カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • アービッド・リンドブラッド陣営 F1昇格に自信「角田裕毅より精神面で成熟」

    アービッド・リンドブラッド陣営 F1昇格に自信「角田裕毅より精神面で成熟」

    アービッド・リンドブラッド(18歳)は、2026年にレーシングブルズからF1デビューする可能性を視野に入れている。チームメイトは角田裕毅、もしくはリアム・ローソンになる見通しだ。

    アイザック・ハジャーがレッドブル本隊への昇格を果たすと見られており、リンドブラッドが昇格すれば、2025年にマックス・フェルスタッペンのチームメイトだった2人の“再共演”を阻む形となる。

    若手ながら、リンドブラッドはチームの将来像の中心的存在として高く評価されている。一方、角田裕毅とローソンは「過去の世代」として位置づけられつつある。

    リンドブラッドのマネージャー「ローソンや角田裕毅と違い、精神的な強さがある」
    『The Race』誌によると、リンドブラッドのマネージャーであるオリバー・ローランド(元ウィリアムズF1開発ドライバー、2025年のフォーミュラE王者)は、これまでに何度も彼と対話を重ねてきたという。

    ローランドは、「リンドブラッドにはローソンや角田裕毅と同じ問題を避けるだけの“精神的なキャパシティ”と成熟度がある」と語った。

    2人はいずれもレーシングブルズで印象的な走りを見せたが、レッドブル本隊昇格後のチャンスを活かしきれずに苦戦した。特にローソンは、わずか11戦の経験で昇格を果たしたことが影響したとされる。

    現在F2でランキング7位のリンドブラッドは、2026年に唯一のルーキーとしてF1グリッドに加わる可能性がある。ローランドは「彼のシーズンには浮き沈みがあるが、F2の結果は必ずしもF1の指標にはならない」と指摘。ハースF1チームで成功を収めたオリバー・ベアマンの例を挙げ、長期的な視点での成長に自信を示した。

    角田裕毅 レッドブル F1

    メキシコで角田裕毅を上回るパフォーマンス
    リンドブラッドはメキシコGPのフリー走行1回目で角田裕毅を上回るタイムを記録し、レッドブルの期待を上回る走りを披露した。ローラン・メキース代表は「異なるプログラムを走っていた」と強調したが、リンドブラッドが昇格に近づいた印象を与えたのは事実だ。

    また、F1実況者のデイビッド・クロフトは「リンドブラッドの2026年のチームメイトにはローソンが残留するだろう」と予想している。

    歴史的に見てもレーシングブルズのドライバーは1年契約が基本であり、2人が短期契約で2026年を戦う可能性が高い。

    リンドブラッドが示す“次世代ドライバー像”
    ローランドが指摘する「精神的成熟度」は、リンドブラッドの最大の武器といえる。ローソンと角田裕毅が直面した「プレッシャー下での適応」という課題を克服できるかどうかが、昇格後の成否を左右するだろう。

    また、メキース代表の下での開発ドライバー経験は、2026年以降のレーシングブルズ再編成においても重要な役割を果たす可能性がある。

  • 角田裕毅×三國清三シェフ「料理もF1も“我慢と正確さ”が勝負を分ける」

    角田裕毅×三國清三シェフ「料理もF1も“我慢と正確さ”が勝負を分ける」

    レッドブル・レーシングの角田裕毅が、日本料理界の巨匠・三國清三シェフと初めての料理共演を果たした。

    三國清三の新店「三國」で使用しているHexCladとの縁から、同ブランドのアンバサダーを務める角田裕毅が来店し、特別な対談とクッキングセッションが実現した。

    二人は調理を通して、「我慢」「スピード」「正確さ」といった職人の共通哲学を語り合いながら、F1と料理の深い共通点を見出していった。プロの現場で培われた集中力とチームワークを語るやり取りには、異なる世界で一流を極めた者同士の共鳴があった。

    包丁の握りから「我慢の哲学」まで──F1と料理の共通点
    三國シェフがタラを3枚に下ろす手本を見せると、角田裕毅も「僕、結構初心者ですよ」と言いながら包丁を握る。皮をパリッと焼くコツを教わると、「まな板を切るように押して引く」と聞いて「なるほど」とうなずき、真剣な表情で手元に集中した。

