カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • セバスチャン・ベッテル F1昇格の裏側 スピード「トストに暴言で即交代」

    セバスチャン・ベッテル F1昇格の裏側 スピード「トストに暴言で即交代」

    2007年F1シーズン、セバスチャン・ベッテルがトロロッソでデビューを果たした背景には、当時のレギュラードライバーだったスコット・スピードの行動が大きく影響していたことが明らかになった。

    スピード本人が振り返った証言により、レッドブル育成ドライバーとしてキャリアを歩んでいたベッテルの昇格は、単なる実力評価だけでなく、チーム内での人間関係や振る舞いも大きく関係していた実態が浮かび上がっている。

    ベッテル昇格の裏で起きていた出来事
    2007年、ベッテルはBMWザウバーから代役出場したアメリカGPで8位入賞を果たし、F1初ポイントを獲得した。その後、約2か月後のハンガリーGPでトロロッソから正式に参戦することになる。

    そのシートを失ったのがスコット・スピードだった。スピードはポッドキャスト出演の中で、自身のキャリアを振り返りながら当時の状況を明かしている。

    「いろいろ違うやり方ができたと思う。コミュニケーション能力がなかったし、ちゃんとした教育も受けていなかった。この世界がどういうものか全く理解していなかった」

    「ドライバーとして自分にどんな影響力があるのかも分かっていなかった。ただマシンに乗って速く走るだけだと思っていた。でも、なぜ速いのかも分かっていなかった」

    決定打となったトストとの衝突
    転機となったのは、ニュルブルクリンクで開催された2007年ヨーロッパGP後だった。豪雨により多くのマシンが1コーナーでコースアウトする混乱のレースとなり、スピードもその一人だった。

    レース後、トロロッソのチーム代表フランツ・トストとのやり取りが決定的な亀裂を生む。

    「エンジニアと話していたらトストが来て、1コーナーで何が起きたのかと聞いてきた」

    「正直、何を言っているのかと思った。あそこでは8台くらいがコースアウトしていたし、ハミルトンやバトンも同じだった。だから『みんなと同じだ。アクアプレーニングだ』と答えた」

    「すると彼は『全員じゃない。バカだけだ』と言った」

    「だから僕は『ふざけるな』と言ってその場を去った。そして次のレースでは、セバスチャン・ベッテルが僕のマシンに乗っていた」

    「傲慢だった」スピードの自己分析
    スピードは当時の自分を厳しく振り返り、トップカテゴリーで成功するために必要な要素を理解していなかったと認めている。

    「ただの傲慢な若者だった。チーム代表にあんなことを言っても問題ないと思っていた。でも実際は違った」

    「そのレベルで成功するために何が必要か、僕は理解していなかっただけだ」

    ベッテルのキャリアはこの交代劇をきっかけに大きく動き出し、その後の成功へとつながっていく。一方でスピードにとっては、F1でのチャンスを失う決定的な出来事となった。

  • マーク・ウェバー レッドブルF1復帰説 ヘルムート・マルコ後任の噂浮上

    マーク・ウェバー レッドブルF1復帰説 ヘルムート・マルコ後任の噂浮上

    2026年F1パドックで、レッドブルの将来体制を巡る新たな憶測が浮上している。関係者の間では、マーク・ウェバーがチームに復帰し、ヘルムート・マルコの後任として役割を担う可能性が取り沙汰されている。

    ウェバーは現役時代にレッドブルで129戦に出走し、9勝と19回の表彰台を記録。2010年にはタイトル争いを繰り広げるなど、チームの黄金期を支えた存在だ。2013年限りでF1を引退した後はWECに参戦し、近年はオスカー・ピアストリのマネジメントに関与している。

    パドック内部で浮上した“マルコ後任”説
    今回の噂は、F1パドック内の“インサイダー情報”として語られているもので、ウェバーがレッドブルのチーフアドバイザー職を引き継ぐ可能性があるというものだ。マルコは1999年から同チームに関わり、2025年末にその役割から退いたとされている。

    マルコが担っていた若手育成プログラムの統括は、現在のF1においても極めて重要なポジションだ。その点で、ピアストリのキャリア形成に深く関わってきたウェバーの実績は、この役割と親和性が高いと見られている。

