特別ヘルメット「一生残る思い出」

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP惜別の特別ヘルメット「一生残る思い出」

    マックス・フェルスタッペンが、2026年を最後にF1カレンダーから姿を消すオランダGPに向け、母国とザントフォールトへのオマージュを込めたスペシャルヘルメットを公開した。

    2021年に36年ぶりの復活を果たしたオランダGPは、8月30日に決勝が行われる2026年大会をもって開催を終了する。母国の英雄フェルスタッペンと「オレンジ・アーミー」が作り上げてきたザントフォールトの熱狂も、ひとまず最後の週末を迎える。

    最後の母国F1に捧げるスペシャルヘルメット
    フェルスタッペンはSNSを通じ、最後のF1オランダGPで使用するワンオフのヘルメットデザインを披露した。

    「象徴的なグランプリ。一生残る忘れられない思い出。最後のホームレース、特別なヘルメット。オランダとザントフォールトへのオマージュだ」

    今回のデザインには、単なるホームレース仕様以上の意味が込められている。2026年大会を最後にオランダGPがF1カレンダーから外れるため、フェルスタッペンにとってF1ドライバーとしてザントフォールトを走る最後の機会となるからだ。

    オランダGPは1985年を最後に長く開催されていなかったが、2021年にF1カレンダーへ復帰。復活初年度からフェルスタッペンが勝利し、2022年、2023年も制して3連勝を達成した。

    スタンドを埋め尽くすオレンジ色のファンと、会場を包む独特の熱気は復活後のオランダGPを象徴する光景となった。フェルスタッペンの台頭とともに実現した母国GPは、わずか数年でF1屈指の人気イベントへ成長した。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) オランダGPヘルメット

    「ファンと一緒に楽しみたい」
    夏休み前、フェルスタッペンは最後のオランダGPについて、結果だけではなく母国ファンとの時間そのものを楽しみたいと語っていた。

    「僕のホームグランプリだから、もちろんすごく楽しむつもりだ。ドライビングの面でも楽しめればいいね! 少なくとも、この週末(ハンガリー)よりは楽しめることを願っているよ」

    2026年のレッドブル・レーシングはRB22の扱いに苦しむ場面もあり、フェルスタッペンにとって母国戦だからといって勝利を約束された状況ではない。それでも、ザントフォールトそのものがなくなるわけではないとして、F1撤退後については前向きに受け止めている。

    「ファンに会えるのは素晴らしいことだ。確かにF1グランプリはなくなるけど、ほかにもたくさんのカテゴリーがそこでレースをするし、トラックデーで走りたければサーキットがなくなるわけでもない」

    「だから僕はこれからもそこで走って楽しめる。ただ、それがF1ではなくなるというだけだ。それはそれでいいと思っている」

    「僕はただ、ファンと一緒に楽しみたいんだ」

    ザントフォールト復活がF1に残したもの
    フェルスタッペンは、オランダGPを復活させた関係者の仕事についても高く評価している。

    「彼らがこのグランプリを復活させるためにやってきたことは、本当に信じられないほど素晴らしい」

    「最初のレースを開催したとき、グランプリをどう開催して、どう観客を楽しませるべきなのかという意味で、ほかの多くのグランプリにとっても素晴らしいお手本になったと思う」

    ザントフォールトでのオランダGPは、1985年にニキ・ラウダがマクラーレンで勝利したのを最後にF1カレンダーから姿を消した。その後、フェルスタッペンの活躍によって国内でF1人気が急速に高まり、2021年に待望の復活を果たした。

    復活後はオレンジ色に染まった大観衆がフェルスタッペンを後押しし、ザントフォールトならではの雰囲気を作り上げた。フェルスタッペン自身も3勝を挙げており、母国ファンの前で数々の印象的な瞬間を残してきた。

    2026年8月30日、その歴史はいったん区切りを迎える。フェルスタッペンにとって最後のF1オランダGPは、勝敗だけではなく、自身のキャリアとともに歩んできたザントフォールト、そして母国ファンへの感謝を示す特別な週末となる。

  • マックス・フェルスタッペン 45歳アロンソのF1去就「辞める決断は僕より簡単」

    マックス・フェルスタッペン 45歳アロンソのF1去就「辞める決断は僕より簡単」

    マックス・フェルスタッペンは、フェルナンド・アロンソのF1での将来について、自身とは置かれている状況が異なると語った。45歳のアロンソにとって、F1を続けるかどうかの決断は、28歳の自分よりも「おそらく簡単」だという。