    焼きの工程では、三國シェフが「プロはすぐひっくり返さない。我慢できるかどうかが分かれ道」と語り、角田裕毅は「レースも同じですね。焦ると最後に崩れる」と共感。「我慢も人ですもんね」と笑顔で返し、料理とレースの哲学を重ね合わせた。

    アロゼ(バターを回しかけて仕上げるフランス料理の技法)に挑戦した角田裕毅は、「うわ、めっちゃいい匂い」と感嘆。焼き上がったタラを口にすると「めちゃめちゃ美味しい」「赤ワイン飲みたくなる味ですね」と満面の笑みを見せた。

    “速さと正確さ”の頂点を目指す職人たち
    食事の合間では、三國シェフが自身の修業時代を語る。「僕は20歳からヨーロッパに渡って、ミシュランの三つ星でしか働いてこなかった。フランス人でもなかなかできないこと。仕事が速くて、きれいで、美味しい。この3秒ができないとトップになれない」と語ると、角田裕毅は「F1も同じで、速くてもブレたら意味がない。正確さがすべてです」と深くうなずいた。

    チームで極める“一流”のものづくり
    さらに角田裕毅は、「F1も料理もチームワーク。2500人の努力が1台に詰まっている」と語り、三國シェフも「料理も素材の生産者とつながることが大事」と応じた。互いの世界で“支え合い”の重要性を理解する二人の会話は、職人同士ならではの説得力に満ちていた。

    一流を目指す者の覚悟と未来へのエール

    終盤、角田裕毅は「ミクニシェフからアロゼを教わったんで、今度イタリアの友達にふるまいたい」と笑顔。三國シェフは「筋がいい。感がいいですよ」と太鼓判を押した。

    25歳のF1ドライバーと71歳の料理人――異なる舞台で戦う二人に共通するのは、「一流を目指す者の覚悟」。

    角田裕毅は「今日は本当に幸せな時間でした」と語り、三國シェフも「これからの彼にすごく期待している」と笑顔で締めくくった。

  • 角田裕毅 レッドブルF1残留への鍵はペレスの“援護戦法”を再現できるか?

    角田裕毅 レッドブルF1残留への鍵はペレスの“援護戦法”を再現できるか?

    2025年シーズンも終盤を迎えるなか、角田裕毅のF1キャリアは岐路に立たされている。

    2026年に向けたレッドブルの決断を待つ日本人ドライバーは、今季これまでノーポディウム、ドライバーズランキング17位と苦しいシーズンを過ごしており、チームの要求水準を満たせていない。

    それでも、希望の灯は完全には消えていない。後任候補が限られていることから、2026年の新レギュレーションに対応するための“知識と経験”がチーム内で再評価されつつある。残り4戦で印象を残すことができれば、レッドブルあるいはレーシングブルズでシートを守る可能性は残されている。

    メキースとマルコの意見対立、残留の鍵は最終戦までの働き
    ホンダとの関係性が角田裕毅に有利に働くことは確かだが、それだけでは十分ではない。

    ローラン・メキースとヘルムート・マルコの間では角田裕毅の評価が分かれており、後者は交代を推す立場だと報じられている。

    チームは当初、メキシコGPまでに去就を決める予定だったが、決断は持ち越されている。残された時間はわずかだが、ここからの4戦で角田裕毅がどれだけチームに貢献できるかが、残留の可否を左右する。

    角田裕毅自身も今週末のブラジルGPに向けて「今週末はコンストラクターズポイントを伸ばして、マックスをできる限りサポートすることに集中したいです」と語っており、チームプレーへの意識を強めている。

    ペレスが見せた“献身的防衛”──2021年アブダビの再現なるか
    レッドブルが現在置かれている状況は、2021年のタイトル決戦を思い出させる。当時、マックス・フェルスタッペンのタイトルを支えたのがセルジオ・ペレスだった。

    アブダビGPでペレスはルイス・ハミルトンを壮絶に抑え込み、フェルスタッペンが20秒差を一気に詰める展開を作り出した。この“チームのための防衛”が結果的にシーズンの行方を変えた。

    角田裕毅が今、同じような役割を果たすことができれば──たとえばマクラーレン勢をレース中にブロックし、フェルスタッペンを援護するような形でチームのタイトル争いに貢献できれば──残留への道は再び開ける可能性がある。