    一方で、ウェバーとレッドブルの関係は現役時代に緊張を伴うものでもあった。特に2013年マレーシアGPでは、セバスチャン・ベッテルがチームオーダーに反してウェバーをオーバーテイクし勝利を奪った一件が象徴的だ。

    それでも引退後、ウェバーはレッドブルのアンバサダーを務めており、現在の関係は「良好」と伝えられている。

    レッドブルの人材流出と再編の文脈
    この噂の背景には、ここ数年で加速しているレッドブルの人材流出がある。タイトルを支えた主要メンバーが相次いでチームを離れており、組織の再構築が避けられない状況にある。

    ジャンピエロ・ランビアーゼの離脱(2028年マクラーレン加入)も含め、チーム内部の構造変化は顕著だ。こうした流れの中で、レッドブルに縁のある人物を再び要職に据える動きがあっても不思議ではない。

    ピアストリ移籍の“橋渡し役”となる可能性
    ウェバーがレッドブルに復帰した場合、もう一つ注目されるのがピアストリとの関係だ。現在も商業面を中心にマネジメントを続けており、完全に距離を置いているわけではない。

    仮にウェバーがマルコの後任となれば、ピアストリとレッドブルの関係が強化される可能性がある。実際、報道ではウェバーが将来的にピアストリの移籍に関与する可能性も示唆されている。

    マックス・フェルスタッペンの将来に不透明感がある中、レッドブルが次世代ドライバー体制を見据えて動くシナリオとしては、一定の現実味を持つ構図でもある。

    ただし、これらはあくまでパドック内の噂段階にとどまっており、現時点で具体的な動きが確認されているわけではない。ウェバーの役割、そしてレッドブルの組織再編は、今後のF1勢力図にも影響を与えうるテーマとして引き続き注視される。

    Source: F1 OVERSTEER

  • ニコ・ヒュルケンベルグ レッドブルF1移籍幻に ニューウェイが見送った理由

    ニコ・ヒュルケンベルグ レッドブルF1移籍幻に ニューウェイが見送った理由

    ニコ・ヒュルケンベルグのF1キャリアは、これまで複数のチームを渡り歩くものとなってきたが、その道のりはまったく違うものになっていた可能性があった。フェラーリF1ではフェリペ・マッサの後任としてフェルナンド・アロンソのチームメイト候補となり、さらにレッドブルF1移籍の可能性も存在していたという。

    そのうちレッドブルF1行きが実現しなかった背景について、デイモン・ヒルがポッドキャスト「Undercat」で興味深い内幕を明かした。

    ヒルによれば、エイドリアン・ニューウェイはヒュルケンベルグの実力を認めつつも、ドライバーの体格がシャシー設計に与える影響を重視し、起用を見送ったという。

    フェラーリF1移籍も目前だったヒュルケンベルグ
    38歳のニコ・ヒュルケンベルグは、2010年にウィリアムズでF1デビューを果たした。その後はフォース・インディア、ザウバー、ルノー、レーシングポイント、アストンマーティン、ハースを経て、2025年はザウバー、2026年はその後継となるアウディF1で戦っている。

    これまで257戦のグランプリに出走してきたヒュルケンベルグだが、キャリアの転機となり得た場面は何度かあった。そのひとつが、2013年に進んでいたフェラーリF1との交渉だった。

    「2013年の間に初期段階の話し合いをしていたし、契約は2014年から始まるはずだった。我々としては合意にかなり近づいていると感じていたけど、最終的には単純にサインには至らなかった」とヒュルケンベルグは明かしている。

    レッドブルF1行きを阻んだニューウェイの判断
    だが、ヒュルケンベルグのキャリアが大きく変わる可能性があったのは、それだけではなかった。デイモン・ヒルはポッドキャスト「Undercat」で、レッドブルF1加入の可能性もあったことを明かしている。

    ヒルは、ニューウェイとのやり取りを次のように振り返った。

    「アドリアンがニコのことを一度話していたのを覚えている。彼は僕に『ヒュルケンベルグをどう思う?』と聞いたんだ。僕は『まあ、かなりいいドライバーだ』と答えた。するとアドリアンは『そうだけど、問題は上半身が高すぎることなんだ』と言った」

