カテゴリー: スーパーフォーミュラ

  • 笹原右京、スーパーフォーミュラ初優勝! / 第6戦 富士スピードウェイ

    笹原右京、スーパーフォーミュラ初優勝! / 第6戦 富士スピードウェイ

    2022年 スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第6戦が7月16日(土)~17日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で開催され、笹原右京(TEAM MUGEN)が初優勝を成し遂げた。

    朝からの降雨で土曜日のコースはウエットコンディション。この状況が考慮され、公式予選はノックアウト形式から30分間のタイムトライアル形式(計時予選)で行なわれた。

    雨量によって路面コンディションが変転する中、#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手、#6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5番手、#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が6番手のタイムを記録してスターティンググリッドが決まった。

    日曜日の天候は回復傾向で、朝のフリー走行こそ途中までダンプ(路面が湿った状態)だったが、午後の決勝レースがスタートする頃には雲のすき間から太陽も射して完全なドライ路面となった。午後2時30分すぎ、決勝レースがスタートすると、3番手からスタートした野尻は2番手の#38 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)をかわし、ポールポジションスタートの#19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)に続く2番手に進出した。

    3周目に発生したアクシデントを処理するためセーフティカー(SC)が導入された時点では、2番手に野尻、4番手に牧野、6番手に大津がつけ、7番手と8番手には、それぞれスタートで順位を上げた#64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)と#15 笹原右京(TEAM MUGEN)が続いていた。

    レースは10周目から再開された。その10周目を終えた段階で2番手の野尻、6番手の大津がタイヤ交換義務消化のためピットイン。12周目には牧野がこれに続く一方、笹原と激しく順位を争っていた山本がドライブスルーペナルティーを受けて後退したため、見かけ上の3番手にはタイヤ交換ピットインを遅らせる戦略を選んだ笹原が浮上していた。

    先頭を走る関口は25周目にピットインしてタイヤ交換を行ない、野尻の前でコースに復帰したが、復帰直後にリアタイヤが脱落して走行不能に陥り、結果的に野尻が関口をかわすことになった。ところが、この関口のアクシデントによって介入したSCランのタイミングで、それまでタイヤ交換を遅らせていた坪井がピットイン。そのまま坪井が野尻の前でコースに復帰した。

    笹原は坪井の次周にピットインし、タイヤ交換を行なった。このとき、野尻をかわしてトップに立ったと考えた坪井がSCに追いつくまでペースを下げていたため、笹原はSCと坪井のあいだに入る形でレース復帰に成功。結果的に坪井と野尻をかわして先頭に抜け出して、30周目から再開されたレースをリードすることとなった。一方3番手の野尻はレース再開とともに2番手の坪井に攻めかかったが順位を入れ替えることができず、タイヤ消耗が進んでいたこともあって逆に4番手の#37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)から攻め寄られて防戦に入った。

    その後、笹原は坪井との間隔を少しずつ開きながら残りの周回を走りきり、優勝のチェッカーフラッグを受けた。2020年に他選手の代役としてスーパーフォーミュラにデビュー、昨年は牧野の代役を務めて2レースを戦った後、15戦目の初優勝だった。

    その後方、宮田の追撃を抑えきり3位でレースを終えた野尻は、選手権ポイントを93点へ伸ばし、ランキング2番手の#20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)との得点差を29点へ開いて、8月20日~21日、モビリティリゾートもてぎで開催されるシリーズ第7戦・第8戦を迎えることとなった。

    笹原右京(TEAM MUGEN)
    「チームの皆さん、そして応援してくださっている皆さんに『本当にありがとうございます』というひと言、感謝の言葉しかありません。このラウンドまで、なかなか自分自身が結果を届けることができず、プレッシャーも大きかったです。そうした状況でも、とにかく『絶対にあきらめない』『前を追い続け、わずかなチャンスでもモノにするんだ』という思いで、チームとともにやってきました。昨日の予選も思ったようには行かなくて、本当に苦しかったのですが、チームの全員が支えてくれたおかげです。レースでは、自分が入ろうと思っていたときに、タイミングよくSCになりました。頭の中では『もしかしたらチャンスが来るかもしれない』と考えながらも、ミスをしないように集中して最後まで走り続けることができました」

    野尻智紀(TEAM MUGEN)
    「スタートで坪井選手をオーバーテイクできて、そこである程度流れを自分のほうに寄せられたとは思っていたのですが、そのあとにSCが入ったとき『今回は積極的な戦略で行こう』とミニマム(10周終了時点)でのピットインを選びました。その後、自分に流れが向かなかった展開の中でも、しっかりこの順位をキープできたことは非常にいいことだと思うので、また次につなげていきたいと思います。2回目のSCランの際、正直僕も坪井選手も、それぞれ“お互いのこと”しか考えていなかった局面だったと思っています。僕もあのSCランのとき、坪井選手にもう少し(ペースを上げて)前に行ってほしいというプレッシャーをかければ、坪井選手にも気付いてもらえたかもしれないので、自分も甘かったと反省しています。次のもてぎの2連戦が正念場だと思っているので、がんばりたいと思っています」

    笹原右京 スーパーフォーミュラ

  • 元ホンダF1の山本雅史、TEAM GOHの監督に就任 / スーパーフォーミュラ

    元ホンダF1の山本雅史、TEAM GOHの監督に就任 / スーパーフォーミュラ

    チームゴウモータースポーツは、2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権にエントリーする「TEAM GOH(チームゴウ)」のチーム監督に、昨シーズンまでホンダF1のマネージングディレクターを務めていた山本雅史の起用を決定した。

    山本雅史の国際的な経験に基づくリーダーシップ、迅速な意思決定による推進力、そして数々の若手ドライバーを見てきた「眼」こそが、これから始まるTEAM GOHのSFプロジェクトに必要不可欠であり、山本雅史の采配によるチームから、いずれワールドチャンピオンが輩出されることを今から期待せずにはいられない。

    また、53号車はレッドブルレーシングとホンダのジョイントによるドライバー育成プログラムになる。ドライバーには今季よりレッドブルジュニアチームにも登録された佐藤蓮を起用。55号車のドライバーには、2018年鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-Formula)のスカラシップ獲得者である三宅淳詞を起用することになった。両選手ともに速さの潜在能力を持ち合わせているので、ルーキーという枠を超えた活躍を楽しみにしている。

    TEAM GOHが今季エントリーする2台、53号車と55号車の初お披露目は、3月5日(土)・6日(日)に鈴鹿サーキットで開催される「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」となる。

    池田和広(チーム代表)
    「TEAM GOHとしてフォーミュラレースに参戦するのは初めてになります。フォーミュラは全てのレースがイコールで行われる純粋なレースなので、まぐれでは勝てません。ここまで私たちが国際レースで培ってきた経験がどこまで通用するのか。全てを注ぎ込み、ここに一つの結晶を作りたいと思います。また、これまで人が築き上げてきた自動車レースの良さを文化として継承していくこと、新しい技術を形にしていく人材の育成、地球環境に配慮した活動、この3つをチームの理念として活動していきたいと思います」

    山本雅史(チーム監督)
    「まずは監督として迎え入れてくれた代表の池田さんとオーナーの郷さんに感謝申し上げます。今年はRed Bull Junior Teamとホンダの育成ドライバーの佐藤選手とSRS-F卒業生の三宅選手、両ドライバーとチーム、そして私と、オール・ルーキー・イヤーで非常にワクワクしています。モータースポーツファンの皆さまと感動を共有できるよう、勝ち負けにこだわってシーズンを戦い抜きたいと思います。そして、モータースポーツ文化隆盛のために、より多くのファンの皆様に喜んでいただけるよう努めていきます」

    佐藤蓮(53号車ドライバー)
    「まず初めに、今年度歴史あるTEAM GOHのドライバーとしてスーパーフォーミュラ選手権に参戦できることを誇りに思います。 2022年シーズンはルーキーとしての参戦ですが、一戦一戦を大事にして着実に成長していけるよう、チーム全体で協力していきたいと思います。また、TEAM GOHのビジョンである国際レースで活躍できるドライバーになれるよう努力していきますので、応援をよろしくお願いいたします」

    三宅淳詞(55号車ドライバー)
    「スーパーフォーミュラにTEAM GOHから参戦させていただけることになりました。このような素晴らしいチャンスをいただき本当に感謝しかありせん。僕自身、スーパーフォーミュラは1年目となりますが、ドライビングや体力面など準備をして、開幕戦からしっかり走れるように、そして優勝争いに関われるように精一杯頑張ります。応援よろしくお願いします」

  • レッドブル、『Red Bull Race Day』のテレビCMを公開!

