カテゴリー: F1レギュレーション

  • ルイス・ハミルトン 2026年F1レギュレーションは「過去最大の勉強量」

    ルイス・ハミルトン 2026年F1レギュレーションは「過去最大の勉強量」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、2026年F1の新レギュレーションを理解するために、これまでのどの時代よりも多くの勉強が必要になっていると明かした。

    F1は2026年に大規模なルール変更を実施し、より細く、より小さく、より軽い新型マシンが導入された。加えて、内燃機関と電力の比率がほぼ50対50となる新しいパワーユニットが採用され、レースの戦い方そのものにも大きな変化が生じている。

    新世代のマシンには可動式エアロダイナミクスが導入されており、ドライバーは「オーバーテイク」モードや「ブースト」ボタンなど、さまざまな機能を使いながら戦うことになる。

    こうした新要素によって、レースではエネルギーマネジメントの重要性が大きく増した。バッテリー残量が少ないドライバーは抜き返されやすくなり、一部ではこの状況を「ヨーヨー・レーシング」と呼ぶ声も出ている。

    ハミルトン「これまでのどの時代よりも勉強が必要」
    冬の間に2026年F1の新ルールの複雑さを学ぶのは大変だったのかと問われたハミルトンは、次のように語った。

    「本当にそうだ。実際、テストではそれを本当に体感することはできなかったと思う」

    「本当にそれがはっきり見えてきたのは、ここまでの3つのレースだ。スプリント、それから今回のレース、そしてもちろんメルボルンだ。周囲をマシンに囲まれて戦っている時、バッテリーの使い方がどういうものか、ブーストを持っている時にどう使うか、そういったことが本当によく分かるようになった」

    「だから、ものすごく難しい。正直に言って、彼ら(メルセデス)に対して大きな差を感じていないわけではない。ブーストがあって、1秒以内に入っていても、彼らはストレートでまだ離れていく。だから、全体として僕たちにはまだもっと必要だ」

    「でも、これまで僕が経験してきたどの時代よりも、はるかに勉強が必要だと思う。そして、非常に、非常に綿密でなければならないし、細部まで注意を払わなければならない」

    ルイス・ハミルトン F1レギュレーション

    新時代の評価は分かれる
    この新ルールについては評価が分かれており、中国GP後にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が、2026年F1に対する批判をさらに強めた。

    「これを好きだという人がいるなら、本当にレースというものがどういうものか分かっていないんじゃないかと思う」とフェルスタッペンは語った。

    「まったく楽しくない。マリオカートをやっているみたいだ。これはレースじゃない。抜いていって、バッテリーがなくなったら、次のストレートで今度は相手がブーストで抜き返してくる。僕にとっては、ただの冗談だ」

    ハミルトンはルクレールとの攻防を高く評価
    その一方で、上海でメルセデス勢に続く3位に入り、フェラーリ移籍後初表彰台を獲得したハミルトンは、チームメイトのシャルル・ルクレールとのバトルについて前向きに語っている。

    ハミルトンはこの攻防を「F1でこれまで経験した中で最高のレース」と表現しており、新時代のマシンが生み出す戦いに対しては、批判だけでなく評価の声も出ている。

  • FIAがF1レギュレーション変更を検討 中東2戦中止でPU開発評価に影響

    FIAがF1レギュレーション変更を検討 中東2戦中止でPU開発評価に影響

    2026年F1シーズンのカレンダーに大きな変動が生じたことで、FIAがパワーユニット開発に関する重要な評価スケジュールの見直しを検討している。バーレーンGPとサウジアラビアGPが中東情勢の影響で開催見送りとなり、エンジン開発の進行に直接的な影響が及んでいるためだ。

    これにより、メルセデスが築く優位性を他メーカーがどのタイミングで是正できるかという構図にも変化が生じる可能性がある。特にフェラーリやアウディといったライバル勢にとっては、開発機会の前倒しが焦点となっている。

