カテゴリー: オスカー・ピアストリ

  • ラッセルとピアストリが2026年F1マシンで苦戦 ドライビングスタイルに異変

    ラッセルとピアストリが2026年F1マシンで苦戦 ドライビングスタイルに異変

    2026年F1では、ジョージ・ラッセルやオスカー・ピアストリ、シャルル・ルクレールといったドライバーがチームメイトとの比較で苦戦する一方、キミ・アントネッリ、ルイス・ハミルトン、ランド・ノリスが高いパフォーマンスを発揮している。

    ラッセルは、その背景に2026年型マシンとタイヤが要求する特性と、自身の自然なドライビングスタイルとのミスマッチがあると考えている。

    しかし、それだけですべてを説明できるわけではない。各ドライバーの走らせ方を詳しく見ていくと、2026年F1で重要になっているのは特定のスタイルそのものよりも、新世代マシンへの適応力であることが見えてくる。

    マドリンクで浮き彫りになったラッセルの弱点
    F1スペインGPのマドリンクで行われた予選Q3最後のアタック。最初の2セクターを終えた時点で、ラッセルはメルセデスのチームメイトであるアントネッリから0.1秒以内につけていた。

    しかし、ラップを終えるまでにさらに0.2秒を失った。最初の2セクターでは平均して各セクター0.05秒程度の遅れだったものが、最終セクターだけでその約4倍を失ったことになる。

    原因はリアタイヤだった。ラッセルはそれまでの区間でリアタイヤを使いすぎ、連続する90度コーナーが特徴のセクター3に入った時点で温度が上がりすぎていた。

    それは週末全体を象徴するような出来事だった。決勝でラッセルは5位に終わり、異なる戦略だったとはいえ、優勝したアントネッリから約30秒遅れてフィニッシュした。

    タイトルを争えるだけのマシンを手にしたタイミングで、ラッセルにとって2026年はF1参戦8年目で最も苦しいシーズンのひとつとなっている。

    ラッセル自身は、その原因を自分本来のドライビングスタイルと2026年世代のマシン、そしてタイヤが要求するものとのミスマッチにあると考えている。

    「昨年のオスカー(ピアストリ)とランド(ノリス)の競争力、シャルル(ルクレール)とルイス(ハミルトン)の比較、さらには以前の時代にマックス(フェルスタッペン)がすべてのチームメイトを圧倒していたことを考えると、奇妙なシーズンになっている」

    「今年は僕自身、シャルル、オスカーがチームメイトと比較してかなり苦戦している。一方でマックスのチームメイトは、過去6年間の誰よりも大幅に彼との差を縮めている。そして、僕たちはかなり似たドライビングスタイルを持っていると思う」

    「今年とても好調なキミ、ルイス、ランドもかなり似たドライビングスタイルを持っている。だから僕にとっては、このマシン、このタイヤでは傾向がかなり明確だと思う」

    ラッセルとピアストリに共通する走らせ方
    少なくともラッセルとピアストリの苦戦については、2026年型マシンとタイヤとの間に因果関係がある可能性は高い。

    2人はともに、いわば幾何学的な理想ラインを追求する傾向がある。ターンインを遅らせ、ステアリングを最初に比較的大きく切り込み、荷重移動よりもステアリング操作によってマシンを旋回させる。

    また、ブレーキングとコーナリングを重ねる領域も非常に少ない。

    この方法は、グリップの高いサーキットで、大きなダウンフォースを持つマシンなら極めて効果的だ。しかし、グリップが低下すると同じようには機能しない。

    2026年型F1マシンではダウンフォースとタイヤグリップが低下したことで、このテクニックが問題になり始めるサーキットグリップの境界が以前より高くなった。

    つまり、これまでなら問題なく使えたサーキットでも、2026年型ではこの走らせ方が適さないケースが増えている。

    さらに、その不利を拡大しているのがエネルギーマネジメントだ。

    コーナー進入時に維持できる勢いが少なくなればなるほど、バッテリーによるパワー補完が増える。その結果、ストレートで電力を使える時間が短くなる。ラッセルとピアストリは、ともにこの問題に苦しむ場面があった。

    フェルスタッペンはラッセルとは異なる
    ただし、ラッセルが示した比較は、マックス・フェルスタッペンとルクレールにまで広げると成立しなくなる。

    2人はそれぞれ独自のドライビングスタイルを持っており、互いにも、ラッセルやピアストリとも異なっている。

    フェルスタッペンは、おそらく現在のF1グリッドで最も幅広いスキルを持つドライバーだ。ただし、彼が好むのは非常に強力なフロントエンドを持つマシンである。

    それによって、ステアリングを大きく切らなくてもマシンを旋回させることができる。

    フェルスタッペンはマシンの回転やヨーに対する非常に優れた感覚を持っており、ステアリング、ブレーキ、スロットルを調整することで、通常ならフロントの鋭いマシンに伴うコーナー出口でのオーバーステアを抑え込むことができる。

    現在のレッドブルRB22のように、低速および中速コーナーの進入でアンダーステアを示すマシンでは、その能力によって他のドライバーとの差を生み出せる余地が小さくなる。

    他チームのマシンを見る限り、2026年レギュレーション下でも鋭いフロントエンドを持つマシンを作ることは可能だ。単純にレッドブルがそれを実現できていないということだ。

    ルクレールの武器も2026年では効果が薄れる
    ルクレールは伝統的に、ブレーキ、スロットル、ステアリングを積極的に組み合わせることでマシンを旋回させてきた。

    それぞれの操作を重ねる領域が大きく、マシンのバランスを積極的に変化させながら向きを変えていく。

    このスタイルは短いコーナーでは絶大な威力を発揮する。素早くマシンを旋回させるメリットが、コーナー後半で発生するデメリットを上回るからだ。

    モナコ、バクー、レッドブル・リンクでは、ルクレールはF1でも屈指の速さを持つ。

    一方で、上海やハンガロリンクのように長いコーナーが多いサーキットでは難しさが出ることがある。コーナー進入時に本来以上にマシンを旋回させた代償を、コーナー後半で支払うことになるためだ。

