カテゴリー: F1スペインGP

  • F1スペインGP決勝 ピレリ総括:VSCが戦略左右 ハードで45周超のロングラン

    F1スペインGP決勝 ピレリ総括:VSCが戦略左右 ハードで45周超のロングラン

    F1スペインGP決勝では、初開催となったマドリンクでキミ・アントネッリが優勝を飾った。メルセデスのアントネッリはマックス・フェルスタッペン、ランド・ノリスを抑えてトップチェッカーを受け、ドライバーズ選手権でのリードも拡大した。

    決勝では1ストップ戦略が主流となり、表彰台を獲得した3人もすべて1回のタイヤ交換で走り切った。ピレリは、フリー走行でほとんど試されていなかったハードタイヤが高い安定性と耐久性を発揮し、レースの「主役」になったと総括している。

    VSCが1ストップ戦略を後押し
    アントネッリとフェルスタッペンは、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングを利用してピットストップを実施した。一方、ノリスはVSCが導入された時点ですでにピットレーン入口を通過しており、上位2人に対して貴重なタイムを失う形となった。

    アントネッリとノリスはミディアムからハードへ交換。フェルスタッペンはスタート時に履いていたソフトからハードへとつないだ。

    グリッド全体でも1ストップが最も多く選択された。2ストップを実施したのはジョージ・ラッセル、カルロス・サインツJr.、オリバー・ベアマン、フェルナンド・アロンソ、バルテリ・ボッタスの5人だった。

    決勝日のコンディションは前日までと大きく変わらず、路面温度は最高52度、気温は最高32度に達した。

    ピレリ「ハードタイヤがグランプリの主役」
    ピレリ・モータースポーツディレクターのダリオ・マラフスキは、各チームが金曜日の走行から想定されていたものとは異なるアプローチを採用したと説明した。

    「各チームは今日のレースで、金曜日にコース上でシミュレーションしていたものとは異なるアプローチを採りました。バーチャル・セーフティカーによって得られた機会もあり、より慎重にペースとデグラデーションを管理することを選択しました。それによってスティントを大幅に延ばすことができ、フィールドの大半にとって1ストップ戦略が好ましい選択肢となりました」

    特に高いパフォーマンスを示したのがC2のハードだった。フリー走行では十分なロングランデータが得られていなかったものの、決勝では45周を超えるスティントも確認された。

    「グランプリの主役はハードタイヤでした。フリー走行ではほとんど試されなかったコンパウンドですが、今日は非常に高いレベルの安定性を示し、熱的にも機械的にも3種類のコンパウンドの中で最も堅牢であることを証明しました」

    「C2では45周を超えるスティントがいくつもあり、摩耗が非常に大きなレベルに達しても、目立ったパフォーマンス低下はありませんでした」

    ピレリ F1 スペイングランプリ

    ソフトもミディアム並みの耐久性
    ハードだけでなく、ミディアムとソフトも高い路面温度のなかで十分な耐久性を示した。特にC4のソフトについて、ピレリはミディアムに匹敵する競争力のあるスティントを可能にしたと評価している。

    「ミディアムとソフトも、路面温度が高かったにもかかわらず有効な選択肢であることを証明しました。特にC4は、耐久性という点でミディアムと比較できるほど競争力のあるスティントを完了しました」

    懸念されていたグレイニングは主に左フロントに発生したものの、その程度は限定的だった。

    「予想していた通り、グレイニングは主に左フロントタイヤのトレッド内側に現れましたが、その程度は限定的でした。各チームがマシンセットアップとタイヤマネジメントに取り組んだことで、その影響を最小限に抑えることができました」

    また、マドリンクでは追い抜きの機会が少なかったことも、タイヤを長く持たせる展開につながったと分析している。

    「追い抜きの機会が少ないレースだったため、ドライバーはタイヤマネジメントに集中することができました。その結果、戦略面では非常にシンプルなレースになりました」

    スペイングランプリ F1 タイヤ

    ウーゴ・ウゴチュクウのF3王座も祝福
    マラフスキは同日にFIA F3タイトルを獲得したウーゴ・ウゴチュクウにも祝福の言葉を送った。

    「今日、非常に競争の激しいシーズンを戦い抜き、FIA F3チャンピオンに輝いたウーゴ・ウゴチュクウにお祝いを申し上げます」

    「このシリーズは世界中の若い才能にとって重要な試金石であり続けています。タイトル争いが最終戦まで決着しなかったことは、選手権の競争レベルが極めて高かったことを示しています。今年も素晴らしいレースと非常に高いスポーツとしての価値を提供してくれました」

    F1スペインGP終了後、アントネッリは292ポイントでドライバーズ選手権首位を維持し、211ポイントのラッセルとの差を81ポイントに広げた。次戦は9月26日に決勝が行われるF1アゼルバイジャンGP。マドリンクとは大きく特性の異なるバクー市街地コースで、再びタイヤ選択と戦略が重要な要素となる。

  • 2026年 F1スペインGP決勝 全ドライバーコメント

    2026年 F1スペインGP決勝 全ドライバーコメント

    2026年F1第14戦スペインGPの決勝が9月13日(日)、マドリードのマドリンクで行われ、メルセデスのキミ・アントネッリが優勝。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が2位、ランド・ノリス(マクラーレン)が3位に入り、初開催となったマドリンクで表彰台を分け合った。

    バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングが勝敗を大きく左右する一戦となり、ポールポジションからレースを支配していたノリスは不運なタイミングで首位を失った。

    日本人ドライバーの角田裕毅(レーシングブルズ)はスタート直後にカルロス・サインツJr.と接触してマシンにダメージを負い、14位でレースを終えた。以下、F1スペインGP決勝を戦った各ドライバーのコメント。

    1位:キミ・アントネッリ(メルセデス)
    「今日は勝てて素晴らしかったけど、バーチャル・セーフティカーのタイミングに少し恵まれたことは分かっている。ランド(ノリス)がトップでレースをコントロールしていたけど、バーチャル・セーフティカーが導入されたまさにそのタイミングでピットに飛び込むことができて、少ないロスタイムでハードに交換し、実質的なトップに立って最後まで走り切ることができた。だから、おそらく僕たちは勝利に値するレースをしたわけではなかったけど、もちろんこの勝利は受け取るよ。今日のペースにも満足できる。アップデートという点では、まだ他のチームと比べて遅れていることは分かっているけど、まったく異なるタイプのサーキットで2戦連続優勝することができた。シーズンを戦い続けていくうえで励みになる結果だ。選手権では良い位置につけているけど、まだ先はとても長いことも分かっている」

