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  • 2026年F1レギュレーション刷新でもマクラーレンは勝ち続けられるか?

    2026年F1レギュレーション刷新でもマクラーレンは勝ち続けられるか?

    2025年にドライバーズとコンストラクターズのダブルタイトルを達成し、さらにコンストラクターズ連覇を成し遂げたマクラーレンは、カスタマーチームでありながら、グラウンドエフェクト時代のF1を完全に理解した存在であることを示した。

    エンジンサプライヤーであるメルセデスが、このレギュレーション下で支配的な解を見つけられず、4年にわたって試行錯誤を続けてきた一方で、マクラーレンはシーズン序盤の苦戦を経て、最終的にはレッドブル以外で唯一、真に成功するグラウンドエフェクトカーの本質を掴んだチームとなった。

    しかし、2026年に導入される完全なレギュレーション刷新は、この成功が一つの時代に限定されたものなのか、それとも次の時代にも引き継がれるのかという疑問を投げかけている。

    2022年から2025年にかけてのマシンでは、トラック上で結果を出したチームは、例外なく、非常に扱いが難しいグラウンドエフェクトマシンの性能ドライバーを正確に理解していた。

    2022年初頭、多くのチームがポーパシング問題に苦しむ中で、最終的に上位に立ったのは、最適なライドコントロールを実現し、車高変化の全速度域で最大限のダウンフォースとパフォーマンスを引き出すことができたチームだった。

    レッドブルの元テクニカル責任者であるエイドリアン・ニューウェイが、グラウンドエフェクトカーの挙動を深く理解していたことはよく知られている。そして、マクラーレンの躍進が、元レッドブルのチーフデザイナー兼チーフエンジニアであるロブ・マーシャルの加入後に起きたことは、偶然ではない。

    それ以降のマクラーレンのコンセプト進化、特にサスペンションのキネマティクスや設計思想には、レッドブルで確立された考え方との明確な共通点が見られた。

    2026年F1レギュレーション刷新で何がリセットされるのか
    だが、2025年仕様で時に圧倒的な強さを見せたマクラーレンのマシンも、理論上は2026年にほとんど意味を持たない。

    2025年型マシンから2026年型へのキャリーオーバーは事実上ゼロに近く、これまで蓄積してきた車高理解やサスペンション理論は、そのまま適用できない。2026年マシンではベンチュリー効果が大幅に弱まり、車高に対する感度も大きく低下するため、マシンはより高い車高で走ることになる。

    さらに、新レギュレーション初期段階では、パワーユニット性能、特にエネルギー回生とデプロイメントのレベルが、主要な性能差要因になると考えられている。

    それでもなお、2025年のMCL39で優位性を築いたマクラーレンの強みが、次世代でも無意味になるわけではない。

    なぜなら、チームの強さは単一のレギュレーション解釈だけで決まるものではないからだ。どのような規則が提示されても結果を出すために必要な、組織としての資質が存在する。

    その中核にあるのが人材である。あるレギュレーションを巧みに解釈し、性能を引き出せるエンジニアやデザイナーは、異なる規則下でも同じ質の仕事ができる。

    アブダビでタイトル獲得を振り返り、マクラーレン代表のアンドレア・ステラは、チームの人材の質を強調した。

    「マクラーレンの技術チームは非常に強力だ。我々は、ピーター・プロドロモウ、ロブ・マーシャル、ニール・ホールディ、マーク・イングハム、ジュゼッペ・ペッセ、マーク・テンプルといったメンバーの貢献を受けている。」

    「私のF1キャリア26年の中でも、ここまで強い技術部門に所属したことはほとんどない。」

    「現行レギュレーションの細部が将来にそのまま適用されるわけではないが、働き方、基準、マシン開発へのアプローチ、技術的目標設定の考え方は引き継がれる。それが2026年に向けた我々の楽観材料だ。」

    F1レギュレーション マクラーレン F1

    この考えは、MCL39の成功を技術面で主導したテクニカルディレクター、ニール・ホールディも共有している。

    2026年に向けた目標設定について問われたホールディは、プロセスこそが重要だと語った。

    「重要なのは目標そのものではない。最も大切なのは、どのように仕事をし、どのようにマシンを開発するかだ。」

    「我々には目指す位置はあるが、それ以上に、この3年間続けてきたやり方を変えずに進み続けることが重要だ。」

    「風洞、CFDで互いに刺激し合い、プッシュし続ける。そうやって最終的にパフォーマンスが生まれるのであって、目標数値を見て達成できるかどうかを考えることではない。」