    レッドブル、『Red Bull Race Day』のテレビCMを公開!

    レッドブルは、都心型複合モータースポーツイベント「Red Bull Race Day」のテレビCMを12月5日(日)からオンエアする。

    CMでは、TEAM Red Bull MUGENのドライバー笹原右京が、マットネイビー&メタリックレッドに身を包んだ「Honda NSX-GT」に乗り込み、目の前に立ちはだかる24枚の壁を文字通り”体当たり”で突き破る!

    壁にはイベントに出場する、SUPER GT、スーパーフォーミュラ、MotoGPの3台が轟音で疾走する様子が漫画で描かれており、車内から通しで見ると、実はパラパラ漫画になっている、という驚き企画。

    リアルさを追求して、失敗の許されない一発撮りで収録しており、またRed Bull Race Dayのコンセプトである「轟音東京」を体現するため、現場での突き破る音などをそのまま使用!

    新CMの楽曲タイアップは、レッドブル・アーティストのKing Gnu!12月1日発売のNEW SINGLE「BOY」にカップリング収録される新曲「F.O.O.L」をRed Bull Race Day テーマソングとして提供。また、今回CMとしては、「F.O.O.L」の中から2か所のメロディをそれぞれ使用し、異なる2タイプを制作した。

    King Gnuからは、Red Bull Race Dayのテーマソングとして制作した「F.O.O.L」に込めた思いとして「このハードな世の中を自由に、パワフルに生きていこうぜ!という想いを込めて創ったこの曲が皆さまの翼になれるなら我々も更にみなぎることでしょう。”F.O.O.L”を是非とも、皆さまの日々の闘いの御供に」(King Gnu 勢喜遊)とコメントを寄せている。

    テレビCMに関連して、「Behind the Scenes of Red Bull Race Day TVCM Shooting」も12月5日に公開予定!失敗の許されない撮影をどのように完遂したのか、その設営から撤去までの舞台裏に迫るスペシャル映像。さらに、ドライバーの笹原右京のインタビューや、ここでしか見られないドライビングテクニックも限定収録する。

  • スーパーフォーミュラ:トヨタ 2021年 最終戦 鈴鹿 レポート

    スーパーフォーミュラ:トヨタ 2021年 最終戦 鈴鹿 レポート

    2021年のスーパーフォーミュラの最終戦が鈴鹿サーキットで行われ、9番手からスタートを切った平川 亮(carenex TEAM IMPUL)が見事な追い上げを見せて2位表彰台フィニッシュ。チームメイトの関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL)も14番手から10ポジションアップの4位に入り、2人が所属するcarenex TEAM IMPULが今季のチームチャンピオンを獲得した。

    全日本スーパーフォーミュラ選手権の今季最終戦となる第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」が10月30日(土)、31日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。

    前戦もてぎからわずか2週間。スーパーフォーミュラに出場するほとんどのドライバーが前週行われたSUPER GTにも参戦しているため、3週連続レースという忙しいスケジュールで、シリーズ最終戦を迎えることとなった。

    ドライバーズタイトルについては、最終戦を待たずして前大会で決定。トヨタ勢は惜しくもタイトル獲得はならなかった。しかし、チームタイトルではcarenex TEAM IMPULが目下首位につけ、僅差でタイトルを争っており、また、今季デビューのドライバーによるルーキー・オブ・ザ・イヤーについても、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)と宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がタイトル獲得の可能性を残し、今大会に臨むこととなった。

    今大会、同一週末にバーレーンで行われているWEC(世界耐久選手権)に出場するため、中嶋一貴と小林可夢偉は欠場。代役として、KCMGの7号車は小高一斗、Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sの36号車はジュリアーノ・アレジがドライブする。

    今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止対策を十分に講じた上での有観客で開催された。イベント広場にはTOYOTA GAZOO Racingブースが開設され、TS050 HYBRID、SF19レプリカを展示。また、今大会は「モータースポーツジャパン2021 in JAF鈴鹿グランプリ」が併催され、往年の国内トップフォーミュラカーやWRCを戦ってきた伝説の国産車を展示。GRヤリスWRCやトヨタ・セリカなどが展示され、集まったモータースポーツファンの皆様の注目を集めた。

    予選
    30日(土)、晴れ渡った秋空の下、気温21度、路面温度30度という午前中の練習走行時よりも路面温度が上がったコンディションの下、午後1時50分よりノックアウト方式の予選が行われた。

    Q1、Q2はそれぞれ2グループに分けて実施。上位7台がQ2へと進出するQ1のA組では、各車一旦コースへ出ていってすぐにピットイン。残り5分ほどで再度コースへ向かい、アタックに入った。

    このA組は宮田、阪口を含むルーキータイトルを争うドライバーが3人含まれていたことで注目を集めたが、その宮田が速さを見せQ1トップタイムをマーク。今季2度目の出場となるサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が3番手、国本 雄資(KCMG)が5番手、阪口が6番手、関口が7番手で辛うじてQ2へと進出。大嶋 和也(NTT Communications ROOKIE)はタイムが伸びず9番手に終わった。

    Q1B組でもやはり一旦コースインし、戻って来てから残り5分でアタック開始。平川が好タイムをマークし2番手。山下 健太(KONDO RACING)が5番手、アレジが7番手でQ2進出を決めるも、坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)はこのアレジのタイムに0.029秒及ばず8番手で無念のQ1敗退。小高も9番手で予選を終えることとなった。

    Q2は上位4台がQ3へと進出。A組ではここでも宮田が速さを見せトップタイム。フェネストラズが4番手に入り、今季2戦目にしてQ3進出を決めた。一方、国本、阪口、関口の3名が5,6,7番手でQ2敗退となった。

    Q2B組では、やや日が陰って路面温度が下がってきた影響か大幅にタイムがアップ。平川はA組トップの宮田に迫るタイムをマークしたものの、ライバル勢がさらにタイムを縮め、0.077秒差の5番手。山下が6番手、アレジが7番手となり、このB組ではトヨタエンジンの3台全てが敗退となってしまった。

    Q3では、宮田がQ1,Q2での自身のベストタイムは更新したものの6番手。フェネストラズは今季2戦目ということでQ3進出を最優先にタイヤを使ってきたため、このQ3にはタイヤが残っておらず、8番手から決勝レースをスタートすることになった。

    決勝
    31日(日)、午前中に行われたウォームアップ時は雨に見舞われ、ウェットコンディションでの走行となったが、その後雨は止み、曇り空ながらドライコンディションで決勝レースを迎えた。

    全車がスターティンググリッドに並んでスタートを待つ間にパラパラと雨が落ち始めたものの、本格的に路面を濡らすまでには到らず、全車スリックタイヤで、気温21度、路面温度25度というコンディションで午後2時に30周で競われる決勝レースのスタートが切られた。

    9番手グリッドの平川が好ダッシュを決め、6位へとジャンプアップ。トヨタ勢最上位グリッドの6番手からスタートした宮田は9位へと後退、この宮田をかわしたフェネストラズが6位へ、そして11番手スタートの山下も9位へと2つポジションアップを果たした。

    2周目に2位を争う2台が接触し、1台がコースオフ。これで5位に上がった平川は、3周目、バックストレートエンドの超高速コーナー130Rでアウトから豪快にライバルをパスし、4位へとポジションを上げた。

    コースの西側でやや雨脚が強まり、ウェット宣言も出される中、宮田は3周目のスプーンカーブで痛恨のスピンを喫し、最後尾へと後退。また、首位を走行していた車両がスタート違反でドライブスルーペナルティを受け、平川はついに表彰台圏内の3位までポジションを上げた。

