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  • アストンマーティン・ホンダF1、ニューウェイが描くAMR26の設計思想

    アストンマーティン・ホンダF1、ニューウェイが描くAMR26の設計思想

    ホンダ製パワーユニットを搭載し、エイドリアン・ニューウェイが設計に関与するアストンマーティンの2026年F1マシン「AMR26」は、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールによってドライブされる予定だ。

    2026年F1レギュレーション導入と同時に登場するこのマシンは、ニューウェイにとってアストンマーティンで初めて本格的に手掛けるF1マシンとなる。

    AMR26を設計するのは誰か
    AMR26は、エイドリアン・ニューウェイがレッドブルから移籍して以来、初めて設計に携わるアストンマーティンF1マシンだ。

    ニューウェイはF1史上最も成功したエンジニアの一人であり、200勝以上、ドライバーズおよびコンストラクターズ選手権通算26回のタイトルに関与してきた。

    2024年9月に移籍が発表され、2025年3月3日からアストンマーティンに正式合流した。役職はマネージング・テクニカル・パートナーであり、チーム株主でもある。

    さらに2025年シーズン終盤、ニューウェイは2026年からチーム代表を兼任することが発表された。

    前任のアンディ・コーウェルは、新シーズンに向けてチーフ・ストラテジー・オフィサーに就任し、アストンマーティン、ホンダ、アラムコの三者連携を統括する役割を担う。

    ニューウェイは67歳となった現在も、レギュレーション変更期に強みを発揮する人物として知られ、ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルのすべてで規則改定を好機に変えてきた。

    AMR26の設計はニューウェイ単独ではなく、2025年7月にフェラーリから加入した最高技術責任者エンリコ・カルディレも深く関与している。

    チーム体制とニューウェイの立場
    アストンマーティンは2026年に向け、技術部門の再編を実施したとされている。

    空力部門ディレクターのエリック・ブランディン、チーフデザイナーの羽賀昭夫らの役割にも変更があったと見られている。

    ニューウェイ自身は、チーム代表就任が設計業務に影響を与えることはないと強調してきた。

    「それこそが僕がやりたいことであり、朝ベッドから起きる理由だ。だから薄めるつもりはない」とニューウェイは語った。

    またニューウェイは、チーム代表という役職に強いこだわりを持っていないことも示唆している。

    2026年序盤はすべてのレースに帯同する予定であるため、「どうせ現地にいるなら、その役割も引き受けようという判断だった」と説明している。

    エイドリアン・ニューウェイ / アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    AMR26の技術的な噂と現実
    AMR26のシャシー詳細はほとんど明らかになっていないが、2026年はチームの成熟度という点ではやや早すぎる可能性があるとも見られている。

