カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1新体制をフォードが評価 ホーナーの遺産とメキースの技術力

    レッドブルF1新体制をフォードが評価 ホーナーの遺産とメキースの技術力

    フォード・パフォーマンスのトップであるマーク・ラッシュブルックは、レッドブルとフォードのパートナーシップ成立において、クリスチャン・ホーナーが果たした役割を高く評価した。今週バルセロナで初の走行を行ったレッドブル・フォード・パワートレインズは、イモラでのレーシングブルズの撮影日と並び、実戦に向けた最初の一歩を刻んでいる。

    レッドブルとフォードの協業は、ポルシェとの交渉が決裂したことをきっかけに動き出した。

    対等な立場での参画を求めたポルシェに対し、別の可能性を探っていた中で、ラッシュブルックがホーナーに直接メールを送り、対話が始まったという。ホーナー自身は後に、ディアボーンでの会談でジム・ファーリーがセルジオ・ペレスのキャップをかぶって現れたことを冗談交じりに振り返っている。

    ホーナーは、ルノー、そしてホンダの突然の撤退を経験したことで、外部に依存しない体制の重要性を強く意識するようになった。パワーユニットをシャシーにより深く統合できれば、長期的な競争力につながるという考えのもと、社内エンジンプロジェクトを推し進めた中心人物でもある。ラッシュブルックは、「彼は20年にわたってチームを築き、タイトルと技術的な厚みをもたらした。その功績には最大限の敬意を払うべきだ」と述べ、最初の協議を主導した人物がホーナーだったことを改めて強調した。

    エンジニア出身代表という強み
    一方で、現在レッドブルを率いるローラン・メキースについて、フォードはそのエンジニアリングのバックグラウンドを大きな資産と捉えている。マックス・フェルスタッペンを含むチーム内部でも、その技術的理解力は高く評価されており、昇格理由のひとつとして公式にも挙げられていた。

    ラッシュブルックは、「彼自身が細かな設計を行うわけではないが、ピエール・ワシェやポール・モナハンらが必要とする支援を理解し、的確に後押しできる」と語る。プロジェクトの承認や方向性の判断において、技術を理解する代表がいることは、開発を円滑に進める上で大きな意味を持つという見方だ。

    この考え方は、F1全体の潮流とも一致している。近年はエンジニア出身者が要職に就く例が増えており、ラッシュブルック自身もフォード・パフォーマンスを技術畑から率いている。「マーケティングや広報の力も不可欠だが、レースチームとしては技術を理解したリーダーがいることが確実に助けになる」と述べ、メキースの立場に自身を重ね合わせた。

    レッドブル・レーシング フォード エンジン

    既知の関係性が支える移行期
    メキースの就任がスムーズに受け入れられた背景には、レーシングブルズ時代からフォードと関係を築いていた点もある。ファエンツァを拠点とする姉妹チームも、2026年から同じレッドブル・フォード・パワートレインズを使用するため、準備段階での接点は多かった。

    ラッシュブルックは、「2026年に向けた準備の中で、彼の仕事ぶりはよく分かっていた。だからこそ、レッドブルでの役割が決まったときも、リーダーとして、そしてエンジニアとして信頼できる人物だと確信していた」と語る。メキースはチームの能力を信じ、引き出すための支援に徹しており、その姿勢が新体制の安定につながっているとフォードは見ている。

    ホーナーが築いた土台への敬意と、メキースがもたらす技術的視点。その両輪が、レッドブルとフォードの新時代を形作ろうとしている。

  • ヘルムート・マルコ、セルジオ・ペレスのレッドブルF1批判に反論

    ヘルムート・マルコ、セルジオ・ペレスのレッドブルF1批判に反論

    レッドブル・レーシングの元モータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが、セルジオ・ペレスによる最近の発言に対して反論した。

    ペレスは母国メキシコのポッドキャスト番組「Cracks」に出演し、レッドブル在籍時を振り返り、「すべてが問題だった」と語るなど、チームに対して厳しい見解を示していた。

