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  • アストンマーティンF1 ホンダ過小評価の代償 ニューウェイ認めた最大の誤算

    アストンマーティンF1 ホンダ過小評価の代償 ニューウェイ認めた最大の誤算

    アストンマーティンF1は2026年F1シーズンに向け、メルセデス製カスタマーPUからホンダとのワークス体制へと大きく舵を切った。しかし、その判断自体ではなく「前提の見誤り」が現在の苦戦を招いている可能性が浮き彫りになっている。

    ホンダの母国戦となるF1日本GPを前に、エイドリアン・ニューウェイの発言は、アストンマーティンとホンダの関係に潜む構造的な問題を明確に示した。

    ホンダ復帰プロジェクトの“断絶”を見誤った代償
    問題の核心は、ホンダの開発体制に存在した“空白期間”だった。

    ホンダは2021年末に一度F1から正式撤退しており、その後2023年にアストンマーティンとの提携を発表するまでの間、F1プロジェクトは実質的に縮小・再編されていた。この過程で人材流出やリソース再配分が起き、開発基盤は一度解体されている。

    つまり2026年の新PU開発は「継続プロジェクト」ではなく、「再構築プロジェクト」だった。

    にもかかわらず、アストンマーティンはこの影響を十分に認識していなかった。

    ニューウェイは、ホンダの体制変化の本当の影響を把握したのは2025年11月だったと明かしており、2023年の契約時点ではチーム側が状況を完全に理解していなかったことを認めている。

    この“認識の遅れ”こそが、現在のパフォーマンス不足と信頼性問題の根本にある。

    “ワークス信仰”は正しかったのか
    アストンマーティンがホンダと組んだ判断自体は、戦略としては合理的だった。

    近年のマクラーレンの成功は「カスタマーでも勝てる」ことを証明した一方で、長期的なタイトル争いにおいては、依然としてワークス体制の優位性が残るという見方も根強い。

    実際、2026年の新レギュレーションではPUとシャシーの統合度がより重要になっており、自社PUを持つ体制の価値はむしろ高まっている。

    ただし問題は、その実現プロセスに対する見通しの甘さだった。

    レッドブルとの成功という“結果”だけを見てホンダを評価し、その裏にあった開発体制や継続性への理解が不足していた可能性がある。

    “銀河系軍団”の限界と組織統合の難しさ
    アストンマーティンは、エイドリアン・ニューウェイ、ホンダ、フェルナンド・アロンソ、アンディ・コーウェルといったトップ人材を集めた“ガラクティコ構想”を進めてきた。

    しかし、優秀な人材を揃えることと、それらを一つの機能的な組織として統合することは全く別の問題だ。

    今回のケースでは、ホンダ側の開発状況に対する理解不足が示すように、プロジェクト全体の統合マネジメントに課題があったことは否定できない。

    「正しいピース」は揃っているが、「戦略と統合」が不足していた。

    その歪みが、2026年シーズンの立ち上がりにそのまま表面化している。

    ニューウェイの指摘にホンダ側は「誤解」と説明
    ニューウェイはオーストラリアGPの段階で、ホンダのさくらの施設におけるエンジニアリング体制が、かつての成功期から大きく変化していたことを2025年11月まで把握していなかったと明かしている。

    また、新レギュレーションに向けた再参入時点では「元のチームの約30%しか残っていなかった」とし、この体制変化が開発の遅れにつながったとの見解を示した。

    これに対し、渡辺康治はこの認識を「誤解」と説明している。

    「基本的には誤解だと思います。我々の方針として、モータースポーツのエンジニアを量産や先進技術、例えばジェットやeVTOL、水素関連などへ定期的にローテーションさせています」

    「これは以前から続けている取り組みです。おそらく私の説明が十分ではなかったのだと思いますし、組織の再構築に時間がかかったことが、彼の懸念につながったのだと思います。ただ、現在は十分な体制と人材が整っています」

    両者の認識のズレは、アストンマーティンとホンダのプロジェクトにおける情報共有や統合プロセスの課題を浮き彫りにしている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    振動問題と完走目標に表れる現実
    現在のアストンマーティンの状況は深刻だ。

    AMR26はエンジン由来の深刻な振動問題を抱えており、ドライバーの身体的負担にも影響を及ぼしている。中国GPではフェルナンド・アロンソがストレートでステアリングから手を離す場面も見られた。

    開幕からここまで、2台とも完走すら達成できていない。

    それでもチームは、日本GPに向けて一定の前進を感じている。

    マイク・クラックは次のように述べている。

    「我々はハード面とドライバー側の両方で対策を進めてきた」

    「中国では小さな前進はあったが十分ではなかった。目標は2台完走だ」

    最低限の目標が「完走」であること自体、現在の苦境の深さを物語っている。

    問われるのは“選択”ではなく“理解”だった
    アストンマーティンの最大の誤算は、ホンダを選んだことではない。

    ホンダの置かれていた状況、そして新PU開発の難易度を正確に理解しないままプロジェクトを進めたことにある。

    結果として、2026年F1シーズンは“想定外”の連続となり、そのツケが今まさに表面化している。

    戦略の正しさと、その実行に必要な理解と準備は別物だ。

    アストンマーティンは今、その差を痛感している。

  • アストンマーティンF1 日本GP「両車完走」が目標 ホンダが不具合の原因特定

    アストンマーティンF1 日本GP「両車完走」が目標 ホンダが不具合の原因特定

    アストンマーティンF1は、2026年F1日本GPで両車完走という明確な目標を掲げた。ホンダの現場責任者である折原伸太郎は、前戦中国GPで発生した問題について根本原因を特定し、鈴鹿に向けて対策を施したことを明かしている。

