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  • リアム・ローソン レッドブルF1復帰3戦で評価一変「2025年とはまったく違う」

    リアム・ローソン レッドブルF1復帰3戦で評価一変「2025年とはまったく違う」

    2025年にはわずか2戦でレッドブル・レーシングのシートを失ったリアム・ローソンが、約1年半を経てその評価を大きく変えた。負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブルに復帰した直近3戦では、ザントフォールトで7位、2026年F1第14戦スペインGPで6位に入り、ローラン・メキース代表から「非常に力強い」と高い評価を受けている。

    2025年の最初のレッドブル在籍時には予選で18番手、20番手と苦戦し、わずか2戦でレーシングブルズへ戻されたローソン。

    しかし、経験を積んで戻ってきた今回は、グリッド降格の影響を受けなかった2戦でともに予選8番手を獲得するなど、当時とは明らかに異なるパフォーマンスを披露している。メキースも「2025年の最初の2戦とはまったく違う姿」と、その変化を強調した。

    「2025年の最初の2戦とはまったく違う」
    「彼はとてもいい仕事をしたと思う。我々全員が、違うチーム、違うマシンに突然乗ることがどれほど難しいか分かっている。そのなかで、彼は我々が期待できる最大限の仕事をしてくれたと思う」

    メキースはスペインGPでの6位だけでなく、ローソンが代役を務めた3戦すべての内容を評価している。

    「今日は6位で非常に重要なポイントを獲得した。ザントフォールトでも同じようにポイントを獲得したし、モンツァでもニコ(ヒュルケンベルグ)との接触とフロントウイングのダメージがなければ、同じような結果を残していたはずだ」

    「だから、彼は非常にいい仕事をしたと思う。2025年の最初の2戦でチームにいたときとは、まったく違う姿だ。我々としては感謝しているし、とても満足している」

    ローソンは2025年開幕時にレッドブルへ昇格したものの、オーストラリアGPと中国GPのわずか2戦でレーシングブルズへ戻された。当時は予選で18番手と20番手に終わり、中国GPのスプリントでも20番グリッド。2戦ともポイントを獲得できなかった。

    一方、今回のレッドブル復帰では状況が大きく変わっている。グリッド降格の影響を受けなかったザントフォールトとスペインでは、いずれも予選8番手を獲得。決勝ではそれぞれ7位、6位に入り、チームにポイントをもたらした。

    モンツァでは多数のパワーユニットコンポーネント交換によるグリッド降格を受け、さらに決勝でヒュルケンベルグと接触してフロントウイングを損傷したため、本来の結果を残すことができなかった。

    ローラン・メキース(レッドブル・レーシング)

    経験を積み「非常に落ち着いたドライバー」に
    メキースは、2025年のレッドブル在籍時から約1年半を経て、ローソン自身がドライバーとして成長したことも今回のパフォーマンスにつながっていると分析する。

    「彼はドライバーとして成長し続けていると思うし、マシンの中では非常に落ち着いていて、とても集中している」

    「意識的にそうしているのかどうかは分からないけど、チームとのやり取りや、自分自身のパフォーマンス、マシンのパフォーマンスへの向き合い方を非常にシンプルに保つことができている」

    ローソンが特に重視しているのは、細部に踏み込む前に基本的な部分を確実に仕上げることだという。

    「彼は本質的な部分に集中している。まず基本を正しくやろうとしていて、それが彼にとってうまく機能している。当然、マシンに乗る時間が増えれば、さらに細かい部分まで突き詰められるようになるだろう」

    「でも、彼のそのアプローチは非常に、非常に力強いと思う」

    ローソンにとって今回の代役は決して簡単な条件ではなかった。ザントフォールトではスプリントを含む週末に途中加入し、スペインGPではF1初開催となったマドリンクでRB22を走らせなければならなかった。それでも短期間で適応し、マックス・フェルスタッペンとのペース差でも一定の競争力を示した。

    アイザック・ハジャーは夏休み中に負った左手首の負傷から回復を続けており、ローソンが次戦でもレッドブルをドライブするかはまだ決まっていない。ただ、2025年にはわずか2戦で降格を告げられたローソンが、約1年半後の復帰では結果を残してチーム代表から称賛を受けるまでに評価を変えた。今回の3戦は、ローソンにとってレッドブルでの印象を塗り替える機会となった。

  • アストンマーティン・ホンダF1 2027年型は「完全に新しいマシン」全パーツを刷新

    アストンマーティン・ホンダF1 2027年型は「完全に新しいマシン」全パーツを刷新

    アストンマーティンF1は、2027年型マシンの開発を本格化させている。最高技術責任者(CTO)のエンリコ・カルディレは、来季マシンについて「すべてのパーツが新しくなる」と明言し、2026年型AMR26から何かを引き継ぐことを前提としない「完全に新しいマシン」になると説明した。

    ただし、すべてを白紙に戻すわけではない。2026年シーズン途中に大幅な改良を受けたAMR26で見いだした開発の方向性は正しいと判断しており、そのコンセプトを進化させながら、さらに大きなステップを目指す。

    2026年から得られる情報を2027年型へ
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤に苦戦したものの、ハンガリーGPで大規模なアップデートを投入。カルディレによれば、チーム史上最大規模となる改良によってシャシーのパフォーマンスを大きく引き上げた。

    ザントフォールトでは、そのパッケージがハンガロリンクとは異なる特性のコースでも機能することを確認。CFD、風洞、実際のコースという3つの領域で相関関係が取れていることも、今後の開発にとって重要な成果になった。