    角田裕毅 レッドブル F1

    角田裕毅に求められるのは「速さ」よりも「貢献」
    この見解はF1 OVERSTEERによるもので、角田裕毅に残された道は「個人の速さ」ではなく「チームへの戦略的貢献」だと指摘している。

    マックス・フェルスタッペンがタイトル争いを続ける中で、レッドブルにとって角田裕毅の存在意義は明確になりつつある。

    単独で上位を狙うことが難しい現状では、戦略的なチームプレーが最も効果的な自己アピールになる。レース中にマクラーレン勢を抑え、チームのポイント獲得を最大化する走り──まさに“ペレス戦法”の再現だ。

    残りわずかな4戦で角田裕毅がその役割を果たせば、評価は一変する。それが2026年のF1残留を懸けた、最後の試験となる。

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1を牽引「チームを引っ張る力が特別」

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1を牽引「チームを引っ張る力が特別」

    レッドブル・レーシングのシーズンは浮き沈みの激しい展開となったが、マックス・フェルスタッペンがチームを再び勝利へ導く原動力となっている。

    チーフエンジニアのポール・モナハンは、ドライビングだけでなく、ガレージ内での貢献においてもフェルスタッペンの存在が決定的だったと語る。RB21はシーズン中盤に苦戦を強いられたが、今ではマクラーレンを打ち負かすほどのマシンへと変貌を遂げている。

    残り4戦、フェルスタッペンは最大104点あった選手権のギャップをわずか36点に縮め、5年連続タイトルの可能性を再び手中に収めつつある。

    苦戦から始まったシーズン後半
    サマーブレイク明け、レッドブルは深刻なパフォーマンス低下に直面していた。開幕戦では勝利を挙げていたRB21だが、マクラーレンのMCL39に太刀打ちできず、ファンや評論家の間では王者時代の終焉を予感させる声も上がった。

    しかし、モンツァでのイタリアGP以降、チームは劇的な復活を遂げた。フェルスタッペンは直近5戦で3勝を挙げ、かつての圧倒的な速さを再び取り戻している。

    メキシコシティで報道陣の取材に応じたポール・モナハンは、その背景にフェルスタッペンの献身的な姿勢があったと明かした。
    「今年はこれまでと違う形で彼に挑戦を強いる年だった。なぜなら、全戦で十分に速いマシンを彼に渡せたわけではなかったからだ」とモナハンは語った。

    “チームと共にあるチャンピオン”
    モナハンが強調するのは、フェルスタッペンのスピードだけではなく、状況が苦しいときこそ発揮されるリーダーシップだ。
    「彼は常に『チームが苦しいなら自分も苦しい』という姿勢で、チームを助けるために全力を尽くしてくれる」とモナハンは述べた。

    「彼は本当に特別なドライバーであり、それはマシンの内外を問わない。チームをひとつにまとめることができる稀有な存在だ。もちろん彼一人の力ではないが、非常に大きな役割を果たしている。我々は彼をチームに持てて本当に幸運だ」

    その一体感こそがレッドブルを再び浮上させ、フェルスタッペンをタイトル争いの中心に戻した。チーム内では、5連覇という偉業が現実味を帯びてきている。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    技術面での逆襲とチーム全体の努力
    フェルスタッペンが表舞台で輝く一方、モナハンはその裏で続けられたエンジニアリングチームの努力を強調した。
    「多くの要素が組み合わさって今の結果につながっている。シーズン序盤から、より良いマシンを作るために多大な労力を注いできた」とモナハンは説明する。

    「我々は問題点を早い段階で把握したつもりだったが、そこに到達するまでにはいくつかのステップが必要だった。単にダウンフォースを減らすだけでは解決できなかった」

    「モンツァに向けて準備を進める中で、多くの改善が積み重なり、結果として大きな前進につながった。特定のパーツやセットアップだけの話ではない。多くの要素が正しい順序でかみ合ったんだ」

    「そのタイミングに満足していない部分もあるが、それが現実というものだ」

    フェルスタッペン、奇跡の逆転へ
    2025年シーズンも残すところ4戦。フェルスタッペンは、F1史上でも稀に見る逆転劇の主役となる可能性を秘めている。

    レッドブルのガレージでは、ポール・モナハンをはじめとする技術陣が、再びチャンピオンを頂点に立たせるための戦いを続けている。
    「我々には“非凡な才能”がチームを率いている。そのことを誇りに思う」とモナハンは語った。

