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  • ジョージ・ラッセル F1オランダGP予選2番手「決勝ではマクラーレンより速い」

    ジョージ・ラッセル F1オランダGP予選2番手「決勝ではマクラーレンより速い」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1オランダGPの予選で2番手を獲得。ポールポジションには届かなかったものの、メルセデスの決勝ペースには強い自信を示し、「おそらく僕たちの方が少し速いレースカーを持っている」とマクラーレンとの勝負に期待を寄せた。

    スプリントでポール・トゥ・ウインを飾ったラッセルは、予選でもランド・ノリスとポールポジションを争った。雨が降り始めるなか、最後はノリスが1分11秒163を記録し、ラッセルは0.102秒差の2番手。

    チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリも3番手につけ、メルセデス勢がノリスを挟み撃ちできるグリッドを確保した。

    「ランドは素晴らしい仕事をした。彼とマクラーレンを祝福したい」とラッセルは予選後に語った。

    「僕たちにとっても強いセッションだった。ポールを争えるだけのものはあると思っていたけど、2番手にはかなり満足している。特に夏休み前の数戦はかなり厳しかったから、また自分のリズムを取り戻して、明日は彼らと戦いたい」

    「いい状態にいると感じているし、また自分らしく走れている。それは本当に重要なことだ。このサーキットを走るのはすごく楽しかったし、気温が低かったことでコースも本当に速く感じた。僕たち全員にとって走るのが楽しいコンディションだったし、決勝が楽しみだ」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) オランダグランプリ

    メルセデス2台でノリスに戦略的プレッシャー
    ラッセルが決勝に向けて強調したのは、メルセデスが2番手と3番手を確保したことによる戦略上の優位性だ。

    「かなりいい位置にいると思う。僕とキミが2番手と3番手にいるから、戦略的にランドへ少しプレッシャーをかけられるチャンスがある」

    さらにラッセルは、ザントフォールトでは予選で速かったマクラーレンよりも、決勝ではメルセデスの特性が有利に働く可能性があると分析した。

    「おそらく僕たちの方が彼らより少し速いレースカーを持っていたと思う。ランドも言っていたように、彼らは高速コーナーでとても強そうだ」

    「でも、ここみたいにタイヤデグラデーションが大きいコースでは、決勝でそのパフォーマンスをすべて使うことはできない。タイヤにあまりにも大きなストレスがかかってしまうからね。だから決勝では僕たちの方に流れが来ると思っている」

    ラッセルは当初、フェラーリも勝負に絡んでくると予想していたが、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールはそれぞれ5番手と6番手にとどまった。

    「フェラーリは僕たちが予想していたより少し後ろだった。彼らが最大の脅威になると思っていた。だから、勝負はこれからだ」

    スプリントで速さを証明したラッセルに加え、アントネッリも3番グリッドからスタートする。ポールのノリスに対し、メルセデスは2台を使った戦略も可能となるだけに、決勝では予選とは異なる構図の首位争いとなりそうだ。

  • ジョージ・ラッセル F1オランダGPスプリントPP「婚約指輪を渡して軽くなったかな」

    ジョージ・ラッセル F1オランダGPスプリントPP「婚約指輪を渡して軽くなったかな」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1オランダGPのスプリント予選でポールポジションを獲得。サマーブレイク中に長年のパートナーであるカルメン・モンテロ・ムントと婚約したことを引き合いに出し、無線で喜びを表現した。

    メルセデスのラッセルは、ザントフォールトで行われたスプリント予選でランド・ノリス(マクラーレン)をわずか0.041秒差で退けてトップタイムを記録。今季3度目のスプリントポールを獲得し、厳しい形で終えたシーズン前半戦からの再スタートを飾った。

    「婚約指輪で少し軽くなったかな」
    ポールポジションを決めた直後、ラッセルはチーム無線でジョークを飛ばした。

    「よし! 婚約指輪のおかげで少し軽くなったかな!」

    28歳のラッセルはサマーブレイク中、長年交際してきたカルメン・モンテロ・ムントにプロポーズし、婚約を発表していた。

    パルクフェルメでは、好調な形で後半戦をスタートできたことへの安堵を口にした。

    「シーズン前半の最後は厳しかったから、こうして戻ってこられて本当にうれしい」

    「ラップの感触はすごくよかった。スプリント予選はまとめるチャンスが1周しかないから、いつも難しい。でも今回はすべてがうまくまとまった」

    ラッセルにとって、セッションをトップで終えるのは久しぶりだった。

    「どのセッションでもタイムシートのトップに立つのはしばらくぶりだった。最後がいつだったのか思い出せないくらいだ。まだ自分が運転できるんだって、自分自身に思い出させることができてよかったし、今回の休みはいいタイミングだった」

    ただし、ラッセルはスプリントのポールだけで週末の勢力図を判断することには慎重だ。

    「でも、これはまだスプリントにすぎない。重要なのはメインの予選だ。マクラーレンは本当に速そうだし、フェラーリも速い。ここ数戦はチームとして僕たち自身も驚くようなところがあったけど、今はいい位置にいる」