    2026年に導入された新レギュレーションに対しては、フェルスタッペンとアロンソの双方がこれまで率直に不満を示してきた。ともに来季以降の去就には不透明な部分があり、その判断にはマシンを運転する楽しさが大きく影響している。

    アロンソ「順位ではなく楽しめるか」で将来を判断
    アロンソは先月、自身のF1での将来について、アストンマーティンが競争力を取り戻せるかどうかだけで判断するつもりはないと説明していた。

    重要なのは、自分がマシンを楽しんでドライブできるかどうかだという。

    2026年のF1では新たな技術レギュレーションが導入されたが、アロンソはその方向性に必ずしも満足していない。フェルスタッペンも同様で、新世代マシンへの不満を公然と口にしてきた。

    アロンソの考えについて尋ねられたフェルスタッペンは、その気持ちはよく理解できると語った。

    「彼には完全に同意するよ。これは自分たちが望んでいるものではない」

    その一方で、キャリアの段階という意味では、自分とアロンソには大きな違いがあると指摘する。

    「もちろん、フェルナンドは45歳だから、『もう辞める』と言うのは、おそらく彼の方が簡単だと思う。基本的には、もうキャリアを十分にやり遂げているからね」

    「僕としては、フェルナンドには60歳までレースをしていてほしいけど、それがF1で現実的だとは思わない」

    「アロンソが21番手にいるべきではない」
    フェルスタッペンは、アロンソが現在置かれている状況そのものにも同情を示した。

    長年F1で戦ってきた純粋なレーサーにとって、レギュレーションを楽しめず、さらに競争力のないマシンで戦うことは簡単ではないという。

    「本物のレーサーにとっては厳しいよ。特に今のレギュレーションを楽しめていなくて、しかも競争力がない状況なら、本当に難しい」

    そして、アロンソの実力と現在の順位は釣り合っていないとの考えを強調した。

    「だって、フェルナンドが21番手にいるなんてふさわしくない。フェルナンドなら最低でもトップ5にいるべきだよ」

    この発言には、単なる同情以上の意味がある。フェルスタッペン自身、アロンソを現役F1ドライバーの中でも高く評価してきた。現在の成績だけを見て、アロンソ自身の能力が衰えたと判断しているわけではない。

    マックス・フェルスタッペンとフェルナンド・アロンソ

    フェルスタッペン自身にもF1離脱の可能性
    一方、フェルスタッペン自身の将来も完全に確定しているわけではない。

    契約上は2028年末までレッドブル・レーシングに所属することになっているが、来季について明確なコミットメントを示しておらず、これまでもF1をいつまで続けるかについて慎重な姿勢を見せてきた。

    特に2026年の新レギュレーションについては、シーズンを通して批判的な発言を続けている。

    過去には、F1の方向性次第では早期に競技を離れる可能性も示唆してきた。ただし、28歳のフェルスタッペンは、自分と45歳のアロンソを単純に比較することはできないと考えている。

    「僕はもちろん28歳だから、少し状況が違う」

    「辞めようと思えば簡単に辞められる。それ自体は問題じゃない。でも、僕はレースが大好きなんだ」

    「だから今あるもので何とかやろうとしている。たとえ今のものが、僕の好きなものではなかったとしてもね」

    異なるキャリア段階でも共通する新世代F1への違和感
    アロンソとフェルスタッペンでは年齢もキャリアの段階も大きく異なる。アロンソはすでに2度のF1ワールドチャンピオンを獲得し、45歳までトップカテゴリーで戦い続けてきた。一方のフェルスタッペンは28歳で、まだ長いキャリアを続けることも可能だ。

    それでも両者に共通しているのは、F1に残ること自体を目的としていない点だ。

    アロンソはマシンをドライブする喜びを重視し、フェルスタッペンも「レースが大好き」だからこそ現在のF1と向き合っている。

    フェルスタッペンの発言は、アロンソの引退が近いと断定したものではない。むしろ、45歳までF1で戦ってきたアロンソには、自分自身が楽しめないと感じたときにキャリアを終えるという選択をしやすい立場にある、という見方だ。

