カテゴリー: SUPER GT

  • 【SUPER GT】 ホンダ:第4戦 タイ 決勝レポート

    【SUPER GT】 ホンダ:第4戦 タイ 決勝レポート

    6月30日(土)~7月1日(日)、チャーン・インターナショナル・サーキット(タイ・ブリーラム県)で2018年度SUPER GTシリーズ第4戦が開催された。タイでのSUPER GT公式戦は2014年の初開催以来、今年で5回目。

    土曜日は朝から太陽が照りつけ、気温・路面温度とも急上昇する中で練習走行が行われ、トップ5にNSX-GTが2台食い込む結果となったが、午後の公式予選が始まる直前に雷を伴ったスコールがやってきて、コースは一気にフルウエットへ。予選タイムアタックにはタイヤ選択と交換タイミングが非常に難しいコンディションとなった。

    Q2進出の8台に4台のNSX-GTが食い込み、ポールポジションを目指して争った結果、#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐)がポールポジションを獲得。2番手には#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)が続き、5番手に#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)、8番手に#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)が並んで、予選トップ8に4台のNSX-GTが並ぶ結果となった。

    決勝レースは日曜日、快晴の空の下で始まった。#16 MOTUL MUGEN NSX-GTの武藤が先頭に立ってレースをリードしたが、2番手につけた#39 DENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンが2秒弱の差で続き、振りきれないまま緊迫した走行が続いた。序盤3番手につけていた#17 KEIHIN NSX-GT(塚越)もライバルの追撃を受けて徐々に順位を落としていった。

    #16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤)は19周目に#39 DENSO KOBELCO、27周目に#6 WAKO’S CR LC500のオーバーテイクを許し、3番手となって29周を走り終えてピットイン、タイヤ交換と給油を行って中嶋にマシンを引き継いだ。しかしピット作業でタイヤ交換に手間取り、コースに戻ったときには大きく順位を落としてしまう。

    その後、中嶋は追い上げにかかったが、後方からも追撃を受ける苦しい状況でレース終盤を戦うことになり、結局5番手でレースを走りきり、チェッカーフラッグを受けた。#17 KEIHIN NSX-GT(小暮)は7位、#64 Epson Modulo NSX-GT(ベルトラン・バゲット/松浦孝亮)は9位でフィニッシュして、シリーズポイントを獲得した。

    レースは#39 DENSO KOBELCの小林可夢偉がトップチェッカーを受け、GT300クラスは#11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)が優勝した。#34 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/大津弘樹)がGT300クラス9位となり今季2度目の入賞を記録した。

    また、ランキング首位でこの一戦に臨み、最も重いウエイトハンデと燃料リストリクターで戦った#100 RAYBRIG NSX-GTは厳しいレースを11位で終え無得点だったが、ランキング上位のライバルもまた得点を伸ばせませなかった。

    佐伯昌浩 (プロジェクトリーダー)
    「予選は雨からドライに変わるタイミングでタイヤ選択がうまくいき、Honda勢が上位に並びましたが、レースではウエイトハンデもあり、軽いクルマが順位を上げてくるだろうと予想はしていました。その中で、TEAM MUGENはウエイトハンデも少ないのでなんとかがんばって5位でまとめきってくれました。シリーズ後半に向けて仕切り直すような形になりましたが、チャンピオンを目指してがんばります。エンジンは、今回のレースが終わった時点でチェックを行い、それ次第で早ければ次の富士で2基目を投入することになります」

    武藤英紀 (5位)
    「予選でポールポジションを取り、スピードを示すことができた週末だったと思います。ただ、決勝はライバルが非常に速く、スタートから全力で飛ばしましたがあれが限界で、GT300を処理する過程で順位を落としてしまいました。そんな中で自分たちのポテンシャルはすべて引き出せたので、シーズン後半に向けて可能性が見えました。課題も残ってはいますが、予選で速さをみせる自信がつきました」

    中嶋大祐 (5位)
    「予選では、クルマもタイヤも高いパフォーマンスを発揮してくれて、自分たちが昨年から目指していたものを達成できたなとうれしく思います。決勝では、ピット作業で少しトラブルがあって順位を落としましたが、自力で2台オーバーテイクもできました。ただ、いろんなことをして38号車(ZENT CERUMO LC500)を押さえていたんですが、最後はさすがに力尽きてポジションを落としてしまったのは残念です。でも今回は、昨年の僕たちにはできなかったことができ、敵を見て戦うことができたので、結果をポジティブに受け止めてシリーズ後半に臨みます」

    関連:【SUPER GT】 第4戦 タイ 結果:DENSO KOBELCO SARD LC500が優勝

  • 【SUPER GT】 LEXUS:第4戦 タイ 決勝レポート

    【SUPER GT】 LEXUS:第4戦 タイ 決勝レポート

    タイ・ブリーラムのチャン・サーキットでSUPER GT第4戦が行われ、予選3番手スタートのヘイキ・コバライネン/小林可夢偉組 DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車が今季初勝利を飾った。2位に大嶋和也/フェリックス・ローゼンクヴィスト組 WAKO’S 4CR LC500 6号車、3位に国本雄資/山下健太組 WedsSport ADVAN LC500 19号車と続き、LEXUS LC500が表彰台を独占する速さを見せた。GT300クラスでも嵯峨 宏紀/平手 晃平組 TOYOTA PRIUS apr GT 31号車が2位、吉本 大樹/宮田 莉朋組 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車が3位で表彰台を獲得した。

    SUPER GT第4戦「Chang SUPER GT RACE」が6月30日(土)、7月1日(日)の両日、タイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで開催された。

    SUPER GTシリーズ唯一の海外遠征戦となるタイラウンド。2014年にサーキットの新設と共に初の大イベントとして行われ、今年で5回目。2016、17年は10月の第7戦として行われてきたが、今年は2015年以来となる6、7月開催となった。LEXUS GAZOO Racingはこのタイラウンドとの相性が良く、過去4戦中3勝を挙げている。今季はライバルの巻き返しや不運もあり、ここまで未勝利のLEXUS LC500勢のシーズン初勝利に期待がかかった。

    予選
    6月30日(土)は朝から強い日差しが照りつけ、南国特有の暑さの中で午前中の公式練習が行われたが、午後3時に予定されていた予選を前に、空は一気に雲に覆われ、激しいスコールと共に路面はあっという間にヘビーウェットに。しかし、このスコールも10分ほどで去り、予選は予定よりも15分遅れで、ウェットコンディションの下で開始されることとなった。

    ノックアウト方式の予選、GT500クラスは午後3時35分にQ1(15分間)が開始。直前に走ったGT300車両によりライン上の一部は乾きかけてきているものの、まだまだウェット、という難しいコンディション。ほとんどの車両が一旦ウェットタイヤでコースに出たものの、すぐにピットへ戻り、スリックタイヤで再アタックに入る、という状況となった。

    この難コンディションの中で好走を見せたのが、2週間前のル・マン24時間レースで2位表彰台を獲得したばかりの小林の39号車。セッション後半、想像以上に早く乾いていく路面を上手く読み、目まぐるしく塗り替えられていくタイムシートの中で、セッション終了直前にQ2進出条件のトップ8圏内へ浮上。GT500ルーキーの山下がQ1を担当した19号車も小林のタイムを上回り、39号車と19号車の2台がQ2進出を果たした。一方で、ほかの4台のLEXUS LC500勢はタイヤをコンディションに合わせきれず、36号車が10番手、6号車が11番手、1号車が12番手、38号車が13番手と後方グリッドから決勝レースでの巻き返しを図ることとなった。

    Q2は午後4時18分開始。この頃にはほぼ路面は乾いていましたが、今度は逆に空模様が怪しい状況に。セッション開始から5分ほど経つと、コースの一部では雨が降り始めた。そんな中で気を吐いたのが39号車のコバライネン。まず最初のアタックでコースレコードを更新するタイムを叩き出し暫定トップへ。その後、ライバルにタイムを更新されるも、最後まで逆転を狙ってアタックを続けた。コースの前半ではタイム更新が期待できるアタックだったが、コース後半で降り始めた雨により惜しくも叶わず。