    ニューウェイは2025年、モナコ、イギリス、カタールの3戦に帯同し、モンテカルロで初めてアストンマーティンとしての現地メディアブリーフィングを行った。

    その際、ドライバー・イン・ザ・ループ・シミュレーターの精度不足を明確な弱点として挙げた。

    「正直に言えば、いくつかのツールは弱い。特にシミュレーターは相関が取れておらず、大幅な改善が必要だ」とニューウェイは語った。

    その後、チームは対策に着手した。

    2025年6月には、元レッドブルのジャイルズ・ウッドをシミュレーションおよび車両モデリング責任者として招聘した。

    さらに同年11月には、フェラーリ黄金期にシミュレーター開発を主導したマルコ・ファイネッロをコンサルタントとして迎えている。

    ドライバーの見解とニューウェイの評価
    ランス・ストロールは、2026年開幕時点でアストンマーティンがトップチームとは言えないと率直に語っている。

    「正直、まだトップチームになるためのツールは揃っていない。隠すことでもないが、時間が教えてくれる」とストロールは述べた。

    一方でニューウェイは、2026年レギュレーションについて「想像していた以上に解釈の余地がある」と評価しており、創造性を発揮できる規則だとの見方を示している。

    この発言は、2022年のグラウンドエフェクト導入前と重なり、一部では「新たな抜け道を見つけたのではないか」との憶測も呼んでいる。

    ホンダ F1 本田技研工業

    ホンダ製2026年F1パワーユニットの現状
    2026年は、ホンダにとって技術的にF1へ正式復帰する年となる。

    2021年末にワークス活動を終了して以降、2022〜2025年は技術支援に留まっていたため、開発面での遅れは否定できない。

    ホンダ・レーシング・コーポレーション社長の渡辺康治は、2025年1月のデイトナ24時間で「開発は非常に難しい」と語っていた。

    さらに日本メディアの取材では、「順調でない部分も多い」と率直に認めている。

    「アストンマーティンはエイドリアンのビジョンを反映したマシンを作りたい。我々としても、それにどう適応するかが次の課題だ」と渡辺康治は述べた。

    圧縮比に関する抜け道が噂された際、ホンダの名前が挙がらなかった点も、出遅れを示唆する材料と受け止められている。

    AMR26を駆るのは誰か
    AMR26のドライバーはフェルナンド・アロンソとランス・ストロールだ。

    アロンソにとって2026年はアストンマーティンでの4年目であり、F1通算23年目のシーズンとなる。

    2026年は、ルノーで最後にタイトルを獲得してから20年の節目でもある。

    8月には45歳を迎え、契約は2026年末まで。本人は成績次第で引退の可能性も示唆している。

    「クルマがうまくいけば、2026年が最後になる可能性が高い」とアロンソは語った。

    AMR26の発表日とテスト計画
    AMR26は2月9日に正式発表される予定だ。

    これはバーレーンで行われる第2回プレシーズンテストの2日前にあたる。

    一方で、1月26日から始まるバルセロナでの最初のテストについては、初日を欠席する可能性が高いと報じられている。

    ただし、3日間の走行枠自体は消化できる見通しとされている。

    AMR26のカラーリング
    基本は例年通りブリティッシュ・レーシング・グリーンが基調となる見込みだ。

    ホンダとのワークス提携により、白の配色が増える可能性も指摘されている。

    1月20日に東京で披露されたホンダのショーカーは、従来とはやや異なる色味のグリーンをまとっていたが、それがAMR26の最終リバリーを反映しているかは不明だ。

  • エイドリアン・ニューウェイ、2026年F1エンジン規則のFIA判断に激怒

    エイドリアン・ニューウェイ、2026年F1エンジン規則のFIA判断に激怒

    F1のデザイン界のレジェンドであるエイドリアン・ニューウェイが、2026年F1パワーユニット規則に関するFIAの最新判断に激怒していると報じられている。

    ニューウェイは2025年3月にアストンマーティンにマネージング・テクニカル・パートナーとして加入し、その後チーム代表という異例の役職にも就任した。

    ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルでのキャリアを通じて、彼が設計に関わったマシンは25のチャンピオンシップを獲得しており、現在はアストンマーティンをタイトル争いに導くことを目標としている。

    2026年の新レギュレーションは、昨季コンストラクターズランキング7位に終わったアストンマーティンにとって、上位進出のチャンスとなる可能性がある。しかし今回、パワーユニット規則に存在するとされた“抜け道”をめぐるFIAの判断が、ニューウェイの怒りを買ったと伝えられている。

    問題となっているのは圧縮比に関する解釈だ。報道によれば、メルセデスとレッドブルは、エンジン停止時には規定どおり16:1で検査を通過しつつ、走行中には従来上限だった18:1まで圧縮比を高める設計を可能にしているとされる。これにより、最大で約15馬力の上積みが見込めるという。

    FIAはこの件について協議を行った結果、これを「トリック」とは認定せず、合法であるとの判断を下した。仏紙『L’Equipe』は、この裁定にニューウェイが「激怒している」と報じており、ホンダは2026年用パワーユニットにこの手法を採用していないと理解されている。

    アストンマーティン ホンダ F1 国際自動車連盟

    2026年からホンダと新たに組むアストンマーティンは、ニューウェイに加え、2度の世界王者であるフェルナンド・アロンソを擁し、陣容面では期待が高い。一方でホンダは近年までレッドブルと提携し、コンストラクターズタイトル2回、ドライバーズタイトル4回を獲得してきたが、同社のレーシング部門トップである渡辺康治は、先日のエンジンローンチイベントで「新レギュレーションは極めて挑戦的だ」と述べ、楽観的とは言えない見解を示している。

    そのため、アストンマーティンが2026年に再び苦戦する可能性は否定できない。ただしチームとしては、2027年、2028年に向けてチャンピオンシップ獲得を狙う長期的なビジョンを描いている。

  • アストンマーティン、ホンダとの提携はF1優先「ロードカー協業は将来検討」

    アストンマーティン、ホンダとの提携はF1優先「ロードカー協業は将来検討」

    ローレンス・ストロールは、アストンマーティンとホンダの将来的なロードカー共同開発について「非常にオープンだ」と語りつつも、現時点では具体的な計画は存在しないと明言した。最優先事項はあくまでF1プロジェクトであり、ロードカーやスーパーカー、ハイパーカーの構想は将来の可能性として扉が開かれている段階だという。

    この発言は、東京で正式に発表されたアストンマーティンとホンダのF1パワーユニット提携ローンチイベントの場で語られたものだ。

    このイベントでは、ホンダの新ロゴをまとったショーカーが披露され、2026年F1向けパワーユニット「RA626H」の初公開イメージも示された。

    「アストンマーティンとホンダという、2つの素晴らしい企業が手を組むことになった」とストロールは語った。

    「我々の現在の計画は、言うまでもなく非常に野心的なF1のワークスチーム・プロジェクトだ。それがこの関係の出発点になる。現時点では、生産車やハイパーカー、スーパーカーについて一緒に議論したことはない。ただし、将来的にそれが不可能な理由はまったくない」

    さらにストロールは、将来の可能性について次のように続けている。

    「このパートナーシップを前提にすれば、アストンマーティンとしては非常に前向きだ。三部敏宏社長もきっと興味を持つと思う。だからこそ、最高のパートナーシップを築くために、あらゆる可能性を探る余地は残されていると言える」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    この場には、F1グループCEOのステファノ・ドメニカリや、ホンダの三部敏宏社長も同席していた。三部社長もまた、ストロールの見解に同調し、ロードカー分野での協業は将来のテーマだと強調した。

