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  • アストンマーティンF1の迷走に元代表が指摘「私なら避けられたミスがある」

    アストンマーティンF1の迷走に元代表が指摘「私なら避けられたミスがある」

    アストンマーティンF1の2026年シーズン序盤の苦戦をめぐり、元チーム代表のオトマー・サフナウアーが、マネジメント面で避けられたミスがあったと指摘した。

    エイドリアン・ニューウェイ体制で上位争いへの期待を集めたアストンマーティンだが、AMR26はホンダ製パワーユニット由来の振動問題や競争力不足に苦しみ、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは厳しい序盤戦を強いられている。

    サフナウアーは、最新の『High Performance Racing』ポッドキャストでアストンマーティンについて問われ、古巣の現状に複雑な思いをにじませた。

    「彼らにはもっと良い成績を出してほしい。私が採用した人たちがまだそこにいるし、彼らの幸運を願っている。もっと前方に近づいてほしい」

    「もちろん、マネジメントの観点から見て、ミスがあるのは分かる。自分を褒めるつもりも、傲慢に聞こえるつもりもないが、私ならしなかったと思うミスだ」

    「そのいくつかのミスは、私はしなかったと分かっている。そして、それがラップタイムを犠牲にしている」

    「ただ、彼らには優秀な人材がいる。エイドリアンは我々の世代で最高の人物で、そこにいる。ホンダも多くの勝利を挙げてきたし、そこにいる。だから、うまくまとめ上げられることを願っている」

    サフナウアーは2009年にフォース・インディアへ加入し、その後レーシングポイント、アストンマーティンへと移行したチームで要職を務めた。2022年1月に離脱した後は、アルピーヌのチーム代表に就任している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダは振動対策と信頼性改善を確認
    一方、今週末のカナダGPを前に、ホンダ・レーシングの折原伸太郎は、マイアミGPで振動低減と信頼性に一定の前進があったと説明した。

    「マイアミGPでは、バッテリーの振動低減とパワーユニット全体の信頼性について改善を確認しました」

    「2026年の更新されたレギュレーション下でのエネルギーマネジメントを学ぶ重要な機会にもなりましたし、それはカナダでも続いていきます」

    「モントリオールでは、ランスのホームレースということもあり、ドライバーがより自信を持てるように、扱いやすさとエネルギーマネジメント戦略の改善に集中します。実際、これはレース週末の重要な目標です」

    「ドライバーがより自信を持ってコーナーに進入し、より高い速度を維持できるようにできれば、ラップタイムは改善します」

    アストンマーティンはマイアミで今季初めて2台完走を果たしたが、目指す位置にはまだ遠い。サフナウアーの指摘は、AMR26の問題が単なる技術的な不具合だけでなく、チーム運営と開発判断の積み重ねにも及んでいる可能性を浮き彫りにしている。

  • アストンマーティンF1 ホンダがカナダGPを“重要指標”に設定 苦境PU改善へ正念場

    アストンマーティンF1 ホンダがカナダGPを“重要指標”に設定 苦境PU改善へ正念場

    アストンマーティンとホンダにとって、2026年F1カナダGPは単なる第5戦ではない。開幕から続く深刻なパワーユニット問題を経て、ようやく改善の兆しが見え始めた中で、モントリオールは現在地を測る重要な週末となる。

    開幕前にはタイトル争いへの参戦も期待されていたアストンマーティンだが、実際には振動問題や信頼性不足に苦しみ続けてきた。ホンダ製パワーユニット由来の振動はバッテリーへ深刻な影響を及ぼし、ドライバーへの身体的負荷まで懸念される状況となっていた。

    鈴鹿後に日本へ残されたAMR26
    状況を変える転機となったのは、日本GP後の5週間に及ぶインターバルだった。

    アストンマーティンは鈴鹿戦後、AMR26の1台を日本へ残留させ、ホンダのさくらの施設で徹底的な調査を実施。パワーユニット周辺の振動対策と信頼性改善作業が進められた。

    その成果は、続くマイアミGPで一定程度確認されている。アストンマーティンはスプリントと決勝の両方で2台完走を達成し、少なくとも開幕当初の危機的状況からは一歩前進した。