    2位:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
    「素晴らしい結果だったし、僕たちはパフォーマンスを最大限に引き出した。このコースで2位というのは、良い週末を締めくくる堅実な結果だ。スタートではルイスが縁石に乗ってレーシングラインへ戻ってきたから、僕はコース外に出なければならなかった。そうしなければ、2台ともダメージを負っていたと思う。いずれにしてもトップを争えるペースがあったとは思わない。キミとランドはレースを通して僕より速かったから、2位には満足している。ここはオーバーテイクがとても難しいサーキットだ。真ん中にマシンを置けば、実際に抜く方法はほとんどない。だから最後までランドを抑えることができた。このダブルヘッダーはポジティブだった。どちらの週末もマシンはまずまず良いウインドウに入っていたし、ここ数戦は安定して良いポイントを獲得できている。ヨーロッパラウンドを表彰台で締めくくれたのは良かった」

    3位:ランド・ノリス(マクラーレン)
    「今日は完璧なレースができたと感じている。タイヤマネジメントはとても良かったし、全員より一歩先を行っている感覚があった。予選は完璧だったし、パフォーマンスという意味では決勝も完璧で、大差で僕たちが最速だった。だから、パフォーマンスとは何の関係もない形で勝利を失ったことは、とにかくものすごく悔しい。グリッド全体でVSC中にピットストップできなかったのは僕だけで、そのせいでレースタイムを約20秒失った。この週末に僕たちができたことを考えれば、ポジティブな部分もある。日曜日のペースがあることは明らかで、今日は全員より良かった。それは安心材料だ。土曜日についてはまだ改善しなければならないけど、そこを縮めて今日のような状況を避けることができれば勝てる。今日は受け入れて、プッシュを続け、また次に向かうよ」

    4位:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    「レースは良かったし、このサーキットではオーバーテイクがとても難しいことを考えれば、現実的に可能だったベストの結果を持ち帰ることができた。戦略もうまくやったし、自分たちの状況に合わせて手札を切った。レース終了までにセーフティカーが出て、その恩恵を受けられる可能性に賭けて待つことにしたけど、最終的にはそうならなかった。逆の戦略を採っていたとしても4位だったと思うから、どちらにしてもレースから引き出せる最大限の結果を得られた。これから少し休んでリセットし、次戦バクーに向かう。バクーは以前から走るのが好きなコースだ」

    5位:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    「今日どんな戦略を採っていたとしても、僕たちは5位でフィニッシュしていたと思う。バーチャル・セーフティカーは、僕のようにハードタイヤでスタートした全員にとって最悪のタイミングで、ミディアムでスタートしたドライバーには最高のタイミングだった。残念だけど、レースでは時々こういうことが起きるし、今季の僕を少し象徴しているようでもある! 今日はオーバーテイクがとても難しかったけど、この週末を通してマドリンクを走ること自体は楽しめた。シーズン終了まで非常に激しい戦いになる。ファクトリーに戻ってチームと作業し、3回あるトリプルヘッダーの最初に向けて準備するのを楽しみにしている。今日のペース、特にハードタイヤでのペースは良いと感じたから、バクーに向けてそこは励みになる」

    6位:リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)
    「まずまずのレースだったと思う。レースの一部では良いスピードがあったけど、今日は理想的な戦略ではなかったと思う。僕たちはハードでスタートする逆の戦略を選んだ。スタートでフランコにポジションを奪われてかなりタイムを失ったし、ようやく彼を抜いた頃にVSCが出て、彼らはピットに入った。そこからは難しかった。スタートはエキサイティングだったし、ここではオーバーテイクがかなり難しいから、フランコを抜くためにはかなりリスクを取らなければならなかった。もう少し前からスタートできれば良かったけど、実際のスタート位置を考えれば今日の結果は良かったし、レースで2つ順位を上げられたことには満足している。今週はマシンへの自信がかなり高まった。いくつか大きな前進ができたから、この週末から持ち帰れる良いものがいくつかある」

    7位:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    「今日は7位でフィニッシュしてチームに6ポイントをもたらすことができて、とても満足している。特に、このコースレイアウトは僕たちのパッケージの長所にあまり合っていなかったと思うからね。今日もとても良いスタートが切れたし、タイヤもうまく管理して、そのポジションを維持できた。VSCが出て、周囲の何台かと同じように時間を節約するためピットストップした。第2スティントは最後まで走ったから、とても長くて、ずっと守り続けなければならなかった。ガブリエル(ボルトレト)に追いついたけど、かなりタイムを失った。ただ、それがなかったとしても、もっと上の順位でフィニッシュできたかどうかは分からない。今日はポイントを獲得できてうれしいし、直接のライバルより前でフィニッシュして、選手権で差を縮め続けられた。実行という点では、おそらく今年ベストのレース週末だった。予選ではすべてを最大限に引き出し、今日もやるべきことをやった。チーム全体で振り返りを行い、マシンの開発を続けながら、毎週末のパフォーマンスを最大限に引き出していく」

    8位:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    「今日は厳しかったし、最初から最後までかなり苦しいレースだった。1周目にラッセルに押し込まれてフロントウイングが壊れ、そこからずっとトラフィックにはまってしまった。ここはオーバーテイクが少ないから、それが難しかった。残念ながら、僕のようなハードタイヤでスタートしたドライバーにとってVSCのタイミングも理想的ではなかった。ピットに入ったときも、ミディアムが期待したように機能せず、またトラフィックの中に戻ることになった。ポジティブなのは、特にマシンから最大限を引き出す方法について、いくつか良い学びがあったことだ。クリーンエアではハードタイヤでまずまずのペースもあったし、それは常に励みになる。振り返って、さらに何を学べるか確認し、それをシーズンの次のパートにつなげていく」

    9位:アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
    「難しい週末だったけど、さらに数ポイントを獲得できて満足している。レースに向けて戦略が本当に重要になることは分かっていたけど、VSCが出るとほぼ全員がピットに入ったから、そこから戦略的にできることはあまりなかった。その後はハードタイヤで、レースの残りをほぼずっと全開でプッシュした。ペースは終始良く、レースの大部分でフランコのすぐ後ろにいた。エネルギーマネジメントを工夫し、いつもと違う使い方も試しながら、抜く方法を見つけようとできることはすべてやった。でも残念ながら、本当にオーバーテイクできるチャンスはなかった。最もエキサイティングなレースではなかったけど、金曜日の後退を考えれば、この週末への対処には満足できると思う」