    ホンダにとって母国戦となる鈴鹿を前に、アストンマーティンは厳しい状況に置かれている。

    アストンマーティン・ホンダは、パワーユニットの問題も響いてここまで2戦連続のダブルリタイアを喫しており、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは、バッテリー由来の振動によって手のしびれにも苦しめられてきた。

    ホンダは中国GPの問題で根本原因を特定
    中国GPでは、ランス・ストロールが9周目にメカニカルトラブルでリタイアし、フェルナンド・アロンソもその26周後に振動の問題でレースを終えた。

    折原伸太郎は、マイク・クラックとともにメディア対応を行い、ストロールのリタイアにつながった問題について原因を突き止めたと説明した。

    「問題の根本原因は見つかっていて、このイベントに向けていくつかの対策を施しています」と折原伸太郎は語った。

    「パフォーマンスのための仕様変更はできませんが、中国で多くのデータを収集しました。そのデータを分析し、今回のイベントに向けてエネルギーマネジメント戦略を改善するため、シミュレーションにも反映させています」

    「理論的な部分までは説明できませんが、問題は特定できています。さくらの施設で解析を行い、何が起きたのかを完全に理解しました。そのうえで対策を施しています」

    折原伸太郎はさらに、バッテリーの数量面については現在「自信を持っている」とも述べた。この点は、バーレーンでのプレシーズンテスト最終日にフェルナンド・アロンソの走行が途中で切り上げられた一因にもなっていた。

    「バッテリーの信頼性という観点では、第1戦と第2戦を通じて大きな進展がありました」

    「レースは完走できると確信しています」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    アストンマーティンF1の目標は“両車完走”
    マイク・クラックは、アストンマーティンとホンダの双方が、エイドリアン・ニューウェイの設計したAMR26の実力をより正当に示すために、複数の対策を講じてきたと明かした。

    「ハードウェア面、そしてドライバー側の面の両方で状況を緩和するために、我々は異なる対策に一緒に取り組んできた」とマイク・クラックは語った。

    「ですので、ここで試さなければならないステップがいくつかあるし、そのうえで今後どう進めていくかを見ていくことになる」

    またクラックは、オーストラリアから中国にかけて見られたわずかな改善を踏まえつつも、現時点での目標は極めて明確だと強調した。

    「中国ではその方向に向けて小さな一歩を踏み出せたと思うが、それでも十分ではなかった」とマイク・クラックは語った。

    「ですから、目標は両車でフィニッシュすることだ」

    鈴鹿で問われるアストンマーティン・ホンダF1の底力
    鈴鹿は、エイドリアン・ニューウェイの役割見直しを巡る外部の雑音を振り払う機会にもなる。チームは、アウディを離れたジョナサン・ウィートリーをピットウォールの役割に迎える可能性が取り沙汰されており、周辺ではさまざまな憶測も続いている。

    それだけに、今回の日本GPは単なる1戦ではない。アストンマーティンにとってはマシンの信頼性改善を示す場であり、ホンダにとっては地元ファンの前で積み重ねてきた努力の成果を示す場でもある。まず求められるのは派手な結果ではなく、2台を確実にチェッカーまで運ぶことになりそうだ。

  • アストンマーティンF1 ホンダ体制「6ヶ月でも解決せず」構造問題の全貌

    アストンマーティンF1 ホンダ体制「6ヶ月でも解決せず」構造問題の全貌

    アストンマーティンとホンダの内部では、現状の問題を解決、あるいは少なくとも緩和するまでに6ヶ月を要するとの認識が共有されている。それは「よく考えられているが、生まれ方を間違えた」マシンに降りかかっている問題だ。

    両者が競争力のあるポジションに立つまでには数ヶ月を必要とする見通しであり、問題は単一ではなく、複数の領域にまたがって存在している。

    プレシーズンテストで見られた不調は驚きではなかった。少なくとも一部についてはすでに把握されていたものであり、数ヶ月前の試験で示されていた内容を裏付けるものに過ぎなかった。

    さくらに設置されたバーチャル・テストトラックでの検証は、秋の段階で、実際のトラック上で観察された現象が起こり得る可能性をすでに示していた。チーム関係者が日本へ渡り作業を監督した動きも、それ以上の意味を持っていた。それは「現地に行って何が起きているのか見てこい」という意味だった。受け取っている情報が望ましいものであれば、上層部が現場に乗り込んで状況を確認する必要などない。