    ホンダF1のトラックサイド・チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、マイアミでの成果について次のように説明した。

    「マイアミGPでは、バッテリー振動対策とパワーユニット全体の信頼性改善の効果を確認することができました」

    「また、新レギュレーション下でのエネルギーマネジメントについて学ぶ重要な機会にもなりました。この作業はカナダでも継続します」

    残る課題は“純粋なパフォーマンス不足”
    もっとも、信頼性問題の改善が即座に競争力向上へ直結しているわけではない。

    マイアミGP予選でフェルナンド・アロンソとランス・ストロールは18番手、19番手に沈み、Q2進出ラインから1.2秒遅れた。決勝でもアストンマーティン勢はポイント圏から78秒後方でのフィニッシュとなっている。

    さらにアロンソは、レース週末を通してギアボックス挙動にも苦しめられていた。予期しないダウンシフトが発生し、ドライバビリティを大きく損ねていたという。

    この問題が簡単に解決できない背景には、2026年型ギアボックスをアストンマーティンが自社開発している事情もある。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “自信”がラップタイムを生む
    ホンダはカナダGPに向け、単純な出力向上ではなく、ドライバーが安心して攻められる特性づくりを重視している。

    「これは今週末における非常に重要な目標です」と折原伸太郎は語る。

    「ドライバーがより自信を持ってコーナーへ進入し、より高い速度を維持できるようになれば、それが直接ラップタイムにつながります」

    ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、低速コーナーから長いストレートへ加速するストップ&ゴー特性を持つ。2026年F1ではMGU-K制御とエネルギーデプロイメントがラップタイムへ大きく影響するため、トラクション制御や回生制御の完成度がこれまで以上に重要になる。

    カナダGP後に控える“ADUO判定”
    さらにホンダにとってカナダGPが重要視される理由は、レース後に控えるADUO評価にもある。

    2026年から導入されたADUO制度は、競争力不足に苦しむパワーユニットメーカーへ追加開発支援を与える新制度であり、カナダGP終了時点の性能指数が重要な基準となる。

    現在のアストンマーティンは、キャデラックF1と後方グループを争う状況にあり、夏休み前の大規模アップデート投入も予定されていない。

    そのためカナダGPは、ホンダとアストンマーティンにとって単なる改善確認ではなく、2026年シーズン後半戦の方向性を左右する“重要指標”として位置づけられている。

    【解説】
    ・ホンダにとって“運命の判定” F1カナダGP後に下されるADUO評価の仕組み

  • アストンマーティンF1 ギアボックス問題で“コンマ5秒損失” カナダGPで改善へ

    アストンマーティンF1 ギアボックス問題で“コンマ5秒損失” カナダGPで改善へ

    アストンマーティンは、2026年F1カナダGPを前にマシンの大きな問題を解消しつつあるようだ。フェルナンド・アロンソは前戦マイアミGPで今季ベストとなる15位でフィニッシュしたが、その裏では1周あたりコンマ5秒を失っていたという報道が浮上している。

    シーズン序盤から苦戦が続くアストンマーティンでは、チーム代表エイドリアン・ニューウェイへの批判も強まっていた。しかし、今回の改善が事実であれば、ようやく開発が正常な方向へ進み始めた可能性が見えてきた。

    マイアミGPで発覚した“コンマ5秒”の損失
    スペイン人F1ジャーナリストのカルロス・ミケルは、ロルダン・ロドリゲスとの対談の中で、アストンマーティンがギアボックス同期の問題に取り組んでいたことを明かした。

    「アストンマーティンは今週末も改善してくる。実際にコースを走ることで改善していくものだからね」

    「マイアミではギアボックス同期に問題を抱えていた」

    「彼らはギアボックスに取り組んできたし、もし正常に作動していれば、アロンソは1周あたりコンマ5秒を稼げていたはずだ」

    「この3週間、その問題に取り組み続けてきた。明確な改善はあるだろう。ただ、それでもQ1敗退圏から抜け出せるほどではない」

    この問題は本来マイアミGPの時点で導入されているはずだったとされており、実際にはソフトウェア側の同期問題がパフォーマンスを妨げていたとみられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “まだプレシーズンテスト中”という異例の状況
    ミケルは現在のアストンマーティンの状況について、「他チームならプレシーズンテスト終盤に相当する段階だ」とも説明した。