    そして28歳のフェルスタッペンもまた、今のF1を好んでいないことを隠してはいない。世代もキャリアも異なる2人のワールドチャンピオンが、同じ2026年レギュレーションに違和感を抱いていることは、今後のF1にとって無視できないテーマになりそうだ。

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1加入を決めたマルコの「20分」交渉

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1加入を決めたマルコの「20分」交渉

    マックス・フェルスタッペンがレッドブルと歩むことになった決定的な瞬間は、ヘルムート・マルコとのわずか「20分」の話し合いだった。父ヨス・フェルスタッペンが、当時メルセデスのトト・ヴォルフとも交渉していた息子のF1進出を振り返った。

    2014年、FIA F3ヨーロッパ選手権を戦っていたフェルスタッペンを巡り、レッドブルとメルセデスが獲得に動いていた。

    しかし、すでにルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグという強力なラインアップを抱えていたメルセデスに対し、レッドブルは翌2015年からのF1参戦という具体的なプランを提示。その決断の速さが、後に4度のF1ワールドチャンピオンとなるフェルスタッペンの進路を決めた。

    メルセデスとレッドブルがフェルスタッペン獲得を争う
    当時フェルスタッペンは16歳。カートから四輪へ転向したばかりで、FIA F3ヨーロッパ選手権を戦っていた。

    父ヨスと、現在もフェルスタッペンのマネージャーを務めるレイモンド・フェルミューレンは、息子の将来について複数の選択肢を検討していた。その中心にいたのがレッドブルとメルセデスだった。

    54歳のヨスは『AutoHebdo』に当時の状況を振り返った。

    「当時から、今と同じチームが我々の周りにいた。マネージャーのレイモンド・フェルミューレンは、私の親しい友人でもある」

    「レイモンドとマックス、そして私だ。その体制は今でも変わっていない。だから、我々は非常にしっかりと準備できていた」

    「トト・ヴォルフとヘルムート・マルコの両方が我々と話をしていた。どちらもマックスとの契約を望んでいた。そして我々がやるべきことは、マックスにとって最も良い環境を見つけることだった」

    メルセデス側もフェルスタッペンの才能を高く評価していた。しかし当時のワークスチームにはハミルトンとロズベルグがおり、若いフェルスタッペンにすぐF1のレースシートを用意することは難しかった。

    一方、レッドブルにはジュニアチームを通じてF1デビューさせるという選択肢があった。その違いが交渉を大きく動かした。

    マルコの第一声「来年マックスをF1に乗せたい」
    決定的な話し合いはホッケンハイムで行われた。ヨスによれば、マルコとの交渉はわずか20分だったという。

    「よく覚えている。私はホッケンハイムにいて、いかにもヘルムートらしい話し合いだった」

    「彼が我々のテーブルにやって来て、『20分しかない』と言った。私は、それだけあれば話をするには十分だと答えた」

    そしてマルコは、ほとんど前置きなしに核心を切り出した。

    「彼の最初の言葉は『来年、マックスを我々と一緒にF1で走らせたい』だった」

    「それを聞いたときは、とても驚いた。それで私は『分かった、ヘルムート。それならやろう。ただし1年ではなく2年にしよう』と答えた」

    当時まだ10代だった息子をF1に送り込む以上、ヨスは適応期間が必要だと考えていた。

    「マックスは非常に若かったから、最初の1年は環境に慣れるために必要だと考えていた。そして2年目になれば、彼がどれだけの力を持っているのかを示せると思っていた」

    「だが、彼は非常にうまく適応した。2015年の最初のシーズンが素晴らしかったので、2年目には早くもレッドブルへ昇格することになった。それは良い判断だったと思う」

    17歳でF1デビュー 2年目にはレッドブルで初勝利
    フェルスタッペンは2015年、レッドブルのジュニアチームであるトロロッソからF1デビュー。開幕戦オーストラリアGPでは17歳166日でスタートし、F1史上最年少出走記録を樹立した。

    翌2016年にはシーズン第5戦スペインGPを前にダニール・クビアトと入れ替わる形でレッドブル・レーシングへ昇格。そして、その初戦でいきなり優勝した。

    フェラーリのキミ・ライコネンを0.616秒差で抑えてチェッカーを受け、18歳227日でF1史上最年少優勝記録も更新。マルコが2014年に下した大胆な決断は、わずか2年足らずで結果につながった。