    ピットインが可能となる10周目を終えると、山下、アレジ、坪井らがピットへ。ライバル勢がピットで遅れる中、山下がこのグループの先頭でピットアウトし、ポジションを上げた。

    翌周、2位の車両を含めた他の車両がピットへ向かう中、平川はピットを少し遅らせる作戦を採り、この時点でのファステストラップを刻みながら、先に入った見えないライバルとの差を詰めていった。

    14周を終えたところで平川がピットイン。先行していた2台の前でピットアウトすることに成功したが、タイヤが暖まりきる前に1台にかわされ、事実上の2位となり、再逆転のチャンスを伺う形となった。

    ほとんどの車両がピットインを終える中、関口が最後までピットインを遅らせ、ハイペースで周回を続けて、見えないライバルとのタイムバトルを展開。残り3周となったところで関口はピットへ向かい、狙い通り4位でコースへと復帰した。

    タイヤの暖まっていないアウトラップの関口は、5位の車両からの猛追を受けるが、抜群のテクニックでこれを抑え込み、4位のポジションを堅守。一方、2位を行く平川は首位と僅差で追走を続け、1秒以内に迫ったファイナルラップにはオーバーテイクシステムを使っての逆転を狙ったが惜しくも届かず、2位でフィニッシュ。第2戦に続く、今季2度目の2位表彰台を獲得した。

    関口も4位のポジションを守り切ってチェッカー。この2台の健闘により、2点差でcarenex TEAM IMPULがチームチャンピオンを獲得した。

    今季厳しい戦いが続いた山下が6位、チームメイトのフェネストラズが7位で続き、アレジも8位でそれぞれポイント獲得を果たした。

    ルーキータイトルを争っていた阪口は13位、宮田は14位に終わり、タイトル獲得は叶わなかった。

    carenex TEAM IMPUL 20号車 ドライバー 平川亮 :
    今週は比較的どんな状況でも調子が良かったんですが、昨日の予選はエンジンにトラブルが出てしまって思うようなアタックができず、グリッドは沈んでしまいました。(同じ鈴鹿での)第2戦も調子よかったですし、今日のために色々考えてチームとやってきたことを発揮したくて、しっかりスタートを決め、レースペースで勝とうという強い気持ちで臨みました。狙い通りスタートは上手くいき、レースペースも良かったんですが、ちょっと作戦が良くなかったかなと思います。もうちょっと自分で冷静に判断すべきだったと、そこは反省しています。とはいえ、最後は2位で終えられましたし、何よりも今週の課題だったチームチャンピオンを取れたので、すごく嬉しいです。ただ、ドライバーズチャンピオンが取れなかったのは悔しいですし、リベンジしたいと思います。

    carenex TEAM IMPUL チーム監督 星野一義 :
    本当に嬉しい1年でした。ドライバーやスタッフの見事なレース運びでチームチャンピオンという名誉を頂くことができました。チェッカーを受けてから、ファンの皆様が手を振ってくださるのを見て、本当にレースをやってきて良かったなと、感動しました。ファンの皆様、そしてこのプレッシャーの中で努力を続けて結果を出してくれたチーム関係者、ドライバーの2人にも本当に感謝しています。こういう本物のレースの素晴らしさをファンの皆様に見て頂けるよう、来年ももっといいレースをしたいと思います。応援ありがとうございました。

  • スーパーフォーミュラ:ホンダ 2021年 最終戦 鈴鹿 レポート

    スーパーフォーミュラ:ホンダ 2021年 最終戦 鈴鹿 レポート

    10月30日(土)~31日(日)、三重県の鈴鹿サーキットで2021年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ最終戦(第7戦)が、JAF鈴鹿グランプリのタイトルを冠して開催された。

    土曜日は朝から晴天となったが、気温、路面温度ともに冷え込んだ。午前中の公式練習では前回のレースで今季のシリーズチャンピオンを決めた#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)がベストタイムを記録しベンチマークとなり、そのまま走行を終えた。

    #6 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が4番手、#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5番手につけた。

    午後からの公式予選も晴天の下で行われた。ここでもホンダ勢は快調で、公式予選Q1A組では#1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)がノックアウトされる一方、#15 大津弘樹(RedBull MUGEN Team Goh)、#6 牧野がQ2へ進出。Q1B組では#12 タチアナ・カルデロン(ThreeBond DragoCORSE)がノックアウトされたが、#64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、#5 福住、#51 松下信治(B-MAX Racing Team)、#16 野尻がQ2セッションへ進出した。

    Q2AセッションおよびQ2Bセッションに出走した6台のホンダ勢の選手は、それぞれのセッションで上位に並び全車がQ3へ進出。Q3では#51 松下がポールポジションを獲得、2番手以降に#64 大湯、#5 福住、#6 牧野、#16 野尻が並び、ホンダ勢が上位5番手までのポジションを独占することとなった。前回のレースで初優勝を遂げた#15 大津は7番手につけた。

    決勝日は曇天となり、時折り小雨も降って朝のフリー走行はウエットコンデイションで行われたが、決勝レースに向けては天候が回復し、コースはドライコンディションとなった。決勝レースのスタートが切られると、ポールポジションの#51 松下、2番手の#64 大湯はポジションを守ってレースを始めた。後方からは#16 野尻が好スタートで3番手へ進出し、すぐに#64 大湯に攻め寄りましたが2周目のS字で2台はわずかに接触。#64 大湯はオーバーランして大きく遅れてしまった。

    一方、トップを独走し始めた#51 松下にはスタート違反があったとしてペナルティーが下り、5周目にドライブスルーを行ったため順位を下げた。替わってトップに立ったのは#16 野尻だった。その後方にはいったん順位を下げた#5 福住、20号車を挟んで#15 大津、#6 牧野が続いた。

    レースは10周を過ぎ、義務づけられたタイヤ交換のためピットインが始まった。2番手の#5 福住は11周目にピットイン、トップの#16 野尻は12周目にピットインしてレースに復帰した。この間に見かけ上のトップには20号車が立ったが、事実上は#5 福住と、その目の前にコース復帰した#16 野尻がトップ争いを繰り広げることになった。#5 福住は、タイヤ交換を終えたばかりでタイヤが温まっていない#16 野尻に攻め寄り、13周目の逆バンクでオーバーテイクして順位を入れ替えた。

    一方、見かけ上のトップに立っていた20号車は14周目にピットインしてタイヤを交換、素早く作業を終えて#5 福住の直前でレースに復帰した。しかし、すでにタイヤが温まっていた#5 福住は一気に間隔を縮めて、2コーナーで順位を入れ替えて前に出た。この時点ではまだピットイン義務を消化していない19号車がトップを走っていたが、事実上のトップは#5 福住、その後方1秒強の間隔を置いて2番手が20号車、そして3秒強の間隔を置いて3番手が#16 野尻、その背後に#15 大津という展開になった。

    上位はほぼ同じ間隔を保って緊迫したレースを続けたが、最終ラップに向け2番手の20号車がオーバーテイクシステムを使って#5 福住に迫った。しかし、#5 福住は最終ラップのスプーンカーブでそれまで残していたオーバーテイクシステムを発動させて突き放し、そのままトップの座を譲らず今季2回目の優勝を飾った。3位には#16 野尻が入賞し、今季4度目の表彰台登壇。残り3周までタイヤ交換ピットインを引き延ばしてコースに戻った19号車の背後、5位でレースを終えた#15 大津がシリーズポイントを重ねて今季のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

    福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    「この週末に走り出したときは、まさか勝てるとは思いもしませんでした。前回の鈴鹿では悔しい終わり方をしてしまい(タイヤバーストによるリタイア)、その後も落ち込むレースが続きましたが、今年最後の鈴鹿で勝てて本当にうれしいです。練習からスタートがうまくいかず、レースでもスタート直後に順位を落としてしまいましたが、クルマの調子がよかったので抜き返せる自信はありました。だから焦ることなく、すぐに順位を戻すことができました。最後の最後に(20号車に)攻め込まれたときも、鈴鹿はオーバーテイクが難しいコースですし「セクター3まで守り切れば抜かれない」と思って自分のオーバーテイクシステムを残しておき、最後に使って振り切りました。自分にとって大きな価値のある勝利でした」