    そして現在、チームの視線はすでに2027年へ向けられている。

    「今の我々の仕事は、2026年からできる限り多くの情報を引き出すことだ。そのすべてが2027年のプロジェクトを導くことになる」

    「これからはあらゆる領域で毎日がチャレンジになる。より多くのダウンフォースを見つけ、重量を削減し、エンジニアリンググループが風洞を使える時間を増やし、コンセプトを再検討し、コンポーネントを磨き上げていく」

    カルディレは、シーズン終了時には2026年の結果そのものより、そこから何を学び、それが2027年型マシンにどう反映されているかが最大のテーマになっているはずだと語る。

    「年末までには、我々の会話のほとんどが、何を学び、それが2027年型マシンをどのように形作っているのかという話になっていると思う」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「すべてのパーツが新しくなる」
    では、2027年型マシンは現在のAMR26からどの程度変わるのか。

    カルディレの答えは明確だった。

    「すべてのパーツが新しくなる。すべてが改善される」

    一方、基本的な開発思想については、現在のマシンで見いだした方向性を発展させる。

    「ただ、コンセプトとしては今年のマシンで採った方向性を進化させたものになる」

    「我々は今、正しい道を進んでいる。ただし、その道に縛られているわけではない」

    アストンマーティンは2026年型マシンの大規模アップデートによって、単純なダウンフォース量だけでなく、マシンの挙動そのものを改善した。

    カルディレは、アップデート後のAMR26について「生のパフォーマンス」と「ドライバビリティ」の両方で大きな前進を果たしたと評価。セットアップ変更に対してマシンがより一貫して反応するようになり、ドライバーが自分の好みに合わせて調整できるようになったことを重要視している。

    こうした特性が2027年型マシンの出発点になる。

    AMR26からの流用を前提とせず
    ただし、現在の方向性を進化させることと、AMR26の設計をそのまま受け継ぐことは別だ。

    カルディレは、2027年プロジェクトでは既存マシンから何かを流用しなければならないという制約を設けていないと強調した。

    「こう言えばいいだろう。2027年のプロジェクトに取り組むにあたって、以前のマシンから何かを引き継ごうという点で、我々は自分たちに何の制約も設けていない」

    「そういう意味では、完全に新しいマシンになる。それによって、我々が望むものを実現するための自由と考え方を手にすることができる」

    つまり、AMR26で確認した開発方向を土台としながらも、既存部品やレイアウトを残すこと自体を目的にはしない。必要であれば、あらゆる領域を変更できる自由度を確保して2027年型を設計するということだ。

    2026年型AMR26については、予定されていた空力開発がすでに終了し、今後は軽量化プログラムを進めながらシーズンを戦う。一方、ファクトリーでは2027年型マシンの開発が中心になりつつある。

    大幅改良によってAMR26でようやく見つけた「正しい道」を維持しながら、それに縛られることなく全パーツを刷新する。アストンマーティンにとって2026年シーズン後半は、目の前の結果を追うだけでなく、2027年に向けた実戦での検証期間という意味合いを強めていく。

  • ランド・ノリスのF1スポンサー騒動が皮肉な結末「今ごろコカ・コーラは笑っている」

    ランド・ノリスのF1スポンサー騒動が皮肉な結末「今ごろコカ・コーラは笑っている」

    ランド・ノリスが、2026年F1スペインGPの決勝後にコカ・コーラを飲んだことで思わぬ騒動の中心となった。表彰台前のクールダウンルームでF1関係者から注意を受けたノリスは「レースを終えたばかりだから、好きなものを飲む権利がある」と反論した。

    この一件について、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、ノリスの行動を「プロフェッショナルではない」と指摘。

    一方で、F1側がわざわざ注意したことで、結果的にコカ・コーラに大きな宣伝効果を与えてしまったとの見方も示した。

    表彰台前のクールダウンルームで異例のやり取り
    マドリンクで行われたF1スペインGPで、ノリスはポールポジションからスタート。レースではバーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングに恵まれず、キミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペンに続く3位でフィニッシュした。

    レース後、ノリスは優勝したアントネッリ、2位のフェルスタッペンとともに、表彰台へ向かう前のクールダウンルームに入った。

    そこでレース映像を見ながらノリスが手にしていたのが、コカ・コーラの缶だった。

    すると、画面外にいた関係者から、その飲料を飲まないよう求められたとみられる。ノリスはまず、自分が注意されていることを確認するような反応を見せた後、関係者に対して言い返した。

    「僕は今レースを終えたばかりだから、好きなものを飲む権利がある。どうもありがとう」

    このやり取りが注目された背景には、F1とペプシコの商業契約がある。F1は2025年にペプシコとの複数年契約を発表しており、契約は2030年まで。さらに2026年からは、グランプリ会場におけるペプシコの幅広いソフトドリンクおよびスナック製品の供給がF1の商業展開に組み込まれている。

    そのため、F1の公式映像に映るクールダウンルームで競合ブランドであるコカ・コーラの商品が目立つ形で露出したことが、関係者の介入につながったとみられている。

    シュタイナー「プロならやらない」
    この一件について、『The Red Flags Podcast』で見解を求められたシュタイナーは、ノリスの対応に否定的な考えを示した。