    ADUO制度の評価タイミングにズレ
    FIAは、ADUO(追加開発・アップグレード機会)制度の運用スケジュールについて調整を検討していると報じられている。

    現行レギュレーションでは、シーズンを通じて4つの観測期間が設けられ、6戦ごとに内燃エンジンの性能評価が実施される。この評価は複数の指標をもとにしたパフォーマンスインデックスで判断される仕組みだ。

    当初、この最初の重要な評価はマイアミGP(第6戦)で行われる予定だった。しかしバーレーンとサウジアラビアの2戦が消滅したことで、マイアミは第4戦へと繰り上がり、評価タイミングはモナコGP(6月)まで後ろ倒しとなる見込みだ。

    この遅延は、開発の遅れているメーカーにとって大きな不利となり得る。

    メルセデス優位とライバルの焦り
    ADUO制度は、トップからの性能差に応じて開発支援が段階的に付与される仕組みとなっている。

    トップから2%以上遅れているメーカーには追加の開発機会が与えられ、4%以上の差があればさらに優遇措置が拡大する。対象は84のコンポーネントに及び、通常は年間1回のアップデートに制限されるが、該当メーカーにはアップグレード回数やダイノ使用時間、予算制限の緩和が認められる。

    このため、現時点で基準となるパワーユニットを持つメルセデスに対し、フェラーリやアウディなどのライバル勢は評価タイミングの前倒しを強く望んでいる。

    エンジン開発はシャシー開発よりもサイクルが長く、ホモロゲーションの制約も厳しいため、ADUOの適用が遅れるほど差を詰める機会は限られてしまう。

    国際自動車連盟 F1レギュレーション

    FIAはスケジュール修正を提案か
    こうした状況を受け、FIAはカレンダー変更に合わせた評価期限の見直しを提案する可能性が高いとされている。

    この案が実現すれば、開発が遅れているメーカーにとっては追い上げのチャンスが早まることになる。一方で、現在優位に立つメルセデスのみが反対に回る可能性があるものの、全体の合意形成は比較的容易と見られている。

    なお、今回のレース中止によってもチームの予算上限に変更はなく、現行規定では「24戦以下」であれば2億1500万ドルの上限は据え置かれる。カレンダーが24戦を超えた場合にのみ増額が適用される仕組みだ。

  • セルジオ・ペレス F1新規則を“マリオカート”と揶揄「ボタンひとつで逆転」

    セルジオ・ペレス F1新規則を“マリオカート”と揶揄「ボタンひとつで逆転」

    キャデラックF1のセルジオ・ペレスは、2026年F1レギュレーションに対する議論が続く中で、その特性を人気ゲームになぞらえて再び皮肉を交えた発言を行った。

    開幕からエネルギーマネジメントやオーバーテイクモードの影響が大きく取り沙汰されるなか、ペレスは中国GPでの無線でもユーモアを交え、その“人工的”な側面に言及している。