    Q2に進んだ8台中7台がこれまでのコースレコードを更新する速さを見せた中で、コバライネンの39号車は2列目3番手と好位置を確保。2016年のタイラウンドウィナーである19号車の国本雄資も3列目6番手とまずまずのポジションから決勝レースをスタートすることとなった。

    GT300クラスは、直前のスコールにより完全なウェットコンディションで午後3時15分よりQ1(15分)がスタート。完全ドライだった午前中の公式練習とは全く異なるコンディションでの予選セッションとなった。水煙を上げながらのアタックで各チーム苦戦を強いられる中、96号車は新田守男がベテランの意地を見せ13番手タイム。上位14台が進めるQ2への進出を果たした。31号車は惜しくも16番手、60号車が18番手、地元凱旋レースとなった35号車は19番手、30号車が22番手でQ1敗退となった。

    路面がほぼドライとなったQ2では、96号車を駆る、昨年のタイラウンドウィナーである中山雄一が好走を見せ、7番手グリッドを獲得した。予選後、上位グリッドの2台が車検で失格となったため、96号車は5番手グリッドに。ほかの4台も、2つずつグリッドが繰り上がって決勝レースのスタートを切ることとなった。

    決勝
    7月1日(日)も暑い一日に。午後3時のスタート時点での気温は33度、路面温度は47度という猛暑の中、66周、300kmで争われる決勝レースのスタートが切られた。

    LEXUS勢最上位の3番手からスタートを切った39号車のコバライネンは、1周目に2位に上がると、首位追走に入った。その後方でも、予選で後方グリッドに沈んだLEXUS勢が速さを見せ、次々にポジションアップ。6番手スタートの19号車は、GT500クラスルーキーの山下が徐々にポジションを上げ、11周目に一気に2台パス、39号車に次ぐ3位に浮上した。また、速さを見せたLEXUS勢の中でも際だったのが6号車のローゼンクヴィスト。SUPER GTでは今季デビューのルーキーながら、11番手グリッドスタートから12周目には5位、14周目には4位へとポジションを挙げ、LEXUS LC500は序盤にして早くも2-3-4位体制となった。

    首位をテール・トゥ・ノーズで追うまでに至った39号車は、19周目、メインストレートで並びかけ、その後も再三にわたる追撃の末に、4コーナーでパス。ついに首位を奪った。その後方でも、勢いに乗る6号車のローゼンクヴィストが山下に続き前を行くライバル車両もパス、更に首位の39号車コバライネンとの差を詰めて行った。

    中盤、各車ピットへ向かい、ドライバー交代と給油、タイヤ交換。ここで追い上げを見せていた1号車は左リアタイヤの交換に手間取り、タイムロス。7位まで追い上げていた1号車だったが、大きく順位を落とすこととなってしまった。

    36周目に首位を行く39号車がピットイン。コバライネンから小林へとドライバーチェンジ。首位のままコースへ復帰した。今年からSUPER GTにフル参戦し、ここタイのチャン・サーキットを走るのは初めての小林に対し、2位で追う6号車の大嶋は、これまで4戦全戦に出場し、表彰台3回と得意にするコース。小林を再三にわたって攻め、息詰まるようなバトルが終盤まで繰り広げられた。

    中嶋 一貴から5位で36号車のバトンを受け取った関口も、2016年に優勝を果たすなどこのコースを得意としており、ファステストラップを更新しながらの猛追。優勝時のチームメイトであった国本がドライブする19号車に追いつくと、表彰台争いのバトルを繰り広げた。このバトルを49周目に関口が制し、36号車が3位へ浮上。関口は首位を争う2台にも追いつき、LEXUS LC500同士三つ巴の優勝争いに。

    51周目にもファステストタイムをマークするなど速さの衰えない関口は、56周目、6号車の大嶋がGT300車両に引っかかった隙を逃さずパス。2位へと上がると、更に小林の39号車に襲いかかった。何度も並びかける2台だったが、小林も巧みなライン取りで抜かせず、その後でチャンスを窺う6号車と共に、3台での首位争いはレース最終盤まで続いた。

    39号車小林か、36号車関口か、という息を呑むようなバトルは、ファイナルラップ、突然の36号車のスローダウンで閉幕。36号車は残り1周というところで痛恨の燃料切れに見舞われ、コース脇に車両を停めることとなってしまいました(1周遅れ完走扱いの10位)。

    小林可夢偉はトップを守ってチェッカーを受け、SUPER GTでの自身初勝利を飾った。LEXUS勢にとっても今季初勝利。2位には11番手スタートから見事な追い上げを見せた6号車、3位に19号車が続き、LEXUS勢は表彰台を独占。4位にも38号車が入り、今季ここまでの3戦で勝利のなかったLEXUS勢が得意なタイで、速さを見せ、後半戦へ向けて逆襲の狼煙を上げることとなった。

    GT300クラスでは、14番手からスタートした嵯峨がドライブする31号車と、16番手スタートの吉本がドライブする60号車が序盤から猛烈な追い上げ。吉本の60号車は4位までポジションを上げて、レース半分よりもやや早めに宮田へとドライバー交代を行った。ほぼ同時に31号車も嵯峨から平手へと交代。一方で、予選で5番手につけた96号車は、ベテラン新田がぎりぎりまでピットを引っ張る作戦に。

    全車がピットを終え、レースも終盤に入ると、3位を走行していた60号車宮田を、31号車の平手がパス。更に、2台は揃って、タイヤの厳しくなった前車をパスし、31号車が2位、60号車が3位でチェッカー。31号車は第2戦富士に続き今季2度目の2位表彰台。60号車は参戦4年目にして初、そしてルーキーの宮田にとってもGT初の表彰台獲得となった。96号車は10位でポイント獲得を果たした。

    ヘイキ・コバライネン (DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車)
    もちろん勝ててとても嬉しいです。特に、可夢偉選手との初勝利というのはとても重要なことです。我々のチームは今季、開幕戦の岡山で下位に沈み、第2戦富士では2位表彰台、第3戦鈴鹿は私のミスでリタイアと、ジェットコースターのような浮き沈みの激しいシーズンを過ごして来ており、何とか好成績を獲得すべく、懸命な努力を続けてきました。ようやくこの週末、その結果が得られて本当に嬉しく思っています。

    小林可夢偉 (DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車)
    自分にとっては初めてのサーキットなので、正直なところ、来る前は勝てるとは思っていませんでした。前戦の鈴鹿では、僕は予選も決勝も走っておらず、その前の富士もWECで欠場したため、事実上、開幕戦の岡山以来、久しぶりにLC500に乗ってのレースでした。そんな中で勝てたというのはすごく嬉しいし、チームがすごく頑張ってくれました。ここまで仕上げてくれたチームのみんな、そしてもちろん前半すごく頑張ってトップで僕に車を渡してくれたヘイキにも感謝します。状況としてはそんな簡単なレースではなかったのですが、ヘイキがとってくれたマージンを使いながら、何とか1位をキープできればと頑張りました。また、(大嶋)和也と(関口)雄飛もすごくフェアに戦ってくれました。

    大嶋和也 (WAKO’S 4CR LC500 6号車)
    11番手からのスタートでしたが、ペースは非常に良くて、フェリックスが2位まで追い上げてくれるという、本当に予想以上の走りで僕にバトンを渡してくれました。僕もあと1台を目指し、抜きたかったのですが、39号車もペースが速く、チャンスをものにできず悔しさの残るレースになってしまいました。これでタイでは4連続表彰台と、本当に調子の良いコースなんですが、今年も勝てませんでした。悔しいですが、次のレースで頑張ります。

    フェリックス・ローゼンクヴィスト (WAKO’S 4CR LC500 6号車)
    LEXUSにとって、表彰台独占というとても良い一日になりました。11番手グリッドからのスタートで2位フィニッシュできたということで、タフでしたが、良いレースが出来たと思います。LC500はとても好調でしたし、タイヤの選択も上手くいきました。残念ながら勝つことは出来ませんでしたが、とにかく楽しいレースでしたし、みんなも喜んでいます。もう一つ上の順位は、次の富士で狙います。

