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  • アストンマーティンF1不振の核心 ニューウェイのホンダPU設計介入が原因か

    アストンマーティンF1不振の核心 ニューウェイのホンダPU設計介入が原因か

    アストンマーティンF1は2026年シーズン開幕から苦戦が続いている。その背景として浮上しているのが、エイドリアン・ニューウェイによるホンダのパワーユニット設計への介入だ。

    単なるパフォーマンス不足ではなく、設計段階でのパッケージング変更が原因となり、現在の振動問題やドライバビリティの悪化を招いている可能性が指摘されている。

    この問題は「なぜアストンマーティンがここまで苦しんでいるのか」という問いに対し、技術的な因果関係を伴う形で説明できる数少ない仮説のひとつでもある。

    ベテランF1ジャーナリストのマーク・ヒューズは、ポッドキャストでニューウェイの関与について言及した。

    「現在のホンダのパワーユニットの振動問題の一部は、エイドリアンが到着した際に可能かどうかを尋ねたレイアウトに関係している可能性があると考えられている」

    「彼はかなり遅れて合流したが、パワーユニットを短くしたいと考えていた」

    「そのための方法のひとつが、バッテリーを電子系で二重に積層し、MGU-Kをエンジン後方ではなく前方に配置することだった。これによってダウンフォースを生むためのスペースが生まれる」

    「ホンダはまだ問題の正確な原因を特定できていないが、それと関連している可能性はある」

    この証言が示すのは、空力性能を優先したパッケージング変更が、パワーユニット本来の安定性とトレードオフの関係にあった可能性だ。

    “空力優先設計”が生んだ構造的なズレ
    本来、パワーユニットは信頼性と一貫性を最優先に設計される領域だ。しかし今回のケースでは、シャシー側の要求に合わせて配置そのものが再設計されたとみられる。

    その結果、振動という形で副作用が顕在化し、エネルギー回収系や車体全体の挙動にまで影響を及ぼしている可能性がある。

    単なるセットアップの問題ではなく、「設計思想の衝突」に近い構図が見えてくる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ニューウェイの哲学は“成立させてから解決する”
    1996年F1ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルは、ニューウェイのアプローチについて次のように説明している。

    「彼はこう考えるはずだ。『基本的な目標は達成した。あとは機能させるだけだ』と」

    「これは彼のやり方だ。まず理想のレイアウトを成立させ、その後に問題を解決していく」

    「彼はその方向で押し続けるだろうし、最終的には何かしらの成果が出るはずだ。うまくいかない可能性は低い」

    この発言は、現在の問題が“失敗”ではなく、開発途中の段階にあることを示唆している。

    鍵は“成立したコンセプトを機能させられるか”
    現状のアストンマーティンは、空力的には理想に近いパッケージを手にしている可能性がある一方で、それを実際のパフォーマンスに変換できていない。

    振動問題の解決は、単なる改良ではなく、PUとシャシーの関係性そのものを再調整する必要がある領域に踏み込む可能性が高い。

    ニューウェイ主導の攻めた設計が、時間とともに完成形へと収束するのか。それとも設計そのものの見直しを迫られるのか。アストンマーティンの2026年シーズンは、この一点に大きく左右されることになる。

  • アストンマーティンF1 ホンダ批判の構図 マクラーレンの“前例”と酷似

    アストンマーティンF1 ホンダ批判の構図 マクラーレンの“前例”と酷似

    2026年F1シーズンの開幕とともに始まったアストンマーティンとホンダのパートナーシップは、期待とは裏腹に不安定な立ち上がりを見せている。チームは低迷の要因としてパワーユニット側の問題を繰り返し指摘しており、その構図が過去のある事例と重なり始めている。

