カテゴリー: ピレリ

  • ピレリ:F1ロシアGP プレビュー (ソチ・オートドローム)

    ピレリ:F1ロシアGP プレビュー (ソチ・オートドローム)

    ピレリが、2014年 第16戦 F1ロシアGPが開催されるソチ・オートドロームをタイヤメーカーの観点から解説した。

    F1は、ロシアの黒海近郊に位置する新設のソチ・サーキットでの初開催のグランプリに臨む。ソチは、2014年冬季オリンピックの開催地。新設のサーキットでの開催は、2012年のオースティン以来初となる。

    完成して間もないトラックのため、トラック上の実データは豊富に存在しないが、ピレリは、各チームの協力のもと、先進的なコンピュター・シミュレーションを備え、想定戦略を予測した。

    その結果、ロシアGP用として選択されたタイヤは、P Zero ホワイト・ミディアムとP Zero イエロー・ソフトだった。この組み合わせは、スパで行われたベルギーGP以来の登場となる。

    ソチは、多様なコーナーが存在する中速サーキット。中には、3つのエイペックスを持つイスタンブールパークのターン8を思い起こさせる、右フロントタイヤが酷使される左回りコーナーもある。合計12の右回りコーナー、6つの左回りコーナーが存在し、ターン1と2の間の650mのストレートでは、マシンのトップスピードは約320km/hに達する。平均ラップスピードが約215km/hのトラックレイアウトは、サーキットの建設で有名な建設家ヘルマン・ティルケの設計によるもの。直近のティルケの設計によるF1サーキットは、テキサスのオースティンだ。

    ソチは、現存するいずれのF1サーキットとも類似していないが、2012年までに使用されていたバレンシア市街地サーキットと共通する特性をいくつか持っている。モントリオールやメルボルン同様、ソチは半常設のサーキットで、モントリオールと同じく、オリンピックが開催された場所でもある。

    新しいアスファルトが滑りやすい理由のひとつは、ビチューメン中のオイルが表面に滲み出て、トラック上に見えない膜を形成すること。時間の経過とともに、オイルは一掃され、路面は次第に粗くなっていく。もしこの時期には決して珍しくない雨が降れば、特に油断はできない。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「ロシアは、世界中の主な自動車メーカー同様、ピレリにとって鍵となる地域ですので、F1にとっても重要なマイルストーンとなる初開催のロシアGPでソチを訪れることをとても楽しみにしています。タイヤ性能のあらゆる側面が試される多彩なコーナーにより、タイヤの観点からすると興味深いチャレンジとなりそうです。今シーズンの他のグランプリ同様、決勝で2〜3回のピットストップを狙ったタイヤ選択をしています。全体的なタイヤの負荷に関しては、ロシアは中程度の部類に入ると思います。また、アスファルトはそれほど粗くありません。現時点の予報によると、温暖なコンディションになりそうです。新しいサーキットを訪れることは常にエキサイティングであり、実際に走ってみるまで完璧なイベージは掴めませんから、フリー走行での作業は、全チームにとって特に重要になるでしょう」

    ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
    「シミュレーション技術が進歩した今日では、ドライバー、チーム、タイヤサプライヤーが初開催のグランプリに臨むことは、私の時代よりも楽になっていると思います。しかし、シミュレーションが全てを再現できるわけではなく、バーチャンルと現実との間には大きな違いが存在します。したがって、ドライバーやエンジニアにとって入念にチェックすることは重要です。路面の特性を把握するために、路面に触れて、路面を感じておく必要があります。特にレース週末の初日はトラックが非常にダーティーでドライブが難しいため、セットアップやタイヤ特性に関する適正なアイデアが得られにくいでしょう。過去の情報がないことから生まれる誤った認識や誤った方向hのセットアップなども珍しくない、初開催ならではの難しさがあります」

  • ピレリ:F1日本GP 決勝レースレポート

    ピレリ:F1日本GP 決勝レースレポート

    ピレリが、F1日本GPの決勝レースを振り返った。

    ルイス・ハミルトンが、Cinturatoブルー・フルウェットとCinturatoグリーン・インターミディエイトを使用して、赤旗による途中終了となった日本GPを制し、ドライバーズチャンピオンシップのリードを広げた。