    国本雄資 (WedsSport ADVAN LC500 19号車)
    ファーストスティントで山下選手が結構追い上げてくれて、自分に交代したあと3位でコースに復帰できたのですが、ライバル勢のペースも速く、特に36号車のペースが結構速くて追いつかれてしまい、トラフィックに引っかかったところで抜かれてしまいました、ただ、去年から今年と、なかなかいい流れに乗れず、結果も全然出ていなかったので、ここで3位を取れたのはポジティブなことだと思います。後半戦には自分たちが得意なサーキットがあるので、またそこで表彰台獲得、優勝できるように、開発を頑張ります。

    山下健太 (WedsSport ADVAN LC500 19号車)
    スタート担当だったので、スタートダッシュで前の車を抜くつもりだったのですが、逆に抜かれてしまいました。しかしそこからのペースは悪くなく、予選で前に行った人たちよりも自分の方が速かったのと、展開的にも恵まれて、3台くらい抜くことが出来ました。ただ、単独走行時のペースは、今回前でフィニッシュしたLEXUS勢と比べると結構違うので、そこは今後の課題だと思います。それでも取り合えず3位表彰台が獲得出来たのは良かったです。

    関連:【SUPER GT】 第4戦 タイ 結果:DENSO KOBELCO SARD LC500が優勝

  • 小林可夢偉、SUPER GT初勝利 「正直、勝てるとは思っていなかった」

    小林可夢偉、SUPER GT初勝利 「正直、勝てるとは思っていなかった」

    小林可夢偉は、SUPER GT 第4戦 タイでSUPER GT初勝利を挙げた。

    No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500はヘイキ・コバライネンがスタートドライバーを担当。スタートで2番手に浮上する。首位をテール・トゥ・ノーズで追うまでに至った39号車は、19周目、メインストレートで並びかけ、その後も再三にわたる追撃の末に、4コーナーでパス。ついに首位を奪う。

    36周目に首位を行く39号車がピットイン。コバライネンから小林可夢偉へとドライバーチェンジ。首位のままコースへ復帰する。

    その後、No.36 au TOM’S LC500の関口雄飛が迫り、何度も並びかける2台だったが、小林可夢偉も巧みなライン取りで抜かせず、その後でチャンスを窺うNo.6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也)と共に、3台での首位争いはレース最終盤まで続く。

    39号車小林か、36号車関口か、という息を呑むようなバトルは、ファイナルラップ、突然の36号車のスローダウンで閉幕。36号車は残り1周というところで痛恨の燃料切れに見舞われ、コース脇に車両を停める。

    小林可夢偉はトップを守ってチェッカーを受け、SUPER GTでの自身初勝利を飾った。LEXUS勢にとっても今季初勝利。

    小林可夢偉
    自分にとっては初めてのサーキットなので、正直なところ、来る前は勝てるとは思っていませんでした。前戦の鈴鹿では、僕は予選も決勝も走っておらず、その前の富士もWECで欠場したため、事実上、開幕戦の岡山以来、久しぶりにLC500に乗ってのレースでした。そんな中で勝てたというのはすごく嬉しいし、チームがすごく頑張ってくれました。ここまで仕上げてくれたチームのみんな、そしてもちろん前半すごく頑張ってトップで僕に車を渡してくれたヘイキにも感謝します。状況としてはそんな簡単なレースではなかったのですが、ヘイキがとってくれたマージンを使いながら、何とか1位をキープできればと頑張りました。また、(大嶋)和也と(関口)雄飛もすごくフェアに戦ってくれました。僕はレース後半を担当しましたが、終盤で(関口)雄飛と競り合うことになりました。競り合いながら『どうやらペース自体は向こうの方が速いみたいだ』と感じていました。それでもターン1で僕の方が速かったので抜かれなかったんだと思います。それにトラフィックを上手く使えたことも良かったですね。初めてのサーキットで、しかも久々のレースだったからGT300車両を、どのくらいのリスクを払って抜けばいいのか、ちょっと分からない部分もありましたが、何とかポイントを持って帰ろう、と思いながら走っていました。次回は富士の500マイルですが、ここでも勝てるようがんばります。

    ヘイキ・コバライネン
    もちろん勝ててとても嬉しいです。特に、可夢偉選手との初勝利というのはとても重要なことです。我々のチームは今季、開幕戦の岡山で下位に沈み、第2戦富士では2位表彰台、第3戦鈴鹿は私のミスでリタイアと、ジェットコースターのような浮き沈みの激しいシーズンを過ごして来ており、何とか好成績を獲得すべく、懸命な努力を続けてきました。ようやくこの週末、その結果が得られて本当に嬉しく思っています。

    関連:【SUPER GT】 第4戦 タイ 結果:DENSO KOBELCO SARD LC500が優勝

  • 【SUPER GT】 第4戦 タイ 結果:DENSO KOBELCO SARD LC500が優勝

    【SUPER GT】 第4戦 タイ 結果:DENSO KOBELCO SARD LC500が優勝

    2018年のSUPER GT第4戦『Chang SUPER GT RACE』の決勝レースが7月1日(日)にタイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで行われた。

    GT500クラスは、No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉)が予選3位から逆転優勝。GT300クラスはNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)が優勝した。

    予選日は、予選開始前にスコールが降り、予選時間には雨は止んだものの路面が濡れている中での難しいコンディションだった。だが、決勝日は雲もあるが、南国らしい澄み切った青空がのぞく、好天の下でのレースとなった。

    現地時間午後3時ちょうどにレースはスタート。好スタートを切って先行するポールポジションのNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀)を追うのは、No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンだ。勢いに勝るDENSO KOBELCO SARD LC500は19周目にトップに立つと後続を引き離す。ポジションを下げるMOTUL MUGEN NSX-GTに代わり、DENSO KOBELCOを追うのは、同じLEXUS LC500のNo.6 WAKO’S 4CR LC500(フェリックス・ローゼンクヴィスト)だ。2台のLC500は3秒ほどの差を保ったまま、所定のピットインを終了。

    双方共に速やかにピット作業を終えてポジションは変わらない。だが、DENSO KOBELCO SARD LC500(小林可夢偉)のすぐ後ろまでWAKO’S 4CR LC500(大嶋和也)は迫り、激しいトップ争いを行った。この2台にNo.19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資)とNo.36 au TOM’S LC500(関口雄飛)も接近し、4台のLC500による上位争いとなる。

    一時、ハイペースな追い上げを見せたau TOM’Sの関口が、WAKO’S 4CRを抜いてDENSO KOBELCOの小林に迫る。だが、この激闘はラスト1周に思わぬ結末を迎えた。なんとau TOM’Sがガス欠症状でストップしてしまう。これで楽になったDENSO KOBELCO SARD LC500の小林は自身にとって初優勝となるゴールをくぐった。コバライネンは通算3勝目で、今季結成された元F1ドライバーコンビの記念すべき勝利だ。LC500にとってはこれが今季初優勝。しかも2、3位もWAKO’S 4CR LC500とWedsSport ADVAN LC500が入り、表彰台はLC500の独占となった。

    Honda NSX-GT勢の最上位は5位のMOTUL MUGEN NSX-GT(後半は中嶋大祐)で、NISSAN GT-R NISMO GT500の最上位は6位のNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー)となった。

    GT300クラスは、予選2位から好スタートを切ったNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン)がスタート直後にトップとなって逃げるも、他車との接触からのマシントラブルでリタイア。代わってトップに立ったNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一)をNo.11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信)が僅差で追う。ピットイン後は、GAINER TANAX GT-R(平中克幸)がトップに立ち、そのまま優勝した。2位にはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平)。3位にはNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/宮田莉朋)が入った。

    GT500クラス
    No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500
    ヘイキ・コバライネン
    「このサーキットで勝つことができたし、カムイ(小林可夢偉)さんと一緒に勝つことができて、非常にいい週末になりました。今シーズンの僕たちは、まるでジェットコースターのような展開で、開幕戦の岡山では最低のレースになったし、富士ではまずまずのレースになり、前回の鈴鹿は僕のミスで台無しにしてしまいました。でも今日は勝つことができて本当に嬉しいです」

