カテゴリー: 佐藤琢磨

  • 佐藤琢磨、今シーズン自己ベストの4位フィニッシュ (インディカー)

    佐藤琢磨、今シーズン自己ベストの4位フィニッシュ (インディカー)

    佐藤琢磨は、インディカー第17戦ソノマの決勝レースを4位でフィニッシュした。

    予選20番手の佐藤琢磨は、最後列の1つ前であるグリッド10列目からスタート。レース中盤の30周目付近でも上位進出ができていなかった彼らは、フルコースコーション中に燃料補給のピットストップを繰り返し、レース再開後に少しでも長い距離を走ることでチャンスをつかむ作戦に出た。

    佐藤琢磨は燃費をセーブするテクニックを駆使。それが功を奏し、37周目のフルコースコーションでトップグループがピットになだれ込むと、コース上に残って5番手まで大きくポジションアップ。まだレースは50周近く残っていたが、ファイナルプラクティスのあとに施した新しいマシンセッティングがよかったことで、佐藤琢磨はトップグループと同等のラップタイムを刻み続けた。

    そして、燃費の心配がなくなったゴール前5周でアタックを開始。目の前を行くマシンをパスし、最終ラップに1台がスローダウンしたことから、スタート位置から16ポジションも順位を上げ、今シーズンの自己ベストとなる4位でのゴールを成し遂げた。

    佐藤琢磨 (4位)
    「4位でゴールでき、とてもハッピーです。チーム全体の力で勝ち取った好結果だと思います。午前中のファイナルプラクティスではまたもや不運に見舞われ、エンジンを交換してレースに臨むこととなりました。短時間でのエンジン交換で、クルーたちは完ぺきな仕事をしてくれて、レースでのマシンはとてもいい仕上がりになっていました。スタート直後のアクシデントでタイヤにダメージを受けながら、リードラップに残ることができ、フルコースコーションでは何度もピットインして燃料を注ぎ足し続ける作戦を採用しました。ラリー・フォイトとエンジニアたちが考え出した作戦でした。クルーたちのピットストップも本当にすばらしかったです。残念だったのは最後のピットストップで後ろからピットインしてきたマルコ・アンドレッティと接触しないよう、作業を終えていたのにダッシュするのを待たねばならず、そこでタイムをロスしてしまったことです。それでも、我々はコース上で何台ものライバルをオーバーテイクできましたし、Hondaエンジンがレース終盤に高性能を発揮してくれ、上位フィニッシュを達成できました。ファイナルプラクティスでの少ない周回の中で好感触を得たマシンセッティングに少し変更を加えた結果、決勝でのマシンは、競争力のあるものになっていました。完全に満足のいく最高のマシンというわけではありませんでしたが、グリップの低いコンディションに合っており、ライバルたちと同等か、少し速いペースを保ち続けることができました。レースの後半は燃費セーブが大変な状況でしたが、目指す数字を実現でき、最後に燃料の心配がなくなったところで前を行くマシンをオーバーテイク。20番グリッドからの4位フィニッシュをチームとともに喜んでいます」

  • 佐藤琢磨、ソノマの予選は20番手 (インディカー)

    佐藤琢磨、ソノマの予選は20番手 (インディカー)

    佐藤琢磨は、インディカー第17戦ソノマの予選を20番手で終えた。

    佐藤琢磨は、午前中のプラクティスで1分18秒8442、午後のプラクティス2で1分19秒5128を記録し、2セッションの総合で13番手につけていた。

    ソフトタイヤを使うことのできる予選に向けてセッティングを変更した佐藤琢磨は、第1セグメント第2グループでの戦いで1分18秒4104のベストタイムをマーク。今週末の自己ベストとはなったが、第2セグメントへの進出はならず。

    予選結果が20番手と決まった佐藤琢磨は、明日のレースを前に行われるファイナルプラクティスで更なるセッティングの変更をトライし、後方グリッドからの上位フィニッシュを目指す。