    「驚きだ。彼は契約を持っていなかった」
    マルコはオーストリア放送協会ORFの取材に対し、ペレスの発言を「驚くべきもの」と評した。

    「やや驚きだ。我々は、チェコ・ペレスには契約がなかったことを忘れてはならない」とマルコは語った。

    「彼は、自分が事実上存続させていたレースチームから解雇されたドライバーだった」

    さらにマルコは、ペレスの実績にも言及した。

    「彼が正確に何勝したかは把握していないが、特に2022年には、しばらくの間ワールドチャンピオン争いに加わっていた」

    そのうえで、次のように締めくくった。

    「最終的にパフォーマンスを落としたのにはいくつか理由があるが、全体として見れば、チェコは我々とともにキャリアを築いたのだと思う」

    セルジオ・ペレス

    ペレスが語ったレッドブル時代の“息苦しさ”
    ペレスはポッドキャスト内で、レッドブルでの立場について率直に語っている。

    「レッドブルでは、すべてが問題だった。速すぎても問題だった。なぜなら、チーム内の空気がとても緊張するからだ」

    「マックスより速くても問題、マックスより遅くても問題だった(笑)。とにかく、何もかもが問題だった」

    そのうえで、当時の経験から学んだこととして、次のように振り返った。

    「不満を言うよりも、置かれた状況の中で最善を尽くし、最大限の結果を引き出すしかないと学んだ」

    ホーナーとの別れ際の会話も明かす
    ペレスは、チーム代表だったクリスチャン・ホーナーとの別れ際のやり取りについても語っている。

    「別れの挨拶のとき、クリスチャンに言った。『リアムとうまくいかなかったらどうするんだ?』と。彼は『ユウキがいる』と言った」

    「じゃあそれでもうまくいかなかったら?と聞くと、『ドライバーはたくさんいる』と答えた。私は『全部使うことになるよ』と言ったし、彼も『分かっている』と言った」

    ペレスは当時を振り返り、自身がチームにとって“注意を逸らす存在”になっていたとも語っている。

    「その年はプレッシャーがとても大きかった。クリスチャン自身にも問題があり、僕はある意味でディストラクションだった」

    「僕のパフォーマンスが悪いことばかりが話題になり、他のことは誰も話さなかった」

    「精神的に強くなければ生き残れない」
    ペレスは、「チーム全体が公然と敵に回るような状況」を生き抜くには、「精神的な強さが必要だ」とも語っている。

    なお、ペレスの後任として起用されたリアム・ローソンは2戦でシートを失い、その後昇格した角田裕毅も2025年シーズン終了後にチームを離脱。現在はアイザック・ハジャーがレッドブルのシニアチームに昇格している。

  • レッドブルF1、スペアパーツ未着でバルセロナテスト木曜走行を断念

    レッドブルF1、スペアパーツ未着でバルセロナテスト木曜走行を断念

    レッドブル・レーシングは、スペアパーツの到着を待つため、木曜日のバルセロナテスト4日目を走行しないことになった。

    ミルトン・キーンズを拠点とするレッドブルは、今週月曜と火曜に、許可されている3日間のうち2日間を使って走行を実施した。しかし、火曜日の走行はアイザック・ハジャーがコースアウトし、バリアに接触してマシンを損傷したことで中断を余儀なくされた。

    レッドブルは、マシンの状態を評価するため水曜日は走行しないことをすでに明らかにしていたが、RacingNews365の理解では、木曜日も走行を見送るという。

    これは、サーキット・デ・バルセロナ=カタルーニャに必要なスペアパーツがまだ到着していないためだ。

    これらのパーツは同日のうちにサーキットへ到着する予定で、これにより修復作業を完了できる見込みだ。

    その後、金曜日には再び走行を再開することが期待されており、チームはその展開に楽観的な姿勢を示している。

    ハジャーのクラッシュはあったものの、レッドブルは新開発のパワーユニットに関するデータ収集を目的に、最初の2日間でまずまずの周回数を重ねていた。

  • レッドブルF1:ハジャーのクラッシュがガスリーと同じ運命にならない訳

    レッドブルF1:ハジャーのクラッシュがガスリーと同じ運命にならない訳

    アイザック・ハジャーのレッドブルでのF1キャリアは、皮肉にもピエール・ガスリーと同じ形で幕を開けた。バルセロナでのプレシーズンテスト中のクラッシュである。しかし、その結末まで同じ道をたどる必要はない。