    この見解を裏付ける発言をしたのが、メルセデス代表のトト・ヴォルフだった。

    「人は成功や失敗を単一の要因に結びつけたがる。経営陣の交代、チーム代表、技術責任者、空力責任者、あるいは天才がいるかどうかといった具合に。」

    「しかし本質的には、正しいデータに基づいて、正しい判断を集団として下し、適切なインフラを備え、仮想世界と現実世界の高い相関性を持つ組織かどうかだ。」

    「今日のF1では、その相関性こそがマシンの真価を決める。実走時にそれが再現されないなら、それがチームにとって最大のリスクになる。」

    過去2シーズンでマクラーレンを成功へ導いたこれらの要素が健在である限り、2026年に向けてその勢いが途切れると考える理由は、現時点では見当たらない。

  • ランス・ストロール 2026年F1レギュレーションの方向性は「少し悲しい」

    ランス・ストロール 2026年F1レギュレーションの方向性は「少し悲しい」

    ランス・ストロール(アストンマーティンF1チーム)は、2026年F1レギュレーションで示されている現在の方向性について、「少し悲しい」と率直な思いを口にした。

    2026年からF1は大規模なレギュレーション刷新を迎える。空力面では新しいコンセプトが導入され、パワーユニットも完全に新設計となる。物議を醸してきたMGU-Hは廃止され、電動出力は内燃機関と同等の50/50まで引き上げられる見通しだ。

    しかし、この変化は一部ドライバーの間で懸念を呼んでいる。新世代マシンは、これまでとは大きく異なるドライビング特性になると考えられているからだ。

    「全ドライバーが同じ懸念を共有している」
    「レギュレーションの考え方そのものについては、みんな同意していると思う」とストロールはRacingNews365などのメディアに語った。

    「ストレートでは時速400km近くまで加速して、コーナーではスピードが半分になる方向に進んでいるのは、少し悲しい」

    「レーシングドライバーとしては、それは望むものではない。エネルギーやバッテリーを管理する走りよりも、たくさんのダウンフォースを使ってフラットアウトで攻める方が刺激的だ」

    「それは全ドライバーに共通した意見だと思う」

    F1レギュレーション 2026年のF1世界選手権

    競争力があれば評価は変わる
    アストンマーティンは2026年からホンダをパワーユニットサプライヤーとする新たなテクニカルパートナーシップをスタートさせる。また、技術面の中心人物であるエイドリアン・ニューウェイがチーム代表の役割を担い、アンディ・コーウェルに代わって体制を率いることになる。

    ストロール自身は新型マシンを心待ちにしている様子ではないものの、結果がすべてであることも強調した。

    「もしメルボルンでここに座っていて、僕たちがものすごく速くて、ミラーの中に誰もいなければ、それはとても運転しやすいクルマになるだろう」

    「結局は相対的なものなんだ」

    2026年F1は、ドライバーの価値観と競争力の現実が、これまで以上に鋭く交差するシーズンになりそうだ。

  • 2026年F1レギュレーションは内燃エンジンの常識も書き換える

    2026年F1レギュレーションは内燃エンジンの常識も書き換える

    2026年F1レギュレーションを見ると、シリンダー数は同じ、寸法も同じ、バンク角も同じで、過去12年間と同じV6内燃エンジンが使われ続けるように思えるかもしれない。そのため、開発における重要性は低いと錯覚しがちだ。しかし実際はまったく逆である。

    新規エンジンメーカーの参入を促すため、FIAは燃焼そのものを根底から変える数多くの変更を加えた。電動部分が強化される一方で、メーカー間の競争は今後も、古くからのガソリンエンジンを巡って繰り広げられる。

    隠された革命
    2026年レギュレーション策定の過程で、新規参入メーカーは既存メーカーの優位性を最小限に抑えるため、従来のV6に対する一連の変更を強く求めた。内燃エンジンの基本的なジオメトリーは同じだが、燃焼プロセスは白紙から再設計されている。

    最初の変更点は、シリンダーに送り込まれる空気条件だ。ターボ圧は最大4.8バールに制限され、従来のパワーユニットで見られた6バール近いピークは許されない。さらに、ターボを電動で加速していたMGU-Hは廃止され、低回転域での過給圧や燃焼制御は格段に難しくなった。加えて、圧力波の共鳴周波数を利用して吸気量を最適化していた可変吸気ファンネルも禁止されている。