    その後フェルスタッペンはレッドブルの絶対的エースへ成長し、2021年から4年連続でF1ワールドチャンピオンを獲得。現在までに71勝、131回の表彰台を記録している。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    ヴォルフもフェルスタッペンを逃したことを「後悔」
    一方、フェルスタッペン獲得の可能性がありながら契約に至らなかったヴォルフは、後にその判断を振り返っている。

    ヴォルフによれば、ヨスとマックスはブラクリーにあるメルセデスのオフィスを訪れ、その後にはウィーンにあるヴォルフの自宅でも数時間にわたって将来について話し合ったという。

    「彼らはブラクリーにある私のオフィスに来た。マックスがまだカートをやっていたころか、カート時代の最後、つまりF3に進む直前の2013年だったと思う」

    「その後、マックスとヨスがウィーンにある私の自宅を訪れたときにも話をした。彼の将来について数時間話し合った」

    フェルスタッペンを獲得できなかったことを後悔しているかと問われ、ヴォルフは認めている。

    「もちろんだ。ただ、当時は選択肢にならなかった」

    「私にはニコとルイスという、非常に満足していた2人のドライバーがいた。そしてニコが2016年末に去ったときには、バルテリ(・ボッタス)が選択肢となり、その時点でマックスはもう獲得可能ではなかった」

    「将来のF1シート」を提示できたレッドブルの決断力
    フェルスタッペン争奪戦を振り返ると、レッドブルとメルセデスの差は才能への評価そのものではなく、その才能に対して即座に何を提示できたかにあった。

    メルセデスも早い段階からフェルスタッペン側と接触していたが、当時はハミルトンとロズベルグの体制を崩してまで16歳の若手を起用する現実的な理由がなかった。

    対してマルコは、F3を戦っていたフェルスタッペンに翌年のF1シートを提示した。カートから四輪に転向してわずか1年でF1へ進ませるという異例のプランだったが、その大胆さがフェルスタッペン陣営の求めていた「最高の環境」と一致した。

    「20分しかない」というマルコの一言から始まったホッケンハイムでの交渉は、フェルスタッペンとレッドブルの長い関係を決定づけることになった。そして、その決断を逃したヴォルフ自身が後に「もちろん後悔している」と認めたことが、当時の選択がその後のF1の勢力図に与えた影響の大きさを物語っている。

  • マックス・フェルスタッペンのレッドブルF1批判に警鐘「時に行き過ぎている」

    マックス・フェルスタッペンのレッドブルF1批判に警鐘「時に行き過ぎている」

    マックス・フェルスタッペンがマシンやレッドブル・レーシングに対して公の場で繰り返す批判について、元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースが、その率直さを評価しながらも「時に行き過ぎる」と警鐘を鳴らした。

    2026年F1シーズン、フェルスタッペンはRB22のパフォーマンスに対する不満を隠していない。

    アルバースは、妥協を許さず常に勝利を求める姿勢こそフェルスタッペンの強さだと認める一方、否定的な発言が続けば、チームで働くスタッフに悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。

    「毎周、すべてのコーナーで戦い続ける」
    フェルスタッペンはここ数カ月、RB22の競争力やドライバビリティについて厳しい評価を口にしてきた。それでもコース上では攻撃的な姿勢を変えておらず、アルバースはそこに4度のF1ワールドチャンピオンを支える強さがあると考えている。

    オランダ紙『De Telegraaf』から、ハンガリーGPでルイス・ハミルトンに仕掛けた強引なオーバーテイクが、フラストレーションや個人的な感情によるものだったのかと問われたアルバースは、その見方を否定した。

    「いや、彼は誰に対してもああする。それがマックスの素晴らしいところなんだ。だからこそレッドブルは彼にあれだけ高い給料を払っている。毎周、すべてのコーナー、すべてのブレーキングで、彼は戦い続けている」

    アルバースにとって、相手が誰であろうと一切引かない姿勢はフェルスタッペンの大きな長所であり、その競争心自体を問題視しているわけではない。

    率直さは長所でもあり短所でもある
    一方でアルバースが疑問を投げかけたのが、フェルスタッペンによるレッドブルやRB22への度重なる公の批判だ。

    「マックスには非常に多くの長所がある。でも、短所もある。彼のインタビューを聞いていて、ときどき疑問に思うことがある」

    アルバースは、フェルスタッペンが自分の考えを隠さず口にする姿勢そのものについては評価している。

    「22人のドライバー全員が最高のマシンに乗って勝ちたいと思っている。その一方で、彼があれほどオープンで正直であることも僕は評価している」

    ただし、その率直さが否定的な方向に偏りすぎることには懸念を示した。

    「彼は『これは好きじゃない、あれも好きじゃない』と言う。彼のコメントにはポジティブな部分があまりない。こういう状況をどうやって適切に扱えばいいんだろう、と考えてしまう」