    フェルスタッペンの反撃は、まだ終わっていない。

  • 角田裕毅 ホンダとのインディカー転向は“F1復帰を絶たれる片道切符”

    角田裕毅 ホンダとのインディカー転向は“F1復帰を絶たれる片道切符”

    角田裕毅に、2026年シーズンのインディカー転向という新たな選択肢が浮上している。しかし、F1情報サイト『F1 OVERSTEER』は「それはF1からの片道切符になる可能性が高い」と警鐘を鳴らしている。

    インディカーのジャーナリスト、トニー・ドノヒューは自身のYouTube番組『Unverified』で「角田裕毅がDale Coyne Racing(DCR)のNo.19マシンの候補に挙がっている」と報じた。

    ホンダ・エンジンを使用する同チームとの結びつきは自然であり、ホンダ支援ドライバーとしての現実的な選択肢ともいえる。

    レッドブル昇格後の苦境とシート争い
    角田裕毅は2025年シーズン第2戦でレーシングブルズからレッドブル本隊へ昇格。しかし、19戦を終えての獲得ポイントは25にとどまり、チームメイトのマックス・フェルスタッペンの285ポイントとは大きな開きがある。“レッドブルのセカンドシートの呪縛”を破るには至っていない。

    チーム内ではアイザック・ハジャーの2026年昇格が既定路線と見られており、ローラン・メキース代表は「最終決定はアブダビGP前に行う」と発言。角田の去就は年末までに明らかになる見通しだ。

    DCRとホンダ支援による“現実的ルート”
    ドノヒューは「角田裕毅がホンダ支援のもとDale Coyne Racingの第2シートに収まる可能性がある。正式発表は来週にもあるかもしれない」と述べており、DCRはすでに元レッドブル・ジュニアのデニス・ハウガーを起用している。もし実現すれば、レッドブル育成出身コンビが誕生することになる。

    角田裕毅は2024年11月にチップ・ガナッシ・レーシングのインディカーをテストしており、その際には6度の王者スコット・ディクソンから直接アドバイスを受けた。この経験が、今回の移籍報道の信憑性を高めているとされる。

    角田裕毅 ホンダ インディカー

    F1からの“片道切符”という現実
    一方で『F1 OVERSTEER』は、「インディカー行きはF1への復帰を絶たれる片道切符になりかねない」と警告する。

    過去にもマーカス・エリクソン、アレクサンダー・ロッシ、ロマン・グロージャンといった元F1ドライバーたちがインディカーに転向したが、いずれもF1復帰は叶わなかった。例外はナイジェル・マンセルただ一人であり、彼の場合はF1王者として一時的にアメリカへ渡った特例だった。

    記事は「インディカーは実績あるドライバーがキャリア終盤に選ぶ場所であり、そこから再びF1に戻ることは極めて稀だ」と強調している。つまり、角田がインディカーへ向かうことは、事実上F1の舞台を去ることを意味する。

    角田裕毅に残された4戦と未来
    現在、レッドブル陣営では角田裕毅、リアム・ローソン、アイザック・ハジャーの3人が2席を争っており、誰か1人は確実に脱落する。角田が残るためには、ブラジルGPからの4戦で確実な結果を残す必要がある。

    ホンダ支援によるインディカー行きは“現実的なルート”に見える一方、それはF1から遠ざかるリスクを伴う選択でもある。
    角田裕毅がどの道を選ぶのか──それが彼のF1キャリアの未来を決定づける。

  • 角田裕毅とフェルスタッペンのホンダ×レッドブルF1スーツ 1500万円超を寄付

    角田裕毅とフェルスタッペンのホンダ×レッドブルF1スーツ 1500万円超を寄付

    角田裕毅とマックス・フェルスタッペンが2025年F1日本GPで着用したレーススーツがチャリティオークションに出品され、脊髄損傷研究を支援する財団「Wings for Life」に総額8万3500ポンド(約1,500万円)が寄付された。