    燃焼に不可欠なもう一つの要素である燃料にも、大きな変更が加えられた。燃料は初めて、生物由来および/または合成由来成分の混合を義務付けられ、最大燃料流量は約30%削減される。圧縮比も18から16へと引き下げられ、点火直前の圧力と温度は低下する。さらに、スパークプラグによる点火回数は従来の最大5回から1回に制限され、燃焼を開始することはできても、その過程を最初から最後まで制御することはできなくなった。外見上の器は同じでも、その内部で起きていることは完全に別物なのである。

    パワーがすべてではない
    MGU-Hと可変吸気ファンネルの廃止により、エンジンメーカーは回転数に応じて燃焼を制御する二つの重要な手段を失った。その結果、内燃エンジンをどの作動点に最適化するか、すなわち有効な作動ウインドウをどこに設定するかという問題が生じる。

    この点について、アストンマーティンのチーム代表であり、2014年以降の支配的な時代にメルセデスのエンジン部門を率いていたアンディ・コーウェルは次のように語っている。

    「MGU-Hには素晴らしい点が二つある。一つは本来捨てられるはずのエネルギーを回収できること、もう一つはターボの回転数を制御できることだ。だからアンチラグは不要だった。2026年には必要になるのか。もし必要なら、どうやって実現するのか。それとも、常に高回転でエンジンを回し続けるのか。各社がどうするのかは興味深い」

    低回転域でのトルク、すなわちコーナー立ち上がりの加速を優先するのか、それとも最高出力と最高速を重視するのかという選択が迫られる。小型で軽量なターボはターボラグを抑えられる一方、高回転域での出力は犠牲になる。

    このジレンマはさらに広がり、エンジン性能とマシン全体の空力効率との妥協点を見つける必要がある。例えば、エンジン温度を低く保てば熱効率は最大化されるが、そのためには大型の冷却系が必要となり、空力や重量に悪影響を及ぼす。内燃V6のコンセプトとシャシーの設計は密接に結び付いており、エンジンのデューティサイクルが空力性能に影響し、その逆もまた然りである。

    エンジン F1レギュレーション 2026年のF1世界選手権

    エネルギーフローの導入
    2014年の大きな革新の一つは、10500回転以上で燃料流量を100kg/hに制限した点にあったが、2026年にはこの考え方が進化する。燃料の化学組成には一定の自由度が認められ、供給元によってエネルギー密度が異なる可能性があるため、制限は燃料質量ではなく、エンジンに投入される化学エネルギーの流量そのものに課される。上限は3000MJ/hで、燃料の質量流量とエネルギー密度から算出される。

    この値は従来のパワーユニットと比べて低く、当初は1レースあたり70kgの燃料で走り切ることを目標としていたが、この数値は規則には明記されなかった。

    規則では走行状況に応じて異なる制限も設けられている。ブレーキング時や部分スロットル時には燃料流量が低く抑えられ、減速区間やコーナー中にエンジンを全開で回してバッテリーを充電する、といった不自然な使い方を防ぐ。FIAは従来通りフローメーターで監視するが、今回は1基のみとされ、非測定区間で瞬間的に流量を増やすことを防ぐアンチエイリアシング技術が導入される。さらに、排気ガス中の混合気の濃さを検知するラムダセンサーも追加され、リッチかリーンかを把握できるようになる。

    新たな開発ルール
    構造面での変更も大きい。2026年から内燃エンジンの最低重量は130kgに設定され、ピストンとコンロッドの重量もそれぞれ50g、20g引き上げられる。これはピストンに特定の鋼合金のみを使用することが義務付けられ、軽量なアルミ合金が使えなくなったためである。

    スプリットターボ構造も禁止され、タービンとコンプレッサーはエンジン後方で一体化しなければならない。インジェクターは全メーカー共通の標準品となり、スパークプラグも指定された設計に従う必要がある。

    エンジンメーカーは、旧世代V6から流用できる部品は一つもないと口を揃える。特に新規参入メーカーが大きく出遅れ、挽回できなくなるのではないかという懸念も生まれている。今回はパワーユニット開発にもコストキャップが適用され、アップデートも厳密なスケジュール管理下に置かれる。例えば、新しい燃焼室をホモロゲーションできるのは2027年と2029年のみである。

    そこでFIAは、ADUO(追加アップデートおよび開発機会)と呼ばれる救済制度を導入した。これはコストキャップの引き上げ、内燃エンジンのベンチテスト時間を30%増やす措置、そして追加アップデートのホモロゲーションを可能にするものである。

