カテゴリー: ピレリ

  • ピレリ:F1シンガポールGP プレビュー

    ピレリ:F1シンガポールGP プレビュー

    ピレリが、2014年 第14戦 F1シンガポールGPが開催されるマリーナ・ベイ市街地コースをタイヤメーカーの観点から解説した。

    ピレリのF1タイヤレンジ中で最も硬い組み合わせのコンパウンドが使用されたモンツァの後、F1はシンガポールへ向かう。

    シンガポール用つぃて、レンジ中で最も軟らかい組み合わせであるP Zero イエロー・ソフトとP Zero レッド・スーパーソフトが選択されている。

    シンガポールは市街地サーキットだが、非常に例外的。決勝が夜間に行われるため、路面状況と温度の変化が、通用のグランプリ週末とは異なるものになる。しかしながら、都心に位置するトラック特性と全体的に高い気温のため、ドライバーにとってはシーズン中で最も肉体的に厳しいトラックのひとつとなっている。トラクションとブレーキングが、マリーナ・ベイ・サーキットの鍵となる要素。さらに、バンピーなトラック路面が一貫したトラクションの確保を難しくする。また、ドライバーのミスを誘発し、タイヤにとっての障害となる、公道にはつきものの白線やマンホールの蓋などが存在する。シンガポールには、F1カレンダー中で最も多くのコーナーが存在するため、タイヤは一層酷使されることになる。

    タイヤから見たサーキット
    シンガポールは、トラクションとブレーキングに尽きる。特に、全ての低速コーナー出口でリアタイアが酷使される。縦方向および横方向の負荷に対応しなければならないため、特に左リアタイヤに負荷がかかる。サーキットに使用される公道がバンピーな路面のため、トラクションはさらに損なわれることになる。

    スーパーソフトは作動温度領域が低く、広範囲の低い温度条件化でも最適な性能を発揮できるコンパウンド。ソフトタイヤは、対照的に作動温度領域が高く、高温のコンディションに適したコンパウンド。シンガポールでの気温は通常30〜35℃で、これまでウェットレースは行われたことがない。

    シンガポールの路面は、他の大半の市街地サーキットよりも新しいものだが、非常設サーキットの特性として、他のトラックよりもアスファルトのラバーインに時間を要するため、路面の改善の進みが遅くなる。夕方のレインシャワーも珍しくなく、路面上に乗ったラバーを洗い流してしまう。

    昨年の勝利戦略は2ストップで、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがスーパーソフトでスタートし、17周目にミディアムへ、44周目にスーパーソフトへ交換してフィニッシュした。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「シーズン中でも屈指の見応えあるレースが展開されるシンガポールを訪れることをいつも楽しみにしています。鮮やかな市街地でのナイトレースは、F1が最高峰であることを示す素晴らしい雰囲気を醸し出します。ナイトレース独特の特性がタイヤに明らかな影響を及ぼしますので、市街地サーキットにおいて不可欠な要素である迅速なウォームアップと高いレベルのメカニカルグリップを提供するために、タイヤレンジ中で最も軟らかい組み合わせのタイヤを選択しました。今年の組み合わせは、ミディアムとスーパーソフトを選択した昨年よりも軟らかいものになっていますので、性能nアドバンテージをフル活用する各チームの興味深いタイヤ戦略が見られるでしょう。伝統的にセーフティカーが導入されることが多いため、あらゆる戦略は、セーフティカー導入に適応できるように柔軟でなければなりません。チャンピオンシップが接戦の様相を呈していますので、エキサイティングで予測不可能なレースが見られると思います」

    ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタンル)
    「私自身、シンガポールでのレース経験はありませんが、ランオフエリアが少なく、単純なミスが決定的なダメージに繋がるという点で、モナコに少し似ているという印象を持っています。また、シンガポールは気温と湿度が高く、加えてナイトレースのためにヨーロッパラウンドと同じ時間帯のレースになりますので、ドライバーにとって、いかに肉体的に厳しいレースであるのかが容易に想像できます。テクニカルな観点で最も重要なことは、ベストなトラクションが引き出せるようにマシンをセットアップすることです。したがって、リタタイヤのケアが重要になります。さもなければ、コーナー出口でのタイムロスが大きくなります(シンガポールでは、ほぼ全てが低速コーナーです)。注意を怠れば、レースを台無しにしてしまう可能性があるでしょう」