    「ローレンスが言った通り、まずはF1プロジェクトをスタートさせ、結果を出すことが第一だと考えています。これが我々の最優先事項です」

    「量産車に関する具体的な話し合いは、現時点では行っていません。ただし、両社のレース活動が成功すればするほど、そこで得られた知見を市販車に応用する価値は高まっていくと思います。いつになるかは分かりませんが、事業拡大の可能性があるのであれば、ローレンスと引き続き議論していきたいと考えています。それは十分にあり得ることだと思います」

    アストンマーティンはこれまでも、モータースポーツ由来の技術や知見をロードカーに反映してきた実績を持つ。F1のノウハウは、かつてエイドリアン・ニューウェイが関与したヴァルキリーの開発にも活かされた。一方、ホンダのハイエンド・スポーツカーの系譜は限定的ではあるものの、将来を見据えれば、アストンマーティンのレーシング部門のパフォーマンス技術を活用し、現代版NSXのようなプロジェクトへ発展する構図も想像できる。

    もっとも、ストロールと三部が繰り返し強調した通り、こうした構想はあくまで将来の可能性に過ぎない。現時点で両社が全力を注ぐのは、2026年から始まるF1の新時代であり、その舞台で結果を残すことに他ならない。

  • アストンマーティン・ホンダ、2026年F1エンジン「圧縮比トリック」論争に言及

    アストンマーティン・ホンダ、2026年F1エンジン「圧縮比トリック」論争に言及

    2026年F1パワーユニットを巡り、メルセデスとレッドブルが活用しているとされる「圧縮比トリック」が議論を呼ぶ中、アストンマーティンとホンダが公式の場で見解を示した。

    東京で行われたホンダの2026年F1パワーユニット発表イベントには、ホンダ・レーシング・コーポレーション社長の渡辺康治、アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロール、最高戦略責任者のアンディ・コーウェル、そしてF1のCEO兼プレジデントであるステファノ・ドメニカリが出席した。

    この場で話題となったのが、エンジンが静止・常温状態で測定される際には規則内に収まりながら、実走行時にはより高い実効圧縮比を実現できる可能性があるとされる手法だ。圧縮比が高いほど内燃機関の熱効率は向上し、パフォーマンスに直結するため、2026年F1レギュレーション下では極めて重要な論点となっている。

    「今年から新しいレギュレーションが始まる。レギュレーションの解釈や、それに対する運用の問題がある」と渡辺康治は通訳を介して語った。

    「これは圧縮比の話に限らず、多くの要素が議論の対象になる。だから現時点では一つ一つを切り離して考えたい。ただし、我々が明確にしておきたいのは、開発においてレギュレーションを満たし、遵守することを前提にしているという点だ」

    さらに渡辺康治は、新レギュレーションの特性について次のように続けた。

    「レギュレーションには、すべてが細部まで明確に書かれているわけではない。新しいレギュレーションの中で、各パワーユニットにおける新技術の可能性を探っていくことになる。そこには多くの解釈の余地があり、それもまたレースの一部だ」

    「それが良いか悪いかを判断するのはFIAだ。我々ホンダとしては多くの異なるアイデアを持っており、それが認められるのか、問題があるのかを理解するためにFIAと議論していきたい。レギュレーションに関する事項については、常にFIAと協議しながら進めていくつもりだ」

    ホンダ F1 本田技研工業 フォーミュラ1エンジン

    アストンマーティン側を代表して発言したアンディ・コーウェルも、この問題を長年のF1エンジン開発の文脈で捉えている。

    「圧縮比というテーマは、新しいレギュレーションが導入されるたびに必ず浮上してくる。すべての競争相手がレギュレーションを読み込み、パフォーマンスを限界まで押し上げようとするからだ」とコーウェルは述べた。

    「圧縮比は、内燃機関の熱効率を高める上で明確に重要な要素だ。だから誰もが限界まで攻める。すべてのパワーユニットメーカーが同じことをしているはずだ」

    その上で、最終的な判断を下す立場についても言及している。

    「FIAの仕事は、すべてのチームがレギュレーションを公平かつ平等に解釈しているかを確認することだ。まさに今、そのプロセスが進んでいる」

    東京でのホンダ発表イベントを経て、アストンマーティンは2月9日に2026年F1マシンを正式公開する予定だ。このマシンはエイドリアン・ニューウェイが設計を手がけた初のアストンマーティンF1車となり、ホンダ製パワーユニットとの組み合わせがどのようなパフォーマンスを見せるのか、注目が集まっている。