    野尻智紀(TEAM MUGEN)
    「2周目の接触については大湯選手、TCS NAKAJIMA RACINGの皆さん、ファンの皆さんにおわびします。あの状態では私も絶対に引けませんでしたが、完全にマシンをコントロールすることができず接触してしまったことについては私に非があります。今後、ああいう局面でも接触することなくギリギリで戦う技量を身につけるよう努力します。レースは5番手からのスタートでどうなることかと思いましたが、表彰台に上がれてまずまずの結果で終われました。その一方でピット戦略など課題がいくつか残って、勝てるレースを落としたかもしれないと反省しています。今シーズンも多くのご声援をいただき、多くの皆さんに助けられてシリーズチャンピオンを獲得できました。ありがとうございました」

    大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)
    「今日のレースではスタートがよくて3番手になれましたが、そこからのペースが上がらず、結局5位でレースを終えました。1年の集大成としては納得いかないところもありましたが、こうしてルーキー・オブ・ザ・イヤーというタイトルを獲れて、いいシーズンになったと思います。チームに助けられ、アドバイザーにも力づけられ、チームメートの野尻選手からは多くのことを学びとって成長できました。感謝しています。僕のドライバー人生はこれからです。もっと速くて強いドライバーになろうと思っています。応援をよろしくお願いします」

  • 福住仁嶺が今季2勝目!チームタイトルはcarenex TEAM IMPULが獲得!

    福住仁嶺が今季2勝目!チームタイトルはcarenex TEAM IMPULが獲得!

    2021年 スーパーフォーミュラの最終戦が10月31日(日)には鈴鹿サーキットで行われ、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が今季2勝目を挙げ、4月に富士スピードウェイで開幕した今シーズンは幕を閉じた。

    ウェットコンディションとなった朝のフリー走行から一転、昼前になると鈴鹿には青空が広がった。午後1時15分からスタート進行が開始し、朝、ドライコンディションでのマシンの状態を確認できていないドライバーたちが8分間のウォームアップ走行を行った。

    気温が21℃、路面温度が25℃まで上昇する中、午後2時にフォーメーションラップがスタート。この直前から、鈴鹿には路面を濡らすほどではないもののパラパラと雨が降り始め、レースの波乱を予感させた。そんな中、各ドライバーは1周の隊列走行を終えると正規グリッドにロックオン。最後方でグリーンフラッグが振られると、シグナルオールレッドからブラックアウト。30周先のゴールに向けて、一斉にスタートが切られた。

    ここで動き出しこそ余り良くなかったものの、トップのポジションを守ったのはPPスタートの松下。予選2番手の大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)もポジションをキープする。その後方では、5番グリッドの野尻がスーパースタートを決め、最もアウト側から3番手まで浮上。1〜2コーナーでは大湯に並びかけるほどの勢いを見せる。スタートをミスしたという福住は一つポジションを落として4番手。7番グリッドからスタートした大津と9番グリッドからスタートした平川はアウト側のラインを取って1コーナーにアプーチすると、それぞれ5番手、6番手にポジションアップを果たした。これに対して、スタート直後の1コーナーでポジションを落としてしまったのは、4番グリッドからスタートした牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。牧野は最もイン側からのアプローチとなったが、1コーナーに入るとラインが厳しくなり、大津、平川の先行を許す形となってしまった。

    その後、オープニングラップから、コース上では各所でバトルが勃発。スプーンコーナーではアレジと坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)の争いが見られただけでなく、130Rでは大津がオーバーテイクシステムを作動させ、インから福住の前に出ることに成功した。また、2周目の1コーナーでは野尻がイン側から大湯にオーバーテイクを仕掛ける。しかし、大湯も一歩も引かず。2台はS字まで並走する形になったが、最終的には軽く接触する形となり、アウト側にいた大湯はコースオフ。ポジションを落とすことになった。
    この頃になると、西コースの雨量が増え、ウェット宣言が出される。その後、本降りになることはなかったが、各ドライバーともに滑りやすいコンディションの中での走行となった。その中で、3周目の1

    コーナーでは、福住がアウトから大津を抜き返す。同じ周の130Rでは、平川もアウトから大津をオーバーテイク。大津は5番手まで後退した。その後方では宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がスプーンでコースオフ。最後方までドロップする場面も見られた。

    そして、4周目に入ると、トップの松下にドライブスルーペナルティーが科される。理由はジャンプスタート。松下は正規グリッドに着いた後、レッドシグナルが点灯中にわずかながらタイヤが動いてしまっていた。5周を終えたところで、松下はペナルティー消化のためにピットロードに滑り込んだが、コースに戻った時には、最下位までドロップしてしまった。
    代わってトップに立ったのは野尻、これに福住、平川、大津、牧野、フェネストラズ、大湯、山下が続く。この中で、次第に緊迫し始めたのはトップ争い。6周を終えた時点で1秒367あったタイムギャップを福住がジワジワと削り、9周を終えたところでは0秒622。その周、福住は西コースでオーバーテイクシステムを作動させ、シケインでは野尻の真後ろまで迫った。

    その翌周からはピットが動く。10周を終えたところで、まずピットに飛び込んだのは、牧野、山下、大湯、アレジ、坪井、松下。この中で、牧野のクルーは左リヤタイヤの交換に手間取り、15秒4という作業時間を要してしまう。その間に、山下が牧野の前に出る。また大湯もここでアレジの逆転を許す形となった。

    その翌周には、トップ争いを演じていた福住がピットイン。大津、フェネストラズ、阪口、宮田、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、小高一斗(KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond DragoCORSE)もピットに入った。

    そして、その翌周、12周を終えたところでトップの野尻がピットイン。しかしこの直前、野尻に対してはレース結果に5秒加算というペナルティーが科せられることに。大湯との接触が危険なドライブ行為と判定されたためだ。タイヤ交換を終えた野尻は福住の前でコースに戻ることに成功。しかし、アウトラップでオーバーテイクシステムを使いながらタイムを稼いできた福住は、逆バンクで野尻を捉える。一方、野尻と福住がピットに入ったことで前が開けた平川は、13周目に1分41秒037という、その時点でのファステストラッブをマーク。その翌周、14周を終えたところでピットに滑り込んだ。クルーは7秒1という素早い作業を見せ、平川は福住の目の前でコースに復帰。しかし、アウトラップの2コーナーでは、福住が難なく平川をかわして行った。その平川の背後には野尻も迫る。しかし、お互いにオーバーテイクシステムを使いながらの攻防。ここは平川がポジションを守り切った。

    この時、見た目上のトップを走っていたのは関口。関口は前が開けたこともあり、1分41秒台後半から42秒台のタイムを刻んでいく。その他、国本雄資(KCMG)や大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)も、他のドライバーとはピットタイミングをずらしたが、大嶋は15周を終えたところで、国本は19周を終えたところでピットイン。関口だけがピットに入らず走行を続けた。20周を終えたところで、関口と実質4番手を走っていた大津のタイム差は33秒195。大津がペースアップに苦しむ中、関口はその差をさらに広げ、25周を終えたところでは36秒776、26周を終えたところでは37秒329までギャップを稼いだ。
    そして、関口は27周を終えたところでピットイン。クルーは平川の時よりさらに早い6秒7という作業を見せ、関口は大津の前でコースに戻ることに成功する。大津はちょうどオーバーテイクシステムが使えないタイミング。その周のヘアピン立ち上がりからようやくオーバーテイクシステムを稼働させ、シケインでは関口にアウトから並びかけようとする。しかし、関口はイン側のラインをガッチリ抑え、大津に逆転のチャンスを与えなかった。

    最終盤に入った29周目には、トップ争いも緊迫。シケインから平川がオーバーテイクシステムを作動させて福住に迫る。一方の福住は、ここではオーバーテイクシステムを温存。しかし、最終ラップのスプーン入り口からは、残っていたオーバーテイクシステムをフル稼働させて、平川を突き放した。