    10位:ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
    「今日は手元にあるものから最大限を引き出した。ソフトタイヤでスタートしたことで、序盤のバーチャル・セーフティカーが僕たちにとって適切なピットストップのタイミングになったし、ピットクルーが素晴らしい仕事をしてエステバン(オコン)の前に出してくれた。おそらくそれがレースの重要な瞬間だった。必要なトラックポジションを得ることができたからね。そこからはタイヤを管理することがすべてだった。全員が似たようなペースで走っていてオーバーテイクはとても難しかったから、さらに順位を上げる余地はあまりなかった。しばらくの間、この中団争いの上位には位置できている。前進を続けるために必要なもう一歩を、近いうちに踏み出せることを願っている」

    スペイングランプリ 角田裕毅

    11位:エステバン・オコン(ハース)
    「僕たちはもっと良い結果に値したし、今日はポイント圏内に入るべきだったから残念だ。プランはスタートでアウディの2台を抜くことで、それは実現できた。彼らを抑えるのが難しいことは分かっていたけど、ピットストップまでは抑えることができた。ピットストップでポジションを失ったから、僕にもっとできたことがあったのか、もっと良い位置に止められたのか、それとも何か別のことがあったのか確認する必要がある。まずまずのストップだったと思ったけど、彼らの方が良いストップをしたに違いない。僕たちはコース上ですべてを出し切ったし、みんなを誇りに思う。Q1敗退というところから、今ではポイントを争えるところまで来た。だから残りのレースに向けてポジティブだし、励みになる」

    12位:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    「今日はできることをすべてやったけど、残念ながら状況が僕たちに味方しなかった。昨日は予選を最大限に生かせず、それによってグリッドで本来より後方になり、ポイント獲得に向けて厳しい戦いを強いられた。何かを試す必要があったし、いくつかリスクを取った。レースを通して速かったし、僕自身もすべてを出し切ったけど、最後に恩恵を受けるにはVSCかSCが必要だった。他のドライバーたちと同じように、それは起こらなかった。だから少しフラストレーションは残るけど、チームが重要なポイントを獲得できたことには満足している。この週末について多くのことを振り返り、毎戦マシンをより速く、より完成されたものにするために努力を続けていく」

    13位:ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
    「今日はバーチャル・セーフティカーで不運に見舞われて、それによって僕たちのプランはほぼ崩れてしまった。その後はレース終了まで何も起こらなかったから、僕たちにできることはそれほどなかった。特にオーバーテイクのチャンスがほとんどなかったからね。全体としては学びの多い週末だった。ベストな週末ではなかったけど、すべてが悪かったわけでもないし、ここでレースすることはかなり楽しめた。予選では再びQ3進出に近づいていたし、週末を通した僕たちのペースはだいたいそのあたりだった。これから1週間で充電し、2週間後のバクーに向けて仕事に戻る」

    14位:角田裕毅(レーシングブルズ)
    「今日はまったく簡単ではありませんでした。ターン1でサインツとの接触によって大きなダメージを負い、僕にとってレースはほぼそこで終わってしまいました。それがペースに与えた影響はかなり大きかったです。ダメージを考えればペースはそれほど悪くなかったと思いますが、スタートでいくつかポジションを失いました。ここではオーバーテイクがとても難しいので、それを取り戻すチャンスはあまりありませんでした。自分にできることはすべて出し切りましたし、またマシンに戻って走ることを本当に楽しめました。今週末も機会を与えてくれたチームに心から感謝しています」

    15位:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    「難しいレースだったし、僕たちにとって厳しい週末だった。でも、今日はおそらくこれが望める最大限の結果だったと思う。アストンマーティンの2台とハースの1台を上回ることが現実的に最大化できる結果だったから、それが今日の成果だ。それでも中団勢と本格的に戦うにはまだ差が大きく、コース上ではかなり厳しかった。バクーではアップデートが入るから、それによって中団勢との相対的な位置が上がり、少なくともその争いに加われるようになることを願っている。現実的には完全に前へ押し上げてくれるほど大きなものではないと思うけど、残念ながら僕たちの優先事項は来年へと移っている。今季は中団のチームが通常より多くのアップデートを投入していて、開発競争がものすごく速い。それは僕たちも改善に取り組んでいる部分だ」

    16位:オリバー・ベアマン(ハース)
    「残念ながらVSCは悪いタイミングで出て、僕にはまったく恩恵がなかった。でも厳しい週末だったし、そのことについて責められるのは自分だけだ。ポジティブな面では、この週末から多くのことを学んだ。クリーンで簡単で順調な週末よりも、おそらく多くを学べたと思う。昨日のことから多くを得たし、同じミスは繰り返さない。マシンは強かったから、クリーンエアで走れたときはいつでもライバル勢と同等のペースがあった。ただ、トラフィックにはまっていてクリーンエアで走れることがほとんどなかったのは残念だった。それでもバクーに向けて良い見通しを持てる。ここでページをめくってリセットし、もっと強くなって戻ってくる」

    17位:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    「今日は状況を変えるために波乱のレースが必要だったけど、結局、僕たちには戦えるものがあまりなかった。それでもいろいろなことを試して、アップデートされたパッケージについて学び続けた。残念ながらカルロス(サインツ)にぶつけられて、フロントウイングを交換するためにピットに入らなければならなかった。ペナルティが科された以上、それがFIAの下した判断だし、正しい判断だったと思う。今日はファンの応援が本当に素晴らしかったし、この雰囲気を心から楽しんだ」

    18位:バルテリ・ボッタス(キャデラック)
    「残念ながら今日は僕にとってあまり動きのないレースだった。もう少しいろいろなことが起きることを期待していたけど、このコースではペース面で難しくなることは分かっていたし、厳しいレースだった。レースを通してブレーキ温度の問題をかなり管理しなければならなかったし、このコースの特性によって僕たちが抱えている多くの問題が浮き彫りになった。でも、どこを改善する必要があるのかは分かっているし、これからも取り組み続ける」