    2026年F1レギュレーションの下では、こうした「解釈の余地」を巡る駆け引きが、シーズン序盤から勢力図を左右する重要な要素になりそうだ。

  • ホンダF1、PU開発で電動部分は計画通りも「ICEは必ずしも同じではない」

    ホンダF1、PU開発で電動部分は計画通りも「ICEは必ずしも同じではない」

    ホンダは、野心を失うことなく、しかし現実を見据えながら、F1の大胆な新時代へと踏み出そうとしている。

    2026年F1レギュレーションの大幅改定を前に、日本の自動車メーカーであるホンダは、アストンマーティンのワークスパートナーとして初のシーズンに臨む準備を進めている。その一方で、前途が決して平坦ではない可能性について、首脳陣は率直な認識を示している。

    内燃機関と電動パワーがほぼ均等に分割される新世代パワーユニットは、競争環境を根底からリセットした。効率、統合、エネルギーマネジメントに、これまでにない重要性が置かれることになる。

    ホンダにとって、それは大きなチャンスであると同時に警鐘でもある。そうした認識が、同社幹部による異例とも言える慎重な発言につながった。

    大胆なパートナーシップと過酷なリセット
    ホンダのF1復帰は、アストンマーティンにとっても過去最大級の技術的挑戦と重なる。シルバーストーンのチームは、拡張されたファクトリー、新設された風洞施設、そして伝説的デザイナーであるAdrian Neweyの影響を受けた初のマシン「AMR26」を投入する。

    しかし、これだけのインフラが整っていたとしても、新レギュレーション下での成功が保証されているわけではないことを、ホンダは十分に理解している。

    火曜日、東京で2026年F1パワーユニットを公開した場で、Honda Racing Corporation社長のKoji Watanabeは、冷静な口調で語った。

    「もちろん、戦う以上は勝利を目指しています。しかし、2026年のレギュレーションは技術的に極めて難しく、苦戦する可能性もあります」

    「現時点では、実走テスト前の段階なので、ライバルとの差は分かりません。テストが始まってから様子を見る必要があります。長期的には、チャンピオン争いを目指していきます」

    この発言は、ホンダ、アウディ、フェラーリ、メルセデス、レッドブル・フォードという5つのパワーユニットサプライヤーすべてが直面している課題の大きさを象徴している。新レギュレーションの中で、すでに優位性を見出しているメーカーがあるのではないかという噂が広がる中での発言だった。

    ホンダ F1 本田技研工業

    長期的な自信と短期的な不確実性
    舞台裏でホンダが特に懸念しているのは、電動性能と内燃機関のバランスだ。電動化プログラム自体は計画通りに進んでいるものの、ICE(内燃機関)側の開発は想定以上に複雑なものとなっている。

    ホンダF1プロジェクトリーダーの角田哲史は、次のように説明した。

    「電動化の部分は、計画通りに進んでいます。ただし、内燃機関については、必ずしも同じとは言えません」

    「最終的には、どれだけの開発時間を確保できるかに大きく左右されます。その点を踏まえた上で、我々は現時点で可能な限りのことはすべてやり切ったと考えています」

    この率直な姿勢こそが、2026年に向けたホンダの基本スタンスを物語っている。短期的には慎重に、しかし長期的な目標については一切ぶれていない。

    ホンダはまた、ローレンス・ストロールの巨額投資によって急速に強化されてきたAston Martinが、1991年のジョーダン・グランプリ時代を起点とする歴史の中で、いまだ安定したフロントランナーとしての地位を築けていないことも認識している。

    1月26日から30日にかけて行われるバルセロナでのプレシーズンテストは、ホンダとアストンマーティンがどの位置にいるのか、そして学習曲線がどれほど急なものになるのかを初めて示す機会となる。

    それまでは、楽観論は現実主義によって抑えられる。

    ホンダにとってのメッセージは明確だ。勝利への野心は変わらない。しかし、新たな章の幕開けにおいては、パフォーマンスと同じくらい「忍耐」が重要になるかもしれない。

  • ホンダ、アストンマーティンF1との2026年へ決意「最大のテーマはワンチーム」

    ホンダ、アストンマーティンF1との2026年へ決意「最大のテーマはワンチーム」

    HRC社長の渡辺康治が2026年F1シーズン開幕を前に新シーズンに向けたメッセージを発表した。

    新レギュレーションが導入される2026年について、渡辺社長は「2026年はF1全体にとても大きな節目となるシーズンになります」と位置づけ、「そしてホンダにとっては、新たな挑戦のスタートになるシーズンです」と強調した。

    ホンダは2021年シーズン限りで一度F1活動に区切りをつけたが、渡辺社長は今回の復帰について「新たなレギュレーションによってF1が生まれ変わるこのタイミングで、再びF1に参加する決断をしました」と説明。その上で、「2026年からはアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームへのパワーユニット供給を開始します」と述べ、長期的な視点での挑戦であることを明らかにした。

    新レギュレーション下でのパワーユニットについては、「技術的難易度が非常に高く、それだけに挑戦しがいのあるものです」と語り、「電動パワーの比率が大幅に上がり、持続可能燃料を使用する新パワーユニットは、時代の求める方向性に沿ったものだと考えています」と説明した。さらに、「ホンダの先進技術を磨き、鍛える絶好の場になる」とし、F1参戦そのものが技術開発の原動力になるとの認識を示している。