    「今週末は本当に先入観を持たずに入った。どうなるのかまったく分からなかったからね」

    「自信が最高の状態だったわけではない。でも、自分自身とマシンからどんなフィーリングが必要なのかを思い出して、シーズン最初のレースのように考えて、あまり考えすぎないようにした」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) / オランダグランプリ

    ヴォルフも婚約をネタに「肩の荷が下りた」
    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフも、ラッセルの復調と婚約を結びつけて冗談を飛ばした。

    「ジョージが戻ってきた。カルメンが彼のプロポーズを受け入れてくれたことで、肩にかかっていたプレッシャーがずいぶん減ったんじゃないかな!」

    「日々の仕事をしっかり積み重ね、すべてをつなぎ合わせて、とてもいいラップを走った」

    ラッセルは現在、ドライバーズ選手権でチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリに59ポイント差をつけられている。シーズン前半の終盤は思うような結果を残せなかっただけに、ザントフォールトでのスプリントポールは後半戦に向けた重要な一歩となった。

    「婚約でコンマ数秒速くなれば」
    ラッセルは木曜日のドライバー記者会見でも、サマーブレイク中のプロポーズについて語っていた。

    「すごく特別だったし、本当にいい時間だった。かなりいろいろ考えたし、指輪をデザインしたりする過程もすごく興味深かった」

    「いざその瞬間になったら、実際には言葉が出てこなかった。片膝をついた瞬間に突然ものすごく緊張してしまった。でも素晴らしかったよ」

    さらに、婚約がF1でのパフォーマンスにも好影響を与えることを期待していると冗談を交えていた。

    「コンマ数秒でも速くなればいいね。もし婚約でコンマ数秒速くなるなら、ランドだって婚約すると思うよ」

    その一方で、ラッセルはF1ドライバーとして戦ううえで、私生活の安定が大きな意味を持つとも説明している。

    「プライベートの生活はすごく重要だ。僕たちはみんな本当に慌ただしい生活を送っている。その生活を一緒に過ごし、感情の浮き沈みを共有してくれる人は、とても大切な存在だ。僕はカルメンと本当に長い間一緒にいる」

    「彼女はずっと僕の人生ですごく重要な存在だったから、何かが大きく変わるとは思っていない。ただ、僕たちにとって必要だった次のステップに進むということだった」

    サマーブレイク前には自信を失いかけていたことも認めたラッセルだが、休暇を挟んだザントフォールトではスプリント予選で即座に速さを示した。婚約による“コンマ数秒”の効果が本当にあったかはともかく、後半戦最初の予選セッションでトップに返り咲いたことは、ラッセルにとって大きな自信につながる結果となった。

  • ジョージ・ラッセル メルセデスF1での立場に自信「不安は一度もなかった」

    ジョージ・ラッセル メルセデスF1での立場に自信「不安は一度もなかった」

    ジョージ・ラッセルは、マックス・フェルスタッペンのメルセデス移籍説が長期間にわたって取り沙汰されていたなかでも、自身のF1シートが脅かされていると感じたことは「一度もなかった」と明かした。チーム代表のトト・ヴォルフとメルセデスから「100%の安心感」を得ていたという。

    フェルスタッペンはレッドブル・レーシングとの契約を2030年末まで延長することを発表し、将来を巡って続いてきた移籍の憶測に事実上の終止符を打った。

    そのなかでも繰り返し移籍先の候補として名前が挙がってきたのがメルセデスだったが、ラッセルは外部での報道とチーム内部で認識されていた状況には違いがあったと説明している。

    フェルスタッペン移籍説「僕たちにとって話題になるのは記者会見くらい」
    2026年F1第12戦オランダGPを前に行われたFIA木曜記者会見では、フェルスタッペンがレッドブルとの新契約を結んだことを受け、ラッセルに長く続いたメルセデス移籍説について質問が飛んだ。

    フェルスタッペンがメルセデスと結びつけられ続けたことに、苛立ちを感じることはなかったのか。そう問われたラッセルは、ランド・ノリスが同様の話題について語ったことを引き合いに出しながら答えた。

    「ランドがさっき言っていたことと似ている。僕たちにとってこういうことが話題になるのは、基本的に君たち記者の前に座って、こういう質問をされるときくらいなんだ」

    外部では大きな話題となっていたものの、ラッセル自身が日常的にフェルスタッペンの動向を気にしていたわけではなかったという。

    「この数年間、メルセデスの内部では現実がどういうものなのか、常に非常に明確だった」

    フェルスタッペンとメルセデスを巡る報道が続いていた間も、チーム内部では自身の立場について疑念を抱くような状況ではなかったとラッセルは強調した。

    「僕のシートが脅かされていると感じたことは一度もない」
    ラッセルはさらに、フェルスタッペン側とメルセデスの間で何らかの話し合いが行われていたとしても、それ自体はF1では特別なことではないとの見方を示した。

    「もしかすると、彼のチームがマクラーレンやフェラーリ、あるいはその他のチームと行っていた話し合いより、メルセデスとの話の方が少し公になっていただけなのかもしれない」

    「それがこのスポーツの性質なんだ。ドライバーはいろいろなチームと話をするし、チームもいろいろなドライバーと話をする。誰もが自分の手札がどうなっているのか確認しなければならない」