    キャデラックに加入した2026年シーズン、ペレスは中国GPを15位でフィニッシュ。そのレース中、チーム無線で次のように語った。

    「今はキノコが必要だ。消えてしまった。何が起きたのか分からない」

    この発言は、アイテムで加速するゲームの要素になぞらえたものであり、2026年F1の“ボタン操作によるパフォーマンス変化”を象徴するものとなった。

    ペレスはオーストラリアGP後にも同様の見解を示している。

    「正直に言って、とても人工的に感じた」

    「ボタンを押すだけで追い抜いて、そしてまた抜き返される。まさにマリオカートのような感じだ」

    セルジオ・ペレス F1レギュレーション

    さらに、新レギュレーションの評価については慎重な姿勢も見せている。

    「最終的にはドライバーが違いを生み出すこともできるが、結局はそこに集約されてしまう」

    「これらのルールを判断するにはまだ早いが、時間はかかるだろう。ただ、メルボルンで見たものは、ファンとしては好きではなかった」

    同様の印象は他のドライバーからも聞かれている。フェラーリのシャルル・ルクレールは、オーストラリアGPの無線でこう語った。

    「これはマリオカートのキノコみたいだ」

    また、ハースF1チームのオリバー・ベアマンも、エネルギーマネジメントの難しさと極端な速度差について言及している。

    「少しそんな感じはあった」

    「自分はF1に乗っていて、他のドライバーはF2にいるような感覚だった」

    「ただし、その後はバッテリーを再充電しないといけない。そうしないと次のストレートでエネルギーがなくなってしまう」

    「考えることが多くて複雑だが、7位でフィニッシュできたのは嬉しい。今週末のクルマは決して運転して楽しいものではなかったが、それでも満足している」

  • フェラーリF1 “利己的”批判に反論 スタート規則問題は「もう十分」

    フェラーリF1 “利己的”批判に反論 スタート規則問題は「もう十分」

    フレデリック・バスールは、2026年F1のスタート手順をめぐるルール変更論争について、フェラーリが改善を妨げているとの批判に反論した。フェラーリF1は今季ここまでスタート局面で明確な強みを示しており、そのことも議論に拍車をかけている。

    2026年の新パワーユニット・レギュレーション導入後、スタート時の安全性には以前から懸念が示されてきた。

    発進直後のマシン間で大きな速度差が生じる可能性が指摘されており、実際に開幕戦オーストラリアGPでは、リアム・ローソンとフランコ・コラピントの間で接触寸前の場面も起きていた。

    FIAは今季開幕に向け、スタート手順に関するレギュレーションを修正した。現在のパワーユニットには、ターボの立ち上がりを補助していたMGU-Hが存在しないため、ドライバーがターボを立ち上げる時間を確保できるよう、シグナル消灯までの時間を延長している。

    ただし、この対応でも十分ではないと見る声は少なくない。中国GPを前にジョージ・ラッセルは、オーストラリアで多くのドライバーがバッテリー残量の少ない状態でスタートすることになった背景には、この“少し癖のある”新ルールがあったと説明した。

    ラッセルは、FIAから改善案が提示されたものの、フェラーリが変更に反対していると主張し、調整に否定的な立場を“利己的”だと表現した。

    今季のフェラーリはスタートで優位性を発揮しており、ここまで行われた2戦ともに、オープニングラップではフェラーリ勢が先頭に立っている。

    スクーデリア・フェラーリ

    こうした状況を受け、フレデリック・バスールは、フェラーリはすでに現行レギュレーションに合わせてマシンを設計しており、これ以上ルールを動かすべきではないとの考えを示した。

    「我々はすでに、5秒の件でスタートルールを大きく変えたと思う」とバスールは中国で日曜に語った。

    「1年前、私はFIAのところへ行って、スタートについて懸念を提起した」

    「私は『みんな、これは難しくなると思う』と言った」

    「返ってきた答えは明確だった。レギュレーションに合わせてクルマを設計すべきであって、クルマに合わせてレギュレーションを変えるべきではない、というものだった」

    「我々はレギュレーションに適合するクルマを設計した」

    「5秒の変更や青いライトの件は、我々にとって助けにはならなかった。だが、ある段階で、もう十分だと思う。私にとっては、そうだ。これはもう終わった話だ」

  • シャルル・ルクレール 2026年F1レギュレーション擁護「人工的ではない」

    シャルル・ルクレール 2026年F1レギュレーション擁護「人工的ではない」

    2026年F1レギュレーションを巡る議論が続く中、シャルル・ルクレールが新たな技術規則に対して支持を表明した。一方でカルロス・サインツJr.は批判的な姿勢を示しており、ドライバー間でも評価が分かれている。

    メルセデスが優位に立つ今季、ランキング3位につけるルクレールは、現行マシンに対してポジティブな見解を示した数少ないドライバーの一人だ。ファンの間でも賛否が分かれる中、その評価はチームの競争力とも無関係ではないと見られている。

    ルクレール 新F1レギュレーションを評価「人工的ではない」
    ルクレールは2026年F1レギュレーションについて次のように語った。

    「僕は楽しんでいる。クルマの中からはそこまで人工的には感じない」

    「確かに、誰かがバッテリーの使い方をミスして完全に使い切ってしまったときには、大きな速度差が生まれてしまうような“人工的なオーバーテイク”はある」

    「でも僕たちはどこでリスクを取るべきか、どこで抑えるべきかを理解し始めていて、それが面白いオーバーテイクポイントを生んでいる。今日のレースはそれがよく表れていたと思う」