    ヒルによれば、ニューウェイはドライバーの体格がマシン設計、とりわけシャシーに及ぼす影響を考慮していたという。

    「つまり、ニューウェイはドライバーの身長がシャシーに与える影響を考えていたということだ。だからヒュルケンベルグの選択肢を見送った。だからニコには気の毒だけど、君にできることは本当になかったんだ」

    実力だけでは決まらないF1移籍の現実
    ヒュルケンベルグは長年にわたって実力を評価されながらも、トップチーム移籍にはあと一歩届かない場面が続いてきた。今回明かされたエピソードは、F1では速さや実績だけでなく、ドライバーの体格さえも重要な判断材料となり得ることを示している。

    フェラーリF1にもレッドブルF1にも近づきながら実現しなかったヒュルケンベルグのキャリアは、それでもなおF1の長い歴史のなかで異彩を放つものだ。アウディF1で戦う現在に至るまで、その歩みは決して平坦ではなかった。

  • FIAがF1予選の“抜け穴”を封鎖 メルセデスとレッドブルの手法に制限

    FIAがF1予選の“抜け穴”を封鎖 メルセデスとレッドブルの手法に制限

    FIA(国際自動車連盟)が、2026年F1マシンの予選で使われていたバッテリー展開の手法に対し、運用制限を通達したことが明らかになった。問題となったのは、メルセデスとレッドブルのパワーユニットを搭載する陣営が活用していた手法で、フィニッシュライン手前で本来の出力低下プロセスを回避し、わずかな性能上乗せを得ていたとされる。

    2026年F1レギュレーションは、導入直後からいくつかの抜け穴を浮かび上がらせてきたが、今回の件はその象徴的な事例といえる。

    安全確保のために定められた電力制御機能が、予選専用のパフォーマンス獲得手段として使われ始めたことで、FIAは本来の目的外使用を認めない姿勢を明確にした。

    予選終盤で使われていた“緊急オーバーライド”
    2026年F1の複雑なパワーユニット規則では、マシンが突然大きく減速して危険を招くことを防ぐため、電力は段階的に減少させることが義務づけられている。

    しかし、この制御はMGU-Kを停止し、緊急用のオーバーライド機能を用いてエネルギーを一気に使い切ることで回避可能だったという。本来であればライン通過に向けて毎秒50kWずつ出力が下がるところ、この方法を使えば50〜100kWの上乗せ効果が得られるとされた。

    その代償として、MGU-Kは60秒間ロックアウトされる。ただ、予選ラップ終了後はドライバーが大幅にペースを落として走るため、この不利益は実質的な痛手になりにくかった。

    オーストラリアと日本で実戦使用
    この手法は、該当するパワーユニットを搭載する複数チームによって、オーストラリアGPとF1日本GPで使われていたとされる。いずれもラップ終盤、フィニッシュラインまでの区間で活用されていたという。

    効果自体は大きなものではなかったとみられるが、実際に採用されていた以上、現場では明確なメリットがあると判断されていたことになる。

    日本GPでは、この方法に伴う副作用も表面化した。アレクサンダー・アルボンは予選シミュレーション後のトラブルによってコース上でストップを強いられ、他のドライバーたちもMGU-Kのロックアウトによる影響を受けたとされる。

    FIAは“本来の用途に限る”と通達
    今回、Crash.netによると、FIAは各チームに対して文書を送り、標準電子制御ユニットのソフトウェア内にあるこの機能は、あくまで本来想定された緊急用途に限って使用されるべきだと通知したという。

    その中では、予選でこれを常態的なパフォーマンス獲得手段として使うことは認められないと明記されたとされる。形式上はルール文言の範囲内であったとしても、統括団体としては競技上の慣行として広がることを問題視した格好だ。

    一方で、60秒のロックアウト措置そのものは維持される見通しとなっている。テレメトリーによって、本当に緊急事態だったのかどうかは容易に判別できるため、FIAとしてはそれ自体が十分な抑止力になると考えているようだ。

    フェラーリも懸念を示していた
    この手法については、フェラーリが特に強い懸念を示していたという。フェラーリ側も、規則の文言上は合法であること自体は認めていたが、こうした使い方が常態化していくことには否定的だった。

