カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • フェルスタッペンのGT500走行企画 三宅淳詞とSUPER GT“軽視”巡り議論

    フェルスタッペンのGT500走行企画 三宅淳詞とSUPER GT“軽視”巡り議論

    マックス・フェルスタッペンが富士スピードウェイでSUPER GTのGT500車両をドライブした比較企画が、国内外のSNSで大きな反響を呼んでいる。

    動画では、現役GT500ドライバーの三宅淳詞が記録したベンチマークタイムに対し、フェルスタッペンが短時間で迫り、さらに上回る展開が描かれた。

    ただ、SNSで話題になったのは単純な“速さ比較”だけではなかった。

    特に日本語圏では、「現役GT500ドライバーやSUPER GTそのものが軽く見られてしまうのではないか」という違和感も広がり、“SUPER GT軽視”を巡る議論へ発展している。

    雨の富士で行われたGT500比較企画
    今回の企画は、2026年3月25日に雨の富士スピードウェイで行われたプロモーションテストを素材にしたものだった。

    公開情報によれば、フェルスタッペンはGT500車両を初ドライブ。SUPER GT GT500クラスの現役ドライバーである三宅淳詞と同一車両をシェアし、比較形式のコンテンツとして公開された。

    三宅のベンチマークは1分44秒075。フェルスタッペンはインストレーションラップ1周後、最初の計測周で1分44秒142、続く周で1分42秒290を記録したとされる。

    数字だけを見れば衝撃的だ。

    富士初走行、GT500初ドライブ、さらにヘビーウエットに近いコンディションという条件の中で、一気にタイムを合わせ込んだフェルスタッペンの適応力には、国内外から驚きの声が上がった。

    ただし、この走行は正式競技ではなく、短時間のプロモーションテストだった。燃料搭載量、細かなセットアップ差、各ラップ時点の降雨変化など、厳密な比較に必要な情報は公開されていない。

    そのため、「完全に同条件だった」と断定することも、「比較自体に意味がない」と切り捨てることもできない状態となっている。

    日本語圏で広がった“違和感”
    日本語圏、特にX(旧Twitter)では、「フェルスタッペンは速くない」という反応はほとんど見られなかった。

    むしろ多かったのは、「この見せ方では三宅淳詞やSUPER GT全体が過小評価されてしまう」という声だった。

    その象徴となったのが、長年日本で戦ってきたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの投稿だ。

    オリベイラは、ウェットコンディションでは数分の間に数秒タイムが変わることもあると指摘。そのうえで、「数周でSUPER GTドライバーより約2秒速かったように見える演出」に違和感を示し、プロモーション企画であってもSUPER GTや現役ドライバーへの敬意は必要だという趣旨を投稿した。

    この投稿は日本語圏で大きく拡散され、“擁護論”の起点となった。

    また、日本人ドライバーの小合将司も、「マックスが凄いのは当然」と前置きしつつ、「三宅選手がレベル低いとか簡単に書くのはやめてほしい」と投稿。自身の経験を踏まえ、三宅を「バケモノ級の速さのドライバー」と表現した。

    さらに、「雨では2〜3秒の差が出ても不思議ではない」と条件差についても言及している。

    興味深いのは、こうした声が“フェルスタッペン否定”ではなかったことだ。

    議論の中心は、「フェルスタッペンは異常に速い」という前提を認めたうえで、「だからといってGT500や三宅淳詞を低く見るべきではない」という点にあった。

    三宅淳詞本人は前向きな姿勢
    一方で、この議論が全面的な炎上へ発展しなかった理由のひとつが、三宅淳詞本人のスタンスだった。

    公開コメントの中で三宅は、「同じクルマをシェアしてどう違うか見たかった」「すごくワクワクしたし、楽しかった」と前向きに振り返っている。

    つまり、日本語圏で広がった擁護論は、“本人の怒りの代弁”というより、「見ている側が文脈補正を行っていた」という性格が強かった。

    また、国内モータースポーツライターも、「ヘビーウエット」「全開アタック」という条件を前提に論じており、レース文脈を理解している層ほど、この比較を単純な序列として受け取ってはいなかった。

    スーパーGT車両に乗り込むマックス・フェルスタッペン

    英語圏では“Max is an alien”が主流
    一方、英語圏ではRedditやYouTubeを中心に、フェルスタッペンの適応力を称賛する声が圧倒的多数だった。

    特に、「富士初走行」「GT500初乗車」「豪雨に近いウェット」という条件下で、ほぼ即座にプロドライバー級のタイムへ到達した点に驚きが集中した。

    Redditでは、“Max is an alien(マックスは別次元の存在)”という表現も多く見られた。

    ただ、英語圏でも異論が皆無だったわけではない。

    「resident pro(現役プロドライバー) を embarrassing(恥をかかされた存在) に見せる構図ではないか」という声や、「条件差を無視した比較ではないか」という指摘も一定数存在した。

    また、GT500そのものに対する評価は非常に高く、「prototype-like(プロトタイプカーのよう)」「LMP2並み、あるいはそれ以上」といった表現も見られた。