    「ほかの21人も勝ってチャンピオンになりたい」
    アルバースは、勝利だけを求め続けるフェルスタッペンの強烈なメンタリティが、ときに周囲の状況を見えにくくしている可能性があると考えている。

    「その点では、彼は自分自身にあまりにも集中していて、ほかの21人のドライバーだって勝ちたいし、ワールドチャンピオンになりたいと思っていることが見えなくなっているんじゃないかと思う」

    「全員が最高のマシンを手にできるわけではない。でも、その一方で彼の姿勢を評価することもできる」

    フェルスタッペンが求める基準が極めて高いからこそ、マシンがその水準に達していないときの不満も強く表れる。アルバースは、その姿勢が成功を生み出してきた一方で、現在のような苦しい状況ではマイナスに作用することもあるとみている。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    レッドブルF1をもっと擁護すべきとの指摘
    フェルスタッペンについては、RB22の弱点を公然と指摘するだけではなく、ときにはチームを擁護する姿勢を示すべきだとの意見もある。アルバースも、その考えには一定の理解を示した。

    「僕も少しそう思う」

    そのうえでアルバースは、F1マシンの開発はトップクラスの技術者が加わったとしても、短期間で劇的に変えられるものではないと強調した。

    「アストンマーティンF1のエイドリアン・ニューウェイを見ても分かる。何もないところから、いきなり競争力のあるマシンコンセプトを作り出すことはできない。手元にあるものを使って仕事をしなければならないんだ」

    ニューウェイほどの実績を持つデザイナーであっても、既存の組織や設備、マシンコンセプトを踏まえながら時間をかけて改善していく必要があるというのがアルバースの主張だ。

    「ファクトリーでは1000人が働いている」
    アルバースが特に問題視するのは、ドライバーの発言がチーム内部の大勢のスタッフに与える影響だ。

    「物事が自分の望んでいる方向に進まなければ、フラストレーションがたまるのは理解できる。でも、ファクトリーでは1000人が働いている。そのうち700人くらいは、あなたとまったく同じ方向に進みたいと思っているかもしれない」

    つまり、結果が出ないからといって、チーム全体がフェルスタッペンの要求に応えようとしていないわけではない。表舞台に立つドライバーの厳しい言葉は、改善に向けて働き続けるスタッフにも届くため、その影響まで考える必要があるという指摘だ。

    レッドブル・レーシングは現在まで、フェルスタッペンによるRB22への厳しい批判を公に問題視してはいない。だが、2027年以降の去就を巡る憶測が続くなか、その発言は単なるマシンへの不満以上の意味を持って受け止められる状況になっている。

    勝つために妥協せず、問題を率直に口にする姿勢はフェルスタッペンを4度のF1王者へと押し上げた武器でもある。一方でアルバースは、その強烈なメンタリティだからこそ、苦境にあるチームに対してどこまで批判を公にするべきなのか、そのバランスが重要になっているとみている。

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    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1離脱へ「第2の解除条項」が判明か

    マックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシングの契約を巡り、新たな解除条項の存在が報じられた。2026年シーズン終了時のコンストラクターズランキングが一定条件を満たさなかった場合、フェルスタッペン側に契約を解除する権利が発生するという。

    フェルスタッペンはレッドブルと2028年末まで契約を結んでいるが、成績に連動した解除条項が盛り込まれていることは以前から伝えられてきた。

    今回の報道が事実であれば、2027年に向けた去就を判断できる機会は従来知られていたものだけではなく、2026年シーズン終了後にも残されていることになる。

    シーズン終了時にレッドブルがトップ2圏外なら離脱可能か
    イタリアのAutomoto.itによると、フェルスタッペンの契約には、2026年シーズン終了時点におけるレッドブルのコンストラクターズランキングに連動した解除条項が存在するという。

    その条件はレッドブルがコンストラクターズランキングでトップ2に入ることとされ、トップ2圏外でシーズンを終えた場合、フェルスタッペンには2028年末までの契約を途中で解除できる選択肢が生じると報じられている。