  • ピレリ:F1イタリアGP 予選レポート

    ピレリ:F1イタリアGP 予選レポート

    ピレリが、F1イタリアGPの予選を振り返った。

    メルセデスのルイス・ハミルトンが、ミディアムタイヤを使用して1分24秒109を記録し、モンツァでポールポジションを獲得した。今週末用として、ミディアムタイヤとハードタイヤが選択されている。2番グリッドはチームメイトのニコ・ロズベルグが獲得し、今シーズン6回目のメルセデスによるフロントロー独占となった。ハミルトンのポールは今シーズン5回目。

    摩耗とデグラデーションは低く、ミディアムタイヤがハードタイヤよりもラップあたり0.5秒以上速いスピードを示していたため、予選セッションの開始からタイヤ戦略は明確なものとなり、ドライバーたちは、明日の決勝用にできるだけ多くの新品ミディアムタイヤを温存しようとした。

    その結果、上位勢はハードタイヤのみでのQ1突破を試みた。トロ・ロッソ、フォース・インディア、ザウバーは、Q2進出のためにミディアムタイヤを使用したが、他のQ2進出チームは、Q1でハードコンパウンドのみを使用した。

    レギュレーションによって、Q3に進出したドライバーは、Q2で自己ベストタイムを記録したタイヤを決勝スタート時に装着することが規定されているため、Q2以降は、進出した全ドライバーがミディアムタイヤを使用した。したがって、ドライバーたちは、Q3に進出するためのベストタイムに挑む一方、Q2で使用する2セット目のタイヤへの特別なケアを行う必要があった。

    通常通り、Q3に進出したドライバーたちは、最適な路面温度と、より多くのラバーが乗ったトラックのアドバンテージを得るため、できるだけ遅いタイミングでタイム計測を行うことを試みた。ミディアムタイヤのデグラデーションが低かったため、複数回のフライングラップが可能な状況だった。しかし、2012年のイタリアグランプリでポール・トゥー・ウィンを果たしたルイス・ハミルトンは、1回目のランで自己ベストタイムを記録した。

    午前中に行われた最終フリー走行でも、ルイス・ハミルトンがフェラーリのフェルナンド・アロンソを抑えて最速タイムを記録。両ドライバーともにP Zeroホワイト・ミディアムコンパウンドを使用していた。

    ポール・ヘンベリーのコメント (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「明日は、我々のホームグランプリでのエキサイティングなスプリントレースが楽しみです。モンツァが“スピードの殿堂”という名声を博している通り、決勝は、理論的には1時間20分以内に終了します。予選中、350km/hを超えるトップスピードが見られました。したがって、タイヤ構造には最も厳しくなります。路面は全く粗くなく、両コンパウンドの摩耗とデグラデーションは非常に低くなりそうですので、1ストップの決勝になると予測しています。タイヤの観点からは、概ねシンプルなレースになると思います。レース戦略においては、ピットストップのタイミングが重要な要素になります。ドライバーたちは、ミディアムタイヤで可能な限り多くのラップを走行すると見ていますが、スティントの長さは路面温度に反比例して影響を受けます」

    関連:F1イタリアGP 予選:ルイス・ハミルトンがポールポジション

  • ピレリ:F1イタリアGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリ:F1イタリアGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリが、F1イタリアGPの金曜フリー走行を振り返った。

    モンツァの特徴は、シーズン中で最速のトップスピードと最も低いダウンフォースセットアップ。このような厳しい環境においても、ピレリのホームレースとなる日曜日の決勝では、1回のみのピットストップが予想される。

    2回のフリー走行セッションを通じた両コンパウンドの摩耗とデグラデーションのレベルは低く、日が進むにつれて、より多くのラバーがトラック上に乗るため、このレベルはさらに低くなると予測される。FP2での気温は28℃、路面温度は40℃に達し、予想よりも若干高くなった。予選および決勝でも同様のコンディションとなると思われる。