    DNF:セルジオ・ペレス(キャデラック)
    「ウォーターシステムの問題とみられるトラブルが発生するまでは、僕たちのレースは本当にうまくいっていた。チームとしてこれまでで最も力強い週末のひとつだったと思うし、すべてを限界までプッシュしていた。周囲のすべてのマシンとレースをして、ピットストップまでは裕毅(角田)を後ろに抑え、ウィリアムズともずっと戦って、アレックス(アルボン)から1秒以内を維持していた。だから、レースがそこまでどのように進んでいたかについては満足できる」

    DNF:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    「序盤の数周でかなりのダメージを負った。そのまま走り続けようとしたけど、その後ブレーキに問題が出始めて、ペダルのストロークがかなり長くなったことでロックアップしてしまった。ランオフエリアでマシンの向きを変えようとしたけど、十分なパワーがなく、残念ながらそこでレースは終わった。マドリードでは厳しい週末だった」

    DNF:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    「まず、この週末を通して仕事をしてくれたチームに心から感謝したい。僕たちは良い結果を争える位置にいたし、マシンも良いパフォーマンスを発揮していた。残念ながらレースが始まってすぐにブレーキシステムの問題が発生し、それによって僕たちの午後は早々に終わることになった。サーキットでもファクトリーでも、この週末に向けて多くの努力が注ぎ込まれていただけに残念だ。次のレースに意識を切り替えて、そこで力強く戻れるようベストを尽くす」

  • ニコ・ロズベルグ マドリンク酷評のサインツに「大使なのだから彼にも責任がある」

    ニコ・ロズベルグ マドリンク酷評のサインツに「大使なのだから彼にも責任がある」

    ニコ・ロズベルグが、2026年F1スペインGPの舞台となったマドリンクを「ひどい」と酷評したカルロス・サインツJr.に対し、大会アンバサダーとして「彼にも責任がある」と指摘した。

    初開催されたマドリンクでは、予選でその高速かつ難易度の高いレイアウトが注目を集めた一方、決勝では追い抜きが極めて難しく、レース展開に対する厳しい評価が相次いだ。サインツJr.は追い抜きの問題だけでなく、高速のブラインド区間について安全面からも疑問を呈している。

    ロズベルグ「サインツも批判する必要がある」
    2016年F1ワールドチャンピオンで現在はSky Sports F1の解説者を務めるロズベルグは、マドリンクには明確な改善が必要だとしたうえで、その批判の矛先を大会アンバサダーのサインツJr.にも向けた。

    「カルロス・サインツはアンバサダーだった。だから、僕たちはカルロス・サインツも批判する必要がある」

    ロズベルグは、2027年のF1スペインGPに向けてレイアウトを見直し、少なくともひとつは明確なオーバーテイクポイントを作る必要があると訴えた。

    「来年に向けてコースレイアウトを見直して、ひとつでもいいから良いオーバーテイクの機会を作る必要がある」

    「このコースにはそれが必要だ。追い抜くのがあまりにも難しいからね」

    大会アンバサダーのサインツがマドリンクを酷評
    皮肉なのは、マドリンクに厳しい評価を下したサインツJr.自身が、大会アンバサダーとして新たなF1スペインGPのプロモーションに関わってきたことだ。

    サインツJr.は決勝後、マドリンクについて率直に「ひどい」と評した。

    「ジェッダやバクーと同じで、ひどいと思う」

    ただし、サインツJr.が特に強調したのは、決勝での追い抜き不足だけではなかった。FIAが近年の新しいサーキットで採用している方向性と、それによって生じる安全性の問題に目を向けている。

    「でも、FIAは今後の新しいサーキットについて、こういう方向に進んでいくことに満足しているように見える」

    「僕たちドライバーとしては、懸念というより、安全性をさらに改善していきたいという考えを伝えている」

    カルロス・サインツJr. マドリンク

    サインツ「270km/hで先が見えない」
    市街地と常設区間を組み合わせたマドリンクは、高速セクションに加え、バンク角24%を誇るラ・モニュメンタル(La Monumental)など特徴的なコーナーを備えている。

    その一方で、高速で通過しながら先を見通すことが難しいセクションもあり、サインツJr.は重大事故につながる可能性を懸念している。

    「僕たちはこういうサーキットへ向かっている。260km/h、270km/hで、先が見えないS字を走るというのは、間違いなく目を見開かされるものだ」

    「すべてがどれだけ安全なのか、疑問を持たざるを得ない」

    サインツJr.がジェッダとバクーを引き合いに出したのも、高速でありながら視界が制限される市街地コースという共通点があるためだ。自身もドライバーとして、こうした方向性についてFIAに改善を求めていると説明した。

    初開催で追い抜き不足が浮き彫り
    マドリンクのF1初開催に向けては大きな期待が寄せられていた。新設されたコースで過去のデータがなく、ドライバーやチームにとって未知の要素が多いことから、波乱のレースになる可能性も予想されていた。

    しかし、実際の決勝では追い抜きの機会が限られ、コース上でポジションを入れ替えることは容易ではなかった。キミ・アントネッリが優勝を飾ったものの、レース後にはマドリンクのレイアウトそのものを見直すべきだとの声が上がった。

    ロズベルグもその問題を認めており、サインツJr.を批判したのは、マドリンクに改善が必要ないと考えているからではない。むしろ、追い抜きを可能にする場所を作るべきだという点では明確だった。

    そのうえで、大会の顔としてマドリンクを後押ししてきたサインツJr.が、完成したコースを批判するだけでは済まされないというのがロズベルグの指摘だ。

    マドリンクはF1と10年間の開催契約を結んでおり、今後もF1スペインGPの舞台となる予定だ。初開催で浮き彫りになった追い抜きの難しさと安全面への懸念を受け、2027年に向けてはコースの一部を変更する動きも始まっている。

    アンバサダーのサインツJr.からも厳しい評価が飛び出したマドリンク。ロズベルグが指摘したように、主催者やFIAだけでなく、大会の顔を務めるサインツJr.が今後の改善にどのように関わっていくのかも注目される。

  • ハースF1 ピット設備の差で入賞逃す 小松礼雄「チームの責任ではない」

    ハースF1 ピット設備の差で入賞逃す 小松礼雄「チームの責任ではない」

    ハースF1は、2026年F1スペインGPでエステバン・オコンが11位に終わり、あと一歩のところでポイント獲得を逃した。チーム代表の小松礼雄は、アウディとのピットストップ勝負で順位を失ったことについて、クルーのミスではなく「改善する必要があるのは設備」と説明した。