    「マシンが良くなればなるほど、さらに改善が進む」

    「ただ現状のアストンマーティンは、絶対的に見れば非常に厳しいプレシーズンテスト終盤のような状態にある」

    「しかし相対的に見れば、周回を重ねるたびに学習が進む。振動問題が大幅に改善されたことで、さらに多くの周回を重ねられるようになる」

    「そうなれば、プレシーズン中に彼らが語っていた“アドバンテージ”を得られる。ソフトウェアの使い方を学ぶだけでコンマ5秒を得られるということだ」

    アストンマーティンは今季、振動問題や信頼性問題に苦しみ続けてきた。特にホンダ製パワーユニット周辺の振動対策は開幕当初から大きなテーマとなっており、マイアミでは今季初の2台完走を達成したことで、内部では一定の前進が確認されていた。

    ニューウェイ主導の再設計はベルギーGPが焦点
    エイドリアン・ニューウェイは現在、7月のベルギーGP投入を目指してAMR26の大規模な見直しを進めているとされる。

    当初は「ニューウェイが2027年以降へ完全シフトし、現行車開発を止めるのではないか」との懸念も広がっていた。しかし、マイアミGPで見られた改善傾向に加え、今回報じられたギアボックス同期問題の修正が事実なら、少なくとも現行車の改善作業は継続されていることになる。

    もちろん、現時点でアストンマーティンが一気に上位争いへ復帰するという見方は少ない。それでも、コンマ5秒規模のロスが本当に解消されれば、中団グループとの距離感は確実に変わってくる。

    カナダGPは、アストンマーティンが“本当の現在地”を測る週末になるかもしれない。

  • アストンマーティン・ホンダF1をメルセデスが警戒「2027年規則変更で一変も」

    アストンマーティン・ホンダF1をメルセデスが警戒「2027年規則変更で一変も」

    アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン序盤で深刻な苦戦を強いられている。だが、ライバル陣営であるメルセデスF1は、その現状を決して額面通りには受け取っていない。

    メルセデスの首脳陣は、エイドリアン・ニューウェイとホンダという組み合わせを“過小評価すべきではない存在”として警戒しており、2027年のレギュレーション変更が勢力図を大きく塗り替える可能性があると見ている。

    今季のアストンマーティンは、AMR26の競争力不足とホンダ製パワーユニットの信頼性問題に苦しみ、開幕から下位に低迷。マイアミGPでは一定の改善を見せたものの、依然としてグリッド後方から抜け出せていない。

    その状況を受け、一部ではエイドリアン・ニューウェイのチーム代表就任そのものに疑問の声も上がっている。

    しかし、メルセデスF1副代表のブラッドリー・ロードは、独メディア『Champ1』の取材に対し、アストンマーティンとホンダを“見限る”考えはまったくないと語った。

    メルセデスF1はアストンマーティンとホンダを“過小評価せず”
    「本当に苦しい状況になったときこそ、そのチームの強さが見えるものだ」

    ブラッドリー・ロードはそう語り、困難な状況でチームがどのように結束し、立て直していくかが重要だと強調した。

    「我々は彼らをまったく過小評価していないし、見限ってもいない。ただ、彼らの前には非常に大きな仕事が待っているのは明らかだ」

    「だが、エイドリアン・ニューウェイを擁し、アストンマーティンの資金力と野心があり、さらにホンダのようなエンジンメーカー兼パートナーの技術力があるチームは、必ず戻ってきて戦うようになる。問題は、それがいつになるかだけだ」