    その比較対象とされているのが、かつてマクラーレンがメルセデスとの関係において取っていた対応だ。

    技術的課題を巡る責任の所在が、チーム内の力学や政治的な判断によって外部へと向けられていた可能性が浮かび上がっている。

    ホンダ批判の構図と浮かび上がる課題
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤の不振について、ホンダ製パワーユニットの振動問題を主因として挙げている。フェルナンド・アロンソは日本GPでようやく今季初完走を果たし、ランス・ストロールはここまで合計82周の走行にとどまっている。

    この振動問題については、エンジン単体ではなくシャシー側の影響も指摘されている。ホンダ上層部は、問題がAMR26への搭載後に顕在化したことから、シャシーが振動を増幅している可能性を見ているとされる。また、エイドリアン・ニューウェイが手がけたこのマシン自体も、期待に達していないとの見方が出ている。

    それにもかかわらず、チーム側の発信は一貫してホンダ側の問題に焦点を当てている。この状況が、過去のマクラーレンとメルセデスの関係と重ねられている。

    マクラーレン時代との共通点
    デビッド・クルサードは、マクラーレン在籍時にチーム代表ロン・デニスから「問題があればエンジンのせいにするように」と指示されていたと明かしている。

    「ロン・デニスは、何か問題があれば『エンジンのせいだと言え』と言っていた」

    「当時のモータースポーツ責任者だったノルベルト・ハウグにその話をすることもあったが、彼がクルマのせいにしろと言ったことは一度もなかった」

    「つまり、同じチームであっても、実際には成功を目指す2つの異なる組織だったということだ」

    この構図は、現在のアストンマーティンとホンダの関係にも通じる。表向きはワークス体制であっても、責任の所在が明確に共有されていない場合、こうした“責任の外部化”が起きやすい。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1/本田技研工業

    ニューウェイ初号機に向けられる視線
    今回のホンダ批判が意味するもうひとつの側面は、ニューウェイが加入後初めて関与したマシンへの評価を巡る問題だ。

    アストンマーティンは2025年4月にニューウェイを迎え入れ、その後のマシン設計を任せている。しかし、2026年型マシンAMR26は現時点で結果を残せておらず、本来であればその設計思想やパフォーマンスが問われる局面にある。

    だが、パワーユニット側の問題に議論が集中することで、シャシーへの直接的な批判は相対的に抑えられている。この点が、戦略的な情報コントロールと見る向きもある。

    パートナーシップに残るリスク
    ホンダは今回のプロジェクトのためにF1活動を再構築しており、今回の一連のネガティブな報道はブランドイメージへの影響も小さくない。

    かつてマクラーレンとの関係では、過度な要求や制約がパワーユニット開発の妨げとなり、最終的にプロジェクトは短期間で解消された。ホンダは2019年にレッドブルと組んで以降、ようやく成功を手にした経緯がある。

    今回のアストンマーティンとの関係においても、同様の構図が繰り返される場合、パートナーシップそのものの持続性が問われる可能性がある。

    現時点ではまだシーズン序盤だが、責任の所在を巡るこの構図が今後どのように変化していくかは、2026年F1の重要なテーマのひとつとなりそうだ。

    Source: F1 Oversteer

  • アストンマーティンF1混迷 ウィートリー待望論「誰も責任が分からない」

    アストンマーティンF1混迷 ウィートリー待望論「誰も責任が分からない」

    アストンマーティンは2026年シーズン序盤、組織面での混乱がパフォーマンス低迷の要因として浮き彫りになっている。技術的な課題だけでなく、チーム内部の意思決定構造そのものに問題があるとの指摘が強まっている。

    その象徴ともいえるのが、元F1ドライバーであり現在は解説者を務めるマーティン・ブランドルの発言だ。彼はチームの現状について「誰も何をすべきか分かっていない」と断じ、ジョナサン・ウィートリーの加入を“必要不可欠な処方箋”と位置づけた。

    今回の焦点は3つある。第一に、長年続く経営陣の不安定さ。第二に、エイドリアン・ニューウェイを巡る異例の体制。そして第三に、その混乱を収束させる存在としてのウィートリー待望論だ。