    マドリンクで行われた決勝で、オコンはQ1敗退から巻き返し、ポイント圏内を争うところまで浮上。

    最終的にはニコ・ヒュルケンベルグに次ぐ11位となり、10位との差でポイントを逃した。オコン自身も「今日はポイントに値した」と悔しさを示している。

    オコン「ポイントに値するレースだった」
    オコンはミディアムタイヤでスタートすると、序盤から順位を上げ、アウディ勢との直接対決に持ち込んだ。

    「がっかりしている。僕たちはもっといい結果に値したし、今日はポイントを獲得するに値するレースだった」

    「スタートでは2台のアウディを抜くことが目標で、それは達成できた。彼らを後ろに抑えるのは難しいと分かっていたけど、ピットストップまでは抑えることができた」

    しかし、そのピットストップがレースの分岐点となった。

    ヒュルケンベルグはオコンの後方からピットに入ったものの、タイヤ交換を終えてコースへ戻った時点では両者の順位が逆転。アウディがピット作業でハースを上回り、ヒュルケンベルグが前に出た。

    オコンは自分の停止位置などに改善できる部分がなかったか確認する必要があるとしながらも、アウディの作業が速かったことを認めた。

    「ピットストップでポジションを失った。自分にもっとできたことがあったのか、もっといい位置に止めることができたのか、それは確認しないといけない」

    「自分としてはまずまずのストップだったと思っていたけど、彼らの方がいいストップをしたんだと思う」

    その後、オコンはヒュルケンベルグを追ったものの、オーバーテイクが難しいマドリンクでは再逆転できず、11位でチェッカーを受けた。

    「僕たちはコース上ですべてを出し切ったし、みんなを誇りに思う。Q1敗退からポイントを争うところまで戻ってきた。それはポジティブだし、残りのレースに向けても励みになる」

    小松礼雄「チームの責任だとは思っていない」
    小松礼雄は、ポイントまであと1ポジションという結果に悔しさを隠さなかった。

    「11位で終わったことには、みんな本当にがっかりしています。ただ、11位でこれだけ悔しがれるポジションまで戻ってきたというのは、すごくいいことだと思います」

    小松礼雄はマシンの状態やドライバー、レース運営については高く評価している。

    「マシンは非常にうまく機能していましたし、ドライバーもいい仕事をしました。現場とリモートのオペレーションも非常に良かったです。今日は自分たちにできることをやったと思います」

    そのうえで、ヒュルケンベルグとのポジション争いを決定づけたピットストップについて言及した。

    「アウディとのピットストップで負けました。ただ、あれがチームの責任だとは思っていません」

    「彼らにもっといいチャンスを与えるために、改善しなければならないのは設備の方です」

    つまり小松礼雄は、タイヤ交換を担当したメカニックの作業そのものを問題視しているのではなく、ピットストップを支えるハードウェア側に改善の余地があるとの認識を示した。

    ハースF1チーム

    アウディはピット作業で10位をつかむ
    一方のアウディ側も、ヒュルケンベルグの10位はピットクルーの仕事によって得られたものだったと強調している。

    ヒュルケンベルグはソフトタイヤでスタートし、VSCを利用してハードタイヤへ交換。オコンの後方からピットに入ったが、素早い作業によって前に出ることに成功した。

    ヒュルケンベルグは「あれがおそらく僕たちのレースで最も重要な瞬間だった」と振り返り、必要なトラックポジションを得られたことが10位につながったと説明した。

    アウディのレーシングディレクターを務めるアラン・マクニッシュも「今日の1ポイントはピットのチームがもたらしたと言わなければならない」と評価。オコンの後ろでピットインしながら前で送り出した作業を称賛した。

    ハースにとっては、まさにその差がポイント獲得の明暗を分けたことになる。

    「巨大なチーム努力」マシンには手応え
    それでも小松礼雄は、F1スペインGPの週末そのものについては前向きな評価を下した。

    「本当にうれしく思っています。チーム全体による非常に大きな努力でした」

    特に、VF-26が決勝を通じて安定して機能したことを収穫に挙げた。

    「マシンには一貫性がありました。以前のような問題もありませんでした。そこから学んでいく必要があります」

    オリバー・ベアマンはPUコンポーネント交換によってピットレーンからスタートし、16位。VSCのタイミングにも恵まれず、ポイント争いには加われなかったが、小松礼雄は「オリーも強くなって戻ってくると確信しています」と語った。

    「だから、ポジティブな週末だったと思います」

    Q1敗退からオコンをポイント争いまで押し上げ、マシンの安定性にも手応えを得たハースF1。一方で、アウディとの直接対決ではピット設備の差が結果を左右した。中団争いでわずかな差が1ポイントを左右するなか、小松礼雄が指摘したピット設備の改善も、今後の競争力を高めるための課題となりそうだ。

  • ランド・ノリス F1公式スポンサーに“反抗” コカ・コーラを飲み「好きなものを飲む」

    ランド・ノリス F1公式スポンサーに“反抗” コカ・コーラを飲み「好きなものを飲む」

    ランド・ノリスが、F1スペインGPの表彰式を前にコカ・コーラを飲んだことが、思わぬ騒動に発展している。F1の公式パートナーであるペプシコの競合ブランドがテレビ映像に映り込んだことで、FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)との間で商業的な問題に発展する可能性があるという。

    マクラーレンのランド・ノリスは、マドリンクで勝利を目前にしながら、タイミングの悪いバーチャル・セーフティカー(VSC)によって優勝のチャンスを失い、キミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペンに続く3位でフィニッシュ。

    その直後、表彰台に向かう前のクールダウンルームで起きた何気ない行動が注目を集めることになった。

    コカ・コーラの缶を手にしたノリスに注意
    レース後、ノリスは優勝したアントネッリと2位のフェルスタッペンとともにクールダウンルームに入った。そこでノリスが手にしていたのは、コカ・コーラの缶だった。

    しかし、現場にいた関係者から、コカ・コーラを飲むことは適切ではないとの指摘を受けたとされている。

    問題となったのは、単なるソフトドリンクの好みではなく、F1を取り巻くスポンサー契約だ。

    ペプシコはF1の公式商業パートナーであり、コカ・コーラはその直接的な競合企業にあたる。一方、コカ・コーラ傘下のモンスターエナジーはマクラーレンのパートナーでもあり、ノリスにとってコカ・コーラの商品を手にすること自体は不自然なことではない。