    2026年F1では、エネルギーマネジメントと安全性の両立がレギュレーションの根幹にある。その中で、緊急用の制御が予選アタックの一部として使われるようになれば、制度設計そのものの意図が揺らぎかねない。今回の通達は、レギュレーションの解釈をめぐる駆け引きがすでに新たな段階に入っていることを示している。

  • レッドブルF1 流出連鎖 フェラーリがハンナ・シュミッツに関心か

    レッドブルF1 流出連鎖 フェラーリがハンナ・シュミッツに関心か

    レッドブルF1で主要人材の流出が続くなか、戦略部門の中核を担うハンナ・シュミッツにも新たな動きが取り沙汰されている。

    エイドリアン・ニューウェイやジャンピエロ・ランビアーゼの離脱が明らかになっているなかで、この流れがどこまで広がるのかに注目が集まっている。

    止まらないレッドブルの人材流出
    ここ数年、レッドブルでは重要人物の離脱が相次いでいる。

    エイドリアン・ニューウェイ、ジョナサン・ウィートリー、ロブ・マーシャルといった主要メンバーに加え、チーム代表クリスチャン・ホーナーやアドバイザーのヘルムート・マルコにも動きがあるとされてきた。

    さらに最近では、マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアを務めてきたジャンピエロ・ランビアーゼが、2028年にマクラーレンへ移籍することが正式に発表されている。

    こうした一連の流れは、長年にわたってF1を支配してきた体制の変化を示している。

    ハンドカマーが語る「次の離脱」
    レッドブルの元チーフメカニックであるケニー・ハンドカマーは、自身のポッドキャスト「The Two Mechanics」で現在の状況について次のように語っている。

    「レッドブルの凋落はかなり深刻だ。もし自分がCEOなら、この状況を非常に注意深く見ているだろう。重要な人材はすでに去ったか、これから去ろうとしている」

    さらにハンドカマーは、次の動きとしてハンナ・シュミッツの名前にも言及した。

    「ハンナ・シュミッツも離脱を準備している可能性があるようだ。さらに多くの離脱が続くという噂もある」

    シュミッツは2009年からレッドブルに在籍し、戦略部門の責任者として数々の勝利を支えてきた。

    マックス・フェルスタッペンとハンナ・シュミッツ / レッドブル・レーシング

    フェラーリが関心を示す理由
    こうしたなかで、フェラーリがシュミッツに関心を示していると報じられている。

    レース戦略は近年のF1において勝敗を左右する重要な要素であり、冷静な判断力と柔軟な対応力で知られるシュミッツの存在は、どのチームにとっても魅力的だ。

    フェルスタッペンもその手腕を高く評価しており、2022年のハンガリーGP後には「彼女は非常に冷静だ。単純に言って、特別な存在だ」と称賛している。

    またシュミッツは、エステバン・オコンのレースエンジニアであるローラ・ミュラーとともに、メルボルンのアルバート・パーク・サーキットのターン6に「In Her Corner」と命名されるなど、F1からもその功績が認められている。

    噂が示すチームの変化
    現時点でシュミッツの去就に関する正式な発表はない。

    それでも、こうした名前が浮上していること自体が、レッドブルの内部環境に変化が起きていることを示している可能性がある。

    フェルスタッペン周辺の中核人材に動きが続いている現状は、今後のチーム体制や勢力図にも影響を与える可能性があり、引き続き注目される。

  • レッドブルF1 フェルスタッペン後任候補にアルボン浮上 オーナーとの関係が鍵

    レッドブルF1 フェルスタッペン後任候補にアルボン浮上 オーナーとの関係が鍵

    マックス・フェルスタッペンの将来が不透明ななか、レッドブルのドライバー構想に新たな現実味が生まれている。アレクサンダー・アルボンの名前が、後任候補として再び取り沙汰されている。

    レギュレーション変更によってフェルスタッペンのモチベーションが揺らいでいる状況は、チームにとって無視できないリスクとなっている。来季も継続参戦する見通しは残るものの、レッドブルが代替プランを検討している可能性は高い。