    止まらない人事の揺らぎが組織を崩壊させる
    ローレンス・ストロールのもとで進められてきたチーム強化は、施設面では大きな成功を収めた。しかし人的構成、とりわけ上層部の安定性は確保できていない。

    ここ数年、アストンマーティンは主要ポジションの入れ替えを繰り返してきた。その結果、組織としての一貫性が失われ、現場の判断基準も曖昧になっている。

    マーティン・ブランドルはこの状況を強く問題視している。

    「アストンマーティンの最大の問題は、経営陣のローテーションが激しすぎることだ。誰が何を担当しているのか、誰が責任者なのか、奇妙な決定がいくつもある」

    この指摘は単なる印象論ではない。意思決定のラインが不明確な組織では、戦略の継続性が担保されず、結果としてパフォーマンスにも直結する。

    ニューウェイ体制の“歪み”
    混乱を象徴するのが、エイドリアン・ニューウェイの起用だ。

    純粋な設計者であるニューウェイにチーム代表的な役割を担わせる判断について、ブランドルは疑問を呈する。

    本来、マシン開発に集中すべき人物が組織運営まで担うことで、役割の分断が曖昧になっている。これは短期的には意思決定のスピードを落とし、長期的には組織全体の方向性を不安定にするリスクを孕む。

    実際、現場ではその影響がすでに表面化している。

    「チーム内では皆が様子をうかがっている。誰に報告すべきか、どんな戦略なのか、何も分かっていない」

    この証言は、単なる混乱ではなく“統治不全”に近い状態を示唆している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ウィートリー待望論の現実性
    そうした中で浮上しているのが、ジョナサン・ウィートリーの加入だ。

    ブランドルは、ウィートリーがアウディを離れた判断について「軽いものではない」とし、その先にアストンマーティンがあるとの見方を示す。

    「彼はアウディのプロジェクトも、家族のスイス移住も簡単に捨てたわけではない。だから最終的にはアストンマーティンに行くと考えるのが自然だ」

    さらに、ニューウェイとの関係性も重要な要素だ。

    「ニューウェイは彼をよく知っているし、ウィートリーの現実主義と献身性は、今のチームに必要なものだ」

    つまり、現在のアストンマーティンに欠けている“組織をまとめる機能”を補完できる人物として評価されている。

    なぜ今ウィートリーなのか
    今回の一連の発言が示しているのは、単なる人材補強の話ではない。

    アストンマーティンの問題は、マシン性能でもホンダとの関係でもなく、「組織の意思決定構造」にあるという点だ。

    ブランドルは最後にこう締めくくっている。

    「今のアストンマーティンはプレミアリーグのチームのようだ。監督を次々と替えている。だがその先に何があるのか?」

    この問いに対する明確な答えは、まだ存在しない。

    だが少なくとも、ウィートリーの加入が“秩序の回復”に向けた最初の一手になる可能性は高い。現状の混乱を放置すれば、どれだけ優れた技術リソースを持っていても結果には結びつかない。

    アストンマーティンにとって今必要なのは、速さではなく「方向性」そのものだ。

  • アストンマーティンF1 苦戦はホンダPUだけではない 高速域と重量に問題

    アストンマーティンF1 苦戦はホンダPUだけではない 高速域と重量に問題

    アストンマーティンは2026年F1日本GPで初完走を果たし、これまで最大の課題とされてきた振動問題に一定の改善の目処が立ったことが明らかになった。

    しかしチームはすでに次の段階へと移行しており、ホンダPU由来の問題だけでなく、シャシーと空力性能、そして重量といった車体側の課題がAMR26の競争力を制限している現実が浮き彫りとなっている。