    この制度は、最も競争力のあるパワーユニットに対して2%以上出力が劣るメーカーを対象とし、パフォーマンスはドライブシャフトに取り付けられたトルクセンサーで監視される。信頼性に深刻な問題がある場合には、複数のパワーユニット製造にかかる費用を補填する形で、予算上限の引き上げも認められる。

    これらの支援策は、外見とは裏腹に、2026年のV6内燃エンジンがいかに徹底的に変革されているかを示す、何よりの証拠である。

  • 2026年F1レギュレーション:すべての主要変更点を解説

    2026年F1レギュレーション:すべての主要変更点を解説

    F1は2026年に向けて、シリーズ史上でも最大級といえるレギュレーション刷新を迎える。パワートレイン、シャシー、エアロダイナミクス、燃料規定に至るまで、マシンの根幹を成す要素が一斉に見直されるこの年は、単なる技術変更ではなく、F1という競技の方向性そのものを大きく変える転換点となる。

    電動化の大幅な加速、完全持続可能燃料の導入、アクティブエアロダイナミクスの本格採用など、2026年レギュレーションは「速さ」と「持続可能性」を両立させることを明確な目的としている。

    ここでは、パワートレインの構成変更から車体寸法の見直し、そして新たなオーバーテイクの仕組みに至るまで、2026年F1を形作る主要な変更点を順を追って解説する。

    パワートレインの大転換
    最大の変更点はパワートレインだ。電動コンポーネントがこれまで以上に重要な役割を担うことになる。現在は出力の約80%を内燃エンジンが、20%をバッテリーが担っているが、2026年からは50対50の比率となる。

    内燃エンジン自体の出力は、現行の550〜560キロワットから400キロワットへと低下する。ただし、その減少分はバッテリー出力の大幅な向上によって補われる。バッテリーは現在の120キロワットから、最大で350キロワットまで引き上げられる。さらに重要な点として、使用される燃料はすべて再生可能燃料となる。

    最も注目すべき変更点は、排気ガスからエネルギーを回収するMGU-Hの廃止だ。この複雑かつ高コストな技術は、パワートレインを簡素化する目的で削除される。

    エネルギー回収はMGU-Kのみとなり、その性能は大幅に強化される。1周あたりに回収可能なエネルギー量は、現行の4メガジュールから8.5メガジュールへと増加し、主にブレーキング時に回収される。これにより、ドライバーは1スティント中により多くの電力を使用できるようになる。

    F1レギュレーション 2026年のF1世界選手権

    シャシーへの変更
    シャシーも大きく変更される。マシン重量は30キログラム軽量化され、最低重量は768キログラムとなる。また、全体的にコンパクト化される。

    ホイールベースは最大3,400ミリメートルへと200ミリメートル短縮され、全幅も100ミリメートル縮小されて1,900ミリメートルとなる。

    最も革新的な要素は、アクティブエアロダイナミクスの導入だ。特定の高速セクションにおいて、フロントおよびリアウイングの角度を動的に調整できるようになり、コーナーモードとストレートモードが設定される。これにより戦略的な柔軟性が生まれ、路面でのグリップを高めることでマシンのパワーを最大限に活用できるようになる。

    これらのアクティブエレメントは、現行のDRSに代わる「オーバーテイクモード」として機能する。前方1秒以内に他車がいるドライバーが使用可能で、追い抜きを仕掛けるための追加パワーを展開できる。このモードは一度に使い切ることも、1周に分散して使用することも可能だ。

    気候中立を目指すF1
    新レギュレーションは、2030年までに気候中立を達成するというF1の目標を強く後押しする。すべてのマシンは完全に持続可能な燃料を使用し、燃料使用量は1グランプリあたり70キログラムにまで削減される。これは2020年以降の100キログラムから大幅な減少となる。

    これらの変更が組み合わさることで、F1はカーボンフットプリントを大幅に削減しつつ、よりエキサイティングでオーバーテイクの多いレースを実現することが期待されている。

  • ルイス・ハミルトンが振り返るF1最悪の世代 2026年レギュレーションへの祈り

    ルイス・ハミルトンが振り返るF1最悪の世代 2026年レギュレーションへの祈り

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、2022年から始まったグラウンドエフェクト世代のF1マシンで苦戦を強いられてきた経験を踏まえ、2026年から始まる新レギュレーション周期に向けて「祈るような気持ちだ」と語った。