    つまり英語圏では、「GT500は世界トップレベルの箱車カテゴリー」であることを認めたうえで、「それでもフェルスタッペンが凄かった」という受け止め方が主流だった。

    議論を拡大させた“見出し”
    今回の論争をさらに拡大させたのが、一部海外メディアによる強い見出し表現だった。

    “conquers Fuji(富士を制圧)”
    “stuns in Super GT test(SUPER GTテストで衝撃を与える)”

    といった表現は、プロモーション色は強いものの、本文では条件差にも触れていた。

    しかし、“completely smashes Super GT rival(SUPER GTのライバルを完全粉砕)”という表現になると、三宅淳詞個人だけでなく、SUPER GT全体を「叩き潰された側」として固定しやすい。

    日本語圏で“SUPER GT軽視”という言葉が広がった背景には、こうしたフレーミングも影響していたとみられる。

    問われたのは“速さ”ではなく“敬意”
    今回のSNS論争を通じて見えてきたのは、フェルスタッペンへの反発ではない。

    むしろ、日本語圏でも英語圏でも、彼の順応力や才能を認める声は非常に多かった。

    対立が生まれたのは、その称賛が「三宅淳詞は大したことがない」「GT500はこの程度」という単純な物語へ接続された瞬間だった。

    GT500が世界トップレベルの箱車カテゴリーであることと、フェルスタッペンが異常な適応力を見せたことは矛盾しない。

    また、今回の企画自体は、あくまでレッドブルによるエンターテインメント性の強いプロモーションコンテンツでもあった。正式競技や公式比較テストではなく、“異なる世界のトップドライバーとGT500車両を組み合わせたらどうなるか”を楽しむ企画として制作された側面も大きい。

    だからこそSNSでは、「フェルスタッペンの凄さを楽しむ動画」と受け止める声がある一方で、「その見せ方次第ではGT500や三宅淳詞へのリスペクトを欠いて見えてしまう」という議論も広がった。

    今回の比較動画で本当に議論されたのは、“誰が速いか”以上に、「その速さをどう語るのか」、そして「相手やカテゴリーへどれだけ敬意を払うのか」という点だった。

    関連:【動画】 マックス・フェルスタッペン F1王者が雨の富士でSUPER GTに挑戦

  • マクラーレンF1 レッドブルRB22の革新サイドポッドに注目「全チームが研究する」

    マクラーレンF1 レッドブルRB22の革新サイドポッドに注目「全チームが研究する」

    マクラーレンF1のアンドレア・ステラ代表が、マックス・フェルスタッペンの復調を支えたレッドブルRB22の新型サイドポッドに強い関心を示した。2026年F1マイアミGPで投入されたレッドブルの大型アップデートは、メルセデスとの差を縮めた可能性があり、各チームがそのコンセプトを分析していることを認めている。

    2026年からF1は新たな技術レギュレーション時代に入り、グラウンドエフェクト主体からオーバーボディ空力へと設計思想が変化。

    各チームはそれぞれ異なる解決策を模索しており、フェラーリの“マカレナ”リアウイングやメルセデスの独創的フロントウイングに続き、レッドブルは極端なサイドポッド形状で注目を集めている。

    レッドブルの新型サイドポッドが話題に
    マイアミでレッドブルが投入した新型サイドポッドは、上部形状を大きく変更し、大胆なエアダクトを配置したものだった。

    狙いはエアフロー効率、ダウンフォース、そして熱分散性能の改善とされており、ライバル勢とは明確に異なるアプローチだった。

    ステラは、この時代のF1マシンはまだ開発初期段階にあり、各チームの方向性は収束していないと説明した。

    「技術的な観点から見ると、我々はいま非常に興味深い段階にいる」

    「レッドブルが投入したサイドポッドコンセプトを見ると、メルセデスやフェラーリとはかなり異なっているし、マクラーレンのスタイルもさらに違う」

    「いずれは安定化し、収束していく段階が来ると思うが、まだそこからはかなり遠い」

    「だからこそ、お互いのマシンを観察し、テストし、研究する段階にある。各チームは間違いなくレッドブルのコンセプトを調べ、その利点を確認しているはずだ」

    “合法的な抜け道”を活用した革新
    ステラは、レッドブルの設計手法そのものにも感心している様子を見せた。

    「彼らは合法性の余地を非常に賢く、革新的に活用して、あのジオメトリーを成立させている」

    「マシン全体のデザインは、まだ収束には程遠い」

    「ただ、一部では“みんなが同じ方向へ向かっている”と感じられる要素も出始めている」

    2022年からのグラウンドエフェクト時代では、数年後には各チームのマシン形状が似通っていった。しかし2026年世代では、まだ各チームが独自解を模索している段階だという見方だ。

    レッドブル・レーシング RB22

    フェルスタッペン復調で注目集まるRB22
    レッドブルはマイアミで7種類の新パーツを投入。その成果もあり、マックス・フェルスタッペンは予選で今季最高となる2番手を獲得した。