    さらに2026年レギュレーションではエネルギーマネジメントが重要になったことで、これまでルクレールが使ってきた一部のテクニックは、以前ほど効果的ではなくなっている。

    それでも、ルクレールが非常に速いドライバーであることに変わりはない。

    ハミルトンが2026年型F1に適応
    アントネッリ、ノリス、ハミルトンも、それぞれ明確に異なるスタイルを持っている。そして3人に共通しているのが高い適応力だ。

    特に、グラウンドエフェクト時代に苦戦したハミルトンが、2026年世代のF1マシンが要求する走らせ方に適応したことは、今季のドライバー面における大きなトピックのひとつとなっている。

    一般化すれば、ハミルトンはコーナー進入時にルクレールよりもマシンをフラットで安定した状態に保つ。

    そのため、コーナーの種類によって両者の優劣が変わる。

    ハミルトンは必要であれば依然として非常に遅いブレーキングを行える一方、それをフロントタイヤに過度な負担をかけない滑らかな操作と組み合わせている。

    そしてフェラーリのダウンフォースバランスが、そのスタイルを非常にうまく機能させている。

    アントネッリはエネルギー回生まで走り方に組み込む
    アントネッリとノリスは、2026年型マシン特有の性質を理解するため、エンジニアリングチームと非常に多くの作業を行ってきたことがうかがえる。

    2人はエネルギーマネジメントに特化した要素をドライビングに取り入れている。

    例えば、アントネッリのスロットル操作は非常に特徴的だ。中途半端なスロットル開度でエネルギーを無駄にするのではなく、ブレーキング時のエネルギー回生を最大化することを意識した操作になっているように見える。

    操作そのものも非常に滑らかだ。

    コーナー進入時のグリップを高い精度と自信を持って判断しているため、コーナリング中に修正操作を行う必要がほとんどない。

    ここがラッセルとの最も分かりやすい違いのひとつだ。

    アントネッリはフロントタイヤのグリップをより正確に感じ取れているように見える。ただし、グリップが高ければ、ラッセルのような遅いターンインと大きなステアリング操作を使うことにも抵抗はない。

    単純に、それが最適ではない状況をより正確に把握できているようだ。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ノリスが強調するのは「スタイル」ではなく適応力
    ノリスは以前から、徐々にフロントタイヤへ荷重をかけていく非常に滑らかな走らせ方を特徴としてきた。

    利用できるグリップ量に応じて、必要なラインを選ぶこともできる。

    フェルスタッペンと同様、このスタイルもマシンが強いアンダーステアを持つ場合には機能しにくくなる。

    しかし、ノリスは徐々にフロントへ荷重をかけることで、場合によっては通常より早い位置から浅い角度でターンインすることができる。

    ハンガロリンクのFP1でグリップが非常に低かった際、最終コーナーで見せた走りがその好例だった。

    この方法なら、フロントタイヤが最終的にグリップした瞬間にもステアリング舵角がそれほど大きくないため、コーナー出口で突然マシンがスナップするリスクも小さくなる。

    ただし、ノリス自身は自分の特定のドライビングスタイルが2026年型マシンに適しているとは考えていない。

    「僕のドライビングスタイルがこのマシンに合っているとは、あまり言わないかな」

    「僕のドライビングがうまくいっているのは、よりうまく適応できているからだと思う。ひとつのスタイルだけが機能しているとは思わないし、僕はキミと同じ走り方をしているわけでもない」

    「僕が持っているマシンを走らせることができているのは、適応力があるからだ。異なるドライビングスタイルに適応できることが僕の強みだと思う」

    「昨年の序盤は、マシンがオスカーに少し合っていた。僕の強みは、そこからよりうまく適応して、最終的にどう走らせればいいのか理解できたことだった。だからシーズン後半は僕の方が良くなった」

    「今年について? このマシンは昨年とはまったく違う走らせ方をする。1%すら同じところがないと感じるくらいだ。だから重要なのは適応することだ」

    2026年F1で問われるドライバーの適応力
    2026年F1で起きているドライバー間の勢力変化を、単純にひとつのドライビングスタイルだけで説明することはできない。

    ラッセルとピアストリについては、これまで得意としてきた遅いターンインと明確なステアリング入力が、ダウンフォースとタイヤグリップが低下し、さらにエネルギーマネジメントの重要性が増した2026年型マシンでは不利に働く場面が増えている。

    一方で、フェルスタッペンやルクレールの状況には、それぞれ異なる技術的背景がある。そしてアントネッリ、ハミルトン、ノリスの好調も、3人が同じスタイルだからというより、新しいマシンが要求する走らせ方を理解し、それに合わせて自身のテクニックを変化させていることが大きい。

    ノリスの言葉を借りれば、2026年に重要なのは特定のスタイルではなく「適応」である。そしてラッセルとピアストリにとっても、マシン側が自分たちの得意な方向へ近づいてくるのを待つのではなく、自ら走らせ方を変えることが求められている。

  • マクラーレンF1 ピアストリをノリス支援に回すべきとロズベルグ「契約が許すなら」

    マクラーレンF1 ピアストリをノリス支援に回すべきとロズベルグ「契約が許すなら」

    マクラーレンF1はシーズン終盤、オスカー・ピアストリをランド・ノリスの支援役に回す可能性を検討すべきだと、2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグが語った。

    ただし、ピアストリの契約にはチーム内で平等に扱われることを保証する条項が含まれている可能性があり、簡単に実行できるものではないとも指摘している。

    それでもロズベルグは、マクラーレンが現F1ワールドチャンピオンであるノリスのタイトル防衛を本気で後押しするのであれば、いずれチームオーダーを含めた対応が必要になるとの考えを示した。