    台風18号(ファンフォン)の影響で雨天コンディションとなったため、今週末用に選択されたハードとミディアムの登場機会はなかった。決勝は、マルシャのジュール・ビアンキの事故による赤旗中断のまま46周で終了した。

    決勝は、ピレリがF1に復帰した2011年カナダGP以来初のセーフティーカー先導によるスタートとなった。セーフティーカー先導中の3周目に赤旗中断となり、20分後にセーフティーカー先導のもとでレースは再開された。そのため、セーフティーカースタートの場合の義務として、ドライバーはフルウェットタイヤを装着する必要があった。

    セーフティーカーがコースから離れた10周目以降もトラックにはダンプが残った状態が続き、インターミディエイトタイヤが決勝でのメインタイヤとなった。レース終盤、雨脚が強くなった際、セーフティーカー導入周回中にCinturatoブルー・フルウェットタイヤに交換するドライバーも見られた。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「日本グランプリは、非常にトリッキーなコンディションの下で行われました。全てのパドック関係者と同じく、我々は、レース中断の原因となった事故に関わったジュール・ビアンキとマルシャを案じています」

  • ピレリ:F1日本GP 予選レポート

    ピレリ:F1日本GP 予選レポート

    ピレリが、F1日本GPの予選を振り返った。

    F1日本GPの予選結果は、メルセデスのニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンによる、今シーズン8回目のフロントロー独占となった。この両ドライバーのみがQ2でミディアムタイヤによる1回のランでQ3進出に成功した。

    今週末用として選択されているのは、ミディアムタイヤとハードタイヤ。ロズベルグとハミルトンのみが、トップ10ドライバー中で決勝用に新品のミディアムタイヤを1セット持っていることになる。

    昨日からの温暖なコンディションは今日も続き、予選開始時の気温は27℃、路面温度は38℃だった。メルセデス、ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルの両ドライバーとフェラーリのフェルナンド・アロンソは、ハードタイヤのみでQ1を通過した。

    Q2以降、全ドライバーがミディアムタイヤのみを使用した。路面の改善によって両コンパウンド間の性能差は縮小し、現時点では、ミディアムがハードよりもラップあたり0.5秒速くなっている。

    決勝でのメインタイヤとなることが予測されているミディアムタイヤは、熱によるデグラデーションが大きいため、ドライバーたちは、可能な限り多くの新品タイヤを温存しようとした。Q2では、メルセデスの両ドライバーのみが1回のランでQ3へ進出し、1セットの新品ミディアムタイヤを温存することに成功した。Q3では、他チームのドライバー同様にメルセデスの両ドライバーも2回のランを行った。ロズベルグは、2回目のランでポールタイムを記録。路面の改善はその後も進んだが、ロズベルグのタイムを破るドライバーは現れなかった。

    3番グリッドを獲得したウィリアムズのバルテリ・ボッタスは、ハミルトンを除きポールタイムから1秒以内のタイムを記録した唯一人のドライバーとなった。午前中の最終フリー走行においても、ロズベルグがミディアムタイヤで最速タイムを記録していた。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「昨日にひきつづき今日も大きな驚きはありませんでした。予想通り、両コンパウンド間の性能差はわずかに縮小していますが、やはりミディアムタイヤが決勝でのメインタイヤとなるでしょう。もちろん、これは雨が降らなかった場合のことです。台風が接近し、雨が降る可能性が非常に高くなっていますので、明日は全く異なった展開となるかもしれません。どのようなレースになるのか興味深いところです」

  • ピレリ:F1日本GP 金曜フリー走行レポート

    ピレリ:F1日本GP 金曜フリー走行レポート

    ピレリが、F1日本GPの金曜フリー走行を振り返った。

    フリー走行は、気温は29℃、路面温度は41℃に達するヨーロッパの夏のような暑さだったが、明日以降は台風の接近による大雨の可能性があり、既にFP2の終了時には、路面上には雨による水滴がみられた。今週末の鈴鹿の天候は、対照的な様相を呈する機会が多くなる可能性がある。