    ニューウェイのラディカルなコンセプト
    AMR26がモンメロのサーキットで黒一色の姿で披露されたとき、その独創性とラディカルなコンセプトは注目を集めた。それはこれまでに見られたどのマシンとも異なるように見えた。

    しかしその外観は、エイドリアン・ニューウェイの頭脳から生まれた内部構造にも反映されていた。ラディカルなコンセプトは到達し得ない成功へ導くこともあれば、クラッシュへ、すなわち「クラッシュするためのスター」へ導くこともある。そして現状は後者であるように見える。

    バッテリーの問題
    グリーンのマシンは外見が特異であるだけでなく内部も同様であり、問題はその内部にある。

    ニューウェイはホンダに対し、主要コンポーネントの配置と構成に関してさまざまな要求を行った。その目的は、極めてコンパクトで低いパッケージを維持することにあったと考えられる。そしてそれが、後に起きたすべての問題につながっている。

    起きたことは、熱エンジン部分と電動推進ジェネレーターの両方が大きく振動し、そのエネルギーがバッテリーへと伝達され、最終的には全体の機能を失わせる損傷の連鎖を引き起こすというものだった。

    最初に損傷するのはOリングであり、それにより冷却液の漏れが発生する。その液体はバッテリーセル内部に入り込み、本来密閉されているべき領域に侵入することで望ましくない化学反応を引き起こし、深刻な結果をもたらす。

    異常な振動が伝わる理由は2つある。ひとつは配置、もうひとつは取り付け方法だ。ニューウェイは重心を下げるためにMGU-Kを可能な限り低く配置することを要求した。

    そのためにバッテリーは2層構造に分割され、すべての部品のマウントが変更され、初期設計後に修正が加えられた。ジェネレーターはバッテリーとシャシーに接続されており、この近接性によって振動は直接バッテリーに伝わる。他のチームではこれほど強い影響は見られない。

    シャシーの問題
    問題の一部はシャシーにも存在する。

    そのミニマルな設計は優れた動的特性をもたらす一方で、振動を吸収するのではなく伝達してしまう。ニューウェイはホンダから構造強化の要請を受けたが、これを拒否した。シャシーは最初からその仕様で設計されており、後から変更することは想定されていなかった。一方で、バッテリーを2つのモジュールに分けるという変更は当初の設計には含まれていなかった。

    メルセデスでは電動系に関する別の問題を抱えながらも、この点を初期段階から考慮していた。MGU-Kをバッテリーから分離し、特定部分を補強したシャシーに支えられている。さらにMGU-Kはより高く配置され、バッテリーから距離を取っている。

    ホンダのMGU-Kは30,000rpmで回転し、他のエンジンメーカーよりもやや大きな振動を発生させているとされる。同様に内燃機関も振動が大きい。しかし他チームはこのような問題に直面していない。解決策はエンジンの再設計ではなく、配置と設計によってもたらされるべきものである。

    振動と燃料の関係
    興味深いことに、AMR26が燃料満載の状態にあるとき、燃料はクッションあるいはスタビライザーとして機能し、振動が軽減される。

    問題は軽い状態、すなわち予選のような条件で顕著に現れる。フリー走行でのロングランやレース序盤では、この問題が部分的に軽減されることが期待されている。一方で燃料は正常に機能しており、オイルも問題を引き起こさなくなっているようだ。

    ギアボックスと電装系の問題
    見直しが必要なもうひとつの要素はギアボックスである。

    多くの構成要素が再検討を必要としている。ギアの同期は完全ではないが、最大の問題はそこではない。この分野で最も深刻なのは電気系統とソフトウェアに関連する部分であり、理論上は構造問題よりも修正しやすいと考えられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    シミュレーションソフトウェアの問題
    ここでマシン外の問題に目を向けると、シルバーストンでのAMR26開発プロセスにおいて、手で触れることのできない領域、すなわちシミュレーションソフトウェアにも課題があった。

    これはDynisma製のシミュレーターではなく、ベースモデルに変更を加え、その結果を返すプログラムである。ダウンフォースを増やせばモンツァの長いストレート終端でサスペンションに強い荷重がかかり、減らせば硬いコンパウンドでグリップが低下する、といった挙動が再現される。

    アストンマーティンでは、誰かが何をすべきか指示してくれるのを待っているかのようだが、その指示はなかなか下されない。

    あらゆる変更はこのソフトウェアに入力され、現実に近い挙動が返される。このソフトの使用は開発時間を短縮する。実走テストが限られる現代では極めて重要な要素である。言い換えれば、テストドライバーがほとんど実走できない現代において、彼らの役割はシミュレーターに移行している。

    毒入りの買い物
    問題は、このソフトをメルセデスから高額で購入した点にある。

    数ヶ月から数年にわたり統合した後、彼らは重要な事実に気づいた。知的財産の問題により、ソフトウェアは提供されたが、その中で使用するモデルは提供されなかった。

    プログラムはあっても基準がなかった。ニューウェイはこれを完全に放棄し、新たな解決策を探すという決断を下した。各チームが独自開発するのは一般的であり、標準は存在しない。ゼロからの構築には時間がかかる。