    小林可夢偉
    「このサーキットを走るのは今回が初めてだったし、鈴鹿でも決勝を走ることがなく富士は欠場していたので、このクルマでレースを走るのは開幕戦の岡山以来。そんな状況だったので、正直なところ、ここに来るまでは勝てるとは思えませんでした。だから、勝って嬉しいのはもちろんですが、がんばってくれたチームとヘイキ(コバライネン)さんに感謝したいです」

    GT300クラス
    No.11 GAINER TANAX GT-R
    平中克幸
    「今回は走りだしからクルマの調子が良くて、特にクルマとタイヤのマッチングが素晴らしく、練習走行から手応えを感じていました。そして実際に結果に繋がりました。GT-Rの2018年モデルは速い、と前評判がありましたが、ここまで楽なレースはなかった。でも、そんな中でもチームが一丸となって努力した結果が、今日の優勝に繋がったんだと思います。優勝できて本当にうれしいです」

    安田裕信
    「僕にとっては今回がSUPER GT参戦100戦目になりました。その記念すべきレースで優勝できて気分は最高です。FIA GT3はクルマによってコースの得意不得意があります。ここはGT-Rとの相性が良いと言われていたし、走りだしからクルマの調子も良かったですね。僕は前半を担当しましたが、落ち着いてポジションを上げて行くことができました。後半は平中選手がんばって、GT-Rの今季初優勝を飾ることができました」

    2018年 SUPER GT 第4戦 タイ 決勝 結果 (GT500)

    Po. No. マシン ドライバ タイヤ WH
    1 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉 BS 30
    2 6 WAKO’S 4CR LC500 ジェームス・ロシター/大嶋和也 BS 28
    3 19 WedsSport ADVAN LC500 山下健太/国本雄資 YH 4
    4 38 ZENT CERUMO LC500 立川祐路/石浦宏明 BS 3
    5 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤英紀/中嶋大祐 YH 2
    6 12 カルソニック IMPUL GT-R ヤン・マーデンボロー/佐々木大樹 BS 2
    7 17 KEIHIN NSX-GT 小暮卓史/塚越広大 BS 42
    8 1 KeePer TOM’S LC500 ニック・キャシディ/平川亮 BS 52
    9 64 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バゲット/松浦孝亮 DL 2
    10 36 au TOM’S LC500 中嶋一貴/関口雄飛 BS 28
    11 100 RAYBRIG NSX-GT ジェンソン・バトン/山本尚貴 BS 64
    12 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/ロニー・クインタレッリ MI 2
    13 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 千代勝正/本山哲 MI 18
      24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠 YH 14
      8 ARTA NSX-GT 伊沢拓也/野尻智紀 BS 48
  • 【SUPER GT】 第4戦 タイ 予選:MOTUL MUGEN NSX-GTがポール獲得

    【SUPER GT】 第4戦 タイ 予選:MOTUL MUGEN NSX-GTがポール獲得

    2018のSUPER GT第4戦『Chang SUPER GT RACE』の予選が6月30日(土)にタイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキット行われた。

    GT500クラスはNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐)がコースレコードを更新する1分23秒341でポールポジションを獲得。GT300はNo.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥)がポールポジションを獲得した。

    昨年は10月に開催されたタイ大会だが、今年は第4戦として6月30日・7月1日の開催となった。この時期は、タイでも雨が多いだけに、競技中の天候変化が心配される。公式予選はこれまで同様にQ1、Q2と2段階に台数が絞られていくノックアウト方式で行れた。

    午前中は快晴だったチャン・インターナショナル・サーキットだったが、昼になると大きな黒い雲が流れて南国特有のスコール(短時間の強雨)が降り出す。このため、現地時間15時の予選Q1開始が、15分遅れることになった。

    GT500クラスのQ1は15時35分から15分間で行われた。雨はほとんど上がっていたが、路面はウエットで、30度近い気温もあって走るに従い乾いていく。その中で、No.12 カルソニック IMPUL GT-Rの佐々木大樹が1分27秒015で1位となる。一方、午前の練習走行で1位だったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山哲)は9位に終わり、昨年のタイで優勝した前年チャンピオンのNo.1 KeePer TOM’S LC500(平川亮)も10位とQ1で予選を終えた。

    16時20分から10分間で行われたQ2では、路面はすでにドライとQ1と状況は一変。ただし、コース端はまだ濡れている難しい状況は変わりない。だが、濡れた路面を得意とするNo.17 KEIHIN NSX-GTの塚越広大が、1分23秒458とコースレコードの1分24秒307を大きく更新してトップに立つ。チェッカーフラグが振られるまでこれを更新するマシンはなく、これで決まりかと思われた。しかし、この最後のラップでNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GTの武藤英紀が1分23秒204と0.117秒上回って見せた。これで武藤にとってはGT500で2回目となるポールポジションを獲得。昨年からGT500クラスにカムバックしたTEAM MUGENとしては、復帰後初の予選1位となる。

    GT300クラスのQ1は雨の残る中で行われ、ワイルドカードでこの1戦だけ参戦するNo.32 est cola by AAS Motorsport(ガンタティー・グシリ)が地元の利を活かして1位となる。だが、ほぼドライとなったQ2では、最後にNo.88 マネパ・ランボルギーニGT3(アンドレア・カルダレッリ)とNo.65 LEON CVSTOS AMG(蒲生尚弥)が1分32秒554の同タイムでトップに並んだ。だが、予選後の車検で88号車に違反が見つかり、65号車がポールポジションとなった。

    GT500クラス
    No.16 MOTUL MUGEN NSX-GT
    武藤英紀
    「本当に久しぶり(2016年6戦以来)のポールポジションを獲ることができて、とてもうれしい。Q1はすごく難しいコンディションとなったけど(中嶋)大祐がうまくまとめてくれて僕に繋いでくれました。(Q2を)走り始めた時は、まだ乾き切ってはいなかったけどヨコハマさんが良いタイヤを用意してくれていたので、何も心配することなく全開でアタックできました。チームもいい仕事をしてくれたし、本当に最高の気持ちです」

    GT300クラス
    No.65 LEON CVSTOS AMG
    蒲生尚弥
    「ポールを獲ることができて嬉しいです。今回は、クルマのパフォーマンスが走りだしから素晴らしかった。特にブリヂストンさんが用意してくれたタイヤが素晴らしく、ロングランでもグリップが安定していました。予選では10周走ったんですが、その最終ラップにベストタイムがマークできたほどです。決勝はどんなコンディションになるか分かりませんが、ウエットでもドライでも調子が良いので、ポールから逃げ切って優勝したいです」

    2018年 SUPER GT 第4戦 タイ 公式予選 (GT500)

    Po. No. マシン ドライバ タイヤ WH タイム
    1 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 武藤英紀/中嶋大祐 YH 2 1分23秒341
    2 17 KEIHIN NSX-GT 小暮卓史/塚越広大 BS 42 1分23秒458
    3 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉 BS 30 1分23秒676
    4 24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠 YH 14 1分23秒687
    5 100 RAYBRIG NSX-GT ジェンソン・バトン/山本尚貴 BS 64 1分24秒001
    6 19 WedsSport ADVAN LC500 山下健太/国本雄資 YH 4 1分24秒053
    7 12 カルソニック IMPUL GT-R ヤン・マーデンボロー/佐々木大樹 BS 2 1分24秒146
    8 8 ARTA NSX-GT 伊沢拓也/野尻智紀 BS 48 1分24秒359
    9 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 千代勝正/本山哲 MI 18 1分30秒228
    10 36 au TOM’S LC500 中嶋一貴/関口雄飛 BS 28 1分30秒53
    11 6 WAKO’S 4CR LC500 ジェームス・ロシター/大嶋和也 BS 28 1分30秒811
    12 1 KeePer TOM’S LC500 ニック・キャシディ/平川亮 BS 52 1分31秒039
    13 38 ZENT CERUMO LC500 立川祐路/石浦宏明 BS 3 1分31秒064
    14 64 Epson Modulo NSX-GT ベルトラン・バゲット/松浦孝亮 DL 2 1分31秒524
    15 23 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/ロニー・クインタレッリ MI 2 1分31秒588
  • ジェンソン・バトン、SUPER GTの難しさや楽しさは“目から鱗”