    7年前、レッドブルはF1ルーキーイヤーを成功させたガスリーを、より経験豊富なカルロス・サインツJr.ではなくマックス・フェルスタッペンのチームメイトに抜擢した。

    しかしガスリーは、2019年バルセロナのプレシーズンテストで2度クラッシュし、シーズン前半の悪夢のような成績の末にトロロッソへ降格することになった。

    そして2026年、レッドブルは再びフランス人の2年目ドライバーであるハジャーをフェルスタッペンの隣に据えた。選択にあたり、より経験のある角田裕毅ではなく、勢いのある若手を選んだ点も当時と重なる。そのハジャーもまた、バルセロナで新車RB22をクラッシュさせた。

    正直なところ、F1の2026年新レギュレーション下で完全新設計のマシンを投入しているレッドブルにとって、今回のアクシデントが理想的だったとは言えない。ただし、事故は走行最終盤に起きたため、失われた走行時間は最小限に抑えられている。

    ガスリーの2019年と何が違うのか
    2019年のガスリーは、まずテスト2日目にターン12でリアを失いクラッシュした。その際、本人は限界を探る中で起きたミスだったと説明している。

    さらに9日後、2回目のバルセロナテストでは超高速のターン9で再び大きなクラッシュを喫した。この2度目の事故はチームにとって深刻で、レッドブルは旧仕様のバージボードへ戻さざるを得ず、フェルスタッペンの最終日の走行距離にも影響が出た。

    結果としてガスリーは12戦でフェルスタッペンに大きく遅れを取り、表彰台に一度も上がれないままシートを失うことになる。後に大きく立て直したことを考えれば、降格は結果的に救いだったとも言える。

    マシン特性とチーム環境の違い
    ガスリーが苦しんだ最大の要因は、RB15の挙動と自身のドライビングスタイルの不一致だった。攻撃的な走りがマシンと噛み合わず、セットアップを試行錯誤する中で迷走。オーストリアGPでは周回遅れにされ、予選でも差は拡大していった。

    さらに本人は、チーム内で十分なサポートを受けられていなかったとも感じていた。レースエンジニアのマイク・ラッグはF1未経験で、元々はダニエル・リカルドとの再タッグを想定した配置だったが、リカルド移籍によりガスリーが引き継ぐ形になった。この体制も長続きはしなかった。

    一方でハジャーを取り巻く環境は大きく異なる。2026年は技術規則が全面刷新され、今回のクラッシュもウェットコンディションでの新車走行中に発生したものだ。前日にはドライで1日走り切っている点も重要である。

    レッドブル・レーシング2019年のプレシーズンテストで2度のクラッシュを喫したピエール・ガスリー

    体制刷新されたレッドブル
    ハジャーのレースエンジニアはリチャード・ウッドで、近年はパフォーマンスエンジニアとして経験を積み、セルジオ・ペレスの代役も務めてきた人物だ。ローソンや角田裕毅と仕事をしてきた経歴もあり、経験値は十分にある。

    また、チームマネジメントも様変わりしている。かつての体制を率いたクリスチャン・ホーナーやヘルムート・マルコは去り、現在はローラン・メキースがチーム代表を務めている。人心掌握に長け、誠実な姿勢で知られる人物であり、内部からも高い評価を受けている。

    実際、ハジャーのクラッシュ後もメキースは「非常にトリッキーなコンディションだった。不運だったが、これはレースの一部だ」と冷静に受け止めた。

    同じ結末になる必然性はない
    確かに、レッドブルのセカンドシートが厳しいことは事実だ。過去にはアレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、リアム・ローソン、角田裕毅もフェルスタッペンとの差に苦しんできた。

    それでも、ハジャーが成功できない理由はどこにもない。ここで言う成功とは、フェルスタッペンに勝つことではなく、十分に近い位置で戦える存在になることだ。

    そのために必要なのは、残りのプレシーズンで同様のクラッシュを繰り返さないことだけだ。疑念が芽生える前に、着実な走行を重ねることができれば、2019年の再現になるとは限らない。