    現在、レッドブルは全23戦中11戦を終えた段階でコンストラクターズランキング4位。2位フェラーリとは130ポイント差があり、3位マクラーレンにも43ポイント差をつけられている。

    RB22はシーズン序盤からマシンバランスに問題を抱え、その後も空力面でのパフォーマンス低下などに苦しんできた。フェルスタッペン自身もマシンを「ドライブできない」と表現するなど、厳しい評価を繰り返している。

    10月まで行使可能とされる別の解除条項
    フェルスタッペンには、すでに別の解除条項が存在すると報じられている。

    こちらはドライバーズランキング上の順位に連動するもので、フェルスタッペンが一定の順位を確保できなかった場合に発動可能になるとされる。現在ランキング6位のフェルスタッペンはその条件に該当しており、2026年シンガポールGPまで、つまり10月まで契約解除を選択できると伝えられている。

    一方、今回新たに報じられたのはチーム側の成績、すなわちコンストラクターズランキングに連動した条項だ。

    このため報道通りであれば、フェルスタッペンは10月までに最初の解除権を行使しなかったとしても、レッドブルがシーズン終了時にコンストラクターズランキングのトップ2圏外だった場合、年末に再び契約を解除する機会を得ることになる。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    レッドブルは解除権の買い取りも試みたと報道
    フェルスタッペンの契約解除条項を巡っては、レッドブル側もその存在を強く意識しているとされる。

    これまでの報道では、レッドブルはドライバーズランキングに連動した解除権を放棄させるため、フェルスタッペンに対して1000万ユーロ台前半規模の金銭を提示したとされている。しかし、フェルスタッペン側はこれを受け入れず、契約を解除できる権利を維持したという。

    フェルスタッペンはここ数カ月、レッドブルGmbHのオリバー・ミンツラフやマーク・マテシッツらと複数回にわたって話し合いを行ったとされるが、2027年もレッドブルに残留すると公に明言することは避けている。

    現状では2027年にフェルスタッペンを受け入れられるトップチームのシートは限られている。移籍先候補として名前が挙がってきたメルセデスはジョージ・ラッセル、マクラーレンはオスカー・ピアストリを継続起用する可能性が高いとみられている。

    ただし、フェルスタッペンにはF1そのものから一時的、あるいは完全に離れるという選択肢もある。2026年の新レギュレーションへの不満を隠しておらず、これまでにも自身のF1での将来について含みを持たせてきた。

    解除条項はレッドブルへの「圧力」にも
    フェルスタッペンが解除条項を実際に行使するかどうかとは別に、その権利を保持していること自体がレッドブルとの交渉で大きな意味を持つ。

    フェルスタッペン側は2027年にタイトルを争える競争力、少なくとも再び優勝争いができるマシンを用意することについて、レッドブルから明確な保証を求めていると報じられている。

    一方、レッドブルはフェルスタッペンとの契約をさらに長期化し、最大で2032年まで拘束する新契約も検討したとされるが、フェルスタッペン側が求めた報酬条件には難色を示したという。

    現在の契約は2028年末まで残っている。それでも複数の成績連動型解除条項が存在するとの報道が事実ならば、契約期間だけを見てフェルスタッペンの残留が保証されているとは言えない。

    特にレッドブルが現在コンストラクターズランキング4位にとどまっている状況を考えれば、今回報じられた「シーズン終了時トップ2」という条件は現実的な意味を持つ。2026年後半戦でレッドブルがどこまで順位を取り戻せるかは、チームの成績だけでなく、フェルスタッペンの2027年以降の去就にも直結する可能性がある。

  • フェルスタッペン ザントフォールト最後のF1開催へ「誰にも奪えない思い出」

    フェルスタッペン ザントフォールト最後のF1開催へ「誰にも奪えない思い出」

    2026年のF1オランダGPを最後に、ザントフォールト・サーキットはF1カレンダーから姿を消す。母国GP復活の象徴となったマックス・フェルスタッペンと父ヨス・フェルスタッペンは、その特別な歴史を振り返り、オランダのモータースポーツ界に刻まれた功績への誇りを語った。