    振動問題は「二次的な課題」へ
    アストンマーティンのマイク・クラックは、これまで最大の問題だった振動について、今後は優先度が下がるとの見方を示した。

    「振動は今後も取り組む必要はありますが、二次的な問題になると考えています。マイアミまでには前進し、この話題について議論する必要がなくなることを期待しています」

    これによりチームは、これまで信頼性を優先してきた段階から、パフォーマンス向上へと焦点を移しつつある。

    クラック「本当の問題は車体側にある」
    クラックは、現在の課題がパワーユニットだけではないことを明確にした。

    「我々は高速コーナーで十分な性能を持っていないし、最低重量にも達していない」

    この発言は、AMR26の弱点がシャシーおよび空力設計に及んでいることを示しており、開発の主軸が車体側へ移行していることを意味する。

    ニューウェイ体制の次の課題
    エイドリアン・ニューウェイが主導するAMR26は、振動問題に加え、高速域でのパフォーマンス不足と重量超過という複合的な課題を抱えている。

    これにより、単純なパワーユニット改善だけでは競争力の向上にはつながらない状況となっている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1/本田技研工業

    ホンダも性能改善フェーズへ
    ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は、日本GPでの完走に安堵を示した。

    「これほど完走を願ったことはありませんでした。正直、ほっとしています」

    一方で、振動問題は依然として根本解決には至っておらず、これまでの対策は暫定的なものであったことも明かされた。

    「これまではバッテリー損傷を防ぐための暫定的な対策でした。今後はシャシー側と連携して根本的な解決に取り組んでいきます」

    さらにホンダは、エネルギーマネジメントの精度向上などパフォーマンス改善にも着手している。

    「山を登る段階」に入ったアストンマーティン
    クラックはチームの現状について、長期的な改善が必要であると強調した。

    「我々は自滅してはいけない。難しい状況だが、この数カ月のポジティブな側面に集中する必要がある」

    「これは本来なら当たり前のことだが、今は現実を受け入れ、そこから前に進むしかない」

    「我々は大きなステップを踏まなければならない。小さな改善ではなく、山を登る必要がある」

    アストンマーティンは約1カ月のインターバルを活用し、次戦マイアミに向けてシャシーと空力の改善を進める方針だ。

  • F1日本GPで関係に変化 アストンマーティンとホンダに転換点

    F1日本GPで関係に変化 アストンマーティンとホンダに転換点

    2026年F1日本GPで、アストンマーティンとホンダの関係に変化の兆しが見えた。数週間にわたり緊張が続いていた両者だが、鈴鹿では完走という共通目標のもとで結束し、これまでとは異なる姿勢を示した。

    結果そのものは決して満足のいくものではなかったが、発言のトーンと現場の連携には明確な変化が見られ、関係性の“転換点”といえる週末となった。

    開幕前から続いていた緊張関係
    エイドリアン・ニューウェイが開幕前に発した発言以降、アストンマーティンとホンダの関係は緊張状態にあった。

    アストンマーティンは不振の主因がホンダにあると示唆し、場合によっては提携を見送っていた可能性にまで言及。一方でホンダは、設計変更やシャシー側にも原因があると主張し、責任は一方に偏るものではないと反論していた。

    鈴鹿で非難は消えた
    しかし鈴鹿では、その空気が一変した。

    アストンマーティンのマイク・クラックは次のように語った。

    「チームの誰もこの結果を祝う気分ではない。それは明らかだ」

    「現在の状況を認識し、受け入れ、それを乗り越えるために懸命に取り組まなければならない」

    結果的にチームは上位争いには加われず、レースはドライバーとチームにとっての学習の場となったが、現場の努力は前進として評価された。

    共同作業が生んだ“前進”
    中国GPと日本GPの間には、両チームのエンジニアが共同でデータ調整を実施し、ダイナモやファクトリーを活用した連携作業が行われた。

    ホンダのチーフエンジニアである折原慎太郎は次のように語った。

    「中国と日本のグランプリの間の週に、データ設定の調整を行い、両チームのエンジニアが我々のダイナモメーターとアストンマーティンの工場を使って共同作業を行いました」

    「アストンマーティンは対策の実装において顕著に協力してくれました。そして、それが結果に結びつき、レース完走につながったことは重要だったと思います」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1/本田技研工業