    ただし、テレビ中継されるレース後のセレモニーには厳格な商業上のルールが存在する。決勝、予選、スプリント終了後のセレモニーでは、公式シャンパン以外の飲料ブランドをチームやドライバーが目立つ形で露出させることは避ける必要があり、水のボトルについてもブランドが見えない状態にすることが求められているという。

    そのため、アントネッリとフェルスタッペンの間に座り、コカ・コーラの缶を持っていたノリスに対して注意が入ったようだ。

    ノリス自身も状況を察し、アントネッリに向かって冗談交じりにこう話した。

    「僕、怒られるかもしれない」

    だが、カメラの外で説明を受けても、ノリスは納得しなかったようだ。VSCによって勝利を逃したばかりだったこともあり、レース直後に飲み物をめぐる商業上の事情まで気にするつもりはなかった。

    ノリスは笑顔を浮かべながらも、苛立ちを隠さずに言い返した。

    「僕は今レースを終えたばかりなんだから、好きなものを飲む権利がある。どうもありがとう」

    この一言とともにコカ・コーラを飲むノリスの姿は、瞬く間にSNSで拡散された。

    SNSではノリスを支持する声
    ファンの反応は、ノリスを支持するものが目立った。普段はスポンサーやチーム、F1の商業的な事情を意識した発言を求められるドライバーが、その枠から一時的に飛び出した場面として受け止められたためだ。

    Redditでは「これこそマドリンクのハイライトだ」とする声が上がったほか、コカ・コーラを映さないようにしようとしたこと自体が、結果的にブランドへの注目を大きくしてしまったという皮肉を指摘するファンもいた。

    「皮肉なのは、彼にやめさせようとしたことで、さらに多くの人が注目することになったことだ。コカ・コーラにとって素晴らしい宣伝になった」

    また、普段よりも率直な姿勢を見せたノリスを歓迎する声もあり、「このランドは好きだ。キミがマックスとランドからメディア対応を学んでいくのは面白くなりそうだ」との反応も寄せられた。

    さらに、フェルスタッペンとレッドブルを絡め、「次のレースではマックスがレッドブルを6本パックで持ってくるだろう」と冗談を飛ばすファンも現れた。

    一方で、ノリスがこうした反応を示した背景として、直前のレース展開を挙げる声もある。マドリンクでノリスは勝利を狙える位置にいながら、VSCのタイミングによって大きな恩恵を得るはずだったピットストップの機会を失った。その直後だけに、飲み物についてまで指示されたことへの苛立ちもあったのではないかとみられている。

    マクラーレンに説明を求める可能性
    今回の件を扱うのは、競技規則を管轄するFIAではなく、F1の商業権を管理するFOMとなる。

    問題になるとすれば、なぜノリスがクールダウンルームにコカ・コーラの缶を持ち込むことができたのか、そしてなぜブランド名が見えないようにカバーなどが施されていなかったのかという点だ。

    マクラーレンに何らかの金銭的なペナルティが科されるかどうかは現時点では明らかではないが、少なくともF1側から経緯について説明を求められる可能性がある。

    皮肉なのは、スポンサーへの配慮からコカ・コーラの露出を避けようとしたことによって、映像がSNSで拡散され、結果的に通常以上の宣伝効果を与えてしまったことだ。

    F1スペインGPで勝利を逃したノリスだが、レース後には一缶のコカ・コーラをめぐって思わぬ形で注目の中心となった。「好きなものを飲む権利がある」という率直な反応はファンから支持を集める一方、F1とマクラーレンにとってはスポンサー契約というデリケートな問題を残すことになった。

  • アレクサンダー・アルボン ウィリアムズF1のアップデート切望「一刻も早く必要」

    アレクサンダー・アルボン ウィリアムズF1のアップデート切望「一刻も早く必要」

    アレクサンダー・アルボンは、2026年F1スペインGPを15位で終え、ウィリアムズが次戦アゼルバイジャンGPで投入するアップデートについて「一刻も早く必要だ」と語った。

    初開催となったマドリンクで、ウィリアムズは週末を通して厳しい戦いを強いられた。アルボンは現状のマシンから引き出せるものは最大限引き出したと考えているものの、中団勢と本格的に争うには依然としてペースが不足していると認めた。

    「予選ラップを何周も続けているようだった」
    アルボンはF1スペインGP決勝を振り返り、15位という結果が現在のウィリアムズにとって現実的な最大値だったと説明した。

    「難しいレースだったし、僕たちにとって厳しい週末だった。でも、今日望めたのはおそらくこれが最大限だったと思う」

    「アストンマーティンの2台とハースの1台を上回ることが、現実的に僕たちが最大化できるところだった。だから、それが今日の成果だった。でも、中団でちゃんと戦うにはまだ離れすぎているし、かなり厳しかった」

    アルボンはレース後のインタビューでも、マシンのペース不足を強調した。

    「正直、難しいレースだった。予選ラップを何周も何周も続けているような感覚だったのに、それでも十分に速くなかった」

    マドリンクでは追い抜きが難しく、純粋なペース不足を抱えるウィリアムズにとって順位を上げる機会は限られていた。チーム代表のジェームス・ボウルズも「今週末はペースがなかった」と認め、アルボンについては「週末を通してよくやったし、今日のマシンで達成できたベストの結果だった」と評価している。

    バクーでアップデート投入「一刻も早く必要」
    ウィリアムズにとって次の焦点は、アゼルバイジャンGPで投入予定のアップデートとなる。

    「バクーでアップデートが入る。うまくいけば、中団勢に対して僕たちを前進させて、少なくともその戦いの中に入れるようになると思う」

    アルボンは、そのアップデートを待ち望んでいるかと聞かれると、期待の大きさを隠さなかった。

    「そうだね。一刻も早く必要だよ。アップデートが必要なんだ」

    さらに、バクー市街地サーキットの特性そのものにも期待を寄せている。

    「バクーは普段なら僕たちに合っているサーキットでもある。だから、どうなるか見てみよう」

    ただし、アルボンは今回のアップデートだけでウィリアムズの勢力図が大きく変わるとは考えていない。

    「現実的には、完全に僕たちを前へ押し上げるほど大きなものではないと思う。でも、残念ながら僕たちの優先順位は来年へと移っている」

    「今年は中団のチームが普段より多くのアップデートを投入していて、開発競争がものすごく速いペースで進んでいる。そこは僕たちが改善することに集中している部分だ」

    アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ・レーシング)