    そのうえで、自身のメルセデスでの立場について明確に語った。

    「でも、僕のシートが脅かされていると感じたことは一度もなかった。トトとチームから100%の安心感を得ていたし、それはもちろん今も続いている」

    フェルスタッペンというF1屈指のドライバーがメルセデス移籍候補として名前を挙げられていても、ラッセル自身はそれを自分のシートを失う可能性と結びつけてはいなかった。

    ヴォルフもドライバー変更を否定
    フェルスタッペンとメルセデスを巡る憶測は長く続いてきたが、ヴォルフも今季、ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリによる現在のラインアップを変更する考えがないことを明確にしていた。

    ヴォルフは6月、メルセデスのドライバーラインアップについて「我々は変更したくない」と発言。現在の2人に「非常に満足している」として、フェルスタッペンとの関連が取り沙汰されるなかでもラッセルとアントネッリへの信頼を示していた。

    そしてフェルスタッペンが2030年までレッドブルに残留することを決めたことで、少なくとも当面の間、メルセデス移籍を巡る議論には区切りがつくことになった。

    ラッセルにとっても、外部から見れば自身の将来に影響しかねない話題だったが、本人の受け止め方は大きく異なっていたことになる。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    2026年はタイトルを争う立場
    ラッセルが自らの立場に強い自信を持つ背景には、現在のメルセデスで担っている役割とパフォーマンスもある。

    2026年シーズン前半を終えた時点でメルセデスはコンストラクターズ選手権をリード。ドライバーズ選手権ではアントネッリが首位に立ち、ラッセルもタイトル争いに加わっている。

    オランダGP前の時点でラッセルはアントネッリから59ポイント差。会見でタイトル争いについて聞かれると、現時点ではポイント差そのものを意識するより、自身のパフォーマンスを改善することが重要だと語った。

    「それについてはあまり考えていない。ひとつひとつのレースに取り組んでいるだけだ」

    「争いに加わりたいなら、自分のパフォーマンスを改善する必要があることは分かっている。それが一番の優先事項だ。パフォーマンスが良くなればポイント差は縮まる。それだけのことだよ」

    サマーブレイク前には難しいレースも続いたが、後半戦では再び自身のリズムを取り戻すことを目指している。

    フェルスタッペン残留で長年の憶測に区切り
    フェルスタッペンの将来を巡る議論では、メルセデスが有力な選択肢として取り上げられるたびに、ラッセルの立場にも注目が集まってきた。

    しかし、ラッセルによれば、そうした状況はあくまで外部から見たものだった。メルセデス内部では自身の立場について明確な認識が共有されており、ヴォルフとチームから「100%の安心感」を得ていた。

    また、ライバルチームのドライバーと話をすること自体についても、ラッセルはF1では当然のプロセスだと受け止めている。各チームが将来の選択肢を探り、ドライバー側も可能性を確認するのは「このスポーツの性質」だという考えだ。

    フェルスタッペンが2030年までレッドブルに残ることを決断したことで、長く続いたメルセデス移籍説はひとまず終息する。それでもラッセルにとっては、自らの将来を脅かしていた問題が解決したという感覚ではない。「僕のシートが脅かされていると感じたことは一度もなかった」という言葉からは、外部の移籍報道に左右されることなく、メルセデスとの関係に確信を持ち続けていたことがうかがえる。

  • ジョージ・ラッセル F1王座争いで59点差 クルサード「考えすぎ」に警告

    ジョージ・ラッセル F1王座争いで59点差 クルサード「考えすぎ」に警告

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1シーズン前半戦を終え、メルセデスのチームメイトであるアンドレア・キミ・アントネッリに59ポイント差をつけられている。開幕戦オーストラリアGPを制した好スタートから一転、タイトル争いでは追う立場となった。

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、ラッセルが不運やトラブルを重ねるなかで「考えすぎ」に陥る危険性を指摘。

    一方、経験の浅いアントネッリについては、若さゆえに余計なことを考えず、本能的にドライブできていることが強みになっているとの見方を示した。

    開幕戦勝利から一転 ラッセルを襲った不運
    ラッセルはメルボルンで行われた開幕戦を制し、2026年シーズンを最高の形でスタートさせた。しかし、その後の勝利は1回にとどまっている。

    対照的にアントネッリは6勝を挙げ、ドライバーズランキング首位を確立。シーズン折り返し時点でラッセルとの差は59ポイントまで広がった。

    純粋な速さでアントネッリが上回る場面もあった一方、ラッセルは信頼性トラブルやコース上でのアクシデントにも見舞われてきた。クルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで、ラッセルの前半戦について厳しい状況だったと振り返った。

    「ひどいシーズンになっている。ひとりの人間に、いったいどれだけ不運が続くんだというくらいだ」

    「その不運については、チームが解決しなければならない部分もある。一方で、ジョージは今、勢いに乗れていない」

    クルサードが警告「考えすぎ」の悪循環
    クルサードが懸念しているのは、不運そのものだけではない。結果が出ない状況が続くことで、ラッセルがドライビングについて必要以上に考え始める可能性があると指摘した。

    その状況をクルサードはテニスに例えている。

    「テニス選手が高く上がったボールを迎えて、簡単なスマッシュを決めればポイントを取れるという場面があるだろう。それなのに、考えすぎてネットにかけてしまうことがある」