    ジェンソン・バトン、SUPER GTの難しさや楽しさは“目から鱗”

    ジェンソン・バトンが、今シーズンここまでのSUPER GTの感想と今後の展開を語った。

    昨年末から今年にかけて、国内外のモータースポーツ界で大きな注目を集めたニュースがあった。それは、“F1元世界王者であるジェンソン・バトンがGT500にフル参戦する”という衝撃的なものだった。

    このニュースには多くのファンが驚き、興奮し、そして期待に胸をふくらませた。しかし、現在のGT500は世界でも屈指のレベルを誇るシリーズ。たとえ元F1ドライバーであろうと、すぐに好成績を残すのは難しいカテゴリーでもある。

    “ワールドチャンピオンがGT500でどんな走りをみせるのか”世界からの視線が注がれる中で開幕した今季のSUPER GTだったが、そこでバトンは想像を超える結果を残した。岡山国際サーキットで行われたデビュー戦でいきなりの2位表彰台を獲得すると、第3戦鈴鹿でも2度目の2位に輝いた。さらには、今季これまでの3戦すべてでポイントを獲得し、ランキングトップにつけているのだ。特筆すべきは、34kgというハンディーウエイトを積みながら表彰台に上がった第3戦鈴鹿。そのレースを終えたばかりのバトンに、今季のこれまでの感想と今後の展望を聞いた。

    2度目の2位表彰台、おめでとうございます。まずは今の感想から聞かせて下さい。ありがとう。本当にハッピーだよ。今日はオーバーテイクを楽しめたし、いい仕事ができたと思う。低い気温の中でタイヤのグリップを得るのに苦労してライバルに抜かれてしまった場面もあったけれど、全体としては本当に楽しんだ。もちろん勝てればベストだったけど、きちんと2位に入ったことでランキングトップに立てたことには大きな意味がある。

    3レースを終えたところで、改めてSUPER GTの難しさは何でしょうか?
    トラフィック(コース上の遅いクルマ)をいかにオーバーテイクするかだ。GT300のマシンを抜くためにレコードラインを外れると、タイヤがピックアップ(ほかのマシンのタイヤの表面が劣化して剥がれたゴムの固まりが、自分のマシンのタイヤ表面にこびりついてしまうこと。これによりマシンの挙動が乱れ、ラップタイムが大幅に落ち込むケースが多い)を拾ってしまい、それを解決するのにかなりの時間がかかってしまうんだ。SUPER GTの経験が多いドライバーはうまく対処できるかもしれないけど、僕のようにこのカテゴリーでの経験が少ないと、そう簡単なことではない。これまでの僕のキャリアの中でも初めての経験だからね。そういう意味でもSUPER GTでは「トラフィックをどうさばくか」が大きなポイントになる。あとは、やっぱりタイヤと車重だ。SUPER GTはタイヤウォーマーを使わないから、走り始めは慎重に、それでいてアグレッシブに温める必要がある。僕が乗っていたころのF1が約600kg、GT500のNSXは1034㎏で車重もかなり違うから、それにも慣れる必要があるんだ。とにかく、今はSUPER GTの難しさや楽しさに「目から鱗」といった心境かな。

    そもそも世界王者であるあなたが、なぜSUPER GTへの挑戦を求めたのでしょうか?
    GT500は世界に誇れる日本の自動車メーカー3社が参戦している、とてもレベルの高いカテゴリーだということ。それからほかのカテゴリーでは見られなくなってしまったタイヤメーカー間の戦い「タイヤウォーズ」があること。これら2つが揃っているレースは、世界的に見ても貴重な存在なんだ。GT300の存在も、SUPER GTをおもしろいものにしている。GT500同士で戦いながら、同じコースでバトルしている29台ものGT300をうまくかわさなければならない。自分が速く走れていたとしても、GT300のかわし方を誤ると難しいシチュエーションになることがあるからね。僕自身、今までに経験のないことだから、難しいけど楽しんでもいるよ。そしてなんと言っても、SUPER GTの最大の魅力は速いドライバーが大勢、参戦していることだ。レーシングドライバーならだれでも、そのカテゴリーでベストな選手とレースをしたいと思うだろう? 国籍を問わず速いドライバーとレースができるのも、SUPER GTの魅力の一つだ。

    チームメートである山本尚貴選手の印象は?
    尚貴は才能あふれたドライバーの一人。いつも100%の力で勝負していて「常に強いドライバー」だね。彼がチームメートでラッキーだよ。あと、性格も負けず嫌い(笑)。今の彼はスーパーフォーミュラでも、SUPER GTでもランキングトップに立っているから、今のところ“大きなチャンス”のシーズンだね。そんな彼と情報を共有しながら、残りのレースも可能な限りプッシュしていくよ。

    ところで、以前よりも来日の機会が増えたと思いますが、日本での時間を楽しんでいますか?
    もちろん! カリフォルニアに住んでいるので、年明けからシーズン開幕前はテストなどで飛行機での移動が多くて忙しかったけれど、最近はそれもひと段落したので、日本に来ることを楽しめている。今年は僕が日本に来るときはなぜか天気が悪いんだけど、鈴鹿(第3戦)はいい感じだったね。ただ、そのほとんどの時間をサーキットで過ごしているから、ドライビング以外のことはまだなにもしていない。以前よりも日本で過ごす時間は増えたのに、残念ながら観光などはできていないんだ。今年の後半は、そうした時間が取れるといいね。

    次戦(第4戦タイ)からシーズン中盤戦に入ります。シリーズチャンピオンを目指す上で必要なことは何でしょうか?
    とにかく毎回ポイントを獲ることだね。次戦以降はさらにウエイトが重くなり、燃料リストリスターも装着されるから、僕らにとっては間違いなく厳しいレースになる。タイのコースレイアウトはHondaにとって難しいサーキットだと思うしね。だからこれからは1ポイントでも2ポイントでも確実にポイントを獲ることが大切なんだ。レースごとの結果で一喜一憂するのではなく、チャンピオンシップ全体を通した戦略が求められていくだろうね。僕自身のことで言えば、まだすべての力を出しきれていないけど、多くのことを学んでパフォーマンスが向上していることに満足している。引き続き、SUPER GTに合わせたドライビングを学んで、このポジションを守っていきたいね。

    では、最後にファンへのメッセージをお願いします。
    いつも本当に応援をありがとう。ファンのみんながいなければ、モーターレーシングは存在しない。サーキットには、Honda、そしてチーム・クニミツのファンが大勢来てくれて、僕らにとってとても大きな力になっているんだ。それにF1時代からたくさんの人たちが応援してくれるから、僕にとってはやっぱり日本のレースは特別に感じる。応援してくれるみんなのためにも、シーズンを通していい結果を残していきたい。チャンピオンを目指してがんばるよ!

  • SUPER GT:DTMと“クラス1”規則を完成…2019年に2つの交流戦を開催

    SUPER GT:DTMと“クラス1”規則を完成…2019年に2つの交流戦を開催

    SUPER GTとDTM(ドイツツーリングカー選手権)は両者が進めていた共通の技術規則「クラス1(Class One)」の完成版を公開。2019年に2つの交流戦を行うことを発表した。

    DTMとSUPER GTのGT500クラスは、共通の技術規則「クラス1(Class One)」を立案。2014年より同規定に基づいた車両でシリーズを行っている。現時点ではエンジン仕様が両シリーズで異なっており、DTMでは従来からのV型8気筒4,000ccを使用している。

    しかし、2019年シーズンからはDTM参戦車両もGT500クラス車両と同じ直列4気筒2,000cc直噴ターボへの切り替えを検討していた。2018年末にはメルセデスがDTMから撤退。残るBMWとアウディは移行のための橋渡しとして1シーズンを費やすことを受け入れていた。

    そして、6月23日(土)、ドイツツーリングカー選手権(DTM)の統括団体であるITR(ゲルハルト・ベルガー会長)とSUPER GTを運営する株式会社GTアソシエイション(GTA/坂東正明代表)は、DTM第4戦が開催されるノリスリンク(ドイツ)で共同会見を行い、両者が進めていた共通の技術規則「CLASS 1(クラス・ワン)」の完成版を公開した。

