佐藤琢磨が、インディカー 第5戦 インディアナポリスのレース週末を振り返った。
ベライゾン・インディカー・シリーズ第5戦インディ・グランプリの予選で不本意な22位となったとき、佐藤琢磨は決勝レースにもこの不運が持ち越されるだろうと思わずにはいられなかった。
だが、今回は違った。それどころか、佐藤琢磨は幸運にも恵まれて今シーズン初のトップ10フィニッシュを果たし、AJフォイト・レーシング・ダラーラ・ホンダを9位入賞に導いたのである。

佐藤琢磨が、インディカー 第5戦 インディアナポリスのレース週末を振り返った。
ベライゾン・インディカー・シリーズ第5戦インディ・グランプリの予選で不本意な22位となったとき、佐藤琢磨は決勝レースにもこの不運が持ち越されるだろうと思わずにはいられなかった。
だが、今回は違った。それどころか、佐藤琢磨は幸運にも恵まれて今シーズン初のトップ10フィニッシュを果たし、AJフォイト・レーシング・ダラーラ・ホンダを9位入賞に導いたのである。

佐藤琢磨は、インディカー 第5戦 インディアナポリスの決勝レースを9位でフィニッシュした。
グリーンフラッグの1時間ほど前に小雨が降り、レース中に雨が降る可能性も予報では伝えられていたが、幸いにも好天が保たれ、ハイスピードでの激しいバトルが大勢のファンの前で繰り広げられた。
スタート直後のターン1では多重アクシデントが発生し、佐藤琢磨は22番グリッドからスタート後の1周で13番手まで大きく順位を上げた。
1度目のピットストップでソフトタイヤにスイッチしてから佐藤琢磨はペースをさらに上げ、速いラップタイムをコンスタントに記録し続けて着々と順位を上げていく。
タイヤの摩耗を少なくするためのドライビングと、それを支えるバランスの取れたマシンセッティングによって、佐藤琢磨は今シーズン初のトップ10入りを果たした。
佐藤琢磨(9位)
「とてもいい一日にできました。レースを楽しめました。1周目のアクシデントに巻き込まれなかったのはラッキーでしたね。あのときの私は、目の前で起こっていることのすべてを冷静に見ていました。そのおかげで大きくポジションを上げることができました。リスタートのあとはマシンが少し滑っていたためにポジションを落としましたが、タイヤのラバーが乗って路面状態がよくなってきてからは、マシンのハンドリングもよくなって、ハイペースで走り続けることが可能になりました。今日のレースでは、クルーたちがピットストップですばらしい仕事をしてくれて、コース上で何台かをパスすることもできました。その結果、今年初のトップ10フィニッシュを、ようやく達成できました。今日の私たちはトラブルなし、ミスもなしのレースを今日の私たちのチームは戦えました」

佐藤琢磨は、インディカー 第5戦 インディアナポリスの予選を22位で終えた。
グランプリ・オブ・インディアナポリスは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ内にあるロードコースを使用して昨年から開催されている。世界最大のレースであるインディ500は、全長2.5マイルの伝統あるオーバルコースを使って毎年5月に開催されるが、5月初旬にインディアナポリスのロードコースで、もう1レースを行うことにより、5月の1カ月間にわたって全米の注目をスピードウェイに集めている。
佐藤琢磨は、木曜日からマシンのセッティングを順調に進め、プラクティス1で6番手、プラクティス2では8番手。予選前のプラクティスでも11番手と、予選でファイナル進出を狙えるポジションにつけていた。
しかし、第1セグメントのグループ2に組み入れられた佐藤琢磨は、ハードタイヤでマシンを確認した後にソフトタイヤに交換してコースインすると、アタック中にブロッキングを受けたこともあってベストが1分10秒7391。第2セグメントへの進出はならず、明日のレースは22番グリッドからスタートすることになった。
佐藤琢磨 (22番手)
「開幕から4戦を戦ってエアロキットに対する理解度も深まり、今回のレースには新しいセットアップを取り入れました。その結果、最初のプラクティスからマシンの状態はよく、予選では問題なく第2セグメントに進めるものと考えていました。しかし、予選でのマシンはバランスのよさが少し失われていた上に、ソフトタイヤ装着でのアタック中にブロックを受け、第1セグメントで終了となりました。とても悔しい結果です。チームメートとほぼ同じセッティングで臨んだ予選でしたが、違ったフィーリングになっていたので、なにが起きていたのかをチェックする必要があります。明日のレースは、後方のグリッドから追い上げとなりますが、プラクティスでコンスタントに速かった私たちのマシンは決勝用セッティングでも高いレベルにあると捉えてよいはずなので、一つでも上のポジションでゴールできるように戦います」