    大半のドライバーの走行データによると、両コンパウンド間の性能差はラップあたり約0.6秒ということで、決勝のみならず予選においても多彩な戦略が展開されるだろう。例えば、予選でハードタイヤを使用し、ミディアムタイヤを決勝に温存する戦略も採り得る。

    イタリアGP用として、ピレリのタイヤレンジ中で最も耐久性の高い2つのコンパウンドであるハードとミディアムが選択されている。タイヤがピーク性能を発揮するラップ数を明確にすることが、フリー走行における各チームの作業のひとつであり、予選にとって重要な情報となる。例を挙げると、ミディアムタイヤは、ピーク性能を2周提供できそう。通常通り、各チームは、決勝における各局面でのタイヤ性能に関するデータを収集するために、多様な燃料搭載量で両コンパウンドを使用したレースシミュレーションを行った。この情報は、ピットストップのタイミングを決定するレース戦略を構築する際に活用される。

    メルセデスが両フリー走行セッションでトップとなった。午前中のFP1ではルイス・ハミルトンがハードタイヤで、午後のFP2ではニコ・ロズベルグがミディアムタイヤで、それぞれ最速タイムを記録した。ロズベルグのFP2でのベンチマークタイムは、1分26秒225だった。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「モンツァでの両コンパウンド間の性能差は現時点で0.6秒ほどですが、明日以降のレース週末も大きな変化は無いと見ています。両コンパウンドともに非常に耐久性があり、デグラデーションも大変低くなっています。したがって、昨年同様、日曜日の決勝では1ストップが主流になると予測しています。ドライバーたちは、ミディアムもしくはハードで予選を戦うことができますが、ミディアムコンパウンドが決勝でのメインタイヤとなるでしょう。例年通り、世界で最も情熱的で熱狂的なサポーターであるイタリアのファンの素晴らしい歓迎を受け、とても嬉しく感じています」

  • ピレリ:F1イタリアGP プレビュー

    ピレリ:F1イタリアGP プレビュー

    ピレリが、2014年 第13戦 F1イタリアGPが開催されるモンツァをタイヤメーカーの観点から解説した。

    ミラノに位置するピレリの本社から車で30分ほどの距離にあるモンツァで開催されるイタリアGPは、ピレリにとってのホームレース。今年のF1タイヤは、この本社で設計されている。

    有名なパラボリカのような高速コーナーによって、非常に大きな横方向の荷重がかかり、長いストレートとそれに続く低速シケインのため、急加速と急減速といった大きな縦方向の荷重も発生する。

    このため、ピレリは、タイヤレンジ中で最も硬い組み合わせであるP Zeroオレンジ・ハードとP Zeroホワイト・ミディアムを選択。タイヤにかかる荷重とともに、モンツァの有名な特徴である高い縁石がタイヤ構造へダメージを与える。ドライバーたちは、最速のレーシングラインを見出すために数多くの縁石を使い、タイヤは、衝撃を吸収する際にサスペンションの一部としての役割を担う。今シーズン、レギュレーションによって空力ダウンフォースが削減されているため、コーナリングスピードは遅くなるものの、マシンは、シーズン中でも屈指の最高速度である約360km/hに達する。

    スパ同様、モンツァでは、タイヤに大きな負荷がかかる。ストレートでのトップスピードは360km/hを超える。短時間で250km/h減速するブレーキングエリアでは、4.5Gの縦方向の荷重が発生する。このようなコンディションが重なることによってコンパウンドの温度が上昇し、トレッド表面は130℃に達する。

    ミディアムタイヤは作動温度領域が低く、広範囲の低い温度条件下でも最適な性能を発揮できるコンパウンド。ハードタイヤは、対照的に作動温度領域が高く、高温のコンディションに適したコンパウンド。通常、モンツァでの気温は温暖だが、昨年の決勝直前の雨を含めて、過去には雨が降ったこともある。

    速いラップタイムの鍵となる高速ストレートでのスピードを最大限にするために、ドライバーは、シーズン中で最も低いダウンフォースセットアップを使用する。このため、コーナー通過時に必要な全てのメカニカルグリップをタイヤが担うことになる。