    さらにロードは、2027年に導入される可能性がある新レギュレーションが、アストンマーティンとホンダにとって特に大きな転機になる可能性を示唆した。

    「F1では、チームは1年で大きく変わることがある。特に2027年に新しいレギュレーションが導入されればなおさらだ」

    「だからこそ、彼らを見くびるのは最大の間違いになる」

    「我々はアストンマーティンが持っている力と、この数年で見せてきたものに大きな敬意を抱いている。今年後半なのか、来年なのかは分からないが、彼らは必ず強くなって戻ってくると考えている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダ支援問題と2027年への視線
    現在のF1パドックでは、ホンダに対する“ADOU支援パッケージ”も大きな議論になっている。

    F1チーム側は、ホンダがプロジェクト撤退を避けられるよう、総額1400万ポンド規模の技術支援を行う方向で調整を進めていると報じられている。

    一方で、その支援策が将来的にアストンマーティンとホンダの競争力向上につながり、自らのライバルを強化する結果になるのではないかとの懸念も存在する。

    実際、レッドブル時代のホンダが、マクラーレンとの苦戦を経て王者争いを演じるまでに成長した前例は、F1関係者の間でも強く意識されている。

    アストンマーティンは現在、7月のベルギーGP投入を目指してAMR26の大規模アップデートを進めている。

    エイドリアン・ニューウェイ主導による全面的な見直しが成功すれば、2026年後半戦から勢力図が変化し始める可能性もある。

    【関連】
    ・ホンダのF1継続に暗雲 経営悪化とV8回帰論がアストンマーティン計画を直撃

  • エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1の“混乱状態”に困惑

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1の“混乱状態”に困惑

    エイドリアン・ニューウェイがアストンマーティン加入を決断したとき、ローレンス・ストロールが描いていたのは“F1最強布陣”だった。レッドブル離脱後のニューウェイ獲得は、巨額投資を続けるアストンマーティンにとって象徴的な出来事であり、チームをタイトル争いへ押し上げる最後のピースと見られていた。

    しかし、2026年シーズン開幕後に露呈した現実は、その理想像とは大きく異なっていた。AMR26はグリッド最後尾に沈み、ホンダ製パワーユニットの深刻な振動問題にも苦しめられている。

    そんな中、イタリア『Motorsport IT』は、ニューウェイ自身がファクトリー内部の“混乱”に衝撃を受けていたと報じている。

    アストンマーティン内部で進んでいた人員流出
    ニューウェイはアストンマーティン加入時、チーム内部が大規模な人員再編の渦中にあるとは想定していなかったという。実際には新規加入よりも離脱者の方が多く、設計部門だけでも少なくとも7人が去ったとされる。

    さらに2024年末にはCEOのマーティン・ウィットマーシュも退任。チームはメルセデスとの長年の関係を終え、ホンダ時代への移行準備を進めていたが、その過程で組織内部の連携は十分に機能していなかったとみられている。

    特に問題視されているのが、ホンダとの関係構築だ。アンディ・コーウェルは2025年後半にニューウェイへチーム代表職を譲る過程で、日本メーカーとの関係を十分に管理できていなかったと指摘されている。

    “ソーラーパネル”発言の背景
    ニューウェイは開幕戦オーストラリアGPの記者会見で、ホンダ側の予想外の人員変更に不満を示していた。

    「最高のエンジニアたちはソーラーパネルか何かを作りに行ってしまった」

    この発言は当時、大きな波紋を呼んだが、その背景にはアストンマーティン内部の情報共有不足があった可能性も指摘されている。

    結果としてAMR26開発段階では深刻なエンジン振動が発覚。振動はニューウェイのシャシー設計だけでなくバッテリーにも悪影響を与え、ドライバーが走行中にステアリングから手を離さざるを得ない場面まで発生したとされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “金を投じれば成功する”は通用しなかった
    ローレンス・ストロールはニューウェイ、アンディ・コーウェル、さらにフェラーリからエンリコ・カルディレを招き入れることで、一気に“トップチーム文化”を構築できると考えていたとみられる。

    しかし現実には、世界的エンジニアを集めるだけでは組織は機能しない。現在のアストンマーティンはノーポイント、5回のリタイアという厳しい状況に陥っており、組織としての一貫性やビジョン不足の代償を払っているようにも見える。