    アルボン浮上の背景にある“関係性”
    『The Race』のスコット・ミッチェル=マルムは、アルボンを外部候補のひとりとして挙げている。

    「内部から昇格させないのであれば、外部候補としてアレクサンダー・アルボンを挙げる」

    「ウィリアムズから離れる方向の“プッシュ要因”があるかもしれないし、レッドブルは短期的なステップアップであり、より大きなポテンシャルがあるという“プル要因”も存在する」

    アルボンは2019年にトロロッソ(現レーシングブルズ)からF1デビューを果たし、ルーキーシーズン途中でレッドブル昇格を果たした。しかし18カ月でシートを失い、その後は2022年にウィリアムズで復帰している。

    そのキャリアの文脈を踏まえると、今回の浮上は単なる実力評価だけでは説明できない側面を持つ。

    ヨウィディヤ家との結びつきが鍵
    ミッチェル=マルムは、アルボンとレッドブルのオーナー陣との関係性にも言及している。

    「個人的には、レッドブルのタイ側オーナーとの間に強いつながりがある。アルボンは今でもヨウィディヤ家と半ば定期的に会っており、非常に良好な関係を築いていると考えている」

    「彼自身、そこにやり残した仕事があると見ているはずだ。現時点でレッドブルが必要とするドライバー像にも合致している」

    チーム株式の約半分を保有するヨウィディヤ家とのパイプは、通常のドライバー選考とは異なる影響力を持つ可能性がある。アルボンの名前が現実的な選択肢として語られる背景には、この構造がある。

    フェルスタッペンの将来と“つなぎ役”の現実
    フェルスタッペンはレギュレーション変更によって情熱を削がれ、引退の可能性も示唆している。一方で、完全離脱ではなく、レッドブル・ファミリー内に残りながら将来的な復帰を視野に入れるシナリオも取り沙汰されている。

    この前提に立てば、チームが必要とするのは長期的なエースではなく、柔軟に扱える“つなぎ役”となる。

    「私は、もしフェルスタッペンが離れたとしても、彼はいずれ戻ってくるという考えに固執している。1年後にマックスを取り戻せるのであれば、長期の大型契約でトップドライバーを獲得することはしないはずだ」

    「代わりに、必要に応じて外したり配置転換したりできるようなドライバーと契約するだろう」

    130戦の経験を持つアルボンは、この条件に合致する存在として位置づけられている。

    「アルボンにとっては賭けになるが、チームが完全な競争力を取り戻すまでにあと2〜3年かかるプロジェクトだと考えるなら、9位か7位かを左右するだけのメガスターに3000万〜4000万ポンドを支払うべきではないと思う」

    本命は内部昇格 リンドブラッドの台頭
    もっとも、レッドブルの基本方針は内部昇格にある。ミッチェル=マルムもその前提は変わらないとみている。

    「私の直感では内部昇格になるだろう」

    「そしてローソンよりもリンドブラッドを選ぶと思う。ローソンの起用はすでに試されているし、その決定を下した人々が今はいなかったとしてもだ」

    アービッド・リンドブラッドはデビュー戦で8位入賞を果たし、すでに2度のQ3進出を記録するなど急速に評価を高めている。

    「もしシーズン前半を通じてリンドブラッドの軌道がこのまま有望であれば、2027年にはハジャーとリンドブラッドのコンビが実現する可能性がある」

    フェルスタッペンの去就が不透明ななかで、レッドブルは短期と長期の両軸で選択肢を整理している。その中でアルボンは、現実的な中間解として静かに存在感を強めている。

  • 角田裕毅 ハースF1移籍をマルコが拒否 消えた2026年シートの裏側

    角田裕毅 ハースF1移籍をマルコが拒否 消えた2026年シートの裏側

    角田裕毅の2026年F1シーズン参戦が実現しなかった背景に、レッドブル首脳の判断があったと報じられた。ハースF1が獲得に強い関心を示していたにもかかわらず、その動きは途中で遮断されたという。

    結果として角田裕毅はフルタイムシートを失い、2026年はリザーブドライバーとして関与を続ける立場となった。だが、その裏では“移籍の可能性そのものが閉ざされていた構図”が浮かび上がっている。