    マクラーレンのアップデートでノリスが追い上げ
    夏休み前後に投入されたアップデートパッケージ以降、マクラーレンは非常に高い競争力を発揮している。

    ノリスはその間に2勝を挙げ、F1スペインGPでも不運なVSC(バーチャル・セーフティカー)がなければ、勝利を狙える可能性があった。

    しかし、ドライバーズ選手権では首位キミ・アントネッリとの差が106ポイントまで広がっており、タイトル獲得の可能性は厳しい状況にある。

    一方、ピアストリは現在、チームメイトのノリスから66ポイント遅れている。この状況から、マクラーレンが残されたタイトルの可能性を最大化するには、2人を完全に自由に戦わせるのではなく、チームとしてノリスを支援する必要が出てくる可能性があるとロズベルグは考えている。

    ピアストリの契約条項が障壁になる可能性
    ただし、ロズベルグはピアストリとの契約そのものが、マクラーレンの選択肢を制限している可能性を指摘した。

    「まず、オスカーの契約には、常にナンバーワンドライバーとして扱われるという条項が入っていることがよくある。だから、それが最初に乗り越えなければならない障害になる。例えば、僕の契約にもそういうものが入っていた」

    ロズベルグ自身もF1ドライバー時代、チーム内での扱いに関する条項を契約に盛り込んでいたという。

    そのため、単純にマクラーレンがピアストリに対してノリスを支援するよう指示できるとは限らない。

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    「マクラーレンはできるだけ早くやるべき」
    一方、契約上の問題がなければ、ロズベルグはマクラーレンがノリスを優先する体制へ移行すべきだと考えている。

    「でも、それ以外の問題がないのであれば、もちろんマクラーレンはできるだけ早くそうするべきだ。ただ、選手権ではまだ少し早い時期でもある」

    「だから、それをいつ始めるべきなのかは分からない。でも、どこかの時点で、そういう方向へ進むことを検討する可能性はあると思う」

    現時点ですぐにピアストリを明確なサポート役とするのは時期尚早としながらも、タイトル争いの状況次第では判断が必要になるという見方だ。

    ロズベルグがノリスを高評価
    ロズベルグがノリスへの支援を提案する背景には、今季のパフォーマンスに対する高い評価もある。

    「それに、ランドは今年、本当に素晴らしい仕事をしている。これまで以上にいいドライビングをしているし、昨日の予選を除けば、マクラーレンでは明らかに一番いい走りをしている」

    「今の彼は完全に上昇傾向にある」

    アントネッリとの106ポイント差を考えれば、ノリスのタイトル防衛は容易な状況ではない。それでもマクラーレンの競争力が高まるなか、ロズベルグは残された可能性を追求するためにも、ピアストリをノリスの支援に回すという選択肢をチームが検討する時期が訪れる可能性があるとみている。

  • ロマン・グロージャン ピアストリ巡るザク・ブラウン批判を謝罪「完全に誤解」

    ロマン・グロージャン ピアストリ巡るザク・ブラウン批判を謝罪「完全に誤解」

    元F1ドライバーのロマン・グロージャンが、F1スペインGPでマクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンの発言を誤って解釈し、オスカー・ピアストリを「チェーンソーで切り刻んだ」と激しく批判したことについて謝罪した。

    フランスのテレビ局Canal+で解説を務めていたグロージャンは、ブラウンがランド・ノリスを称賛したF1TVでのインタビューについて、ピアストリの士気を打ち砕くほど厳しい発言だったと主張していた。

    しかし、その後に発言の真意を確認し、「完全に彼の言葉を誤解していた」と認めた。

    ノリスの圧巻のポールラップを称賛したブラウン
    発端となったのは、F1スペインGP予選後に行われたF1TVのインタビューだった。

    ノリスはマドリンクで行われた予選でポールポジションを獲得。一方、チームメイトのピアストリは約0.4秒差の7番手に終わった。

    ブラウンはノリスのラップについて次のように称賛した。

    「ラップ全体が素晴らしかった。ランドはどんどん良くなっている。ああいうラップを決めるのを見ると、『彼はワールドチャンピオンだ』と思う」

    続いて、ファン・パブロ・モントーヤからピアストリに何が足りなかったのかと質問されたブラウンは、ノリスが極めて高いレベルの走りを見せていたと説明した。

    「まず、ランドがAプラスの状態だったということだ。ラップタイムという意味では、もう何も残っていなかったと思う。それだけのものを引き出した」

    「オスカーも週末を通してずっと彼のすぐそばにいた。ただ、あのラップでは同じような最後のひと押しを引き出せなかった。我々も引き続き分析するし、彼もデータを見るだろう。そして、おそらく我々と同じように『すごいラップだ』と思うはずだ」

    グロージャン「チェーンソーでピアストリを切り刻んだ」
    しかし、Canal+でF1スペインGPを解説していたグロージャンは、この発言をまったく異なる意味に受け取った。

    「ザク・ブラウンがランドのラップについて話したコメントを見たけど、彼はオスカー・ピアストリをチェーンソーで切り刻んでいた」

    「もしオスカーにまだ士気が残っていたとしても、もうなくなっただろう。あの発言の厳しさ、激しさには驚いた」

    グロージャンはさらに、ブラウンの発言を事実上「ノリスの方が優れたドライバーだ」と評したものだと受け止めた。

    「少なくともオスカーが選手権をリードしていたことや、モンツァでランドを前に出すよう彼に求めたことくらいは言えたはずだ。それが正しいことだったかどうかは別としてね」

    「言葉を失ったよ」

    このグロージャンの発言はSNSでも急速に拡散され、ブラウンがピアストリを公然と批判したかのような形で話題となった。

    ロマン・グロージャン

    「完全に誤解していた」とグロージャンが謝罪
    しかし、その日の夜、グロージャンはSNSを更新。ブラウンの発言を自分が誤って解釈していたことを認め、公に謝罪した。