  • 角田裕毅 パーソナルブック『YUKI』2026年2月20日発売決定

    角田裕毅 パーソナルブック『YUKI』2026年2月20日発売決定

    F1で戦うレーシングドライバー・角田裕毅の初となるパーソナルブック『YUKI』が、2026年2月20日(金)に小学館より発売されることが発表された。プロデュースを手がけるのは小学館のファッション誌『Oggi』。レーシングドライバーとしての姿だけでなく、角田裕毅の「今」を多角的に切り取った一冊となる。

    日本人初の2000年代生まれF1ドライバーである角田裕毅は、2025年シーズンに日本人ドライバー最多出走記録を更新。インスタグラムのフォロワー数は410万人を超え、日本人アスリートの中でも屈指の注目度を誇る存在だ。

    世界中のF1ファンに愛されるキャラクターと、攻めのドライビングスタイルが大きな魅力とされている。

    本書では、モデルやタレント撮影で活躍するカメラマン、ヘアメイク、スタイリストによる、ファッション誌ならではのアプローチで撮影を実施。「いつもとちょっと違った一面を見せられていいかも」と角田裕毅本人が語るグラビアに加え、頭の中を垣間見ることができる「AtoZ」企画、プロフィール帳、年表などが収録され、現在地を立体的に伝える構成となっている。

    さらに本書には、F1中継でもおなじみのラジオDJ・サッシャがトータルアドバイザーとして参加。長年にわたり角田裕毅を追ってきた関係性を背景に、本音に迫る16ページの対談インタビューが収録される。また、堂本光一、中野信治ら、角田裕毅とF1を愛する4名が寄稿するコラム「だからYUKIに夢中!」も掲載される。

    小学館『月刊コロコロコミック』編集部の全面協力により、角田裕毅がF1ドライバーの夢を叶えるまでの道のりを描いたまんがも収録。加えて、2025年シーズン終了後に行われた緊急インタビューも追加され、「あのとき、実際は何が起こっていたのか」という問いに、本人の言葉で迫っている。

    2026年はレッドブルのテスト兼リザーブドライバーとしてシートを離れることになる角田裕毅だが、「最高のF1ドライバーになる」という夢は道半ばにある。本書は、決してスマートなヒーロー像ではなく、泥臭く戦い続けてきたその軌跡と現在を映し出す内容となっており、世界中のF1ファンにとって永久保存版といえる一冊だ。

    角田裕毅

    書誌情報
    書名:レーシングドライバー角田裕毅パーソナルブック「YUKI」
    定価:3,850円(税込)
    発売予定日:2026年2月20日(金)
    体裁:B5判・124ページ
    発行:小学館

    写真:撮影/倉本侑磨(Pygmy Company)

  • アイザック・ハジャーの事故によりレッドブルF1が不確実性に陥った理由

    アイザック・ハジャーの事故によりレッドブルF1が不確実性に陥った理由

    アイザック・ハジャーのクラッシュにより、レッドブル・レーシングはバルセロナで行われている2026年F1シェイクダウンの最終日に走行できるかどうかを見極める状況に置かれている。

    雨に見舞われた火曜日、ハジャーはバルセロナ最終コーナーでスピンし、ウォールに接触。2026年型RB22の後部を損傷し、この日の走行はそこで終了した。非公開テストという性質上、ハジャーのミスだったのか、あるいはマシン側に問題があったのかは、現時点では明らかになっていない。

    チームメイトのマックス・フェルスタッペンは午前のセッションを担当したが、雨が本格化する前にドライで走れたのは1周のみだった。それでも、レッドブルにとっては新車RB22、そして自社開発となる初のパワーユニットについて学ぶべきことが非常に多く、ウエットコンディションでの走行にも価値があると判断していた。

    チーム代表のローラン・メキースは、ハジャーのクラッシュを受け、今後の走行計画を引き続き評価している段階だと明かした。レッドブルはすでに月曜と火曜に走行しており、11チームすべてが5日間のうち最大3日間に制限されているため、水曜の朝に無理に走る必要はない状況にある。