    昨年の勝利戦略は1ストップだった。レッドブルのセバスチャン・ベッテルが、ミディアムタイヤでスタートし、23周でハードタイヤへ交換した。フェラーリのフェルナンド・アロンソは、ベッテルと同様の戦略を採り、5番グリッドからスタートして2位でフィニッシュした

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ホームでのレースは、いつも我々に大きな喜びと誇りを感じさせてくれます。それは、通常レース開催地へ赴くことのない多くの同僚が、レースで活躍する自分達のタイヤを見ることができる唯一の機会だからです。“スピードの殿堂”として知られるモンツァでのホームレースは、その高速なレイアウトによって、シーズン中で最もタイヤに厳しいレースのひとつとなっています。一般的に、サーキットが高速になればなるほど、負荷に伴う熱の蓄積によってタイヤにはより厳しくなります。モンツァでは、ストレートでのトップスピードを最大限にするために、マシンは非常に低いレベルのダウンフォースセットアップで走行します。この点が、タイヤに新たな影響を及ぼします。それは、ダウンフォースが減少することによって、マシンはスライドしやすくなり、モンツァの鍵的要素であるブレーキングエリアでホイールをロックアップするリスクが高まるためです。ロックアップがフラットスポットを生成する可能性がありますが、今シーズンのタイヤ構造とコンパウンドによって、フラットスポットは以前よりも発生しにくくなっています」

    ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
    「モンツァでのルールはただ一つ、300km/hよりも400km/hに近いトップスピードに対応する最適な方法を見出すことです。長いストレートでスピードを最大限にするために、非常に低いダウンフォースが求められます。したがって、ドライバーの主な課題はリアタイヤのケアになります。そのために、シケイン出口での良好なトラクションを得るセットアップが必要です。さもなければ、リアタイヤの摩耗が大きくなり、ブレーキ制動距離が長くなるため、ラップタイムの悪化につながります。しかし、それだけではありません。モンツァでのトップスピードは、マシンが今にもトラックから浮かび上がりそうな‘リフト’現象を感じさせます。これはモンツァでのみ体験できるもので、時にはストレートでマシンを直線上に維持することが難しく感じることさえあります。私は常にモンツァが大好きで、何度か優勝争いを演じました。グランドスタンド前でファンの歓声を聞くと、信じられないほどの感動を覚えます。私の時代は12気筒エンジンでしたが、今年はより静かな6気筒ターボエンジンですから、ドライバーたちは、ファンの歓声をより大きく感じることができるでしょう…」

  • ピレリ:F1ベルギーGP 予選レポート

    ピレリ:F1ベルギーGP 予選レポート

    ピレリが、F1ベルギーGPの予選を振り返った。

    F1ベルギーGPの予選では、メルセデスのニコ・ロズベルグが、Cinturato グリーン・インターミディエイトタイヤを使用してポールポジションを獲得し、スパにおける過去6年で6人目のポールシッターとなった。メルセデスが他のライバルチームに対して約2秒のペースアドバンテージをキープして、ニコ・ロズベルグがトリッキーなコンディションの中、チームメイトのルイス・ハミルトンを抑えた。

    予選前に激しいレインシャワーがあり、気温10℃、路面温度19℃のフルウェットコンディションでのセッション開始となった。

    Q1開始時は、インタミディエイトタイヤとフルウェットの両方が使用されていたが、セッション終了までに全ドライバーがインターミディエイトに移行した。

    Q2に進出した全チームもインターミディエイトを使用した。セッション終了間際、トラックがわずかに乾いた状態となり、多くのドライバーが自己のタイムを更新した。

    Q3で速いタイムを計測する鍵は、セッションのできるだけ遅い時間帯でフィニッシュラインを越えることだったが、スリックタイヤに移行するほどのドライコンディションには至らなかった。ポールポジションは、セッション終了直前、メルセデスの両ドライバーによる緊迫したバトルでの決着となった。