    ホンダとのパートナーシップ終了を記念し、特別にデザインされた白基調のホンダ仕様スーツは、F1 Authenticsを通じて落札されたもので、収益は全額がWings for Lifeに寄付された。

    鈴鹿での特別リバリー、ホンダとの別れを象徴
    この特別デザインは、ホンダとの最後のレースを飾る特別リバリーの一環として制作されたもの。フェルスタッペンはこの日本GPでポール・トゥ・ウィンを達成し、マクラーレン勢以外として今季初の優勝者となった。

    一方、角田裕毅にとっては母国GPであり、リアム・ローソンの後任としてレッドブルのシートを獲得してから初のレースだった。

    角田裕毅 レッドブル F1 日本GP

    メキース代表「ホンダとの絆を誇りに思う」
    レッドブルF1チーム代表のローラン・メキースは次のようにコメントした。

    「F1 Authenticsとの協力を通じて、我々のチャリティパートナーであるWings for Lifeのために8万ポンド以上を集めることができて本当にうれしい」

    「ホンダとの素晴らしいパートナーシップを象徴する日本特別リバリーのスーツが、脊髄損傷治療のための画期的な研究に役立つことを誇りに思う」

    寄付金は脊髄損傷研究の新たな一歩に
    Wings for Life UKのCEOエマ・ヒンドも、次のように感謝を述べている。

    「F1 Authenticsとレッドブル・レーシングの寛大な支援に心から感謝しています。今回の8万3500ポンドという金額は脊髄損傷研究に大きく貢献します。今後もまた協力できることを楽しみにしています」

    フェルスタッペンはタイトル争い継続中
    フェルスタッペンは現在、マクラーレンのランド・ノリスに36ポイント差で挑み、シーズン残り4戦を前にタイトル争いを続けている。

    一方、ホンダは2026年からアストンマーティンとタッグを組み、次世代PU時代のワークスチームとして新章を迎える。

  • レッドブルF1 メキシコでRB21に新型フロア投入も誤算「気温と標高が敵」

    レッドブルF1 メキシコでRB21に新型フロア投入も誤算「気温と標高が敵」

    マックス・フェルスタッペンのドライバーズ選手権争いを維持するため、レッドブルは他チームが2026年マシンの開発に専念する中、依然としてRB21の積極的な開発を続けている。では、メキシコシティで投入された新たなアップグレードはどのような効果を発揮したのだろうか。

    チームは、わずか4戦前のモンツァで導入されたフロアをさらに発展させたバージョンを持ち込んだ。

    このフロアは完全な新設計ではなく、モンツァ仕様を流用したものだとトラックサイド・エンジニアリング責任者のポール・モナハンが説明している。

    「これは“メイク・フロム”なんだ」とモナハンは語った。「以前のフロアを再利用できたのは、それが十分にモジュール化されていたからで、こうしてここに持って来ることができたんだ。」

    変更点はごくわずかだ。上面フロア表面の前縁がわずかに下げられ、フロア・エッジ・ウイングの形状もそれに合わせて変更されている。

    この変更により、チームの説明によれば「フロースタビリティ(流れの安定性)を維持しつつ、わずかにダウンフォースが増加した」という。つまり、空力バランスを保ったまま、特定箇所で追加のダウンフォースを得る設計ということだ。

    同じアップグレードの一環として、サイドポッドのラジエター開口部上面がサイドポッド本体と統合され、「スプリットライン(分割線)」が再設計された。その結果、外側のフロアフェンス後方に向かう気流の流れ方がより効率的になり、冷却効率の向上とわずかなダウンフォースの増加が得られたとされている。これは冷却スリット周辺の圧力分布を巧みに操ることで実現している。

    レッドブル RB21 角田裕毅上:メキシコで角田裕毅が使用した従来仕様、下:フェルスタッペンが使用した新仕様。フロアエッジウイング(下の2本の矢印)とサイドポッド分割線(上の2本の矢印)の形状が微妙に変更され、空気の流れを最適化してわずかにダウンフォースを増加させている。

    チームはこれらの改良が確実に性能向上をもたらしたと確信しているが、メキシコでのRB21は近年のレースに比べて競争力を欠いていた。

    とはいえ、「相関関係は因果関係ではない」。つまり、マシンが苦戦した理由はアップグレード自体ではなく、リアタイヤの保護を優先するために必要だったセットアップにある。メキシコシティ特有の高温かつ低密度の空気が、リアタイヤに大きな負担をかけたのだ。