    「ジョージは今、そういうシーズンの段階にいる。キミは本能的にドライブしていて、バルセロナを除けば信頼性にもかなり恵まれている。一方でジョージは、ずっとパンチを受け続けている」

    ラッセルにとって経験は本来、大きな武器になる。だが、クルサードはタイトル争いという極度のプレッシャーのなかでは、その経験が逆に思考を複雑にする可能性もあると考えている。

    アントネッリは「知らないことを知らない」若さが武器
    2026年のタイトル争いでアントネッリが持つ強みについて、クルサードはF1経験の少なさそのものがプラスに働いている可能性を挙げた。

    「彼(ラッセル)は少し年上で、経験がある。経験はもちろん良いことだ。ただ、若さの利点というのは、自分が何を知らないのかさえ知らないことにある」

    「経験のマイナス面は、どれほど難しいのか、どんな課題があるのか、勢いがどれほど重要なのか、そういうことを全部知っていることだ」

    アントネッリにとって、F1でタイトルを争うこと自体が初めての経験だ。そのため、過去の失敗やタイトル争いの難しさを必要以上に意識せず、目の前のレースに集中できる。

    対するラッセルは、F1で積み重ねてきた経験があるからこそ、59ポイントという数字やシーズンの流れ、失ったポイントの意味まで理解できる。その違いが心理面に影響する可能性をクルサードは指摘している。

    59点差から逆転は可能も「ロッキーでも書かない」
    もちろん、59ポイント差は数学的に逆転不可能な数字ではない。クルサードも、過去のF1タイトル争いを振り返れば、大きなポイント差から流れが変わる可能性があることは認めている。

    「昨年のマックス・フェルスタッペンを見ても分かるように、このポイント差からでも挽回することはまだ可能だ」

    しかし、ラッセルが今季経験してきたトラブルや不運まで考慮すれば、実際に逆転タイトルを実現するハードルは極めて高いという。

    クルサードは映画『ロッキー』シリーズを引き合いに出し、ラッセルの置かれた状況を表現した。

    「でも、これだけパンチを受け続けたところから逆転するような『ロッキー』の映画は、シルベスター・スタローンだって書かないだろう」

    「だから、ジョージにとっては人間的な強さを築く一年になるだろう」

    メルセデス内のタイトル争いで問われるラッセルの立て直し
    メルセデスが2026年F1で高い競争力を示すなか、ラッセルにとって最大の比較対象は同じマシンを駆るアントネッリだ。

    59ポイント差という状況では、ラッセル自身が速さを取り戻すだけでは十分ではない。信頼性問題を減らし、取りこぼしを防ぎながら、アントネッリより多くのポイントを継続的に獲得していく必要がある。

    クルサードの指摘は、ラッセルの能力そのものを疑問視するものではなく、不運が続いたことで生じる心理的な悪循環への警告と言える。タイトル争いの経験を持たないアントネッリが本能的に結果を積み重ねる一方、ラッセルには経験を「考えすぎ」ではなく立て直しの武器に変えられるかが問われる。

    シーズン後半戦、ラッセルが59ポイント差をどこまで縮められるのか。逆転タイトルへの道のりは厳しいが、クルサードが語るように、この苦境をどう乗り越えるかはラッセルのF1キャリアにとって重要な意味を持つことになりそうだ。

  • ジョージ・ラッセル F1王座争いで59点差も「信念と自信」を失わない理由

    ジョージ・ラッセル F1王座争いで59点差も「信念と自信」を失わない理由

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、2026年F1世界選手権のタイトル争いで首位から59ポイント差まで後退した。それでも逆転への「信念と自信」を保つうえで、長年取り組んできたスポーツ心理学が大きな助けになっていると語った。

    開幕前には、メルセデスのラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリによる一騎打ちになるとの見方も多かった。しかし、メルセデスは信頼性トラブルに何度も見舞われ、ラッセル自身も一部の週末で苦戦。

    さらにフェラーリ、マクラーレン、レッドブル・レーシングが開発競争で差を縮め、ルイス・ハミルトンもタイトル争いに加わっている。

    アントネッリ6勝に対してラッセルは2勝
    2026年シーズンは11戦を終え、ラッセルはドライバーズランキング3位。2位ハミルトンとの差は9ポイントだが、首位アントネッリには59ポイント差をつけられている。

    今季ここまでアントネッリが6勝を挙げているのに対し、ラッセルは2勝。メルセデスがシーズン序盤に持っていたパフォーマンス面での優位も縮小しており、タイトル獲得への道のりは開幕当初に想定されていたものより厳しくなった。

    それでもラッセルは、精神面で状況に飲み込まれないための準備を以前から続けている。スポーツ心理学者と仕事を始めたのは2020年であり、今回のタイトル争いをきっかけに新たに取り組み始めたものではない。

    「これは助けになっている。でも、自分に何ができるのかを思い出すことも助けになる」

    ラッセルは自身のキャリアを振り返ることが、自信を維持する方法のひとつだと説明する。

    「自分のキャリアについて考えるとき、成功したことを考える。自分に何ができるのかを思い出すんだ」

    「それが僕に信念と自信を与えてくれる」

    心理学者との取り組みは「苦しい時」のためだけではない
    スポーツ心理学というと、不振やプレッシャーを乗り越えるためのものという印象もある。しかしラッセルにとって、その役割はもっと広い。