    「雨については多くを学んだ」とメキースは述べた。

    「残念ながら良い終わり方ではなかったが、重要なのはアイザックが無事だということだ。我々はマシンを修復するために全力を尽くし、その後どうなるかを見ていく。

    午後は非常にトリッキーなコンディションだったので、こういう形で終わったのは残念だが、これもレースの一部だ。今日もまた非常に難しく、あらゆる面でやるべき作業が多く、こうしたことは起こり得る。

    ただ、昨日は非常にポジティブな一日だった。アイザックがどれだけ多くの周回をこなせたか、そして彼の学習、成長、エンジニアへのフィードバックという点で、とても良い内容だった。

    今はこれを分析している最中で、後ほど何らかの答えが得られることを期待している。現時点での最優先事項はマシンのダメージを評価し、翌日に走行できる可能性があるかどうかを見極めることだ。残りは1日しかないので、そのカードを慎重に切らなければならない。この分析には、まだ数時間を要するだろう」

    レッドブル・レーシング

    メキースはまた、フォードと共同開発したレッドブル・パワートレインズ製パワーユニットのセットアップという大きな課題に直面しながらも、ミルトン・キーンズのチームが2026年プレシーズンを非常に生産的にスタートさせたことを称賛した。

    「RB22で、そして自分たちのパワーユニットとともに、初めてここに来ることが特別な瞬間になるのは分かっていた」とメキースは語った。

    「ここ数か月、数週間は本当に慌ただしく、準備は大変だったが、最終的に月曜の朝、我々は走行の準備が整っていた。この場を借りて、シャシー部門とエンジン部門を含むミルトン・キーンズの全員に感謝し、称えたい。月曜の朝9時過ぎに、自分たちのエンジンを搭載したマシンが走り出す姿を見ることができたのは、本当に素晴らしいことだった。

    もちろん、まだ非常に初期段階で、完璧なものなど何もない。それでも走ることができ、学び始め、チームとして機能し始めることができた。だからこそ大きな達成感があった。前途の道のりの大きさが変わるわけではないが、ミルトン・キーンズの全員が誇りに思うべき最初の瞬間だったことは間違いない」

  • レッドブルF1、ハジャーのクラッシュでRB22修復を急ぐ「残る走行は1日だけ」

    レッドブルF1、ハジャーのクラッシュでRB22修復を急ぐ「残る走行は1日だけ」

    レッドブル・レーシングは、2026年F1バルセロナ・シェイクダウン2日目に起きたアイザック・ハジャーのクラッシュを受け、新車RB22の修復にどれほど時間を要するかを見極めている段階にある。チーム代表のローラン・メキースは「今週中に修復できるよう全力を尽くす」と述べたものの、次にいつ走行できるかは現時点で不透明だ。

    問題のアクシデントは、雨に見舞われた火曜午後の最終コーナーで発生した。

    ハジャーはマシンのコントロールを失い、スピン状態でウォールに接触。走行はそこで打ち切られ、マシン後部にダメージを負ったが、その程度はまだ明らかになっていない。

    バルセロナでの非公開シェイクダウンは5日間設定されているが、各チームが走行できるのは3日間のみ。レッドブルはすでに2日を消化しており、残された走行日は1日のみだ。一方で、マクラーレンやアストンマーティンのように、まだ一度も走っていないチームも存在する。

    ハジャーのクラッシュとRB22の損傷評価
    柔軟性という点では、レッドブルは水曜から金曜までのいずれかを最終走行日に充てることが可能だ。ただし、メキースは「今夜の最優先事項はダメージの評価だ。それによって、今後数日の走行機会がどうなるかを判断する」と説明している。

    「残りは1日しかない。そのカードをどう切るかは非常に重要だ。この分析には、まだ数時間を要する」とメキースは語った。少なくとも、火曜夜の時点で損傷の確認と修復の可否、そして現実的に走れる日程を見極める必要があるという。

    新レギュレーション下での完全な新車という事情もあり、スペアパーツが十分に揃っていない可能性も否定できない。メキースは「次に走れる機会を待ちきれないが、まずは状況を分析しているところだ。少し時間が経てば答えが出ることを願っている」と述べている。