    HRCの現状については、「我々HRCとしては、予算制限や技術的な課題などの厳しい状況を乗り越えて、ウインターテスト、そして開幕戦に臨むところまで歩みを進めてきました」と語った。一方で、「新しいチームと組み、新しいレギュレーションのもと、新しい燃料で、さらにコストキャップによりテストや試作機数も厳しく制限されるなかでの開発は、とても困難な道のりです」と率直な厳しさも明かしている。

    ホンダ F1 ホンダ・レーシング / 本田技研工業

    2026年シーズンの最大のテーマとして、渡辺社長が挙げたのがアストンマーティンとの関係性だ。「挑戦の初年度となる今シーズン、我々が最も大事だと認識しているのは、アストンマーティンF1とワンチーム体制を構築することです」と述べ、「単なるパワーユニットサプライヤーとコンストラクターという関係ではなく、課題や開発の思想、目指す方向性といった根源的な部分を共有したい」と強調した。さらに、「シーズンを通してその関係を進化させていくことが、2026年の最大のテーマです」と語り、この考えはチームオーナーのローレンス・ストロールとも「完全に一致している大きな目標」だとしている。

    パワーユニット開発の進捗については、「新たなパワーユニットは昨年末にファイアアップを行いました」と説明し、「現在はHRCさくらの施設で、ダミーシャシーとパワーユニットを組み合わせ、アストンマーティンF1のチームメンバーと一緒になって耐久テストや確認作業を進めています」と現状を明かした。また、開発以外の取り組みについても、「HRCの広報体制を拡充し、シーズンを通してホンダF1を盛り上げていく企画と準備を進めています」と述べ、「HRC UKとも連携し、新たな挑戦をスタッフ一丸となってサポートする体制が整ってきました」と語っている。

    実走を前にした心境については、「勝ちを狙って戦いに挑むという姿勢に変わりはありません」と前置きしつつ、「我々の戦闘力やライバルとの力関係は、実際に走り出してみないとわからないのが正直なところです」と慎重な見方を示した。その一方で、「いまは自分たちが決めたパフォーマンスをしっかり出せるかどうかを確認している段階で、その点についてはある程度の自信を持てる状況になっています」と一定の手応えも口にしている。

    完全に新設計となるパワーユニットについては、「どこに不具合が出てくるかは、実際に車体に載せて走ってみないとわかりません」とし、「ベンチでは弱い部分を洗い出していますが、実走では条件が変わるため、新たな問題が起こる可能性は十分あります」と語った。その上で、「それらを一つ一つ潰し込み、信頼性を高め、ホモロゲーションを経て、開幕戦までによりレベルの高いパワーユニットに仕上げなければなりません」と強調している。

    最後に渡辺社長は、「いまは期待と不安が入り混じる心境ですが、何が起こってもチームとともに全力でブレイクスルーする覚悟です」と決意を表明。「2026年はホンダの新たなF1活動の第一歩となるシーズンです」と位置づけ、「ホンダ・レーシングはアストンマーティンF1とともに、誠実に、そしてひたむきにこの新しい挑戦に向き合っていきます」と結んだ。ファンに対しては、「この新しい挑戦を温かく見守っていただき、全力で頑張る姿をぜひ応援していただければと思います」と呼びかけている。

  • ホンダ、新HマークをF1マシンから展開「モータースポーツが変革を牽引」

    ホンダ、新HマークをF1マシンから展開「モータースポーツが変革を牽引」

    ホンダは、RA626Hを搭載するアストンマーティンのF1マシンに、四輪事業の新たなシンボルとなる新デザインのHマークを掲げる方針を明らかにした。新Hマークは、F1を起点としてINDYCAR SERIESやSUPER GTなど各カテゴリーへ展開され、モータースポーツ活動を通じて四輪事業の変革を牽引していく。

    本田技研工業 代表執行役社長の三部敏宏は、F1で培った技術や人材を市販車開発へ還元する考えを示し、HRC仕様モデルの投入を通じて、操る喜びと走る楽しさ、そしてホンダの挑戦の情熱をお客様に届けていく姿勢を強調した。

    「RA626Hを搭載するF1マシンには、ホンダ四輪事業の新たなシンボルであり、新たなデザインのHマークを掲げます。このHマークはホンダの四輪事業の変革を象徴するもので、F1をはじめとするさまざまなモータースポーツ車両に掲げていきます」

    この新Hマークは、F1にとどまらず、INDYCAR SERIES、SUPER GT、全日本スーパーフォーミュラ選手権、スーパー耐久シリーズといったカテゴリーにも順次適用される予定だという。

    「また、HRCがF1を筆頭にモータースポーツ活動で培った技術や知見を生かし、走りを磨いたHRC仕様のモデルを市場に投入することで、モータースポーツ活動を通じて四輪事業に貢献していきます」

    その具体例として、CIVIC TYPE R HRC Conceptをベースとした市販モデルの展開にも言及した。

    「その方針を具体化したCIVIC TYPE R HRC Conceptをベースにしたモデルを市場に投入し、操る喜びや走る楽しさ、そしてホンダの挑戦の情熱を体感いただく機会をお客様に提供していきます」