    自身の能力を最大限に引き出すだけでなく、一緒に働く人々との関係、F1のレース週末で受けるプレッシャーへの対処、長いシーズンを通じたエネルギー管理にも役立てているという。

    「これは、自分自身から最大限を引き出すためのものだった。それだけじゃなく、一緒に仕事をしている人たちからどう最大限を引き出すか、レース週末のプレッシャーにどう対処するのがベストなのか、あるいはシーズンを通して自分のエネルギーをどう管理するのがベストなのかということにも役立っている」

    「必ずしも、本当に苦しい時期を乗り越えるためだけのものではない。もちろん、そういう時にも大きな助けになるけどね」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    婚約者カルメンやヴォルフら周囲の支え
    ラッセルは心理学者だけでなく、自身を取り巻く人々の存在も精神的な支えになっていると強調した。

    そのひとりが、最近婚約したカルメン・モンテロ・ムントだ。また、メルセデスの若手育成プログラムを率いてきたグウェン・ラグルー、そしてメルセデスF1チーム代表兼CEOのトト・ヴォルフの名前も挙げている。

    「僕は本当に恵まれている。近くに素晴らしい人たちがいるからね」

    「僕のガールフレンド、今は婚約者だけど、カルメン、それからグウェン、トト。こういう人たちが僕を支えてくれている」

    59ポイント差でもタイトルを諦めないラッセル
    11戦終了時点での59ポイント差は小さくない。さらに今季のF1はマシン開発による勢力図の変化が激しく、メルセデスが序盤の優位を取り戻せる保証もない。

    一方で、シーズンはまだ後半戦を残しており、タイトル争いを決定づけるには早い段階でもある。ラッセルにとって重要なのは、現在のポイント差だけを見るのではなく、過去に自分が発揮してきた能力を思い出しながら、自身のパフォーマンスを最大化することだ。

    アントネッリが6勝を挙げてランキング首位を走り、ハミルトンにも先行を許しているラッセル。それでも、2020年から続けてきたメンタル面での取り組みと周囲の支えを武器に、2026年F1タイトルへの「信念と自信」を失わず後半戦に臨む。

  • ジョージ・ラッセル メルセデスF1初戦の代償「今も腰に傷跡が残っている」

    ジョージ・ラッセル メルセデスF1初戦の代償「今も腰に傷跡が残っている」

    ジョージ・ラッセルは、2020年F1サヒールGPでメルセデスから急きょ参戦した際、体に大きな負担を強いられ、5年以上が経過した現在も腰に「傷跡」が残っていることを明かした。

    当時ウィリアムズからF1に参戦していたラッセルは、メルセデスと契約を結ぶ育成ドライバーでもあった。ルイス・ハミルトンが新型コロナウイルス検査で陽性となったため代役に抜擢されたが、参戦決定から走行開始までほとんど準備時間がなく、自分の体格に合わないコックピットでレースを戦うことになった。

    ハミルトンより約13cm長身 急造のコックピット
    ハミルトンの欠場が正式に発表されたのは2020年12月1日。サヒールGPの週末が始まるわずか3日前だった。

    ラッセルは自身のシートを使用することができたものの、そのモールドは3年前に製作されたものだった。さらにレーシングブーツも通常より1サイズ小さいものを履かなければならなかったという。

    ラッセルはハミルトンより約5インチ(約13cm)身長が高く、本来ならコックピットを体格に合わせて調整する必要があった。しかし、突然の代役決定だったため十分な改修を行う時間はなかった。

    それから5年半以上が経過した現在、ラッセルはSAPのYouTubeチャンネルで当時を振り返り、その影響が今も残っていると明かした。

    「今でも腰に傷跡が残っているんだ」

    準備不足でもボッタスに0.03秒差
    十分な準備ができない状況にもかかわらず、ラッセルは予選でメルセデスのレギュラードライバーだったバルテリ・ボッタスに0.03秒未満まで迫った。

    決勝ではスタートで首位に浮上。87周のレースで61周目まで勝利を狙える位置を走り、メルセデスでのF1初戦でいきなり優勝する可能性が見えていた。

    しかし、その後に状況は一変する。

    バーチャル・セーフティカー(VSC)下で行われたピットストップで、メルセデスは誤ってボッタス用のタイヤをラッセルのマシンに装着。規則上そのまま走行することはできず、ラッセルは再びピットに戻ることを余儀なくされた。

    それでもラッセルは追い上げ、2番手まで順位を回復した。ところが今度はコース上のデブリを踏んでタイヤがパンクし、再度のピットストップを強いられた。

    「どうしてこんな一連の出来事が起きたのか、本当に理解できなかった」

    「ピットストップでミスが起きて、『これはまったく良くない』と思った。でも、そこから挽回して、少なくとも2位、たぶんまだレースに勝てる位置まで戻っていたんだ」

    「感情がめちゃくちゃだった」初勝利を逃したサヒールGP
    ラッセルにとって、さらに受け入れ難かったのがパンクだった。当時、それまでのレースキャリアでほとんど経験したことのないトラブルだったという。