    佐藤琢磨(20番手)
    「予選の第1セグメントをまずはハードタイヤで走り始め、5番手につけました。そこでピットに入ってソフトタイヤに交換し、アタックを再開しました。ハードタイヤではまずまずのフィーリングで走ることができていたのですが、ソフトタイヤでは期待した通りのグリップが獲得できておらず、思いきってアクセルを踏んでいく走りができませんでした。予選20番手は悔しい結果です。明日のファイナルプラクティスに向けてはエンジニアとデータをもう一度じっくりと見直し、マシンを改善してレースを迎えるようにしたいと思います」

  • 佐藤琢磨 「苦しいレース展開となったことは本当に残念」

    佐藤琢磨 「苦しいレース展開となったことは本当に残念」

    佐藤琢磨が、インディカー 第16戦 ミルウォーキーのレース週末を振り返った。

    ベライゾン・インディカー・シリーズのミルウォーキー戦も、佐藤琢磨にとっては不本意な結果に終わった。2014年シリーズでいく度となく経験した絶望的な事態こそ起きなかったが、力強くレースを戦うために必要なちょっとした運もとうとう巡ってこなかった。

    ABCサプライ・ウィスコンシン250が開催されたミルウォーキーは、これまで佐藤琢磨が何度も速さをみせつけてきたコースなので、もしもちょっとした運さえ手に入れることができれば、望みどおりの結果が得られたことだろう。そうした思いがあったので、この伝統的なサーキットでの戦いを前にして、佐藤琢磨たちは大いなる希望を抱いていた。

    プラクティスでは、目の覚めるような結果こそ残せなかったものの、納得のいく進歩を果たすことができた。

    「週末の滑り出しは、あまりいいものではありませんでした」と佐藤琢磨は振り返る。

    「2ヶ月前にテストしたときとはコンディションが大きく異なっていたのです。このテストでは、昨年のものから一新したとてもいいセットアップが見つかったので、そこからさらに速くする方法が見つかると考えていました。テストのときは気温が低く、様々な比較テストを実施できました。ところが、レースウィークに入ると気温はとても高くなっており、デグラデーションによりタイアの性能がひどく落ち込むようになっていたのです」

    「その後も僕たちはいくつかのテストメニューに取り組みました。フリープラクティス1では評価を下すのが難しい状況でしたが、2回目のセッションでは大幅な進歩が見られました」

    2周の平均スピードで競われる予選で、佐藤琢磨は10番グリッドを手に入れる。

    「もっといい結果が出せたかもしれません。コースコンディションはまたしても変わっていました。夕方の予選でしたが、まだ日は高く、けれども路面温度は急激に下がっていたのです。プラクティスではスタビリティが不足していましたが、予選ではアンダーステアのことだけを考えればそれで充分でした。つまり、リアのスタビリティが改善されたわけで、これは喜ばしいことです。プラクティスの段階では、全開でこのコースを走るのはおそらく不可能だと思っていましたが、実際に予選が始まってみると、スロットルを戻さなければいけないのはアンダーステアへの対処が必要なときだけで済みました」

    「だから、トップ10で予選を終えられたことを喜んでいましたし、セットアップの働きにも満足していました。つまり、いい手応えを掴んでいたのです」

    不運にもスタート直後のターン4で大きなスライドを喫したためにスピードが大幅に低下、おかげで最初のスティントでは19番手まで沈み込んでしまう。さらに悪いことに、佐藤琢磨の友人であるジャスティン・ウィルソンが16番手につけていたのだが、彼のペースが上がらず、最初のピットストップをグリーンのまま行うまで、佐藤琢磨もその後ろに一列縦隊で並ぶことになってしまった。このとき、もしもイエローが提示ささればもっといい流れになっただろうが、ここでも佐藤琢磨には“ちょっとした運”が欠けていた。

    「残念なことにホイールスピンを起こしてしまいました。ギアは2速でしたが、ほとんど3速のスピードが出ていたので、本当に驚きました! このときもまだリアタイアが充分温まっていなかったようです。大きく順位を落としたことで、とてもがっかりしました。今年は、本当にオーバーテイクが難しい状況でした。ものすごくコンペティティブかつ僅差の戦いで、誰かを追い越すのは不可能も同然だったのです。1セット目のタイアを履いているとき、マシーンはひどいアンダーステアを示していたうえ、イエローが出ることもありませんでした。タイアが新しいときはいいペースを保てましたが、それは誰にとっても同じことです」