    中国GPではチームメイトとの激しいバトルも展開されたが、その要因が新たなパワーユニット規定なのか、マシン特性なのか、それともドライバー同士の意地によるものかは議論の余地がある。

    「本当に楽しかった。チームに同じことを聞いたら違う答えが返ってくるかもしれないけど、僕はすごく楽しめた」

    「正直に言って、レースに関してはこのクルマはかなり楽しいし、クールなレースだった」

    「最終的にはルイスの方が強かったし、彼の表彰台は嬉しい。もちろん自分が逃したのは悔しいけど、すべてを出し切ったうえで彼が上回った」

    「とてもクリーンでハードだけどフェアな戦いだったし、コクピットの中での戦略的な駆け引きもすごく面白い。最終コーナーでどちらが仕掛けるかという駆け引きもあって、お互いにかなり早めにブレーキを踏んだ。エネルギーの使い方やマネジメントも含めて、楽しいレースだった」

    予選には課題「F1らしさが足りない」
    一方でルクレールは、予選については課題を認めている。

    「以前のようなハイダウンフォースのクルマではない」

    「予選に関しては、もう少し“F1らしさ”を取り戻す必要がある部分があると思う。何かが足りない感覚がある。でもFIAが取り組んでいるのは分かっているし、解決策が見つかることを期待している」

    シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ) F1レギュレーション

    サインツは批判「正しいフォーミュラではない」
    対照的に、カルロス・サインツJr.は2026年F1レギュレーションに対して明確な批判を展開した。

    「グラフィックや演出を見ても分かる通り、彼らは何とかして“うまくいっている”ように見せようとしている。でも僕たちは皆、これがF1にとって正しいフォーミュラではないと分かっているはずだ」

    「だから変更が入ることを本当に願っている。現状はベストなフォーミュラではない」

    さらにサインツJr.は、F1やFIAが否定的な反応を抑制している現状にも不満を示す。

    「シーズン序盤に完璧でないのは問題ではない。ただ、それを認識して改善していくことが重要だ」

    また、上海では改善が見られたとしつつも、サーキット特性によって問題が再燃する可能性を指摘した。

    「中国のようなエネルギーが豊富なコースではそこまで悪くない。でもメルボルンやモンツァ、スパでは再考が必要になると思う」

    「開発も解決の一部になるだろうけど、これは僕が見たいF1の姿ではない。上層部もそれは分かっているはずだ」

    さらに信頼性の問題にも言及し、中国GPでは複数のマシンがスタートできなかった点を問題視した。

    「これはF1にとって良い印象ではない」

    「マクラーレン2台、ウィリアムズ、アウディがグリッドに並べなかったという事実は、いかに複雑なエンジンとソフトウェア、バッテリーを扱っているかを示している」

    「信頼性のあるエンジンを作るのはチームの責任だが、これだけ要求が厳しく制約が多いと非常に難しい。すべてが極めて複雑なんだ」

    「僕の中には理想のF1像があるが、これはそこから大きく離れている。ただ、開発とレギュレーションの微調整によって改善されることを願っている」

    2026年F1レギュレーションは、エネルギーマネジメントを中心とした新たな競争構造をもたらした一方で、レースの純粋性や視覚的な魅力に関して多くの議論を呼んでいる。現時点では、競争力を持つドライバーが肯定的な見解を示す一方、苦戦する側からは批判が強まるという構図が鮮明になっている。

    今後の開発とレギュレーション調整が、この評価の分断をどこまで解消できるかが注目される。

  • 2026年F1レギュレーション変更は日本GP前見送り 「拙速な対応は不要」

    2026年F1レギュレーション変更は日本GP前見送り 「拙速な対応は不要」

    2026年F1の新レギュレーションをめぐる議論について、F1は日本GPの舞台である鈴鹿を前に、ルール変更を急がない方針を示している。新世代マシンにはエネルギーマネジメントへの依存が強すぎるとの批判が出ていたが、中国GPが見応えのあるレースになったことで、関係者は拙速な修正に動く必要はないと判断したようだ。