    「痛みを伴う決断」という発言は、この判断を指していると考えられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム エイドリアン・ニューウェイ

    ニューウェイ体制の影
    チーム内部ではリーダーシップの欠如も指摘されている。

    ニューウェイは強い意志を持つ人物であり、反対意見は排除される傾向にある。しかし中間管理層が機能しておらず、意思決定が停滞している。

    他チームでは迅速かつ冷静に判断が下されるのに対し、アストンマーティンでは指示待ちの状態が見られる。問題を認識していても実行されない状況が続いている。

    「GP2エンジン」の記憶
    ホンダとの関係について触れておくと、考えられていることとは裏腹に、アストンマーティンとの関係は悪くない。

    誰も、2015年9月27日に起きたあの出来事を繰り返したいとは思っていない。あれは日本人にとって痛ましい一日であり、常に外からどう見られているか、そして名誉を重んじる彼らにとっては、いまだに許し難い出来事でもある。

    ホンダはマクラーレンと契約を結び、パワーユニットを供給するだけでなく、スポンサーとして多額の資金を提供し、さらにエースドライバーの給与のほぼ4分の3を負担していた。ホンダのロゴを額に掲げた世界チャンピオンが存在することは、その巨大な財政的・技術的投資を行うための条件のひとつだった。その持参金には、そうした条件が付随していた。

    あの日曜日の朝、フェルナンド・アロンソはエンジンの性能不足に苛立ち、ほとんど苦もなくトロロッソに抜かれた際、無線で「GP2エンジンだ、GP2エンジンだ」と叫んだ。

    チームのパフォーマンスエンジニアは、3台分のガレージ中央に設置されたテクニカルアイランドの前に立っていた。彼は頭を下げたまま、ゆっくりと首を回し、ガレージ奥の様子を見た。

    そこには、VIPゲスト用のヘッドセット接続が並ぶ光沢のあるカウンターの向こう側に、ホンダの幹部たちが立っていた。その無線メッセージを聞いた後、その60代の幹部たちは金属フレームの眼鏡をかけたままヘッドセットを外し始め、中には床に落とす者もいた。

    彼らは一言も発することなくその場を去り、口からではなく耳から泡を吹くかのような怒りをあらわにしていた。その日、そしてその後の日々にわたり、この件についての会議が何度も行われたが、どれも穏やかなものではなかった。

    あの年は、すべてを約束された関係が何も残さず崩壊した、苦しみの年だった。2015年から2017年にかけての混乱の末、マクラーレンとホンダという歴史的な2つの存在は決別し、それぞれでいるよりも、共にあることで価値を失う結果となった。

    アストンマーティンとホンダは、うまくやっていかざるを得ない。代替案は存在しない。

    プランBは存在しない
    アストンマーティンはホンダを必要としており、ホンダもアストンマーティン以外に現実的なパートナーを持っていない。どちらにもプランBは存在しないため、対立することはできない。そのため関係とコミュニケーションは適切に保たれている。頭を下げて問題が解決するまで働き続けるしかない。一度それを成し遂げたのだから、再びできるはずだ。しかしそれには時間がかかる。現在の問題を応急処置的に修正するのに数ヶ月、表彰台や勝利を狙えるものを生み出すには数年かかる可能性がある。

    テストでの結果が悪かったのであれば、マシンが1時間半のレースという機械的な負荷にさらされるとき、その設計が想定よりも早く崩壊する可能性がある。内部的には、開幕戦オーストラリアで2台とも完走できれば成功とみなされるだろう。チーム全体の頭上に漂っている考えは、少なくとも短期的には最悪はこれから来る、というものだ。

  • マルコが明かすニューウェイの苦境 アストンマーティンF1で「うまくいってない」

    マルコが明かすニューウェイの苦境 アストンマーティンF1で「うまくいってない」

    アストンマーティンで苦しい船出を強いられているエイドリアン・ニューウェイについて、ヘルムート・マルコが「うまくいっていない」と現状を明かした。チームは新シーズン序盤から低迷が続いており、ニューウェイの立場にも注目が集まっている。

    ニューウェイはアストンマーティンの重要な補強として迎えられたが、マシン開発とチーム運営の両面を担う体制は大きな負担になっているようだ。チーム代表の役割については将来的な後任探しも進んでいるとされ、チーム内部の構造にも視線が向いている。

    マルコ「このプロジェクトには簡単に解決しない問題がある」
    レッドブル時代の元同僚でもあるヘルムート・マルコは、オーストリアのメディアに対してニューウェイと連絡を取っていることを明かした。

    「彼とは連絡を取っている」とマルコは語った。

    「彼はうまくいっていない」

    「このプロジェクトには簡単には解決しない問題がある」

    ニューウェイはアストンマーティンで、マシン設計と開発に加えてチーム代表の役割も担ってきたが、その兼務が負担になっているとみられている。本人も、チーム代表としての役割がAMR26の設計・開発作業から「少し気を散らしている」と認めている。