    トップを走るウィル・パワーのペースは速く、ピットストップが行われている間に佐藤琢磨はラップダウンとなってしまう。続く第2スティントではロシア人ルーキーのミハイル・アレシンとバトルを演じ、2回目のピットストップが始まる前にいくつかポジションを上げることに成功する。

    3セット目のタイアを履いて走行しているとき、カルロス・ムニョスがウォールと接触したため、待望のイエローが提示される。だが、ここでもまた“ちょっとした運”が欠けていた。パワーはピットストップせず、ステイアウトを選んだのである。このため、ラップダウンになっていたドライバーがリードラップに返り咲くチャンスは失われてしまった。佐藤琢磨は、ここで多くのドライバーと同じようにピットストップを行い、17番手でコースに復帰することとなる。

    レース終盤にもう1度イエローコーションとなり、佐藤琢磨は15番手まで挽回した。ここで佐藤琢磨は目覚ましいスピードを示し、1周もしくは2周先を走っているドライバーを何人もオーバーテイクした。さらには、3番手争いをするジョセフ・ニューガーデンやトニー・カナーンと一緒に走ることもあった。

    「ウィルがステイアウトしたためにリードラップに復帰できなくなったことは本当に辛かった。ひとたびラップダウンになると、たとえどんなことをしてもリードラップに返り咲くのは至難の業です。路面コンディションが期待していた方向に近づくとペースは上がり、僕たちのマシーンがとてもいい仕上がりであることがわかりました。けれども、オーバーテイクがものすごく難しいことには変わりありません。今日のレースでは、コース上のポジションがすべてでした」

    「レースを通じて僕たちの燃費は良好で、今日はタイアのせいで誰もがピットストップしなければいけなくなりました。ニュータイアのほうが1秒ほどラップタイムは速かったため、スティントを長引かせると、かえって順位を落とすことになりました。1度だけピットストップ中のタイア交換に手間取ったことがありましたが、それを除けば、メカニックたちはいい仕事をしてくれたと思います。いずれにしても、とても残念な週末でした。ABCサプライは1400人もの家族や関係者を招待し、彼らは熱心に声援を送ってくれたので、苦しいレース展開となったことは本当に残念でした」

    立て込んだスケジュールのインディカー・シリーズは間もなく幕を閉じるが、それで佐藤琢磨のシーズンが終わるわけではない。最終戦のひとつ前にあたるレースがカリフォルニア州のソノマで行われるが、これに先だって佐藤琢磨はイギリスに飛び、スーパーアグリF1チームの懐かしい面々と再会を果たす。新たに始まるEVレースのフォーミュラEのテストがドニントンパークで行われるが、これにアムリン・アグリと名前を変えたチームが参加し、火曜日に佐藤琢磨を走らせることになったからだ。それが終わると琢磨は再び飛行機に飛び乗り、ソノマを目指す予定である。

    「去年はソノマで苦戦しました。でも、僕たちのロードコース用セッティングは進化しているので、今回はこれが役に立ってくれることを期待しています。きっと、僕たちはいい戦いができるはずです」

  • 佐藤琢磨、ミルウォーキーの決勝レースは15位 (インディカー)

    佐藤琢磨、ミルウォーキーの決勝レースは15位 (インディカー)

    佐藤琢磨は、インディカー第16戦ミルウォーキーの決勝レースを15位で終えた。

    予選10番手だった佐藤琢磨は、最初のスタートへと加速していったターン4でリアを大きくスライドさせ、18番手まで後退。フルコースコーションが1度しか出されなかったレースでは遅れを取り戻すのが大変難しく、辛抱強く走り続け、ピットストップでセッティング変更を施してマシンを改善したが、15位でのゴールとなった。