    ポールポジションのキミ・アントネッリとの差はわずか0.16秒。マイアミ以前には最大0.8秒差をつけられていたことを考えれば、大幅な前進だった。

    ただし、マクラーレンも同じく7種類のアップデートを投入しており、スプリントでは1-2フィニッシュを達成。決勝でも2位・3位を獲得している。

    ステラ「メルセデスは依然として最速」
    一方で、ステラは依然としてメルセデスが基準となる速さを持っていると分析している。

    「マイアミでは多くのチームがアップグレードを投入したことで、勢力図に変化が見られた」

    「マクラーレン、フェラーリ、レッドブルが差を縮めたのは確かだ」

    「ただ、メルセデスは依然として全チームに対してコンマ数秒のアドバンテージを持っていると思う」

    さらに、マクラーレンの強みとしてタイヤ性能の安定性を挙げた一方、純粋なレースペースではメルセデスが上回っていると認めた。

    「レースでは、もし何か強みがあったとすれば、マクラーレンは昨年からタイヤへの優しさを維持していることだと思う」

    「一方で、メルセデスの我々に対する最大の優位性は純粋な速さだ。単純に彼らのマシンの方が速い」

    “実行力”が勝敗を分ける時代へ
    ステラは、2026年F1が極端な接戦状態に入っていると分析する。

    4チームが僅差で争う状況では、マシン性能そのものだけではなく、戦略や適応力、実行力が決定的要素になるという。

    「これほど接近していて、4チームが僅差で争っていると、実行力、適応、最適化が決定的要素になる」

    「我々は非常にポジティブな週末を過ごしたが、決勝では“実行と最適化”の問題によって勝利の可能性を逃したかもしれない」

    「我々は自分たちより速いマシンと戦っていた。しかし、もしランド・ノリスをトップで維持できていれば、そのまま勝てていた可能性もあった」

    2026年F1は“コンセプト戦争”の段階へ
    2026年F1は、まだ各チームが最適解を探している開発初期段階にある。グラウンドエフェクト時代のような“収束”は起きておらず、レッドブル、メルセデス、フェラーリ、マクラーレンがそれぞれ異なる哲学でマシンを作り上げている。

    その中で、レッドブルRB22の大胆なサイドポッドは、フェルスタッペンの復調によって一気に注目を集めた。マクラーレンのアンドレア・ステラ代表が「全チームが研究している」と認めたことは、このコンセプトが単なる奇抜なデザインではなく、実際にパフォーマンス改善へ結びついている可能性を示している。

    ただし、ステラの見立てでは、依然として基準となる速さを持っているのはメルセデスだ。今後は各チームが互いのアイデアを取り込みながら進化を続けることになりそうで、2026年F1は“開発競争そのもの”が最大の見どころになりつつある。

  • レッドブルF1 FIAの“V8復活”計画を歓迎 フォードとの連携に自信

    レッドブルF1 FIAの“V8復活”計画を歓迎 フォードとの連携に自信

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが2030年または2031年までのV8エンジン復活を公言するなか、レッドブルF1のローラン・メキース代表はその構想を歓迎する姿勢を示した。

    2026年から新世代パワーユニット時代に突入したF1では、電動化比率を高めた新規則への評価が分かれており、すでに将来的な“次のエンジン”を巡る議論が加速している。

    FIAは2030年までのV8復活を視野
    F1は2007年にV10からV8へ移行し、その後2014年にターボハイブリッドV6へ変更された。だが、かつての自然吸気エンジン特有のサウンドを懐かしむ声は現在も根強い。

