カテゴリー: F1スペインGP

  • フェルスタッペン F1スペインGPでの巻き返しに意欲「イモラのような展開を」

    フェルスタッペン F1スペインGPでの巻き返しに意欲「イモラのような展開を」

    マックス・フェルスタッペンは、F1スペインGPが「イモラのような展開になることを願っている」と語った。フェルスタッペンはイモラで圧巻の勝利を収めた一方で、前戦モナコでは厳しい週末となった。

    レッドブル・レーシングは、フェルスタッペンが2回目の義務ピットストップを消化していない状態でレースをリードし続けるという戦略に賭け、モナコGP終盤まで粘った。

    チームは赤旗やセーフティカーの発動による有利な展開を期待していたが、それは起こらず、最終盤にピットインしたことで表彰台を逃し4位に後退した。

    この結果、フェルスタッペンはイモラでの勝利によって築いたドライバーズランキングのリードを縮められ、マクラーレン勢のオスカー・ピアストリとランド・ノリスに再び迫られる形となった。イモラでは、1周目にピアストリをオーバーテイクして首位に立つという鮮やかな展開で勝利を収めていた。

    過去3回のスペインGPをすべて制しているフェルスタッペンは、今回もその流れを維持し、4連勝を狙っている。

    「モナコはもう過去のことだから、あまり多くを語る必要はないと思う」とフェルスタッペンはバルセロナで語った。「でもここでは、もう少し競争力を発揮できることを願っている。個人的には、イモラのときのような展開になればと思う。でも実際のところは、まだ分からない」

    「ライバルチームがどこで強いかは分かっているし、僕らとしてはマシンのバランスをうまく取って、タイヤに厳しすぎず、しっかりとした走りができる“良いウインドウ”に入れることができれば、もっと限界まで攻められると思う。今週末はそこを目指すつもりだ」

    マックス・フェルスタッペン F1 スペイングランプリフェルスタッペンは2016年、トロ・ロッソ(現レーシングブルズ)から昇格し、レッドブルF1初戦のスペインGPで初優勝を飾った

    直近の戦績を見ても、フェルスタッペンは日曜に表彰台に上がる可能性が高い。彼はバルセロナで過去4勝を挙げており、2018年以降は毎年トップ3入りを果たしている。2016年にトロ・ロッソ(現レーシングブルズ)から昇格してレッドブルでデビューした際にも、スペインGPでいきなり初優勝を飾った。2017年のリタイアを除き、すべての年で表彰台に立っている。

    「なぜこのサーキットで強いのか、説明するのは難しい」と彼は語る。「でもこのトラックが好きなのは確かだね。リタイアが少ないというのもあるかもしれない。他のサーキットだと、そうはいかないこともあるから」

    「ここを走るのは楽しいし、この場所に来るのも好きだ。過去のマシンもここではかなり競争力があったから、そういった要素がこの好成績につながっているのかもしれない」

  • ランド・ノリス 「マックス・フェルスタッペンをF1王座争いから外すのは愚か」

    ランド・ノリス 「マックス・フェルスタッペンをF1王座争いから外すのは愚か」

    ランド・ノリスは、2025年シーズンでマクラーレンが現在のような圧倒的な強さを見せているにもかかわらず、「マックス・フェルスタッペンをタイトル争いから外すのは“愚か”だ」と語った。

    ドライバーズ選手権ではオスカー・ピアストリがチームメイトのノリスに3ポイント差で首位に立ち、コンストラクターズではマクラーレンが2位チームの2倍以上のポイントを獲得している。

    しかし、2025年のドライバーズタイトル争いはマクラーレン勢の一騎打ちではないとノリスは考えている。

    「数学的に言えば、現時点ではグリッド全体にタイトルを獲れる可能性があると思う」とノリスは今週末のF1スペインGPを前に語った。

    「だから、僕とオスカーだけの争いだと思ってるなら、それはちょっと愚かだと思う。まだチャンスはたくさんあるよ」

    「マックス(・フェルスタッペン)にもチャンスはある。フェラーリだって、シーズンが進むにつれて良くなってくると思う」

    ノリスはこれまでに2勝、ピアストリは4勝を挙げている。フェルスタッペンも2勝しており、現在は選手権首位のピアストリから25ポイント差の3位につけている。

    ただ、レッドブルF1は2025年のマシン「RB21」の扱いに苦戦しており、フェルスタッペン自身もチームの苦境を隠していない。日本とイモラで勝利を収めた一方で、バーレーンとモナコでは厳しい結果に終わり、マシンの不安定さが露呈している。