    佐藤琢磨(15位)
    「とても残念なレースになりました。最初のスタートでリアのグリップを失い、マシンが大きくスライドしました。ほとんどスピンしてしまいそうなぐらいでした。そのためにポジションを大きく落とし、路面が滑りやすい状態だった序盤にはポジションばん回も難しい状況となりました。レース中盤にはマシンを向上させていくことができ、ペースも上がっていきました。しかし、すでに周回遅れに陥っていたため、だれかをパスすることができても、それが順位の上昇にはつながらないことが多くなっていました。自分自身、いいレースを戦える自信を持っていたミルウォーキーだけに、今日の戦いぶりは悔しいですね。次はカリフォルニア州ソノマでのレースです。プラクティス時間も短い2日間のイベントとなるため、最高のマシンを持ち込み、最初のプラクティスから速さを発揮できるよう、エンジニアとセッティングの検討を行いたいと思います」

  • 佐藤琢磨、ミルウォーキーの予選は10番手 (インディカー)

    佐藤琢磨、ミルウォーキーの予選は10番手 (インディカー)

    佐藤琢磨は、インディカー第16戦ミルウォーキーの予選を10番手で終えた。

    佐藤琢磨は、午前中のプラクティス1では16番手だったが、プラクティス2では暑さの中で自己ベストのラップタイムを更新して8番手につけた。

    予選ではいくぶん涼しくなったコンディションにマシンのセットアップを完全に合わせ込むことができなかったが、レース用セッティングでのマシンの仕上がりには好感触を得ている。

    佐藤琢磨(10番手)
    「ミルウォーキーは本当に楽しいコースです。ドライバーにとって、挑戦のしがいがあるコースです。とてもいいコンディションが整わない限り、全開でコースを1周するのは不可能です。このコースを速く走るためには多くの要素を整えねばなりません。今日のミルウォーキーは暑さに見舞われ、プラクティスではマシンの調整がとても難しく感じました。6月に試すことのできなかったセッティングも今日はトライし、予選を迎えるまでにマシンの仕上がり具合を向上できました。予選でも自分たちが大きな進歩を遂げていることが証明できました。フロントローに近いところまでの速さではなかったですが、マシンに安定感を求め、それを手にすることができていると思います」

  • 佐藤琢磨、接触&ガス欠も18位完走 (インディカー)

    佐藤琢磨、接触&ガス欠も18位完走 (インディカー)

    佐藤琢磨は、インディカー 第15戦ミッドオハイオの決勝レースを18位で終えた。

    21番グリッドの佐藤琢磨は、得意のスタートでポジションを上げたが、その直後に目の前でアクシデントが発生し、マシンにダメージを受けた。それでもピットでフロントウイングを交換してレースへと復帰。上位陣とピットタイミングを変えてチャンスを作り出す作戦だったが、32周目にガス欠でストップ。インディカーのセーフティクルーたちにけん引されてピットに戻った。

    給油を行うとマシンは息を吹き返し、1ラップ遅れでゴールまで完走。結果は18位だった。

    なお、レースは最後尾22番グリッドからスタートしたスコット・ディクソンが優勝。ミッドオハイオでのレースでは作戦が大きなインパクトを持つことが少なくないが、今日のレースではトップグループとピットタイミングをずらすために入った31周目のピットストップが大逆転を実現させるポイントだった。37周目にフルコースコーションが出されると、ライバル勢全員がピットに向かう中、ディクソン一人だけがコース上に残り、一台もコース上でパスすることなくトップに躍り出ることとなった。幸運も味方につけての勝利ではあったが、不利を有利へと変える作戦を利用した戦いもインディカーならではのレースと言える。

    佐藤琢磨(18位)
    「スタートで3台はオーバーテイクしたと思います。ところが、目の前でアクシデントが発生し、横にマシンがいたためにラインを変えることもできず、行き場を失って止まっていたマシンにぶつかりました。それでもウイングを交換してレースに復帰できました。その後は気を取り直して追い上げを開始するつもりだったのですが、マシンのハンドリングが万全ではなく、ペースが上がりませんでした。さらにはガス欠に陥ってストップ。あのイエローが出たラップでピットに入る予定にしていたのですが、少しだけ燃料が足りませんでした。午前中のファイナルプラクティスで速かったマシンが、決勝では少しスピードがなくなっていました。その点を次のロードコースでの戦いでは改善しなければなりません。次戦はショートオーバルのミルウォーキーです。そちらでももちろんがんばります」