    結果、30周のレースを終えてトップチェッカーを受けたのは、福住。第2戦、同じ鈴鹿でポールからトップを守ったものの、タイヤバーストでリタイヤに終わった福住にとっては、リベンジの鈴鹿初優勝。今季菅生に続く2勝目となり、ドライバーズランキングも2位で1年を締めくくった。続く2位には平川。3位には野尻が入賞。関口は4位に入ったことで、ドライバーズランキング3位となっている。以下、大津、山下、フェネストラズ、アレジ、山本、牧野までが入賞。牧野は19周目のシケインでアレジとのバトルを展開したが、2台は軽く接触。これを危険なドライブ行為と判定されたため、牧野には5秒加算のペナルティーが科されていた。そのため、チェッカーを先に受けたのは牧野だったが、山本が繰り上がる形となっている。

    今回、平川が2位、関口が4位と揃って上位フィニッシュを果たしたため、チームタイトルはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGに2ポイント差をつけたcarenex TEAM IMPULが獲得。5位入賞を果たした大津がルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

    スタートからゴールまで見所の多かった1戦。スタンドから見守った1万人余りの観客からは、ドライバーやチームに大きな拍手が送られた。来年は一体どんな名場面が見られるのか。大きな期待感とともに、今年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は幕を閉じることとなった。

    決勝1位:No. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    「昨日の走り出しの状況から言うと、優勝できるのかなという感じでした。ここまでのレース、(第1戦)富士3位、そのあとの(第2戦)鈴鹿のレースで惜しくもリタイヤということで、非常に悔しかったです。そういう気持ちもあって(第4戦)SUGOで自身初優勝することができましたが、そのあとのもてぎ(第5、第6戦)ではポイントが獲得できないレースが続いて落ち込むみましたが、やっとまた鈴鹿でしっかりとリベンジを果たすことができてほんとうれしいですね。鈴鹿でのスーパーフォーミュラというと、2位、3位はあったのですが、優勝が今までありませんでした。自分にとっても価値のある優勝だったので本当にうれしいです。(スタートする前に雨が落ち始めたが)この雨がどれくらい増えていくかわからない状況で、スタート練習があまりできておらず、実際のレースでもうまくいかなくて(レース展開に)響いてしまいました。レース中は、西コースのスプーンカーブで降っていたので、そこで前の選手の動きを参考にしながらスピードを合わせていきました。ただ僕自身はあの雨のおかげで順位を上げることができたので、あまり焦ることなくレースを進めることができました。一方、スタートで出遅れた瞬間は焦ってしまい、オーバーテイクシステム(OTS)を押してしまったことで、オープニングラップの130Rでは大津(弘樹)選手にOTSを使われて抜かれました。でも(スタート前の)8分間走行でクルマの調子が非常に良さそうだと感じていたので、そのへんは順位を落としたことに『やってしまったな』とは思いましたが、まったく焦ることなくレースに集中していました。(ピットインのタイミングは)特に天候の影響もなく、このままうしろにいたらなかなか抜けないのは僕自身もわかっていたので、一度OTSを使って抜こうと思ったのですが、(前にいた)野尻(智紀)選手はディフェンスも上手なので、『ピット(作業)で前に出るしかない』と。タイヤの方も気温が下がってきたときにピットに入り、アウトラップで遅いとちょっと怖いなと思ったので、チームの判断とも合わせて最初にピットに入りました。それがうまくいったと思います。(背後の平川が)残り3周くらいになると、一気にOTSを使って仕掛けてくるタイミングがあるだろうことはわかっていました。僕自身は、”いっぱいいっぱい”というよりもちょっとマージンを持って走っていたので『全然(うしろを)押さえられるな』という自信もあったしクルマの状況も非常に良かったので、あの距離から(平川が)OTSを使ってきたときは、僕自身はまったく焦ってはいませんでした。確実に勝ちに行こうと考えたときに、最後までしっかり自分のOTSを持っておいて、後半に……まぁ最終ラップに使ったという流れでした。(来シーズンのタイトル獲得を目指す上で必要なのは)ドライバーとしての強さ、自分自身をどう信じ切れるかというところだと思います。チャンピオンシップを争っている中で、不甲斐ないレースを2戦連続もてぎでしてしまったのも、自分の実力だと思います。(モータースポーツでは)運もドライバーが引き寄せなければいけないと言われるので、自分自身がもっともっと運を引き寄せるドライバーになって、チームを引っ張っていかないといけないという立場になることが、今の僕がチャンピオンになるための必要なものなのかと思います」

    決勝2位:No.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)
    「今週は、比較的どういう状況でも調子が良くて。昨日の予選は少しエンジンの方でトラブルが出てしまい、思うようなアタックができずグリッドが沈んでしまいました。今日、レースに向けていろいろ考えてチームでやってきたことを発揮したくて……第2戦(鈴鹿)もすごく調子が良かったので、しっかりとスタートを決めてレースペースで勝とう、という強い気持ちで臨みました。
    (ピットインのタイミングは)結果論だと引っ張ればよかったかなと思います。序盤はタイヤをセーブして後ろについていたので、そこがもったいなかったなと思います。チーム側も『今、ピットに入れば前に出られる』と(ピットへ戻るよう無線で)コールしたんですが、もっと自分で冷静になって(タイミングを)引っ張れば確実に(福住の)前に出られたかなと思っていて……。実際、前に出られたのですが、1コーナー、2コーナーで前に出ても、今の路面温度だと(背後のクルマを)押さえることができないので。そこはもうちょっと自分で冷静に判断しないといけないなということをすごく反省しています。
    スタートはうまく行って、レースペースも良かったものの、ちょっと作戦があまり良くなかったかなぁと個人的には思うんですが、最後を2位で終えたことはうれしいですし、何よりもチームチャンピオンを獲れたことがうれしいです。一方でドライバーチャンピオンは今年獲れませんでしたが、また来年リベンジしたいと思います」

    決勝3位:No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)
    「まず接触してしまった大湯(都史樹)選手とNAKAJIMA RACINGの皆さん、大湯選手を応援されているファンの皆さん、ホンダファンの皆さん、レースを応援してくださる皆さん、すべての方にまず申し訳なかったと思っています。すみませんでした。少しペナルティも出て、私としては課題の残るレースになってしまいましたが、あの状況で私自身は絶対に引くことができませんでしたし、意地と意地がぶつかってしまい、あっけない幕切れにしてしまったのは、すべて僕に非があると思います。本来ならば接触することなくいかなきゃいけないと思いますし、もっともっとギリギリのところを狙ってサイド・バイ・サイドでバトルができるように自分の技量も上げないといけないと思います。ただその中で、『絶対引かない!』という気持ちはレースの中で見せられたことは良かったですし、5番手からどういうレースになるかと思っていましたが、一時はトップも走れたのでいいところはあったレースだったと思います。ただ、ピットのタイミング含め、少しうまくいかなかった部分があったり、アウトラップから計測1周、2周目のペースが上げ切れなかったので、福住(仁嶺)選手と平川(亮)選手に先行を許す形となってしまいました。そのあたりは、本来勝てたかもしれないレースを結果につなげられなかったので、反省点のひとつだと思います。でもなんとしても気持ちだけは負けたくなかったし、そういう部分をレースの中でもある程度見せることができたと思います。(ピットインのタイミングは)だいたい入れるのが10周目から13周目くらいで考えていました。その中で福住選手がピットインしたタイミングは、僕と福住選手の間が微妙に開いた周だったと思います。僕がその瞬間に(ピットに)入ると無線で言えたら、もしかするとまた違った展開が生まれたのかもしれませんが、ドライバーでしかわかり得ない細かな状況というものを少し無駄にしてしまい……わかっていながらもチームにフィードバックできなかったので、そのあたりは私の反省点なのかなと思います。今日、負けてしまった大きな分岐点になったのかなと思います。来年以降も、いつ負けてもおかしくないこのシリーズでしっかりと自分自身を磨きつつ、チームのみんなとともに力をさらに上げていきたいと思います。今シーズンもたくさん皆さんからのご声援をいただき、本当に助けられました。ありがとうございました」

