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  • ピレリ:F1イタリアGP プレビュー

    ピレリ:F1イタリアGP プレビュー

    ピレリが、2014年 第13戦 F1イタリアGPが開催されるモンツァをタイヤメーカーの観点から解説した。

    ミラノに位置するピレリの本社から車で30分ほどの距離にあるモンツァで開催されるイタリアGPは、ピレリにとってのホームレース。今年のF1タイヤは、この本社で設計されている。

    有名なパラボリカのような高速コーナーによって、非常に大きな横方向の荷重がかかり、長いストレートとそれに続く低速シケインのため、急加速と急減速といった大きな縦方向の荷重も発生する。

    このため、ピレリは、タイヤレンジ中で最も硬い組み合わせであるP Zeroオレンジ・ハードとP Zeroホワイト・ミディアムを選択。タイヤにかかる荷重とともに、モンツァの有名な特徴である高い縁石がタイヤ構造へダメージを与える。ドライバーたちは、最速のレーシングラインを見出すために数多くの縁石を使い、タイヤは、衝撃を吸収する際にサスペンションの一部としての役割を担う。今シーズン、レギュレーションによって空力ダウンフォースが削減されているため、コーナリングスピードは遅くなるものの、マシンは、シーズン中でも屈指の最高速度である約360km/hに達する。

    スパ同様、モンツァでは、タイヤに大きな負荷がかかる。ストレートでのトップスピードは360km/hを超える。短時間で250km/h減速するブレーキングエリアでは、4.5Gの縦方向の荷重が発生する。このようなコンディションが重なることによってコンパウンドの温度が上昇し、トレッド表面は130℃に達する。

    ミディアムタイヤは作動温度領域が低く、広範囲の低い温度条件下でも最適な性能を発揮できるコンパウンド。ハードタイヤは、対照的に作動温度領域が高く、高温のコンディションに適したコンパウンド。通常、モンツァでの気温は温暖だが、昨年の決勝直前の雨を含めて、過去には雨が降ったこともある。

    速いラップタイムの鍵となる高速ストレートでのスピードを最大限にするために、ドライバーは、シーズン中で最も低いダウンフォースセットアップを使用する。このため、コーナー通過時に必要な全てのメカニカルグリップをタイヤが担うことになる。

    昨年の勝利戦略は1ストップだった。レッドブルのセバスチャン・ベッテルが、ミディアムタイヤでスタートし、23周でハードタイヤへ交換した。フェラーリのフェルナンド・アロンソは、ベッテルと同様の戦略を採り、5番グリッドからスタートして2位でフィニッシュした

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ホームでのレースは、いつも我々に大きな喜びと誇りを感じさせてくれます。それは、通常レース開催地へ赴くことのない多くの同僚が、レースで活躍する自分達のタイヤを見ることができる唯一の機会だからです。“スピードの殿堂”として知られるモンツァでのホームレースは、その高速なレイアウトによって、シーズン中で最もタイヤに厳しいレースのひとつとなっています。一般的に、サーキットが高速になればなるほど、負荷に伴う熱の蓄積によってタイヤにはより厳しくなります。モンツァでは、ストレートでのトップスピードを最大限にするために、マシンは非常に低いレベルのダウンフォースセットアップで走行します。この点が、タイヤに新たな影響を及ぼします。それは、ダウンフォースが減少することによって、マシンはスライドしやすくなり、モンツァの鍵的要素であるブレーキングエリアでホイールをロックアップするリスクが高まるためです。ロックアップがフラットスポットを生成する可能性がありますが、今シーズンのタイヤ構造とコンパウンドによって、フラットスポットは以前よりも発生しにくくなっています」

    ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
    「モンツァでのルールはただ一つ、300km/hよりも400km/hに近いトップスピードに対応する最適な方法を見出すことです。長いストレートでスピードを最大限にするために、非常に低いダウンフォースが求められます。したがって、ドライバーの主な課題はリアタイヤのケアになります。そのために、シケイン出口での良好なトラクションを得るセットアップが必要です。さもなければ、リアタイヤの摩耗が大きくなり、ブレーキ制動距離が長くなるため、ラップタイムの悪化につながります。しかし、それだけではありません。モンツァでのトップスピードは、マシンが今にもトラックから浮かび上がりそうな‘リフト’現象を感じさせます。これはモンツァでのみ体験できるもので、時にはストレートでマシンを直線上に維持することが難しく感じることさえあります。私は常にモンツァが大好きで、何度か優勝争いを演じました。グランドスタンド前でファンの歓声を聞くと、信じられないほどの感動を覚えます。私の時代は12気筒エンジンでしたが、今年はより静かな6気筒ターボエンジンですから、ドライバーたちは、ファンの歓声をより大きく感じることができるでしょう…」