    さらに三部敏宏は、F1を技術開発の最前線であると同時に、人材育成の重要な舞台と位置づけている。

    「また、F1は技術の頂点であると同時に、人材育成の場でもあります。世界の強豪たちとの競争の中で鍛えられた人材が再び商品開発に合流することで、より一層お客様に喜びと感動を提供する商品を生み出していくと考えています」

    ホンダ F1 本田技研工業

    F1人気の拡大とホンダの決意
    「近年、F1は世界的な配信サービスや映画などを通じてファン層が拡大し、鈴鹿サーキットで開催される日本グランプリの観客動員数は、昨年、サーキットの大幅リニューアルを実施した2009年以降で過去最高を記録するなど、かつてない盛り上がりを見せています」

    「ホンダとしても、これまで支えてくださったファンの皆様、そして新たな世代のファンの皆様と共に勝利の喜びを分かち合いたいと考えています」

    「ホンダは、2026年シーズンよりホンダとF1のパートナーシップを象徴する新たなロゴを掲げて活動していきます。アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームと世界の頂点を目指す姿を通じて、「挑戦のすばらしさ」を広く世界へ伝えていくことを目指して世界で戦っていきますので、応援をよろしくお願いいたします」

    本田技研工業は、F1を核としたモータースポーツ活動を通じて、ブランド価値の強化と四輪事業全体の進化を加速させていく構えだ。

  • アストンマーティンF1、ホンダとニューウェイが生んだAMR26の「過激設計」

    アストンマーティンF1、ホンダとニューウェイが生んだAMR26の「過激設計」

    アストンマーティンは、2026年F1レギュレーションを従来型の延長として解釈する道を選ばなかった。

    エイドリアン・ニューウェイ主導で開発されるAMR26は、保守性よりも挑戦を優先した存在であり、その設計思想はマシンの外観だけでなく、車両全体の構造にまで及んでいるsoymotor.comが報じている。

    このAMR26は、既存の枠組みに合わせて最適化するのではなく、レギュレーションそのものを前提から再解釈するプロジェクトとして生まれた。妥協を排した設計、そして極端とも言える技術的選択によって、チームを新たな段階へ押し上げることを狙っている。その結果が成功に結びつくかどうかは未知数だが、少なくとも「安全策」を選ばなかったことだけは明白だ。

    プロジェクトの核にある“ラディカル”という思想
    AMR26を一言で表すなら「ラディカル」だ。この言葉は単なる印象論ではない。空力コンセプトだけでなく、通常は表に出にくい領域──内部レイアウトや車両構造──にまで、その思想は貫かれている。F1マシンの総合性能を左右するのは、必ずしも目に見える空力パーツだけではなく、内部の流れや熱管理といった要素が大きく影響する。

    この方向性を理解するうえで欠かせないのが、技術面を率いるエイドリアン・ニューウェイの存在だ。ニューウェイは空力設計者という枠を超え、パッケージング、サスペンション、重量配分、さらにはマシン全体のアーキテクチャにまで深く関与する総合技術者として知られている。AMR26では、とりわけ内部ダクトなどの“見えない部分”に重点が置かれているとされ、外観上の変化以上に根本的な設計思想の転換が進められている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1

    極端なアプローチが可能になった背景
    アストンマーティンがここまで踏み込めた理由は明確だ。2026年から同チームはホンダと組むワークス体制となり、パワーユニットとシャシーを一体で設計できる環境を手にした。これにより、従来よりも自由度の高い技術的選択が可能になっている。

    さらに、チームは自社製ギアボックスの開発にも踏み切った。これは技術的自立を意味する一方で、極めて高い難易度を伴う分野でもある。トランスミッションは単体性能だけでなく、車体全体との完全な統合が求められる要素だ。AMR26では、この領域で特に苦労が重なっているとされ、ニューウェイ自身がギアボックスの配線といった細部にまで関与しているという情報もある。それは、プロジェクト全体に対する技術管理がいかに徹底しているかを示している。

    重量とバランスに隠された狙い
    AMR26の重量に関する具体的な数値は明らかになっていない。F1では実重量が共有されることはなく、外部に出回る情報は慎重に扱う必要がある。ただし重要なのは数値そのものではなく、重量配分の考え方だ。どこを軽くし、どこに質量を残すのか。その選択がマシン全体の挙動を決定づける。

    AMR26が示すアストンマーティンの覚悟
    AMR26は単なる新型マシンではなく、アストンマーティンの意思表示そのものだ。ホンダの支援を受け、エイドリアン・ニューウェイの主導のもとで、チームはあえて人の通らない道を選んだ。序盤の安定や他チームの後追いを重視するのではなく、自らトレンドを作りにいく姿勢が、このマシンには色濃く表れている。

    そのラディカルな選択が、サーキット上でどのような結果を生むのかは、時間が答えを出すことになる。ただ一つ確かなのは、アストンマーティンが2026年F1シーズンに向けて、静かなスタートではなく、大きな賭けに出たという事実だ。