    「プロフェッショナルなら、ああいうことはしない。それで終わりだ」

    「何をしてよくて、何をしてはいけないのかは分かっている。彼らはそういうことについて十分に教育されている。彼はやるべきではなかった」

    シュタイナーは、F1ドライバーであればスポンサーや商業契約に関するルールを理解しているはずだと指摘する。

    ただし、ノリスの行動そのものを重大な問題と捉えているわけではない。

    「彼がやったことは悪いことなのか? 誰かが傷つくのか? いや、そんなことはない。ただ、プロとしてはやるべきではない。でも彼はやった。それだけだ」

    「コカ・コーラにとってはいい宣伝になった」
    一方でシュタイナーは、今回の騒動には皮肉な側面があるとも指摘した。

    F1のスポンサー契約では、それぞれの商品カテゴリーごとに権利が設定されており、その対価を支払った企業のブランドが優先的に露出する仕組みになっている。

    「すべてカテゴリーごとに分かれている。彼らはその権利を販売しているわけだから、当然、お金を払っていなければそこには出せない。彼はコーラを持っていた。あれは最も賢いやり方ではなかった」

    しかし、F1関係者がノリスに注意したことで、もともとはほとんど注目されなかった可能性があるコカ・コーラの缶が、一気に話題の中心になった。

    「でも、僕は気にしていない。結果としてコカ・コーラにとってはかなりうまくいったからね。コカ・コーラにとってはいい宣伝になった」

    「もし誰も何も言わなかったら、誰も気づかなかっただろう。でも、あれだけ大きく取り上げられたことで話題になった。今ごろコカ・コーラは笑っているだろうね」

    実際、ノリスと関係者とのやり取りはSNSなどで拡散され、コカ・コーラを飲んでいたという事実以上に、なぜF1側がそれを止めようとしたのかが注目される結果となった。ノリスの反応を支持するファンの声も多く上がった。

    スポンサーの権利を守るための介入が、結果として競合ブランドの露出を拡大させる形となった今回の騒動。シュタイナーはノリスの行動をプロとして適切ではなかったとしながらも、F1側の対応がコカ・コーラに思わぬ宣伝効果をもたらしたという皮肉な結末を指摘した。

  • 山越陽悠 FIA F2デビュー決定 バクーでVARから参戦

    山越陽悠 FIA F2デビュー決定 バクーでVARから参戦

    山越陽悠が、FIA F2のアゼルバイジャン大会でF2デビューを果たすことが決定した。ファン・アメルスフォールト・レーシング(VAR)が発表し、ニコ・バローネに代わってバクーでマシンを走らせる。

    日本人ドライバーの山越陽悠は、2026年にVARからFIA F3に参戦。ルーキーシーズンながら3度の表彰台と1度のポールポジションを獲得し、ドライバーズランキング9位でシーズンを終えた。その走りが評価され、バクー市街地サーキットでF2へのステップアップを果たすことになった。

    F4から歩んできたVARとともにF2デビュー
    山越陽悠にとってVARは長く関係を築いてきたチームだ。F4時代から所属しており、F3を経てF2デビューも同じチームから迎える。

    「VARと一緒にF2デビューを果たす機会をいただけて、とてもうれしいです。F4の頃からこのチームと一緒にやってきたので、一緒にF2へステップアップできることは、とても特別な瞬間です」

    「週末を通してできるだけ多くのことを学び、チームと一緒に取り組み、この経験を最大限に生かしたいと思っています」

    舞台となるバクー市街地サーキットは、高速区間と狭い市街地区間が組み合わされた難易度の高いコースだ。F2マシンで初めてレース週末を迎える山越にとって、大きな挑戦となる。

    VAR「3年間一緒に仕事をして能力を理解している」
    VARのチーム代表ブラッド・ジョイスは、山越陽悠にF2デビューの機会を与えられることを喜んだ。

    「バクーで陽悠にF2デビューの機会を与えられることをうれしく思う。彼は今季、大きな進歩を遂げ、ルーキーとしてF3でいくつもの好結果を残して、その速さを示した」

    「我々は陽悠と3年間仕事をしてきたので、彼がどのように取り組み、どれだけ学ぶ能力があるかを理解している。彼にとって新たな挑戦になるが、週末を通して一緒に仕事をすることを楽しみにしている」

    一方、VARは山越と交代するニコ・バローネに対しても、今季の貢献に感謝を示した。

    「同時に、今季チームのために仕事をしてくれたニコにも感謝したい。彼は我々のF2ラインナップにおいて大切なメンバーであり、チームの一員として迎えられたことを本当にうれしく思っている」

    「スポーツカーレースからF2への転向は大きな変化だったが、ニコはシングルシーターの要求に非常によく適応した。彼はその挑戦を受け入れ、非常に短期間でF2に適応できることを示した。今後のキャリアでの成功を願っている」

    山越陽悠は、F3でランキング9位に入ったルーキーシーズンを経て、バクーで新たなカテゴリーに挑む。F4時代からともに歩んできたVARと迎えるF2デビューで、どのような走りを見せるか注目される。

    山越陽悠 FIA フォーミュラ2選手権

  • フェラーリとレーシングブルズ 2027年F1タイヤ開発テストでイモラ走行

    フェラーリとレーシングブルズ 2027年F1タイヤ開発テストでイモラ走行

    ピレリはイモラ・サーキットで2027年F1シーズンに向けたタイヤ開発テストを2日間にわたって実施し、フェラーリとレーシングブルズが走行を担当した。

    初日はルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレール、2日目はアントニオ・ジョビナッツィ、リアム・ローソン、アービッド・リンドブラッドが参加。2日間で合計400周、1963kmに及ぶデータが収集された。

    ハミルトンとルクレールが初日を担当
    初日はフェラーリが2027年用プロトタイプタイヤのテストを担当。午前はルイス・ハミルトン、午後はシャルル・ルクレールがステアリングを握った。

    テストされたコンパウンドは、レンジの中で最もソフトな3種類となるC3、C4、C5。両ドライバーは各コンパウンドについて複数の仕様を試しながら5周のパフォーマンスランを行い、その後、より適切な仕様を絞り込むためにロングランを実施した。