    渡辺は関係悪化説を否定
    ここ数週間、アストンマーティンとホンダの関係については、かつてのマクラーレン時代のような決別に向かうのではないかという憶測が広がっていた。

    しかしホンダ・レーシング社長の渡辺康治は、日本グランプリ前にこの見方を明確に否定している。

    「まったくそのようなことはありません。我々の関係は悪化していません」

    「信頼は一夜にして築かれるものではありません。さまざまな困難を乗り越えながら時間をかけて築かれるものです。その意味では、今が信頼を生み出す時だと思います」

    フェルナンド・アロンソは鈴鹿でレースを完走し、ホンダにとって母国での小さな喜びをもたらした。

    そして実際にそうなったようで、少なくとも鈴鹿では公の場でも内部でも状況は好転した。

    「アストンマーティンとホンダの関係はかなり良好です」と渡辺は強調した。

    「例えばホンダでは角田哲史がパワーユニットのプロジェクトリーダーであり、アストンマーティンではエンリコ・カルディレ(同チームのテクニカルディレクター)が密接に連携しています。さらに、私はストロール氏やエイドリアン・ニューウェイとも良好な関係にありますので、心配はしていません」

    さらに渡辺康治は、エイドリアン・ニューウェイの過去の発言についても説明した。

    「はい、基本的には誤解だと思います」

    「我々の方針は、モータースポーツのエンジニアを量産部門や、ジェット航空、eVTOL、水関連技術などの先進分野へ定期的にローテーションさせることです。つまり、このローテーションは最初から維持してきました」

    「おそらく私の説明だけでは十分ではないでしょう。また先ほども言ったように、組織の再構築には時間がかかったため、それが懸念だったのだと思います。しかし現在は十分な組織と人材を備えています」と渡辺はまとめた。

    アロンソの一言が象徴した変化
    この週末を象徴する場面のひとつが、フェルナンド・アロンソの行動だった。

    渡辺康治は次のように明かしている。

    「アロンソがグリッドで私のところに来て、日本語で『がんばって!』と言ってくれました」

    「彼は日本語をあまり理解していないので、おそらく『がんばるよ!』と言いたかったのだと思います」

    さらにチーム全体についてもこう語った。

    「全員が同じ目標のために努力しました」

    「ただレースを完走するだけですが、我々にとっては大きな前進だったと思います」

    「サーキットで努力してくれたアストンマーティンとホンダのスタッフにとても感謝していますし、本当にうれしく思っています」

    「これを前進の一歩として活かし、さらに進んでいきたいと思います」

    この転換点は本物か
    鈴鹿で示された結束は、これまでとは明らかに異なるものだった。

    ただし、それが一時的なものに終わるのか、それとも本格的な関係改善へとつながるのかは、今後の結果に委ねられている。

    完走という第一歩を踏み出した両者が、この“転換点”を継続的な前進へと変えられるかが問われている。

  • アストンマーティンF1 ホンダとの関係に問題なし 握手の真意

    アストンマーティンF1 ホンダとの関係に問題なし 握手の真意

    アストンマーティンとホンダの関係をめぐり、日本GPのグリッド上で交わされた握手が注目を集めた。チームが厳しいシーズン序盤を過ごす中、その意味をめぐってさまざまな見方が広がっていた。

    実際にアストンマーティンは、信頼性と競争力の両面で課題を抱え、苦しいスタートを切っている。日本GPでも2台が後方グリッドに沈むなど、状況は厳しかった。

    そうした中で撮影されたローレンス・ストロールと渡辺康治の握手は、両者の関係性を象徴する場面として受け止められた。

    では、この握手は何を意味していたのか。アストンマーティン側は、その解釈を明確に否定している。

    クラック「和解の必要はない」
    アストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーであるマイク・クラックは、この握手について「和解」を示すものではないと断言した。