    ハース移籍は目前だった
    英メディアの報道によれば、ハースF1は約1年前の時点で角田裕毅の起用に強い関心を示していた。チーム代表の小松礼雄もその獲得に前向きだったとされている。

    しかし、この動きは最終的に実現しなかった。レッドブルのヘルムート・マルコが、ドライバー起用の柔軟性を維持するために移籍を認めなかったためだと伝えられている。

    The Race F1ポッドキャストでスコット・ミッチェル=マルムは次のように語った。

    「僕はあえて言うが、角田裕毅だと思う」

    「ハースが彼のF1復帰ルートになる可能性がある。小松礼雄は12か月前、角田裕毅に非常に関心を持っていた」

    「しかしそれは続かなかった。マルコがレッドブルのドライバー起用に最大限の柔軟性を持たせるため、その扉を閉ざしたからだ」

    契約がすべての選択肢を封じた
    一方で、角田裕毅自身も、当時の状況について重要な証言を残している。外部からの関心は存在していたものの、契約によって交渉そのものが不可能だったという。

    「契約があったので、僕にはできることがあまりなかったです。外部からいくつか興味はあったんですけど、その契約が理由で彼らと話すこともできなかったんです」

    「だからこそ、完全にレッドブルのシートに集中していました。ここ数年ずっと僕の優先順位はレッドブルのシートでしたし、レッドブル・ファミリーは僕が育ってきた場所でもあります」

    この発言が示すのは、仮にハースF1を含む他チームからの具体的な関心が存在していたとしても、実際に動く自由がなかったという現実だ。

    “完全ロック”状態で迎えたシート喪失
    2026年に向けてはアイザック・ハジャーの昇格やアービッド・リンドブラッドの抜擢が決まり、角田裕毅はレッドブルおよびレーシングブルズのラインアップから外れる形となった。

    本来であれば他チームへの移籍という選択肢が残される局面だったが、契約上の制約とレッドブル側の判断が重なったことで、その道は閉ざされていた可能性が高い。

    結果として角田裕毅は、移籍もできず、シートも失うという“完全に行き場を失った状態”で2026年を迎えることになった。

    2027年に再浮上する可能性
    一方で、角田裕毅のF1復帰の可能性が完全に消えたわけではない。今回の報道では、ハースF1が2027年に再び候補となる可能性が指摘されている。

    角田裕毅はホンダとの結びつきが強い一方、ハースF1はトヨタとの関係を持つが、両者の競争関係は障害とは見られていない。

    2026年に一度シートを失ったことで、むしろ自由な立場となる側面もある。レッドブルの管理下から離れる選択をすれば、他チームへの道が開ける可能性もある。

    今回明らかになった契約と判断の構図が、逆に2027年以降の再起にどう影響するのかが注目される。

  • マックス・フェルスタッペン去就 父ヨス「F1は続けると思う」

    マックス・フェルスタッペン去就 父ヨス「F1は続けると思う」

    マックス・フェルスタッペンの将来を巡る憶測が続く中、父ヨス・フェルスタッペンは「彼は続けると思う」との見解を示した。4度のワールドチャンピオンが去就に含みを持たせる発言を重ねる一方で、周囲の見方はなお継続に傾いている。

    しかし、その背景にはマシン、パワーユニット、レギュレーション、そしてチーム状況への不満が複雑に絡み合っている。さらに、長年のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼの離脱も重なり、状況は決して単純ではない。

    父ヨス「最終的にはマックス次第だが続けると思う」
    ヨス・フェルスタッペンはベルギーのラリーイベントで、息子の将来について次のように語った。

    「状況は変わってきていると思う。特に4回のタイトルを獲得した後は、共に多くを成し遂げてきた」

    「最終的にはマックス次第だが、彼は続けると思う」

    また、ランビアーゼのマクラーレン移籍についても理解を示している。

    「我々は前から知っていたし、いつ起きるかも分かっていた。あと1年半から2年は一緒に働ける」

    「彼にとって大きなチャンスだ。我々も“やるべきだ、しっかり掴め”と伝えた。あとはレッドブルが後任をどうするかだ」

    レギュレーション変更が残留の鍵に
    ヨスは、現在議論されているレギュレーション修正がフェルスタッペンの将来に影響を与える可能性にも言及した。

    「その可能性はあると思う。F1とFIAは結局レギュレーションを調整する方向にあるようだ。今年のうちに何ができるかを見れば、それは助けになる」

    一方で、現行のF1に対する不満はドライバーだけでなくファンにも広がっていると指摘する。

    「ファンもドライバーも強く不満を訴えている」

    「今のF1は、ドライバーに多くを求めるカテゴリーではなくなりつつある。エンジニアリング競争の側面が強く、ドライバーはリフト・アンド・コーストを強いられる場面が多い」