    そのなかで、ニューウェイの長期的な後任候補として名前が挙がっているのが、かつてレッドブルで共に働いたジョナサン・ウィートリーだ。先週、プラネットF1はウィートリーがニューウェイの第一候補になっていると報じ、その直後にウィートリーのアウディ離脱が正式に確認された。

    ニューウェイはホンダ側の問題を指摘
    一方でニューウェイは、ここまでの問題の一端についてホンダに言及している。シーズン開幕前、アストンマーティン側が日本のパワーユニット供給元に関する問題を把握したのは、昨年11月になってからだったという。

    「我々がそのことを本当に認識したのは、去年の11月ごろだった」とニューウェイは語った。

    「そのとき、ローレンス・ストロール、アンディ・コーウェル、そして私で東京に行って話し合いをした。もともとの目標出力にレース1までに到達できないのではないかという噂が出始めていたからだ」

    「その結果として分かったのは、彼らが再始動したときに、元のスタッフの多くが戻ってきていなかったということだった」

    ローレンス・ストロールはニューウェイの役割を擁護
    こうした憶測が広がるなか、アストンマーティン側はニューウェイの立場を明確にする姿勢を見せている。ローレンス・ストロールは、アストンマーティンのチーム代表の考え方は他チームとは異なると強調した。

    「我々のチームにおけるエイドリアン・ニューウェイの役割をめぐる現在の憶測について、この場を借りて事実関係を明確にしておきたい」とローレンス・ストロールは述べた。

    「エグゼクティブ・チェアマン兼筆頭株主として、私はエイドリアン・ニューウェイが私のパートナーであり、重要な株主でもあることを改めて強調したい」

    「彼はAMRのマネージング・テクニカル・パートナーであり、我々は会社の成功という共通のビジョンに基づいた真のパートナーシップを築いている」

    「我々はここで異なるやり方をしている。現在、他チームで見られるような伝統的なチーム代表の役割を採用していないが、それは意図したものだ」

    「スポーツ史上もっとも成功したエンジニアとして、エイドリアンの主な焦点は戦略的かつ技術的なリーダーシップにある。そこは彼がもっとも力を発揮する分野だ」

    「彼は、キャンパスでもトラックサイドでもビジネスのあらゆる面を遂行するため、高度なスキルを持つシニア・リーダーシップ・チームに支えられている」

    「我々には他チームの上級幹部からアストンマーティン・アラムコに加わりたいという打診が定期的にあるが、我々の方針に従い、噂や憶測についてコメントはしない」

    アストンマーティンは、ニューウェイを技術と戦略の中核に据える独自体制を維持する姿勢を示している。ただ、成績不振が続くなかで、現場運営を誰が担うのかという点は今後も大きなテーマであり続けそうだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム エイドリアン・ニューウェイ 本田技研工業

    レッドブルも苦戦 マルコは巻き返しに自信
    一方でマルコは、レッドブルの苦しいシーズン序盤についても言及した。初の自社製パワーユニットを搭載するRB22はドライバビリティと信頼性に課題を抱えており、中国GPではマックス・フェルスタッペンがリタイアを喫している。

    フェルスタッペンはここまで2戦でわずか8ポイントにとどまり、ランキング8位と出遅れているが、マルコは巻き返しに自信を見せた。

    「レッドブルは迅速かつ効果的に挽回できるチームとして知られている」とマルコは語った。

    「だから、まだ何もかも可能だ」

    「4月の2レースが中止になったのは良いことだ。その分、開発のための時間が増える」

    アストンマーティンとレッドブル、いずれも新レギュレーション下で苦戦を強いられているが、その対応力と開発スピードが今後の勢力図を大きく左右することになりそうだ。

  • アストンマーティン・ホンダF1崩壊危機 ストロール激怒「人生最悪のマシン」

    アストンマーティン・ホンダF1崩壊危機 ストロール激怒「人生最悪のマシン」

    アストンマーティンは2026年シーズン開幕から深刻な苦境に陥っている。中国GPでも結果を残せず、ホンダとの新体制は厳しい船出となった。

    鈴鹿での日本GPを目前に控えるなか、チーム内部からも悲観的な声が相次いでおり、状況の深刻さが浮き彫りになっている。

    ランス・ストロールは中国GPの週末、無線で怒りを爆発させた。

    「これは俺がこれまで乗った中で、人生最悪のクルマだ」

    さらに鈴鹿に向けた期待を問われると、率直な本音を口にした。

    「祈るしかない。一緒に祈ってくれ」

    アストンマーティンは現在、ペース不足に加え信頼性の問題にも苦しんでおり、ホンダとの新時代は困難なスタートとなっている。

    フェルナンド・アロンソも冷静ながら厳しい見方を示した。

    「僕はフィジカル面でもドライビング面でも、自分にできる準備を続けていく」

    「ホンダが課題をしっかり解決してくれれば、前進が見えるはずだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    チーム側も状況を楽観視していない。トラックサイド責任者のマイク・クラックは、即効的な改善は期待できないと強調した。