  • ピレリ:F1ベルギーGP 予選レポート

    ピレリ:F1ベルギーGP 予選レポート

    ピレリが、F1ベルギーGPの予選を振り返った。

    F1ベルギーGPの予選では、メルセデスのニコ・ロズベルグが、Cinturato グリーン・インターミディエイトタイヤを使用してポールポジションを獲得し、スパにおける過去6年で6人目のポールシッターとなった。メルセデスが他のライバルチームに対して約2秒のペースアドバンテージをキープして、ニコ・ロズベルグがトリッキーなコンディションの中、チームメイトのルイス・ハミルトンを抑えた。

    予選前に激しいレインシャワーがあり、気温10℃、路面温度19℃のフルウェットコンディションでのセッション開始となった。

    Q1開始時は、インタミディエイトタイヤとフルウェットの両方が使用されていたが、セッション終了までに全ドライバーがインターミディエイトに移行した。

    Q2に進出した全チームもインターミディエイトを使用した。セッション終了間際、トラックがわずかに乾いた状態となり、多くのドライバーが自己のタイムを更新した。

    Q3で速いタイムを計測する鍵は、セッションのできるだけ遅い時間帯でフィニッシュラインを越えることだったが、スリックタイヤに移行するほどのドライコンディションには至らなかった。ポールポジションは、セッション終了直前、メルセデスの両ドライバーによる緊迫したバトルでの決着となった。

    本日の雨によって、全チームが降るアロケーションの新品スリックタイヤを明日の決勝用に持っていることになる。メルセデスは予選でtップ2を独占したが、FP3では2台ともトップ2に入ることができなかった。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ウェットコンディションでの予選でしたが、明日の決勝はドライレースが予測されているので、今日得られたデータが明日の決勝への関連性を持たないこともあり、各チームは難しいタスクに直面します。今回の予選での課題は、通常のウェットコンディションへの対処とは異なり、サーキットのある部分が非常にウェットであっても、他の部分がそれよりもドライであるといった副z綱コンディションに対処することでした。このような状況下で良く見られるように、速いラップタイムを計測するタイミングが決定的となるエキサイティングな予選となりました。決勝では2ストップを予測していますが、スピードに自信のあるチームは3ストップに挑んでくるかもしれません。予選でスリックタイヤが全く使われませんでしたので、明日の決勝では、各チームはあらゆる選択肢を可能にする新品スリックタイヤを持っていることになります」

    関連:F1ベルギーGP 予選:ニコ・ロズベルグがポールポジション

  • ピレリ:F1ベルギーGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリ:F1ベルギーGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリが、F1ベルギーGPの金曜フリー走行を振り返った。

    F1シーズンが、冷涼なコンディションのスパで再開した。このコンディションは、アルデンヌ丘陵に位置する伝説的な全長7kmのサーキットの特徴のひとつ。気温18℃前後の中、午後の路面温度は30℃まで上昇した。

    メルセデスが両フリー走行セッションでワンツーとなった。午前中のFP1では、ニコ・ロズベルグがPZeroホワイト・ミディアムで、午後のFP2では、ルイス・ハミルトンがPZeroイエロー・ソフトで、それぞれ最速タイムを記録した。

    今回のタイヤの組み合わせは、全てのマシンに多彩なペースと戦略を提供するために選択されているが、最高速度を得るために両コンパウンドを注意深くマネージする必要がある。特に、今年から採用されたハイブリッド・パワーユニットと空力ダウンフォースの減少を特徴とする最新型マシンにとって、タイヤ戦略を際立たせるために、フリー走行で大量のトラックデータを収集することが重要課題となった。ラップあたり1.8〜2.0秒存在する両コンパウンド間のタイム差が戦略の鍵を握ることになるだろう。

    フリー走行は通常のパターンに沿って行われ、FP1では全てのマシンがミディアムコンパウンドのみを使用した。ドライバーたちはFP2でソフトタイヤの使用を開始し、相対的な性能レベルを評価するために、両コンパウンドを使用して多様な燃料搭載量でのロングランを行っていた。ここで得られた情報を用いて、最適な戦略の計算が可能になる。