    当初はシーズン最初の2戦を終えた段階で、F1、FIA、各チームが特別会合を開く予定だった。

    しかし、その会合は延期され、少なくとも鈴鹿の日本GP前に即座のルール変更が行われることはなくなった。今後の調整案についての議論は、日本GPを終えて3戦を消化した後に行われる見通しだ。

    中国GP後に判断を先送りマシンのエネルギー管理に大きく依存する2026年F1レギュレーションについては、すでにウインターテストの段階から懸念が出ていた。新車がファンに歓迎されないレースを生むのではないかという不安もあり、F1、FIA、チームはシーズン序盤2戦の後に特別会合を予定していた。

    しかし、その会合は延期された。中国GPがアクションの多いレースになったことを受け、チーム代表やシリーズ首脳陣は、現時点で慌てて手を打つ必要はないとみているという。そのため、今後の微調整に関する議論は、日本GP後に改めて行われることになった。

    小松礼雄「変えるなら一度で正しく」小松礼雄(ハースF1チーム)は、拙速な対応を避けるべきだと語った。

    「我々は確かに拙速に反応すべきではないです」

    「何かを変えるのであれば、一度で、そして正しくやらなければなりません」

    新ルールに対する最大の不満は、バッテリー展開への依存度の高さにある。これによってドライバーはエネルギーを管理するため、ストレートや高速コーナーの終わりを待たずに大きくアクセルを戻す“リフト・アンド・コースト”を強いられる場面が増えている。

    現在議論されている解決策のひとつは、使用可能なバッテリーパワーを引き下げることだ。そうすれば、過度なエネルギーマネジメントの影響を弱められる可能性がある。

    F1レギュレーション

    トト・ヴォルフは政治的駆け引きも警戒2026年F1の新時代で序盤の主導権を握っているメルセデスのチーム代表、トト・ヴォルフも、この問題をめぐる政治的緊張を認めている。

    「我々には現時点で勝てる力を持った良いクルマがある」

    「今後数週間から数か月のうちに、どんな政治的な刃が抜かれるのか見てみよう」

    賛否は分かれるが将来性を評価する声もそれでも、新世代マシンへの批判は少なくない。元F1ドライバーのミカ・サロは、フィンランド紙『イルタ・サノマット』に対して次のように語った。

    「彼らはオーバーテイクしているわけではない。ただ順位が入れ替わっているだけだ」

    それでもサロは、チームとドライバーが複雑なパワーユニットへの理解を深めれば、レースは良くなっていくとみている。

    「クルマからすべてのパワーを引き出す方法と、パワーユニットをどう最適に使うかを理解すれば、レースは本当に良くなっていくと思う」

    一方で、MotoGPのマルク・マルケスは、すでにエキサイティングなバトルが見られているとして前向きな見方を示した。

    「今はメルセデスとフェラーリの争いが見られるし、これまでにはなかったオーバーテイクも見えている」

    「辛抱強くあるべきだ。将来に向けて良い道になるかもしれない」

    元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤも、この新しい運転スタイルには独自の魅力があると考えている。

    「リフトのタイミングを合わせて、バッテリーを長く持たせる。それがこのやり方の妙なんだ」

    「本当に芸術だよ」

    さらにモントーヤは、もしF1が単純な修正を望むのであれば、バッテリーパワーを下げることでデプロイ時間を延ばし、レースの流れを滑らかにできると説明した。

    「バッテリーパワーが350kWではなく250kWなら、もっと長く持つようになる」

    “F1らしさ”を問う声もただし、そもそもF1がこうした方向へ進むべきではないと考える声もある。マックス・フェルスタッペンは新しいF1を「ステロイドを打ったフォーミュラE」と表現していたが、フォーミュラE共同創設者のアルベルト・ロンゴでさえ、従来のF1のほうが好みだと語っている。