    DOCOMO TEAM DANDELION RACING
    村岡 潔チームプリンシパル
    「なによりも、最後(の戦い)を福住(仁嶺)君がまとめてくれてうれしかったというひと言に尽きます。それとチームタイトルがなかなか獲れない……さすが星野(一義/carenex TEAM IMPUL)さん! いつまでも勉強されられますね。もう譲って欲しいな(苦笑)。来年は必ず乗り越えたいと思います。(福住が2勝目をあげたが)2勝というか、本来なら前の(第2戦)鈴鹿でも勝たせてあげたかったのですが、(第4戦)SUGOで勝って、(今回の)鈴鹿で勝つ……やはり鈴鹿で勝たせてあげるということが一番だし、今回は自分の力で勝ち取ったというレースだったので、観ていてこちらの方も気持ち良かったですね。(福住のチームメイトである牧野任祐が未勝利に終わったが)あとはタイミングの問題だけだと思います。今回もチームが(ピット作業で)ミスをしてしまったので、彼には申し訳なかったと思います。とはいえ、彼の前戦(第6戦もてぎで3位)のおかげでチームタイトルの競争もできましたので、いつ勝っても……と思います。その運を呼ぶ力をつけてもらうのはドライバーの仕事だと思うし、チームはミスなくいいクルマを作って送り出すだけというシンプルさなので、彼が運を呼び込むような力強い走りをすればいいんだと思います。今日の福住君は自分でどんどん道を広げていくような走りをしましたから、そういう意味でいい刺激を受けたと思います。ただ、(牧野は)出だしのテストもなく、何戦か”お休み”もあった中でもちゃんと表彰台にも上がってくれましたので、彼は充分に力を発揮したと思います。来年はきちっと福住君と非常に”アブナイ”(接近戦)レースをやってくれると思います。福住君はチームに山本尚貴選手といういいドライバーがいたとき(2019、20年)に、まず6号車に乗っていろいろ勉強しました。付きっきりで……というくらい一緒にレースをしていました。山本選手がチームを出た今年、5号車に乗ってからは彼に自立してもらい、『アドバイス的なことは一切しないよ』 と。その分、今度は6号車の牧野君に(サポートを)付けました。それはチームとしてずっとやってきていることです。面倒をみるときと突き放すとき、メリハリをつけてやっているのが、ここしばらくはいい結果につながっているのかなと思います。若いドライバーには無限の可能性があるし、うちのチームはそういうステップ(に位置するチーム)なので、うちを通過してふたりともチャンピオンを獲るドライバーになってくれればいいですね。その代わりにこのふたりを追い越す若いドライバーが、うちで走ってくれればいいと思います。それがスーパーフォーミュラを盛り上げてくれることになると思うので。福住君は自分で勝つための方法を切り開こうと、今年一年もがきながらこの最終戦を勝ち取ったので、来年が楽しみです」

  • スーパーフォーミュラ:福住仁嶺が今季2勝目!各タイトルが確定

    スーパーフォーミュラ:福住仁嶺が今季2勝目!各タイトルが確定

    2021年のスーパーフォーミュラの最終戦が10月31日(日)に鈴鹿サーキットで開催され、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が今季2勝目を挙げてシーズンは終了。各タイトルが確定した。

    2021年のスーパーフォーミュラのチャンピオンは野尻智紀(TEAM MUGEN)が獲得。チームチャンピオンはcarenex TEAM IMPUL、ルーキー・オブ・ザ・イヤーは大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)が獲得した。

    2021年 スーパーフォーミュラ 最終戦 鈴鹿 決勝結果
    1.福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    2.平川亮(carenex TEAM IMPUL)
    3.野尻智紀(TEAM MUGEN)
    4.関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
    5.大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)
    6.山下健太(KONDO RACING)
    7.サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
    8.ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
    9.山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
    10.牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
    11.大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
    12.松下信治(B-Max Racing Team)
    13.阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
    14.宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
    15.国本雄資(KCMG)
    16.坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
    17.大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)
    18.小高一斗(KCMG)
    19.タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)

  • スーパーフォーミュラ:松下信治が自信初ポールポジション獲得

    スーパーフォーミュラ:松下信治が自信初ポールポジション獲得

    2021年 スーパーフォーミュラの最終戦の予選が10月30日(土)に鈴鹿サーキットで行われ、松下信治(B-Max Racing Team)が自信初ポールポジションを獲得した。

    気温が21℃、路面温度が30℃のドライコンディションで次のセグメントに進む上位8位を決めるQ1セッションがスタート。

    Aグループでは山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、Bグループでは坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、小高一斗(KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)がQ1ノックアウトとなる。

    上位4名が次のセグメントに進むQ2。Aグループでは国本雄資(KCMG)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、Bグループでは、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、山下健太(KONDO RACING)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)がノックアウト。

    10分間のインターバルを経て、ポールポジションを決定するQ3がスタート。松下信治(B-Max Racing Team)が1分36秒717をマークして嬉しい自身初ポールポジションを獲得。2番手に大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、3番手に福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続いた。

    すでに野尻智紀(TEAM MUGEN)がチャンピオンを獲得している20221年のスーパーフォーミュラ。最終戦ではチームタイトルやルーキー・オブ・ザ・イヤーが決定する。

    No.51 松下信治(B-MAX RACING TEAM)
    「フリー走行から少し調子が悪く、チームとしてはちょっと雲行きが怪しかったのですが、本山(哲監督)さん、田坂(泰啓エンジニア)さん、宮田(雅史エンジニア)さん、組田(龍司チーム代表)さんと……(一緒に取り組んだ。)僕らのチームは1台(参戦)で、(他チームのように)2台で比較することができないので、その部分でちょっと不利なのですが、(チームのみんなと)本当に見事なステップを踏めたと思います。チームに感謝です!朝のフリー走行での不調ですが、前回のもてぎのQ1ではドライで調子が良かったので、それを進化させて持って来たのですがまったく良くなくて。いろんなことを試したのですが、それが当たらず……。フリー走行が終わったあとに『これしかない!』というようなことをやって、それが幸いにもハマった、うまくいったという感じです。予選では、アウトラップに出た瞬間に『あれっ!? なんか(クルマが)パリっとしたな』という感じになって。フリー走行のときと違った感覚がありました。Q1を走ってみたら、やっぱり調子が良かったです。(他車より先にアタックを終えていたが)ダンロップコーナーあたりかな? (無線で)本山さんが(ポールポジションを獲得したと)言ってくれて、もう……叫んでいましたね。僕のことをレースで強い、と言ってくれる人は多いのですが、やっぱりフォーミュラは予選が大事だし、特に鈴鹿でポールポジションを獲るのは……。日本で一番難しいサーキットでもありクルマ作りでも難しいサーキットなので、そこで1台体制のB-MAXとして僕と一緒にやってポールポジション(を獲った)ということは、自分で言うのもアレですがすごい快挙だと思います。これからの自信にも繋がるし、そういうものも含めて叫びました。昨年の富士戦のQ2でP1(トップ)を獲ったんですが、基本的に本山さんは褒めてくれることがないんです。『もうちょっと(タイムが)上がると思う』とか『もうちょっと行けただろう』とか。僕としてはありがたいことなんですが、ただ、今日はQ3終わったあと__ポールポジションが決まった瞬間に褒めてもらいました。初めて本山さんが僕を認めてくれた瞬間だったなと思うとうれしかったですね。ただ、何を言われたかは覚えていません。まぁポイントはやっぱり明日なので、QFでのポールポジションはうれしいですがそれは忘れて、明日はしっかりスタートを決めていいレースをしたいと思います。1位でスタートして1位で1コーナー、2コーナーを通過して、ラップ1を通過して……。あとはレースペースだと思います。鈴鹿は抜きやすくないし、普通にレースをすれば抜かれることはないと思いますが、油断せずにしっかりとやれることをやって強気で行こうと思います」