    「そしてパンクした。あの時点までキャリアで一度もパンクしたことがなかったんだ。今では150戦以上レースをしているけど、それ以降もパンクしたことがあったか分からないくらいだ」

    「だから、どうしてあんな出来事が次々と起きたのか、本当に理解できなかった」

    「感情がもう、めちゃくちゃだったよ」

    最終的にラッセルは9位でフィニッシュ。F1初優勝は逃したものの、急きょ乗り込んだメルセデスで見せた速さは、その後のキャリアを大きく左右するパフォーマンスとなった。

    ラッセルは最終戦アブダビGPでウィリアムズに復帰し、2021年も同チームから参戦。そして2022年、メルセデスのレギュラードライバーに昇格し、ハミルトンのチームメイトとなった。

    メルセデス昇格につながった忘れられない一戦
    2020年サヒールGPは、結果だけを見ればラッセルにとってわずか2ポイントに終わったレースだった。しかし、体格に合わないマシンと装備、ほとんど準備時間がない状況でボッタスと互角の速さを示し、決勝では勝利目前まで迫った。

    ピット作業の混乱とパンクによって初優勝こそ逃したが、この一戦はラッセルがトップチームでも戦えることを強く印象づけたレースとして、その後も語り継がれている。

    そして、その過酷さを物語るものが今も本人の体に残っている。メルセデスでのF1初戦から5年以上が経った現在も、ラッセルの腰には急造のコックピットで戦った際の「傷跡」が残っているという。

  • ジョージ・ラッセルが婚約 F1パドックから祝福 アントネッリらも反応

    ジョージ・ラッセルが婚約 F1パドックから祝福 アントネッリらも反応

    メルセデスF1のジョージ・ラッセルが、長年交際してきたパートナーのカルメン・モンテロ・ムントとの婚約を発表した。夏休み中にビーチでプロポーズしたとみられ、F1関係者から相次いで祝福のメッセージが寄せられている。

    ラッセルは自身のSNSに婚約指輪と白いハートの絵文字だけを添え、4枚の写真を投稿。写真にはビーチに設けられたキャンドルライトのディナーの様子が収められており、そこでムントにプロポーズしたとみられる。

    2020年から交際を続けるラッセルとカルメン
    ラッセルとムントは共通の友人を通じて知り合い、2020年初頭から交際を開始した。以来、ムントはF1のグランプリ週末にも頻繁に姿を見せ、ラッセルを支えてきた。

    スペイン出身のムントは18歳で高等教育を受けるためイギリスへ移住。ウェストミンスター大学でビジネスマネジメントとファイナンスの学位を取得し、金融業界でキャリアを築いてきた。また最近では、スキンケアブランド「Barriers」を立ち上げている。

    ラッセルは以前から、ムントが自身のレース人生において重要な存在であることを公言していた。

    2026年6月の『The Times』のインタビューでは、ムントとの関係について次のように語っている。

    「カルメンはレースに関して僕に安定をもたらしてくれるし、レースから切り離してくれる存在でもあります」

    さらに結婚の可能性を尋ねられると、ラッセルは将来をともにする意思を明確にしていた。

    「間違いなく彼女は僕の未来です。だから、いずれは(結婚することを)願っています。来週ということはないけど、5年以上先ということもない。その間のどこかですね」

    その発言から約2カ月後、ラッセルは実際に婚約を発表することになった。


    アントネッリやガスリーらF1関係者が祝福
    ラッセルの投稿には発表直後から多くの反響が寄せられ、メルセデスのチームメイトであるアンドレア・キミ・アントネッリも祝福した。

    「2人ともおめでとう!」

    さらにピエール・ガスリーをはじめ、メルセデス、ウィリアムズ、F1公式、アレクサンダー・アルボンの婚約者リリー・ムニ・ハーらも祝福のメッセージを送った。

    Motorsport.comによると、投稿は記事執筆時点ですでに64万5000件以上の「いいね」、2万件のコメント、3万7000件以上のリポストを記録しており、大きな反響を呼んでいる。

    ラッセルは今回、長年にわたって自身を支えてきたムントとの新たな一歩を踏み出した。夏休みを終えれば、今月末のF1オランダGPから再びタイトル争いに臨むことになる。

  • ジョージ・ラッセルのアウディF1移籍をシュタイナー予想「新たな機会を探している」

    ジョージ・ラッセルのアウディF1移籍をシュタイナー予想「新たな機会を探している」

    メルセデスF1のジョージ・ラッセルが、2028年にアウディF1へ移籍する可能性がある――。そんな見方を示したのは、元ハースF1代表のギュンター・シュタイナーだ。

    アンドレア・キミ・アントネッリの急成長によってメルセデス内の勢力図が変わるなか、ラッセルは長期的な将来を見据えて新たな選択肢を探しているのではないかと分析した。

    シュタイナー「ラッセルは新たな機会を探している」
    シュタイナーは『The Red Flags Podcast』で、アウディF1には2028年に向けて多くのドライバーが関心を寄せていると語った。