    2026年からは内燃機関と電力を50対50で配分する新世代パワーユニットが導入されたが、ファンやドライバーの間では“音”の喪失を惜しむ意見も続いている。

    そのなかで、FIA会長モハメド・ビン・スライエムはV8復活を強く推進している。

    「それは実現する」とビン・スライエムは語った。

    「2031年には、FIAはパワーユニットメーカーの投票なしでもそれを実行する権限を持つ。それがレギュレーションだ」

    「だが我々は1年前倒ししたい。今や誰もがそれを求めている」

    さらに、仮にメーカー側の合意が得られなくても実施すると強調した。

    「メーカーが賛成しなかったとしても、あと1年待てば実行される。彼らの支持が必要かどうかの問題ではない。実現する」

    「V8は戻ってくる」

    ビン・スライエムは、次世代エンジンでは電動化比率を大幅に下げる構想も示している。

    「ごく小規模な電動化は残るが、主体はエンジンになる」

    「現在のような46対54の比率にはならない。電力は最小限になる」

    F1 V8 レッドブル / フォード

    レッドブルは“新規参入”ゆえの柔軟性
    こうしたFIAの方針に対し、レッドブルF1のローラン・メキース代表は前向きな反応を見せた。

    レッドブルは今季、レッドブル・パワートレインズとして初の自社製パワーユニットを投入。フォードとの提携のもと、新時代への挑戦を続けている。

    メキースは、まだ歴史の浅い自社PU部門だからこそ、新たなルール変更にも柔軟に対応できると語る。

    「レッドブル・パワートレインズとしては、かなり前向きに受け止めている」とメキースはPlanetF1.comなどに語った。

    「我々はゼロからスタートして、このパワーユニットに挑戦してきた。そして出発点としてはかなり良いと思っている」

    「メルセデスと比べると、まだPUパフォーマンスでは不足している部分がある。それでも、ここまで戦える状態に持ってきたスタッフは素晴らしい仕事をした」

    「だから我々は次の挑戦にもワクワクしている」

    さらに、フォードとの関係性にも言及した。

    「我々は背景となる長い歴史を持っているわけではない。そのぶん柔軟で独立性もある」

    「それに、私がミルトンキーンズで毎日乗っているフォード・マスタングにはV8が積まれている」

    「だから、少し先行スタートできるかもしれないね」

    メルセデスは“完全回帰”に警鐘
    一方で、メルセデスF1のトト・ヴォルフ代表は、電動化を極端に縮小する案には慎重な姿勢を示している。

    ヴォルフは、F1が自動車業界の現実世界との接点を失うべきではないと警告した。

    「どうすればバッテリー側から十分なエネルギーを供給し、現実世界とのつながりを失わずに済むのかを考えなければならない」

    「もし100%内燃機関へ振り切れば、2030年や2031年には時代遅れに見えるかもしれない」

    そのうえで、よりシンプルかつ高出力な“次世代ハイブリッド”案を提示した。

    「もっとシンプルにしつつ、“メガエンジン”にする必要がある」

    「例えば内燃機関だけで800馬力を発生させ、さらに400馬力を電力で上乗せするような形だ。そういう方向なら我々も全面的に賛成だ」

  • フェルスタッペン レッドブルF1中団争いに苦笑「ミッドフィールドはジャングル」

    フェルスタッペン レッドブルF1中団争いに苦笑「ミッドフィールドはジャングル」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、2026年F1マイアミGPでの激しいバトルについて「ミッドフィールドはジャングルみたいなものだ」と語った。

    レッドブルは日本GP後の長いインターバルを経てマイアミに大規模アップグレードを投入。特に注目を集めたのは、フェラーリ型とも評された“マカレナ・リアウイング”で、マックス・フェルスタッペンは予選で2番手を獲得し、一時は優勝争いに加わる可能性も見せていた。

    “マクサレーナ”で速さを見せたレッドブルF1
    マイアミGPでフェルスタッペンのRB22に投入された新型リアウイングは、スカイ・スポーツの中継陣からも大きな注目を集めた。

    2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンは、その大胆な構造について次のように驚きを示した。

    「今まで見た中で一番大きな穴のあるリアウイングだ。それに速い」

    ファンの間では“マクサレーナ”とも呼ばれ始めたこの仕様は、レッドブルがマイアミに持ち込んだ複数のアップデートの一部だった。

    フェルスタッペンは予選で2番手を獲得し、決勝でも序盤までは勝利争いに加わる可能性を見せていた。

    しかし、レース序盤に状況は一変する。

    フェルスタッペン「ミッドフィールドはジャングル」
    フェルスタッペンは決勝のオープニングラップでスピンを喫し、大きくポジションを落とした。

    そこから追い上げを開始したフェルスタッペンは、ウィリアムズ勢のカルロス・サインツとアレクサンダー・アルボンらと激しいポジション争いを展開。かつての“エルボーを使う”アグレッシブなスタイルを再び見せる場面もあった。

    特にサインツとの攻防は緊迫したものとなり、サインツはチームラジオで不満を爆発させた。

    「彼は僕をコース外へ押し出した」

    「ミッドフィールドを走っているからって、何をしてもいいと思ってる」

    フェルスタッペンは最終的に5位でフィニッシュ。ピット出口の白線跨ぎによる5秒加算ペナルティを受けながらも順位を守り切った。

    レース後、オランダ紙『デ・テレグラーフ』に対してフェルスタッペンは、サインツの抗議について次のように反応した。

    「僕が攻撃的すぎたって? カルロスに対して? わからないな」

    「ミッドフィールドはちょっとしたジャングルなんだ」

    マックス・フェルスタッペン F1 レッドブル・レーシング

    サインツも冷静化「マックスを責めるつもりはない」
    レース直後は感情的になっていたサインツだったが、その後はより冷静な見解を示した。

    「その瞬間はクラッシュすると思ったし、その結果としていくつか順位を失った」

    「マックスは1周目のスピン後、とにかく早く前へ戻りたかったんだと思う。少しフラストレーションもあったんじゃないかな」

    そのうえで、ターン17での動きについては厳しい表現も使った。

    「マックスを非難するつもりはないけど、ターン17での動きはほとんど“発射”みたいだった。でも、レースではよくあることでもある」

    今回のマイアミGPは、2026年型マシン特有の“ヨーヨーレース”やエネルギーマネジメントが話題となる中で、フェルスタッペンが久々に“ミッドフィールドの肉弾戦”を経験したレースでもあった。

    普段は先頭集団でレースを支配することが多いフェルスタッペンにとって、今回のような混戦の中での接近戦は異質だったとも言える。

    その一方で、レッドブルが投入したアップグレード自体には一定の手応えも見えており、“マクサレーナ”が今後の勢力図にどのような影響を与えるのかも注目される。

  • 【動画】 マックス・フェルスタッペン F1王者が雨の富士でSUPER GTに挑戦

    【動画】 マックス・フェルスタッペン F1王者が雨の富士でSUPER GTに挑戦

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、日本屈指の名門サーキットである富士スピードウェイで“異種格闘技”的なタイムアタック企画に挑戦した。