  • ホンダ、2026年F1パワーユニット開発「MGU-H廃止でも難易度は下がらない」

    ホンダ、2026年F1パワーユニット開発「MGU-H廃止でも難易度は下がらない」

    ホンダは、2026年F1レギュレーションで導入される新世代パワーユニット(PU)の開発について、MGU-H廃止によって構造が簡素化されても難易度は決して下がらないとの認識を示した。

    HRC(ホンダ・レーシング)の角田哲史LPLは、ICE、電動システム、燃料、エネルギーマネジメントのすべてが刷新される新規定PUは「完全な新規開発」になると語り、その技術的な難しさと開発のポイントを明らかにした。

    2026年PUは「すべてが新規開発」
    HRCの開発責任者である角田哲史LPLは、新規定PUの難しさについて「難しさという点では、もう全部です(笑)」と率直に語った。2026年からのPUは、ICE(内燃機関)がV6ターボである点を除き、ほぼすべてが新設計となる。エンジンマウントの距離や位置は変わるものの、全体の骨格は従来と大きく変わらずに対応できる一方で、燃焼システムや燃料が変更されるため、要求される性能はまったく異なるという。

    MGU-Hの廃止により、ターボチャージャーの使い方や圧縮比の上限、可変吸気の禁止など、エンジン設計の前提条件は大きく変化した。「どのようなエンジンを作っていくか、それはまったく新しいチャレンジになりました」と述べ、ICE単体でも従来の延長線上では通用しないと説明する。

    電動系についても課題は大きい。MGU-Kの出力が大幅に引き上げられることで、バッテリーやCE(コントロールエレクトロニクス)には、これまでにない規模のエネルギー出し入れが求められる。「それに合わせた最適なバッテリーの開発と、それをうまくコントロールできるCEを作らなければならない」とし、PU全体が一からの新規開発になると強調した。

    MGU-H廃止によって構造はシンプルになると見られがちだが、角田は「シンプルになったとはいえ、難易度は高い」と指摘する。電動エネルギー量そのものが大きくなったことで、わずかな違いが明確な性能差として現れやすくなり、エネルギーマネジメントの重要性はこれまで以上に高まるという。

    エネルギーは基本的にストレートで最大限使うのが理想だが、クルマの特性によってはショートコーナーのつなぎで使う判断もあり得る。その場合、ストレートで使えるエネルギーが減るなど、常にトレードオフが発生する。また、MGU-Hがなくなったことで課題となるターボラグを補うために電気エネルギーを使うことも考えられるが、「電気エネルギーは限られているので、いつでもどこでも使えるわけではありません」と語り、使いどころの重要性を強調した。

    電気エネルギーについては「常に足りない状態」という認識で、「足りない電気をどう効率的に作り、どう使うかが大きなポイント」になるという。ICEの特性、コース特性、レース状況、さらにはドライバーの走り方によっても最適解は変わり、「とても細かなコントロールが必要」な難しい領域になるとした。

    ホンダ F1 本田技研工業 / ホンダ・レーシング

    ホンダPUの勝負どころはICEとエネルギーマネジメント
    耐久信頼性の面では、前回のPU規定初期に問題となったMGU-Hのような、未知の超高回転域や複雑な機構が今回は存在しない点を挙げ、「前回のように壊れまくるということは、あまりないかとは思います」と述べた。一方で、電動出力増大による高トルクがMGU駆動系に与える影響や、バッテリーやモーターの熱対策、温度コントロールは新たな課題になると見ている。これらは各PUマニュファクチャラーで考え方の違いが出やすく、信頼性にも影響を与える可能性があるという。

    サステナブル燃料についても影響は大きい。燃料成分に関するルールが大きく変わり、新しいハードウェアとどのようにマッチングさせるかは「仕切り直しでやらなければならない部分」だと説明する。特にサステナブルに製造・使用するという厳しい制限の中で、燃料開発は「アイデアとスピードの勝負になる部分」だと語った。

    バッテリーについては、容量自体は変わらないものの、エネルギーの出し入れ量が増えることで、エネルギーロスやデプロイの長さに差が出る可能性があると指摘する。また、劣化による性能低下も、パフォーマンスに影響を及ぼす要因になるという。

    ホンダ製PUの開発で重視している点については、「差がつきやすいところとしては、やはりICE」との認識を示した。新しい燃料と組み合わせて、いかにICEの出力を引き出すかが重要になるが、前PUで武器だった高速燃焼は、圧縮比の制限や燃料流量の変化によって「ほぼ使えなくなりました」と明かす。そのため、「新たなアイデアで性能を上げなければならない」と語り、各メーカー横並びのアイデア勝負になると見ている。

    一方で、バッテリーについては自信をのぞかせた。「活動終了を決めた後も、F1だけに限らず開発を継続していた」という経緯があり、「それだけに進化していますし、自信がある部分です」と述べている。

    エネルギーマネジメントについても、レッドブル・パワートレインズとの技術提携を通じて経験とデータを積み重ねてきた点は強みだとする。ただし、従来はMGU-HとMGU-Kでエネルギーを分担していたのに対し、新規定ではすべてMGU-Kで賄うことになるため、「エネマネの考え方もリセット」されるという。経験はあるに越したことはないとしつつも、「実際にはやってみなければわからないところ」と慎重な見方を示した。