佐藤琢磨が、インディカー 第4戦 アラバマのレース週末を振り返った。
2015年ベライゾン・インディカー・シリーズで好成績を収めたいと期待する佐藤琢磨の望みは、4月の週末に3週連続で行われた3レースを終えても、まだかなえられていない。その最後を締め括る格好になったのが、絵に描いたように美しいアラバマ州のバーバー・モータースポーツ・パークでの1戦だった。
AJフォイト・レーシングのダラーラ・ホンダに乗る佐藤琢磨はリードラップでレースを走りきったものの、思わぬ接触や予想もしないタイア・デグラデーションなど様々な出来事が起きた結果、不本意な17位でフィニッシュすることとなった。
週末の滑り出しはむしろ明るい期待が抱けるもので、最初のプラクティスでは、湿っていた路面が乾き始めるまで佐藤琢磨はタイムチャートのトップを守り続けていた。
「とても勇気づけられました」と佐藤琢磨。
「コース上にはまだいくつも川が流れていたし、湿った部分も残っていました。それがどんどん乾いていったのは、誰にとっても同じことです。僕たちはずいぶん長い間、P1につけていましたが、残り10分でコースが乾いてくると、他のドライバーたちがようやく速くなり始めます。この頃、僕たちには少し問題が起きていて、順位を落とすことになりました」
それでも10番手というポジションは納得のいくものだったが、2回目のプラクティスではさらに順位を落とすことになる。
「とにかくスピードが足りませんでした。僕たちは、シーズン前に行われたオープンテストではコンペティティブで、このときのセットアップをベースに、シーズン序盤のレースで得たアイデアを盛り込んだセットアップに仕立ててバーバーにやってきました。僕たちはマシーンを改良しようとしましたが、うまくいきませんでした。グリップの点でもバランスの点でも僕たちは苦しみ始めていたのです」
バーバー戦は2日間での開催となるため、フォイト・チームは思い切った対策を施して予選に臨むことを決めた。
「たった2日間しかないので、時間はとても限られていました。そのなかで、いったい何ができるというのでしょうか? とても難しい状況でしたが、きっとうまくいくだろうと期待してマシーンを調整し、予選に挑みました。ただし、2回目のプラクティスが終わった段階で、僕たちは予選の第2セグメントに進むのは難しいと判断していました。しかも、このコースはオーバーテイクが非常に難しいので、予選が極めて重要になることは明らかでした」
「通常、予選最初の走行にはブラックタイアを使用してマシーンやブレーキをウォームアップし、アタックに備えて感触を掴むことになりますが、僕たちは最初から全力でいかなければいけない状況でした。僕たちふたり——僕とジャック・ホークスワース——はマシーンのポテンシャルを余すところなく引き出さなければいけなかったので、柔らかめのレッドタイアを2セット投入することを決めました。この場合、第2セグメントでは使い古したレッドタイアを使用することになりますが、まずはトップ12に進むことが先決でした。僕は予選で2セットのレッドタイアを使ったことはこれまでありませんでしたが、それでも僕たちは19位と20位に終わってしまったのです」
ギャンブルは失敗に終わり、佐藤琢磨もホークスワースも予選グループの10番手に沈み込んだため、トップ6のみが進出できる第2セグメントに駒を進めることはできなかった。しかも、佐藤琢磨が属した予選グループのほうがほんの少し速かったので、佐藤琢磨はチームメイトの隣にあたる20番グリッドからレースに挑むことになった。
「本当に僕たちはがっかりしました。そこで僕たちはセッティングのフィロソフィーを変更し、日曜日のウォームアップでそれを試すことにします。僕たちは決して速くはありませんが、決勝までに把握しておかなければいけないいくつかの点に気づいたので、それらを盛り込んで、決勝レースではうまくことが運ぶことを祈りました。レース中のペースはまずまずよかったと思います。ターン1ではいくつかポジションを上げ、3ワイドか4ワイドになって進入したターン5では、アウトサイドにいたためにオーバーテイクが可能でした。やがてレースは落ち着きを見せ始め、最初の15ラップを終えたころには僕もリズムに乗り始めます。決して好調というわけではありませんでしたが、状況を考えれば決して悪い展開とはいえなかったのです」
最初のピットストップを早めに行ったドライバーがいた影響で、ウィル・パワーがピットに飛び込んだとき、佐藤琢磨は11番手まで浮上していた。ところが、そのパワーが佐藤琢磨に飛び込んできたのである!