    2026年F1シーズンは、シャシーとパワーユニットの両面で大規模な規則変更が行われ、現行のグラウンドエフェクトカーに終止符が打たれる節目となる。

    ハミルトンにとっては、2025年にフェラーリへ移籍して迎えた初年度が不本意な結果に終わっただけに、新時代は状況を好転させる重要な機会でもある。

    2022年以降の現行世代において、7度のF1世界王者が挙げた105勝のうち、わずか2勝しかこの規則下では記録できていない。特に予選では、ブレーキング後の鋭いコーナリングを必ずしも報いてくれない特性に苦しめられてきた。

    40歳のハミルトンは、この世代のマシンについて「これらのクルマについて、恋しくなるものは一つもない」とまで言い切り、2007年にF1へ参戦して以来、最も嫌いなレギュレーション周期だと表現している。

    2026年の新規則について問われたハミルトンは、これまでに経験してきたレギュレーション変更と比較しながら振り返った。

    「とても興味深い経験だった」とハミルトンは語る。

    最初に大きな変更を経験したのは2009年で、スリックタイヤが再導入され、ウイングサイズが拡大され、ディフューザーにも変更が加えられ、ダウンフォース依存を減らすことが狙われた。

    当時、マクラーレンは苦戦し、ディフェンディングチャンピオンだったハミルトンは9戦終了時点でランキング11位に沈んだが、その後ある程度持ち直し、最終的にはランキング5位でシーズンを終えた。

    一方で、2014年と2017年の規則変更では状況が大きく異なった。ターボハイブリッド時代に入った2014年以降、ハミルトンはメルセデスで6度の世界タイトルを獲得している。

    2025年アブダビGPの場で、ハミルトンは2009年当時の経験をこう振り返った。

    「2009年のマクラーレンで、年明け最初の日に『ダウンフォースを50%減らす規則だ』と言われた。だから彼らは50%のダウンフォースを持つクルマを作ったんだ。1月に戻ってきたとき、『もう目標に達した』と言われて、『普通それってあるの?』って思ったのを覚えている。最初のテストに行ったら、まったくダウンフォースがなくて、完全に遅れていた。あの経験から本当に多くを学んだ」

    さらに2014年については、次のように続けている。

    「2014年は本当にワクワクした。新しいチームに移ったばかりで、特にエンジン面で、数年前からすでに驚くような仕事が進められているのが見えたからだ」

    そして2017年については、こう語った。

    「2017年はクルマが大きく、幅も広くなって、見た目もよりマッシブだった。ダウンフォースも増えて、とにかく最高だった。この世代は、おそらく最悪だったと思う。だから次の世代が、これより悪くならないことを祈っている」

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    2025年シーズンのメディア対応を見れば、ハミルトンがいかに現行マシンを嫌っていたかは明らかだった。短い一言で終わる回答が多く、全体的に沈んだ様子が目立っていた。

    その年、ハミルトンはランキング6位に終わり、チームメイトのシャルル・ルクレール(フェラーリ)から86ポイント差をつけられた。上海でのスプリント勝利が、シーズン唯一のハイライトだった。

    フェラーリのパフォーマンス不足も影響しており、チームは6月の時点で2025年型マシンの開発を停止した。短期的には苦しさを伴った判断だったが、ハミルトンはそれが正しい決断だったと考えている。

    「僕はフレデリック・バスールを後押ししていた」とハミルトンは語る。
    「新しいクルマの開発で他と遅れを取るわけにはいかない。僕たち全員にとって、学習曲線はとても急だからだ」

    「だから100%支持したし、今もそう思っている。あの時点でのクルマの状況を考えれば、タイトル争いをしていなかったし、正しい判断だった」

    その一方で、開発停止によってシーズン中のパフォーマンス維持が難しくなったことも認めている。

    「少なくとも、シーズン序盤にあったパフォーマンスを維持するのは難しくなった。ただ、チーム全体については僕には答えられない。僕の経験では、みんな本当に前向きだった。だから心理的な影響は見ていない」

  • 2026年F1レギュレーション:雨天時の視認性向上へミラーにLEDライト導入

    2026年F1レギュレーション:雨天時の視認性向上へミラーにLEDライト導入

    2026年F1シーズンに向け、FIA(国際自動車連盟)は安全性をさらに高めるための新たな対策を導入する。改良されたノーズ構造による二次衝突への耐性強化に加え、雨天時の視認性を向上させる目的で、マシンのドアミラー外側にLEDライトが追加されることになった。

    2026年のレギュレーション刷新では、新パワーユニットと可動ウイングを前提とした全面的な空力見直しが注目を集めている。一方でFIAは、衝突試験の厳格化など、安全面での進化も同時に進めてきた。