    2021年に36年ぶりの復活を果たしたオランダGPは、熱狂的なオレンジ軍団が生み出す独特の雰囲気でF1を代表するイベントへと成長した。

    しかし、その舞台は2026年大会をもって一区切りを迎える。最後の開催はスプリントフォーマットで行われ、有終の美を飾る週末となる見込みだ。

    ヨス・フェルスタッペン「誇りに思うべきイベント」
    ヨス・フェルスタッペンは、Viaplay制作のドキュメンタリー『Dutch GP: Tegen Alle Verwachtingen In(予想を覆したオランダGP)』で、開催終了への複雑な思いを明かした。

    「特にオランダのファンにとっては残念なことだ。でも、このイベントがここで開催されたこと自体に感謝すべきだと思う」

    「スパのようなサーキットでさえ開催継続に苦労している。だからこそ、ザントフォールトが築き上げたものを誇りに思うべきだ」

    マックス「多くのグランプリが学んだ」
    一方、4度のF1ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンは、オランダGPがF1全体に与えた影響の大きさを強調した。

    「終了する理由も理解しているし、結局のところ、あそこで本当に素晴らしい数年間を過ごすことができた。こんなことになるなんて、誰も予想していなかった」

    「多くのグランプリがこのイベントから学び、週末の体験をより良くするために工夫するようになった。それはF1全体にとってプラスだったと思う」

    ザントフォールトは、ファンエクスペリエンスを重視したイベント運営で高く評価され、その成功は他の開催地にも影響を与えたとされている。

    マックス・フェルスタッペン F1オランダGP(ザントフォールト)

    「誰にも奪えない思い出」
    フェルスタッペンは復活後のオランダGPで3勝を挙げ、母国ファンの前で数々の歓喜を分かち合ってきた。その思い出は、F1史の中でも特別なものとして心に刻まれているという。

    「この出来事が実現したこと自体が本当に素晴らしいし、その一員になれたこともうれしい。そして、そこで何勝か挙げることができた」

    「その思い出は、もう誰にも奪うことはできない」

    最後のオランダGPが残すもの
    2026年のオランダGPは、ザントフォールトで開催される最後のF1レースとなる。熱狂的なファンが生み出す唯一無二の雰囲気は、多くの開催地が参考にした成功例となり、F1のイベント運営にも大きな変化をもたらした。フェルスタッペン親子にとっても、そしてオランダのファンにとっても、その歴史は色あせることのない特別な記憶として残り続ける。

  • F1スチュワード「マックス・フェルスタッペンは我々を試してくる」

    F1スチュワード「マックス・フェルスタッペンは我々を試してくる」

    FIAスチュワードのビタントニオ・リウッツィは、マックス・フェルスタッペンがレーススチュワードにとって「最も判断が難しいドライバー」だと語った。

    現在FIAのスチュワードを務める元F1ドライバーのリウッツィは、フェルスタッペンは常にレギュレーションの限界を突く走りをしており、その判断は他のドライバーよりもはるかに複雑になると明かした。また、マクラーレン勢にはフェルスタッペンの戦い方を徹底的に研究すべきだと助言している。

    「フェルスタッペンはスチュワードを試してくる」
    2026年シーズン、リウッツィはFIAのローテーション制スチュワードの一員として各グランプリで審議に携わっている。その立場から、4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンの走りについて率直な印象を語った。

    ハンガリーGPではレッドブル・レーシングのマシンに不満を訴えながらも2位でフィニッシュしたフェルスタッペンだが、そのレース運びはスチュワードにとって常に難題だという。

    リウッツィは、フェルスタッペンが他のドライバーよりも正確にレギュレーションを理解しているかと問われると、迷わずこう答えた。

    「誰よりもそうだ。その意味でマックスは戦闘マシンだ」

    「スチュワードとして見ると、彼は本当に我々を試してくる。インシデントを裁定しなければならない場面では、彼はいつもレギュレーションの境界線ぎりぎりに自分を置いている」

    さらに、その走りは審議を非常に難しくすると説明した。

    「彼の動きを分析するのは本当に難しい。いつも我々を非常に難しい立場に置く。一方で、他のインシデントはもっと明確で判断しやすいことが多い」

    マクラーレン勢へ「フェルスタッペンを研究すべき」
    リウッツィは、今季タイトル争いを演じるランド・ノリスとオスカー・ピアストリに対してもアドバイスを送った。