    「私は昔のF1のほうが好きだった。遠回しには言わない」

    「F1は誰が最も遅くブレーキをかけるかを見るレースであるべきだ。フォーミュラEはF1とは違うものとして作られた。それぞれの選手権は、自分たちのアイデンティティに忠実であるべきだ」

  • マックス・フェルスタッペン 新F1規則に警鐘「このままではスポーツを壊す」

    マックス・フェルスタッペン 新F1規則に警鐘「このままではスポーツを壊す」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、2026年F1レギュレーションについて、ファンエンゲージメントを優先する方向性が続けば「最終的にスポーツを壊す」と警告した。

    フェルスタッペンは、新規ファン層の影響によって意思決定が行われることに懸念を示し、「レースを理解していない人たち」に合わせた方向性が続けば、将来的に問題が生じると指摘した。また、2023年の時点で示していた懸念が聞き入れられなかったことにも言及している。

    フェルスタッペン「本当のレースではない」
    フェルスタッペンは、2026年の新レギュレーションについて最も強く批判しているドライバーのひとりであり、中国GPではその姿勢をさらに強めた。

    バッテリー出力がパフォーマンスやオーバーテイクに大きく影響している点について「冗談のようだ」と表現し、レース自体も「まったく楽しくない」と語った。また、この新ルールを好んでいる者については「レースを理解していない」と断じている。

    「こういうことを言う時は少し慎重にならないといけない」

    「この件については話し合っているし、ドライバーとして我々がどこから来ているのかは理解してくれていると思う」

    「たぶん僕は大半のドライバーを代弁している。一部は勝っているから素晴らしいと言うだろうし、それは理解できる。優位があるなら手放したくないのは当然だ」

    「でも大半のドライバーにとって、これは僕たちが望むものではない。本当のF1ファンが望むものでもないと思う」

    「好きだというファンもいるかもしれないが、レースを理解していない」

    「できるだけ早くこれを取り除けることを願っている」

    「いずれ自分たちに跳ね返る」
    フェルスタッペンは、F1が新たなファン層の支持を重視しすぎている可能性について問われると、強い危機感を示した。

    「そう考えていないことを願う。もしそうなら、最終的にこのスポーツを壊すことになる」

    「いずれ自分たちに跳ね返ってくる」

    「ただ、彼らとコミュニケーションを取り、解決策に向けて動けるなら大きな助けになる」

    「しかし全員が同意するのは難しい。全員である必要はないが、変更には大多数の同意が必要だ」

    「結局は政治だ。今優位にいる人たちはそれを使いたいと思うし、それは当然だ。僕も理解している」

    「しかしスポーツ全体を見れば、良いことではない」

    マックス・フェルスタッペン F1レギュレーション

    2023年からの懸念「すでに見えていた」
    フェルスタッペンは、この問題が突然浮上したものではないと強調する。

    2023年のオーストリアGPの時点で、シミュレーターやデータから2026年マシンに対して強い懸念を抱いていたという。

    「2023年の時点で、こうなることは見えていた」

    「その時に耳を傾けるべきだった」

    「不運なことだが、将来への教訓になればいい。同じことが二度と起こらないなら、それが一番いい」

    レッドブルの状況とは無関係の主張
    今回の批判についてフェルスタッペンは、レッドブル・レーシングの競争力とは関係ないと強調している。

    2026年開幕2戦で獲得ポイントは8点にとどまり、中国GPでは冷却系トラブルによりリタイアしたが、それでも今回の発言は純粋にレースの在り方に対する問題提起であるとしている。

    2026年の新時代が始まったばかりの中で、フェルスタッペンの発言はF1の方向性そのものに疑問を投げかけるものとなっている。

  • ホンダF1「2026年レギュレーションは言い訳にならない」 振動問題に課題

    ホンダF1「2026年レギュレーションは言い訳にならない」 振動問題に課題

    アストンマーティンと組むホンダにとって、2026年F1シーズン序盤は厳しい戦いが続いている。開幕戦オーストラリアGPに続き、中国GPでも両車が完走できず、パワーユニットの信頼性問題が改めて浮き彫りとなった。