    ランド・ノリス F1 マックス・フェルスタッペン

    しかし、そうしたレッドブルF1の「揺らぎ」も、ノリスにとってフェルスタッペンをタイトル争いから除外する理由にはならない。

    「毎週マックスと戦ってるんだ」とノリスは続けた。

    「彼は何度も表彰台に上がってるし、レースでも勝ってる。例えばイモラでは僕たちより速くて、完全に実力で勝った。だから、なぜ僕とオスカーだけの争いだと思うのか、正直わからない」

    ピアストリとの戦いと同時にフェルスタッペンの脅威も意識しているノリスだが、選手権争いがレース週末ごとのアプローチに影響を与えることはないと話す。

    現在ランキング上位にいることよりも、あくまで目の前の勝利に集中しているという。

    「選手権のトップに立って、他の全員より多くポイントを持っているのは素晴らしい気分だよ。でも、それで僕がやることが変わるわけじゃない。日々の取り組みが変わることもないし、何を目指しているかも変わらない」

    「スペインでも勝つつもりだし、モントリオールでも勝つつもりだし、オーストリアでも勝つつもり。それは僕が今どの順位にいるかとは関係ないんだ」

  • F1スペインGPで導入されるフロントウイング技術指令の全容を解説

    F1スペインGPで導入されるフロントウイング技術指令の全容を解説

    今週末のF1スペインGPから、FIA(国際自動車連盟)はフロントウイングに対する負荷試験を強化する。この変更はなぜ行われるのか?なぜ今なのか?そして具体的にどのように実施されるのか?F1公式サイトがその詳細を伝えている。

    今回の規制強化は、空力性能をめぐるチーム間の競争が激しさを増すなかで導入される。

    特に、フロントウイングの柔軟性を利用して直線での空気抵抗を抑えたり、速度域によってダウンフォースの特性を変えるといった“グレーゾーン”の開発が問題視されており、FIAはこれを明確に取り締まる姿勢を示している。

    スペインで何が変わるのか?
    FIA(国際自動車連盟)は、F1マシンのフロントウイングに対する負荷試験をさらに強化し、フレキシビリティ(柔軟性)とそこから得られる空力的優位性への懸念に対応しようとしている。

    2024年シーズンを通じて、いくつかのチームが高速域での空気抵抗を軽減したり、速度域に応じて空力バランスを変化させる設計を追求しているのではないかという疑念が持たれていた。

    そのため、FIAは2025年シーズンの第9戦にあたるスペインGPから、「フロントウイング、リアウイング上段、ビームウイングに対して新たな、あるいはより厳格な負荷変形試験を導入する」と発表していた。

    スペインGPスペインGP週末はフロントウイングに注目が集まる

    FIAのシングルシーター部門責任者であるニコラス・トンバジスは「選手権争いが激化すると、チームは互いのマシンに強い関心を持つようになり、自然と懸念が高まる。2024年後半の段階で、我々は2025年のテストをさらに厳格にする必要があると結論づけた」と説明した。

    なぜ今、変更されるのか?
    では、なぜこの技術指示がシーズン開幕時ではなく、今になって導入されるのか?

    トンバジスは次のように説明する。

    「2024年のベルギーGP以降、数戦にわたってすべてのマシンのフロントウイングにカメラを設置し、動きを監視した。その結果として、テスト強化が必要だと判断した。ただしその結論が出たのがかなり年末に近かったため、シーズン開幕時にこれを導入すれば、すでに製作されたウイングが無効となり、コスト負担も大きくなると考えた」

    「したがって、導入を延期する方が理にかなっていると判断した」

    FIA 国際自動車連盟FIAによるフロントウイング負荷試験の様子

    リアウイングでも同様の措置がすでに実施されていた?
    実際にリアウイングではすでに規制強化が行われている。

    2025年テクニカルレギュレーション第3.15.17条では、「リアウイング主翼の端部に垂直方向に75kgの荷重を加えた際、主翼とフラップの間隔(スロットギャップ)が2mm以上変化してはならない」と規定されていた。

    これを確認するために、開幕戦オーストラリアGPのフリー走行時に車両へカメラを取り付けて検証した結果、FIAはこの規制でも不十分だと判断。第4戦中国GPからは許容変化量を0.75mmに、第5戦日本GPではさらに0.5mmにまで縮小した。

    トンバジスは「2025年のレギュレーションは、昨年秋に話題となったいわゆる“ミニDRS効果”を抑制することを目的としていた。だが、実際に運用してみると不十分だったことが明らかになった」と語る。