    舞台となったのは、豪雨によって路面コンディションが大きく悪化したウエットセッション。フェルスタッペンに課されたミッションは、日本のSUPER GTドライバーが記録した基準ラップを上回ることだった。しかし、視界不良とスタンディングウォーターに苦しめられる状況は、単なるエキシビションでは済まされない難易度となった。

    F1王者が挑んだ“SUPER GTの世界”
    日本GPを前に行われた今回の企画は、フェルスタッペンがGT3カテゴリーで参戦予定の「ADAC RAVENOL 24時間ニュルブルクリンク」に向けた一環として行われたものだ。

    F1とは異なるGTカー特有の挙動、重量感、そして電子制御を備えたマシンへの適応が求められる中、日本のSUPER GTドライバーが記録したラップタイムが“基準”として設定された。

    しかもコンディションは最悪だった。富士スピードウェイには大量の水が浮き、コーナーでは激しいアクアプレーニングが発生。ストレートでは巻き上がる水煙によって視界が極端に制限され、周回ごとに難易度が上昇していく状況となった。

    “F1の快適領域”から引き離されたフェルスタッペン
    今回の映像で印象的なのは、フェルスタッペンが完全に“未知の領域”へ引き込まれている点だ。

    現代F1は空力性能と精密なエネルギーマネジメントによって構築された極限のカテゴリーだが、SUPER GTはマシン挙動もタイヤ特性もまったく異なる。特に雨の富士では、縁石やライン取りひとつでグリップが激変する。

    フェルスタッペンはF1で数々のウエットレースを制してきたが、それでもSUPER GT系マシン特有の動きには苦戦する場面が見られた。ブレーキング時の荷重移動、立ち上がりでのトラクション、そして視界の悪化に対する対応など、通常のF1とは異なる適応力が求められた。

    マックス・フェルスタッペン F1 vs SUPER GT

    ニュル24時間への“実戦準備”という意味
    このチャレンジは単なるプロモーション企画ではなく、フェルスタッペンにとって実戦的な意味合いも強い。

    フェルスタッペンはGT3カテゴリーでのニュルブルクリンク24時間レース参戦を控えており、長時間レース特有の交通処理、視界変化、ウエットコンディション対応が重要なテーマとなっている。

    特にニュルブルクリンクは天候変化が激しく、“グリーンヘル”の異名通り、一瞬でコンディションが変わる。今回の富士での豪雨走行は、その予行演習としても極めて実践的な内容だった。

    SUPER GTドライバーとの比較が示したもの
    今回の企画の面白さは、単純な“F1王者vs日本人ドライバー”ではなく、カテゴリーの違いによる適応能力の比較にあった。

    SUPER GTドライバーは、こうしたコンディション下でGTマシンを扱う技術に長けている。一方でフェルスタッペンは、F1由来の鋭い入力と限界域でのコントロール能力を武器にタイムへ迫っていった。

    つまり問われたのは純粋な速さではなく、“異なるカテゴリーへどれだけ早く順応できるか”だった。

    その意味で今回の富士スピードウェイでの挑戦は、フェルスタッペンがGTレースへ本格的に足を踏み入れ始めたことを象徴するセッションだったと言える。

  • モントーヤ フェルスタッペンの“マリオカート”F1批判に苦言「出場停止にすべき」

    モントーヤ フェルスタッペンの“マリオカート”F1批判に苦言「出場停止にすべき」

    モントーヤがマックス・フェルスタッペンを名指しこそしていないものの、“マリオカート”発言を問題視し、F1への敬意を欠くドライバーには厳罰を科すべきだと主張した。

    2026年F1レギュレーションを巡っては、電動依存やエネルギーマネジメントへの不満がドライバーから噴出しているが、その発言の“線引き”を巡る議論にも発展している。

    「マリオカート」発言はF1への敬意を欠くのか
    元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤは、BBC『Chequered Flag Podcast』で、現在のF1ドライバーたちの発言姿勢に苦言を呈した。

    その矛先は明言されていないものの、2026年型マシンを「マリオカート」と表現し、「アンチレーシングだ」と批判してきたマックス・フェルスタッペンを念頭に置いているとみられる。

    「このスポーツには敬意を払う必要がある」とモントーヤは語った。

    「レギュレーションが好きじゃないというのは構わない。だが、自分が生活しているスポーツ、自分自身のスポーツについて、ああいう話し方をするなら、そこには何らかの結果が伴うべきだ」

    近年のF1では、ドライバーが無線やメディアを通じて率直に不満を口にする場面が増えている。

    特に2026年レギュレーションでは、エネルギー回生とデプロイ管理がラップタイムに大きく影響するため、多くのドライバーが“全開で攻められない”感覚を訴えている。

    フェルスタッペンはその象徴的存在となっており、「F1がレーシングゲームのようになっている」と繰り返し批判してきた。

    スーパーライセンス停止を示唆したモントーヤ
    モントーヤは、発言に対する“結果”について問われると、FIAスチュワードがより強硬な対応を取るべきだと踏み込んだ。