「彼が出てくるのを僕は見ていて、ピットの出口ではちょうど横並びになっていました。ピットレーン出口からターン2のアペックスに至るまではもちろんトリッキーなレイアウトなのですが、速いクルマが迫っていることをスポッターかチームが伝えれば、ドライバーはいつも以上に注意深く走るはずです。でも、こちら側のコクピットから見ている限り、ウィルは僕がいることに気づいていない様子でした。彼がコースインしたとき、僕はもうコーナーに進入していて、どうにもできない状態でした。ウィルがどんどんどんどん近づいてきたので、僕がいることに気づいて欲しいと願っていましたが、やがてコースの端まで追いやられてしまいます。僕はなんとかして避けようとしましたが、残念なことが起きてしまいました。僕たちはこれまでずっとうまくやってきたし、彼には敬意を払っています。なにしろ、これまで何度も際どいバトルをしながら、一度も接触したことはなかったんですから……」
接触の衝撃で佐藤琢磨のフロントウィングは壊れて360度スピンを喫したものの、下り坂を利用してストールしたエンジンは息を吹き返した。これで順位を落としたことはいうまでもないが、グラベルトラップに突っ込んだパワーは事故の責任を問われ、ドライブスルー・ペナルティが科せられることとなった。幸いにも、この接触でまき散らされた破片を回収するためにセーフティカーランになったので、佐藤琢磨はピットでフロントウィングを交換してもリードラップから転落せずに済んだ。
それから10周ほどが過ぎたところで、今度はステファノ・コレッティとジェイムズ・ジェイクスが接触して再びフルコーションとなったのだが、短期間の間に8番手まで浮上していた佐藤琢磨の運気は、このアクシデントをきっかけにしてまた下降の一途を辿ることになった。
「僕たちはブラックタイアでスタートを切り、最初のピットストップでレッドタイアに交換しました。このとき、ほとんどのドライバーはレッドタイアを装着していたので、順位を挽回するのは容易なことではなかったのですが、それでも僕はコース上でポジションを上げていきました」
「次のイエローは比較的早くやってきましたが、ピットウィンドウのことを考えるとこれはトリッキーな展開でした。僕たちはピットストップを行い、別のレッドタイアに交換することを決めます。ただし、残り周回数を1ストップで走りきれるようにするため、燃料はセーブしながら走行しなければいけませんでした。もっとも、レッドタイアで走行したのはたったの10周だったので、デグラデーションがどのくらいかを判断することはできなかったのです」
「他の何人かのドライバーたちはデグラデーションにひどく苦しんでいましたが、僕たちがどうなるかは予想できませんでした。というのも、これまでこのコースではレッドタイアの持ちがよかったからです。けれども11周を越えるとリアタイアに手こずるようになり、順位を落とし始めます。僕はカルロス・ムニョスに続く8番手まで浮上していました。ムニョスはこのレースをトップ6で終えました。けれども、僕のほうはデグラデーションの影響がどんどんひどくなっていきます。僕はピットに入りたくて仕方ありませんでしたが、途中でイエローにならない限り、ここでピットストップするとフィニッシュまでにもう1度燃料を継ぎ足す必要があったため、なんとかコース上に留まることにしました。僕は5周の間に8つ順位を落としました。ものすごくドライブしにくい状況でしたが、なんとか踏みとどまりました。結果的にタイアを交換するまで、僕は8番手から19番手まで後退する結果となりました」
ブラックタイアに交換して最後のスティントに臨んだ佐藤琢磨は、ファイナルラップの直前にセージ・カラムをパスして17位でフィニッシュする。
「このときはずっとペースが安定していて、いいラップタイムも記録できましたし、少しずつ順位を上げることもできました。けれども、レッドタイアを履いているときに失ったものが大きすぎました。苦しいレースで、苦しい週末でした。残念な結果に、僕はとても落胆しました」
レースを終えた佐藤琢磨はプロモーションのために一時日本に帰国。その後、5月9日にインディアナポリスで開催されるインディGPに挑むことになる。さらに、5月3日には全長2.5マイル(約4km)のスーパースピードウェイで行われるテストに参加する予定だ。
「僕たちは先進的なエアロパッケージを用いるので、とてもワクワクしていますし、ものすごく楽しみでもあります。インディGPに向けては、新しいエアロキットをロードコース用にどう仕上げるかという問題が残っています。どうやら、このパッケージングのスイートスポットはものすごく小さいようです。でも、これまでにたくさんのことを学んだので、うまくいくものと期待しています。もう少しいい週末になってくれるといいんですが……。僕たちには、本当にそれが必要なんです!」

佐藤琢磨は、インディカー 第4戦 アラバマの決勝レースを17位で終えた。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は予選20番手で10列目からスタートし、序盤の18周で11番手まで順位を上げることに成功した。ところが、早めのピットストップを行ったマシンがコース復帰の際に佐藤琢磨のマシンに真横から体当たり。スピンしてストップした佐藤琢磨は最後尾近くまで後退せざるを得なかった。