    「我々は引き続き全力で取り組むが、現実的でなければならない」

    「一夜にして奇跡は起きない。重要なのは既存の問題を一つずつ解決していくことだ」

    日本GPではアップデート投入が予定されているが、その効果についても慎重な姿勢を崩していない。

    「いくつか新しいパーツを持ち込む予定だ。それがどれほど助けになるか見ていくことになる」

    こうした競争力の低迷に加え、チーム内部の体制にも不透明感が漂う。エイドリアン・ニューウェイは日常的なマネジメントから距離を置き、より伝統的なチーム代表の招へいが検討されているとされる。

    RTBFのガエタン・ヴィニュロンは、現状に強い危機感を示す。

    「アストンマーティンにはディレクターが必要だ」

    「政治的手腕と統率力を兼ね備えた人物でなければならない。それはニューウェイの強みではない」

    さらにニューウェイの役割についても言及した。

    「ニューウェイは天才であり、創造者であり、イノベーターだ」

    「新しいレギュレーションでは、グレーゾーンを見つけて他が見逃しているものを突く必要がある」

    「それをできるだけ早く実現しなければならない」

    本来であれば盛り上がりを見せるはずの鈴鹿でのホンダ凱旋にも、特別リバリーの計画は確認されておらず、例年のような高揚感は見られない。

    苦境のアストンマーティンにとって、日本GPは転機となるのか。それともさらなる試練となるのか、注目が集まる。

  • アストンマーティンF1 ホンダ移行は“ワークス化” メルセデス「送り出した」

    アストンマーティンF1 ホンダ移行は“ワークス化” メルセデス「送り出した」

    トト・ヴォルフは、アストンマーティンが2026年にメルセデスとの関係を解消し、ホンダと提携した理由を明かした。

    2026年の新レギュレーション初年度、メルセデスは開幕2戦で連続ワンツーフィニッシュを達成するなど好スタートを切っている。一方でアストンマーティンはホンダとの新体制で苦戦しており、両者は対照的なスタートとなっている。

    ヴォルフ「我々の決定ではなかった」
    「アストンマーティンは長年にわたってメルセデスのカスタマーでありパートナーだった」とトト・ヴォルフは語った。

    「そして我々は現在もロードカー部門にはエンジンやその他のコンポーネントを供給している。だから、アストンマーティンと組まないというのはメルセデスの決定ではなかった」

    「ホンダ、そしてパートナーのアラムコとともにワークスチームになるという意識的な決定だったのだと思う。だから我々は彼らを送り出さなければならなかった」

    アストンマーティンはワークス化を選択
    アストンマーティンはメルセデスのカスタマーとして残るのではなく、ホンダとともにワークス体制へ移行する道を選んだ。

    その結果、現在はパワーユニットの信頼性やパフォーマンス面で課題を抱えているとされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    ニューウェイ「今はホンダと進むしかない」
    エイドリアン・ニューウェイはオーストラリアでの取材に対し、現状を受け入れる姿勢を示した。

    「我々は今ホンダといる。明らかに、我々の焦点はホンダとともに可能な限り良い状態に持っていくことだ」

    「現実的に言えば、今シーズンはまずこの振動問題を克服して信頼性を確保することだ。そしてそこから特に内燃エンジンでどれだけパフォーマンスを追加できるかを見ることになる」

    「同時にホンダは2027年のエンジンにも取り組む必要がある。2027年に向けて内燃エンジン出力の大きな向上が必要であり、それが彼らの最優先事項になる」

    メルセデスはアルピーヌと新関係
    メルセデスはアストンマーティンに代わり、2026年からアルピーヌへの供給を開始した。

    マクラーレンやウィリアムズへの供給も継続しており、カスタマー供給体制は維持されている。

    今回のヴォルフの発言により、アストンマーティンとの関係解消はメルセデス主導ではなく、ワークス体制を目指したアストンマーティン側の決断だったことが明らかになった。

  • アストンマーティンF1 アロンソ“誇張疑惑” クルサード「振動で辞めるのか?」

    アストンマーティンF1 アロンソ“誇張疑惑” クルサード「振動で辞めるのか?」

    アストンマーティンのフェルナンド・アロンソを巡り、中国GPでのリタイアの背景に新たな議論が浮上している。ホンダ製パワーユニット由来とされる激しい振動が原因とされたが、その説明に疑問の声が上がった。

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、アロンソの症状について「リタイアするほどではない」と指摘し、むしろホンダへのプレッシャーの一環ではないかとの見方を示した。

    アストンマーティンとホンダの関係は、開幕から信頼性問題に揺れている。こうした状況に加え、ジョナサン・ウィートリーの加入報道などチーム内外の動きも重なり、様々な憶測が広がっている。