    「僕はあまり多くは言わないだろう。結局のところ、マックスはほとんど人の話を聞かない。周囲が何を言おうと気にしないからね」

    その一方で、ライバルにはフェルスタッペンの戦い方を学ぶよう勧めた。

    「ノリスとピアストリには、これまでのレースを注意深く見返して、マックスがどう戦っているかを研究するよう勧める。彼はあらゆるレースで彼らにプレッシャーをかけ、自分に有利な状況へ持ち込んできた」

    マックス・フェルスタッペン

    2026年の新オーバーテイク規則への理解が鍵
    2026年からFIAはオーバーテイク時のガイドラインを改訂し、とりわけコーナー頂点でのフロントアクスルの位置関係を重視する運用へ変更した。

    リウッツィは、この新しいルールを深く理解することがフェルスタッペンと戦ううえで不可欠だと強調する。

    「彼らにはオーバーテイクに関するレギュレーションをもう一度じっくり見直し、研究するよう伝えたい」

    そして、フェルスタッペンが最も優れているのは、そのルールを瞬時に利用する能力だと評価した。

    「彼は追い抜く時も、追い抜かれる時も、自分のポジショニングを常に考えている。もし正しい位置取りができなければ、責任は自分にあることを理解している」

    2026年の新ルールでは、ドライバーがコーナー進入時にどこまで並んでいるかが裁定の重要な判断材料となる。リウッツィは、フェルスタッペンはそのルールを誰よりも理解し、巧みに活用しているドライバーであり、それがスチュワードにとっても最も判断が難しい存在になっていると分析した。

  • マックス・フェルスタッペン「TikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」

    マックス・フェルスタッペン「TikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」

    2026年シーズンは苦戦を強いられながらも、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンはチームの姿勢に一切の妥協はないと強調した。

    シーズン前半を振り返ったフェルスタッペンは、改善の手応えを認めつつも、「TikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」と語り、勝利だけを追い求める王者の哲学を改めて示した。

    苦戦の2026年前半「良い瞬間もあったが問題も多かった」
    2026年はシャシーとパワーユニットのレギュレーションが刷新され、レッドブル・レーシングにとっては自社開発のレッドブル・パワートレインズ製パワーユニットを実戦投入する初年度となった。

    フォードと共同開発した内燃機関は高く評価されているものの、パワーユニット全体ではメルセデス勢が優位に立ち、レッドブル・レーシングはシーズン序盤から苦戦を強いられた。

    それでもシャシーアップデートの効果で競争力は徐々に向上し、フェルスタッペンは直近4戦で3度の表彰台を獲得。ハンガリーGPでは2位に入り、復調の兆しを見せている。

    ベルギーGPでViaplayの取材に応じたフェルスタッペンは、ここまでのシーズンを次のように振り返った。

    「そう言えるね。もちろんシーズン序盤はかなりひどかった。たくさん問題があった」

    「その一方で、オーストリアのように優勝争いができそうだった週末もあった」

    「だから前向きな瞬間もあったけれど、全体としてはうまくいかなかったことの方が多かった」

    「満足していない。勝ちたいし支配したい」
    フェルスタッペンは、苦しい状況でもチームの取り組みを誇りに思っていると語る一方、それだけでは満足できないと断言した。

    「もちろん、ここまで僕たちがやってきたことには誇りを持っているし、実際にそう思っている。でも、まだ十分じゃない」

    「僕たちはもっと上を目指している。勝ちたいし、支配したい。それがいつだって目標なんだ」

    マックス・フェルスタッペン

    「TikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」
    現在ランキング6位につけるフェルスタッペンは、タイトル争いではキミ・アントネッリに100ポイント差をつけられている。それでも、表彰台や好結果だけでは満足できないと語り、自身がF1で戦う理由を明確にした。

    「もちろん表彰台はうれしい。でも、それで興奮することはない」

    「僕たちはTikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」

    「ここにいる理由はただ一つ。勝つためだ」

    去就には含みもレッドブル残留が基本線
    フェルスタッペンは夏休み入り時点で契約解除条項を行使できる条件を満たしたことで、その去就にも注目が集まっている。

    マクラーレンとの接触が報じられる一方で、現時点では「第二の家族」と表現するレッドブル・レーシングへの残留を望んでいるとみられている。

    2026年は思うようなシーズンではない。それでもフェルスタッペンの目標は変わらない。レッドブル・レーシングとともに再び勝利を重ね、F1を支配する存在へ返り咲くことだけを見据えている。