それでも粘り強い走りを続けた佐藤琢磨は、フルコースコーションをうまく利用して上位へ復活するチャンスをつかみかけた。しかし、ソフトタイヤでのマシンのハンドリングが完ぺきではなかったためにポジションを下げ、17位でのゴールとなった。
佐藤琢磨(17位)
「いろいろと難しい状況に遭いながらゴールまで走りきれたことはよかったと思います。スタートで2つほどポジションを上げ、フルコースコーションを利用した作戦にトライ。その判断は上位を走っていた何チームかと同じで、正しかったと思います。私たちはソフトタイヤを2回投入しましたが、そのうちの1回で非常に多くの周回をこなす必要があり、そこでペースを維持し続けるのが難しかったです。今だから言えることですが、あのときはすぐにピットに入ってタイヤを交換すべきでした。レース終盤に燃料補給だけの短いピットストップを行う必要が生まれるとしても、タイヤを交換した方が得策だったと思います。しかし、レースを戦っている最中にその判断を下すのは難しかったと思います。タイヤの状態が悪くなっていたためにいくつものポジションを下げたのは、あの時点から2回ではなく、1回のピットストップでゴールまで走りきることをチームが目指していたためです。今日は厳しい一日になりました。レース序盤にはピットアウトしてきたウィル・パワーにヒットされる不運もありました。彼はこちらがもうコーナーに完全に飛び込んでいたのに、全然見えていなかったようです。横に並んだままコーナーを通過できるかとも思いました。接触を避ける努力もしました。しかし、避けきれませんでした。そんな難しいレースではありましたが、チームメートと2台のマシンを走らせたことで今日も私たちは多くを学びました。次のインディーグランプリでそれらを活用したいと思います」

佐藤琢磨は、インディカー 第4戦 アラバマの予選を20番手で終えた。
佐藤琢磨は、プラクティス1回目に10番手のラップタイムを記録し、まずまずの出足をみせていた。しかし、プラクティス2でも合同テストでの自己ベストを上回ることができずに18番手。
予選のセグメント1でグループ2に組み入れられた佐藤琢磨は、ソフトタイヤを走行開始と同時に投入してアタックを重ねましたが、ベストは1分8秒2541で予選結果は20番手だった。
佐藤琢磨(20番手)
「予選のセグメント1突破を目標にソフトタイヤで最初からアタックしました。ソフトタイヤを2セット投入してでもセグメント2に進みたいと考えたのは、このコースのドライコンディションでの戦いは、オーバーテイクが大変難しいからです。予選開始前にセッティング変更を行いましたが、予選での私たちのマシンはアンダーステアが強く、スピードを保ったままコーナーをクリアして行くことができませんでした。しかし、ハンドリングはプラクティスでは感じられなかったスタビリティがありました。明日のレースに向けてセッティングをどうすべきかの大きなヒントを得ることができたので、ファイナルプラクティスでさらにマシンを向上させ、決勝では後方から追い上げ、順位を上げて行くレースを戦いたいと思います」

佐藤琢磨が、インディカー 第3戦 ロングビーチのレース週末を振り返った。
これまでロングビーチは佐藤琢磨にとって験のいいサーキットだった。そのハイライトが優勝した2013年だったことはいうまでもないが、2015年のベライゾン・インディカー・シリーズ第3戦としてカリフォルニアで開催された市街地レースは、佐藤琢磨に多くのものを授けたとはいえなかった。
予選では好ましくないタイミングで赤旗が提示されて最初のハードルを越えられなかったうえ、アクシデントがほとんど起きなかったレースは序盤にイエローコーションが一度しか提示されただけで、順位を上げるチャンスはほとんどなかった。
それでも、15位でフィニッシュできていれば最悪というほどのことはなかったのだが、佐藤琢磨は最終ラップに燃料を使い果たしてしまい、AJフォイト・レーシングのダラーラ・ホンダは18位でフィニッシュラインを越えた。
「みなさんご存じのとおり、ロングビーチは特別なレースです」と佐藤琢磨。
「とりわけ2013年のレースは特別な思い出で、僕とチームにとっては忘れがたい一戦となっています。昨年は多重クラッシュが発生して残念な結果に終わりましたが、今年は是非いいレースを戦いたいと願っていました。けれども、結果的にはまったく納得のいかないレースになりました」
佐藤琢磨の不振は金曜日のフリープラクティスですでに始まっていた。
「バランスにもグリップにも満足がいきませんでした。まるで、先週行われたNOLAモータースポーツ・パーク戦の続きのような状況でした。NOLAで使ったロードコース用タイアと市街地コース用タイアでは大きく異なっているので、僕たちは市街地コース用のセットアップには自信を抱いていましたが、プラクティスでは苦戦を強いられたのです」