    自動車競技FIAは今季すでにリアウイングの規制を強化している

    新たなフロントウイング試験はどう実施されるのか?
    今回の強化により、2025年テクニカルレギュレーションの第3.15.4条(フロントウイング本体の柔軟性)および第3.15.5条(フロントウイングフラップの柔軟性)が改訂される。

    第3.15.4条では、これまで「両側に100kgの荷重をかけた場合、垂直方向の変形量は15mm以下」「片側だけにかけた場合は20mm以下」とされていたが、スペインGP以降はそれぞれ「10mm以下」「15mm以下」となる。

    また第3.15.5条では、従来は「フロントウイングフラップのトレーリングエッジ(後端)は、6kgの荷重をかけた際、軸方向で5mm以上たわんではならない」とされていたが、今週末からはこの許容変位が3mmに縮小される。

    スペイングランプリFIAによるリアウイングの負荷試験の一例

    テストはどのくらいの頻度で実施されるのか?
    FIAは「シーズンを通して定期的に」コンポーネントテストを実施し、規則違反がないかを確認する。

    トンバジスは「我々はシーズン中のさまざまなタイミングでチームに特定のコンポーネントの持ち込みを求め、個別にあるいは車両全体に対してテストを行う」と述べる。

    「テストはしばしばパルクフェルメの条件下で、土曜の予選後や日曜の朝に実施される。これは、チームがテスト用に硬いウイングを装着し、レースでは別の柔らかいウイングを使うといった抜け道を防ぐためだ」

    「また、必要に応じて決勝後にも検査を行うことがあり、その場合もレギュレーション第3.15条に定められた静的荷重試験となる」

  • ピアストリ「マクラーレンF1にチームオーダーは不要」チーム内競争に自信

    ピアストリ「マクラーレンF1にチームオーダーは不要」チーム内競争に自信

    F1スペインGPを前に、“フレキシブル・ウイング”規制強化や、バルセロナのサーキット特性がレッドブルF1に有利に働く可能性といった話題が注目される中、オスカー・ピアストリに向けられた質問の多くは、マクラーレンのチームメイトであるランド・ノリスに関するものだった。

    今季ここまでに4勝を挙げたピアストリは、特にフェルスタッペンが優勝した鈴鹿とイモラの間に3連勝を達成したことで、開幕戦メルボルンでのスピンによる9位という痛手を乗り越え、ドライバーズ選手権でノリスを逆転した。

    しかしモナコでのノリスの勝利によって流れは再び変わり、現在はピアストリが161ポイント、ノリスが158ポイントで、その差はわずか3点。追うフェルスタッペンが136ポイントで三つ巴の様相を呈している。

    昨シーズン、マクラーレンはノリスがフェルスタッペンに次ぐタイトル争いの有力候補として台頭したにもかかわらず、チームとしてその立場を強く後押ししない場面があった。特にハンガリーやモンツァでは微妙な空気が漂い、モンツァではピアストリがオープニングラップでノリスを抜いて先行し、結果的にノリスのポイントを奪う形となった。

    今年の状況は多少異なるが、ピアストリはチーム内でのこのような事態を事前に想定し、準備してきたことを明言している。チームの好調や信頼を台無しにするような争いは誰も望んでいないのだという。

    「シーズン前から、個人の目標とチームの目標が完全に一致するのは不可能だということは分かっていた」とピアストリは語る。

    「それについては、僕ら2人とも率直に話し合ってきたし、チームもよく理解していると思う。昨年末の時点で、もし今年も昨年終盤と同じくらい強いクルマで戦えるなら、こういう状況になると予想していたから、しっかり話してきた」

    「でも、僕らは決してスポーツマンらしくない行動をしたり、チームや自分自身を悪く見せるようなことはしない。そんな人間じゃない。毎週末お互いに勝ちたいと思っているけど、取り返しのつかないダメージを与えるような一線は決して越えない。それは何度も言ってきたけど、僕たちは今回だけじゃなくて、これからもずっとチャンピオン争いを続けたいと思っているから。1回のタイトルを取るためにすべてを壊すのは愚かなことだと理解している」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン F1 スペインGP

    この姿勢は、かつてマクラーレンに在籍したアイルトン・セナとアラン・プロストという2人の名ドライバーの関係に重なる部分がある。1988年と89年にそれぞれタイトルを獲得した2人は、やがてチーム内での対立が深刻化し、最終的には会話すら仲介者を通して行う状態にまで悪化した。

    当時のきっかけは1988年イモラでの、スタート直後に順位を争わないという事前合意をセナが破ったとプロストが感じたことだとされる。セナにとっては再スタート後のレースだったため合意は無効という認識だったが、これを機に両者の対立は激化した。