    「出場停止にするべきだ。スーパーライセンスに7点でも8点でも加算すればいい」

    「そうなれば、その後のメッセージは全部変わるはずだ」

    現在のF1では、スーパーライセンスに12点のペナルティポイントが累積すると自動的に1戦出場停止となる。

    モントーヤの発言は、その制度を“言動”にも適用すべきだという過激な提案とも受け取れる。

    ただ一方で、彼自身もドライバーの自由な意見表明そのものを否定しているわけではない。

    「レギュレーションが嫌いだと言うな、とは言っていない。嫌なら嫌だと言う権利はある」

    「率直なのは構わない。だが、F1カーを“マリオカート”と呼ぶべきではない」

    F1内部でも割れる“批判の境界線”
    今回のモントーヤ発言は、F1内部で広がる“批判の許容範囲”を巡る空気も映し出している。

    2026年レギュレーションに対しては、現役ドライバーだけでなく、チーム代表やエンジニアからも改善要求が相次いでいる。

    一方で、FIAやFOMは新時代の電動化路線を「未来への必要な進化」と位置づけており、競技の価値そのものを否定するような発言には神経を尖らせている。

    実際、メルセデスのトト・ヴォルフも先日、「F1を批判する者は隠れるべきだ」と発言し、マイアミGPのレース内容を擁護していた。

    ドライバーが率直に問題提起することと、競技ブランドを損なう発言との境界線――。

    2026年F1が抱えるのは、単なる技術問題だけではなく、“スポーツとして何を守るべきか”という価値観の衝突でもある。

  • レッドブルF1 フェルスタッペン離脱時の“プランB”はピアストリ?

    レッドブルF1 フェルスタッペン離脱時の“プランB”はピアストリ?

    レッドブル・レーシングが、“ポスト・フェルスタッペン時代”を見据え始めているのかもしれない。

    F1ジャーナリストのロベルト・チンチェロは英オートスポーツ誌で、レッドブルがマックス・フェルスタッペン離脱時の“プランB”として、マクラーレンのオスカー・ピアストリを高く評価していると報じた。

    フェルスタッペンは2027年末までレッドブルとの契約を結んでいる。しかし、2026年F1レギュレーションへの不満や将来的な去就を巡る憶測は依然として消えておらず、チーム側も“万が一”への備えを進めている可能性がある。

    レッドブルがピアストリを“プランB”に設定か
    報道によると、レッドブル内部では、フェルスタッペンが他チーム移籍、休養、あるいはF1離脱を選択した場合に備え、ピアストリを最有力候補として注視しているという。

    現在のレッドブルにとって、フェルスタッペンは単なるエースドライバーではない。技術開発、組織運営、商業面を含め、チーム全体の中心に位置する存在だ。

    そのため、後任問題は単なるシート選びではなく、“チームの次代を誰に託すか”というテーマに直結している。

    ローラン・メキースとオリバー・ミンツラフは、フェルスタッペン残留を前提としながらも、不測の事態に備えたシナリオを検討しているとされる。

    “育成型レッドブル”の変化
    これまでのレッドブルは、ジュニア育成システムを武器に成功を収めてきた。

    セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、そしてマックス・フェルスタッペンへと続く流れは、ヘルムート・マルコ主導の育成哲学そのものだった。

    しかし近年は、その構造にも変化が見え始めている。

    セルジオ・ペレス起用はもちろん、リアム・ローソン、角田裕毅、アイザック・ハジャーらを巡る動きからも、“絶対的エース+育成枠”という従来モデルだけでは戦い切れない現実が透けて見える。

    特にマルコ退任後は、外部市場を柔軟に活用する方向へシフトしているとの見方もあり、その文脈の中でピアストリの名前が浮上している。

    若さ、安定感、レース運び、そして将来的な伸びしろを兼ね備えるピアストリは、レッドブルが求める条件に極めて近い存在なのかもしれない。

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    マーク・ウェバーの動きにも注目
    記事では、ピアストリのマネージャーを務めるマーク・ウェバーの存在にも触れられている。

    今季のピアストリは、プレマ時代に関係を築いた元F2エンジニアのペドロ・マトスとともに動いており、ウェバーは以前ほど頻繁にパドックへ姿を見せていない。

    これによってマクラーレン内のコミュニケーションはよりシンプルになり、ピアストリ自身もコース内外で安定感を増したと報じられている。

    一方で、ウェバーが将来的な選択肢を探っている可能性も指摘されており、かつて所属したレッドブルとの関係再接近も不思議ではないとみられている。

    フェルスタッペン問題の本質
    もっとも、現時点でフェルスタッペン離脱が現実味を帯びているわけではない。

    ただ、その不満の矛先が単純なマシン性能ではなく、2026年F1レギュレーションそのものへ向けられている点は重要だ。

    仮に他チームへ移籍したとしても、新世代パワーユニット時代への疑念が解消される保証はない。そのためレッドブル内部でも、“完全残留”だけを前提にしないシナリオ管理が始まっている可能性がある。