「新しいエアロキットが導入されて以来、マシンはメカニカルグリップよりもエアロ・パッケージに大きな影響を受けるようになっていたので、僕たちはシャシー・コントロールについてもう1度考え直さなければいけないのかもしれません。バランスが良好とはいえなかったのです。結局、金曜日は一日中満足のいく結果は得られませんでしたが、土曜日の午前中にこれまでとは異なるセットアップを試したところ、良好な感触が得られました。ようやくいいラップタイムが記録できるようになったのです。特に速いラップタイムを出そうと意識したわけではありませんが、セットアップが正しい方向に向かっていることが実感できました。ここにきてようやくポジティブな印象が得られたので、自信をもって予選に臨むことができました」
運悪く、佐藤琢磨がソフト目のファイアストン・レッドタイヤを装着し、アタックを始めようとしたところで、ステファノ・コレッティがアクシデントを起こしたために赤旗が提示され、セッションは終了となってしまう。予選グループのなかでの佐藤琢磨の成績は10番手。このため20番グリッドからレースに臨むことになった。
「まず、古いブラックタイアでウォームアップを行ってからレッドタイアに交換しました。ところが、アウトラップに入ろうとしたところでレッドフラッグとなってしまったのです。マシンのポテンシャルを発揮させられなかったのは本当に残念でした。ライバルのなかにはレッドタイアでタイムを記録できたドライバーもいましたが、僕たちは割り当てられたピットの位置——これは前戦のグリッドポジションで決まります——の関係で、列に並ぶ格好になってしまったのです」
「おかげで、満足のいかないグリッドポジションに終わっただけでなく、レッドタイアでマシンがどんな挙動を示すかを確認するチャンスも失われてしまいました。けれども、日曜日の朝に行われたウォーミングアップ・セッションでマシンは素晴らしい感触を示してくれたので、僕は明るい希望を抱いていました。ライバルたちがレッドタイアに履き替えたり、コンディションのいいタイアを装着するようになるまで、僕は3番手か5番手につけていたので、トップ10は確実でした。マシンがロングビーチでより普通の反応を示すようになり、僕好みに仕上がってきたことに僕は満足していました」
ロングビーチではいつものことだが、路上の破片を拾い上げるためにセーフティーカーが導入されるまでのレース序盤は、ほとんどオーバーテイクは見られなかった。佐藤琢磨はファイアストンのレッドタイアに履き替えるためにピットストップを行ったが、ここでややタイムをロスすることになる。
「日曜日は何ひとつうまくいきませんでした。コーションになって僕がピットに入ろうとしたときにはひどい混雑になっていて、ポジションを上げられるチャンスはまったくありませんでした。それでも、僕はコース上でオーバーテイクしていくつかポジションを上げましたが、僕は大きな集団に呑み込まれていて、トップグループに比べるとだいぶ遅いペースで走行していました」
これ以降、レースはずっとグリーンのまま進行。この間2度のピットストップを行ったものの、速いペースで走っていたにもかかわらず、順位を上げることはほとんどできなかった。2回目のピットストップを行う直前、他のチームとは異なるタイミングでピットストップを行っていたAJフォイト・レーシングのジャック・ホークスワースと佐藤琢磨は一時的に1-2体制を築いたほか、とりわけラップタイムが速い佐藤琢磨は、2回目と3回目のピットストップの間に中団の大集団に徐々に追いついていった。ところが、最終ラップではまたしても試練が佐藤琢磨を待ち受けていたのである。
「僕の前にいたグループに追いついていったときは素晴らしい気分でした。今日のレースは上位陣のほとんどがシボレーで占められていましたが、僕はホンダのなかで最速のドライバーでした。ただし、追い上げを図りたいと思っているときに限って、タイア交換でちょっとした問題が起きて、逆に順位を落としていました。他のドライバーに追いつけるくらい僕は速かったのですが、オーバーテイクするのはとても難しい状況だったのです」
それでも、最終ラップに入るまで、佐藤琢磨は15位でフィニッシュできる感触を掴んでいた。
「ちょっとしたドラマが起きました。燃料には余裕があると聞いていたのですが、燃費の計算に問題があって、1ラップ分の燃料が足りないことが明らかになったのです。必要以上の燃料がまだ残っているという想定だったので、僕はファイナルラップまでエンジン・マッピングをフルリッチにして走っていました。ところが、ファイナルラップのターン1で、ものすごい量の燃料をセーブしなければいけないと告げられたのです。それでもまるまる1周をレーシングスピードで走らなければいけなかったので、軽いパニックに陥りました!」