    それ以降、プロ意識にまつわる議論は、機材の優遇やオフコースでの駆け引きといった小競り合いに発展し、最終的には89年の鈴鹿での接触など、チームにもダメージを与える結果となった。

    このようなケースはマクラーレンに限ったことではない。1986年と87年には、ウィリアムズのネルソン・ピケとナイジェル・マンセルが互いにポイントを奪い合い、アラン・プロストがその隙を突いて2年連続でタイトルを手にした。

    昨年、マクラーレンは1998年以来となるコンストラクターズタイトルを獲得しており、今年はそれに加えて2008年ルイス・ハミルトン以来のドライバーズタイトル獲得も狙っている。そうした中で、2026年以降も契約が続くチームメイト同士が内輪揉めするような状況は避けたいところだ。

    ノリスは少なくとも2026年末まで契約があるとされ、ピアストリも2026年以降の延長契約を結んでいる。したがって、マクラーレンがどちらか一方にチームオーダーを出すことは、ポイント差が大きく開き、かつ外部のライバルからの脅威が続いている状況にならない限り、可能性は低い。

    ピアストリは次のように語っている。

    「たぶん数学的に(逆転が)不可能になれば、そうなるかもしれない。でも今のところ、僕たちはどちらも自分の力でチャンピオンを目指したいし、自分のポイントを稼ぎたいと思っている」

    「もちろん、後半戦になって本当に不可能、あるいはほとんど不可能な状況になれば、そこは変わるかもしれない。でも、少なくとも当面はそうなるとは思っていない」

  • F1スペインGPでスチール製スキッドブロック初テスト 火災対策でFIAが主導

    F1スペインGPでスチール製スキッドブロック初テスト 火災対策でFIAが主導

    F1チームは今週末のF1スペインGPにおいて、「スチール製スキッドブロック(スキッドプレート)」の試験を行う予定だ。これは、FIA(国際自動車連盟)が乾燥した芝生の火災リスクを軽減するために進めている安全対策の一環である。

    4月のF1日本GPでは、通常使用されているチタン製スキッドブロックから発生した火花がコース周辺の乾燥した芝に引火し、小規模ながら火災が発生した。これを受けて、今後のレースでも同様の問題が起きるのではないかという懸念が高まっている。

    特に2025年シーズンは、各チームがマシンをより地面に近づけて走らせており、その結果スキッドブロックが地面と接触して火花が出る頻度が高まっている。この火花が芝生の火災の要因と見られており、FIAは対策として「スチール製」への切り替えを模索している。

    FIAは、鉄の削れカスはチタンとは異なる反応を示すため、火災リスクを低減できると考えている。チタン製の削れカスは白熱し、長時間高温を保つ性質があるため、着地後も乾燥した草を燃やしてしまう危険性がある。一方、鉄はそこまで高温にならず、冷えるのも早いため、火災を引き起こす可能性が低くなるとされる。

    このアイデアは最近のF1コミッションの会議でも議題に上がったが、チーム側の賛同は得られていない。スチール製スキッドブロックはチタンよりも重く、マシン1台あたり約750グラムの重量増となるうえ、チタンほど耐久性がないため摩耗が早いという欠点がある。これにより車高を高く設定し直さなければならず、車高に敏感な設計のマシンにとってはさらなる技術的課題となる。

    スペイングランプリ F1F1日本GPでは、火花がコース周辺の乾燥した芝に引火して火災が発生した。

    また、チーム側からは「コース周辺の芝に水を撒いたり、耐火スプレーを散布する方が安価かつ現実的だ」という意見も出ている。

    それでもFIAはこの取り組みを前進させる意向であり、スペインGPの金曜プラクティスで各チームの1台にスチール製スキッドブロックを装着してテストを行う予定だ。これにより、性能や安全性に関するデータを収集し、今後の正式導入の判断材料とする。

    FIAはチームへの初期通知の段階で、今後のカレンダーにおいて「芝生による火災リスクが高いサーキットではスチール製」「そうでない場所では従来のチタン製」というふうに使い分ける方針を提示していた。