  • 佐藤琢磨、スピンを喫して予選21番手 (インディカー)

    佐藤琢磨、スピンを喫して予選21番手 (インディカー)

    佐藤琢磨は、インディカー第15戦 ミッドオハイオの予選でスピンを喫し、21番手から決勝に挑むことになった。

    佐藤琢磨は、ミッドオハイオで2010年に予選3番手、2011年に決勝4位という成績を残している。事前に行ったテストで好感触を得ていた佐藤琢磨は、得意のウエットコンディションとあって上位グリッド獲得が期待できる状況だった。

    しかし、第1セグメントの第1グループでスピン、そのスピンで赤旗が出されたために走行を続けられず、計測ラップなしとなり、予選結果は21番手だった。

    佐藤琢磨(21番手)
    「予選の前に行われたプラクティス3でマシンのセッティングがあまりよくなかったため、予選がウエットコンディションになったのは幸運と見ていました。予選が始まってみると、コースはものすごく滑りやすい状態でした。計測開始直後に赤旗が出され、予選が再開されたときにはもう残り時間が少なくなっていまいた。それもあって少しプッシュ気味に走っていましたが、アウトラップでスピンし、予選に再び戻ることができなくなってしまいました。エンジンはかかったままだったのでピットに戻ろうとしたのですが、ギアが3速にスタックし、しばらくするとプログラムによってエンジンがストップしたのです。明日は最後列グリッドから精一杯の走りで追い上げ、一つでも上位のポジションでフィニッシュしたいと思います」

  • 佐藤琢磨、プラクティス初日に3番手タイムをマーク (インディカー)

    佐藤琢磨、プラクティス初日に3番手タイムをマーク (インディカー)

    佐藤琢磨は、インディカー第15戦 ミドオハイオのプラクティス初日に3番手タイムをマークした。

    ホンダ・インディ200のプラクティス初日は、晴天のもと、ミドオハイオ・スポーツカー・コースで行なわれた。

    午前中のセッションで12番手となった佐藤琢磨は、午後のセッションで3番手へと躍進。しかも、午前中からタイムを伸ばしたドライバーは佐藤琢磨を含めてたったの5人しかいなかった。

    午後のセッションで佐藤琢磨がマークしたスピードは121.495mph(約194.4km/h)で、トップとのタイム差は100分の8秒でしかなかった。

    佐藤琢磨
    「今日の路面コンディションはとても滑りやすく、グリップが低くて、先週行ったテストのときと比べると油が浮いているような印象を持ちました。それでも、僕たちは内容の濃いテストを行ない、たくさんのことを学びました。その結果が今日のプラクティスに現れていると思います。ABCのマシーンはこのようにトリッキーなコンディションでもとても好調でした。明日は天候もトリッキーなものになりそうですが、日曜日には間違いなくコース全体のグリップが上がるはずで、まったく状況は変わってくるでしょう。今日、グリップのやや低いコンディションで僕たちは少し苦しみましたが、いまはとてもいいポジションにいるので満足しています。明日もより高いスピードを追い求めて作業を続ける予定です」

  • 佐藤琢磨 「とうとう、僕の悪運も尽きたようです」

    佐藤琢磨 「とうとう、僕の悪運も尽きたようです」

    佐藤琢磨が、ダブルヘッダーでトロントで開催されたインディカー第13・14戦のレース週末を振り返った。

    トロントで行なわれたベライゾン・インディカー・シリーズのダブルヘッダー戦において、No.14 AJフォイト・レーシング・ダラーラ・ホンダを駆る佐藤琢磨はレース2で5位フィニッシュを飾り、今シーズン・ベストの成績を挙げた。これまで6戦続けて信じられないような不運に見舞われ、完走を果たせなかった佐藤琢磨にとっては何よりも嬉しい結果だったといえる。