「チャーリー・キンボールが直後に迫っているのに、ラリー・フォイトは燃料をセーブして完走しろと僕に指示してきました。僕は順位を落とすことなくなんとか走り続けていましたが、バックストレートでエンジンが息つきを起こし始めたので、マシンが止まるのはもはや時間の問題でした。僕はターン9、10、11を惰性で走り抜け、その後のフィニッシュラインに向かうヘアピンでは加速したいと思っていました。実際、ほんのわずかにマシンは加速しましたが、2速に入れる前にエンジンは完全に息絶えてしまいました。このとき、チャーリーは僕を避けきれずに接触しましたが、僕は惰性だけでようやくフィニッシュラインを越えることができました。タフなレースでした。ペースはとてもよかったのに成績が伴わない、とても辛いレースでした」
翌日、佐藤琢磨はカリフォルニアに留まってホンダ・パフォーマンス・デベロップメントを訪問した後、飛行機でインディアナポリスへと戻った。ここから陸路でアラバマ州を目指し、来週バーバー・モータースポーツ・パークで開催されるレースに挑むことになる。
「バーバーで行われた開幕前のオープンテストでは手応えを掴むことができました。バーバーは素晴らしいロードコースで、インディカー・シリーズが開催されるサーキットとしてはとても路面が滑らかなので、ホンダのエアロにとってはとてもいいコースだと思います。開幕から辛いレースが3戦続いたので、今度こそトラブルフリーで週末を過ごしたいと願っています!」

佐藤琢磨は、インディカー第3戦ロングビーチの決勝レースを18位で終えた。
予選では他車のアクシデントでアタックができない不運に見舞われ、20番グリッドからのスタートとなった佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、2013年に優勝したコースでファンを沸かせようと意気込んでいた。
ところが、今回のレースではフルコースコーションが1度しか出されず、コース上でのオーバーテイクは困難に。佐藤琢磨はポジションを上げていくことができなかった。
そこで彼らは作戦を利用してのポジションアップを狙い、ピットストップでのタイムロスもありながら15番手まで浮上した。しかし、最終ラップのバックストレッチでエンジンが燃料切れとなり、最終コーナーを回ったところで大きく失速。惰性でゴールラインを横切るまでに3台にパスされ、18位という結果となった。
第3戦を終えたインディカー・シリーズは、再び北米大陸を東に戻り、休む間もなく次の週末にバーバー・モータースポーツ・パークでHondaグランプリ・オブ・アラバマを開催する。
佐藤琢磨(18位)
「今週はずっと厳しい状況が続いていましたが、決勝日もそれは変わりませんでした。しかし、私たちはレース前のファイナルプラクティスで、マシンをいいものに仕上げました。予選が赤旗によって短時間で終了したため、私たちはマシンの実力を確認できませんでしたが、ファイナルプラクティスでトップ10に入るラップタイムを記録し、自分たちのスピードに対して自信を持ちました。スターティンググリッドは後方でしたが、レースを本当に楽しみにしていました。作戦もいいものが用意できていたと思います。ところが、今日のレースではフルコースコーションが少なく、ポジションを上げていくチャンスがほとんどなかったです。そして、最後は燃料の計算ミスがあり、最終ラップの最終コーナーでエンジンが燃料切れに陥りました。私はギアをニュートラルに入れて惰性でゴールすることを目指したのですが、そこでポジションをいくつか失う結果となりました。クルーたちは週末を通じ、長時間にわたってマシンの整備に全力を注いでくれていただけに、いい結果を手にできなかったのが残念です」

佐藤琢磨は、インディカー第3戦ロングビーチの予選を20番手で終えた。
カリフォルニアらしい青々とした空のもと、エアロキットを装着したインディカーによる予選が行われ、23人のドライバーたちは1000分の1秒を競う激しいタイムアタック合戦を繰り広げた。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、実力をフルに発揮することなく予選20番手となった。
ロングビーチは佐藤琢磨にとって、2013年にキャリア初優勝を挙げた場所であり、日本人にとっても初めてインディカー・レースで勝利した場所。そのため、歴代ウイナーの一人として、佐藤琢磨には走行開始前から大きな注目が集まっていた。
金曜日の2度のプラクティスで苦戦を強いられたものの、予選を目前に控えた3度目のプラクティスでマシンのセットアップを向上させた佐藤琢磨とチームは、さらにアイディアを注ぎ込んだセットアップで予選に臨みだ。
しかし、その真価を試そうとソフトタイヤを装着してコースに出た直後、他のチームのドライバーがアクシデントを起こし、赤旗が提示されて走行がストップ。そのまま10分間の予選は終了を迎えた。
佐藤琢磨はアタックを1ラップも完了させることなくマシンを降りなければなりらなかった。
佐藤琢磨は明日、10列目アウト側グリッドから辛抱強く、そしてスマートにレースを戦い抜いて上位フィニッシュを目指す。
佐藤琢磨(20番手)