    しかし、スパの特徴である変わりやすい天候も考慮しなければならない。明日以降の週末も冷涼な天候が続きそうだが、明日は雨の可能性もある。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「世界最高峰のサーキットのひとつであるスパはいつも楽しみです。今年はダウンフォースが減少しているため、マシンがスライドしやすくなり、オー・ルージュをアクセル全開で駆け上がるドライバーたちには最大限の勇気が求められるので、おそらく、さらに見応えのあるレースとなるでしょう。本日の冷涼なコンディションは、明らかにタイヤ性能に影響を及ぼしました。明日以降も同様のコンディションとなりそうで、土曜日には雨が降る可能性もあります。低い気温にも関わらず、グレイニングの発生はごくわずかで、大きなサプライズはありませんでした。これから、いつものように全てのデータを入念に分析しますが、ここまで見た限りでは、タイヤは我々の期待通りの動作を示しており、決勝では2ストップが主流になると思います」

    関連:
    ・F1ベルギーGP フリー走行2回目:ルイス・ハミルトンがトップタイム
    ・F1ベルギーGP フリー走行1回目:ニコ・ロズベルグがトップタイム

  • ピレリ:F1ベルギーGP プレビュー

    ピレリ:F1ベルギーGP プレビュー

    ピレリが、2014年 第12戦 F1ベルギーPが開催されるスパ・フランコルシャンをタイヤメーカーの観点から解説した。

    F1は、3週間のサマーブレイクを終え、シーズン中で最も熱い期待が寄せられるレースの地であるスパ・フランコルシャンで再開する。

    スパでは、昨年よりも軟らかい組み合わせのP Zero ホワイト・ミディアムタイヤとP Zero イエロー・ソフトタイヤが選択されており、多様な戦略を促す。

    シーズン中で最長のラップである全長7kmを超えるスパは、高速ストレート、アクセル全開のコーナー、粗いアスファルト、急な勾配などが混在し、タイヤに最大限の負荷を課す。

    さらに、時に激しい豪雨を伴う変わりやすい天候もまた、アルデンヌ山脈に位置する美しいこのサーキットの特徴のひとつ。これらの特徴は、すべてセーフティカー導入の可能性を高めるため、効果的な戦略を構築する洞察力や迅速な対応能力が不可欠となる。サーキットの一部で雨が降っている場合でも、完全にドライバな部分が混在することも珍しくないため、マシン、タイヤ、そしてドライバーの汎用性が限界まで試される。

    スパの鍵は、あらゆる方向から科せられるタイヤへの大きな負担をマネージすること。例えば、エンジン全開の300km/hで走行するオー・ルージュでは、縦方向に-1G、横方向に5Gの負荷が課せられる。このため、シーズン中に他では見られない、比類のない負荷がタイヤ構造とタイヤショルダーにかかる。

    ミディアムタイヤは作動温度領域が低く、スパでしばしば見られる広範囲の引く温度条件下でも最適な性能を発揮できるコンパウンド。ソフトタイヤは、対照的に作動温度領域が高く、高温のコンディションに適したコンパウンド。スパでの雨は珍しくないが、先月行われたスパ24時間レースや昨年のベルギーグランプリでは雨は降らなかった。

    スパで使用されるローダウンフォースのセットアップは、ブレーキングに影響を及ぼす。ブレーキング時にマシンを押さえつける力が少ないため、ホイールをロックアップするリスクがあり、フラットスポットによるタイヤへのダメージに繋がる可能性がある。

    昨年の勝利戦略は2ストップだった。2番グリッドからスタートしたレッドブルのセバスチャン・ベッテルが、2スティントをミディアムで、最終スティントをハードタイヤで走行して優勝した。ロータスのロマン・グロージャンは、1回のみのストップで8位に入賞した。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「スパは、シーズン中でも屈指の雄大なサーキットであり、我々にとって、GTレースやスパ24時間レースでの経験からも馴染の深いサーキットです。非常に幅広いレンジのトラックコンディションと、ベルギーにありがちな天候状態の下で均等に機能できる適応力のあるタイヤが鍵となる要素です。スパでは、複数の負荷がタイヤにかかるため、タイヤの摩耗とデグラデーションのレベルは伝統的に高くなりますが、2011年以来初めて、ミディアムタイヤとともにソフトタイヤが予選でのメインタイヤとなりそうです。また、スパでは戦略が大きな要素となります。すなわり、他の多くの開催地よりも、的確なタイヤをタイミングよく使用することが勝敗を左右します。通常の状況下、最下位からトップへ立つことが可能となるようなレースであることが、常にベルギーグランプリを非常にエキサイティグなものにしています」

    ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
    「スパは、ドライビングの楽しさに関してはベストと言えますが、ウェットおよびドライコンディションの両方で非常に難しいサーキットです。タイヤからの観点では、まさに厳しいサーキットです。アスファルトは非常に粗いため、タイヤの摩耗レベルは常に高くなります。私のデビュー当時は予選タイヤが存在しました。予選タイヤを使用すると、1周のフライングラップ中にもブリスターが発生したものです。ピット直前のバスストップシケインに到達する前にタイヤは大きく摩耗していまっした。現在のタイヤは、当時と異なり耐久性が増してます。スパでは、非常に低いダウンフォースが求められます。さもなければ、タイムを稼ぐポイントであるストレートでのスピードが得られません。サーキット路面の粗さは、頻繁に遭遇するウェット時でのアドバンテージとなります。雨が降っている時でさえ、路面にはグリップが残っています」

  • ピレリ:F1ハンガリーGP 決勝レースレポート

    ピレリ:F1ハンガリーGP 決勝レースレポート

    ピレリが、F1ハンガリーGPの決勝レースを振り返った。

    F1ハンガリーGPでは、レッドブルのダニエル・リカルドが、ピレリがタイトルスポンサーを務めたハンガリーグランプリでキャリア通算2勝目を挙げ、ドライバーズ選手権3位の座を維持した。

    ダニエル・リカルドは3ストップ戦略を採り、Cinturatoグリーン・インターミディエイトタイヤでスタート後、続く3スティントを全てP Zeroイエロー・ソフトタイヤで走行した。

    フェラーリのフェルナンド・アロンソは、ピットレーンからスタートして3位でフィニッシュしたメルセデスのルイス・ハミルトンの猛追をかわして2位の座を死守。両者ともにインターミディエイトでスタート後、2ストップ戦略を採った。

    ルイス・ハミルトンは、第2スティントをソフトで、最終スティントをミディアムタイヤで走行。アロンソは、最終2スティントでソフトタイヤのみを使用し、38周目に最終ピットストップを行った。したがって、アロンソはソフトタイヤで32周を走行したことになる。

    各マシンがスターティンググリッドに着く直前、レースにとって重要な意味を持つことになるにわか雨が降り、各チームは、スタート時に装着するタイヤとして、Cinturatoブルー・フルウェットかCinturatoグリーン・インターミディエイトの選択を迫られることになった。グリッドに並ぶ前、フルウェットかインターミディエイトかを注意深く判断するレコノサンスラップ走行後、全ドライバーがインターミディエイトタイヤでスタートすることを選択した。

    セーフティーカー導入周回中の8周目および9周目、事前に計画していた各チームの戦略は一変し、15周目までステイアウトしたマクラーレンのケビン・マグヌッセンとインターミディエイトへ交換したジェンソン・バトンを除く全ドライバーがP Zeroイエロー・ソフトタイヤへ交換し、急速に乾いていくトラック上を走行した。バトンの戦略は機能せず、わずかの間首位を走行したが、最終的には10位でフィニッシュした。

    レース中に雨天用タイヤが使用されたため、2種類のドライコンパウンドの使用義務は無くなった。このため、上位勢から下位勢まで順位が絶えず入れ替わる非常にエキサイティングなレースが展開され、多様な戦略が見られた。レース中のある時点では、ミディアムとソフトが均等に使用されていた。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ハンガロリンクでの今日のレースは、タイヤ戦略がいかにレースに役立つのかを示しました。我々がFormula Oneに復帰した2011年に主催者や各チームから受けた指示通り、今日のレースもまた、タイヤと戦略が非常にエキサイティングなレースの演出に貢献しうることを見せてくれました。レース直前に降った雨も、各チームが雨天用タイヤのどちらを装着してスタートするのかを判断する材料となりました。ゴール直前まで大接戦が見られ、正しい戦略の選択や変化する状況への対応力の重要性を強調していました。これでFormula Oneはサマーブレイクに入ります。Formula Oneが新しい世代に突入した中で18インチタイヤのイメージを確認することもできた前半戦は素晴らしいの一言に尽きると思います。ベルギーグランプリから始まる見応えのある後半戦が楽しみです」