    これによりフェルスタッペンのマシンは、金曜の予選シミュレーション時のような軽燃料状態では好調だったにもかかわらず、決勝ロングランでは深刻なアンダーステア傾向を示した。そのセットアップは結局「ロングランでは破綻する」ことが明らかになった。

    なぜレッドブルはメキシコで苦戦したのか
    一方でマクラーレンはリアタイヤ温度の制御に優れており、ランド・ノリスはフェルスタッペンがこれまで享受していたような強いフロントエンド特性を得ることができた。

    標準的な標高のサーキットでもマクラーレンはリアタイヤ温度制御で優位に立っているが、その差はメキシコの環境ではさらに拡大した。マクラーレンの冷却技術はリアタイヤだけでなく、ボディワーク冷却にも反映されている。

    他チーム――特にレッドブル――が冷却性能を確保するためボディワークを大きく開口し、ラジエターに流れる空気量を増やしたのに対し、マクラーレンのボディ形状は通常のサーキットとほぼ同じだった。アンドレア・ステラ代表はこれを「MCL39に導入された新技術のおかげ」と説明している。

    レッドブルは、高地で空気密度が25%低下するメキシコでは冷却能力を確保するため、サイドポッド上部の排熱スリットを大きく開けることで対応した。薄い空気では、同じ冷却効果を得るためにより多くの空気流量が必要になるからだ。

    レッドブル・レーシング RB21メキシコでのレッドブルは、標高の影響によりサイドポッド上の排熱スリット間の間隔を広げていた。

    モナハンはこの計算手法についてこう説明している。「必要な冷却空気量をまず計算する。そこから必要な排出口の面積を見積もる。ほとんどのマシンは吸入口よりも排出口で制約を受けている。だからまず出口を開ける。我々は主にサイドポッド上で開放する方法を取ったが、他チームの中にはエンジンカバー下部の排出口を拡大したところもある。」

    こうした理由から、今回のメキシコでの不調はあくまで一時的なものであり、車そのものの性能低下ではないという見方が強い。モナハンは次のように補足した。

    「シーズン序盤から、我々はより良いクルマを作るために多くの作業を進めてきた。問題点を特定したと考えていたが、実際にはそれを完全に理解するまでにいくつかの段階を要した。単純にダウンフォースを削るだけではなく、モンツァに向かう過程でいくつかの要素がかみ合い、クルマは大きく改善したんだ。特定の一要素だけが原因というわけではない。」

    「セットアップは、ボディワーク形状や空力の結果が示唆した方向へ進化している。その恩恵を今、我々は享受している。シーズン初期の3、4戦の時点では、今のような走り方はできなかっただろう。現代のF1マシンは非常に複雑で洗練された空力デバイスだから、方向性を間違えれば本当に全てが崩れる。」

    「すべてを正しく組み合わせなければならない。単独のパーツではなく、全体が噛み合った時に、我々がここ数戦で示してきたようなパフォーマンスを発揮できるんだ。」

  • 角田裕毅 レッドブルF1での来季去就は「アブダビGP前に通達」とメキース

    角田裕毅 レッドブルF1での来季去就は「アブダビGP前に通達」とメキース

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、2026年シーズンのドライバーラインナップについて「最終決定は今季最終戦アブダビGPの前に行う」と明言した。これにより、角田裕毅の去就をめぐる不透明な状況にも、シーズン終了前に一定の結論が出る見通しとなった。

    今季ここまでチームは決定を先送りしており、その背景にはレーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャーの急成長がある。

    ハジャーは8月のオランダGPで初表彰台を獲得し、来季マックス・フェルスタッペンのチームメイトに昇格する可能性が高いと報じられている。

    アブダビGP前に最終決定、「焦る理由はない」
    メキースはメキシコGP後に取材に応じ、チーム内での議論が続いていることを認めた上で「決定はアブダビGPより前に行う」と明言した。

    「(12月7日の)アブダビGP後ではなく、その前に決める」とメキースは語り、今季中にすべての関係者に進路を明確にする意向を示した。

    決定が遅れている理由については「現状のシーズンに集中するため」と説明しつつ、次のように続けた。

    「今シーズンに集中したいという要素もあるが、それ以上に重要なのは、関係するドライバーたちに早めに立場を伝えることだ。われわれには選択の自由があり、焦る必要はない。状況をすべて見極めた上で最良の決定を下す」