「グリップとマシンバランスの向上を目指し、午前のプラクティス3でいくつかの新しいセットアップを試しました。そして、私たちはいい進歩を遂げられました。予選を楽しみに待つ状況でした。ところが、非常に不運なことに、アタックラップを行う前に他車のアクシデントにより赤旗が出され、そのまま我々の出走したグループの予選第1セグメントが終ってしまいました。アタックしたかったです。そこで自分たちのセッティングがさらに進歩したことを確認したかったです。状況は厳しく、明日の午前のファイナルプラクティスで、決勝用のセッティングを確認する必要があります。レースには最善の体制を整えて臨みたいです」

佐藤琢磨が、インディカー第2戦ニューオリンズのレース週末を振り返った。
ベライゾン・インディカー・シリーズが2015年シーズン第2戦のために訪れたのは、初開催となるルイジアナのNOLAモータースポーツ・パークだった。そこでは何度もコーションとリスタートが繰り返され、最終的には予定周回数を走りきることなくレースは打ち切られたが、佐藤琢磨とAJフォイト・レーシング以上に苦しい戦いを強いられた者もおそらくいなかっただろう。
佐藤琢磨は他のドライバーに接触されたときにマシン内部の電気ケーブルにダメージを負い、このためギアチェンジができなくなってしまう。しかも、レース終盤にダメージの修復を終えたマシンはレースを再開できないというルールのため、佐藤琢磨はライバルたちよりも早くレースを終えることになった。
ここに至るまでもAJフォイト・レーシングにとっては失望の連続だった。それは#14ダラーラ・ホンダを走らせる佐藤琢磨だけではなく、#41のマシンに乗るジャック・ホークスワースにとってもまったく同様だった。
「一刻も早く忘れたいレースになりました!」と佐藤琢磨。
「僕たちがこのサーキットを訪れたのはレースの1ヶ月前のことで、これは2015年スペックのエアロパッケージで走る初めてのテストでした。12月や2月にこのサーキットでテストしたチームは少なくありませんでした。このため、僕たちはサーキットのことをまだ理解していなく、車高、スプリング、ギアなどベースセットアップに関してもわからないことがたくさんあったので、とても苦しい状況でした。僕たちはシェイクダウンテストの初日に、こういったことに取り組まなければいけなかったのです。だから、あまりコンペティティブではありませんでしたが、大切なことは、このとき貴重なデータを収集し、これを続くバーバーやセブリングのテストで試すことができた点にあります」
「今年はダウンフォースが大幅に増えてマシンのキャラクターが大きく変わりましたが、バーバーではより自分たち好みのマシンに仕上げることができました。続いてセブリングのテストではさらにマシンを進化させることができたので、これらのテストを終えて大きな手応えを掴んだことに僕たちは自信を深めました」
「少なくとも僕たちはそう考えていたのですが、プラクティスでNOLAを走ってみたところ、期待とはまったく異なる状況でした。路面温度も気温もテストのときよりずっと温かく、多くのホンダ・ドライバーが苦しむことになりました。僕たちは、グリップも不足していればバランスもよくないという状態で、このためいろいろなことを変更しなければいけませんでした」
佐藤琢磨は、プラクティス2でトップグループとの差を1秒ほど詰めて見せ、今後に期待を抱かせた。
「プラクティクス2の直前に激しい雨が降りました。幸運にもコースはどんどん乾いていき、最後の20分は走行することができました。路面が完全に乾くことは最後までありませんでしたが、全体的に見れば僕たちは速くなっており、これには勇気づけられました。ところが、プラクティス3ではまた後方に転落してしまいます。まるで出口が見えない状態で、トップグループとの差は逆に広がったのです。とても苦しい状況で、予選前にセッティングを根本から見直す必要に迫られました」
やがて猛烈な雨が降り始め、予選はくじ引きのような様相を呈してきたため、オフィシャルはポイントテーブルに従ってスターティング・グリッドを決定する判断を下す。つまり、開幕戦セントピーターズバーグのレース結果と同じオーダーで整列することにしたのだ。
「基本的には、僕はどんなにコースが濡れていても気にならないし、天候が不順なほうがむしろ嬉しいときだってあります。僕は2番目の予選グループだったので、最初のグループが走っているのを見るのはなかなか楽しいものがありました。雨はどんどん強くなっていって、路面の水がまたたく間に増えていく様子が目で見えるほどでした。僕はセントピーターズバーグの予選を5番手で終えました。このとき、前の4人は全員グループ1に出走したペンスキー勢で、グループ2で僕はトップに立ちました。これはこれでよかったのですが、僕に見えるのは光る路面と、辺り一面が水浸しになっていることだけでした。マシンはいたるところでアクアプレーニングを起こします。タイアがアクアプレーニングを起こすだけでなく、車体の底まで水に乗っていたから、車高が少し低すぎたのでしょう。ストレートでもマシンはまっすぐ走らない状態で、計測ラップを2周走ったところで雷光が見え始めたため、セッションは中断となりました」