    これにより、2019年シーズンからDTM車両はクラス1規則に100%合致した車両でレースを実施。SUPER GTのGT500クラスも、モノコック設計が変更タイミングの2020年より同規則に準拠した車両でレースを行うことになる。なお、DTMはスプリントで、SUPER GTはセミ耐久とレースフォーマット(方式)が異なるため、SUPER GTではシリーズの特徴と魅力に配慮した若干の変更は行われる。

    クラス1規則は、GTAとITRの間で協議が続けられ、SUPER GTのGT500クラスでは2014年車両よりDTMと共通のモノコック(製造は国内メーカー)や共通パーツを採用。その後もエンジンはそれぞれ別の形式だったが、完成版ではSUPER GTが先行採用した2リッター4気筒直噴ターボに統一されることになった。この規則では“安全性”“コスト低減”“平等な機会”を大きな柱として策定され、今後のモータースポーツ車両規定のひとつの礎となるだろう。

    パーツはヨーロッパとアジアで製造され、セーフティセルを備えたDTMのカーボンモノコックは保持される。また、DTMは620馬力の2リッター 直列4気筒ターボエンジンに移行し、トップスピードは180mphをわずかに上回ることになるという。

    DTMカーは、マシンのフロントのボディワークとリアウイングの改良、その他いくつかの空力調整を含めたさらなる変更が加えられ、SUPER GTのマシンにより密接に合致することになる。

    ゲルハルト・ベルガー会長は、GTAとITRの協力体制により完成したクラス1規則を“世界のモーターレーシングの金字塔”と表現した。

    「坂東代表そしてクラス1規則に取り組んだ皆さんに感謝申し上げます」とゲルハルト・ベルガーはコメント。

    「DTMとSUPER GTの最終目標である“共同でのレース開催”に向けて非常に大きな一歩を踏み出したことを大変うれしく思っております。私たちは常に『安全性、コスト低減、平等な機会』を最優先事項として重視して参りました。この理念はクラス1規則の基礎であり、これからも変わる事はありません」

    「2019年から新規則を完全採用するDTMは、自動車マニュファクチャラーにとって魅力的なプラットフォームであり続けることをお約束します」

    また、日本とドイツ、そして世界のレースファンが待望するSUPER GTとDTMの交流戦についても、この会見で語られた。早ければ、2019年にこの時点の車両(性能調整あり)で行い、ヨーロッパとアジアで各1回を開催。さらに2020年以降の交流戦は両シリーズの車両共にクラス1規則に100%合致した車両で行われるとされた。

    2020年までDTMとSUPER GTがクラス1規則で揃うことはないため、レースはDTMの競技規約をベースとなり、ドライバー交代と給油のなく、ピットストップでは4輪全てを交換する2回のスプリントレースで行われる。

    坂東正明代表は「SUPER GTとDTMが同じ目的を持って進めきたクラス1規則が、その詳細に至るまで完了し、発表を迎えることができました。ベルガー会長、マニュファクチャラー各社、関係各位のこれまでのご尽力に心からの感謝を申し上げます」とコメント。

    「同じパーツを使った車両によるレースがヨーロッパのDTM、アジアのSUPER GTとして行われるという、私たちが追い求めて来た理想に大きく近づき、そして交流戦が現実のものとなりました。昨年、両シリーズ車両によるデモンストレーションを日本とドイツで実施し、成功裏に終えたことからもわかる通り、私たちのコラボレーションは深化しております」

    「2019年にここドイツと日本で、今度はデモンストレーションではなく、両シリーズの車両が競い合う交流レースを行います。両国の、そして世界のモータースポーツファンに、史上初の試みとなるレースをお楽しみいただくことができます」

    「今後、両シリーズがともに発展して行くことを強く信じ、2019年のSUPER GTとDTMの交流戦を、今から待ち遠しく思っております」と、クラス1実現を喜ぶと共に、待望の交流戦への期待を述べていた。

  • ジェンソン・バトン&山本尚貴のRAYBRIG NSX-GTがランキング首位

    ジェンソン・バトン&山本尚貴のRAYBRIG NSX-GTがランキング首位

    2018年のSUPER GT 第3戦「鈴鹿300km」の決勝レースを終え、2位表彰台を獲得したジェンソン・バトン&山本尚貴のNo.100 RAYBRIG NSX-GTがドライバーズランキング首位に浮上した。

    フロントローからスタートしたジェンソン・バトンは、他のドライバー同様にタイヤの温度に苦労し、No.1 KeePer TOM’S LC500のニック・キャシディから攻撃を受けるが2位をキープ。

    14周目にNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンが、デグナーの立ち上がりでスピンを喫してリタイアし、セーフティカーが導入される。このリスタートで冷えたタイヤに苦労したジェンソン・バトンはターン1でニック・キャシディに交わされて3番手に後退。その周でピットインし、ステアリングを山本尚貴に託す。

    山本尚貴はアウトラップで素晴らしいパフォーマンスを見せ、No.1 KeePer TOM’S LC500の前に出るだけでなく、No.8 ARTA NSX-GTの野尻智紀とのギャップを0.5秒まで縮め、その後20周にわたってバトルを展開。だが、最終的に攻略するには至らず、2位でNo.100 RAYBRIG NSX-GTは2位でチェッカーを受けた。

    これでNo.100 RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトンと山本尚貴は開幕戦に続く2度目の2位表彰台。ポイントを32ポイントとし、2位のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ
    に1ポイント差でドライバーズランキングの首位に浮上した。3位には26ポイントでNo.1 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)が続いている。

    ジェンソン・バトン
    「また2位でした(笑)。とは言えいい戦いができたと思います。今日は序盤からずっとニック(キャシディ/36号車)と競っていて、いいバトルができました。でも僕にとって一番の問題点はリアタイヤでしたね。その影響で、セーフティカー明けのリスタートのときは、もうタイヤのコントロールが大変で…。そう、まるでスライドするラリーカーをドライブしているような感じだったんです。ルーティンワークでは、(山本)ナオキがソフトタイヤを選んでコースインしたんですが、それが良かった。でも、2位は2位。やはり悔しいし、もちろんナオキも同じ気持ちだと思います。でも、今日の結果で選手権をリードすることになったので、いい週末だったとも言えます。2位だったけれど、ポジティブな要素も得られたレースウィークでした」

    山本尚貴
    「一生懸命走りました。前半、JB(ジェンソン・バトン)がちょっと辛そうだったので、セカンドスティントで装着するタイヤを変えたほうがいいのではないか、という考えになりました。そんな中、セーフティカーが入り、さらにまた異なる展開になったので、路面温度が下がることを考えて(後半のタイヤは)ソフトを選びました。選択自体は良かったと思います。もし、JBと同じタイヤ(ミディアム)を着けていたら、ペースが上がらなかっただろうし、8号車を追いかけることもできなかったと思います。終盤、(ペースが落ちたのは)富士と同じで(タイヤの)ピックアップが酷くなってしまったんです。8号車よりも早めのピットインだったので、最後は『ちょっとタイヤがもたなかったのかなぁ』と思いますね。悔しいし、勝ちたかったですけど、GTのシーズンを考えると表彰台に上がり続けることが最も大事だし。同じように1号車がしぶとくポイントを獲っているので手強いなとは思います。でも、ランキング上位のポイントが結構バラけたので、チャンピオンシップを考えるといい1戦だったと思います」

  • 【SUPER GT】 NISMO:第3戦 鈴鹿サーキット 決勝レポート

    【SUPER GT】 NISMO:第3戦 鈴鹿サーキット 決勝レポート

    2018年のSUPER GT 第3戦 鈴鹿サーキットの決勝レースで、予選6位からスタートしたNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー)がポジションを上げて4位入賞。残る3台のGT-Rもそれぞれ順位を上げ、全車がポイントを獲得した。

    前日に続き快晴の鈴鹿は風も穏やかになり、レースには絶好のコンディション。鈴鹿サーキットの計時システムに不具合が生じたため、決勝レースは予定よりも40分遅れて、午後3時20分にスタートした。