    巨大ファクトリー、莫大な投資、トップ人材――。表面的な条件は揃っていても、F1では組織全体の統合と長期的な安定が不可欠だという現実を、アストンマーティンは痛感している段階なのかもしれない。

  • アストンマーティンF1 AQUAMEと提携 “水分補給”でパフォーマンス向上へ

    アストンマーティンF1 AQUAMEと提携 “水分補給”でパフォーマンス向上へ

    アストンマーティンF1は、2026年F1シーズンに向けて新たなパートナーシップを発表した。新たにチームの独占ウォーターボトルサプライヤーとなるのは、スマート水分補給技術を展開するAQUAMEだ。

    この提携により、アストンマーティンはAQUAMEの「高度な水分補給パフォーマンステクノロジー」を活用する。専用アプリを通じて水分摂取量をリアルタイムで追跡し、個別の水分補給インサイトを提供する仕組みで、チームが2026年シーズンを通じて最適な水分補給状態を維持することを目的としている。

    水分補給を“パフォーマンス要素”として扱う新提携
    AQUAMEは、アストンマーティン向けに5種類のデザインを用意する。単なるチームグッズではなく、日常的に使えるプレミアムなデザインと実用的なスマート機能を組み合わせたコレクションとして展開される。

    アストンマーティンのライセンシング&マーチャンダイズ責任者であるマシュー・チャップマンは、今回の提携について次のようにコメントした。

    「AQUAMEとのコラボレーションを開始できることをうれしく思う。革新的な水分補給技術とアストンマーティンならではのスタイルを組み合わせるものだ」

    「水分補給は回復と集中力にとって重要だ。そのため、このコレクションは日常生活に自然に溶け込むように設計され、プレミアムな美しさとスマートで実用的な機能を組み合わせている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    AQUAMEにとってもF1進出は大きな節目
    AQUAME創設者のスティーブ・アイドゥン・シエは、F1チームとの提携を「大きな節目」と表現した。AQUAMEのテクノロジーを「モータースポーツの頂点」に持ち込む機会になるとしている。

    F1ではドライバーやスタッフのコンディション管理が競争力の一部として扱われており、水分補給も集中力、回復、日々のパフォーマンスに関わる要素となる。今回の提携は、アストンマーティンがこうした細部にも目を向け、チーム全体の環境を整えようとしていることを示すものだ。

  • ホンダのF1継続に暗雲 経営悪化とV8回帰論がアストンマーティン計画を直撃

    ホンダのF1継続に暗雲 経営悪化とV8回帰論がアストンマーティン計画を直撃

    ホンダのF1活動をめぐり、経営面とレギュレーション面の双方から不透明感が強まっている。HRCの親会社である本田技研工業は厳しい財務状況に直面しており、一方でFIAとF1はサステナブル燃料を用いた内燃機関、とりわけV8エンジンへの回帰に前向きな姿勢を示している。

    現時点でホンダから撤退を示す確認は一切ない。むしろホンダは、少なくとも2030年までアストンマーティンとの契約を履行する意向を持っている。

    この2030年という期限は、現行のコンコルド協定がチームやメーカーをF1に結びつけている期間とも重なる。

    2020年撤退を想起させる財務悪化
    ホンダは2020年、レッドブルとのスポーツ面での成果が見え始めた時期に、F1撤退を突然決断した過去がある。その背景には、新型コロナウイルスのパンデミックが世界経済に与えた打撃があり、ホンダ本体の経営判断に大きな影響を及ぼした。

    今回も状況は穏やかではない。3月時点で予測されていた通り、今週発表された財務報告で、ホンダは1957年の上場以来で最悪の経済成績に直面していることが明らかになった。

    3月に終了した会計年度で、ホンダは4230億円の損失を計上した。これは2020年当時以上に厳しい状況とされ、F1へのコミットメントをめぐる憶測が広がる要因になっている。