    ピアストリは2027年までマクラーレンとの契約下にあるが、近年のF1では長期契約が絶対的障壁にならないケースも増えている。

    一部ではフェルスタッペンとピアストリによる“交換移籍”シナリオも取り沙汰されているが、現時点でマクラーレンがフェルスタッペン獲得へ動いている証拠はない。

    それでも今回の報道は、レッドブルが“フェルスタッペン依存”から先を見据え始めていることを示すものとして、今後のドライバー市場に大きな波紋を広げそうだ。

  • アイザック・ハジャー F1マイアミGPでクラッシュもメキースが全面擁護

    アイザック・ハジャー F1マイアミGPでクラッシュもメキースが全面擁護

    アイザック・ハジャー(レッドブル)は、2026年F1マイアミGPでのクラッシュを受け、早くも厳しい視線にさらされている。フランス国内では、マックス・フェルスタッペンのチームメイトに課される“セカンドシートの呪い”が再び話題となり始めた。

    ハジャーはアップグレード版RB22を投入した週末でフェルスタッペンとの差に苦しみ、決勝では追い上げを見せながらもクラッシュでリタイア。だが、チーム内部では依然として高い評価を受けているようだ。

    ローラン・メキースはハジャーを全面擁護
    フランス『レキップ』紙のフレデリック・フェレ記者は、マイアミGP後のレッドブル内部の状況について言及。その中で、チーム代表ローラン・メキースがハジャーを強く支持していると伝えた。

    「ローラン・メキースは彼の強力な擁護者だ」とフェレは記している。

    ハジャーは予選でチーム側の技術規則違反が発覚したことで、決勝をピットレーンスタートで迎えることになった。それでもレースでは力強い追い上げを見せ、一時はポイント圏争いに加わるペースを披露していた。

    しかし、その挑戦はクラッシュによって突然終わりを迎えた。

    ハジャー「57周のレースでリスクを取りすぎた」
    レース後、アイザック・ハジャーは自身のミスを率直に認めた。

    「週末を通してずっと限界で走っていたし、その限界には快適さを感じていた。でも今回はうまくいかなかった」とハジャーはCanal Plusに語った。

    「十分に正確ではなかった。57周のレースでリスクを取りすぎた。あまり賢くなかった」

    さらにハジャーは、速さがあっただけに悔しさは大きかったと明かした。

    「腹が立っている。ペースは良かったからだ。すごく簡単に追い上げられていた」

    「自分で愚かにもポイントを捨ててしまった。本当にフラストレーションを感じているし、そのうえマシンにもダメージを与えてしまった。それも重要なことだ」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング) F1 マイアミグランプリ

    “セカンドシート問題”は再燃するのか
    2026年シーズンここまで、ハジャーの獲得ポイントは4。一方でマックス・フェルスタッペンは26ポイントを積み重ねている。

    数字だけを見れば差は大きく、フランスメディアが“セカンドシートの呪い”という表現を持ち出した背景も理解できる。ただ一方で、マイアミでは追い上げ時のペース自体は決して悪くなく、レッドブル内部でも即座に評価を下げる空気ではないようだ。

    特にローラン・メキースが公然と擁護に回っている点は重要だ。レッドブルはこれまでにもセカンドドライバーへのプレッシャーが問題視されてきたが、少なくとも現時点では、ハジャーに対して短期的な結論を出す段階ではないと考えている可能性が高い。

  • レッドブルF1 “マカレナ”リアウイングは昨夏から開発 フェラーリのコピー説を否定

    レッドブルF1 “マカレナ”リアウイングは昨夏から開発 フェラーリのコピー説を否定

    レッドブルF1の“マカレナ”リアウイングは、フェラーリのコピーではなかったようだ。2026年F1マイアミGPで正式投入されたRB22の新型リアウイングは、フェラーリが先行して披露したソリューションに酷似しているとして注目を集めたが、実際にはレッドブル側でも昨夏から開発が進められていたという。

    マイアミGPの週末は、レッドブルの技術陣にとって久々に手応えを感じられるものとなった。RB22はまるで別マシンのように競争力を取り戻し、フェラーリを脅かす存在となったからだ。

    その背景には、大規模アップデートパッケージの投入がある。新型フロントウイング、改良型フロア、新しいサイドポッドに加え、注目を集めたのが“マカレナ”と呼ばれる新型リアウイングだった。

    RB22復調の裏にあった大規模アップデート
    マイアミでのRB22は、予選でフロントローを獲得し、決勝でもマックス・フェルスタッペンのスタート直後のスピンがなければ表彰台争いに加わっていた可能性があった。

    開幕当初のRB22は、シャシーと空力の両面で問題を抱えていた。しかし、非常に競争力の高いパワーユニットに支えられながら、レッドブルはマシン改善を継続。マイアミではその成果が明確に現れた。

    今回アップデートされたのは、フロントウイングやフロア、サイドポッドだけではない。フィルミングデーの写真で存在が確認されていた“マカレナ”リアウイングも、この週末に正式デビューを果たした。

    ローラン・メキースは、今回のコンセプトについて「実際にコースに出て他チームの動きを見るずっと前から、このコンセプトを考案していた」と説明している。

    「ただ、我々にはそれをサーキットへ持ち込めるようになる前に、解決しなければならないもっと大きな問題があった。これは、皆がどれだけ懸命にプッシュしているかを示す良い例だ」