    今回のスペインでのテスト結果が良好であれば、2025年シーズン後半のスキッドブロック使用方針は以下のように分かれる見込みだ。

    ■ スチール製スキッドブロック使用予定のレース
    カナダ、オーストリア、イギリス、ベルギー、ハンガリー、オランダ、イタリア、アメリカ、メキシコ、ブラジル

    ■ チタン製スキッドブロック継続使用予定のレース
    アゼルバイジャン、シンガポール、ラスベガス、カタール、アブダビ

  • 角田裕毅「自信を失ったわけではない」 レッドブルF1で直面した課題と収穫

    角田裕毅「自信を失ったわけではない」 レッドブルF1で直面した課題と収穫

    角田裕毅は、F1スペインGPの公式記者会見で、レッドブル・レーシング加入からこれまでの適応過程を振り返りながら、「自信を失ったわけではない」と力強く語った。

    モナコGPでは予選で赤旗に阻まれ、思うような結果を残せなかったが、角田裕毅はその背景にある自身の理解度について冷静に自己分析した。

    「まだ自信という意味でも、いろんな面で少しずつ積み上げている最中です。マシンに対する理解は進んできていますが、最後の数コンマ秒、数ミリ秒を詰めるためには、路面の進化を自然に感じ取れる必要があります」

    続けて、マシンの挙動を瞬時に把握するための「直感」の重要性についてこう語った。

    「セットアップを変更したときに、どんなバランスになるかが直感的にわかる状態にならないと、トップレベルでは戦えません。新しいマシンでは、そういった部分の理解がまだ十分ではないですし、そこは経験がモノを言うところだと思っています」

    以前所属していたVCARBでは、そうした感覚が完全に身に付いていたと振り返る。

    「VCARBでは、マシンの反応が完全にわかっていたので、あれこれ考えなくても自然に反応して速く走ることができていました。今はその感覚をもう一度構築している段階です」

    イモラで得た“再認識”と今後への確信
    イモラでの週末が、今の自分に何を気づかせたのか。角田裕毅はこう述べる。

    「イモラでの週末は、自分の理解度を改めて認識させられるきっかけになりました。正直、そういった細かな部分の重要性を少し軽視していたかもしれません」

    しかしそれは後悔ではなく、学びとして前向きに捉えている。

    「でも、自信をなくしたわけではありません。少しずつ積み上げていけば、必ずしっかり戦えるようになると信じています」

    角田裕毅 レッドブルF1 スペインGPF1スペインGPの公式記者会見に出席した角田裕毅

    スペインGPでは「マックスよりも自分に集中」
    週末のレースに向けては、モナコで感じた手応えに触れながら期待を口にした。

    「モナコでは予選までのパフォーマンスはすごく良かったです。赤旗などもあってすべてが計画通りには進みませんでしたが、FP2やFP3ではこれまでで一番良いと感じられるペースでした」

    また、ここカタルーニャでのレッドブルの実績について問われると、こう返した。

    「バルセロナでレッドブルが勝ってきたというイメージはあまり持っていなかったんですが、マックスがここで4連勝していると聞いて、それは良いニュースですね。でも、自分はマックスのことよりも、自分自身に集中したいと思っています」

    プレッシャーの大きいトップチームでの挑戦の中でも、角田裕毅は自らの成長段階を冷静に受け止めている。

    「自信を失ったわけではない」。この言葉に込められた意志と客観性が、バルセロナの地でどう表れるのか注目される。

  • シャルル・ルクレール 「フェラーリF1は期待値をリセットすべき」

    シャルル・ルクレール 「フェラーリF1は期待値をリセットすべき」

    シャルル・ルクレールは、F1スペインGPを前にフェラーリが「期待値をリセット」する必要があると語り、バルセロナでの週末はモナコでの好結果とは「まったく異なる」状況になると見ている。

    今シーズンは波のある展開が続いていたが、モナコでは地元の声援を受けたルクレールが全3回のプラクティスでトップタイムを記録し、予選と決勝ではいずれも2位を獲得。充実した週末となった。

    だが、バルセロナでのメディアデーで、その結果が今週末の自信につながるかと問われたルクレールはこう語った。

    「それほど多くはないね。いい週末だったし、こういう厳しいシーズンでは、ポジティブな要素をできる限り持ち帰りたい気持ちはある」

    「モナコは間違いなく僕たちにとって良い週末だった。でも現実的に考えて、今後に向けて正しい期待を設定することも大切だ。残念だけど、ここではまったく違う状況になる可能性が高い」

    「モナコからここに持ち込めるものはあまりないけど、いい週末だったし、いいポイントも取れた。それが僕たちにとって助けになるのは間違いない。バルセロナでは規則の変更もあって、面白い週末になると思う。僕たちが前のチームとのギャップを少しでも縮められることを願っている」