    ただし、Motorsport.comがホンダ・レーシングに確認したところ、HRCはこの財務発表がレース活動に影響したとは認識していないと説明している。

    「HRCは、5月14日の財務発表によって影響を受けた競技活動に具体的な変更があるとは認識していない」

    ホンダは今回の損失について、電気自動車への投資拡大と関連づけている。これは多くの自動車メーカーがすでに経験してきた課題であり、ホンダも現在その局面に入っている。ただし、その投資は現時点で期待された成果を生んでおらず、特に北米市場では苦戦が目立つ。ホンダはカナダで計画していた電気自動車およびバッテリー生産への95億ユーロ規模の投資を停止する決定も下している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム / ホンダF1(本田技研工業)

    F1の方向転換がホンダの参戦理由を揺さぶる
    もうひとつの問題は、F1の技術的な将来像だ。FIAとF1は、現行の高出力ハイブリッド路線を見直し、サステナブル燃料を使うV8内燃エンジンへの回帰を望む姿勢を示している。

    これは、アウディとホンダにとって大きな問題になる。両社は、電動出力を高めたハイブリッドパワーユニットが導入されることを前提に、現在のF1に参入・復帰する判断を下したからだ。

    ホンダは以前から、F1参戦の意義はハイブリッド技術が維持されることにあると明確にしてきた。しかし、現行レギュレーションへの批判やF1の技術的威信の低下をめぐる議論が強まるなか、F1の管理者と規則策定側はその逆方向へ進もうとしている。

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、サステナブル燃料こそ将来の中心になるとの見方を示している。

    「もちろん、それを提案するのはFIAの役割だが、私には明確に見えている。将来の中心軸としてのサステナブル燃料、そして電動化と強力な内燃エンジンとの異なるバランスだ」

    FIA会長はV8復活に強い意欲
    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムはさらに踏み込んだ発言をしている。V8エンジンについて「間違いなく戻ってくる。時間の問題だ」と述べ、将来的にはメーカーの意向からより独立した判断を下す考えを示した。

    「2031年には、FIAはパワーユニットメーカーの投票を必要とせずにそれを実行する権限を持つ。レギュレーションはそう定めている。しかし我々は、それを1年前倒ししたい。誰もがそれを求めている」

    メルセデス、フォード、その他のメーカーはこの戦略転換に一定の理解を示している。ただし、完全な内燃機関回帰ではなく、自動車市場の現実に沿う形で何らかの電動要素を残し、ハイブリッドであり続けるべきだという立場を取っている。

    それでも、その電動化の比重は現行フォーミュラよりも小さくなる可能性が高い。問題は、それでホンダがF1参戦を取締役会に正当化し続けられるかどうかだ。アストンマーティンとの2030年までの契約は存在するが、経営環境の悪化とF1の技術方針の変化が重なれば、ホンダのF1継続をめぐる議論は今後さらに敏感なテーマになっていく。

  • アストンマーティンF1 AMR26に“最初の変化” ホンダとギア制御を改良

    アストンマーティンF1 AMR26に“最初の変化” ホンダとギア制御を改良

    アストンマーティンF1は、苦戦が続くAMR26の改善に向けて、ホンダ製パワーユニットとギア制御の統合見直しを進めている。カナダGPでは、その成果として“最初の変化”が見られる可能性がある。

    『Motorsport.com Italia』によると、アストンマーティンはAMR26のギア制御とホンダ製パワーユニットの統合改善に取り組んでいるという。

    2026年F1シーズン序盤、AMR26はエイドリアン・ニューウェイが全面的に関与した最初のアストンマーティンF1マシンとして大きな期待を集めていた。しかし実際には、空力性能だけでなく、パワーユニットやトランスミッションの統合面でも深刻な課題を抱えているとみられている。

    メルセデス依存からの脱却で露呈した課題
    アストンマーティンは、これまでメルセデスからパワーユニットだけでなくギアボックスやリアサスペンションも供給を受けていた。事実上、リアエンド全体をメルセデスに依存する構造だった。

    しかし、ホンダとのワークス提携開始によって状況は一変した。シルバーストンのチームは、リアエンド全体を自ら設計・開発する必要に迫られた。

    特に大きかったのは、自社製トランスミッション開発への挑戦だ。新設された専門部門は経験不足にも直面しており、AMR26ではシフトチェンジの遅さや唐突さがドライバビリティを悪化させているという。