    ボウルズも「バクーで小さな一歩」
    ジェームス・ボウルズも、アゼルバイジャンGPで予定しているアップデートがウィリアムズに一定の改善をもたらすことを期待している。ただし、シーズン終盤まで厳しい状況が続くとの見通しも示した。

    「非常に難しい一日だった。我々には今週末、ペースがなかった。幸い、バクーでは小さなステップが入るが、それでも年末まで厳しい戦いになるだろう」

    ウィリアムズは2027年に向けた開発へ重点を移しつつある一方、2026年シーズン残りのレースで中団勢との差を少しでも縮めることを目指している。

    マドリンクで「予選ラップを何周も続けても速さが足りなかった」というアルボンにとって、バクーはアップデートの効果を確認する重要な週末となる。もともとウィリアムズと相性が良いとみるサーキットだけに、新パーツが中団争いへ戻るきっかけになるかが注目される。

  • ランス・ストロール F1スペインGPでブレーキトラブル「ペダルが床まで入った」

    ランス・ストロール F1スペインGPでブレーキトラブル「ペダルが床まで入った」

    ランス・ストロールは、2026年F1スペインGPの決勝をブレーキトラブルによってリタイア。アストンマーティンのマシンについて「もっとパワーとダウンフォースが必要だ」と競争力不足を指摘した。

    マドリンクで行われた決勝で、ストロールは序盤にデブリによってマシンにダメージを負った。その影響を抱えながら走行を続けたものの、次第にブレーキペダルの感触も悪化。最終的にランオフエリアでマシンを止め、レースを終えることになった。

    ダメージで「40~50ポイントのダウンフォースを失った」
    ストロールによれば、序盤に受けたダメージは決して小さなものではなかった。

    「レースの序盤にダメージを負った。デブリもあって、たしか40~50ポイントくらいのダウンフォースを失ったと思う」

    さらに走行を続けるなかでブレーキにも問題が発生。ペダルのストロークが徐々に長くなり、最終的には正常な制動が難しい状態になった。

    「レースを通してブレーキペダルがどんどん長くなっていった。そして最後には、ペダルが床まで入ってしまった」

    ストロールはランオフエリアでロックアップした後、マシンの向きを変えて走行を再開しようとしたものの、それもかなわなかった。

    「ランオフでマシンの向きを変えようとしたけど、そのための十分なパワーがなくて、残念ながらそこでレースは終わった」

    ストロールがマシンを止めたことでバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。マーシャルがすぐに車両を移動できる場所だったことからVSCは短時間で解除され、そのタイミングは首位争いにも影響を及ぼした。

    ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    アストンマーティンには「もっとペースが必要」
    ただし、ストロールはリタイアの原因となったダメージやブレーキトラブルだけを問題視しているわけではない。F1スペインGPの週末全体を振り返り、アストンマーティンには根本的なパフォーマンス向上が必要だと強調した。

    「ダメージとか、そういうことは起こるものだ。僕たちがやらなければならないのは、もっとペースを見つけることだ」

    「そこが本当に大きなポイントだ。もっとパワーとダウンフォースが必要だ」

    初開催となったマドリンクで、アストンマーティンはフェルナンド・アロンソが17位、ストロールがリタイアと厳しい結果に終わった。

    ストロールにとって直接的なリタイア原因はブレーキトラブルだったが、レース後に強調したのはマシンそのものの競争力不足だった。パワーとダウンフォースの両面で改善が必要だとの認識を示し、アストンマーティンにとって課題の多いF1スペインGPとなった。

  • ルイス・ハミルトン F1スペインGPでブレーキ故障「優勝を争えるマシンだった」

    ルイス・ハミルトン F1スペインGPでブレーキ故障「優勝を争えるマシンだった」

    ルイス・ハミルトンは、2026年F1スペインGP決勝で今季初のリタイアを喫した。フェラーリのマシンには優勝を争えるだけの速さがあったと感じていただけに、序盤に発生したブレーキトラブルによる戦線離脱を悔やんだ。

    4番グリッドからスタートしたハミルトンは、ソフトタイヤで好発進を決め、ターン1への進入ではマックス・フェルスタッペンをかわした。

    さらにランド・ノリスとアンドレア・キミ・アントネッリにも迫る勢いを見せたものの、その直後からブレーキに異変が発生。わずか7周でピットに戻り、レースを終えることになった。

    好スタートで一時はトップ争い
    マドリンクで行われた57周の決勝で、ハミルトンはスタート直後から積極的な走りを見せた。

    ターン1までの加速でレッドブル・レーシングのフェルスタッペンを前に出て、フロントロウからスタートしたノリスとアントネッリにも接近。最終的には無理に仕掛けることを避けたが、フェラーリの競争力の高さを示す立ち上がりとなった。

    その後、フェルスタッペンがターン1をショートカットしたことで3番手を返されたハミルトンだったが、間もなくブレーキに異常を感じ始めた。

    無線ではウォールに接触したことも報告していたため、その接触によってブレーキトラブルが発生した可能性も考えられた。しかし、ハミルトンは接触より前から問題が起きていたと説明した。

    「実際には、その前からすでに起きていた」

    「ターン5でブレーキを踏んだら、最初はマシンが減速し始めたんだけど、そのあとペダルの感触が一段変わって、突然、通常ほど減速しなくなった」

    「かなりスピードを残したまま進入することになって、バリアに軽く触れてしまった。そのあとペダルはいったん戻ったけど、数コーナー後にはまたペダルが奥まで入るようになった。何が原因だったのかは本当に分からない」

    ターン20でコースアウトしてリタイア
    ブレーキの状態が安定しないハミルトンは、その後も順位を落としていった。

    さらにターン20では止まり切れずにランオフエリアへ大きく飛び出した。コースには復帰したものの、正常にレースを続けられる状態ではなく、7周を終えたところでピットに入り、そのままリタイアとなった。

    ハミルトンにとっては2026年シーズン初のリタイア。前日の予選ではポールポジション争いに加わり、4番グリッドを獲得していただけに、決勝でも上位争いへの期待は高かった。