    「和解する必要はなかった。我々は良好な関係にあるからだ」

    「我々はここに来た。このレースがパートナーの母国レースであることを理解している」

    「我々はホンダに大きな敬意を持っているし、現在抱えている問題に対してどれほどの作業が行われてきたかも見てきた」

    「我々としてもレースを完走するためにできる限りのことを試みるのは当然のことだった」

    クラックは、握手はあくまでホンダの母国レースに対する敬意の表れだったと説明する。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチームと本田技研工業

    「問題は存在しない」関係性の強調
    さらにクラックは、チーム間に緊張関係が存在するという見方そのものを否定した。

    「それについては以前から話し合っていたし、今週や来週に向けても引き続き話し合っている」

    「だから和解する必要はない。問題は存在しないからだ」

    苦戦が続く状況にあっても、両者の関係は維持されていると強調した形だ。

    厳しい現実の中での日本GP
    もっとも、ホンダの母国レースとなった日本GPは、アストンマーティンにとって厳しい週末となった。

    2台は後方グリッドからのスタートを余儀なくされ、ランス・ストロールはトラブルによってリタイア。一方でフェルナンド・アロンソが完走を果たし、今季初めてアストンマーティンのマシンがチェッカーを受ける結果となった。

    厳しい状況は続いているものの、少なくともホンダとの関係性に亀裂はない。今回の握手は、対立の解消ではなく、パートナーシップの継続を示すものだったといえそうだ。

    Source: RacingNews365

  • アストンマーティン・ホンダF1「自壊は回避」 信頼性危機を脱出へ

    アストンマーティン・ホンダF1「自壊は回避」 信頼性危機を脱出へ

    アストンマーティン・ホンダF1は2026年F1日本GPでフェルナンド・アロンソが18位で完走し、今季初めてレース距離を走り切った。ホンダ側も最も深刻だった信頼性問題を克服したとの認識を示し、AMR26はようやく通常に近い状態で走行できる段階に入った。

    ただし、競争力の面では依然として課題が残る。空力の再設計やシャシー軽量化には数カ月を要し、パワーユニットの性能改善は夏以降になる見通しだが、チーム内では「最悪期は脱した」との見方が広がっている。

    アロンソとホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治がグリッド上で交わした抱擁は、アストンマーティンがこの危機をホンダとともに乗り越えていく姿勢を象徴するものだった。

    レース後のホスピタリティには安堵の空気があったものの、祝賀ムードはなかった。

    クラック「祝う状況ではないが前進した」
    マイク・クラック(アストンマーティン)は現状について次のように語った。

    「チームの雰囲気は祝うようなものではないのは明らかだ」

    「ただ振り返れば、メルボルンでは6周走ることを評価していたし、上海ではセッションに参加できたがコースに出るまでに多くの作業が必要だった」

    「今回はそうではなく、マシンは走れる状態にあった。目標は控えめに2台とも完走することだったが、1台で達成した。これは多くのステップの中の小さな一歩だ」

    さらに現状の危機についても言及した。

    「チームとして自壊してはいけない。我々は難しい状況にあるが、この3カ月のポジティブな点を見る必要がある」

    「1月以降ほとんど走れていなかったが、今はレースを完走した。本来は当たり前のことだが、それが今の我々の現実だ。それを受け入れて前に進む必要がある」

    「現場、さくらの施設、そしてシルバーストンの全員に功績がある」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    高速コーナーと重量が課題
    一方で、問題がエンジンだけではないことも明確になっている。