    Po. No. Driver Team / Engine Q3
    1 51 松下 信治
    Nobuharu Matsushita
    B-Max Racing Team
    HONDA/M-TEC HR-417E
    1’36.717
    2 64 大湯 都史樹
    Toshiki Oyu
    TCS NAKAJIMA RACING
    HONDA/M-TEC HR-417E
    1’36.901
    3 5 福住 仁嶺
    Nirei Fukuzumi
    DOCOMO TEAM DANDELION RACING
    HONDA/M-TEC HR-417E
    1’36.933
    4 6 牧野 任祐
    Tadasuke Makino
    DOCOMO TEAM DANDELION RACING
    HONDA/M-TEC HR-417E
    1’37.091
    5 16 野尻 智紀
    Tomoki Nojiri
    TEAM MUGEN
    HONDA/M-TEC HR-417E
    1’37.094
    6 37 宮田 莉朋
    Ritomo Miyata
    Kuo VANTELIN TEAM TOM’S
    TOYOTA/TRD 01F
    1’37.177
    7 15 大津 弘樹
    Hiroki Otsu
    Red Bull MUGEN Team Goh
    HONDA/M-TEC HR-417E
    1’37.631
    8 4 サッシャ・フェネストラズ
    Sacha Fenestraz
    KONDO RACING
    TOYOTA/TRD 01F
    1’38.279
    9 20 平川 亮
    Ryo Hirakawa
    carenex TEAM IMPUL
    TOYOTA/TRD 01F
    10 18 国本 雄資
    Yuji Kunimoto
    KCMG
    TOYOTA/TRD 01F
    11 3 山下 健太
    Kenta Yamashita
    KONDO RACING
    TOYOTA/TRD 01F
    12 39 阪口 晴南
    Sena Sakaguchi
    P.MU/CERUMO・INGING
    TOYOTA/TRD 01F
    13 36 ジュリアーノ・アレジ
    Giuliano Alesi
    Kuo VANTELIN TEAM TOM’S
    TOYOTA/TRD 01F
    14 19 関口 雄飛
    Yuhi Sekiguchi
    carenex TEAM IMPUL
    TOYOTA/TRD 01F
    15 38 坪井 翔
    Sho Tsuboi
    P.MU/CERUMO・INGING
    TOYOTA/TRD 01F
    16 1 山本 尚貴
    Naoki Yamamoto
    TCS NAKAJIMA RACING
    HONDA/M-TEC HR-417E
    17 7 小高 一斗
    Kazuto Kotaka
    KCMG
    TOYOTA/TRD 01F
    18 14 大嶋 和也
    Kazuya Oshima
    NTT Communications ROOKIE
    TOYOTA/TRD 01F
    19 12 タチアナ・カルデロン
    Tatiana Calderon
    ThreeBond DragoCORSE
    HONDA/M-TEC HR-417E
  • スーパーフォーミュラの新たな存在価値:トヨタとホンダの技術の実験場

    スーパーフォーミュラの新たな存在価値:トヨタとホンダの技術の実験場

    スーパーフォーミュラが発表した『SUPER FORMULA NEXT 50』。日本のモータースポーツの“振興”や話題作りに重点が置かれた記者会見だったが、興味深かったのはトヨタとホンダが将来のモビリティの実験場として活用していくという部分だ。

    環境が大きなテーマとなっている世の中でモータースポーツの立ち位置は微妙だ。さらにスーパーフォーミュラは企業のプロモーションには活用されておらず、知名度や人気は、その意義を正当化するのが難しいレベルにある。

    正直、今回発表された、デジタルシフトやレース以外のエンターテインメントといった“手法”で人気を拡大する覚悟をもって取り組んでい行かなければならない課題だ。だが、デジタルでの情報発信はもはや当たり前だ。「映像、音楽、データ、通信、AI、ゲーム、アニメーション等の様々な切り口からエンターテインメントの技術開発にチャレンジし、日本から世界に発信する新しいモータースポーツカルチャーの創造を目指します」としているが、F1でさえ認知が下がっている昨今、本気でファンや人気を拡大したいのであれば、まずは日本でコストを度外視してでも地上波でレースを放送するなどしない限り難しいかもしれない。

    だが、より興味深いのはスーパーフォーミュラを「モビリティとエンターテインメントの技術開発の実験場」の“モビリティ”の部分だ。

    ホンダがF1撤退の理由にした“カーボンニュートラル”という言葉は多角的すぎて輪郭がぼやけてしまうが、代替燃料の技術開発の実験場とする発表は非常に興味深い。

    自動車業界ではカーボンニュートラル=電気自動車のような捉え方をされているが、日本全国、特に自動車が生活の足にんっている地方でインフラを整えるのは気が遠くなるほどの物事だ。また、日本最大のトヨタが電気自動車ではなく、水素エンジンを推していることもあり、ヨーロッパ諸国のように電気自動車に一元的にシフトすることはないだろう。

    スーパーフォーミュラは「開発段階の技術を搭載したテストカーを走行させるなどの実証実験を繰り返すことで、現地現物での技術進化を目指します。同時にそのプロセスを逐次世の中にお見せすることで、今後の社会に必要とされるモータースポーツの在り方を探ってまいります」としている。

    具体的にはスーパーフォーミュラに参戦しているホンダとトヨタがタッグを組み、パワートレーン、シャシー、タイヤ、素材、燃料等のあらゆる面で、市販車両も含めた実験場にして、将来にむけた技術開発につなげていくという。

    また、e燃料やバイオ燃料といったサスティナブルな燃料、またシャシーに「バイオコンポジット」と呼ばれる植物由来の天然素材の導入に向けて2022年からテストを開始するという。

    バイオ燃料やe燃料は、モータースポーツの最高峰であるF1でも今後導入されていく燃料だ。2022年にF1は90%の化石燃料と10%のエタノールの組み合わせであるE10燃料に移行する。これにより、現在の95%と比較して、化石燃料の使用量が5%減少することになる。

    そして、F1は、2026年に導入が予定されている次世代エンジン用にまったく新しい再生可能燃料への切り替えに焦点を当ている。そして、それは「エンジン自体を変更することなく」標準の内燃エンジンで使用できる“ドロップイン燃料”となる。

    市販車市場とは異なり、F1はこの段階で電気を使用してF1カーのパフォーマンスのレベルに合わせることができない。フォーミュラEが2038年までFIA(国際自動車連盟)と電気エンジンの25年間の独占契約を結んでいるからだ。したがって、F1は電動化から合成燃料に傾いている。

    また、F1のマネージングディレクターであるロスブラウンは、水素を動力源とするマシンが2030年以降のF1の未来になる可能性があると述べている。前述のとおり、水素はトヨタが推し進めている技術だ。

    電動化が進む自動車業界とは反するかもしれないが、スーパーフォーミュラが、e燃料や水素の実験場とし、トヨタとホンダだけでなく、世界的な自動車メーカーが技術を競うようなカテゴリーになれば、レース以外のエンターテインメント化に注力するよりも、よっぽど注目を集め、価値のあるカテゴリーになるはずだ。

    関連:F1、次世代エンジン用に100%持続可能なドロップイン燃料を開発

  • スーパーフォーミュラ、環境技術や情報発信強化で価値向上を目指す

    スーパーフォーミュラ、環境技術や情報発信強化で価値向上を目指す

    スーパーフォーミュラは、2022年以降のサステナブルなモータースポーツ業界づくりを目的としたプロジェクト『SUPER FORMULA NEXT 50』を発表。このプロジェクトを通じて「これからの社会において必要とされるモータースポーツを目指し、様々な取り組みを進めてまいります」とした。

    1973年に始まった日本のトップフォーミュラの歴史は来年で50年という節目を迎える。そこでスーパーフォーミュラは「次の50年」に向けたプロジェクト『SUPER FORMULA NEXT 50』を発表した。

    『SUPER FORMULA NEXT 50』概要
    SDGsやカーボンニュートラル等の社会環境の変化、また新型コロナウイルスの影響によって、自動車業界やモータースポーツ業界を取り巻く環境は今、これまでにない大きな転換点を迎えております。

    JPR(日本レースプロモーション)は2022年に国内トップフォーミュラ50年(1973年の全日本 F2000選手権開幕から)という節目を迎えるにあたり、『SF NEXT 50』プロジェクトを通じて、現状の社会環境に真摯に向き合い、50年間培ってきた「速さへの憧れ」、「競うことの楽しさ」、「勝つことの喜び」といったトップフォーミュラが持つ魅力を更に発展させると同時に、これからの社会において必要とされるモータースポーツを目指し、様々な取り組みを進めてまいります。