    ホンダPUとの統合でも苦戦
    問題はギアボックスだけではない。ホンダ製パワーユニット側でも、性能面と信頼性面の両方で苦戦が続いていると報じられている。

    特に問題視されたのは振動だった。有害な振動がシャシー側にも伝わり、バッテリー系統にまで影響を与えていたという。まずはその“有害な周波数”を抑え込むことが最優先課題になっていた。

    ホンダは2020年末に一度F1撤退を決断しており、その後に再参戦を決めた経緯もあって、開発体制の再構築には時間を要したとされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    マイアミで投入された“見えない改善”
    F1マイアミGPでアストンマーティンが大規模アップデートを投入しなかったことには批判も集まった。しかし実際には、シルバーストンでは電子制御によるギア管理改善に取り組んでいたという。

    狙いはシフト時間の短縮だったが、ドライバーの不満を見る限り、期待された成果には届かなかったようだ。

    AMR26は依然としてブレーキング時の不安定さを抱えており、加速時もギア同期が難しい状況が続いているとされる。

    カナダGPが“最初の転機”になるか
    その後、エンジンとギアボックスは日本のホンダ施設でダイナミックベンチテストを実施。さくらで進められた電子制御面の細かな調整によって、モントリオールでは改善が期待されている。

    ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットはストップ&ゴー特性が強く、トラクション性能がラップタイムに直結するコースだ。ギア制御とパワーユニットの統合精度が向上すれば、AMR26にとって今季初の“小さな前進”になる可能性がある。

    ただし、これはまだ本格的な反撃というよりも、問題解決への第一歩に近い。ニューウェイの革新的な設計思想だけでなく、ホンダとの連携や組織全体の成熟度も、アストンマーティンF1の将来を左右する重要な要素になっている。

  • アストンマーティンF1の“ニューウェイ依存”に警鐘 ホンダ批判で露呈した問題

    アストンマーティンF1の“ニューウェイ依存”に警鐘 ホンダ批判で露呈した問題

    アストンマーティンは2026年F1シーズン序盤から苦戦を強いられている。新パートナーであるホンダとの体制は、振動、信頼性、ドライバビリティの問題に悩まされ、期待された戦闘力を発揮できていない。

    そうした状況の中、元フェラーリおよびメルセデスのエンジニアリング責任者であるアルド・コスタが、エイドリアン・ニューウェイ加入後のアストンマーティンの組織運営に厳しい見解を示した。

    コスタは、ニューウェイ個人の能力を高く評価しながらも、チーム側の管理体制に重大な問題があったと指摘している。

    ニューウェイの“ホンダ批判”に違和感
    コスタはTerruzzi Raccontaポッドキャストで語った。

    「率直に言おう。シーズン開幕直後、自分たちのパートナーに対して、あれほど場違いで、しかも激しく公然とした攻撃をニューウェイが行ったのを見たのは初めてだった」

    「そんなことはしないものだ」

    コスタが問題視したのは、メルボルンでの苦戦後にエイドリアン・ニューウェイがホンダに対して行った公然の批判だった。

    さらにコスタは、その後にアストンマーティン側が説明した内容にも疑問を呈した。

    「その後、彼らは『11月に日本へ行き、以前のF1プロジェクトと同じ人材を使っていないことや、パワー面で遅れていることを知った』と語っていた」

    「11月? そんなことは11月より前に知っていなければならない」

    この発言は、アストンマーティンとホンダの連携不足だけでなく、プロジェクト全体を統括する管理機能が十分に機能していなかった可能性を示唆している。

    ニューウェイは“技術者”として最高峰
    一方で、コスタはニューウェイ自身の能力については疑いを持っていない。

    「私は彼と一緒に働いたことはないが、非常に大きな敬意を持っている。おそらく彼はF1で最も成功した人物だ」

    「彼の技術的能力には無限の敬意を抱いている」

    ただし、その強みはあくまで技術分野にあると分析する。

    「彼と仕事をした人たちから聞いた話では、彼の最大の才能は技術面にあり、組織運営やマネジメントの才能はそれより少し劣るという」

    コスタは、ニューウェイがレッドブルで成功できた背景には、周囲の組織構造があったと説明した。

    「だからこそ、彼にはサポートが必要だ。レッドブルのようなチームを見つけることが重要なんだ」

    「レッドブルでは彼は重要な役割を担っていたが、正式にはテクニカルディレクターという肩書きではなかった」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “スター技術者依存”の危うさ
    今回のコスタの発言は、ニューウェイ個人を批判するというより、“スター技術者が加入すれば自動的に成功する”という考え方そのものへの警鐘とも言える。