獲得ポイントにより佐藤琢磨は13番グリッドからスタートすることになったが、ウォームアップは霧のためにドクターヘリが離陸できず、セッションそのものが中止に追い込まれてしまう。したがって、佐藤琢磨は「まったくわからない状態のセットアップ」でグリッドに向かうことになったのだが、激しい雨の到来が予想されたため、決勝レースを行える時間は2時間か3時間ほどしかないと予想されていた。
乾きつつあるコンディションのもとで、フォイト・チームはセットアップの習得に取り組んだ。
「それまでにない新しい考え方を採り入れたもので、これがうまく機能することを期待していました。難しいコンディションであることを考慮して、オフィシャルは決勝前に5分間の走行セッションを設けてくれたため、セッティングが問題なく作動することを確認できました。コンペティティブだったとはいいませんが、十分にドライブできる範囲のものでした。スタートの時点ではすでに雨は止んでいて、NOLAのスタッフはコース上の水を掃き出すために懸命の作業を行ってくれました。おかげで、セーフティカースタートではなく、2列に整列する通常のスタイルでスタートを切ることになったのですが、それは相当に恐ろしかったです。目の前は完全に真っ白で、ブレーキングポイントを見つけ出すためにはコースを斜めに見なければいけない状態です。しかも、直後につけているドライバーたちはスロットル全開だから、周りはまるで見えないのに僕がスロットルを戻すわけにはいかない。本当に最悪の状態でした!」
ハンドリングが思わしくないために10周も走ると19番手までポジションを落としたが、ここで佐藤琢磨はいち早くスリックタイアに交換する決断を下す。
「おそらく、僕がいちばん早くピットインしたんじゃないかと思います。他に打つ手がなかったんです。ウェットタイアの性能はどんどん下がっていったし、僕は1周ごとにタイムを失っていたので、とてもつらい状況でした。通常であれば、スリックに交換するにはまだ非常にリスキーな状態でしたが、そのときの僕にはなにも失うものがありませんでした。ピットにいるラリー・フォイトと無線で相談していたところ、チップ・ガナッシのピットにスリックタイアが運び出されていることをラリーが教えてくれたのです。ただしラリーはあともう1周くらいコースに留まっていたほうがいいと勧めましたが、僕は『手遅れだよ。僕はもうピットレーンに入っているんだ!』と彼に伝えました。それでもメカニックたちは素晴らしい仕事をしてくれて、あっという間にスリックへの交換を終わらせてくれました」
「アウトラップは、スリックで走るにはまだたくさんの湿った部分が残っていたので、クルマが落ち着かずに苦しみました。嬉しい驚きだったのは、それでも1周を走るとグリップが上がってきたことにありました。ウェットパッチではまったくグリップは期待できませんでしたが、僕は失ったタイムをどんどん取り戻していきます。この展開を見て、たくさんのドライバーがピットに飛び込んでドライタイアに交換しました」
ただし、すでに何度もフルコーションになっていたため、スタートから1時間45分が経過したところでレースは打ち切られる見通しだった。佐藤琢磨は巧みなレース戦略のかげで12番手までポジションを上げていたものの、その後に待っていたのは失望だった。
「すべて順調だったのですが、リスタートではまるで石のようにタイアが冷えてしまうので、ウェットパッチに乗り上げたドライバーは次々とコースオフを喫していました。僕にとっての最後のリスタートでは、ターン3でチャーリー・キンボールが前を走っているドライバーに襲いかかろうとしていました。2台はそろってアウト側にはらんだため、イン側に大きなスペースが生まれます。ところが、その直後に2台は急な角度でこちらに戻ってきて、僕らは接触したのです。ウィングやノーズコーンにはダメージを負わずに済みましたが、チャーリーのマシンがサイドポッドにあたり、このためギアボックスをコントロールするGCUが接触しました。これで電気ハーネスにダメージを受け、結果的にギアチェンジができなくなってしまったのです。メカニックたちはケーブルを交換しようとしてくれましたが、嵐に加えてレースの終わりが近づいており、僕はレースに復帰できませんでした。チームにとっては本当に苦しい週末でした。僕もチームメイトもフィニッシュできず、学ばなければならないことが残っていることに気づきました。なにしろ、僕たちはまたこのコースに戻ってこなければならないのです」
とはいえ、それは今週末に行われるロングビーチ戦の前ではない。2013年に初優勝を果たしたこのコースは佐藤琢磨にとって験のいい土地でもある。しかも、セントピーターズバーグでの速さを見ればわかるとおり、#14のマシンはストリートコースを得意としているようだ。
「速さに関しては自信があります。僕たちにとって2013年のレースは素晴らしいものでした。2014年は滑り出しで苦しんだものの、レースでのペースはまったく問題ありませんでした。なにしろ、アクシデントに巻き込まれるまでに6番手まで挽回していたんですから……。僕たちがペースを取り戻し、優勝争いに絡めることを期待しています!」