    「今日、Canal+で、昨日F1TVで行われ、僕自身も参加していたインタビューでのオスカー・ピアストリについてのザク・ブラウンのコメントに関して発言した」

    「僕は彼の言葉を完全に誤解していた。そのことについて謝罪したい」

    「ザクとマクラーレンのチーム全体にとって、ドライバーを尊重し、公平かつ平等に扱うことがどれほど重要なのかは分かっている」

    グロージャンはさらに、F1スペインGP決勝でマクラーレンがバーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングによって不利を被ったことにも言及した。

    「マクラーレンは今日最速のマシンを持っていたけど、VSCでは不運だった」

    「ランドとオスカーの2人には、バクーでもう一度優勝を争うチャンスがあると確信している」

    グロージャンはブラウンへの批判を撤回し、自らの誤解だったことを明確にした。ノリスへの最大級の称賛が、ピアストリへの批判として受け取られたことで生じた騒動は、本人の謝罪によってひとまず収束する形となった。

  • オスカー・ピアストリ ノリスとの関係悪化を否定「一緒にパデルもした」

    オスカー・ピアストリ ノリスとの関係悪化を否定「一緒にパデルもした」

    オスカー・ピアストリは、F1イタリアGPで繰り広げたランド・ノリスとの激しいバトルを受け、マクラーレンのチームメイトとの関係が悪化したとの見方を否定した。「僕たちはまったく問題ない」と強調し、レース後には一緒に空港へ向かい、その後パデルも一緒にプレーしたことを明かした。

    モンツァでは両者が何度も接近する場面があり、最終ラップにはノリスがピアストリを抜いて4位を獲得。

    ピアストリにとっては、予選でリアム・ローソンを妨害したとして3グリッド降格を受けたことも含め、フラストレーションの残る週末となった。

    モンツァで接近戦も「僕たちはまったく問題ない」
    ピアストリは予選で3番手タイムを記録したものの、ローソンへのインピーディングにより3グリッド降格。決勝では順位を取り戻しながら上位へ浮上し、終盤にはノリスとの直接対決となった。

    両者のバトルでは、ノリスがタイヤを芝生に落とすほど接近した場面もあり、ノリスは無線で不満を口にした。ただし、レース後にはノリス自身もピアストリに問題があったとは考えていないと認めている。

    今週末のF1スペインGPを前に、ピアストリはモンツァでの出来事によって2人の関係に亀裂が入ったとの見方を一蹴した。

    「うん、僕たちはまったく問題ない。僕の側のオペレーションという意味では、間違いなく一番スムーズな週末ではなかったし、フラストレーションを感じる瞬間もいくつかあった」

    「レースでは何度かかなり接近したのは確かだけど、僕たちは何も問題ない」

    さらにピアストリは、レース後の2人の様子を紹介し、関係悪化とは程遠いことを強調した。

    「ランドと僕は一緒に空港へ行ったし、今週は一緒にパデルもした。それに、同じチームになることを僕たち自身が選んだんだ! だから、僕たちはまったく問題ないよ」

    ピアストリは、マクラーレンの2人が近いパフォーマンスで争っている以上、ときには緊張感のある瞬間が生まれることは避けられないと考えている。

    「お互いが近いところを走っていれば、少しストレスのかかる瞬間は必ずある。たぶんマシンに乗っている僕たちより、ピットウォールの方がストレスを感じていると思う。でも、僕たちは問題ないよ」

    オスカー・ピアストリとランド・ノリス(マクラーレン)

    2026年型マクラーレンへの適応には苦戦
    ノリスとの直接対決では最終的に敗れたものの、ピアストリはモンツァで自身のパフォーマンスについて前向きな材料を得たという。

    ピアストリはここ数戦、マクラーレンの2026年型F1マシンから十分なパフォーマンスを引き出すことに苦戦してきた。本人も、昨年のマシンと比べて今年のパッケージにはうまく適応できていないことを認めている。

    「昨年のマシンほど、今年のマシンにはしっくりきていないのは確かだ」

    「毎年、誰もが多少はドライビングスタイルを変えなければならないと思う。それが僕たちの仕事だし、適応しなければならないからこそ、僕たちはここにいる」

    「今年はいくつかのことを乗り越えようとするなかで、かなり難しい部分があった。いくつか違う方向性も試してきた。正しい方向を見つけるには時間が必要なこともある」

    それでも、モンツァではマシンを必ずしも運転しやすくするわけではないものの、ラップタイムにつながる方向性を見つけられたという。

    「モンツァでは、少なくともいくつかのことを見つけられたと思う。それによって必ずしも物事が簡単になったわけではないけど、僕たちを速くしてくれた」

    「そこが一番大きい。これを今後につなげていければと思っている」

    初開催マドリンクは「実際に走れば違う」
    25歳のピアストリは、ドライバーズランキング7位でF1スペインGPを迎える。首位のメルセデスのキミ・アントネッリとは151ポイント差がついているが、初開催となるマドリンクは、モンツァで見つけた改善をさらに前進させる機会となる。

    他のドライバーと同様、ピアストリが新しい半市街地サーキットを経験したのは、これまでシミュレーター上だけだ。金曜日の走行開始を前に、実際のコースでは印象が変わる可能性があると語った。

    「どんな感じになるのか興味深いね」

    「もちろんシミュレーターでは走っているけど、特にストリートサーキットでは、実際に走るといつも少し違う。特に、本物のウォールには実際にぶつかることになるからね」

    「いいコースになると思うよ」

    モンツァではノリスとの激しいチーム内バトルが注目を集めたピアストリだが、本人は両者の関係に問題があるとの見方を明確に否定した。それ以上に本人が課題として捉えているのは2026年型マシンへの適応であり、モンツァで見つけた改善の方向性を初開催のマドリンクでも結果につなげられるかが焦点となる。

  • オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで“転機” F1TV記者「今季初めて本来の走り」

    オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで“転機” F1TV記者「今季初めて本来の走り」

    オスカー・ピアストリにとって、2026年F1第13戦イタリアGPは今季の転機となるレースだったのかもしれない。F1TVのローレンス・バレットは、モンツァでのピアストリについて、今季初めてマクラーレンのマシンで「自分ができると分かっている走り」ができたように感じたと指摘した。