    現代F1では、空力、パワーユニット、シミュレーション、運営管理まで含めた巨大な統合プロジェクトが求められる。特に2026年F1レギュレーションでは、シャシーとパワーユニットの統合開発がこれまで以上に重要視されており、単独の技術責任者だけでチームを機能させることは難しい。

    コスタはまた、アストンマーティンのドライバー体制にも疑問を示している。

    「ポテンシャル? わからない」

    「おそらく私はアストンマーティンの組み合わせが好きではない。メンタリティの観点から見ても、ストロールとアロンソのコンビには疑問がある」

    さらに、莫大な投資額に対して現在のパフォーマンスが見合っていないとも指摘した。

    「キャデラックはまだゲームに加わっていない」

    「しかしアストンマーティンは、本来持っていたポテンシャルと比較すると、それ以上に悪い」

    近年のF1では、“優秀な個人”よりも“機能する組織”の重要性が増している。コスタの発言は、アストンマーティンが現在直面している問題の本質が、単なるマシン性能ではなく、チーム全体の構造にある可能性を示している。

  • アストンマーティンF1 ホンダ進展も後方低迷 クラック「多くの苛立ち」

    アストンマーティンF1 ホンダ進展も後方低迷 クラック「多くの苛立ち」

    アストンマーティンF1チーム代表のマイク・クラックは、2026年F1シーズン序盤の苦戦を受け、チーム内に「多くの苛立ち」があることを認めた。

    シルバーストンを拠点とするチームは、シャシー面とパワーユニット面の双方で課題を抱え、開幕から厳しい戦いを強いられている。前戦F1マイアミGPでは、ホンダが信頼性面で明確な前進を見せ、今季初めて2台そろって完走を果たした。

    それでも、マシンには依然として大きなペース不足があり、ポイント争いに加わることはできず、後方集団での走行を余儀なくされている。

    クラック「現実を見つめなければならない」
    マイク・クラックは、現状に落ち込むことに意味はないとしながらも、レーサーとして後方を走る状況に苛立ちを覚えるのは自然な反応だと語った。

    「我々はみんなレーサーであり、フィールドの後方を走りたいとは思っていない」とマイク・クラックはRacingNews365を含むメディアに語った。

    「だから年を追うごとに改善したいと思うものだが、同時に現実を冷静に受け止めなければならない」

    「問題があると分かったとき、苛立っても意味はない。ただ、それが人間として自然な反応であることは認めなければならない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソとストロールに求められる忍耐
    アストンマーティンにとって難しいのは、単にマシンの改善だけではない。チームが置かれた現実を受け止めながら、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールのフラストレーションをどう管理するかも重要な課題になっている。

    クラックは、最も厳しい立場に置かれているのはドライバーだとし、2人が苦境の中でプロフェッショナルに振る舞っていることを称賛した。

    「最もさらされているのはドライバーたちだ。以前にも触れたが、最も称賛されるべきなのも彼らだ」

    「ランスやフェルナンドのような経験豊富なドライバーがフィールドの後方を走るというのは、本来いるべき場所ではない」

    「我々が管理しなければならない苛立ちは確かに多い。一方で、彼らは素晴らしいプロフェッショナルでもある」

    アストンマーティンはマイアミで信頼性面の一歩を示したが、競争力という面ではまだ大きな課題を残している。クラックの発言は、チームが現実を直視しながらも、ドライバーの忍耐とプロ意識に支えられて苦境を乗り切ろうとしている状況を浮き彫りにしている。