    特に中国GPでは、フェルナンド・アロンソが激しい振動によって手足の感覚を失いリタイアを強いられるなど、マシンの深刻な問題が露呈した。

    ホンダF1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア、折原慎太郎はレース後、改善の兆しはあるとしながらも課題の多さを認めている。

    ホンダF1 折原慎太郎「振動は改善したが問題は残る」
    HRCチーフエンジニアの折原慎太郎は中国GP後、週末を振り返り次のように語った。

    「今日の中国GPでダブルリタイアという結果には満足できない。しかしポジティブな面に目を向ければ、メルボルンより多くの走行距離を重ねることができたのは励みになる」

    「スプリント週末を通して信頼性は改善していたが、まだレース全距離を走り切るには十分ではない」

    「システム面での振動は改善したが、ドライバーの快適性という点では依然として問題が残っている。これは次戦の日本GPに向けて取り組むべき重要な課題だ」

    ホンダF1 本田技研工業

    ストロールのリタイア原因は調査中
    また、ランス・ストロールのリタイアについても原因はまだ特定されておらず、ホンダとチームが共同で調査を進めているという。

    「ランスのリタイアについては現在、原因を調査している。9周目に何が起きたのかを理解するため、HRCさくらの施設やアストンマーティンと協力しながら作業を続けていく」

    「2026年レギュレーションは難しいが言い訳ではない」
    折原はまた、2026年の新レギュレーションが技術的に非常に複雑であることにも言及した。

    「2026年のレギュレーションは決して簡単ではない。今日のリタイアやDNSの数を見ればそれは明らかだ」

    「しかし、それが僕たちの信頼性やパフォーマンスの言い訳にはならない」

    「まだやるべきことは非常に多くある。今の僕たちにとって最優先なのはそこだ」

    シーズン序盤で苦戦が続くホンダにとって、次戦日本GPは大きな試練となる。母国レースを前に、信頼性問題の解決が急務となっている。

  • FIA 2026年F1レギュレーション変更はマイアミ以降 中国GPを高評価

    FIA 2026年F1レギュレーション変更はマイアミ以降 中国GPを高評価

    F1中国GPの週末は、2026年F1レギュレーションに対する即時の是正措置を不要と判断させる内容になった。統括団体側は、上海で行われたスプリントと決勝を十分に見応えのあるものと受け止めており、少なくともマイアミまでは技術規則とスポーティングレギュレーションに手を加えない見通しとなった。

    開幕戦オーストラリアのあとには、FIA(国際自動車連盟)のシングルシーター部門責任者ニコラス・トンバジスが、中国GP後に規則の一部を即座に修正するための会議が開かれる可能性に言及していた。

    しかし上海の週末を経て、そのシナリオはいったん後退した。

    上海のあとに緊急会議は行われず
    オーストラリアでの開幕戦のあと、FIA技術部門トップのニコラス・トンバジスは、中国GP後に技術規則およびスポーティングレギュレーションの一部を直ちに見直すための会議が開かれる可能性があると語っていた。

    だが、上海での週末を終えた時点で、この見通しは少なくともマイアミまで先送りされた。

    F1レギュレーション 国際自動車連盟

    F1首脳陣は拙速な対応を回避
    『ザ・レース』の報道によると、F1のガバナンス側は、現行規則に介入する場合でも、より慎重に行動計画を練ったうえで判断するのが望ましいと考えている。

    そのため、中国GP直後に何らかの修正を断行するのではなく、いったん状況を見極める方向へと舵を切った。

    中国GPは“懸念された失敗”にはならず
    上海で行われたスプリントと決勝は、こうした判断を下す立場の関係者から見て、十分にスリリングなレースだったと評価された。