    今回のクラッシュは、レッドブル加入後のハジャーにとって好調な滑り出しの直後に起きた不運な出来事だった。初日には100周以上を走行し、最速タイムも記録。火曜午後にはマックス・フェルスタッペンから交代し、貴重なウエットコンディションでの走行機会を得ていた。

    「午後は非常にトリッキーな状況だった。ああいう終わり方になったのは残念だが、これもゲームの一部だ」とメキースは振り返る。

    「この問題は、昨日の非常にポジティブな1日のあとに起きた。アイザックが走れた周回数、学習と成長、そしてエンジニアへのフィードバックという点では、とても良い内容だった」

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    限られた走行日数と今後のプログラムへの影響
    2日目の午前中には、フェルスタッペンがRB22で初走行を行っている。路面が乾いていたのは短時間で、1回のドライランを終えた直後に雨が降り始めた。フェルスタッペンは空力測定用の機材を装着した状態で27周を走行し、午後はハジャーにマシンを託した。

    多くのチームが雨を理由に走行を見送るなか、火曜にコースに出たのはフェラーリとレッドブルのみだった。この判断について、メキースは次のように説明している。

    「この新しいレギュレーションでは、雨の中を走ることも興味深いと考えた。すべてが新しく、やるべき作業が多かったからだ」

    彼は、初期段階ではマシンや各システムがどう機能するかという“基礎”の確認が最優先であり、それは天候を問わず実施できる作業だと強調した。

    「その作業を進め、午後は再びアイザックの番だった。ドライタイヤで走る機会はなかったが、雨の中で多くを学べた。ただ、望まない形で終わってしまったのは残念だ。何より重要なのは、アイザックが無事だということだ」

    クラッシュは最終コーナーで発生し、マシンがウォールに接触する様子は、コース外の丘にいたファンの映像でも確認されている。

    今後のプログラムへの影響があるとすれば、フェルスタッペンのフルデイ走行が犠牲になる可能性が高い。フェルスタッペンは火曜も数時間しか走れておらず、天候の影響で十分なドライ走行ができていない。

    もっとも、バーレーンでの公式テストが2回残されていることから、プレシーズン全体への決定的な影響は限定的と見られている。

    「雨が来る前に、ドライで走れたのは1回だけだった」とメキースは明かす。

    「それでも、こうした新レギュレーション下では、雨の中を走ることにも意味がある。チェックリストは数日間のバルセロナでは到底終わらない」

    「だから常に優先順位をつけ、問題が出てきたときや、追求すべき興味深い方向性が見つかったときには、柔軟にプログラムを調整していく必要がある」

    なお、残る1日の走行については、木曜または金曜にフェルスタッペンが全て担当する見通しだ。チームはまず修復とダメージ解析を終え、そのうえで最善のタイミングを選ぶ構えでいる。

  • マックス・フェルスタッペン、ハジャー昇格を支持「レッドブルF1に値する」

    マックス・フェルスタッペン、ハジャー昇格を支持「レッドブルF1に値する」

    2026年F1レギュレーションの全面刷新を前に、マックス・フェルスタッペンが新チームメイトとなるアイザック・ハジャーについて「このチャンスに値する」と語り、レッドブル昇格を歓迎した。

    2026年シーズンからF1はシャシーとパワーユニットの両面で大きなレギュレーション変更を迎える。勢力図がリセットされる可能性が高い中で、レッドブルはフォードと共同開発した自社パワーユニットで新時代に臨み、ハジャーはレーシングブルズでのルーキーイヤーを経て、角田裕毅に代わってトップチームに昇格した。

    フェルスタッペンは、スイスの有力紙『Blick』のインタビューで、2026年がハジャーにとって好機になるかどうかを問われ、次のように語っている。

    「なぜ違うと言える? レーシングブルズで素晴らしい最初のシーズンを過ごした。だから彼はレッドブルでチャンスを与えられるに値する」

    「そして新しいルールが導入されることで、きっとサプライズもあるはずだ。だから、フロントで戦う新しい名前が出てくるかもしれない」

    レッドブル・レーシング

    フェルスタッペンは4度のワールドチャンピオンであり、レッドブルでは歴代チームメイトが次々と苦戦してきた。そのため、ハジャーに課されるハードルは極めて高いと見られている。ただ一方で、2026年の大改革によって、フェルスタッペンとハジャーが同じ「白紙の状態」から新世代マシンを学び、開発していく点を好機と捉える声もある。