    さらにルクレールは続けた。

    「チームとして期待値をリセットするのはとても重要だ。通常のサーキットでは、モナコほどポジティブな展開は期待できないと思う。もちろん前向きな気持ちは持ち続けているし、ベストを尽くすつもりだけど、難しい週末になるかもしれない」

    モナコを経てマシンへの理解が進んだのか、それとも依然として週末ごとに不確定な要素があるのかと問われると、ルクレールはこう答えた。

    「いや、理解はしていると思うし、モナコの後はもっとよく分かるようになったと思う」

    「モナコはすごくバンピーなサーキットで、僕たちのマシンはそういう路面でかなり良かった。でもそれはモナコだけに当てはまる話で、すごく特殊なケースなんだ。正直、僕自身あれほど良い週末になるとは思ってなかったから驚いたよ」

    「モナコは実際に走ってみるまで分からないからね。だからこそ驚きだった」

    「それ以外のサーキットについては、僕たちがどこに位置するかについてかなり良い予測が立てられていて、それはつまり、マシンをかなり理解できているということ。でもまだ理解しきれていない部分もあって、それを探っていく努力は続けている。とはいえ、だいたい予想通りになるはずで、それはつまり“難しい週末になる”ってことなんだ」

    スクーデリア・フェラーリ F1 スペイングランプリ

    一方、ルイス・ハミルトンにとってスペインGPはフェラーリ移籍後9戦目となる。これまでの適応について、ハミルトンはこう振り返った。

    「ここまで楽しいシーズンだよ。バルセロナはもう少し“普通の”サーキットだから、走るのが楽しみだね」

    カタルーニャ・サーキットが、チームの実力を測るうえで重要な場になる可能性については、次のように述べている。

    「ここは昔からそういう意味で優れたサーキットなんだ。以前はテストでもよく走ってたし、コーナーの種類も多い。だから、どのくらい遅れているかが分かるし、それがつまり“今どこにいるか”を示してくれる」

    このサーキットでは、2015年以降ハミルトンとマックス・フェルスタッペンしか勝っていない。その理由を問われると、ハミルトンはこう答えた。

    「天気もいいし、街も好きだし、サーキットもクールだよ。なぜここで調子がいいのかは自分でもよく分からないけど、今週末もそうだといいね」

  • 2025年F1 スペインGP:注目すべき5つのストーリー

    2025年F1 スペインGP:注目すべき5つのストーリー

    2025年シーズン2度目の三連戦は今週末のF1スペインGPで幕を閉じる。ヨーロッパラウンドの流れの中で重要な位置を占めるこの一戦は、勢力図の変化、規則変更、各チームのアップグレードなど、多くの注目要素が詰まった週末となる。

    舞台となるバルセロナは、マシンの総合力が問われる伝統的なサーキットであり、特に高速コーナーを通じた空力性能の違いが明確に表れる。

    さらに今大会からFIAによるフロントウイングの柔軟性テストが強化されることで、コンストラクター間の相対的な強さに変化が生まれる可能性もある。

    1.ノリスは連勝なるか?
    2025年シーズンの開幕戦オーストラリアGPでポール・トゥ・ウィンを飾ったランド・ノリスだったが、その後は同様の勢いを維持するのに苦労していた。

    スペインGP F12025年モナコGPでポール・トゥ・ウィンを決めたランド・ノリス

    マクラーレンのノリスは予選一発の速さをなかなか引き出せず、再びポールポジションと勝利を手にしたのは、前戦モナコGPにおいてだった。ここまでオスカー・ピアストリが4勝、マックス・フェルスタッペンが2勝を挙げ、ポールポジションもこの2人で分け合ってきたなかで、ノリスはわずかに出遅れていた。

    だが、モナコでは年間で最もプレッシャーのかかる予選でポールを獲得し、それを勝利に結びつけた。これにより、選手権首位ピアストリとの差はわずか3ポイントに縮まっている。

    本人は「シーズン前半の課題を乗り越えた」と断言するには時期尚早だとしつつも、予選での自信が高まりつつあることを認めている。モナコとはまったく異なる特性を持つバルセロナで、その進歩を証明できるかが注目される。

    2.レッドブルは復調なるか
    サーキット特性の違いにより、チームのパフォーマンスは大きく変動する可能性があり、今週末のスペインでは特にレッドブルにその傾向が顕著に現れるかもしれない。

    スペイングランプリ F1モナコGPで4位に終わったマックス・フェルスタッペン 今週末のバルセロナでは巻き返しを狙う

    フェルスタッペンはエミリア・ロマーニャGPで、予選フロントロウからスタートし、首位に立ってそのまま快勝した。日本GPやジェッダでも強さを見せており、これらはすべて高速コーナーを備えたサーキットだ。