    シーズン開幕前に一部で懸念されていたような“惨事”には程遠い内容だったため、2026年F1レギュレーションに対する即時の介入は見送られることになった。

  • シャルル・ルクレール 新F1規則でオーバーテイク変化「勇気より戦略」

    シャルル・ルクレール 新F1規則でオーバーテイク変化「勇気より戦略」

    シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、2026年の新F1レギュレーション下では、オーバーテイクに必要なものがこれまでとは変わりつつあると語った。ルクレールによれば、いまや勝負を左右するのは単純な度胸ではなく、バッテリー使用を見据えた戦略的な判断だという。

    開幕戦オーストラリアGPでは、序盤9周だけで首位が7回入れ替わる激しい攻防が繰り広げられた。

    ルクレールは先頭集団の中でジョージ・ラッセル(メルセデス)と何度もポジションを入れ替えたが、フェラーリがバーチャルセーフティカー中の重要なピットストップを見送ったことで、最終的にはラッセルに後れを取った。それでもルクレールは26周目まではレースをリードしていた。

    序盤の攻防で何度も首位交代
    オープニングラップからの戦いでは、ルクレールとラッセルが今年導入された強力な電動ブーストとオーバーテイクモードを活用し、1周の中で何度も順位を入れ替えた。

    ある場面では、エンジニアからその周にオーバーテイクモードを使えると告げられたルクレールが、「これはマリオカートのキノコみたいだ」と応じる場面もあった。

    オーバーテイクモード、あるいはブーストモードを使えば大きなパワー上乗せを得られる一方で、その代償としてバッテリーを大きく消耗し、同じ周のうちに抜き返される脆さも生まれる。

    F1は、今年のオーストラリアGPでは120回のオーバーテイクがあったと誇っており、2025年の45回を大きく上回ったが、ルクレールはオーバーテイクを成立させるために求められる技術そのものが変わったと説明した。

    シャルル・ルクレール F1レギュレーション

    ルクレール「勇気ではなく数手先を読むレースになった」
    「この新しいルールは、レースの進め方やオーバーテイクのやり方を間違いなく変えると思う」とシャルル・ルクレールは語った。

    「以前は、誰が一番遅くまでブレーキングを我慢できるか、つまり誰が一番勇敢かという部分が大きかった。でも今は、ひとつひとつの動きの裏に、もう少し戦略的な思考がある」

    「ブーストボタンを押すたびに、その代償をあとで大きく払うことになると分かっている。だから常に数手先まで考えて、最終的に自分が先頭に立てるようにしようとする。間違いなく、これまでとは違うレースのやり方だ」

    アルバート・パーク特有の条件も影響
    新ルールに対するドライバーの反応は全体として否定的なものが目立っているが、メルボルンのアルバート・パークというコースレイアウトが、その難しさをより強く表面化させた可能性もある。

    このサーキットでは、ラップの約78%をフルスロットルで走行する一方、0.4秒以上の強いブレーキングを行うポイントはわずか3か所しかない。さらにコース上には4本のストレートがあるため、オーストラリアではバッテリーを使う機会は多かったが、回生できる場所は非常に限られていた。

    ラッセル「サーキットごとに見え方は変わる」
    開幕戦を制したジョージ・ラッセルは、この状況は他のサーキットではまた違って見えるはずだと指摘した。とりわけ今週末の第2戦中国GPが行われる上海インターナショナル・サーキットでは、その傾向が変わるとみている。

    「このレギュレーションで興味深いのは、行くサーキットごとに常に同じ展開になるわけではないということだ」とジョージ・ラッセルは述べた。

    「次は上海に行くけど、あそこには長いストレートが1本ある。だから多くのドライバーは、その1本のストレートでエネルギーの大半を使うことになるはずだ」

    「ここメルボルンのように4か所に分けて使う必要はない。みんな本当に批判が早すぎる。まずはやってみるべきだ」

    「ドライバーは22人いる。自分たちが最高のマシンを持っていて、タイヤデグラデーションも少ない時こそ、我々は一番満足している。でもその一方で、他のみんなはレースがつまらないと文句を言う」

    「今はドライバーたちが完全には満足していないのに、みんなレースは素晴らしかったと言っている。すべてを同時に手に入れることはできない。だから、あと数レースは様子を見るべきだと思う」