    2026年の新レギュレーションへの適応に苦しんできたピアストリだが、イタリアGPでは予選でリアム・ローソンを妨害したとして3グリッド降格ペナルティを受けながら、決勝では5位まで挽回。

    終盤にはチームメイトのランド・ノリスと激しい4位争いを繰り広げ、最終的には敗れたものの、レース後には自身のパフォーマンスに前向きな手応えを示していた。

    2026年で初めて見えたピアストリ本来の走り
    ピアストリは今季、マクラーレンMCL40から安定してパフォーマンスを引き出すことに苦戦してきた。特にレースペースは本人も課題として認めており、ブレーキングスタイルがエネルギーマネジメントにも影響を及ぼしているとされている。

    その一方で、ノリスはハンガリーGPとオランダGPで優勝。チームメイトが結果を積み重ねるなか、ピアストリにとってモンツァは重要な週末になっていた。

    F1TVのレポーターとしてシーズンを通してピアストリを取材してきたバレットは、『F1 Nation』で、その表情や言葉にこれまでとは異なるものを感じたと語った。

    「オスカーにとって非常に大きな週末だった。彼自身も本当に必要としていたと思う。ランドはハンガリーとザントフォールトで2勝を挙げていたからね」

    「才能が突然なくなるわけではない。だから、彼にとって重要な週末だったと思う。金曜日から感触が良かった。それが非常に重要だったと思う」

    「予選では徐々に調子を上げて、ポールポジション争いに加われるところまで来ていた」

    ピアストリは予選Q2でローソンを妨害したとして3グリッド降格を科され、決勝ではノリスより後方からスタート。それでも順位を上げ、終盤にはノリスと直接対決するところまで追い上げた。

    2人の争いではノリスが一時コース外の芝生に出る場面もあったが、ピアストリはポジションを守る権利を持ちながらフェアにバトルした。最終ラップにノリスの先行を許し、4位と5位でチェッカーを受けた。

    「今日のレースでの彼の対処の仕方は印象的だった」とバレットは続ける。

    「TVペンで話したとき、コース上ではまたチームメイトに負けたにもかかわらず、自分自身のレースの進め方や、非常にフェアにバトルできたことにかなり満足していた」

    そして、バレットが最も大きな変化として挙げたのが、ピアストリがMCL40を自分の望むようにドライブできているように見えたことだった。

    「彼は今年、自分にはできないのではないかと個人的には心配していたかもしれないような方法で、マシンをドライブすることができた」

    「まだひとつのサーキットにすぎないから、あまり興奮しすぎるつもりはない。ただ、今年ずっと彼と話してきた僕にとっては、オスカーがこのマクラーレンで、自分ができると分かっていることをできたと感じたのは初めてだった」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    ノリスに敗れても得られた手応え
    結果だけを見れば、ピアストリはイタリアGPでもノリスの後塵を拝した。しかし、モンツァで重要だったのは5位という順位以上に、2026年型マシンを自分のスタイルで操れる感覚をつかみ始めたことだった。

    ピアストリは2026年シーズンを通じて新世代F1マシンへの適応という課題と向き合ってきた。モンツァだけで復調を断定することはできないものの、金曜日から競争力を示し、予選ではポール争いが視野に入るペースを発揮。決勝でもノリスと直接争えるところまで持ち込んだ。

    次戦F1スペインGPの舞台となるマドリンクは、全ドライバーにとって未知の新コースとなる。イタリアGPで得た感触を異なる特性のサーキットでも再現できれば、モンツァはピアストリにとって2026年シーズンの転機だったと振り返られる一戦になるかもしれない。

  • マクラーレンF1 ノリスとピアストリの同士討ちを容認「レースをさせる方が重要」

    マクラーレンF1 ノリスとピアストリの同士討ちを容認「レースをさせる方が重要」

    マクラーレンは、2026年F1イタリアGP終盤にランド・ノリスとオスカー・ピアストリが激しく4位を争った場面について、チームオーダーを出さなかった判断を擁護した。アンドレア・ステラ代表は、同じマシン、同じタイヤ条件で走る2人の争いに介入する必要はなかったと説明している。

    一方で、2人を自由に戦わせたことで前を走るマックス・フェルスタッペンを攻略するチャンスを失った可能性については、レース後に検証する方針を示した。

    ノリスが芝生に押し出されたと訴えた際の攻防についても確認したが、ステラは「その瞬間に見えたほど深刻なものではなかった」との見解を示している。

    ノリスとピアストリが終盤に4位を巡って激突
    マクラーレン勢は、予選でピアストリが3番手から6番手に降格し、ノリスが8番手からスタート。決勝ではともに順位を上げ、終盤には3番手を走るフェルスタッペンの直後まで迫った。

    48周目、ノリスがまずピアストリをかわしたものの、ピアストリが反撃。その後も2人の接近戦は続き、51周目には大きな緊張が走った。

    ノリスはクルバ・グランデでピアストリのアウト側から仕掛けたが、ピアストリが左へ寄せてポジションを守ったことで、ノリスは左側のタイヤを芝生に落とした。

    ノリスは無線でピアストリにコース外へ押し出されたと訴え、マクラーレンもピアストリに対してクリーンなバトルを続けるよう伝えた。

    それでもチームは順位を固定することなく、2人に自由に争わせた。最終的にはノリスがファイナルラップで4位を奪い返し、ピアストリが5位でチェッカーを受けた。

    ステラ「介入する必要はないと考えた」
    アンドレア・ステラは、マクラーレンがチームオーダーを出さなかった理由について、ノリスがフェルスタッペンを追うためには、まず自力でピアストリを抜く必要があったと説明した。

    「この状況では、ランドがマックスに挑戦するチャンスを得るためには、まずオスカーを抜けなければならないと考えていた」

    「そして2台は同じタイヤで、タイヤの使用年数も同じ、マシンも同じだった。だから、レースの自然な展開に介入する必要はないと考えた。我々は彼らにレースをさせた」

    「それが正しい判断だったと考えている。全体的に見ればマックスの方が速かったと思う。モンツァではスリップストリームを失うと、後ろの相手からポジションを守るためにエネルギーを使わなければならなくなる。彼はそういう状況に陥っていただけだ」