    カナダのオンタリオ州で迎えた日曜日の午後、佐藤琢磨はようやく不幸の連鎖を断ち切ることができたが、そこに何かの前兆があったわけではない。むしろ、この週末の始まりにおいても、佐藤琢磨の身にはインディカー・シリーズでは通常起きえないような不運が立て続けに襲いかかっていた。

    2回目のフリープラクティスで12番手となった金曜日の滑り出しでさえ、良い流れというわけではなかった。

    「昨年開発を進めていたセットアップをベースにしたマシンをトロントに持ち込みまし。けれども、今シーズンのセッティングは常に変わり続けています。マシンはまずまずの仕上がりでした。いくつかのことを試したところ、いずれもいい結果が得られました。バランスやグリップに関しては、それほどよかったわけではありませんが、悪かったわけでもありません。1回目のフリープラクティスはまずまずの結果でしたが、2回目のプラクティスでは何度も赤旗が提示され、思ったように走り込むことができませんでした。おかげで十分に確認できないまま、少し想像を交えて予選に臨むことになり、このため難しい状況に立たされました」

    佐藤琢磨は強敵揃いの予選グループから出走することになった。このためトップ6に食い込むことはできず、予選グループ内の8番手となり、15番グリッドからスタートすることが決まった。

    「僕たちのマシンは進化し、トップグループに近づいていました。フリープラクティスのときと比べれば、トップとの差はずいぶん縮まりましたが、それでもスピードはまだ不足していました。僕の予選グループには強力なドライバーが揃っていて、コンマ2秒ほどの差でセグメント2への進出を逃しました。もしも、もうひとつの予選グループから出走していたら、僕はセグメント2に駒を進めることができたはずです」

    土曜日の午後には雨が降り、レース1を日曜日に延期するのを決定するまでに長い時間を要した。ライアン・ブリスコー、ウィル・パワー、ファン-パブロ・モントーヤらがセーフティカーラン中にスピンを喫した為、佐藤琢磨は12番手までポジションを上げたが、結果的に雨のなかでレースを戦えなかったことで佐藤琢磨は落胆することになる。

    「ヒューストンのときのように雨のなかでレースができれば、もちろんよかったですよ。ところが、オーガナイザーはまずグリッドにコーション・ライトを追加設置するためにスタートを延期しました。スタンディングスタートでエンジンをストールさせると、特に雨のなかではとても危険な状況になるというのが、その理由でした。続いて彼らはスタンディングスタートの実施を取りやめました。これも順位を上げるには絶好の機会だったので、僕は早くもがっかりしていました」

    「水たまりもなく、川のように水が流れている部分もなかったので、ウェットレースを行なうには最適なコンディションでした。けれども、視界だけは大きな問題でした。僕は路面から立ち上る水煙の激しさに驚かされました。90mph(約144km/h)で走るセーフティカーの後ろを走っていてもまるで前が見えません。しかも、セーフティカーでさえスピンしてしまったのです! 僕にとってレースが延期されたのはとても残念でしたが、安全性の問題に対して異論を唱えることはできません」

    さらに残念なことに、日曜日に延期されたレース1では、オープニングラップでルカ・フィリッピがシモン・パジェノーをスピンに追い込むアクシデントが発生してしまう。

    「またしても行き場のない不運に見舞われるなんて、信じられませんでした。僕は、多重アクシデントが起きそうなターン1からターン3までを慎重に通過しました。ところが、ターン4を通り過ぎたところで何かが舞い上がり、煙が立ち上っているのが見えました。そこでまずはブレーキングし、事故を避ける準備をしましたが、僕が事故現場に着いたときにはすでに2、3台のマシンがコースを塞ぐようにして止まっていました。これで僕もマシンにダメージを負いましたが、さらに悪いことに、サイモンがスピンターンしようとして僕のマシンに突っ込んできたのです。まったく、ひどいことでした」

    「メカニックたちがピットでマシンを修理してくれました。彼らは素晴らしい仕事をしてくれて、マシンに問題がないかどうかを確認するために10周ほど走ることができました」 ピットで長逗留した佐藤琢磨は、その日の午後に行われるレース2に備えてマシンが万全の状態にあることを確認するために周回を行なったのである。