    雨天時の視認性対策は段階的に強化されてきた
    雨天時には、マシン後方の視認性確保のため、リアに点滅するLEDライトの点灯が義務付けられている。もともとはリアクラッシュストラクチャーに内蔵された1灯のみだったが、2019年以降はリアウイングのエンドプレート端部にも2灯が追加され、前走車を水煙の中でも認識しやすくなっていた。

    2026年はミラー外側にもLEDを追加
    2026年からはさらに一歩進み、ドアミラーの最外側部分にもLEDライトが装着される。これにより、並走時やサイド・バイ・サイドの局面でもマシンの存在を視覚的に捉えやすくなり、特に横方向からの接触リスク低減が期待されている。水煙の中で確認できる「光の基準点」を増やすことが狙いだ。

    国際自動車連盟 F1レギュレーション

    スプレー低減と運用面での対応
    FIAはまた、2026年レギュレーションによってディフューザーが生み出すスプレー量自体の低減も期待している。現行のグラウンドエフェクトカーは水を強く巻き上げ、大きな水煙が後続車の視界を大きく妨げてきた。過去数年に発生した複数の事故は、その深刻さを示している。

    こうした背景から、FIAは運用面でも対応を強化。2026年以降、コンディションが特に厳しい場合には、レースディレクションの判断で車間距離を従来の10台分から20台分へ拡大できる規則変更が導入される。ディフューザーの影響は引き続き大きいものの、挙動は現行車とは異なる形で管理される見込みで、総合的に水煙の発生を抑えることが期待されている。

    2026年F1では、技術革新と同時に、こうした細かな安全対策の積み重ねが、雨天レースの在り方を大きく変えていくことになりそうだ。

  • メルセデス、ライバルがF1エンジン規則の「抜け穴」を見つけることを警戒

    メルセデス、ライバルがF1エンジン規則の「抜け穴」を見つけることを警戒

    2026年の大規模な規則改革を目前に控え、あるチームが決定的なアドバンテージを見つけ、F1の他チームに対して大きな先行を築くリスクを巡る議論が激しさを増している。

    新レギュレーションにはセーフガードが盛り込まれているものの、パドックの複数の技術責任者は、そのようなシナリオが依然として起こり得ると見ている。メルセデスF1のエンジン部門であるメルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズの責任者、ハイウェル・トーマスもその可能性を確信している一人だ。

    しかもこの発言は、メルセデスがレッドブル・フォードとともに、将来のエンジンの圧縮比に関するグレーゾーンの活用を巡る論争の渦中にある中で語られたものでもあり、いっそう重みを持つ。

    この話題がメディアで表面化する前、あるチームが抜け穴を見つけたり、規則のグレーゾーンを突いたりする可能性について問われたトーマスは、次のように迷いなく答えていた。

    「それは常に可能だ。本当に可能だ。エンジン規則全体はそれを避けるように設計されているし、やり方をある程度限定する制約もある。それでも、だ」

    それらの制約は“魔法の解決策”の出現を防ぐことを狙ったものだが、トーマスはF1がしばしば予想外の発見の舞台になってきたことを強調する。

    「もしそれがうまく機能していれば、誰かが大きく先行している可能性は低くなる。でも、誰も見ていない抜け穴や、誰も気づいていない信じられないトリックを見つけた人がいないと、誰が言える?」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ フォーミュラ1エンジン

    これほど大きな変化を迎えるにあたり、メルセデスはどのような姿勢で臨んでいるのか。ここでもトーマスは過度な楽観を戒している。

    「12月の時点で、パワーが足りない、信頼性が足りない、システム間の相互作用が十分ではない、そう感じなかったシーズンは一度もなかったと思う。そして、すべてを解決するために3か月が残されている」

    もっとも、数年にわたるパワーユニット凍結があった2025年については、懸念がやや小さかったことも認めている。サーキットでの負担が軽減された分、工場では新しいパワーユニットに全面的に集中できたからだ。

    「もしかすると、今のパワーユニットに関して、そう感じなかったのはこのシーズンが初めてだったかもしれない。それでも、最後の瞬間に必ず何かが驚きをもたらす。最適化すべき点や、発生するトラブルがある。我々のカスタマーチームでも、実際にいくつか起きている。F1は決して穏やかな流れではない」