    結果的にノリスとピアストリは4位と5位に終わり、フェルスタッペンを攻略することはできなかった。

    同士討ちでフェルスタッペン攻略の機会を失った?
    ステラは、2人を争わせたことでタイムを失い、フェルスタッペンに仕掛ける可能性を自ら小さくしたのではないかという点については、検証が必要だと認めた。

    「互いに戦い始めれば、当然ながらタイムを失う可能性がある」

    「では、マクラーレンがフェルスタッペンと戦うために、もっと良い方法があったのか。それについては検証する」

    「ピットウォールから見て、それは明白ではなかった。我々としては、自分たちのレース哲学に従い、彼らにレースをさせることの方が重要だと考えた」

    マクラーレンはドライバー同士を可能な限り自由に競わせる方針を掲げており、今回もその原則を優先した形だ。

    ノリスの芝生走行「見た目より穏やかな出来事」
    ノリスが芝生にタイヤを落とした場面についても、ステラは映像を確認した結果、重大な問題とは捉えていない。

    「ランドが芝生にタイヤを落とした瞬間、彼は無線で『押し出された』というようなコメントをしていた」

    「だが実際に確認してみると、その瞬間の緊張感の中で見えたものより、はるかに穏やかな出来事だったと思う」

    「もちろん、これは検証する。そして、このようなレースをどのように行うべきなのかという文脈の中でも検証する」

    アンドレア・ステラ マクラーレン F1

    ノリス「ピアストリは何も悪くなかったと思う」
    レース直後のノリス自身も、無線で示した不満からトーンを変え、ピアストリに問題があったとは考えていないと語った。

    「映像を見ないといけない。でも、正直なところ、そうではないと思う。マシンに乗っていると、すべてが本当に一瞬で起きるからね」

    「僕が少し左に動いて、彼が右側に戻ってきて、そのあと真っすぐにした。だから、ときには何かされたような感覚になることもある。でも、彼が何か悪いことをしたとは思っていない」

    「いい激しいバトルだった。僕たち2人ともいいレースをしたし、楽しかった。僕にとって4位で終えられたのは、今日はいい結果だった」

    「だから満足している」

    ピアストリもレース後、最終的にポジションを失ったものの、ノリスとの攻防を良いバトルだったと振り返っている。

    予選ではピアストリがリアム・ローソンを妨害したことで3番手から6番手へ降格し、ノリスも8番手にとどまったが、決勝では4位と5位まで挽回した。ステラは予選よりもレースでチームの力を引き出せたと評価する一方、モンツァ特有のストレート性能が要求される状況では、上位を走ったメルセデス勢に挑むだけのペースはなかったと認めている。

    マクラーレンにとって今回の焦点は、ノリスとピアストリの接触寸前の攻防そのものだけではない。ドライバーを自由に競わせるというチームの基本方針を維持しながら、前方のライバルを攻略するためにどこまで戦略的な介入を行うべきなのか。ステラはイタリアGPでの一件を材料に、そのバランスを改めて検証することになる。

  • オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで5位「ノリスとのバトルはいいレースだった」

    オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで5位「ノリスとのバトルはいいレースだった」

    オスカー・ピアストリは、2026年F1第13戦イタリアGP決勝を5位で終えた。終盤にはマックス・フェルスタッペンやチームメイトのランド・ノリスと激しいポジション争いを繰り広げ、マクラーレン勢は4位と5位でフィニッシュした。

    ピアストリは週末を通して最近では最も手応えのあるペースを示し、決勝では表彰台争いにも加わった。最終的にはノリスに先行を許したものの、「チームとして得られる最高の結果だった」とレースを振り返った。

    フェルスタッペンやハミルトンとの攻防で「判断が難しかった」
    ピアストリは序盤から上位争いに加わり、ルイス・ハミルトンやフェルスタッペンとのバトルを展開。特にスリップストリームの影響が大きいモンツァでは、一度前に出ても再び抜き返される「ヨーヨー」のような展開となり、レースタイムを失わずにポジションを守る判断が難しかったという。

    「間違いなく厳しいバトルだった。ルイス、そしてマックスとの間で行ったり来たりするような展開になって、引き離すのが難しかった」

    「簡単にオーバーテイクを許すわけにはいかないけど、同時にレースタイムを失いたくもない。戦っている相手についていきたいわけだから、そのあたりをどう判断するかはかなり難しかった。今回のレースから学んだことはいくつかある」

    一方で、ピアストリは自身のペースについて大きな手応えを感じている。

    「今週末は、ここしばらくの中では間違いなく一番いい感触だったと思う。ペースも最近では一番励みになるものだった」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    最終盤にノリスと激しいチームメイト対決
    レース終盤にはノリスがピアストリとの差を縮め、マクラーレン同士による直接対決に発展した。2台はホイール・トゥ・ホイールで争い、一時はノリスがコース外の芝生にタイヤを落とすほど激しい攻防となった。

    ピアストリは、チームメイトとのバトルについて肯定的に受け止めている。

    「間違いなくタフなバトルだった。特に最後の数周は、僕たち2人のペースはかなり互角だったと思う」

    「だから、いつバッテリーを使うのか、いつ使わないのかを判断するのも難しかった。でも、いいバトルだったと思う。僕の立場からすれば、いいレースだった。間違いなくエキサイティングだったよ」

    最終的にノリスが4位、ピアストリが5位となり、マクラーレンは2台を続けてフィニッシュさせた。

    「最終的には、これがチームとして得られた最高の結果だったと思う。だからかなり満足している」

    「今日は3番目に速いチームだった」
    ピアストリは、優勝したアンドレア・キミ・アントネッリを擁するメルセデスとの差も認めている。

    「結局のところ、今日は僕たちが3番目に速いチームだった。メルセデスは明らかに他のみんなよりかなり速かったし、マックスにも予想していた以上のペースがあった」

    「チームにとってはいい結果だったし、おそらくこれ以上の結果は得られなかったと思う。激しくて暑いレースだったけど、感触はずっと良くなった。このポジティブな流れをこれからも続けていければと思う」

    マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラも、ノリスとピアストリの攻防について、チームとして自由に戦わせる方針だったと説明した。

    「ランドとオスカーはレースを通して同じように高いレベルのパフォーマンスを見せていた。今日見られたのは、ファンにエキサイティングなショーを届ける、いいハードレーシングだった」

    「我々は彼らを戦わせた。ランドが芝生に出た場面はライブ映像ではかなり劇的に見えたが、確認した限りでは問題のないものだった。この方針にはリスクもあるので、常にチームの利益を最優先にしながら慎重に検証していく」

    予選8番手から決勝5位まで順位を上げ、最近では最も強い手応えを得たピアストリ。勝利争いには届かなかったものの、モンツァで見せたレースペースと激しいバトルは、シーズン終盤に向けたポジティブな材料となった。

  • オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで3グリッド降格 ローソン妨害で6番手へ

    オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで3グリッド降格 ローソン妨害で6番手へ

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2026年F1イタリアGPの予選でリアム・ローソン(レッドブル・レーシング)の走行を妨害したとして、3グリッド降格ペナルティを科された。予選3番手を獲得していたピアストリは、決勝を6番グリッドからスタートする。

    問題となったのは、ピアストリがピットアウトした直後のレッティフィーロ・シケイン(ターン1)。スチュワードは、ピアストリにローソンを意図的に妨害する意思はなかったと認める一方、「不必要な妨害」に該当すると判断した。

    ピットアウト直後にフェルスタッペンとローソンが接近
    インシデントは、ピアストリがピットレーンからコースへ復帰するタイミングで発生した。

    その際、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンとリアム・ローソンが後方から接近。フェルスタッペンはピアストリをかわすことができたものの、その直後を走っていたローソンはピアストリの影響を受ける形となった。

    スチュワードの裁定文によれば、ピアストリはピットを離れる際、レースエンジニアから次の情報を伝えられていた。

    「フェルスタッペン、ローソン、サインツがちょうど通過している。サインツはピットに入った。フェルスタッペンとローソンだけだ。合流するときに彼らに注意して」

    しかし、フェルスタッペンとローソンがプッシュラップ中であることまでは明確に伝えられていなかった。

    ピアストリはターン1に近づいた段階でフェルスタッペンがプッシュラップ中だと認識。大きく減速して右側に寄り、フェルスタッペンを先行させた。

    だが、ローソンがそのすぐ後方を走っていたため、ピアストリはローソンへの妨害を避けることができなかった。

    スチュワード「他に選択肢はなかった」も妨害と認定
    スチュワードは、ピアストリが置かれていた状況について一定の理解を示した。

    「スチュワードは、彼が持っていた情報と置かれていた状況を考慮すれば、この段階で81号車のドライバーには他に選択肢がなかったことを認める」

    その一方で、結果としてローソンの走行を妨げた事実については明確に認定した。

    「したがって、81号車は意図せず、かつ不必要に30号車を妨害した」

    意図的な行為ではなく、ピアストリ自身も回避を試みていたものの、予選中のアタックを妨害したという結果を重く見て、3グリッド降格が科された。


    ピアストリ6番手降格 ルクレールが3番グリッドへ
    このペナルティにより、予選3番手だったピアストリは決勝で6番グリッドへ降格する。

    これに伴い、後方のドライバーがそれぞれひとつずつ繰り上がり、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が3番グリッド、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が4番グリッド、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が5番グリッドからスタートすることになる。

    予選でフロント2列目を確保していたピアストリにとっては、決勝を前に大きな痛手となった。一方、フェラーリはホームレースのモンツァでルクレールが3番手、ハミルトンが4番手へと繰り上がり、2列目を独占する形となる。

    日本GPでもヒュルケンベルグ妨害でペナルティ
    ピアストリが走行妨害を理由にペナルティを受けるのは今季初めてではない。

    2026年F1日本GPでは、フリー走行3回目でニコ・ヒュルケンベルグの走行を妨害したとしてペナルティを受けている。

    今回のイタリアGPでは、スチュワード自身が「他に選択肢はなかった」と認める特殊な状況だったものの、最終的にはローソンへの不必要な妨害が成立すると判断された。予選3番手から6番手へ降格するピアストリにとって、決勝ではスタート直後から順位を取り戻すことが求められる。

  • オスカー・ピアストリ F1不振の原因はブレーキング? バッテリー消費でノリスと差

    オスカー・ピアストリ F1不振の原因はブレーキング? バッテリー消費でノリスと差

    オスカー・ピアストリが2026年F1マシンへの適応に苦しんでいる背景には、ランド・ノリスとは異なるブレーキングスタイルがあると報じられている。その違いはコーナリングだけでなく、バッテリーエネルギーの使い方や最高速、さらにはタイヤデグラデーションにも影響を及ぼしているという。

    2025年にはマクラーレンでノリスとタイトルを争ったピアストリだが、2026年はここまで12戦を終えてノリスに55ポイント差をつけられている。

    ノリスが直近のハンガリーGPとオランダGPで連勝した一方、ピアストリは今季、安定してトップ争いに加わることができていない。

    ノリスとのブレーキング操作の違い
    オランダ版Motorsport.comによると、ピアストリが抱える問題のひとつが、2026年型F1マシンに対するブレーキングの方法だという。

    ノリスはコーナー進入時にブレーキを残しながらスロットル操作を重ねる場面があり、これによってフロントを旋回させながらマシン姿勢を整えている。

    一方のピアストリは、基本的にブレーキ操作とアクセル操作をより明確に分けるスタイルを取っているとされる。

    この違いによってピアストリのマシンはコーナー進入からリアが滑りやすくなり、それがラップタイムのロスにつながっているという。特に安定したリアを好むピアストリにとって、2026年型マシンの挙動は扱いにくいものになっているとみられる。