    角田裕毅の奮闘、「ステップアップしている」
    角田裕毅はメキシコGPで11位に終わったが、直近5戦のうち3戦で入賞しており、メキースは「ここ数戦の進歩が決定を遅らせている要因のひとつ」と語る。

    「メキシコでは久しぶりに非常に強い週末だった。予選ではマックスとの差が0.2秒で、決勝でも第1スティントでは同じミディアムで2〜3コンマ(0.2〜0.3秒)差の強力なペースを見せた」

    「その後の展開は我々の戦略側の要因だった。彼を少し長く引っ張りすぎた上、ピットストップもやや遅れて、彼が本来取れたはずのポイントを逃してしまった。だからこそ、もう少し時間をかけて正しい判断をしたい」

    メキースは続けて「裕毅は確実にステップアップしている。他の若手たちも伸びている。だからこそ急ぐ理由はない」と述べ、冷静な判断を強調した。

    角田裕毅 レッドブル F1

    アストンマーティンの動きと角田裕毅の選択肢
    一方、アストンマーティンはホンダ系ジュニアのジェイク・クロフォードを2026年の第3ドライバーとして起用することを発表した。このポジションは一時期、角田裕毅の潜在的な去就先として噂されていたが、事実上その可能性は消えた格好だ。

    角田裕毅はホンダとの関係を維持しているものの、レッドブル・レーシングおよびレーシングブルズの決定次第では、F1シートを失うリスクも残る。現時点で最も危うい立場にあると報じられているのはリアム・ローソンとされるが、最終判断はアブダビGP前にすべて明らかになる。

    分析:角田裕毅の“踏みとどまり”はメキースの目にどう映るか
    メキースの発言から読み取れるのは、角田裕毅の近況を高く評価しつつも、決定の鍵を「比較の中での成長度」に置いている点だ。つまり、角田裕毅がどれだけ改善しても、ハジャーやリンドブラッドの伸びがそれを上回れば、構図は変わらない。

    ただし、メキースが「最終戦前に決定する」と明言したことは、チーム内での議論が最終段階に入ったことを示す。角田裕毅にとっては、残る3戦すべてが“残留査定”の場であり、レースごとに自らの価値を証明する戦いとなる。

    焦点は、フェルスタッペンとの差をどれだけ縮め、戦略ミスに左右されずに「自力で結果を取り戻せる走り」を見せられるかだ。
    2025年の終盤戦は、角田裕毅のキャリアにとって最も重要な3戦となる。

  • マックス・フェルスタッペン F1ブラジルGPに特別ヘルメット「伝統の黄色と緑」

    マックス・フェルスタッペン F1ブラジルGPに特別ヘルメット「伝統の黄色と緑」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が、今週末のF1ブラジルGPに向けて特別仕様のヘルメットを公開した。デザインはブラジル国旗とナショナルチームの象徴的なカラー、イエローとグリーンをベースにしており、ブラジルへの敬意と感謝を込めたものだ。

    このヘルメットは、毎年のブラジル開催を記念したもので、フェルスタッペンは「僕にとってインテルラゴスは特別な場所」と語っている。

    その理由として、同地での数々の成功に加え、パートナーのケリー・ピケがブラジル出身であることを挙げた。

    フェルスタッペンはこれまでに同サーキットで3勝、さらに3度の表彰台を獲得している。中でも2016年ブラジルGPでは、残り16周で16番手から追い上げて3位に入る伝説的な走りを披露。そして昨年は豪雨の中、17番手スタートから優勝を果たし、自身のF1キャリアで最も記憶に残る勝利のひとつとされている。

    今回のヘルメットは、通常のデザインにゴールドを多用し、レッドブルのブルーとイエローにブラジル国旗を想起させるグリーンのアクセントを加えた華やかな仕上がりとなっている。
    フェルスタッペンは次のように語っている。
    「伝統的なカラーを選んだんだ。つまり国旗の色でもあり、ナショナルチームのサッカーユニフォームの色でもある。もちろん黄色と緑で、とても印象的なんだ。そのカラーをヘルメットに取り入れるようにしたんだ。本当にかっこよく仕上がったよ」