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    「優勝を争えるマシンだった」
    フェラーリのもう1台を駆るシャルル・ルクレールは、セーフティカーの可能性を見越してタイヤ交換を遅らせる戦略を採用し、決勝では最多周回にわたってトップを走行。最終的には4位でフィニッシュした。

    ハミルトンは、週末を通してフェラーリのマシンに十分な競争力があったと評価している。

    「今週末はかなりいいマシンだった。本当にいいマシンだったと思う。これからも改善を続けていくし、今後もっといい結果が出てくると思う」

    一方で、優勝争いが可能だったと感じていただけに、ポイントを持ち帰れなかったことへの落胆は大きかった。

    「チームは素晴らしい仕事をしてくれた。だから今日は、チームが最大限のポイントを獲得できなかったことが悲しい」

    「今日は優勝を争えるマシンがあったと思う。でも、残念ながらうまくいかなかった」

    スタート直後には表彰台どころか優勝争いに加われる勢いを見せていたハミルトン。F1スペインGPはわずか7周で終わったものの、フェラーリのマシンそのものについては手応えを得ており、今後のレースでの巻き返しに期待を寄せている。

  • 角田裕毅 F1スペインGPでのサインツとの接触ダメージで「少なくとも0.5秒失った」

    角田裕毅 F1スペインGPでのサインツとの接触ダメージで「少なくとも0.5秒失った」

    レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインは、2026年F1スペインGP決勝で14位に終わった角田裕毅について、1周目のカルロス・サインツJr.との接触によるマシンダメージで「少なくとも0.5秒」を失っていたと明かした。

    角田裕毅はスタート直後のターン1でサインツJr.のウィリアムズと接触。マシンに大きなダメージを負った状態でレースを続けることになり、オーバーテイクが難しいマドリンクで挽回することができなかった。

    パーメイン「少なくとも0.5秒を失っていた」
    アラン・パーメインは、角田裕毅のレースについて、結果を大きく左右したのは1周目の接触だったと説明した。

    「裕毅のレースは1周目にカルロス・サインツJr.と接触したことで損なわれた。マシンにダメージを負い、それによって少なくとも0.5秒を失っていた」

    「その結果、全体として厳しいレースになった」

    角田裕毅自身も、ターン1での接触によってレースがほぼ決まってしまったとの認識を示している。

    「今日はまったく簡単ではありませんでした。ターン1でサインツと接触してかなりのダメージを負ってしまい、僕のレースはそこでほぼ終わってしまいました。ペースへの影響もかなり大きかったです」

    「ダメージを考えれば、ペース自体はそれほど悪くなかったと思います。ただ、スタートでいくつかポジションを失いましたし、ここはオーバーテイクがとても難しいので、それを取り戻すチャンスはあまりありませんでした」

    それでも角田裕毅は、復帰後のレースを最後まで走り切ったことを前向きに捉えている。

    「自分にできることはすべてやりましたし、またマシンに戻ってレースできたことを本当に楽しめました。今週末もチャンスを与えてくれたチームに心から感謝しています」

    角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    一方、チームメイトのアービッド・リンドブラッドは9位でフィニッシュし、レーシングブルズに2ポイントを持ち帰った。パーメインはチーム全体のパフォーマンスについては手応えを示している。

    「今日はアービッドがポイントを獲得して、かなり良い一日になった。ペースがあることには自信を持てる」

    初開催となったマドリンクについても「マドリードは素晴らしいサーキットだ。今後何年にもわたって、さらに人気が高まっていくと思う」と評価した。

    角田裕毅にとっては結果だけを見れば14位という厳しいF1スペインGPとなったが、パーメインが明かした「少なくとも0.5秒」という損失は、本来のペースを評価するうえで重要な要素となる。接触によるダメージを抱えながら走り切っただけに、次戦アゼルバイジャンGPではクリーンな状態でどこまでパフォーマンスを発揮できるかが焦点となる。

  • カルロス・サインツJr. アロンソとの接触で責任否定「無線で訴えられてペナルティ」

    カルロス・サインツJr. アロンソとの接触で責任否定「無線で訴えられてペナルティ」

    カルロス・サインツJr.は、2026年F1スペインGP決勝でフェルナンド・アロンソと接触した一件について、自身に大きな責任があったとの見方を否定した。5秒のタイムペナルティを科されたサインツJr.は、アロンソが無線で訴えたことが裁定につながったとの考えを示した。

    マドリンクで初開催されたF1スペインGPで、ウィリアムズのサインツJr.とアストンマーティン・ホンダのアロンソがコース上で接触。

    アロンソのマシンはダメージを負い、スチュワードはサインツJr.に5秒のタイムペナルティを科した。

    接触はアロンソがサインツJr.にオーバーテイクを仕掛けた際に発生した。両者が接近した状態でターン5へ向かい、サインツJr.とアロンソのマシンが接触。アロンソは直後の無線で強い不満を示した。

    しかし、サインツJr.はレース後、接触について自身に非があったとは考えていないと説明した。

    「特に言うことはない。右に曲がるあのコーナーの性質によるものだと思う。彼が無線で訴えて、それで僕にペナルティが科された。こういうケースではいつもそうなる」

    サインツJr.はこの時点でマシンにダメージを抱えており、安定性にも苦しんでいたという。

    「安定性がほとんどなくて、マシンをコース上にとどめておくのがすごく難しかった」

    そのうえで、接触が起きたターン5は2台が並んで通過するにはスペースが限られており、同様のインシデントが起こりやすいコーナーだと指摘した。

    「あのコーナーでは、これからもこういう接触は起こると思う。1台分のスペースしかなくて、2台分はない。右に曲がりながらミラーを見て、そのあと左に曲がることはできないから、前を見なければならない。フェルナンドが僕の横にいたとは思っていない」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    一方のアロンソはサインツJr.とは異なる見方を示している。接触後には無線で強く反応し、レース後にも高速域でのサインツJr.の動きを「不必要だった」と批判した。

    スチュワードは最終的にサインツJr.に5秒のタイムペナルティを科したが、サインツJr.はコーナーの特性に加え、ダメージによってマシンの安定性を失っていたことを説明。さらに、接触時にはアロンソが自分の横まで並んでいたとの認識もなかったとして、裁定への不満を隠さなかった。

    母国スペインのドライバー同士による接触となったが、アロンソがサインツJr.の動きを問題視したのに対し、サインツJr.はレーシングインシデントに近いものだったとの立場を示しており、両者の見解は最後まで食い違った。