    「2028年にアウディへ行きたいと考えているドライバーはたくさんいる。来年のラインアップはほぼ固まっているが、2028年には可能性があるかもしれない」

    アウディF1のプロジェクトについても、高く評価している。

    「彼らは順調に前進しているように見えるし、計画どおり進んでいるようだ。候補者はかなり多いだろう。カルロス(・サインツJr.)は間違いなくその一人だ」

    そして、ラッセルについて次のような見方を示した。

    「ジョージも今は周囲を見渡していると思う。キミと組むことになった今、彼は一生キミと同じチームで過ごしたいとは思っていないはずだ。そこにいれば、自分の立ち位置がずっと決まってしまうことも分かっている。だから新たな機会を探しているんだ」

    アントネッリの台頭が将来に影響?
    2026年シーズン前半、アントネッリは中国GPや日本GPでの勝利を含む快進撃を見せ、史上最年少でドライバーズランキング首位に立った。夏休み前の時点で219ポイントを獲得し、169ポイントのルイス・ハミルトン、160ポイントのラッセルを上回っている。

    ラッセルも安定したパフォーマンスを見せているが、チーム内ではアントネッリの存在感が急速に高まっている。さらに、マックス・フェルスタッペン獲得の噂もたびたび浮上しており、メルセデスでの将来的な立場を巡る憶測は絶えない。

    アウディ F1

    アウディF1で中心人物となる可能性
    シュタイナーの見立てでは、アウディF1はラッセルにとって魅力的な新天地となり得る。

    アウディは2026年からザウバーを完全買収し、マッティア・ビノットの下でワークス体制を構築。2022年から独自パワーユニットの開発も進めており、長期的なプロジェクトへの期待は大きい。

    メルセデスではアントネッリとの競争が続く一方、アウディF1へ移籍すれば、ワークスチームの中心ドライバーとして新たな時代を築く役割を担える可能性がある。

    もちろん、これは現時点ではシュタイナー個人の見解に過ぎず、ラッセルの移籍を裏付ける事実はない。それでも、2028年に向けたドライバー市場を考えるうえで、興味深いシナリオの一つとして注目を集めそうだ。

  • ジョージ・ラッセル F1ハンガリーGPスタート失速「エンジン回転が勝手に上下」

    ジョージ・ラッセル F1ハンガリーGPスタート失速「エンジン回転が勝手に上下」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1ハンガリーGP決勝のスタートで大きく順位を落とした原因について、スタート直前にエンジン回転数が異常な挙動を示し、アンチストール(エンスト防止機能)が作動したためだったと明かした。

    6番グリッドからスタートしたラッセルは、シグナル消灯と同時にマシンが加速せず、一気に最後尾まで後退。それでも見事な追い上げを見せて7位まで挽回したが、またしてもメルセデスの技術的トラブルに見舞われる結果となった。

    スタート直前にエンジンが異常な挙動
    ラッセルによると、異変はスタートシグナルが消灯する約4秒前に発生したという。

    「回転数を維持するためにアクセルを踏んでいたんだけど、スタートライトが消える4秒くらい前に、突然エンジン回転が勝手に上下し始めたんだ」

    「アクセルで調整しようと反応していたけど、まったく効かなかった。つまりエンジンがアクセル操作に反応していなかったんだ」

    その結果、クラッチをつないだ瞬間にマシンは失速し、アンチストールが介入。一気に最後尾付近まで後退した。

    レース後、同様のトラブルを経験したことがあるかと問われたラッセルは、新品のパワーユニットで発生した予期せぬ問題だったと説明した。

    「いや、初めてだ。今回は新品のエンジンだった。プレシーズンテストで似たような症状を見たことはあったと思う。でも詳しい原因は分からない」

    トト・ヴォルフ「ミスが多すぎる」
    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフも、エンジン制御の異常が原因だったことを認め、チーム側の度重なるトラブルに強い不満を示した。

    「またジョージに問題が起きてしまったようだ」

    「10%ほどアクセルを開けたところでエンジン回転が最大まで跳ね上がり、その後アクセルを戻すと今度は失速した。こうしたミスがあまりにも多すぎることに、本当に満足していない」

    「それがスタートで順位を落とした理由だ。その後は非常にいいレースをした。トラフィックをうまく処理し、獲得可能だった最大限の結果を持ち帰ったと思う」

    「失望する段階は過ぎた」
    ラッセルはレース後、自身の2026年シーズンについて「失望する段階はもう過ぎた」と率直な心境を語った。

    「毎回起こることにいちいち失望していたら、毎日失望し続けることになる。だから前向きでいようとしている」

    「また技術的な問題でレースが完全に台無しになってしまった。でもポジティブな点もある」

    「レースペースは本当に良かった。チームからも誰にも引けを取らないペースだったと言われた。そんな感触はここ2〜3戦はなかったからね」

    「そこは前向きに受け止めたい。でも今シーズンに起きたことを並べていくと、本当に信じられないくらいだ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    不運が続く2026年シーズン
    今回のトラブルは、ラッセルにとって今季続く不運の新たな一例となった。

    前戦ベルギーGPではオープニングラップで電力デプロイメントに問題が発生して順位を落とし、その後ルイス・ハミルトンとの接触も喫した。

    さらに今季は、カナダGPで首位走行中のパワーユニット故障、モナコGPで本来受ける必要のなかったピットレーン速度違反によるドライブスルーペナルティ、シルバーストンでのストレートスピード不足、日本GPでバーチャルセーフティカーのタイミングに勝利のチャンスを阻まれるなど、不運が続いている。