  • ピレリ:F1ハンガリーGP 予選レポート

    ピレリ:F1ハンガリーGP 予選レポート

    ピレリが、F1ハンガリーGPの予選を振り返った。

    F1ハンガリーGの予選ではメルセデスのニコ・ロズベルグが、3戦連続で今シーズン6度目のポールポジションを獲得。ハンガロリンクでは、過去28戦中13戦がポールポジションからの優勝であるため、ロズベルグはポール獲得によって、ハンガリーグランプリ決勝で優位な位置に立った。また、現ワールドチャンピオンのセバスチャン・ベッテルがフロントローに並んだ。

    昨日のフリー走行時と同様のコンディションとなった今日の予選での、決勝を睨んだ戦略の中心は、約1.6秒というP Zeroホワイト・ミディアムとP Zeroイエロー・ソフト間のラップあたりの性能差だった。Q1では、約半数のドライバーがQ2進出を確実にするためにソフトタイヤを使用したため、ミディアムタイヤを使用し続けることにQ1脱落のリスクが伴うことになった。

    Q2では進出したドライバー全員がソフトタイヤを使用した。一方、Q3では、にわか雨の中でのセッション開始直後の事故による赤旗中断があり、その時点では誰もタイムを計測できていなかった。セッション再開後、路面温度39℃のトラックは急速にドライ状態となり、トップ10ドライバーは再度ソフトタイヤを装着してコースへ復帰した。

    Q3に進出したドライバーに軟らかい方のコンパウンドが1セット追加供給される今シーズンの新しいレギュレーションの利点を活かし、大半のドライバーがタイム計測を3回行った。Q3に進出できなかったドライバーへの対応措置として、彼らには決勝で使用可能なコンパウンドが1セット追加供給される。

    午前中に行われたFP3では、メルセデスのルイス・ハミルトンがソフトタイヤで最速タイムを記録し、ハンガリーグランプリの全フリー走行セッションでトップに立った。ハミルトンは、マシンからの出火によってグリッド後方からのスタートとなってしまったが、スタート時に装着するタイヤが自由に選択できることから、オーバーテイクが非常に困難と言われるトラック上で活路を見出すタイヤ戦略を採ることが可能になる。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「Q3のにわか雨は、ほんのわずかの雨でさえ状況を一変させる可能性があることを示しました。明日の天候にも不安定要素がありますので、決勝でも同様の影響を及ぼすことがあるかもしれません。路面が次第に乾いてラップタイムが速くなったために、予選ラップ計測のタイミングが極めて重要になりました。特に、セッション終盤には再度雨雲が見られ始めましたのでなおさらでした。決勝の戦略は、トラフィックに依存するものの3ストップが理論的に最速ですが、2ストップが主流になると予測しています。両コンパウンド間の性能差のため、デグラデーションレベルの低いソフトタイヤがメインのレースタイヤになると思います。したがって、ソフトコンパウンドの性能をいかに最大限に活用するかが戦略の中心になるでしょう」

  • ピレリ:F1ハンガリーGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリ:F1ハンガリーGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリが、F1ハンガリーGPの金曜フリー走行を振り返った。

    ハンガロリンクでの2回のフリー走行セッションは、暑くドライなコンディションで行わた。午後のセッション時の気温は、午前よりも12℃も上昇。メルセデスのルイス・ハミルトンが、午前中のFP1ではP Zeroホワイト・ミディアムタイヤで、午後のFP2ではP Zeroイエロー・ソフトタイヤを使用して、それぞれセッション最速タイムを記録した。

    ハンガロリンクには、マシンがメカニカルグリップに依存する14の厳しい低中速コーナーが存在する。タイヤへの厳しさや、マシンをスライドさせタイヤへの負荷を増大させる“ダーティー”な路面にも関わらず、デグラデーションは両セッションを通じて低いレベルだった。

    両コンパウンド間にはラップあたり約1.6秒の性能差が見られたため、FP2では、早めにソフトコンパウンドへ移行したレッドブルの両ドライバーがハミルトンの牙城を崩すことに成功し、わずかの間ながらタイムシートのトップに位置した。