    モナコGP前には、フェルスタッペンは控えめな姿勢を見せており、実際に予選・決勝ともに4位に終わった。モナコは近年のレッドブルにとって不得意なトラックのひとつであり、それは想定内だった。

    一方で、イモラでの勝利直後、フェルスタッペンはバルセロナがレッドブルにとってより適したサーキットであると強調していた。バルセロナは高速コーナーが多く、マシンの空力性能を試すには格好の舞台であり、フェルスタッペンが再びマクラーレン勢に挑む可能性は十分にある。

    3.メルセデスは立て直せるか
    レッドブルが復調を期待される一方で、メルセデスにとっては「これ以上悪くなることはない」とも言えるほどの再起が求められる週末となる。

    モナコでは予選Q2で2台とも敗退し、決勝でも戦略的に苦しんだ。レーシングブルズやウィリアムズの動きに阻まれた結果、ジョージ・ラッセルはシケインをカットしてアレックス・アルボンを追い抜き、ペナルティを受けて11位でゴール。ポイント圏に届かなかった。

    チーム選手権では依然として2位につけているが、レッドブルとの差は4ポイント、フェラーリとの差も5ポイントと接戦となっており、今回の失速は痛手となった。

    昨年のメルセデスは高速かつスムーズなサーキットで強さを発揮していたが、高温コンディションは苦手であり、今週末のスペインGPは高温が予想されている。表彰台争いに返り咲くには簡単な週末にはならないだろう。

    4.フロントウイング柔軟性への新規制
    ただし、これらすべてに影響を及ぼす可能性があるのが、スペインGPで導入されるフロントウイングの柔軟性に関する新たな技術規則だ。

    2025年F1 スペンGPフロントウイング規制強化が導入されるスペインGP 各チームの対応が注目される

    FIAはフロントウイングのたわみ試験において、これまでよりも高い荷重を加える厳格な検査を導入する。1月末に発表されたこの変更は、各チームが現行のウイング設計を大幅に見直さずに済むようスペインGPまで延期されていた。

    新規制では、静荷重における最大たわみ許容値が15mmから10mmに縮小される。ウィリアムズF1代表のジェームス・ボウルズは、この変更が「一部のチームにとって極めて大きな影響を与える」と見ており、フェラーリのフレデリック・バスールも「勢力図を塗り替える可能性がある」と語っている。

    一方で、影響は限定的と見ているチームもあり、いずれにせよ多くのチームが新たなウイングを投入する見込みである。どちらの見解が正しかったのかは、今週末の走行で明らかになるだろう。

    5.さらなるアップグレードは?
    スペインGPに向けて各チームが新型フロントウイングをFIAに提出することは既定路線だが、他にもアップグレードが投入される可能性は高い。

    かつてはバルセロナが欧州ラウンドの幕開けであり、プレシーズンテストの舞台でもあったことから、チームが大規模アップグレードを持ち込む定番の舞台だった。

    現在のカレンダーでは状況がやや変化しているものの、すでにイモラやモナコといった欧州ラウンドで一定のアップグレードが導入されてきた。それでも、空力性能と効率が問われるバルセロナは、マシンの真の実力を測る重要なサーキットだ。

    シーズン全体の3分の1を終えた段階で、今回のアップデートが選手権争いに大きな影響を与えることは十分にあり得る。

  • 角田裕毅 F1スペインGP展望「全部うまくまとめていい結果を出したい」

    角田裕毅 F1スペインGP展望「全部うまくまとめていい結果を出したい」

    角田裕毅が、2025年F1 スペインGPを前に今週末への意気込みを語った。

    前戦モナコGPでは予選から苦戦を強いられたが、すでに気持ちは次の舞台へと向かっており、「このサーキットでいい結果を出すことに集中している」と前向きな姿勢を見せている。

    バルセロナのサーキットについては「好きなコース」と語り、スペイン料理にも言及するなどリラックスした様子も見せた角田裕毅。多くのテスト走行を重ねてきたこの地で、今季のトリプルヘッダー最終戦を好成績で締めくくれるか注目だ。

    「予選のあと、モナコは厳しい週末になるとわかっていましたし、実際とても長く感じる週末になりました。でも、今はスペインに気持ちを切り替えて、このサーキットでいい結果を出すことに集中しています」と角田裕毅はコメント。

    「バルセロナで走るのは好きですし、このコースも気に入っています。それに、スペインの食べ物も大好きなんです。このサーキットはどのドライバーにとってもおなじみの場所で、過去にテストでたくさん走っていますし、レギュレーションの変更もあるので、今週末は面白くなるかもしれません」