    「ドライバーが差を生み出せなくなっているのは残念だ」

    マルコが指摘「問題の本質はマシン」
    一方、レッドブル陣営ではヘルムート・マルコがフェルスタッペンの不満の根本はマシンにあると分析する。

    「マックスの強みは、自信を持てるマシンがあってこそ発揮される」

    「現時点ではそれがない」

    さらに、日本GPで投入されたアップデートが裏目に出たとも明かした。

    「特に日本でのアップデートは間違った方向に進んだ。マシンはむしろ悪化した」

    不透明な将来 誰のマシンを駆るのか
    複数の要素が重なり、フェルスタッペンの将来は依然として不透明なままだ。本人の発言が憶測に現実味を与える中で、父ヨスはあくまで継続を見込む姿勢を崩していない。

    ただし、仮にF1でのキャリアを続けるとしても、どのチームのマシンをドライブするのか――その点については、依然として大きな疑問が残されている。

  • レッドブルF1代表メキース RB22評価「PUは弱点ではない 大きな前進」

    レッドブルF1代表メキース RB22評価「PUは弱点ではない 大きな前進」

    レッドブルF1のチーム代表ローラン・メキースは、RB22のパフォーマンス不足について、パワーユニットが主な弱点ではないとの見解を示した。

    開幕から3戦を終えて期待通りの結果は得られていないものの、マシン全体の課題の中でPUが「明確な弱点ではない」という状況自体を、前向きな進歩として評価している。

    PUは弱点ではない RB22の課題は総合性能
    レッドブルは近年、フォードとの協力のもとで自社製パワーユニットの開発を進めてきたが、現時点でRB22の主な問題は別の領域にある。

    アイザック・ハジャーはこれまで、RB22に不足しているのは主にグリップとダウンフォースだと繰り返し指摘しており、マックス・フェルスタッペンも日本GP後に次のように語っている。

    「パワー的にはかなり問題ない状態だと思う。でも、クルマに関してはまだやるべきことがたくさんある」

    メキースも、特定の要素だけを問題視する見方には否定的だ。

    「特定のひとつの要素に焦点を当てるべきではない。我々がすでに達成していること自体が非常に大きな成果だ」

    「パワーユニットが明確な弱点と見なされていないという事実は、現在のベンチマークであるメルセデスに追いつくために改善すべき要素のひとつに過ぎないということを意味している。それ自体が大きな一歩だ」