  • 2026年F1エンジン技術規則が再修正 FIAが燃料流量計の抜け穴を封鎖

    2026年F1エンジン技術規則が再修正 FIAが燃料流量計の抜け穴を封鎖

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1エンジン規則において、潜在的な“抜け穴”のひとつを遮断した。各メーカーがグレーゾーンを探っていることを示す、さらなる証拠と言える。

    近年、圧縮比制限の悪用疑惑を巡る大きな論争が噴出しているが、最近の技術規則の変更は、不透明さが存在するのがその一点に限られないことを浮き彫りにした。

    燃料流量計を巡る新たな焦点
    今回のもうひとつの論点は燃料流量計に関するもので、2026年からF1が完全持続可能燃料へ移行することに伴い、制限の課し方が根本的に変わることが背景にある。

    従来の最大質量流量100kg/hという上限は、燃料エネルギー流量3000MJ/hという新たな制限に置き換えられる。

    この大きな変更により、コンプライアンス確認の方法も刷新される。これまで使用されてきた2基の燃料流量計(チーム用とFIA管理用)は廃され、Allengra社製の単一の標準ユニットが採用される。

    このコンパクトで堅牢な超音波式流量計は、全車に搭載され、チームとFIAの双方が同じデータにアクセスできる仕組みとなる。

    一見すれば単純な標準化に思えるが、ここ数週間で規則文言に小さな修正が重ねられてきたことから、FIAがこの分野でのトリック使用の余地を完全に排除しようとしている様子がうかがえる。

    国際自動車連盟 F1レギュレーション

    温度操作を巡る文言変更
    問題の核心は、チームが燃料流量計の温度を操作する可能性にあるようだ。

    温度を変化させることで、測定される燃料の性質そのものを変えたり、装置が取得する数値に影響を与えたりする利益が生じ得る。

    10月には、マシンに燃料流量計を装着しなければならないとする条項に、次の一文が追加された。

    「燃料流量計を意図的に加熱または冷却することは禁止される。」

    しかしこの文言は後に削除され、直近のFIA世界モータースポーツ評議会の会合後、次の表現に置き換えられた。

    「燃料流量計の温度を変化させることを目的とした、いかなる装置、システム、または手順も禁止される。」

    この表現変更は、より包括的なものとなっており、「意図的」でない形であっても燃料流量計の温度を操作し得る余地を塞ぐ狙いが明確だ。

    必ずしも“実行”を意味しない
    より厳格な文言が導入されたからといって、必ずしもどこかのチームが実際にこの分野を悪用しようとしていたことを意味するわけではない。

    多くの場合、競合チームは潜在的なグレーゾーンについてFIAに懸念を伝え、他者がそこに飛びつく前に、すべての抜け穴を塞ぐことを目的としている。

    一方で、燃料圧縮に関する別の問題、すなわち2026年に導入される16:1の圧縮比制限を巡り、メルセデスとレッドブルが回避策を見出したのではないかという疑念は、依然として続いている。

    この件はシーズン開幕を前に、今後も大きな話題となりそうだ。

  • ステファノ・ドメニカリ 2026年F1レギュレーションは「序列はまったく読めない」

    ステファノ・ドメニカリ 2026年F1レギュレーションは「序列はまったく読めない」

    2025年F1シーズンは、歴史に残るほど劇的な結末を迎えた。F1のプレジデント兼CEOであるステファノ・ドメニカリは、その激闘の1年を振り返るとともに、2026年に待ち受ける未来について語った。

    「本当に驚異的な1年だった。特に信じられないのは、チャンピオンシップが“もう決まった”と思われる瞬間が、3回もあったことだ」

    「まず夏休み前には、オスカー・ピアストリがワールドチャンピオンになるように見えた。その後10月にはランド・ノリス、そして11月中旬にはマックス・フェルスタッペンが使命を帯びたかのように勝ちに向かっているように見えた」

    「すべてのレースに興奮があり、世界中のファンと多くの感動を共有できた。新しいファンが加わり、既存のファンはつながり続け、そして映画『F1/エフワン』のような信じられない新しいプロジェクトもあった」

    「この場を借りて、すべてのステークホルダー、そしてこのスポーツを支えてくれているすべての人に感謝したい。我々が成し遂げている成長において、誰一人として欠かせない存在はいない」

    最後までもつれたタイトル争い、そして若き才能
    「ランド、オスカー、マックスにおめでとうと言いたい。私の目には、彼ら全員が勝者だ。彼らは信じられないシーズンを作り上げてくれたし、次世代とともに、これからも我々を楽しませてくれるはずだ」