    「さまざまなタイプのコーナーや長いメインストレートがあるこのコースでは、うちのチームがもっと競争力を発揮できるんじゃないかと期待していますし、自分たちがどこまで戦えるのか楽しみにしています」

    「ここ数週間は忙しかったんですが、ヨーロッパのファンの前に戻ってこられましたし、家にも近くてやっぱり落ち着きますよね。チームとしてすべてをうまくまとめて、このバルセロナでのトリプルヘッダー最終戦をいい形で締めくくれたらと思っています」

    角田裕毅 スペインGP F1

  • アルピーヌF1チーム スペインGPでアルピーヌ創立70周年を特別カラーで祝福

    アルピーヌF1チーム スペインGPでアルピーヌ創立70周年を特別カラーで祝福

    BWTアルピーヌF1チームは、2025年FIA F1世界選手権第9戦となるスペインGPに向けてバルセロナへ向かう。この週末、チームはアルピーヌブランド創立70周年を記念し、アルピーヌ・ファミリー全体とともに祝賀ムードに包まれる。

    1955年、ジャン・レデレによってフランス・ディエップで創設されたアルピーヌは、モータースポーツと自動車への情熱から生まれたブランドであり、F1やWEC(世界耐久選手権)といったトップカテゴリーで現在も競技を続けている。

    自動車メーカーとしても、昨年にはA290を発表し大きな評価を獲得、ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。そして5月27日には初のスポーツ・ファストバック車をディエップでワールドプレミアし、70周年を祝う週末に一般公開される予定だ。

    この記念すべきスペインGPの週末に、BWTアルピーヌF1チームは特別な「Alpine 70 Years」ロゴをあしらった新たなリバリーを纏い出走する。ピエール・ガスリーとフランコ・コラピントは、白地に赤と青のストライプをあしらい、「A70」ロゴを配置した特別仕様のレーシングスーツとグローブで参戦する。

    ■アルピーヌ70周年記念ロゴの特徴
    Aの矢印を模したシンボルが1955年から2025年までの70年を祝う。青・白・赤の配色は1955年にジャン・レデレによって創設されたフランスブランドとしてのルーツを表現しており、Aの矢印から伸びる「70」の数字は、過去を礎としながら未来へと向かう姿勢を示している。中央に赤いターゲット(的)が配置されており、これは今後の70年にわたるチャレンジ精神を象徴している。

    アルピーヌF1チーム スペインGP F1

    ピエール・ガスリー
    「トリプルヘッダーの最終戦となるバルセロナに向かう。モナコでは僕たちの予想に反して、パフォーマンスが思ったよりも良くなかったことが正直驚きだった。予選では下位に沈んでしまい、そこから挽回するのは非常に難しかった。決勝は角田(裕毅)との接触で終わってしまったが、あのレースではどのみち順位を大きく上げるのは困難だっただろう。だからこそ、チームとしてしっかり立て直して、スペインに向けて改善できることを探っている。バルセロナのような総合的なサーキットなら、僕たちのパッケージに合うのではと期待している。今週末からは、例のテクニカルディレクティブへの適合義務もあるので、グリッド全体で小さな差が出てくるかもしれない。バルセロナのサーキット自体は昔からドライブが楽しくて、これまでも悪くない結果を出せているから、前向きに臨みたい。あと、土曜の夜はチャンピオンズリーグ決勝をテレビで観戦する予定だ。素晴らしい試合になると思うし、PSGがタイトルを取ってくれるよう応援しているよ!」

    フランコ・コラピント
    「モナコでの週末は、チームにとっても自分にとっても厳しいものだった。いくつかの理由からマシンのペースに苦しみ、予選では後方に沈んでしまった。あのようなオーバーテイクがほとんど不可能なサーキットでは、それが大きく響いた。新たな2ストップ義務化ルールによって、各チームがさまざまな戦略を展開していたけれど、僕らは13位が限界だったと思う。今週末のスペインGPでトリプルヘッダーを締めくくるのを楽しみにしている。スペイン語圏でもあるし、アルゼンチンのファンも多く来てくれると思うので、僕にとっても特別なレースになるだろう。それに、今週は誕生日だったので、家族や大切な人たちと少しだけリラックスできたのもよかった。バルセロナはモナコと比べてより伝統的なタイプのサーキットだし、僕たちのマシンにより合うはずだ。できるだけ早くクルマに慣れて、予選でしっかりした位置を確保して、日曜のレースに備えたいと思う。」