    決勝では2ストップが予測されるが、両コンパウンド間のタイム差が大きいため、ピットストップのタイミングが非常に重要になる。ピレリと各チームは、決勝で使用する戦略について、より正確な読みが可能となるように、多様な燃料搭載量での走行によって収集した本日のデータを分析する。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ミディアムとソフトの両タイヤが、ハンガリーで期待通りに機能していることに満足しています。ハンガロリンクは低速であるにも関わらず、特に適切なセットアップを行っていないと、タイヤが非常に酷使されるサーキットです。現時点での両コンパウンド間の性能差は、ラップあたり約1.6秒となっていますが、特にソフトタイヤに低いレベルの熱によるデグラデーションが発生していますので、このタイム差はこの後もさほど変わらないと思います。決勝では2ストップを予測していますが、理論的に最速な戦略についてのより具体的なアイデアを得るために、全てのデータを入念に分析する必要があります」

  • ピレリ:ベルギー、イタリア、シンガポールGP用のF1タイヤ選択を発表

    ピレリ:ベルギー、イタリア、シンガポールGP用のF1タイヤ選択を発表

    ピレリは、第12戦ベルギーGP、第13戦イタリアGP、第14戦シンガポールGPの3戦で使用するタイヤコンパウンドを発表した。

    F1ベルギーGPの舞台となるスパ・フランコルシャンは、F1カレンダーでも屈指の過酷さを誇るサーキット。変わりやすい天候と路面コンディションを考慮して、ミディアムとソフトタイヤを選択した。

    ピレリの母国グランプリでもあるF1イタリアGPは、超高速サーキットのモンツァが舞台。強大なトラクションとブレーキング、高温になることもあるコンディションにタイヤが耐えられるように、最も硬いハードとミディアムの組み合わせを持ち込む。

    ナイトレースで開催される市街地レースのシンガポールGPでは、独最大のメカニカルグリップをもたらすべく、最もも軟らかいソフトとスーパーソフトが持ち込まれる。

  • ピレリ:F1ハンガリーGP プレビュー

    ピレリ:F1ハンガリーGP プレビュー

    2014年 第11戦 F1ハンガリーPが開催されるハンガロリンクをタイヤメーカーの観点から解説した。

    ピレリと各チームは、今シーズン唯一のヨーロッパでのグランプリ2週連続開催のため、ホッケンハイムからブダペストまで800kmの距離を移動する。ハンガロリンクは、1986年、かつての「鉄のカーテン」の向こう側で最初にF1が開催されたサーキット。

    ハンガロリンクは常設サーキットだが、メカニカルグリップが強調されるタイトでツイスティなコーナーやグリップレベルの低い路面など、多くの市街地サーキットの特性を持ち合わせている。

    過去には、レースが非常に暑いコンディションで行われることが多いとはいえ、雨も不確定な要素となっている。

    ピレリは、P Zero ホワイト・ミディアムとP Zero イエロー・ソフトタイヤを持ち込む。この組み合わせは性能と高い気温への対応力との適正なバランスを提供する。ハンガロリンクは、特にタイヤに厳しいサーキットではないが、絶え間なくコーナーが続くコースのため、ラップを通してコンパウンドをクールダウンする機会があまり得られないという特徴を持っている。

    ハンガロリンクは、トラクション、ブレーキング、横方向の荷重がバランスより配置されたサーキット。マシンは、低速コーナーでメカニカルグリップを最大限に活用するために最大レベルのダウンフォースセットアップで走行する。

    ミディアムタイヤは作動温度領域が低く、広範囲の低い温度条件下でも最適な性能を発揮できるコンパウンド。ソフトタイヤは、対照的に作動温度領域が高く、高温のコンディションに適したコンパウンド。ハンガロリンクでの気温は、シーズン中で最も高い部類に入ることも珍しくない。

    ハンガロリンクでは、タイヤに複数の力が同時に課せられることがしばしばある。空力ダウンフォースによって、垂直方向の力がタイヤを押し付ける。同時に、コーナー通過時には、横方向の負荷が、加速と減速には、縦方向の力がタイヤに加えられることになります。これらは全てタイヤ構造の負荷を増大させます。