    ハミルトンは64周、314kmを走行し、ベストタイムは1分19秒485。ルクレールは63周、309kmを走り、1分18秒832を記録した。

    初日のコンディションは厳しい暑さとなり、路面温度は最高50度、気温は32度まで上昇した。

    タイヤ F1 ピレリ

    2日目はローソンとリンドブラッドがレーシングブルズを担当
    2日目はレーシングブルズが加わり、リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドがマシンをシェア。フェラーリからはアントニオ・ジョビナッツィが参加した。

    直近3戦でレッドブル・レーシングからF1に出場しているローソンは、午前中にC3とC4で複数のパフォーマンスランを実施。その後はC4を使用したロングランに重点を移した。

    リンドブラッドも基本的に同様のプログラムをこなし、午後にはC3とC5をテストした。

    一方、ジョビナッツィはC3だけを使用し、予選シミュレーションとロングランの両方を担当した。

    ローソンは65周、319kmを走行して1分18秒471を記録。リンドブラッドは73周、358kmを走り、今回の2日間で最速となる1分18秒454をマークした。

    ジョビナッツィは3人の中で最も多い135周を走行。走行距離は663kmに達し、ベストタイムは1分19秒894だった。2日目も路面温度は最高49度、気温は31度まで上昇した。

    アントニオ・ジョビナッツィ

    イモラで2日間合計1963kmを走破
    今回のイモラテストでは、2日間を通じて5人のドライバーが合計400周、1963kmを走行した。

    各ドライバーの走行結果は以下の通り。

    ルイス・ハミルトン:64周/314km/1分19秒485
    シャルル・ルクレール:63周/309km/1分18秒832
    リアム・ローソン:65周/319km/1分18秒471
    アービッド・リンドブラッド:73周/358km/1分18秒454
    アントニオ・ジョビナッツィ:135周/663km/1分19秒894

    なお、タイムはそれぞれ異なるタイヤ仕様やテストプログラムで記録されたものであり、ドライバーやマシンの純粋なパフォーマンス比較を目的としたものではない。

    ピレリの次回のタイヤ開発テストは10月中旬、フランスのマニクール・サーキットで予定されている。同地ではコースに備えられた人工散水システムを使用し、ウェットコンディション向けの新たなタイヤソリューションが評価される。

    イモラでの2日間は、2027年F1タイヤの候補を絞り込むための重要な走行となり、フェラーリとレーシングブルズの協力によって幅広いコンパウンドと走行条件のデータが蓄積された。

  • フェラーリF1 楽天とグローバルパートナー契約 2027年からロゴ掲出

    フェラーリF1 楽天とグローバルパートナー契約 2027年からロゴ掲出

    楽天グループは9月17日、F1チームのスクーデリア・フェラーリHPと複数年にわたるグローバルパートナーシップを締結したことを発表した。契約は2027年1月1日からスタートする。

    楽天は国内企業として初めて、通信およびEコマース領域におけるスクーデリア・フェラーリHPの「チームパートナー」となる。2027年からフェラーリのF1マシンをはじめ、ドライバーのウェアやチームの活動拠点などに楽天のブランドロゴが掲出される予定だ。

    楽天とフェラーリが2027年から提携
    今回のパートナーシップは、イノベーション、テクノロジー、卓越性の追求という共通の価値観を持つ両ブランドの協力関係を構築するものとなる。

    スクーデリア・フェラーリHPがF1を通じて持つ世界的な影響力と、楽天が展開するグローバルなテクノロジーネットワークおよび「楽天エコシステム(経済圏)」を組み合わせ、新たなビジネス機会の創出を目指す。

    取り組みはF1サーキット内のスポンサー活動だけにとどまらない。Eコマースをはじめ、楽天グループで通信プラットフォーム事業を展開する楽天シンフォニーを含めた楽天エコシステムを活用し、新たな事業機会を模索する。

    また、F1という国際的なプラットフォームを通じて楽天のグローバル展開を拡大するとともに、新たなビジネス関係の構築、技術力の訴求、業界の枠を超えたイノベーションの創出につなげるとしている。

    パートナーシップの開始に伴い、楽天のブランドロゴはスクーデリア・フェラーリHPのF1マシン、ドライバーのウェア、チームの活動拠点など、さまざまな場所に掲出される予定となっている。

    スクーデリア・フェラーリ 楽天

    フェラーリ「サーキットを超えて価値を創造」
    フェラーリS.p.A.のチーフ・レーシング・レベニュー・オフィサーを務めるロレンツォ・ジョルゲッティは、楽天との提携について次のようにコメントした。

    「楽天をスクーデリア・フェラーリHPのパートナーに迎え入れることは、世界中に強力な基盤を持ち、イノベーションの力に対して共通の信念を持つ両ブランドが結び付く絶好の機会だ」

    「楽天はデジタル領域において独自のエコシステムを構築しており、その技術力はサーキットの枠を超えて我々が価値を創造するための新たな道を開いてくれる」

    「2027年より共に取り組み、このパートナーシップが双方の組織、そして我々のグローバル・コミュニティーに創造できる機会を追求していけることを楽しみにしている」

    三木谷浩史「世界中のフェラーリとF1ファンに届ける」
    楽天グループの代表取締役会長兼社長を務める三木谷浩史は、世界最高峰のモータースポーツであるF1を舞台とした今回の提携の意義を強調した。

    「最高峰のモータースポーツは、技術革新における卓越性の飽くなき追求やファンとの特別な絆の構築によって成り立っており、これこそ私たちがスクーデリア・フェラーリHPと共有している決意です」