    本日の雨によって、全チームが降るアロケーションの新品スリックタイヤを明日の決勝用に持っていることになる。メルセデスは予選でtップ2を独占したが、FP3では2台ともトップ2に入ることができなかった。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ウェットコンディションでの予選でしたが、明日の決勝はドライレースが予測されているので、今日得られたデータが明日の決勝への関連性を持たないこともあり、各チームは難しいタスクに直面します。今回の予選での課題は、通常のウェットコンディションへの対処とは異なり、サーキットのある部分が非常にウェットであっても、他の部分がそれよりもドライであるといった副z綱コンディションに対処することでした。このような状況下で良く見られるように、速いラップタイムを計測するタイミングが決定的となるエキサイティングな予選となりました。決勝では2ストップを予測していますが、スピードに自信のあるチームは3ストップに挑んでくるかもしれません。予選でスリックタイヤが全く使われませんでしたので、明日の決勝では、各チームはあらゆる選択肢を可能にする新品スリックタイヤを持っていることになります」

    関連:F1ベルギーGP 予選:ニコ・ロズベルグがポールポジション

  • ピレリ:F1ベルギーGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリ:F1ベルギーGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリが、F1ベルギーGPの金曜フリー走行を振り返った。

    F1シーズンが、冷涼なコンディションのスパで再開した。このコンディションは、アルデンヌ丘陵に位置する伝説的な全長7kmのサーキットの特徴のひとつ。気温18℃前後の中、午後の路面温度は30℃まで上昇した。

    メルセデスが両フリー走行セッションでワンツーとなった。午前中のFP1では、ニコ・ロズベルグがPZeroホワイト・ミディアムで、午後のFP2では、ルイス・ハミルトンがPZeroイエロー・ソフトで、それぞれ最速タイムを記録した。

    今回のタイヤの組み合わせは、全てのマシンに多彩なペースと戦略を提供するために選択されているが、最高速度を得るために両コンパウンドを注意深くマネージする必要がある。特に、今年から採用されたハイブリッド・パワーユニットと空力ダウンフォースの減少を特徴とする最新型マシンにとって、タイヤ戦略を際立たせるために、フリー走行で大量のトラックデータを収集することが重要課題となった。ラップあたり1.8〜2.0秒存在する両コンパウンド間のタイム差が戦略の鍵を握ることになるだろう。

    フリー走行は通常のパターンに沿って行われ、FP1では全てのマシンがミディアムコンパウンドのみを使用した。ドライバーたちはFP2でソフトタイヤの使用を開始し、相対的な性能レベルを評価するために、両コンパウンドを使用して多様な燃料搭載量でのロングランを行っていた。ここで得られた情報を用いて、最適な戦略の計算が可能になる。

    しかし、スパの特徴である変わりやすい天候も考慮しなければならない。明日以降の週末も冷涼な天候が続きそうだが、明日は雨の可能性もある。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「世界最高峰のサーキットのひとつであるスパはいつも楽しみです。今年はダウンフォースが減少しているため、マシンがスライドしやすくなり、オー・ルージュをアクセル全開で駆け上がるドライバーたちには最大限の勇気が求められるので、おそらく、さらに見応えのあるレースとなるでしょう。本日の冷涼なコンディションは、明らかにタイヤ性能に影響を及ぼしました。明日以降も同様のコンディションとなりそうで、土曜日には雨が降る可能性もあります。低い気温にも関わらず、グレイニングの発生はごくわずかで、大きなサプライズはありませんでした。これから、いつものように全てのデータを入念に分析しますが、ここまで見た限りでは、タイヤは我々の期待通りの動作を示しており、決勝では2ストップが主流になると思います」

    関連:
    ・F1ベルギーGP フリー走行2回目:ルイス・ハミルトンがトップタイム
    ・F1ベルギーGP フリー走行1回目:ニコ・ロズベルグがトップタイム