    「我々は大きなステップを踏む必要がある。信頼性のような小さな改善ではない」

    「この中断期間で最初の一歩を踏み出すが、我々は山を登らなければならない」

    「高速コーナーで良くないし、最低重量にも達していない。改善すべきことがある」

    「それを解決したとしても、同時にホンダも目指す位置にはいない」

    ホンダ側も現状を認めている。現場責任者の武石伊久雄は、信頼性確保のために出力を抑えているわけではないと明言した。

    「短期間で解決できる問題ではないが、エンジン性能の改善に集中している」

    「エネルギーマネジメントの改善が必要だが、エンジンの作動条件は限界に近く、余裕は大きくない」

    4週間のインターバルは、アストンマーティンとホンダにとって再建に向けた重要な時間となる。現状は依然として厳しいが、チームは「自壊」を回避し、次の段階へ進み始めている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 今季初完走も課題山積み「祝う状況ではない」

    アストンマーティン・ホンダF1 今季初完走も課題山積み「祝う状況ではない」

    アストンマーティン・ホンダF1は2026年F1日本GP決勝でフェルナンド・アロンソが18位完走を果たし、今季初のレース完走を達成した。一方でランス・ストロールは30周目にトラブルでリタイアしている。

    ホンダの母国レースで完走を果たしたことは大きな節目となったが、パフォーマンスと信頼性の両面で課題が残る結果となり、チーム内に祝福ムードはなかった。

    クラック「祝福ムードではまったくない」
    マイク・クラックは今回の結果について冷静に評価した。

    「チームの雰囲気が祝福ムードではないのは明らかだ」

    「だが、メルボルンを振り返れば、我々は6周走ることについて話していた。上海では全セッションをこなすことはできたが、その合間には、すべてのセッションを走るために多くの作業が必要だった。今回はそうではなかった」

    「今回はセッションの合間に通常どおりマシンを準備することができた。そして我々の目標は、明らかに控えめな目標だったが、2台そろって完走することだった。我々は1台でそれを成し遂げた。だから、小さな一歩だ」

    クラック「重要な一歩だが改善は不可欠」
    クラックはホンダとの協働を含め、この完走が持つ意味を認めつつも、課題の大きさを強調した。

    「今日の目標はレース距離を完走することだったが、フェルナンドが18位でそれを達成した」

    「これはチームと技術パートナーであるホンダにとって、母国レースでの重要な瞬間だ」

    「信頼性は改善していることを示せたが、ランスのマシンに発生したICEの水圧トラブルが示すように、まだ多くの作業が必要だ」

    「また、我々のパッケージのパフォーマンスは必要なレベルには遠く及んでおらず、改善に向けて取り組まなければならない」

    「ドライバーたちの決意とレースへの姿勢には感謝したい」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    パフォーマンス面では「大きな前進」が必要
    信頼性の改善だけでは状況は好転しないと、クラックは認めている。

    「信頼性の問題を修正し始めた瞬間に、誰もがパフォーマンスに目を向ける」

    「そしてそこを見ると、我々には小さな一歩ではなく、大きな前進が必要だ。我々はこの5週間の休みを使って、その第一歩を踏み出さなければならない」

    「だが、乗り越えなければならない山は大きい」

    AMR26の課題も明確「我々にも責任がある」
    外部からはホンダ側に注目が集まるが、クラックはシャシー側の課題も認めている。

    「我々が抱えているパフォーマンス不足については、我々自身にも責任がある」

    「高速コーナーで良くないし、最低重量にも達していない。だから取り組むべきことは明確だ」

    「ホンダも現状に満足していないし、最大限にプッシュしている。我々の両者に多くの仕事が待っている」

  • アストンマーティン・ホンダF1 日本GPで今季初完走「信頼性は一歩前進」

    アストンマーティン・ホンダF1 日本GPで今季初完走「信頼性は一歩前進」

    アストンマーティン・ホンダF1は、2026年F1第3戦日本GP決勝で苦戦を強いられながらも、フェルナンド・アロンソが完走を果たし、信頼性の面で一定の前進を見せた。

    三重県・鈴鹿サーキットで開催された日本GPは3月27日に開幕し、29日の決勝は53周で争われた。チームはここ数戦で課題となっていた信頼性の改善に取り組んできたが、今回のレースでは完走によって多くのデータを持ち帰る結果となった。