    「このパートナーシップは、楽天が持つテクノロジーの力、デジタルエコシステム、そして独自の会員体験を世界中の何百万人もの熱狂的なフェラーリおよびF1のファンに直接届けるために、ダイナミックな世界規模の舞台をもたらしてくれるものです」

    楽天はこれまでもスポーツ分野でさまざまなパートナーシップを展開してきた。今回のスクーデリア・フェラーリHPとの複数年契約では、単なるF1マシンへのロゴ掲出にとどまらず、通信、Eコマース、テクノロジーなど楽天グループの事業を組み合わせたグローバルな取り組みを展開していくことになる。

  • フランコ・コラピント ガスリーから学びF1スペインGPで躍進「一段階上がれた」

    フランコ・コラピント ガスリーから学びF1スペインGPで躍進「一段階上がれた」

    フランコ・コラピントは、2026年F1第14戦スペインGPで今季最高クラスの週末を過ごした。予選でQ3進出を果たし、決勝では7位に入賞。アルピーヌに貴重な6ポイントをもたらした。

    その躍進の背景には、前戦イタリアGPでチームメイトのピエール・ガスリーから学んだ経験があった。モンツァの予選でガスリーがセッションを追うごとにタイムを伸ばしてポールポジションを獲得する一方、自身との差が徐々に広がったことを受け、コラピントはデータを詳細に分析。

    ドライビングだけでなく、エネルギーマネジメントを含めた予選の組み立て方を学び、マドリンクで実践したという。

    7位入賞「今年最も完成度の高い週末」
    コラピントは新品ミディアムタイヤで9番グリッドからスタート。14周目にVSC(バーチャル・セーフティカー)が導入されるとピットに入り、新品ハードタイヤへ交換した。

    VSCを利用することでピットストップによるタイムロスを抑え、そのハードタイヤで最後まで走り切る長い第2スティントに入った。

    「最終的に7位でフィニッシュして、チームに6ポイントをもたらすことができて、とてもうれしい。特に、このサーキットのレイアウトは僕たちのパッケージの強みにそれほど合っていなかったと思う」

    コラピントは今季何度も見せてきたように好スタートを決め、その後はタイヤを管理しながらポジションを守った。

    「またすごくいいスタートができたし、タイヤもうまく管理して、その後はポジションを維持できた。VSCが出て、周囲の何台かと同じように、時間を稼ぐためにピットストップをした」

    「第2スティントはそこからレース終了までだったので、かなり長かった。その間ずっとかなり守らなければならなかった」

    「ガブリエルに追いついたけど、そこでかなり時間を失った。ただ、それがなかったとしても、おそらくひとつ上の順位でフィニッシュできたわけではなかったと思う」

    コラピントは、直接のライバルを上回ってポイントを獲得できたことにも満足感を示した。

    「ポイントを獲得できてうれしいし、チャンピオンシップで差を縮め続けているなかで、直接のライバルたちより前でフィニッシュできたこともうれしい」

    そして、予選から決勝までを通じた完成度という点で、今季でも特に優れた週末だったと振り返った。

    「レース週末の実行という意味では、おそらく今年のベストだったと思う。予選ではできることをすべて最大限に引き出せたし、決勝でもやるべきことができた」

    「チーム全体で振り返りをして、マシンの開発を続けながら、毎週末できる限りパフォーマンスを最大化していく」

    モンツァでガスリーとの差が拡大
    マドリードでのコラピントの予選パフォーマンスを理解するうえで重要なのが、1週間前のF1イタリアGPだった。

    モンツァではコラピントが予選8番手に入った一方、ガスリーは予想外のポールポジションを獲得した。

    興味深かったのは、予選開始時点では両者の差がほとんどなかったことだ。Q1ではガスリーがトップタイムを記録し、コラピントもわずか0.05秒差の4番手につけていた。

    しかし、セッションが進むにつれて差は拡大。Q2ではガスリーがコラピントに対して約0.3秒の差をつけ、Q3ではさらに約0.4秒差が広がった。

    コラピントは単純にガスリーの方が速かったと片付けるのではなく、なぜセッションを追うごとに差が拡大したのかを分析した。

    フランコ・コラピント(アルピーヌF1チーム)

    ガスリーのデータを分析「かなり学んだ」
    その成果がマドリンクで表れた。コラピントは予選でQ3に進出し、自身でも高い完成度のラップだったと評価している。

    「マドリードでの予選は、僕がこれまでやったなかでもベストのひとつだったと思う。本当に、本当にクリーンなラップをまとめて、マシンをQ3に進めることができた」

    「ここではアウディやレーシングブルズがすごく速かったので、彼らを上回るのは難しいだろうと思っていた」

    「やるべきことをすべてできたし、それにはすごく満足している。モンツァの後、ピエールの予選からかなり多くのことを学んで、一段階上に進もうとした。それができたと思うし、今回も自分にできることを最大限に引き出せた」

    コラピントが注目したのは、単純なコーナリングスピードやブレーキングポイントだけではなかった。

    ガスリーがQ1からQ2、Q3へ進むにつれて、ドライビングとエネルギーマネジメントの両面を改善し、マシンから徐々にパフォーマンスを引き出していく過程そのものだった。

    「ドライビングだけでなくエネルギー管理も学んだ」
    ガスリーから具体的に何を学んだのかと尋ねられたコラピントは、経験豊富なチームメイトが予選セッションのなかでパフォーマンスを高めていく方法だったと説明した。