    メキースのコメントからも、今回のリアウイングが短期間で生まれた“対抗策”ではなく、以前から進められていた独立開発だったことがうかがえる。

    フェラーリのコピー説は現実的ではない
    初見では、多くの関係者が「レッドブルがフェラーリをコピーしたのではないか」と推測した。しかし実際には事情は異なる。

    Autoracerによると、レッドブルはすでに昨夏の時点で、このコンセプトの設計をFIAへ提出していたという。そのタイミングはフェラーリとも大きく離れていなかった。

    こうした空力ソリューションは、数週間で完成できるものではない。フェラーリが2月に披露したあと、レッドブルが短期間で解析・設計・製造を行い、さらに実戦投入可能な完成度まで持っていくのは極めて困難だ。

    実際、レッドブルのリアウイングはフェラーリとは大きく異なる設計を採用している。

    レッドブル・レーシング F1 マイアミグランプリ

    “マカレナ”リアウイングの構造とは
    レッドブル版“マカレナ”リアウイングは、中央アクチュエーターを採用し、反転したフラップが左右エンドプレートを大きく超える独特な構造となっている。

    単なる模倣ではなく、このコンセプトのために独自の研究開発が進められていたことを示すデザインだ。

    しかも、もし本当にコピーだったのであれば、わずか2か月程度で完全に機能するリアウイングを仕上げるのは現実的ではない。フェラーリ自身も、初期段階では実戦投入を見送り、十分なセッティングと検証を経て正式投入に踏み切っている。

    つまり、このタイプのリアウイングは“思いつき”で成立するものではなく、長期的な開発が必要な高度な空力パッケージということになる。

    レッドブルが修正した「本当の問題」
    今回のアップデートで重要だったのは、単に新型パーツを投入したことではない。レッドブルは、中国GPと日本GPで露呈していた“ドライバーが限界までプッシュできない状態”そのものの解消に取り組んでいた。

    メキースはFP1後、次のように説明している。

    「中国と日本では、ライバルがどこにいたかに関係なく、マックスとアイザック・ハジャーがプッシュするのを妨げている要素がたくさんあった。そして、それを修正しようとしてきた」

    「ミルトンキーンズでは、我々を制限していたものを徹底的に掘り下げ、アップデートを投入するために膨大な作業が行われた。基本的には2種類のフロアを並行して開発していたようなものだ」

    この発言からも、今回のアップデートが単発の空力変更ではなく、RB22全体の挙動改善を目的とした包括的な修正だったことが見えてくる。

    合法性にも問題なし レッドブル技術陣の底力
    “マカレナ”リアウイングはパドックの大きな話題となったが、現時点では完全に合法なソリューションとみられている。

    マイアミGPでのデビューでも特に異常や問題は確認されず、期待どおりのパフォーマンスを示した。

    ピエール・ワシェ率いるレッドブルの技術陣は、再びF1パドックに強いインパクトを与えた。今回のリアウイングはフェラーリの後追いではなく、2026年F1レギュレーションの中で、異なるアプローチから同じ空力領域へ到達した結果と言えそうだ。

    そしてマイアミGPは、RB22が再びタイトル争いへ戻る可能性を示した週末になった。

  • リアム・ローソン レッドブルF1の指示に驚き「ポジション返還は不要だと思った」

    リアム・ローソン レッドブルF1の指示に驚き「ポジション返還は不要だと思った」

    リアム・ローソン(レーシングブルズ)は、2026年F1マイアミGP決勝の序盤に起きたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのバトルについて、自身としてはポジションを返す必要はないと考えていたことを明かした。

    フェルスタッペンは2番グリッドからスタートしたものの、ターン2でスピンを喫して後退。その後の追い上げの中で、ターン11でローソンと激しく並び合う展開となった。

    両者はコース外にはみ出しながらも走行を続け、ローソンが前でコーナーを立ち上がったが、直後にチームからポジションを譲るよう指示を受けた。

    ローソンは「返す必要はない」と認識
    リアム・ローソンは、レース後の取材でこの場面を振り返り、自身としてはペナルティ対象にはならないと感じていたことを認めた。

    「僕はポジションを返す必要はないと思っていた。でも、どうやら返さなければならなかったみたいだ」とローソンは語った。

    「接近戦だったけど、正直なところ今日はそこで激しく争うつもりもなかった」

    このやり取りは、かつてレッドブル陣営でフェルスタッペンと同じ環境にいたローソンだからこそ、より注目を集める場面となった。レーシングブルズ側が即座にポジション返還を指示した背景には、ペナルティ回避を最優先した判断があったとみられる。

    その直後にギアボックストラブルでリタイア
    しかし、ローソンのレースはその後まもなく終わりを迎えた。ギアボックストラブルが発生し、マシンコントロールを失ったことでピエール・ガスリー(アルピーヌ)と接触。そのままリタイアとなった。

    ローソンは当初、問題の深刻さには気付いていなかったものの、数周後には厳しい状況を悟っていたという。

    「その時点では分かっていなかった。でも、その数周後にはマシンバランスがあまり良くないことに気付いた」

    「だからトップ10に留まるのは難しかったと思う。でも、今日はそれでも可能性はあったし、少なくとも数ポイントは獲れていたと思う」

    結果としてポイント獲得は叶わなかったが、フェルスタッペンとの一件と合わせ、ローソンにとっては再び自身の存在感を示すレース序盤となった。