  • ピレリ:F1ベルギーGP プレビュー

    ピレリ:F1ベルギーGP プレビュー

    ピレリが、2014年 第12戦 F1ベルギーPが開催されるスパ・フランコルシャンをタイヤメーカーの観点から解説した。

    F1は、3週間のサマーブレイクを終え、シーズン中で最も熱い期待が寄せられるレースの地であるスパ・フランコルシャンで再開する。

    スパでは、昨年よりも軟らかい組み合わせのP Zero ホワイト・ミディアムタイヤとP Zero イエロー・ソフトタイヤが選択されており、多様な戦略を促す。

    シーズン中で最長のラップである全長7kmを超えるスパは、高速ストレート、アクセル全開のコーナー、粗いアスファルト、急な勾配などが混在し、タイヤに最大限の負荷を課す。

    さらに、時に激しい豪雨を伴う変わりやすい天候もまた、アルデンヌ山脈に位置する美しいこのサーキットの特徴のひとつ。これらの特徴は、すべてセーフティカー導入の可能性を高めるため、効果的な戦略を構築する洞察力や迅速な対応能力が不可欠となる。サーキットの一部で雨が降っている場合でも、完全にドライバな部分が混在することも珍しくないため、マシン、タイヤ、そしてドライバーの汎用性が限界まで試される。

    スパの鍵は、あらゆる方向から科せられるタイヤへの大きな負担をマネージすること。例えば、エンジン全開の300km/hで走行するオー・ルージュでは、縦方向に-1G、横方向に5Gの負荷が課せられる。このため、シーズン中に他では見られない、比類のない負荷がタイヤ構造とタイヤショルダーにかかる。

    ミディアムタイヤは作動温度領域が低く、スパでしばしば見られる広範囲の引く温度条件下でも最適な性能を発揮できるコンパウンド。ソフトタイヤは、対照的に作動温度領域が高く、高温のコンディションに適したコンパウンド。スパでの雨は珍しくないが、先月行われたスパ24時間レースや昨年のベルギーグランプリでは雨は降らなかった。

    スパで使用されるローダウンフォースのセットアップは、ブレーキングに影響を及ぼす。ブレーキング時にマシンを押さえつける力が少ないため、ホイールをロックアップするリスクがあり、フラットスポットによるタイヤへのダメージに繋がる可能性がある。

    昨年の勝利戦略は2ストップだった。2番グリッドからスタートしたレッドブルのセバスチャン・ベッテルが、2スティントをミディアムで、最終スティントをハードタイヤで走行して優勝した。ロータスのロマン・グロージャンは、1回のみのストップで8位に入賞した。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「スパは、シーズン中でも屈指の雄大なサーキットであり、我々にとって、GTレースやスパ24時間レースでの経験からも馴染の深いサーキットです。非常に幅広いレンジのトラックコンディションと、ベルギーにありがちな天候状態の下で均等に機能できる適応力のあるタイヤが鍵となる要素です。スパでは、複数の負荷がタイヤにかかるため、タイヤの摩耗とデグラデーションのレベルは伝統的に高くなりますが、2011年以来初めて、ミディアムタイヤとともにソフトタイヤが予選でのメインタイヤとなりそうです。また、スパでは戦略が大きな要素となります。すなわり、他の多くの開催地よりも、的確なタイヤをタイミングよく使用することが勝敗を左右します。通常の状況下、最下位からトップへ立つことが可能となるようなレースであることが、常にベルギーグランプリを非常にエキサイティグなものにしています」

    ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
    「スパは、ドライビングの楽しさに関してはベストと言えますが、ウェットおよびドライコンディションの両方で非常に難しいサーキットです。タイヤからの観点では、まさに厳しいサーキットです。アスファルトは非常に粗いため、タイヤの摩耗レベルは常に高くなります。私のデビュー当時は予選タイヤが存在しました。予選タイヤを使用すると、1周のフライングラップ中にもブリスターが発生したものです。ピット直前のバスストップシケインに到達する前にタイヤは大きく摩耗していまっした。現在のタイヤは、当時と異なり耐久性が増してます。スパでは、非常に低いダウンフォースが求められます。さもなければ、タイムを稼ぐポイントであるストレートでのスピードが得られません。サーキット路面の粗さは、頻繁に遭遇するウェット時でのアドバンテージとなります。雨が降っている時でさえ、路面にはグリップが残っています」