    このような天候状態では、フリー走行で得られたデータが必ずしも予選や決勝で活かされないため、タイヤ戦略が大きく影響を受けることになる。日本GP用として選択されているタイヤは、P Zeroオレンジ・ハードとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤ。FP1では、通常通り、全ドライバーが硬い方のコンパウンドのみを使用した。午後のFP2では、予選と決勝のシミュレーションのために、両コンパウンドを使用した多様な燃料搭載量によるロングランが見られた。これにより、各チームは、予想されるタイヤの摩耗とデグラデーションを計算することが可能になる。

    本日の最速タイムは、現在ドライバーズ選手権トップに立つメルセデスのルイス・ハミルトンがFP2で記録した1分35秒078。ハミルトンは、新品のミディアムタイヤによる2回目のフライングラップで、このタイムを記録した。現時点で、両コンパウンド間の性能差は、ラップあたり0.8〜1.0秒となっているが、明日以降、トラックへのラバーインとともに、この差は縮小する可能性がある。

    今日はF1とピレリに新たな歴史が刻まれた。オランダ人ドライバー、マックス・フェルスタッペンがP Zeroタイヤを使用したグランプリ週末最年少デビュー(17才3日)を果たした。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「初日の走行を終え、我々にとって大きな驚きはありませんでしたが、気がかりなのは天候です。タイヤの使用方法が天候状態に大きく左右されることは明らかです。鈴鹿は、コーナリング、加速、減速が絶え間なく連続し、ラップ中でひと息つける場所が存在しない、シーズン中でタイヤに最も厳しいサーキットのひとつです。この厳しさの中にあっても、摩耗とデグラデーションは我々の想定に沿ったものであり、通常のコンディション下の決勝では2〜3回のピットストップが主流になると予測しています。グレイニングも無視できるほど抑制されていました。ひとつ確かなことは、今週末が盛りだくさんになりそうだということです」

  • ピレリ:F1日本GPプレビュー (鈴鹿サーキット)

    ピレリ:F1日本GPプレビュー (鈴鹿サーキット)

    ピレリが、2014年 第15戦 F1日本GPが開催される鈴鹿サーキットをタイヤメーカーの観点から解説した。

    F1の長いシーズンも終盤戦に突入し、各チームは雄大な日本の鈴鹿サーキットへと向かう。鈴鹿用として、モンツァと同じく、タイヤレンジ中で最も硬い組み合わせのP Zeroオレンジ・ハードとP Zeroホワイト・ミディアムが選択されている。

    モンツァと鈴鹿の特性は大きく異なり、鈴鹿は、よりスパに近い特性を持っている。しかし、鈴鹿用のタイヤ選択は、スパでのミディアムとソフトよりも一段階硬い組み合わせのハードとミディアムとなった。とは言え、鈴鹿のノンストップの厳しさがあるため、タイヤライフがスパよりも楽になるわけではない。また、比較的粗い路面が、タイヤの摩耗とデグラデーションレベルを高める。現時点では、涼しいコンディションになる予報が出ている。過去には、激しい雨の中のレースとなったこともあった。

    鈴鹿は、高い横方向の荷重と、縦方向の厳しさがシーズン中で最も低い部類に入るという特徴的なコース。130Rとして知られるターン15は、300km/hを超えるスピードで通過するアクセル全開のコーナー。ここでは、タイヤに継続的な荷重がかかり、タイヤおよびドライバーに大きなGフォースを課す。鈴鹿では、左フロントタイヤが最も酷使される。

    鈴鹿のアスファルトは非常に粗いが、レース週末には大きな路面の改善が見られる。最適なレーシングラインを維持するためには適正なセットアップが不可欠となる。特にトラックがほぼグリーンな状態のレース週末の序盤には、グレイニングのリスクが存在する。

    昨年の勝利戦略は2ストップで、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがミディアムでスタートし、14周目にハードへ、37周目にハードへ交換してフィニッシュした。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「日本は、我々にとってだけではなく、Formula One全体にとってシーズンのハイライトのひとつです。日本のファンは、比類ないFormula Oneへの情熱と知見を有する素晴らしい人々です。鈴鹿は、真のドライバーズサーキットであるゆえに、シーズン中でも屈指の大きな横方向の荷重を課す、タイヤにとって非常にチャレンジングなサーキットです。したがって、タイヤマネージメントが重要な要素となる2〜3ストップのレースとなると見ていますが、フリー走行後に、より明確なイメージが得られると思います。鈴鹿では、複数の力がタイヤに同時に作用します。また、トルクが増大しダウンフォースが減少した今シーズンのマシンは、メカニカルグリップへの依存度が大きくなっています。鈴鹿で性能を発揮できるタイヤは、世界中のどこでも通用すると思います」

    ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
    「ドライバーの観点から、鈴鹿は素晴らしいの一言に尽きるサーキットです。鈴鹿は、各所がそれぞれ特徴を持つ、非常にテクニカルなサーキットです。130Rはシーズン中で最も厳しいコーナーのひとつであり、安定したマシンと適正なセットアップが求められます。S字も非常に厳しいところで、ここではたった1回でもミスをすると全体が台無しになり、タイムを大きく失ってしまいます。鈴鹿でのウェットレースも数多く経験しました。ウェットコンディションでは、視界が非常に悪くなります。また、鈴鹿では週末を通して大幅な路面の改善が見られます。レース週末の序盤は粗く‘グリーン’なトラックが、週末を通してどのように変化し、どのようにタイヤに影響を及ぼすのか、ドライバーは注意を払う必要があります」

  • ピレリ、ケータハムへの今シーズンのタイヤ供給を確約

    ピレリ、ケータハムへの今シーズンのタイヤ供給を確約

    ケータハムとピレリは、ケータハムがピレリへのタイヤ代金の支払いが滞っていることでF1日本GPでタイヤの供給を受けられないとの報道を揃って否定した。

    De Telegraaf は、ピレリがケータハムに対し、F1日本GPでタイヤ供給を受けたければ、滞っているタイヤ代金を至急支払うよう“非公式”に警告したと報じていた。

    しかし、ケータハムのチーム代表マンフレディ・ラベットは「(報道は)馬鹿げている」と Omnicorse にコメント。

    「鈴鹿では普段通りにタイヤの供給を受ける」

    ピレリのF1広報責任者ロベルト・ボッカフォリも「ケータハムには今シーズンの終わりまでタイヤの供給が続けられるだろう。問題は何もない」と述べた。

  • ケータハム、ピレリへの未払いでF1日本GP出場が危機?

    ケータハム、ピレリへの未払いでF1日本GP出場が危機?

    ケータハムが、F1日本GPを前にタイヤを失うかもしれないと De Telegraaf が報じている。

    同紙によると、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリに親しいという関係者が“非公式”にピレリが来月初旬に鈴鹿で開催されるレースを前にケータハムに至急支払いを済ませるよう警告していると明かしたと報道。支払えなければタイヤが供給されない。

    実は、F1シンガポールGPの週末も、木曜の夜の段階でケータハムにだけピレリのタイヤが供給されていなかった。

    ケータハムは、創設者のトニー・フェルナンデスがスイスと中東の謎の投資家グループに突如チームを売却し、シーズン半ばにして崩壊の危機に直面した。

    新しいマネジメントの一人、マンフレディ・ラベットは、シンガポールで「我々のチームはシルバーストンでレースができる見込みではなかったと思う。それは本当だ」と明かした。

    「新しいオーナーシップとなって以降、我々はシルバーストンでレースを戦っただけでなく、シンガポールにもやってきた。それほど簡単なタスクではなかったと言わざるを得ない」

    「財政的な状況は安易ではない。危機以上の状況を引き継いでいる」

    チーム売却後に、ケータハムのチーム代表に就任したクリスチャン・アルバースが辞任したのは、負債を支払えないと気づいたからだと噂されており、ケータハムの状況はかなり深刻だとされている。

    同紙は、ピレリがケータハムの主要債権者の1社だとし、「パドックではシーズン末のパドックにケータハムがいないのではないかとの噂で持ちきりだ」と報じた。

  • ピレリ:F1シンガポールGP 決勝レースレポート

    ピレリ:F1シンガポールGP 決勝レースレポート

    ピレリが、F1シンガポールGPの決勝レースを振り返った。

    メルセデスのルイス・ハミルトンが、3ストップ戦略を最大限に活用し、シンガポールグランプリを制してドライバーズ選手権の首位に立った。ハミルトンは、スタートからの3スティントをP Zeroレッド・スーパーソフトで走行し、最終スティントをP Zeroイエロー・ソフトで走行してフィニッシュした。レースは、タイムリミットの2時間に達し、予定された61周より短いものとなった。