    2013年の勝利戦略は3ストップだった。ルイス・ハミルトンが、ミディアムとソフトを使用して、メルセデスでの初勝利を飾った。ロータスのキミ・ライコネンは、2ストップ戦略で2位を獲得した。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ハンガリーは、そのトリッキーなレイアウトでよく知られており、オーバーテイクや、コース全体への完璧なセットアップを見いだすことが難しいところですので、トラックポジションを上げるきちょな機会を提供する戦略が特に重要になります。ハンガリーでは、通用、天候状態も話題になりますが、我々のタイヤはホッケンハイムの非常に高い路面温度の下でも性能を発揮しましたので、ここでも問題無いことを確信しています。ハンガリーへ持ち込むタイヤの組み合わせは、増大する厳しさへ対応するために、ホッケンハイムより1段階硬いものとなっています。したがって、通常通り2ストップを予測していますが、金曜フリー走行後には、より明確な予測ができると思います」

    ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
    「近年、ハンガロリンクはポジティブな方向に変わったと思います。全体的に低速コーナーで構成され、低速ギアでの加速が多いため、最大レベルのダウンフォースのセットアップで走行することになりますが、今では最大限にプッシュ可能な箇所もいくつか存在します。良好なトラクションを維持することが主な技術的な課題であり、何よりも大事なことは、リアタイヤをケアすることです。さもなければ、最終的にグリップと制動力を失うことになります。このサーキットでの鍵となるポイントがいくつかあります。例えを挙げると、ピットを出た後の第2コーナーです。ここは、下り勾配の左周りコーナーで、急角度のように見えますが実際はそうではありません。したがって、続く右回りのコーナーのためのベストラインを維持するために、インサイド側を走行し続ける必要があります。実際、ハンガロリンクでは、全てのコーナーが次のコーナーへ影響を及ぼしています。全てのコーナーで、ドライバーには慎重なスロットル調整が求められますが、今年のマシンはトルクが増大しているため、この作業が容易ではありません。したがって、各コーナーで理想的なレーシングラインを維持することが極めて難しくなっているように思います」

  • ピレリ:F1ドイツGP 決勝レースレポート

    ピレリ:F1ドイツGP 決勝レースレポート

    ピレリが、F1ドイツGPの決勝レースを振り返った。

    ニコ・ロズベルグが自身のホームグランプリで優勝し、ドライバーズ選手権でのリードを広げた。ロズベルグは、第1スティントをP Zeroレッド・スーパーソフトで、続く2つのスティントをP Zeroイエロ・ソフトで走る2ストップ戦略を採った。

    ニコ・ロズベルグにとって、初めてのドイツGPでの表彰台となった。また、バルテリ・ボッタスの3戦連続表彰台によって、ウィリアムズは通算300回目の表彰台獲得を達成した。

    ニコ・ロズベルグのチームメイトのルイス・ハミルトンは、予選でのアクシデントのために20番グリッドからスタートし、17台を抜いて3位でフィニッシュした。ルイス・ハミルトンは、レース中に2ストップから3ストップ戦略へ変更し、最初の2スティントをソフトタイヤで、最終2スティントをよりスピードの速いスーパーソフトで走行した。ハミルトンは、スーパーソフトで17周の最終スティントを走行したが、このスティント中に決勝のファステストラップを記録した。この戦略によって、終盤、ハミルトンはボッタスとの接戦を展開し、フロントウィングを損傷しながらも、ロスベルグとわずか22秒差でフィニッシュした。

    スターティンググリッド上位勢全員が、ソフトよりもラップあたり1秒速いスーパーソブトでスタートした。路面温度は20℃以上と、過去2日間よりは低くなったため、各チームには新たな課題が与えられることになったが、予測された雨が降ることはなかった。そして、ドライバーたちは全力でプッシュすることが可能となり、終始、大接戦が展開された。306kmを走行したにも関わらず、5位のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)と6位のダニエル・リカルド(レッドブル)とのフィニッシュ時の差は、わずか0.1秒未満だった。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「過去2日間よりもかなり冷涼なコンディションとなったため、高温時と比較したタイヤ動作に関して、各チームは未知の領域での作業に取り組んでいました。多くの接戦や、時には大接戦が展開され、これらもまたタイヤの摩耗とデグラデーションに影響を及ぼしました。予測通り、2〜3ストップのレースとなり、表彰台3名中、優勝者を含む2名が2ストッパーでした。ハミルトンは、直接のライバルたちよりも1回多いストップを行ったものの、彼の戦略は、グリッド遥か後方のスタートから表彰台争いに加わることを可能にしました。ソフトとスーパーソフトという我々のタイヤ選択は、多様な戦略が展開される中、終始、アクション満載でエキサイティングなバトルを確実にしてくれたと思います」

    関連:F1ドイツGP 結果:ニコ・ロズベルグが母国グランプリ初優勝