    「ブラジルは僕にとって特別な場所」
    フェルスタッペンにとってブラジルは、単なるレースの舞台以上の意味を持つ。義理の家族が暮らす国であり、過去に数々の名勝負を繰り広げてきた特別な地だ。

    「僕にとってブラジルというのは特別な場所なんだ。これまでここでやってきたレースの数々がある。ウェットレースや風の強い日もあって、本当に素晴らしい瞬間がいくつもあった。加えて、僕の義理の家族はブラジル出身なんだ。だから僕にとっては、ここに戻ってくるのはいつだって気持ちがいいんだ」と振り返る。

    伝説の“17番手スタート優勝”を胸に
    彼にとってインテルラゴスといえば、2024年の“17番手スタートからの優勝”が象徴的な瞬間だ。

    「去年はひどい予選で後方からスタートした。でもチャンピオンシップが懸かっていたし、ミスは許されなかった。だから攻めてポジションを上げていくしかなかった。そして17番手から優勝したんだ。あのときは本当に感情が込み上げてきた」と語る。

    あの勝利は、フェルスタッペンが極限の状況でも冷静さと闘志を保ち、運さえも味方につけて切り開いたレースとして記憶されている。

    情熱的なファンとクラシックな舞台
    ブラジルGPの魅力についても、フェルスタッペンは熱く語った。

    「ファンがものすごく情熱的なのも最高だ。クラシックなサーキットであの雰囲気を味わえるのは本当に素晴らしいことだし、その一部になれるのは信じられないくらい幸せだ」

    そして最後に「それが何だかわかるか? ただただ最高なんだ。本当にそう思う」と笑みを浮かべた。

    “黄色と緑”が映える週末へ
    フェルスタッペンの新しいヘルメットは、象徴的なブラジルカラーに自身の勝利の記憶を重ねた一品だ。彼にとってブラジルは、運と情熱、そして家族の絆が交わる特別なステージ。
    雨、風、そしてファンの声援が交錯するインテルラゴスで、この“黄色と緑”のヘルメットが再び輝きを放つ。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) F1 ブラジルGP ヘルメットマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) F1 ブラジルGP ヘルメット②マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) F1 ブラジルGP ヘルメット③マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) F1 ブラジルGP ヘルメット④マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) F1 ブラジルGP ヘルメット⑤マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) F1 ブラジルGP ヘルメット⑥

  • 角田裕毅 F1ブラジルGP展望「予選を安定して走り切れば上位で戦える」

    角田裕毅 F1ブラジルGP展望「予選を安定して走り切れば上位で戦える」

    角田裕毅(レッドブル・レーシング)が、今週末に開催されるF1ブラジルGPを前に意気込みを語った。

    サンパウロでは天候の変化が予想され、スプリントフォーマットによる変則的な週末となる見通しだが、角田は「雨でも全員が同じ条件」と冷静に受け止め、チームとしての対応力を重視している。

    ここ2戦でマシンの感触が大きく向上し、レースペースではマックス・フェルスタッペンに迫る走りを見せている角田ゆ裕毅は「予選を安定して走り切れば上位で戦える」と自信を示した。今週末はコンストラクターズポイントの上積みと、チームメイトのフェルスタッペンを支えることに全力を注ぐ構えだ。

    「ブラジルはいつもエキサイティングなレースですし、天候が予想外の展開をもたらすこともあります」と角田裕毅はコメント。

    「今回も雨が週末に影響するかもしれませんが、全員が同じ条件の中で、いかに走行時間を最大限に活かしてチームとして対応できるかが大事だと思います。スプリントフォーマットはそれ自体が難しい部分もありますが、そこに雨が加わると本当に波乱の週末になりそうですね」

    角田裕毅 レッドブル・レーシング F1 ブラジルGP

    「僕にとって良い点は、ここ2戦でレースペースの面ではマシンの感触がすごく良くて、マックスとかなり近いラップを刻めていることです。マシンやアップデートにも自信がありますし、2回の予選を安定して走りきれれば、スプリントでも決勝でも上位で戦えると思います」

    「今週末はコンストラクターズポイントを伸ばして、マックスをできる限りサポートすることに集中したいです。」