    折原「信頼性は前向きな一歩」
    「今日の鈴鹿では、アロンソ選手のマシンがレース距離を走り切ることができ、信頼性の面でまずは前向きな一歩となりました」

    「ここ数週間、信頼性を改善するためにチームと一丸となって取り組んできましたが、同時にエンジン性能の向上と、エネルギーマネジメント戦略の最適化も進めてきました」

    「アロンソ選手が完走したことで、今日は多くのデータを得ることができ、今後に向けた重要な情報が蓄積できました」

    「次戦マイアミまでの4週間は、この点に集中して取り組んでいきます」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1 日本GP

    母国開催での走行に手応え
    「母国のファンの皆さまの前でアロンソ選手、ストロール選手とレースができたことは特別で、日本グランプリの期間を通して掲げられていた応援バナーや温かい応援メッセージを目にし、とても胸を打たれました」

    アストンマーティン・ホンダF1は、依然としてパフォーマンス面では課題を抱えているものの、鈴鹿で得たデータと経験をもとに、次戦マイアミに向けた巻き返しを図る。

  • アストンマーティン・ホンダF1 鈴鹿で最後尾屈辱 キャデラックにも敗北

    アストンマーティン・ホンダF1 鈴鹿で最後尾屈辱 キャデラックにも敗北

    アストンマーティン・ホンダF1は2026年F1日本GP予選で深刻な低迷を露呈し、フェルナンド・アロンソが21番手、ランス・ストロールが最下位と、2台そろってQ1敗退。決勝は最後尾からのスタートとなり、キャデラック勢の後方に沈む結果となった。

    鈴鹿サーキットの高速コーナーが続くレイアウトはマシンの弱点をより顕著に浮き彫りにし、パフォーマンス不足が明確に表れた週末となった。チームは信頼性面で一定の前進を見せつつも、競争力の面では依然として厳しい状況に置かれている。

    アロンソ「現状の限界が露呈した」
    フェルナンド・アロンソは予選後、現在の苦しい状況を率直に認めた。

    「今日の鈴鹿での予選は僕たちにとって厳しいものだった。このサーキットは今の僕たちの限界を浮き彫りにするもので、それがコース上でもはっきりと見えていた」

    「Q1で敗退したとはいえ、セッションを通して走行を重ねることができたのは良かった。データを集めてクルマをより理解するためには重要なことだ」

    「ここでドライブするのはやはり好きだ。だから明日はできる限りのことを最大化して、何が可能かを見ていくつもりだ」

    ストロール「完走が最優先」
    ランス・ストロールも、現状を踏まえた現実的な目標を語った。

    「Q1の最後のランでエネルギーマネジメントに問題があって、数コンマを失った。その影響で明日は最後尾からのスタートになる」

    「レースの目標はチェッカーフラッグを受けて完走することだ。今の問題を解決するまでは、信頼性が最優先になる」

    「今後数か月にわたって取り組むべき領域ははっきり分かっているし、すぐに解決できるものではない。時間がかかる」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1 日本GP

    クラック「改善はあるが十分ではない」
    トラックサイド責任者のマイク・クラックも、厳しい現状を認めつつ改善の兆しに触れた。

    「我々のパフォーマンスが本来あるべき位置にないことは分かっていたし、この週末が厳しくなることも予想していた」

    「ランスとフェルナンドはともに今日の予選で強くプッシュし、それぞれQ1で3回のランを完了した」

    「Q2進出には届かなかったが、段階的な改善は見られており、金曜日よりも良い状況にはある」

    「今はレース距離を走り切ること、そしてこれまでに示してきた信頼性を土台にすることに集中している」

    鈴鹿で露呈したパフォーマンス不足は一時的な問題ではなく、開発面での課題の大きさを示している。決勝は完走とデータ収集を最優先とする戦いとなる。