    「少しずつ、いろいろなことだ。彼の方が経験があるし、アタックを重ねるごとに、ドライビングでもエネルギーマネジメントでも、あらゆる部分を改善していた。Q1からQ2、そしてQ3へ進むにつれて、それがすごく明確だった。そこから学んだ」

    マドリードでは、自身も同じように予選を通じてパフォーマンスを高めることができたとコラピントは感じている。

    「ここでは予選で本当にリズムに乗れていたと思う。すごく難しいサーキットだった」

    「おそらく今年、完璧なラップをまとめるという意味では最も難しいサーキットだし、うまくまとめられたときには最も満足感のあるサーキットでもある。Q2もQ3も素晴らしいラップだった」

    「この部分でもまた一段階上に進めたと思う。それこそ僕が求めていたことなので、うれしい」

    モンツァでは予選序盤にほぼ互角だったガスリーとの差がセッションを追うごとに広がったコラピントだが、その差が生まれた理由をデータから学び、わずか1週間後のマドリードで改善につなげた。Q3進出と決勝7位という結果は、コラピントがチームメイトの強みを吸収し、自身のパフォーマンス向上へ結びつけた週末となった。

  • ホンダF1 FIA会長の特別救済案に冷静「魔法のような解決策はない」

    ホンダF1 FIA会長の特別救済案に冷静「魔法のような解決策はない」

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、FIAのモハメド・ビン・スライエム会長がアストンマーティン・ホンダの競争力向上に向けた追加支援を検討する姿勢を示していることについて、「魔法のような解決策はない」と冷静な見方を示した。

    ビン・スライエム会長はF1スペインGPが行われたマドリンクで、フェルナンド・アロンソのF1残留を望む立場から本人に改善策を直接尋ねたことを明かした。

    一方、ホンダ側は現時点でFIAとの具体的な協議を把握しておらず、あくまで自らの開発計画を進めることに集中している。

    FIA会長がアロンソに直接「何をしてほしいか教えて」
    ビン・スライエム会長はマドリードで、アロンソと直接交わした会話についてメディアに説明した。

    「何を望んでいるのか教えてほしい。君はドライバーなのだから、結果を改善するために我々に何をしてほしいのか、私のところに来て話してほしい」

    ビン・スライエム会長は、競争力不足を理由に2度のF1ワールドチャンピオンであるアロンソがグランプリレースを去ることを望んでおらず、ホンダの開発を後押しするためにFIAがさらに何をできるのかを模索している。

    F1スペインGPの週末には、ホンダの2027年に向けた開発を加速させるため、新たな特別措置が検討される可能性も報じられた。ただし、現段階で具体的な規則変更や支援策が正式に決まっているわけではない。

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフも、競争の公平性を維持する規則の枠内であれば、こうした議論そのものに問題はないとの考えを示している。

    「ルールはスポーツにとって最善となるように存在しているし、ときには調整が必要になる」

    「公平な話し合いだ。彼ら(ホンダ)にはもっと必要だと思う。会長とアロンソの話し合いは公平なものだった」

    「我々はすべてのトップコンストラクターにこのスポーツに関わっていてほしい」

    折原伸太郎「我々は開発計画に集中している」
    しかし、ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、FIAからの追加措置によって一気に状況を変えられるとの見方には慎重だ。

    ビン・スライエム会長が検討している具体策について問われた折原伸太郎は「分かりません。ただ、彼はいろいろと考えていると思います」としたうえで、ホンダの基本姿勢を説明した。

    「彼が我々に魔法のような解決策を与えてくれるとは思っていません」

    「我々は単純に自分たちの開発計画に集中し、製品を改善するために懸命に取り組んでいます。それが現時点での我々の計画です」

    また、ホンダがビン・スライエム会長やFIAと追加支援について具体的な話し合いを行ったのかと問われると、折原伸太郎は「分かりません」と答えている。

    ホンダはすでに2026年F1パワーユニット規則に設けられたADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)の対象となっている。この仕組みは競争力で後れを取ったメーカーに追加の開発機会を認めるものであり、ホンダには開発を進めるための機会が与えられている。

    ただし、ADUOはパフォーマンスを直接与える仕組みではない。追加の開発機会やリソースを活用し、最終的にはメーカー自身が性能を引き出さなければならない。

    ホンダはオランダGPでスペック2のパワーユニットを投入。その後の3戦ではドライバビリティの改善を進めており、折原伸太郎はF1スペインGP後、「今後はパフォーマンス向上により注力できる」と説明している。

    ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソ「この結果でスペインのファンに別れを告げたくない」
    今回の議論の背景には、アロンソがF1での将来をまだ決めていないことがある。アロンソは引退の可能性を示唆する一方、続けるのであれば1年だけではなく、さらに長期間になる可能性にも言及している。

    「あと1年、2年、3年、あるいは何年になるか分からないけど、もし続けるなら、それは彼らのためでもある」

    アロンソは母国スペインのファンについてそう語った。

    「なぜなら、人生をずっとステアリングの後ろで過ごしてきて、今年のような結果でスペインのファンに別れを告げるのは、チームの誰も望んでいないと思うし、特にファンはそんな形を受け入れるべきではないと思う」

    アストンマーティンは「プランA=アロンソ続投」
    アストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、アロンソが離脱した場合に備えた代替案が存在することを認めながらも、現在の最優先事項はアロンソの残留だと説明した。

    「当然、プランBはある。どのチームにも常に必要なものだからね」

    「ただ、今はプランAに取り組んでいる。それはフェルナンドに続けてもらうことだ。決断を迫るようなプレッシャーはかけたくない。必要なだけ時間を与えている」

    ビン・スライエム会長がアロンソのF1残留を念頭にホンダへの追加支援を模索し、ヴォルフも公平な規則の範囲内での調整を支持する一方、ホンダ自身は特別な救済措置を前提としていない。折原伸太郎は「魔法のような解決策」に期待するのではなく、自らの開発計画を着実に進めることが競争力向上への道だという姿勢を明確にしている。