    日曜日にレース1を行なうことになった影響で、レース2の予選はキャンセルされ、スターティンググリッドはチャンピオンシップのポイントランキングで決めることとなった。ここのところ不運続きだった琢磨にとって、これはさらに悪い展開といえた。

    「どうやら不運の連鎖はまだ終わっていなかったようです!」 佐藤琢磨は冗談めかしてそう言った。

    「僕は最後列のグリッドからのスタートで、これもまったくいいことではありません。しかも、グリッドについてみると、スタートの合図を示すライトが見えないことに気づきました。仕方ないので、他のドライバーが発進したのを見てからスタートすることにしました」

    「それでも、僕たちはいくつかのプランを用意していました。スタートではもちろん柔らかめのレッドタイアを装着しました。レッドタイアは、最初は速いものの、すぐにデグラデーションが起きてしまいます。燃料の面からいえば1ストップ作戦も可能でしたが、敢えて2ストップとしてレッドタイアで走る周回数を減らすという考え方もありました」

    間もなく、カナーンがターン3を直進してしまったためにイエローが提示される。

    「最初のイエローのタイミングでピットストップを行うこととし、素早くタイア交換の義務を終了させることにしました。ただし、僕たちは、グリーンフラッグが提示されるときにピットに戻るという変則的な戦略を採ることになってしまったため、コースに復帰したときには20秒以上の遅れをとっていました。でも、これは問題ありません。なぜなら、この後で判断の難しい空模様になることがわかっていたからです。そして、本当に雨が降り始めました」

    コースが少し濡れ始めたところで、クラッシュしたモントーヤにミハイル・アレシンが突っ込んでいったため、再びイエローが提示された。

    「チャンスがやってきたことを嬉しく思っていました。僕たちがレインタイアを装着すると雨脚はさらに強くなりましたが、僕たちは戦略的にもポジション的にもいい位置につけることができました」

    「トロントの路面は信じられないほど滑りやすいのですが、アスファルトが滑りやすいだけではなく、コンクリートの部分は表面の凹凸がないために雨に濡れるとツルツルになっています。このため、まったくグリップすることができず、まるで氷の上でスケートしているような状態になります。そこでウェットでは、走行できるラインは1本だけになり、アスファルトの上だけを走るようにします。マシンのバランスはあまりよくありませんでしたが、とにかく順位を守ることはできました。その後、スリックタイアに戻しましたが、レースはとても荒れた展開になりました」

    佐藤琢磨は冷静に、少しずつ順位を上げていった。

    「リスクにかける必要はまったくありませんでした。とにかく100%確実な走行に努めました。ところが、リスタート直後のターン3でレイホールが追突してきたため、コーナーの出口でトラクションを失う形となります。とにかくものすごい接近戦で、タイトなヘアピン・コーナーでは誰もがサイド・バイ・サイド、テール・トゥ・ノーズとなっていました。このため、ひとたび勢いを失うと、いくつも順位を落とすことになりました」

    レースが残り数周となったとき、ターン3で大事故が起きたが、奇跡的にも佐藤琢磨はこれを避け、インサイドのラインを走っていくつも順位を上げることに成功する。

    「引き続き接近戦となっていましたが、目の前でアクシデントが起きたとき、ついに僕はどちらに進むべきかを選ぶことができました。ここで僕は、スピンして行くマシンとウォールの間にちょうど1台分のすき間が生まれそうなことに気づき、イン側を走ることにしたのです」

    レースがイエローのまま終わるのを防ぐため、直ちに赤旗が提示された。そして7番手でレースに復帰した佐藤琢磨は、リスタート後にさらに2台を攻略し、賞賛に値する5位でチェッカードフラッグを掻い潜ったのである。しかも、これはホンダ・ドライバーのなかでベストの成績だった。