    この見方は、レッドブルの元上級アドバイザーであり、長年ドライバープログラムを率いてきたヘルムート・マルコの評価とも重なる。退任を前に、ハジャーがタイトルを争える器かどうかを問われたマルコは、こう断言している。

    「そうだ。彼はワールドチャンピオンになれる素材だ」

    「ほとんどのサーキットが彼にとって初めての場所だったが、3周もすれば競争力を持つ。私はミハエル・シューマッハ、そしてアイルトン・セナも非常に近くで見てきたが、彼らも同じだった。50周もテストも必要ない。来て、パッと走って、そこにいる」

    なお、ハジャーはバルセロナで行われている非公開の2026年F1シェイクダウンテスト初日で、非公式ながら最速タイムを記録し、強い印象を残している。レギュレーション大変革の年に、フェルスタッペンが語る「新しい名前」のひとりとなれるのか、ハジャーの2026年シーズンは早くも大きな注目を集めている。

  • レッドブルF1新パワーユニット初印象「まだ完璧ではないが、悪くない」

    レッドブルF1新パワーユニット初印象「まだ完璧ではないが、悪くない」

    レッドブルの2チームは、バルセロナで行われた2026年F1シェイクダウン初日を生産的な1日として終えた。完全新設計のパワーユニットを搭載し、リアム・ローソンは88周、アイザック・ハジャーは107周を走行した。

    レッドブル・フォード・パワートレインズにとって、イモラでレーシングブルズが行ったフィルミングデーに続く初の本格的なテストは、おおむね想定どおりに進んだ。リアム・ローソンは昼休み直前に赤旗の原因となったものの、それでもレーシングブルズで88周を走破している。

    マックス・フェルスタッペンは月曜日にステアリングを握らなかったが、チームメイトのアイザック・ハジャーがバルセロナ・カタルーニャ・サーキットで107周を走行する様子を見守った。1分18秒159というタイムで、このフランス人ドライバーは初日の最速タイムを記録したが、プレシーズン初期段階においてラップタイムの重要性は限定的だ。

    「かなり生産的だった。驚いたことに、想定していたよりもずっと多くの周回を重ねることができた。すべてがとてもスムーズで、問題は小さなものだけだった。自分たちのエンジンで走る初日だったことを考えると、かなり印象的だ」と、RB22での初日を終えた新レッドブルドライバーは振り返った。

    フォード・パフォーマンスのマーク・ラッシュブルックは以前、モータースポーツ・ドットコムに対し、パワーユニット開発の最終段階は主にドライバビリティに重点を置いていたと語っている。その点について、ハジャーは初走行後に慎重ながらも前向きな評価を示した。

    「正直なところ、初日としてはかなり良かった。自分が初年度に慣れ親しんだ感覚から、それほど遠くは感じない。アップシフトもダウンシフトも問題なかった。もちろん、まだ調整すべき点はいくつかあるが、全体としては堅実だった」

    ローソンのストップは「主に予防措置」
    ディートリッヒ・マテシッツに敬意を表してDM01と名付けられたこのエンジンの信頼性は、現時点での最優先事項であり、その点でレッドブルの両チームは手応えを感じている。これは、ローソンがこの日3回目の赤旗を出したレーシングブルズにも当てはまる。

    「今日はかなりの周回数をこなすことができた。もちろん、多くを学んだ。初日なので予想どおり、小さな問題はいくつかあったが、全体としては悪くない位置にいると思う」とローソンは語った。

    「正直に言えば、実際に起きた問題は安全面に関するものだけで、本当のトラブルではなかった。パワーユニットの面では、これまでのところ非常に、非常に良い。とはいえ、他と比べてどの位置にいるのかを判断するのは難しい。ただ、今後数日でさらに学んでいくことになるだろう」