  • セバスチャン・ベッテル F1のV8回帰論に警鐘「持続可能燃料も万能薬ではない」

    セバスチャン・ベッテル F1のV8回帰論に警鐘「持続可能燃料も万能薬ではない」

    セバスチャン・ベッテルは、F1が将来的にV8エンジンと持続可能燃料を組み合わせる方向へ進む可能性について、ひとつの技術だけですべての問題を解決できる「万能薬」は存在しないとの考えを示した。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、遅くとも2031年までに、電動出力を最小限に抑え、持続可能燃料を使用するV8エンジンへF1を移行させる構想を明らかにしている。

    ベッテルは持続可能燃料の可能性を高く評価する一方、それだけを解決策として捉えるべきではないと強調した。

    現代のF1マシンも「F1が体現すべきもの」
    ベッテルは最近、モンツァでミハエル・シューマッハがタイトルを獲得したフェラーリF2002をドライブし、F1マシンのコックピットに復帰した。その経験も踏まえ、現在のF1について自身の考えを語った。

    「僕はエキサイティングだと思う。レースもエキサイティングだ。質問の意図は分かっているし、だからこそ今のF1はすごく面白いんだと思う。F1を見ていると、分析できることが本当にたくさんあるからね」

    「もちろん、ドライバーの立場なら最高のマシンを運転して、レースに勝ちたい。でも、じゃあ最高のマシンとは何なのか。2002年のマシンは当時の最先端であり、パイオニアだった。そして、F1というものを非常によく体現していた」

    「今のマシンも同じことをしていると思う。F1はパフォーマンス、精密さ、規律、ハードワークを追求するものだけど、同時に責任を持って前進させていくことでもある。つまり未来についても考えるということで、今のマシンはそれを実現しようとしている」

    一方でベッテルは、現在の技術規則のすべてに賛同しているわけではないと認める。

    「ドライビングという観点では、今のレギュレーションのすべてに賛成しているわけではない。でも未来を考えれば、そこには人々を一緒に連れていく大きなチャンスがあると思う」

    「そして、このスポーツがかつて何だったのか、今何なのか、これから何であるべきなのか、何になれるのかを改めて思い出してもらえるかもしれない。それを責任ある形でやることが大切だ。一方を選んだからといって、もう一方を排除する必要はない。僕たちが好きなものを組み合わせられる方法を見つけなければならないと思う」

    V8と持続可能燃料だけでは問題は解決しない
    ビン・スライエムは、F1が将来的にV8エンジンへ回帰し、持続可能燃料と最低限の電動化を組み合わせる方針を示している。

    しかしベッテルは、持続可能燃料を導入すればF1が抱える課題が一気に解決するという考えには慎重だ。

    「何かひとつを導入すれば、すべての問題が解決するというものではない。僕が知っているパドックの多くの人たち、そして僕自身もそのひとりだったけど、誰もが万能薬のようなものを探している。何かひとつで一気に前進して、アドバンテージを得られるものをね。でも、ひとつだけではないんだ」

    「常にたくさんのものの組み合わせだ。F1やモーターレーシングを考えれば、持続可能燃料は進むべき方向だと思う。そこにはF1だけでなく、ほかのレースカテゴリーにも影響を与えられる非常に大きな可能性がある」

    ベッテルは、次世代F1マシンの設計についても、技術的な先進性だけではなく、その技術が社会にどのようにつながるのかを考える必要があると指摘する。

    「次世代のマシンを形作っていくなら、責任ある方法でそれを実現できる大きな可能性があると思う。技術的には素晴らしいものでも、公道車には応用できないものもあるかもしれない。その部分について考えることも、F1の責任だと思う」

    「もしそうした可能性がなくなったのなら、もっとシンプルにすることを受け入れる段階に来るのかもしれない。責任を果たし、模範を示す方法はいろいろある。それはレーストラックの上だけではなく、サーキットのすぐ外側でもできることだ」

    「僕はこれからの未来と、そこで何が待っているのかを楽しみにしている。F1には、僕の人生を形作り、刺激を与えてくれた素晴らしい価値がたくさんある。このスポーツは世界中の多くの人々に届いているし、その力を、本当に意味があって影響を与えられるさまざまなことにも使えると思う」

    V型8気筒エンジンについて語ったセバスチャン・ベッテル

    アントネッリの最年少王者更新も歓迎
    ベッテルは、自身が保持するF1史上最年少ワールドチャンピオン記録が更新される可能性についても語った。

    ベッテルは2010年に23歳で初のF1ワールドチャンピオンに輝いた。一方、2026年にタイトル争いをリードするキミ・アントネッリは20歳であり、今季タイトルを獲得すればベッテルの記録を大幅に更新することになる。

    「彼が達成したら、僕はすごくうれしいよ。彼は素晴らしい一年を送っている。昔から『記録は破られるためにある』と言うからね。彼にはこれから、それを実現するための時間がたくさんある。僕はこのスポーツが好きだから、ひとりの観客として見てもすごくエキサイティングだ」

    「ほかのドライバーたちにも巻き返して、もっと争いに加わってほしいとは思っている。僕は今では独立した立場だし、彼が成功するなら素直にうれしい。そこまで到達するために、どれだけ多くの努力が必要なのかを知っているからね。そして最終的に誰が勝ったとしても、それだけのものに値するはずだ」