  • ピレリ:F1ハンガリーGP 決勝レースレポート

    ピレリ:F1ハンガリーGP 決勝レースレポート

    ピレリが、F1ハンガリーGPの決勝レースを振り返った。

    F1ハンガリーGPでは、レッドブルのダニエル・リカルドが、ピレリがタイトルスポンサーを務めたハンガリーグランプリでキャリア通算2勝目を挙げ、ドライバーズ選手権3位の座を維持した。

    ダニエル・リカルドは3ストップ戦略を採り、Cinturatoグリーン・インターミディエイトタイヤでスタート後、続く3スティントを全てP Zeroイエロー・ソフトタイヤで走行した。

    フェラーリのフェルナンド・アロンソは、ピットレーンからスタートして3位でフィニッシュしたメルセデスのルイス・ハミルトンの猛追をかわして2位の座を死守。両者ともにインターミディエイトでスタート後、2ストップ戦略を採った。

    ルイス・ハミルトンは、第2スティントをソフトで、最終スティントをミディアムタイヤで走行。アロンソは、最終2スティントでソフトタイヤのみを使用し、38周目に最終ピットストップを行った。したがって、アロンソはソフトタイヤで32周を走行したことになる。

    各マシンがスターティンググリッドに着く直前、レースにとって重要な意味を持つことになるにわか雨が降り、各チームは、スタート時に装着するタイヤとして、Cinturatoブルー・フルウェットかCinturatoグリーン・インターミディエイトの選択を迫られることになった。グリッドに並ぶ前、フルウェットかインターミディエイトかを注意深く判断するレコノサンスラップ走行後、全ドライバーがインターミディエイトタイヤでスタートすることを選択した。

    セーフティーカー導入周回中の8周目および9周目、事前に計画していた各チームの戦略は一変し、15周目までステイアウトしたマクラーレンのケビン・マグヌッセンとインターミディエイトへ交換したジェンソン・バトンを除く全ドライバーがP Zeroイエロー・ソフトタイヤへ交換し、急速に乾いていくトラック上を走行した。バトンの戦略は機能せず、わずかの間首位を走行したが、最終的には10位でフィニッシュした。

    レース中に雨天用タイヤが使用されたため、2種類のドライコンパウンドの使用義務は無くなった。このため、上位勢から下位勢まで順位が絶えず入れ替わる非常にエキサイティングなレースが展開され、多様な戦略が見られた。レース中のある時点では、ミディアムとソフトが均等に使用されていた。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ハンガロリンクでの今日のレースは、タイヤ戦略がいかにレースに役立つのかを示しました。我々がFormula Oneに復帰した2011年に主催者や各チームから受けた指示通り、今日のレースもまた、タイヤと戦略が非常にエキサイティングなレースの演出に貢献しうることを見せてくれました。レース直前に降った雨も、各チームが雨天用タイヤのどちらを装着してスタートするのかを判断する材料となりました。ゴール直前まで大接戦が見られ、正しい戦略の選択や変化する状況への対応力の重要性を強調していました。これでFormula Oneはサマーブレイクに入ります。Formula Oneが新しい世代に突入した中で18インチタイヤのイメージを確認することもできた前半戦は素晴らしいの一言に尽きると思います。ベルギーグランプリから始まる見応えのある後半戦が楽しみです」

  • ピレリ:F1ハンガリーGP 予選レポート

    ピレリ:F1ハンガリーGP 予選レポート

    ピレリが、F1ハンガリーGPの予選を振り返った。

    F1ハンガリーGの予選ではメルセデスのニコ・ロズベルグが、3戦連続で今シーズン6度目のポールポジションを獲得。ハンガロリンクでは、過去28戦中13戦がポールポジションからの優勝であるため、ロズベルグはポール獲得によって、ハンガリーグランプリ決勝で優位な位置に立った。また、現ワールドチャンピオンのセバスチャン・ベッテルがフロントローに並んだ。

    昨日のフリー走行時と同様のコンディションとなった今日の予選での、決勝を睨んだ戦略の中心は、約1.6秒というP Zeroホワイト・ミディアムとP Zeroイエロー・ソフト間のラップあたりの性能差だった。Q1では、約半数のドライバーがQ2進出を確実にするためにソフトタイヤを使用したため、ミディアムタイヤを使用し続けることにQ1脱落のリスクが伴うことになった。