    クルサード「振動はリタイア理由にならない」
    クルサードは、アロンソの中国GPでのリタイアについて懐疑的な見方を示した。

    「こういう状況でドライバーがやるべきことは、自分の仕事に集中することだ。エンジンを設計しているわけでも、クルマを作っているわけでもない」

    「彼がクルマの中で何を感じているかは分からないが、映像は見た。僕もタイヤの変形やホイールバランスの脱落による振動を経験してきた」

    「ステアリングには物理的に振動が伝わるものだ。それでもグランプリでピットインしてやめることはなかった。重要なのはポイントだからだ」

    さらにクルサードは、建設現場の例を引き合いに出し、次のように語った。

    「一日中ジャックハンマーを使っている作業員を見たことがあるか? 彼らは『今日は手が痛いから働かない』とは言わない」

    「だからこれは、ホンダに注目を集め続けるための都合のいい話ではないのかと疑っている。振動はドライバーよりも信頼性の問題だと思う」

    「ドライバーなら、コンマ1秒のためなら何でもやる。国歌を逆に歌いながらチェーンソーでジャグリングすることだってやるはずだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダは予算超過も辞さず?
    クルサードは、問題解決に向けたホンダの対応についても言及した。

    「彼らは立て直すだろうが、そのためには予算上限を超える必要がある。罰則を受けることになっても、そのエンジンを機能させ、チームにチャンスを与えるためには必要なことだ」

    また、現在の状況がかつてのマクラーレンとホンダの関係に似ているとも指摘した。

    「以前にも同じような困難があった。マクラーレンとホンダの関係はうまくいかなかったが、その後レッドブルで成功につながった」

    アロンソに残された時間
    クルサードは、アロンソのキャリアについても厳しい見方を示した。

    「これは彼にとって最後のチャンスだと思う。アストンマーティンでのキャリアが終わった後、フェラーリやレッドブルに行くことはない」

    「彼は45歳になる。素晴らしいドライバーだし尊敬しているが、キャリアの最後の1年か2年に差し掛かっている」

    「他チームに移籍するか? 誰が彼を欲しがるのか。そして彼自身もそうは言わないだろう。最終的に勝てるクルマができるまで、今の場所で続けるしかない」

  • アストンマーティンF1 BYD参入報道の裏でホンダがチーム運営に関与の噂

    アストンマーティンF1 BYD参入報道の裏でホンダがチーム運営に関与の噂

    アストンマーティンF1を巡り、中国メーカーのBYDが将来的なF1参入の足がかりとして買収を検討しているとの報道が浮上した。

    ホンダとの新たな提携で2026年F1新時代の躍進が期待されたアストンマーティンだが、現状は厳しい。マシンは後方に沈み、レース距離を走り切ることさえ難しい状況にあると伝えられている。

    現在のアストンマーティンは、ホンダ製パワーユニットに起因するとされる振動に苦しんでいる。報道では、その振動がフェルナンド・アロンソやランス・ストロールに強い痛みを与え、グランプリを最後まで戦い抜くことを困難にしているという。

    アロンソ自身も、中国GPで手の感覚を失ったと語り、その結果としてリタイアを選んだとされる。こうした状況を受け、チームの将来を巡る憶測が強まりつつある。

    BYDがF1参入の道を探る候補に
    独『アウト・モトール・ウント・シュポルト』によると、中国ブランドのBYDがF1参入に関心を示しており、その方法として既存チームの買収が選択肢になっているという。

    同誌は、BYDが2025年に460万台を販売したメーカーであり、F1グリッドの12番目の枠を活用することで、自社製品への関心をさらに高める可能性があると伝えている。

    ただし、新規チームを一から立ち上げることは極めて難しい。キャデラックも直面しているように、F1参入には多くの障壁があるため、BYDは既存チームの取得に目を向けているとされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    候補として挙がったのはアルピーヌとアストンマーティン
    報道では、買収候補としてアルピーヌとアストンマーティンの2チームが挙げられている。

    そのうちアストンマーティンについて、同誌は「テストとメルボルンでの失態の後、オーナーのローレンス・ストロールはまもなく限界点に達する可能性がある」と伝えた。

    もっとも、この買収シナリオは現実味に欠けるとも見られている。記事では、ローレンス・ストロールがアストンマーティンのF1計画に多額の投資を続けてきたことに加え、ホンダが関わっている現体制が、そう簡単に解消されるとは考えにくいと指摘している。

    ホンダの将来まで含めた見方も
    同誌は、たとえ現在の苦戦が続いているとしても、ホンダが提携初年度でただちに計画を打ち切ることはないだろうとみている。

    さらに、将来的にはホンダ自身がチームを引き継ぐ可能性にまで言及しており、2005年末にBARを引き継いだケースになぞらえている。

    現時点ではあくまで憶測の域を出ないものの、アストンマーティンF1の深刻な不振が、新たなメーカー参入の思惑と結び付けられていることは確かだ。2026年F1シーズン序盤の混乱が、チームの将来像にまで波及し始めている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 日本GPでジャック・クロフォードをFP1に起用

    アストンマーティン・ホンダF1 日本GPでジャック・クロフォードをFP1に起用

    アストンマーティンは、サードドライバーのジャック・クロフォードが2026年F1日本GPのフリー走行1回目に出走すると発表した。鈴鹿ではフェルナンド・アロンソに代わってAMR26をドライブする。