    V8エンジンへの回帰や持続可能燃料は、将来のF1をめぐる議論の重要な要素となっている。しかしベッテルは、過去の魅力を取り戻すことと未来への責任は相反するものではなく、単一の技術に答えを求めるのではなく、複数の要素を組み合わせながらF1の価値を維持していくことが重要だと訴えている。

  • ハースF1 小松礼雄がBWTとのスポンサー契約を否定「ピンクのマシンにはならない」

    ハースF1 小松礼雄がBWTとのスポンサー契約を否定「ピンクのマシンにはならない」

    ハースF1のチーム代表を務める小松礼雄は、2027年にBWTが新たなスポンサーとして加入するとの噂を否定した。「ピンクのマシンにはならない」と明言する一方、チームが複数の企業とスポンサー契約に向けた交渉を進めていることを明かした。

    トヨタから支援を受けるハースF1だが、小松礼雄はこれまで、チームの支出がF1のコストキャップに届いていないことを説明してきた。2027年には予算上限まで使える体制を目指しており、そのための商業パートナー拡大を重要課題としている。

    小松礼雄「ピンクのマシンにはならない」
    F1スペインGPが開催されたマドリードで、小松礼雄は2027年に向けたスポンサー獲得活動について、複数の候補企業との話し合いが進んでいると説明した。

    「多くの候補と話をしていますし、前進しています。来年の予算については非常に前向きに考えています」

    「本当に大きな助けになります。ただ、少しずつではありますが、我々のストーリーを知ってもらい、素晴らしい人たちと出会うことができています。ですから、ここまでは順調です」

    そのなかで浮上したのがBWTだった。

    BWTは長年F1でピンクを象徴的なカラーとして使用してきた企業で、2027年にはアルピーヌとの関係を終了し、同チームではグッチがその後を引き継ぐことになっている。また、BWTは過去にハースとの提携を模索した経緯もあり、2027年からアメリカのチームに加わるのではないかとの噂が広がった。

    しかし、BWTとの契約について直接質問された小松礼雄は、その可能性を否定した。

    「皆さんが言っているような、ピンクのマシンにはなりませんよ!」

    したがって、現時点で2027年型マシン「VF-27」がBWTを象徴するピンクのカラーリングを採用する計画はない。

    2027年はコストキャップ到達を目指す
    一方、BWTではない別の企業との交渉は進行している。

    小松礼雄がスポンサー獲得を重視する背景には、ハースが現在、F1のコストキャップを最大限まで使える財政規模に達していないという事情がある。2027年の予算上限は2億1500万ドルとされており、チームはそこに近づくための収益基盤強化を進めている。

    その一環として、ハースは商業開発を専門とするBrandandとの提携も発表した。

    英国オックスフォードシャー州バンベリーに拠点を置くBrandandは、ハースの英国拠点にも近く、新たな商業パートナーの開拓やライセンス事業の拡大を担当する。

    既存の商品ポートフォリオを活用しながら、ライフスタイル、テクノロジー、ホーム関連など幅広い分野で新たなライセンス商品を開拓。パートナー候補の発掘と交渉から、商品のデザイン、開発、生産までを手掛ける。

    従来のチームウェアやサーキットで販売されるグッズだけでなく、世界中のF1ファンに向けて商品展開そのものを広げていく狙いがある。

    ハースのマーケティング&コマーシャルディレクターを務めるマーク・モレルは次のように説明した。

    「ハースF1が野心的な成長期に入るなか、革新的なライセンスを通じて世界的な商業プレゼンスを拡大することは、我々にとって重要な優先事項です」

    小松礼雄(ハースF1チーム)

    ドライバー選考では資金より速さを優先
    スポンサー獲得を進める一方、ハースは2027年のドライバーラインナップについても検討を続けている。

    エステバン・オコンのシートを巡っては、平川亮、レオナルド・フォルナローリ、ラファエル・カマラ、ジャック・ドゥーハンらが候補として評価されている。

    ドライバーが持ち込む資金が選考に影響する可能性について、小松礼雄は、候補者の実力が極めて接近している場合に限って考慮する可能性があると説明した。

    「例えば1周で0.1秒差というように、本当に、本当に僅差なら、もちろん支援も判断材料にはなります。でも、そうなるとは思っていません。パフォーマンスで選べると思っていますし、まだプログラム全体も終わっていません」

    「我々は本当に速いドライバーを2人そろえたいと思っています。それが、このチームを成長させる一番いい方法だからです」

    所属する育成プログラムについても重要ではないと強調した。

    「フェラーリのドライバーが2人でも、トヨタのドライバーが2人でも、マクラーレンのドライバーが2人でも関係ありません。フォルナローリはマクラーレンのドライバーですが、正直なところ、それは重要ではありません。一番速いドライバーを選ぶことがチームにとってベストです」

    「ここで働く400人全員にとっても、我々が可能な限り最高のドライバーを選んだと分かることが必要です。その2人にマシンの最大限を引き出してもらわなければなりません」

    「例えば0.5秒遅いドライバーを、お金があるという理由で選んだと想像してください。それではあまりモチベーションにはなりませんよね」

    「コンストラクターズ選手権の1ポジションも大きなお金になります。以前から一貫して言っていますが、我々はパフォーマンスでドライバーを選びます。それが我々のやっていることです」

    BWT加入説については明確に否定した小松礼雄だが、ハースF1が2027年に向けて商業規模の拡大を急いでいることは認めている。新スポンサーを獲得してコストキャップまで予算を引き上げながら、ドライバーについては資金力ではなく純粋なパフォーマンスを優先するというのが、小松礼雄が描くチーム強化の方針だ。