    多くのチームは、シェイクダウン期間中は信頼性に専念していると明かしており、性能評価は残る2週間のバーレーン冬季テストに重点を置く考えだ。

    レッドブル・レーシング F1

    エンジンはメルボルンまでに「最適化」
    レーシングブルズのチーフレースエンジニアであるマッティア・スピーニも、自社開発されたパワーユニットについて概ね前向きな見解を示した。

    「パワーユニットはうまく機能している。繰り返しになるが、完璧ではないし、最初から完璧だとは思っていなかった。いくつかの点で作業が必要なのは確かだが、非常に良い形で協力できている。レッドブル・パワートレインズと我々、そしてファクトリーのエンジニアたちはとてもオープンで正直だ。両グループの関係は本当に良く、実際、ほとんど同じチームのようなものだ。非常に良いスタートを切れているし、この方向性を続けられると確信している。開幕戦に向けて、パワーユニットを細かく詰めていくつもりだ」

    ローソンのストップについて、レーシングブルズは昼休み開始時に行われたスタート練習中の出来事だったと説明している。

    「グリッド上で起きたことは大した問題ではなかった。何かを壊さないよう、予防措置として車両に施していた安全設定に関係していただけだ。そこで起きたのはそれだけで、パラメータを調整した後、午後はまったく問題なかった」

    今後数日に向けて、レッドブルの両チームの目標は明確だ。とにかく走行距離を稼ぐことにある。

    「クルマの信頼性を確実にしたい。このテストで性能評価を主目的にするつもりはない。性能面はバーレーンに重点を置く。ただし、作業を始めるための最初の感触と理解は得たい。走行距離を積み重ね、新しいクルマへの信頼を築いていきたい」とスピーニは締めくくった。

    バルセロナでは、各チームは5日間のシェイクダウンのうち3日間の走行が許されている。レッドブルとレーシングブルズはともに月曜日に走行したため、マクラーレンやフェラーリとは異なり、今後も2日間のデータ収集日を残している。

  • アイザック・ハジャー レッドブルF1 RB22に好感触「挙動が予測しやすい」

    アイザック・ハジャー レッドブルF1 RB22に好感触「挙動が予測しやすい」

    レッドブル・レーシングのドライバーとして初めて本格的な走行に臨んだアイザック・ハジャーは、初日を「かなり生産的な一日だった」と振り返った。

    ハジャーは想定以上の周回数を走破できたことを明かし、初日にもかかわらず走行は終始スムーズだったと語る。

    「正直、想像していたよりもずっと多くの周回をこなすことができた。すべてがとてもスムーズに進んで、トラブルも本当に小さなものだけだった。自分たちにとって初日で、しかも自社製パワーユニットでの走行だったことを考えると、これはかなり印象的だと思う」

    新世代マシンのドライビング特性については、全体的なダウンフォース量の減少を感じつつも、前世代より予測しやすくなったと評価している。

    「全体的にダウンフォースがかなり少ないのははっきり感じる。それに、前の世代のマシンよりも挙動が予測しやすい。構造もシンプルで、ドライバーとしていろいろ試しやすいクルマだと思う」

    また、2026年仕様のパワーユニットについては、ドライバーが操作できる要素が増えた点に言及。初日からその作業に着手したという。

    「パワーユニット側でも、ドライバーが操作できる選択肢がかなり増えている。今日はもうその作業を始めたけど、とても興味深かった」

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    ドライバビリティに関しても、初日としては良好な感触を得ている。

    「正直、初日としてはかなり良い感触だった。アップシフトやダウンシフトも含めて、少なくとも自分が最初のシーズンで慣れていた感覚から、そこまで大きく外れていない。もちろん、まだ調整すべき点はいくつかあるけど、ベースとしてはしっかりしていると思う」

    冬の間にはシミュレーター作業やロンドンへの拠点移動を含む準備期間を過ごしてきたハジャーは、今回の初走行に向けて万全の状態で臨めたと語る。

    「これ以上ないくらい準備できた一年だったと思う。だからこそ、その成果として良い初日を迎えられたのはうれしい。ただ、もちろん作業はまだ終わっていない。これからもやるべきことはたくさんある」

    レッドブル・レーシングの一員として迎えた最初の本格走行は、ハジャーにとって確かな手応えを残す一日となった。