    ルイス・ハミルトンは、4番グリッドからスタートして2ストップ戦略を採ったレッドブルの現世界王者セバスチャン・ベッテルの猛追を受けた。ベッテルは、スタートからの2スティントをスーパーソフトで走行し、燃料が最も軽くなる最終スティントをソフトで走行してフィニッシュした。チームメイトのダニエル・リカルドも同じ戦略を採り、フェラーリのフェルナンド・アロンソを抑えて3位を獲得した。

    セバスチャン・ベッテルは、2ストップ戦略によって一時はレース終盤にトップを走行し、タイヤ戦略が決定的な違いを生むことを見事に示した。両コンパウンド間にラップあたり約2秒のタイム差が存在したため、全ドライバーが速いスーパーソフトを装着してスタートした。各ドライバーによるその後のタイヤの使用方法は、戦略の鍵となり、その重要性を示した。

    レース中盤に発生した2台のマシンの接触によって、シンガポールのセーフティーカー導入率100%の記録は維持された。アロンソとマクラーレンのジェンソン・バトンは、7周のセーフティーカー導入周回を活用してピットインし、ソフトタイヤへ交換した。レッドブルおよびウィリアムズの両ドライバーは、セーフティーカー導入前にソフトタイヤへ交換するピットストップを行っていたため、レース前半で両コンパウンドの使用義務を消化していたことになる。

    セーフティーカーがコースを離れた後、ハミルトンは、ピットストップ後にトップで戻るために約25秒差までリードを広げる必要があった。しかし、ハミルトンは、52周目の最終ピットストップ後2位でコースへ戻り、ペースアドバンテージを活かしてベッテルからトップの座を奪った。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「今回も、多様な戦略が重要な役割を演じ、緊迫したエキサイティングなレースとなりました。グランプリ終盤、ハミルトンはベッテルよりもフレッシュなタイヤでベッテルを追うことになったため、優勝するためにはオーバーテイクするしかありませんでした。その前の状況においては、セーフティーカー導入周回終了後、ハミルトンはソフトタイヤへ交換してトップでコースへ戻るために、速いスーパーソフトで決定的となる30秒前後の差をベッテルにつける必要がありました。過去にも見られたように、多様な戦略が展開されたにも関わらず非常に接戦となったレースでした」

    関連:F1シンガポールGP 結果:ルイス・ハミルトンが優勝で首位奪還

  • ピレリ:F1シンガポールGP 予選レポート

    ピレリ:F1シンガポールGP 予選レポート

    ピレリが、F1シンガポールGPの予選を振り返った。

    ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのシンガポール予選ワンツーにより、メルセデスは今シーズン7回目のフロントロー独占を達成した。明日の決勝ではタイヤ戦略が極めて重要。P Zeroレッド・スーパーソフトを使用してポールポジションを獲得したハミルトンのタイムは、チームメイトのロズベルグをわずか0.007秒差で抑えるもので、今シーズン最も僅差の予選結果だった。

    気温28℃、路面温度34℃のコンディションの下で開始されたQ1では、大半のドライバーがソフトとスーパーソフトの両タイヤを使用した。通常の予選では、上位勢は硬い方のコンパウンドのみを使用してQ1を通過するが、今回は全ドライバーがスーパーソフトでQ1のタイムを残すという異例の予選となった。

    両コンパウンド間には2秒を超える大きなタイム差があったため、上位勢にとってもQ1からスーパーソフトを使用せざるを得ない状況となり、その後のセッションの戦略にも影響が及んだ。Q3に進出したトップ10ドライバーにとっての理想的な展開は、ポールを狙う2回のランを行うためにQ3で2セットの新品スーパーソフトタイヤを使用することだった。したがって、ハミルトン、リカルド、フェラーリの両ドライバーを含む多くのドライバーが、Q3へのタイヤ温存のために、Q2でのスーパーソフトを使用したランを1回のみとすることを決断した。今シーズンのレギュレーションにより、Q3に進出したトップ10ドライバーには、Q3で使用できる軟らかい方のコンパウンドが1セット追加供給される。Q3では全ドライバーが2回のランを行い、2回目のランで新品スーパーソフトを使用した。