    Q2では進出したドライバー全員がソフトタイヤを使用した。一方、Q3では、にわか雨の中でのセッション開始直後の事故による赤旗中断があり、その時点では誰もタイムを計測できていなかった。セッション再開後、路面温度39℃のトラックは急速にドライ状態となり、トップ10ドライバーは再度ソフトタイヤを装着してコースへ復帰した。

    Q3に進出したドライバーに軟らかい方のコンパウンドが1セット追加供給される今シーズンの新しいレギュレーションの利点を活かし、大半のドライバーがタイム計測を3回行った。Q3に進出できなかったドライバーへの対応措置として、彼らには決勝で使用可能なコンパウンドが1セット追加供給される。

    午前中に行われたFP3では、メルセデスのルイス・ハミルトンがソフトタイヤで最速タイムを記録し、ハンガリーグランプリの全フリー走行セッションでトップに立った。ハミルトンは、マシンからの出火によってグリッド後方からのスタートとなってしまったが、スタート時に装着するタイヤが自由に選択できることから、オーバーテイクが非常に困難と言われるトラック上で活路を見出すタイヤ戦略を採ることが可能になる。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「Q3のにわか雨は、ほんのわずかの雨でさえ状況を一変させる可能性があることを示しました。明日の天候にも不安定要素がありますので、決勝でも同様の影響を及ぼすことがあるかもしれません。路面が次第に乾いてラップタイムが速くなったために、予選ラップ計測のタイミングが極めて重要になりました。特に、セッション終盤には再度雨雲が見られ始めましたのでなおさらでした。決勝の戦略は、トラフィックに依存するものの3ストップが理論的に最速ですが、2ストップが主流になると予測しています。両コンパウンド間の性能差のため、デグラデーションレベルの低いソフトタイヤがメインのレースタイヤになると思います。したがって、ソフトコンパウンドの性能をいかに最大限に活用するかが戦略の中心になるでしょう」

  • ピレリ:F1ハンガリーGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリ:F1ハンガリーGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリが、F1ハンガリーGPの金曜フリー走行を振り返った。

    ハンガロリンクでの2回のフリー走行セッションは、暑くドライなコンディションで行わた。午後のセッション時の気温は、午前よりも12℃も上昇。メルセデスのルイス・ハミルトンが、午前中のFP1ではP Zeroホワイト・ミディアムタイヤで、午後のFP2ではP Zeroイエロー・ソフトタイヤを使用して、それぞれセッション最速タイムを記録した。

    ハンガロリンクには、マシンがメカニカルグリップに依存する14の厳しい低中速コーナーが存在する。タイヤへの厳しさや、マシンをスライドさせタイヤへの負荷を増大させる“ダーティー”な路面にも関わらず、デグラデーションは両セッションを通じて低いレベルだった。

    両コンパウンド間にはラップあたり約1.6秒の性能差が見られたため、FP2では、早めにソフトコンパウンドへ移行したレッドブルの両ドライバーがハミルトンの牙城を崩すことに成功し、わずかの間ながらタイムシートのトップに位置した。

    決勝では2ストップが予測されるが、両コンパウンド間のタイム差が大きいため、ピットストップのタイミングが非常に重要になる。ピレリと各チームは、決勝で使用する戦略について、より正確な読みが可能となるように、多様な燃料搭載量での走行によって収集した本日のデータを分析する。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ミディアムとソフトの両タイヤが、ハンガリーで期待通りに機能していることに満足しています。ハンガロリンクは低速であるにも関わらず、特に適切なセットアップを行っていないと、タイヤが非常に酷使されるサーキットです。現時点での両コンパウンド間の性能差は、ラップあたり約1.6秒となっていますが、特にソフトタイヤに低いレベルの熱によるデグラデーションが発生していますので、このタイム差はこの後もさほど変わらないと思います。決勝では2ストップを予測していますが、理論的に最速な戦略についてのより具体的なアイデアを得るために、全てのデータを入念に分析する必要があります」