    ウィンターテストとシーズン開幕を目前に控えた現在の状況については、「2026年シーズン用のスペックは固まっていて、今はホモロゲーションまでに信頼性を上げる開発に主眼を置いています」と説明した。ただし、「クルマに積んで実走しないと分からないことが多い」とも述べ、ウィンターテストでは実際の車体、あるいは走行状態に極めて近い車体にPUを搭載し、問題なく作動するかを確認することが非常に重要な作業になると語った。

    ICE、電動化、燃料、エネルギーマネジメントのすべてが刷新される2026年F1は、大きな転換点となる。その中でホンダは、完全新規開発となるPUで新時代への挑戦を進めている。

  • ホンダ、F1含む2026年に全カテゴリーで採用するミズノ製ユニフォーム公開

    ホンダ、F1含む2026年に全カテゴリーで採用するミズノ製ユニフォーム公開

    ホンダ・レーシングとミズノは、昨年12月18日に発表したパートナーシップ契約に基づく新ユニフォームのデザインをメディア関係者向けに公開した。

    今回発表された新ユニフォームは、F1をはじめ、MotoGP、IndyCar、IMSA、全日本スーパーフォーミュラ選手権、SUPER GT GT500クラスといったHRCが参戦する主要レースカテゴリーで着用される。

    ミズノが長年培ってきたスポーツウエア開発のノウハウと、動きやすさを追求した独自設計を採り入れ、技術を核とする両社の思想を反映したものとなっている。

    カテゴリー共通モチーフとしてのトリコロール
    新ユニフォームのデザインは、HRCデザインチームと連携して構築された。シンボルカラーであるトリコロールのラインを、全レースカテゴリー共通のデザインモチーフとして採用している。

    配色はカテゴリーごとに最適化されており、MotoGP用は身頃を赤基調、F1用は白基調、それ以外の四輪レース用はショルダー部分にネイビーを配している。HRCのトリコロールは、それぞれ赤が「勝利にかける人間の熱い情熱」、青が「理論に基づく高い技術力」、白が「モータースポーツを愛するすべてのお客さま」を象徴している。

    ホンダ F1F1

    MotoGPMotoGP

    本田技研工業Indycar/SF/ SGT/IMSA(※IMSAではAcuraロゴ入りを着用)

    作業性を高める『ダイナモーションフィット』
    新ユニフォームの大きな特徴のひとつが、動きやすさを追求したウエア設計だ。ソフトシェルジャケット、レインジャケット、ベンチジャケット、クオータージップトップといったアウター類に加え、シャツ、ポロシャツ、パンツには、人間工学に基づく動作解析によるウエア設計『ダイナモーションフィット』を採用している。

    腕の曲げ伸ばしや肩の回旋、足の屈伸動作時に生じやすい引きつれや圧迫感を軽減し、ピット作業や屋外での業務を想定した作業性の高い設計となっている。

    ニオイ対策と温度環境への配慮
    機能面では、ニオイ対策として消臭素材『ミズノデオドラントテープ』を採用。アウター類、シャツ、ポロシャツ、パンツ、キャップに使用され、汗のニオイの原因となるアンモニアや酢酸、イソ吉草酸、さらに加齢臭成分であるノネナールを中和・分解し、不快なニオイを軽減する。

    寒冷環境への対策としては、ベンチジャケットとジレに吸湿発熱素材『ブレスサーモ』を採用。体から常に放出される水分を吸収して発熱し、その熱を繊維間に取り込むことで保温性を確保する。汗をかいてもムレにくく、ドライで快適な衣服内環境を維持できる点が特徴だ。

    一方、暑さ対策としては、ポロシャツやTシャツに吸汗速乾素材『ドライサイエンス』を使用。汗を素早く吸収・拡散し、衣服と肌とのべたつきを抑えることで、ウエア内を快適な状態に保つ。

    安全性と環境配慮を両立
    作業時の安全性や冬場の着用環境を考慮し、静電気を低減する制電性能を持つ素材を、ベンチジャケット、ジレ、ポロシャツ、シャツ、Tシャツ、パンツ、キャップに採用している。

    また、環境配慮の観点から、ケミカルリサイクルによって作られたリサイクルポリエステル素材や再生PET素材を積極的に使用。ベンチジャケット、ジレ、ソフトシェルジャケット、ポロシャツ、Tシャツ、パンツ、キャップに採り入れられている。

    2026年に向けた展開
    新ユニフォームは、MotoGP、F1、IMSA、IndyCar、全日本スーパーフォーミュラ選手権、SUPER GT GT500クラスで着用される予定だ。IMSAでは、Acuraロゴ入りの仕様が用意される。

    HRCとミズノは、今回の新ユニフォームデザインをベースにしたファングッズの展開も計画しており、2026年内に一部ラインアップを販売予定としている。HRCブランディングのグッズを通じて、ファンとともにレースの感動と情熱を共有する機会を創出していくとしている。