    シンガポールは、合計23のコーナーが存在するシーズン中で最もターンの多いサーキット。シンガポールで典型的な低速コーナー出口からのトラクションがパフォーマンスを大きく左右するため、コーナー数が多いサーキット特性が、今週末用に選択されているピレリのソフトとスーパーソフト間のタイム差を一層拡大させることになった。したがって、オーバーテイクは非常に難しいこともあり、上位グリッドポジションを獲得することが不可欠となる。この両コンパウンド間のタイム差によって、決勝はアクション満載の展開となるだろう。

    主にマシンをレースペースで調整することに費やされた午前中の最終フリー走行では、フェラーリのフェルナンド・アロンソが最速タイムを記録した。わずか3名のシンガポールグランプリ優勝ドライバーの中の一人であるアロンソは、スーパーソフトを使用して1分47秒299を記録した。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「今シーズンで最も接戦の予選でした。その一因は、昨日のフリー走行時よりも若干縮まっているものの両コンパウンド間に存在する2秒のタイム差です。このタイム差により、予選の開始直後から戦略的要素が明確となり、全ドライバーがQ1からスーパーソフトを使用せざるを得なくなりました。多くのドライバーによるポールポジションを争うバトルは非常にエキサイティングで、これがまさにFormula Oneの醍醐味です。3ストップが最速戦略と予測していますが、両コンパウンド間の差が若干縮まってきていますので、適正なペースマネージメントもしくは適正なタイミングでのセーフティーカー導入によって、2ストップも可能になると思います」

    関連:F1シンガポールGP 予選:ルイス・ハミルトンがポールポジション

  • ピレリ:F1シンガポールGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリ:F1シンガポールGP 金曜フリー走行レポート

    ピレリが、F1シンガポールGPの金曜フリー走行を振り返った。

    23のコーナーが存在するシンガポールは、シーズン中で最もツイスティなトラックであり、決勝もこのトラック同様に紆余曲折な展開が予想される。

    夜間に行われるグランプリとはいえ、本日行われたフリー走行セッションでも見られたように、気温や特に湿度は非常に高くなる。ランオフエリアが限定されていることもあり、シンガポールはシーズン中で最も予測不可能なレースのひとつとなっている。

    セーフティーカー導入にも依るが、3ストップが主流となる可能性が高い。今週末用に選択されているP Zeroレッド・スーパーソフトとP Zeroイエロー・ソフト間の性能差は、これまでのところ、ラップあたり約2.5秒。このギャップは、ペースマネージメントと、トラックがラバーインしてクリーンな状態になるにつれて若干縮まるだろう。午前中の走行前に短いレインシャワーがあった今日の路面は、サポートイベントによるデブリが残っている状態だった。

    コンパウンド間のタイム差により、スーパーソフトが予選でのメインタイヤとなることは明らかで、これがレース戦略全体にも影響する。シンガポールGPは平均速度が遅いことや頻繁に中断が入ることから、過去にはレースの制限時間である2時間に達したこともあった。そのようなことから、各チームはピットストップのタイミングで少しでもアドバンテージを得ようとするため戦略が極めて重要になりる。

    本日の最速タイムは、メルセデスのルイス・ハミルトンが、FP2でスーパーソフトを使用して記録した1分47秒490だった。FP1で最速タイムを記録したフェラーリのフェルナンド・アロンソは、FP2でハミルトンにわずか0.1秒程度及ばなかった。

    ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
    「両コンパウンド間の性能差が予測よりも若干大きくなっていますが、シンガポールのトラック特性とコンディションによって、このギャップが明日以降も大きく変化することはないでしょう。セーフティーカー導入率が高いことと、スーパーソフトのスピードのアドバンテージによって、予選開始直後から戦略は重要な要素になります。戦略は柔軟である必要があり、我々は3ストップを予測しています。ソフトとスーパーソフトのデグラデーションレベルに大きな差は無く、ここシンガポールでの最大の課題は、やはり熱によるデグラデーションだと思います。最適なレース戦略を見極めるためには明日のデータも分析しなければなりませんが、タイヤマネージメントが重要な役割を演じることは明らかです」

    関連:
    ・F1シンガポールGP フリー走行2回目:ルイス・ハミルトンがトップタイム
    ・F1シンガポールGP フリー走行1回目:フェルナンド・アロンソがトップタイム