    「2025年は若手にとっても素晴らしい年だった。彼らはF1で成功するために必要な、粘り強さと決意を示してくれた」

    「その象徴的な例の一つがオーストラリアだ。アイザック・ハジャーはフォーメーションラップでクラッシュし、『まだ準備ができていない』と言う声も多かった。それから時が経ち、今では来季、4度の世界チャンピオンであるフェルスタッペンの隣でレッドブルのシートに座る」

    「F1には、逆境に耐える力が必要だ。これほどのプレッシャーを伴うスポーツは他にない。結果を出せば、あなたはこのスポーツの主要な主役の一人になる」

    ステファノ・ドメニカリ F1レギュレーション

    2026年に向け、F1は限界を押し広げ続ける
    「今のF1はとてもエキサイティングな時代にある。成長は力強く、誰もが『次は何だ?』と問いかけている。我々は、従来のF1にはなかった次元に到達するため、型にはまらないアイデアを提案し続けていく」

    「もちろん、焦点は常にレースだ。スポーツこそが我々の鼓動であり、そのため来年には新しいレギュレーションが導入される。改良されたパワーユニットを搭載し、先進的な持続可能燃料で走る、まったく新しいマシンを見ることになる」

    「従来の勢力図はリセットされ、序列はまったく読めなくなる。最終的にはサーキットが各チームの立ち位置を示すだろう。開幕戦での順位が、シーズン終盤の順位と同じだとは思えない。それほど開発競争は速く、激しいものになる」

    高まり続けるF1への関心
    「私はこの職に就いて5年目になるが、これまでの進化を振り返ると信じられないほどだ」

    「我々は、エンターテインメント、ファンゾーン、スポーツアクティベーション、音楽などを通じて、オフ・トラックでの演出にも力を注ぎ、オン・トラックの主役であるレースを支えている」

    「今年のラスベガスは、その可能性を証明した。最初は我々のようなイベントに慣れていなかった街が、今では皆で力を合わせ、この機会を受け入れている。わずか3年で、まるで30年前からここにいたかのような感覚だ」

    「来年はマドリードが新たに加わり、他の国々とも話し合いを進めている。多くの国が、このショーの一部になりたがっている。我々はレースの流れという意味でも、より持続可能なカレンダーになるよう努力している」

    「未来が楽しみだ。ファンから寄せられる献身、温かさ、愛情に心から感謝している。これからも注目してほしい」

  • FIA、2026年F1競技規則を改定 スチュワードに「裁定再検証」権限

    FIA、2026年F1競技規則を改定 スチュワードに「裁定再検証」権限

    F1におけるガバナンスは、常に繊細なテーマだ。近年は特に、スチュワードの裁定の一貫性やルールブックの適用方法を巡り、多くの批判が向けられてきた。

    こうした状況を受け、統括団体であるFIAは、2026年版インターナショナル・スポーティング・コード(ISC)を改定。F1世界選手権のスチュワードが、自らの判断で過去の裁定を「再検証」できる仕組みを導入した。

    従来はチームのみが行使できた「再検証の権利」
    これまで、ISC第14条に基づく「レビューの権利(Right of Review)」は、スチュワードの裁定を受けた当事者、すなわちチーム側のみが申請できるものだった。

    申請が行われた場合、スチュワードは「裁定時には入手できなかった重要かつ関連性のある新要素」が提示されたと判断したときに限り、裁定を見直すことが可能だった。

    このルールが実際に行使された代表例が、オランダGP後のケースだ。ウィリアムズは、カルロス・サインツJr.がリアム・ローソンとの接触で10秒加算ペナルティとスーパーライセンスのペナルティポイントを科された件について、再検証を申請した。

    サインツの事例が示した再検証の影響
    この再検証では、裁定当時には確認できなかったローソンのオンボード映像が新たに精査された。その結果、スチュワードはペナルティポイントの付与を撤回する判断を下している。

    FIAによれば、現代F1において「レビューの権利」が行使された事例は14件あり、実際に裁定変更に至ったのはサインツのケースを含む4件のみだ。

    新設された第14.1.2条の意味
    今回の改定で新たに盛り込まれたISC第14.1.2条では、スチュワード自身が「裁定時には入手できなかった重要かつ関連性のある新要素」を発見した場合、当事者からの申請を待たずに、自発的に裁定を再検証できることが明記された。

    この変更により、2026年以降はスチュワードがより柔軟に、かつ公平性を重視した判断を下せる体制が整うことになる。裁定の透明性と信頼性を高める狙いがある一方で、その運用方法次第では新たな議論を呼ぶ可能性も残されている。