    1.ドライバーズファースト ー『SF NEXT 50』のビジョン ー
    これまでSUPER FORMULAをはじめとする国内トップフォーミュラは、グローバルで活躍する日本人のトップドライバーを数多く輩出、また海外のレーシングドライバーのチャレンジの場として機能してまいりました。今後さらにその価値を向上し、日本はもとより、世界中のレーシングドライバーが参戦したくなる、また世界中の子どもたちに憧れられる「アジアを代表するSUPER FORMULA」となることを目指してまいります。

    そのためにも、SUPER FORMULAという世界最高レベルのレースが、世界中のモータースポーツファンの共感・応援が得られるよう、2022年から段階的に、情報発信の在り方やサーキットの楽しみ方等を、進化させてまいります。

    また、2022年から一部大会の「土日2レース制」を導入するなど、参戦するドライバーの活躍の場、ファンの皆様の応援の場を広げる取り組みも順次進めてまいります。

    2.『SF NEXT 50』パートナーシップ ― モビリティとエンターテインメントの実験場 ―
    これまでモータースポーツはクルマの進化と共に歩み、特にフォーミュラカーはその速さを追求することで、エンジンやタイヤ等の技術開発に貢献してまいりました。しかし近年の脱炭素社会に向けた世界規模での環境変化は、そのスピードも含めて、これまでのクルマの進化とは全く異なる新しい技術開発を必要としています。

    またデジタルコンテンツの競合がひしめく現代社会において、SUPER FORMULAは、エンターテインメントとしてその価値を飛躍的に向上し、広く世界にアピールしていく必要があると認識しております。

    これらを背景に、JRPは2022年以降のSUPER FORMULAの舞台を「モビリティとエンターテインメントの技術開発の実験場」と位置づけ、『SF NEXT 50』を通じて開発段階の技術を搭載したテストカーを走行させるなどの実証実験を繰り返すことで、現地現物での技術進化を目指します。同時にそのプロセスを逐次世の中にお見せすることで、今後の社会に必要とされるモータースポーツの在り方を探ってまいります。

    モビリティの軸では、Honda・TOYOTA両自動車メーカーと共に、パワートレーン、シャシー、タイヤ、素材、燃料等のあらゆる面で、市販車両も含めたカーボンニュートラルの実験場にすることで、将来にむけた技術開発につなげてまいります。特に「e-Fuel」や「バイオFuel」といったカーボンニュートラルフューエル、またシャシーには「バイオコンポジット」と呼ばれる植物由来の天然素材の導入に向け、2022年からテストを開始いたします。その他のアイテムについても順次開発・テストを重ね、次世代のフォーミュラカーの導入を目指します。

    一方、エンターテインメントの軸では、「デジタルシフト」をテーマにSUPER FORMULAの楽しみ方をアップデートしてまいります。映像、音楽、データ、通信、AI、ゲーム、アニメーション等の様々な切り口からエンターテインメントの技術開発にチャレンジし、日本から世界に発信する新しいモータースポーツカルチャーの創造を目指します。

    JRPはそれら実現に向けた『SF NEXT 50パートナーシップ』を発足いたします。これまでもSUPER FORMULAを支えていただいたHonda・TOYOTA両自動車メーカーを中心に、主旨に賛同、参画いただける企業に『SF NEXT 50パートナー』となっていただき、サステナブルなモータースポーツ業界に向けた様々なチャレンジを進めてまいります。

    そして今回、『SF NEXT 50』のストラテジーパートナーとして、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に参画いただくこととなりました。同社の持つ様々な事業フィールドでのノウハウを活かし、本パートナーシップの牽引役として、共にプロジェクトを推進してまいります。

    3.デジタルシフト ― ファンの方々に新しいモータースポーツ体験を ―
    上述の通り、SUPER FORMULAのエンターテインメントの価値を高めるために、2022年からデジタルシフトを進め、ファンの方々とのコミュニケーションをアップデートしてまいります。具体的には、スマートフォンに最適化したSUPER FORMULAの新たなデジタルプラットフォームを立ち上げ、ファンの方々が見たいコンテンツを、いつでもどこでも見られる環境を整えます。

    そのデジタルプラットフォームでは、レースのLIVE中継を楽しむだけでなく、全てのドライバーのオンボード映像や、様々な車両データ(車速や位置情報、オーバーテイクシステムの残量等)、ドライバー無線の音声等を見聞きすることができるようになり、それによって、応援しているドライバーを自由に選択したり、車両の状況を見比べながら分析できたりするなど、ファンの方々のニーズに応じた観戦体験ができるようになります。

    またレース当日以外にも様々な映像コンテンツを視聴したり、応援しているドライバーやチームとの交流の場としても活用したりできるようにするなど、ファンの方々の声を聞きながら、段階的に機能を拡充してまいります。
    ※デジタルプラットフォームの詳細は2022年1月頃発表を予定

    JRPは、『SF NEXT 50』の活動を通じ、サステナブルなモータースポーツ業界づくりに貢献すると共に、世界中のモータースポーツファンの方々と共に、自信を持ってその魅力を発信できるよう努めてまいりますので、今後のSUPER FORMULAにぜひともご期待ください。

    中嶋 悟(株式会社日本レースプロモーション 取締役会長)
    日本のトップフォーミュラが誕生した1973年に、私自身もレーシングドライバーとしてデビューいたしました。これまでの50年間、色々な時代の変化がありましたが、我々レーシングドライバーがここまでレース活動を続けてこられたのは、自動車業界、モータースポーツ業界の皆様のご支援、そしてファンの皆様のご声援があったからに他なりません。この場を借りて改めて感謝申しあげます。今回の『SUPER FORMULA NEXT 50』は、私たちが愛するモータースポーツを、未来の子どもたちの憧れとして残していくためのチャレンジです。そのために従来のやり方や考え方に捉われず、積極的に新しい声やアイデアに耳を傾けて、様々な分野で改革していきたいと思います。Honda、TOYOTAはじめ、業界の垣根を越えて、このチャレンジに賛同いただける皆様、応援いただけるファンの皆様と、これからの新しいSUPER FORMULAをつくってまいりますので、ぜひともご期待ください。

    渡辺 康治(本田技研工業株式会社 執行職 ブランド・コミュニケーション本部長)
    F1世界選手権で活躍しているピエール・ガスリー選手、北米のインディカー・シリーズで今年総合優勝を果たしたアレックス・パロウ選手、更にはル・マン24時間レースで優勝経験がある小林可夢偉選手や中嶋一貴選手など、数々のレーシングドライバーが、これまでSUPER FORMULAシリーズで好成績を収め、世界の頂点レースで躍進しています。このように日本のトップフォーミュラレースから世界へ羽ばたいていく選手たちを、更に多くの方々に応援して頂くべくスタートする『SUPER FORMULA NEXT 50』プロジェクトの仲間に入れることを、大変嬉しく思います。Hondaは今後も、世界のトップカテゴリーで活躍できるレーシングドライバーの育成を継続し、レース参戦を通して、レーシングドライバーのみならず、エンジニアやメカニックを含めた優れたモータースポーツ人材を輩出し、日本のモータースポーツ振興に尽力して参ります。今後とも皆様のサポートをよろしくお願いします。

    佐藤 恒治(トヨタ自動車株式会社 執行役員 GAZOO Racing Company President)
    モータースポーツを応援してくださるファンの皆様、並びにご支援くださる関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。SUPER FORMULA は、「モータースポーツアスリート」が主役のドライバーズレース であり、世界に繋がる貴重な舞台です。また、モータースポーツは「速くて強いクルマ」に向けて、次のレースまでの短いリードタイムで課題解決や性能向上を続け、技術を鍛えることができる貴重な実験場でもあります。JRP、Hondaをはじめ様々なパートナーの皆様と共に、今回のチャレンジをスタートできることを大変嬉しく思います。この『SUPER FORMULA NEXT 50』の活動を通じ、より多くのファンの皆様の笑顔と、世界へ羽ばたくアスリート支援のために、TOYOTA GAZOO Racing はサステナブルなモータースポーツ活動に取り組んで参ります。皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。