    今回の走行は、クロフォードにとってアストンマーティンのサードドライバーとして初めてのFP1出走となる。チームに義務づけられているルーキー走行枠のひとつを満たす機会でもあり、レースウイーク中の実戦環境でチームとの連携をさらに深める場となる。

    鈴鹿はクロフォードにとって未走行のサーキットだが、これまで担ってきたシミュレーター作業の積み重ねが今回の走行でも重要な意味を持つ。F1を代表する歴史ある難コースで、実車による経験を積むことができるからだ。

    20歳のクロフォードは、すでにF1マシンでの走行経験を持っている。昨季終盤にはFP1を2度経験しており、今回の走行によって6か月足らずで3度目のFP1出走となる。アストンマーティンのF1マシンでは、すでに3000km以上を走破している。

    クロフォード「歴史があり要求の厳しい鈴鹿を走るのが楽しみ」
    「チームのために鈴鹿でマシンを走らせることができて、本当に興奮している」とジャック・クロフォードは語った。

    「鈴鹿はとても歴史がありながら要求の厳しいサーキットだし、シミュレーターで学んだことを実際のコースコンディションに生かすのが待ちきれない。こうした機会を与えてくれたチームに心から感謝している」

    「これまでのFP1セッションと同じように、今回もこの機会を最大限に生かし、できるだけ多くのことを学びたい」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 日本グランプリ

    マイク・クラック「貴重な経験を積みながらチームにも貢献できる」
    「若い才能を育てていくという我々の継続的な取り組みの一環として、ジャックに再びFP1の機会を与えられるのは素晴らしいことだ」とアストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーであるマイク・クラックは述べた。

    「彼は特にシルバーストンのシミュレーターで懸命に取り組んできたし、今回のセッションは貴重な実走経験をさらに積み重ねる機会になる」

    「彼が成長を続けるうえで重要な機会になると同時に、有益なデータやフィードバックを集めることでチームに貢献する場にもなる」

  • アストンマーティン・ホンダF1 振動は氷山の一角「本当の問題を覆い隠す」

    アストンマーティン・ホンダF1 振動は氷山の一角「本当の問題を覆い隠す」

    アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは2026年F1中国GP決勝で32周を走行した後にリタイアを喫した。オンボード映像では、ステアリングから手を離して感覚を取り戻す場面も確認されるなど、深刻な振動に見舞われていた。

    上海での一戦は、アロンソにとって今季最長スティントとなったが、マシンはガレージへ戻ることとなった。問題は単なる不快感にとどまらず、マシン全体の信頼性やパフォーマンスにも影響を及ぼしている。

    マイク・クラック(トラックサイドエンジニア)は今回の状況について次のように説明した。

    「アロンソは不快な状態だった。33周を走ったが、これまで連続してその距離を走れたことはなかった。スプリントでも19周だった。もし勝利を争っていれば走り続けることも可能だったかもしれないが、我々はその状況ではなかったため、リタイアの判断は容易だった」

    また、ホンダ側のプロジェクト責任者である折原慎太郎は、振動の問題が依然として解決途上であることを認めた。

    「システム上の振動は改善しているが、依然としてドライバーの快適性に影響を与えている。日本GPに向けて解決すべき重要な領域だ」

    振動問題の裏にある本質的な課題
    アストンマーティンは上海を終え、問題の本質が振動だけではないとの認識を強めている。エンジン由来の信頼性問題は明らかだが、それだけがパフォーマンス不足の原因ではない。

    アロンソ自身も予選Q1敗退後に「これがこのシャシーのポテンシャルだ」と認めており、車体側の限界も浮き彫りとなっている。クラックもこの点について次のように語る。

    「振動は主に信頼性に影響している。我々は複数の分野で改善が必要だが、失っているのは秒単位の差ではない。一部のセットアップでは保守的になっているが、大きなパフォーマンスロスではない」

    つまり、振動と戦闘力不足は独立した問題として存在しており、両面での開発が求められている状況だ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    PU性能とエネルギー回生の遅れ
    現在の最大の制約は内燃機関側にある。アストンマーティンのパワーユニットは他メーカーと比べてエネルギー回生量が少なく、その結果としてレース中の電力供給にも影響が出ている。

    一方で、AMR26は一発の速さ、すなわち予選では比較的競争力を見せており、問題の複雑さを物語っている。

    “空白の1か月”が開発の鍵に
    バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止により、チームには約1か月の開発期間が生まれることになった。これにより、通常のレース週末では難しい集中的な問題解決が可能となる。

    クラックはこの状況を前向きに捉えている。

    「サーキットに行けば多くのことを学べるが、レースがないことでカレンダーの制約を受けずに問題解決に集中できる側面もある」

    また、中国GPでは他チームにも信頼性トラブルが発生しており、問題は特定チームに限らない。クラックは次のように締めくくった。

    「ライバルには大きな敬意を持っている。どのチームも懸命に取り組んでおり、同じような問題を抱えている。グリッドからマシンを下げるような状況は誰にも望ましくない。具体的な原因は分からないが、マクラーレンのようなチームでも起こり得ることを示している」