    ヤン・マーデンボローがスタートドライバーを務めたNo.12 GT-Rは、スタートで1台をかわして5番手にポジションアップ。13周目に他車のアクシデントでセーフティカーが導入されたことで、それまでに築かれていた4位との差を一気に詰めた。18周を終了したところでセーフティカーが隊列から離れ、19周目からレースが再開したが、このタイミングで2位と4位を走行していたマシンが早めのピットインを選んだため、No.12 GT-Rは3位になり、24周を終えたところで後半スティントに入った。佐々木大樹にドライバー交代したNo.12 GT-Rは暫定6位でレースに復帰。全車がピット作業を済ませると、再び5位に戻って前を追いかける展開になった。一時は1秒を切る差で接近戦になっていたNo.17 NSX-GTとの戦いは、相手がドライブスルーペナルティを受けたことで決着し、No.12 GT-Rが4位浮上。終盤に追い上げてきたNo.36 LC500とは最終ラップでテール・トゥ・ノーズの戦いになったが、佐々木が巧みなライン取りでブロックし、約0.6秒差で先にチェッカーを受け、4位入賞となった。

    この鈴鹿戦にポイントリーダーとして臨み、唯一1ランクダウンの燃料リストリクターを装着しているNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は最後尾の15位スタート。この鈴鹿戦でSUPER GT参戦100戦目を迎えたロニー・クインタレッリがスタートドライバーを務め、オープニングラップで2台をオーバーテイク。さらに9周目のヘアピンコーナーでは、GT300のバックマーカーも現れ混戦模様となったなかで一気に2台をかわし、レース序盤で11位までポジションを押し上げた。勢いそのまま、12周目に再びヘアピンコーナーで1台をかわし、10位に上がってから26周を終えてピットイン。松田次生にドライバー交代し、暫定8位で後半に入った。アウトラップでも冷えたタイヤで巧みに順位を守り、さらに他車のペナルティやルーティーンのピットインで上位のマシンが後退したため、38周目には5位に浮上。前を行くNo.12 GT-Rとの差を懸命に詰めていたが、終盤No.36 LC500に先行され、6位フィニッシュとなった。

    No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山哲/千代勝正)は、スタートドライバーの本山哲が前半に粘りの走行。日産勢の中では早めの19周を終えたところでピットに入り、千代勝正にドライバー交代した。タイヤ交換も済ませ、21周目にはレース中の自己ベストタイムを記録。全車のピット作業が終わったところでポイント圏内の9位に入ると、そこから最終ラップまでの約20周は、No.19 LC500、No.38 LC500との3台での接近戦が続いた。40周目にNo.19 LC500をかわし、さらにペナルティで後退したマシンもあり、No.3 GT-Rは7位を走行。最後までNo.38 LC500の猛追をしのぎ、7位でチェッカーを受けた。

    No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/高星明誠)も11位からオリベイラがスタートし、23周を終えてピットイン。後半スティントの高星もミスなく走り切り9位でフィニッシュ。鈴鹿で行われた久々のスプリントレースで、GT-R勢は全車がポイント獲得となった。

    ヤン・マーデンボロー (No.12 カルソニック IMPUL GT-R/決勝4位)
    「1周目のオーバーテイクはうまく抜けたように見えたかもしれませんが、結構タフな戦いでした。しかし、なんとか順位を上げることができましたし、その後のピットストップも、大樹のスティントも良かったと思います。表彰台までもう少しのところだったので残念ですが、チームの調子はいいと思うので、次戦はさらに上を目指して頑張ります」

    佐々木大樹 (No.12 カルソニック IMPUL GT-R/決勝4位)
    「(No.36 LC500が来たときは)全然ペースが違ったので、最終ラップでうまく対処して4位を守れてよかったです。今回は(第2戦)富士と違って守るレースになってしまいました。なんとか4位を獲れたのは、チャンピオンを目指すためにはいいことですが、次戦のタイは守りのレースではなく、速さを見せて攻めのレースをしたいと思います」

  • 【SUPER GT】 LEXUS:第3戦 鈴鹿サーキット 決勝レポート

    【SUPER GT】 LEXUS:第3戦 鈴鹿サーキット 決勝レポート

    例年より早い時期に、300kmという距離で戦われたSUPER GT鈴鹿ラウンドで、平川 亮/ニック・キャシディ組のKeePer TOM’S LC500 1号車が3位表彰台を獲得。中嶋 一貴/関口 雄飛組 au TOM’S LC500 36号車が終盤関口の猛追で5位フィニッシュを果たした。GT300クラスではLEXUS RC F GT3に初のポールポジションをもたらした新田 守男/中山 雄一組 K-tunes RC F GT3 96号車がポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を飾った。

    SUPER GT第3戦「SUZUKA GT 300km Fan Festival」が5月19日(土)、20日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。

    毎年真夏の1000kmレースとして行われてきたSUPER GTの鈴鹿ラウンドですが、今年は春、300kmでの開催に。例年に比べ低い気温、短い距離、そして少なめのウェイトハンデなどにより、これまでとは異なる、ハイスピードで激しいバトルが繰り広げられた。

    予選
    19日(土)は好天に恵まれたが、鈴鹿名物の観覧車が稼働停止となるほどの強風が吹き荒れ、やや肌寒い一日となった。午後2時35分、気温20度、路面温度36度というコンディションの下で、ノックアウト方式の予選が行われた。

    先に行われたGT300クラスのQ1で赤旗が出された影響により、GT500クラスのQ1(15分)は予定より10分遅れの午後3時5分に開始。セッションが5分ほどを過ぎたあたりから各車コースに向かい始めた。

    最終コーナー側から1コーナーへ向けて吹く強風に乗り、各車メインストレートでの最高速が伸び、また、1コーナーを折り返してからのS字コーナーは向かい風となることでダウンフォースが増し、こちらもタイムアップの要因に。また、低い気温、軽いウェイトハンデも奏功し、アタックした15台全車が昨年までのコースレコードを更新するという、ハイレベルなQ1となった。

    僅差のタイム合戦で鈴鹿をホームコースとするNSX勢が速さを見せる中、キャシディがQ1を担当した1号車がこの中に割って入る5番手。36号車を駆る中嶋 一貴が7番手となり、トムスの2台のみがQ2へと進出することとなった。

    Q2への進出は、当落ラインとなる8番手から12番手まで、5台がコンマ2秒の中に入るという僅差の争いとなり、WedsSport ADVAN LC500 19号車、ZENT CERUMO LC500 38号車はコンマ1秒ほどの差で9、10番手となり、惜しくもQ2進出を逃すことに。DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車が13番手、今大会、フォーミュラE参戦のために欠場するフェリックス・ローゼンクヴィストに代わって出場するジェームス・ロシターがアタックしたWAKO’S 4CR LC500 6号車は14番手でグリッドが確定した。

    Q2では1号車の平川が4番手のタイムをマークし2列目グリッドを確保。36号車は途中でアタックを諦め、8番手グリッドからスタートを切ることとなった。
    GT300クラスでは、Q1の残り2分ほど、各車最後のアタックに入っている最中にクラッシュが発生しセッションは赤旗中断に。この時点で、新田がアタックしていた96号車は2番手の好タイムをマークしていたが、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車、arto RC F GT3 35号車、2台のプリウスはまだアタックを終えていなかった。

    セッション残り6分でQ1が再開されると、吉本 大樹の60号車は一発アタックでコースレコードを更新するタイムをマークし8番手でQ2進出。しかし2台のプリウスはタイムを伸ばせず、TOYOTA PRIUS apr GT 30号車が19番手、TOYOTA PRIUS apr GT 31号車が21番手。35号車は27番手でグリッド確定となった。

    Q2では、宮田 莉朋が担当した60号車がまずトップタイムをマーク。それをライバル勢が更新していく中、96号車の中山 雄一がこれまでのコースレコードを2秒近く短縮する、圧倒的なタイムをマーク。このタイムは誰にも上回られることなく、中山 雄一にとってはキャリア2度目、RC F GT3にとっては初となるポールポジションを獲得。鈴鹿サーキットでは、GT3車両での初のポールポジション獲得となった。宮田が健闘を見せた60号車も5番手の好位置から決勝レースに臨むこととなった。