    「とうとう、僕の悪運も尽きたようです。本当にこれでほっとしました。特に、最後尾からスタートして5位でフィニッシュできたことに満足しています。チームの仕事ぶりは最高で、ピットストップではメカニックたちが目覚ましい働きをしてくれました。どんなときでもモチベーションを失ったことのない彼らは、最後のピットストップでポジションをふたつも上げるのに貢献してくれました。状況を考えれば、今日の5位は本当に素晴らしい結果です。ようやくいいレースを戦えたことをとても嬉しく思っています」

    「トロントにやってくるのをいつも楽しみにしていました。素敵な街で、素晴らしいレストランがたくさんあり、カナダ人ファンの皆さんは最高です。F1の頃はモントリオールでレースが行われていましたが、そこでもファンの皆さんは熱狂的で、どのチーム、どのドライバーにも熱心に声援を送ってくれました。でも、僕はトロントでいい成績を残したことがありません。だから、ここにくるときは少し不安もありましたが、ついにいい成績を収めることができました」

    トロントのレースを終えたインディカー・シリーズの一団は、1週間の休みをとった後、ミドオハイオで開催されるロードコースに臨む。

    「シーズン最後の数戦を本当に楽しみにしています。そして、このいい流れが今後も続くことを期待しています。今週はミドオハイオでもテストを行う予定なので、いい結果が得られることを楽しみにしています」

  • 佐藤琢磨、今シーズンの自己ベストとなる5位 (インディカー)

    佐藤琢磨、今シーズンの自己ベストとなる5位 (インディカー)

    佐藤琢磨は、インディカー第14戦トロントの決勝レースで今シーズンの自己ベストとなる5位でゴールラインを切った。

    カナダ最大の都市トロントでのダブルヘッダーは、土曜日に予定されていたシリーズ第13戦が雨で延期になり、日曜日に2レースが行われる異例のスケジュールとなった。

    どちらのレースも周回数は85周から65周に減らされたが、2レース目として開催されたシリーズ第14戦は途中から雨に見舞われ、フルコースコーションも多発。「80分を越えてからは新しい周回に入らない」というあらかじめ設定されていたルールが適用され、56周でゴールとなった。

    第13戦の決勝が日曜日に開催されたことにより、第14戦の予選は実施せず、代わりに第12戦アイオワ時点でのチャンピオンシップポイントの順でグリッドが決まった。夕方の4時過ぎ、メインストレート上に並んだ23台のマシンは、スタンディング方式でレースのスタートを切った

    全員がドライタイヤを装着して始まったレースは、10周を過ぎたところで小雨が降り始め、一転してウエットタイヤが有利な状況となった。そして、レースが終盤に入った40周目過ぎに路面が乾き、ドライタイヤの方が速く走れるコンディションに変わった。コース状況が大きく変化したレースは、アクシデントの多発によるフルコースコーションの影響で65周ではなく、80分間でゴールが迎えられることとなった。

    その結果、タイヤ交換をタイミングよく行う判断を下したチームと、グリップが低い路面でのドライビングで優れていたドライバーのコンビネーションが活躍した。ゴールを目前にして7台以上が絡む多重アクシデントが発生し、フルコースコーションのままゴールとならないよう、赤旗が出された。レースの最後は、残り3周でのスプリントが繰り広げられるエキサイティングでドラマティックな戦いとなり、後方22番グリッドからスタートした佐藤琢磨が、攻撃性と冷静さの両方を保ってバトルをし続け、今シーズンの自己ベストとなる5位でゴールラインを切った。

    佐藤琢磨 (5位)
    「不運がずっと続いていましたが、チームはモチベーションを失くすことなくがんばり続けてくれていました。そして今日、トロントでのレース2で私たちは力を取り戻し、よいレースを戦えたと思います。天候によって路面が変化し、ドライからウエットへ、そしてまたドライへとタイヤを交換しての複雑な戦いになっていましたが、レース中盤にポジションを上げ、ピットクルーたちの素早く確実な作業もあって、レース終盤にはさらに上位へと進出することができました。Honda勢のトップとなる5位でフィニッシュできたことをとてもうれしく、そして誇りに感じます。今日のこのレースで不運は完全に吹き飛ばせたでしょうから、次戦からのシーズン終盤戦では、さらに力強い戦いぶりを見せていきたいと思います」