    ゼロから始まったPU開発 プロジェクトの急成長
    メキースは、現在のPUプロジェクトの背景についても強調した。

    「このパワーユニットは3〜4年前には存在すらしていなかった。工場もなく、人員もいなかったが、今では約700人が働いている」

    「フォードとの協力関係も素晴らしく、初戦から何事もなかったかのようにグリッドに並べたことは大きな成果だ」

    この短期間での立ち上げを踏まえれば、PUが“足かせ”になっていない現状はむしろ成功といえる。

    レッドブル・レーシング

    メルセデスとの差は依然大きい 2026年は開発の年
    一方で、現状のトップであるメルセデスとの差については、依然として大きいと認めている。

    「現時点ではその差は大きいが、我々はそれを埋めるために全力を尽くしている」

    「問題はひとつの領域に限定されるものではない。昨年はシャシー開発を続けてきた影響もあり、シーズン序盤でその代償を払っている」

    「パワーユニットのプロジェクトもまだ新しい。我々は競争相手が現時点で先行していることを認識している」

    そのうえで、今季と来季の位置づけを明確にした。

    「これは学習の年だ。2026年は開発の年になる。我々はその挑戦を受け入れている」

    “無謀な挑戦”を選んだレッドブルのDNA
    メキースは、自社PU開発という決断自体がレッドブルらしいものだと語る。

    「自分たちでパワーユニットを開発するというのは非常に大胆な決断だ。おそらくこうした決断を下すのはレッドブルだけだろう」

    「不可能に思えることに挑戦し、それを実現する。それがレッドブルのDNAだ」

    現在では700人以上が関わる大規模プロジェクトへと成長し、すでに信頼性の面では高い水準に達している。

    「我々はもはや新しいエンジンメーカーであることを忘れかけている」

    「今は競争相手に対して不足している数キロワットをどう埋めるか、その最適化に集中している段階だ」

    PUが問題ではなく“改善対象の一部”にまで引き上げられている現状は、レッドブルにとって確実に前進を意味している。

  • ヘルムート・マルコ F1復帰 オーストリアGPで新役職アンバサダー就任

    ヘルムート・マルコ F1復帰 オーストリアGPで新役職アンバサダー就任

    レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを退任したヘルムート・マルコが、2026年F1オーストリアGPで新たな役職に就くことが明らかになった。マルコはレッドブルリンクのアンバサダーとしてパドックに復帰する。

    2025年末で第一線を退いた82歳のマルコだが、その影響力は依然としてレッドブル内部に残っており、今回の新役職は“完全な離脱ではない”ことを示す動きでもある。

    レッドブルリンクの顔としてパドック復帰
    マルコは、オーストリアGPの開催地であるレッドブルリンクのアンバサダーに就任。6月26日〜28日のグランプリで、退任後初めてF1の現場に戻ることになる。

    レッドブルがF1で築いてきた影響力は、2チーム体制だけでなく、自国グランプリの運営にも及んでいる。その中心的存在のひとりだったマルコは、2014年の同サーキット復活以降、トト・ヴォルフと並びオーストリアを代表する存在としてパドックで強い存在感を放ってきた。

    今回のアンバサダー就任により、マルコはチーム運営の最前線からは離れつつも、F1の舞台に別の形で関与し続けることになる。

    ヘルムート・マルコ F1 オーストリアグランプリ

    20年の育成遺産と変わらぬ影響力
    レッドブルの若手育成プログラムを20年以上にわたり主導してきたマルコは、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンといった世界王者を輩出しただけでなく、ダニエル・リカルド、カルロス・サインツ、ピエール・ガスリーら多くのドライバーのキャリア形成にも関わってきた。

    その影響力は退任後も消えてはいない。

    ローラン・メキースはポッドキャスト『ビヨンド・ザ・グリッド』で、現在もマルコと連絡を取り続けていることを明かしている。

    「ヘルムートは今も我々に対して非常にオープンで、いつでも相談できる存在だ。僕も話しているし、チームの誰もが彼とやり取りをしている。サーキットに来ていなくても、助言をもらっている」

    「彼が20年かけて築いてきた育成プログラムの歴史は、そう簡単にページをめくれるものではない。我々はいま、その遺産の上に立っている。必要なときには、彼は常に背後にいる」

    フェルスタッペンも関係継続を明言
    マックス・フェルスタッペンもまた、マルコとの関係が続いていることを認めている。

    「ヘルムートのオーストリア的なジョークが少し減ったくらいかな。でも今でも連絡は取っている。クルマの細かい話ではなく、人生のこととかね」

    「彼とは本当に多くの時間を共有してきたから、ガレージの雰囲気は少し変わる。でも前を見ていかないといけない。パフォーマンスに集中しつつも、いい関係は続いている」

    “完全な別れではない”レッドブルとマルコの関係
    2005年のレッドブル参戦以来、常にチームの意思決定に関与してきたマルコの不在は、2026年シーズン序盤において確かに存在感の欠如として感じられていた。

    しかし今回の動きは、マルコが完全にF1から去ったわけではないことを明確に示している。現場の第一線からは退いたものの、その知見と影響力は今もチーム内部に息づいている。

    オーストリアGPでのアンバサダーとしての登場は、単なる“復帰”ではなく、レッドブルとマルコの関係が新たな形へ移行したことを象徴するものとなる。