    決勝
    20日(日)は朝から好天。前日の強風も止み、日差しには暑さを感じるほどの気候となった。計時システム調整のため40分程予定より遅れた午後3時20分、気温21度、路面温度34度というコンディションの下、三重県警の白バイとパトカーの先導による交通安全啓発パレードラップとフォーメーションラップを経て、52周の決勝レースがスタートした。

    4番手スタートの1号車キャシディは、2位の車両がやや遅れて詰まった隙を突き、3位へ浮上。更に前を行く2台のNSXに離されることなく、追走を続けた。

    13周目、最後尾の15位まで順位を落としていたヘイキ・コバライネンの39号車がデグナーカーブ出口でスピンし、クラッシュ。戦線離脱を余儀なくされ、レースはセーフティカーが導入されることとなった。車両排除の後、隊列を整えて19周目にレースは再開。再スタート直後のストレートから1コーナーの進入で1号車のキャシディは前を行くNSXをパス。2位へと浮上した。

    8位を走行していた中嶋 一貴の36号車は、他車との接触がありコースオフ。すぐに復帰したもののの大きくポジションを落としてした。

    24周終了時に、首位を行くNSXと同タイミングで1号車もピットインし、キャシディから平川へとドライバーを交代。そのままの順位でコースに復帰したが、平川の1号車はアウトラップでタイヤを暖めるのに苦戦し、先にピットインしていたNSXの先行を許し、3位へとポジションを落とした。

    中盤、各車が次々にピットへと向かう中、最後までピットインを遅らせた36号車は、29周終了でピットイン。関口へと交代。一旦は13位まで大きく順位を落としたが、関口は他車よりも圧倒的に速いペースで猛追を開始。次々に前車をパスし、ポジションを取り戻して行った。

    40周目に6位までポジションを上げた36号車関口は、14秒以上あった前車との差をみるみるうちに詰め、49周目にはテール・トゥ・ノーズに。スプーンコーナーからバックストレートで並ぶと、高速コーナー130Rでパス。5位へと浮上した。

    勢いに乗る36号車関口は、更に4位を追い、ファイナルラップのシケイン進入で並びかけましたがコースオフ。惜しくも逆転はならず。それでもファイティングスピリット溢れる走りで最後まで観客を沸かせた。

    1号車の平川は前の2台には届かなかったものの、4位以下には大差をつけて3位でチェッカー。開幕戦に続く今季2度目の表彰台を獲得した。観客を沸かせた関口の36号車は5位でフィニッシュ。38号車が8位でポイント獲得を果たした。

    GT300クラスでは、ポールポジションの96号車を駆る新田がスタートから首位をキープし、後続との差を広げていったが、セーフティカーが導入されたため、7秒近く開いていたマージンは帳消しに。

    セーフティカーが退出し再スタートが切られた後も、順調に2位との差を広げた96号車だったが、GT300クラスは上位を争うライバル勢の数台が、中盤のピットでタイヤ無交換作戦を選択。ピット作業時間を短縮したことで、タイヤを4本交換し、中山雄一へとドライバーチェンジした96号車がコースへ戻った時には、実質上のトップとは8秒ほど離れた3位にポジションを落としていた。

    しかし、その後96号車はハイペースで追い上げ。前の2台のバトルに追いつくと、ベテランドライバーの老練なブロックテクニックに後続が連なる形となり、GT300クラスの首位争いは、5台ほどのグループに膨れ上がった。

    トップ争いグループの中で唯一タイヤの新しい96号車は、そのアドバンテージを活かし、38周目のシケイン進入で首位浮上。その後は2位以下を大きく引き離し、最後は15秒以上の大差をつけてトップチェッカー。LEXUS RC F GT3に今季初勝利をポール・トゥ・ウィンでもたらした。LEXUS RC F GT3にとっては昨年の第2戦富士、第7戦タイに続く3勝目。96号車は今季からの新しいチームであり、チームにとって、そして新田とのコンビでは初勝利となった。また、新田はこの勝利で、GT300クラスでの最多勝タイ(19勝目)に並んだ。

    5番手からスタートを切った60号車は、全車がピットを終えた時点で7位を走行。後半を担当した宮田が、終盤激しいバトルを繰り広げ、5位でチェッカー。21番手と後方スタートから追い上げた31号車が9位に入り、ポイント獲得を果たした。

    平川 亮 (KeePer TOM’S LC500 1号車)
    ペースだけを考えると前の2台には叶わなかった部分もあったと思いますが、スタートを担当したニックが、スタートやセーフティカー明けで上手く抜いてきてくれて、ピットに戻ってきたときは実質の2番手で、首位の車両とも僅差でした。しかし、ピットアウト後のタイヤの暖めに時間がかかり、後続にかわされてしまいました。その後は安定したペースで走ることは出来ましたが、ライバルには及びませんでした。表彰台は嬉しいですが、僕自身はあまり満足いく結果ではありません。ただ、2台のNSX以外の車両は引き離して、ギャップをマネージメント出来たのは良かったと思います。次戦タイはウェイトハンデの面で燃料リストリクター領域に入ってしまうこともあって厳しいですが、我々にとっては得意というか相性が良いコースなので、表彰台は厳しいかも知れませんが、ランキングで我々の上に居る2台よりは前でゴールして、日本に戻ってきてからの中盤戦での良い流れに繋げられるようにしたいです。良いレースが出来ると思います。

    ニック・キャシディ (KeePer TOM’S LC500 1号車)
    今回のレースには満足しています。この週末、ライバル勢のパフォーマンスが高い中、我々2人共に予選から良い走りが出来、今日はタフなレースでしたが、アタックを続け、結果に繋げられました。スタートの1コーナー、そしてセーフティカーからの再スタートでパスするのはリスキーでしたが、接触することもなく、お互いスペースを空けてのフェアなバトルで狙い通りポジションを上げることが出来ました。その後は前のライバルに離されることなく、後続との差を広げられましたし、自分のスティントの終盤には逆転のチャンスもあると思ったのですが、残念ながら逆転は叶いませんでした。亮は素晴らしい仕事をしてくれました。3位という結果は、今週末のライバルとのパフォーマンスを考えれば、とても満足行く結果だったと思います。今季は3メーカーが非常に拮抗しています。亮、僕自身、チームはよくやっていると思いますし、昨年からずっと競争力の高さは感じています。ライバルの追い上げも激しく、なかなか勝利には繋がりませんが、今年中に必ず勝利を目指します。

    新田 守男 (K-tunes RC F GT3 96号車)
    予選から本当に好調で、良いポジションからスタートを切ることが出来、ライバルがタイヤ無交換で行くだろうことは頭に入っていたので、出来る限り後続とのマージンを作ろうと考えていました。ただ、まさかのセーフティカーで貯金が帳消しになり、がっかりしながらも再スタート後何とか引き離し、雄一選手にバトンタッチすれば良いポジションに付けるだろうと頑張りました。雄一選手はちょっとハラハラドキドキするバトルを見せてくれましたが、最終的に最高の結果で終わることが出来てほっとしています。

    中山 雄一 (K-tunes RC F GT3 96号車)
    新田さんの最多優勝タイ記録に貢献出来て良かったですし、チームにとっても初ポールから初優勝ということで、新しいチームでの3戦目で結果を残すことが出来てほっとしています。新田選手が良いペースでトップをキープしてくれて、セーフティカーの不運もありましたが、最後まで諦めずにクルマの性能を200%引き出して走ってくれました。ピット作業もとても良く、最小限のロスでコースに戻れました。僕のスティントでは、ペースはこちらの方が全然良かったんですが、谷口選手のブロックが凄くて、なかなか抜けませんでした。しかし、高速コーナーが得意なLEXUS RC F GT3の特長を活かし、パスすることが出来ました。第1戦、第2戦と苦戦しましたが、低速コーナーも含め、1周トータルで速いクルマに仕上がったと思います。この勢いで次戦以降も上位を狙っていきます。