    それでもハンガリーGPでは最後尾付近から7位まで追い上げ、メルセデスW17のレースペースには確かな手応えを得た。チームはスタートトラブルの原因究明を急ぐとともに、後半戦に向けて信頼性の改善が求められる。

  • ジョージ・ラッセル F1ハンガリーGP予選で水漏れ「タイヤに水鉄砲を撃たれていた」

    ジョージ・ラッセル F1ハンガリーGP予選で水漏れ「タイヤに水鉄砲を撃たれていた」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1第11戦ハンガリーGP予選でメルセデスW17に発生した水漏れについて、「タイヤに水鉄砲を撃たれているような状態だった」と明かした。

    メルセデスは原因がターン4の縁石を乗り越えた際に発生した可能性が高いと説明し、決勝に向けてパワーユニットを今季4基目へ交換したことも明らかにした。

    ラッセルは予選で7番手を獲得したものの、セッション終了後にマシンをコース脇へ停止。今季はベルギーGPでのソフトウェア不具合に続く信頼性トラブルに見舞われたが、決勝では金曜日に示したロングランのパフォーマンスを生かして挽回を狙う。

    ターン4の縁石で水漏れ発生
    メルセデスはハンガリーGPの週末を通じ、1周の速さでフェラーリやマクラーレンに後れを取っていた。オーバーテイクが難しく、予選順位が重要となるハンガロリンクで、ラッセルはQ3最初のアタックで7番手につけた。

    ラッセルは最後のアタックへ向かったが、ターン13でマックス・フェルスタッペンがスピンしたことで黄旗が提示され、タイム更新を断念。そのまま7番手で予選を終えた。

    しかし、チェッカーフラッグ後にマシンの異常が発生し、メルセデスからマシンを停止するよう指示を受けたラッセルはターン1付近でW17を止めた。

    予選後、ラッセルは水漏れが発生していたことを明かした。

    「水圧を失って、水漏れが起きていた。コース上で止まったときには、マシンから大量の水が漏れていた」

    「どこから漏れたのかはまだ分からない。明日に影響しないことを願っている」

    その後、メルセデスの調査により、水漏れはターン4で縁石を大きく乗り越えた際に発生した可能性が高いことが判明した。

    チーム代表のトト・ウォルフは次のように説明した。

    「ジョージは水漏れで運が悪かった。期待外れのセッションだった」

    「水漏れは縁石に乗った際に発生したようだ」

    「タイヤに水鉄砲を撃たれていた」
    ラッセルによると、水漏れは最後のアタックにも影響を及ぼしていたという。

    「大きな影響はなかったと思う。ただ、水漏れがあって、タイヤ温度のデータを見ると、最後のラップではタイヤに水が噴きかかっていた。だから最後のラップはひどいものだった」

    「おそらく、それには理由があったと思う。タイヤに水鉄砲を撃たれているような状態だったからね。それでグリップが増えるわけではない」

    水がどのタイヤにどの程度かかっていたかは明らかにされていないが、タイヤ表面の温度を下げ、グリップ低下を招いた可能性がある。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    予選ペース不足はタイヤの課題
    ラッセルは、水漏れだけが7番手という結果の原因ではないと認めた。

    メルセデスは今週末を通して予選でタイヤを適切な作動温度まで持っていくことに苦戦しており、それが1周のパフォーマンス不足につながっていたという。

    「実際のところ、今週末はずっとペースがなかった」

    「レースペースではかなり強そうに見えている。予選用セットアップと決勝用セットアップの間で正しいバランスを取れたのか。それが明日になれば分かると思う。今日は一日中、タイヤを作動させるのに苦労していた」

    さらに金曜日のデータを踏まえ、決勝への期待も口にした。

    「昨日は予選シミュレーションではもっと差があったけど、レースペースでは僕たちが最速だった。つまり問題はマシンというよりタイヤにあるということだと思う」

    「予選仕様に振ればもっと速いマシンにできたかもしれない。でも、その代償として決勝のパフォーマンスを失っていただろう」

    「明日になれば、そのバランスが正しかったか分かる。このサーキットではオーバーテイクはとても難しいから、もっと前からスタートできれば良かった」

    今季4基目のPU投入 夏休み明けの降格リスクも
    メルセデスは予選後、ラッセルのパワーユニットを今季4基目へ交換したことを明らかにした。

    規定の使用枠内での交換となるため、今回の交換によるグリッド降格ペナルティは科されない。

    しかし、今後5基目の内燃エンジン(ICE)を投入した場合は、自動的にグリッド降格ペナルティを受けることになる。

    アンドレア・キミ・アントネッリもすでに4基目のパワーユニットを使用しており、メルセデス勢は夏休み明け以降のどこかでエンジン交換による降格を強いられる可能性が高まっている。

    ラッセルは現在、ランキング首位のチームメイトであるアントネッリに50ポイント差をつけられている。一方で、アントネッリは予選後に黄旗区間で十分に減速しなかったとして3グリッド降格処分を受けたため、ラッセルは決勝を6番グリッドからスタートすることになった。

    水漏れという新たなトラブルに見舞われたメルセデスだが、決勝ではロングランで示した競争力を生かし、上位進出を目指すことになる。