    さらに問題なのは、そのコーナーで失ったタイムをストレートで取り戻そうとすることで、ピアストリがノリスより多くの電気エネルギーを使用している点だ。

    結果としてストレート後半では使用可能なバッテリーエネルギーが減り、ノリスほど高い最高速を維持できないケースが生じているとされる。

    リアのスライドがタイヤにも影響
    リアタイヤのスライドは、エネルギーマネジメントだけでなくタイヤにも悪影響を与えている。

    ピアストリはコーナーでリアを滑らせることでタイムを失うだけでなく、ノリスよりタイヤを消耗させる傾向があるという。

    ノリスはリアが動くマシンに対する適応力が高く、ある程度のスライドを許容しながら走ることができる。一方、ピアストリはマシン後部の安定性をより必要とするため、同じMCL40でもドライビング上の負担が大きくなっている。

    マクラーレンは2026年序盤、短いホイールベースによってフロア面積が制限され、MCL40のダウンフォース不足に苦しんでいた。しかし、その後のアップグレードによってダウンフォースは増加し、マシン自体の競争力は大幅に改善している。

    その成果を最大限に引き出しているのがノリスだ。ハンガリーGPとオランダGPを連勝し、ザントフォールトではピアストリが6位、優勝したノリスから32.332秒遅れでフィニッシュした。

    つまり、現在のピアストリの差は単純にMCL40の性能不足だけでは説明できなくなりつつある。

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    2026年F1マシンではエネルギーマネジメントがより重要に
    2026年F1レギュレーションでは電動パワーの比重が大幅に増しており、ドライバーが1周のどこでエネルギーを回生し、どこで放出するかが従来以上に重要になっている。

    そのため、コーナリングで失ったタイムをストレートの電力放出によって補おうとすれば、その後の加速区間で使えるエネルギーが不足する可能性がある。

    ピアストリの場合、ブレーキングから旋回にかけてのスタイルがリアのスライドを誘発し、それによってコーナーでタイムを失う。そして、その損失を補うためにバッテリーを多く使うという悪循環に陥っている可能性が指摘されている。

    モンツァでは問題がさらに表面化する可能性
    この特性は、今週末のF1イタリアGPでさらに大きな問題になる可能性がある。

    モンツァは長い全開区間と強いブレーキングを繰り返す特殊なサーキットであり、2026年型パワーユニットではエネルギーマネジメントが極めて重要になる。

    ストレートで必要以上にバッテリーを使用すれば、後半で電力が不足して最高速を失うリスクがある。また、ピアストリが抱えているとされるリアタイヤのスライドも、タイヤデグラデーションという形でレースペースに影響する可能性がある。

    その先にはバクー、シンガポール、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ、メキシコシティ、サンパウロと、ピアストリが過去にも苦戦した低グリップ特性を含むサーキットが続く。

    2026年の後半戦でノリスとの差を縮めるためには、ピアストリが単純にセットアップを改善するだけでなく、ブレーキングからスロットルへの移行を含めたドライビングそのものを2026年型F1マシンに適応させられるかが重要になりそうだ。

  • マクラーレンF1代表 オスカー・ピアストリ苦戦の原因は「心理面ではなく技術面」

    マクラーレンF1代表 オスカー・ピアストリ苦戦の原因は「心理面ではなく技術面」

    オスカー・ピアストリは、2026年F1シーズンでマクラーレンのMCL40から安定してパフォーマンスを引き出すことに苦戦している。オランダGPでも一時3番手を走りながら、最終的には6位まで後退した。

    マクラーレンF1チーム代表のアンドレア・ステラは、ピアストリが抱える問題について、心理的なものではなく、低グリップ状態のマシンに自身の自然なドライビングスタイルを適応させる必要があるという「純粋に技術的」な課題だと分析している。

    MCL40への適応に苦しむピアストリ
    オランダGPの週末は、ピアストリが最後にF1で勝利してからちょうど1年という節目でもあった。2025年はドライバーズタイトル争いを繰り広げながらシーズン終盤に勢いを失い、2026年には新世代マシンへの対応という新たな課題に直面している。

    ザントフォールトではチームメイトのランド・ノリスが優勝。ノリスは今季これでグランプリ2勝、スプリント1勝となった一方、ピアストリはここまで表彰台2回にとどまっている。

    特にハード寄りのタイヤコンパウンドでは、マクラーレンの2人がMCL40からパフォーマンスを引き出す方法に違いが見られる。ピアストリは昨年タイトル獲得に迫ったときの速さを見せる場面もあるものの、スティント後半になるとペースが低下するケースが目立っている。

    オランダGP決勝では、ピアストリはジョージ・ラッセルの隙を突く見事なオーバーテイクを決め、ハードタイヤで3番手を走行した。しかし、2セット目のハードタイヤに交換した後はペースが低下。フェラーリ勢にも先行を許し、最終的には6位でフィニッシュした。

    オスカー・ピアストリはF1オランダGPで一時3番手を走行したものの、最終的には6位に後退した

    低グリップでは自然なドライビングスタイルの変更が必要
    ステラは、こうしたピアストリの特徴は2025年シーズンにも確認されていたと説明した。

    「昨年すでにオスカーについて分かっていたことだが、技術的なドライビングという観点では、例えば昨年のメキシコやオースティンで見られたように、マシンのグリップレベルが低い場合、彼は自分のドライビングの仕方、考え方、そして期待するものを適応させる必要がある」

    「それには少し頭を使う必要があり、その結果としてコンマ数秒を失う。純粋な本能だけでドライブするのではなく、ある意味で状況を頭の中で処理しなければならないからだ。本来なら、自分が予想したことがそのまま起きる状態で走れる」

    ピアストリの場合、マシンの要求に合わせるため、本来持っている自然なドライビングスタイルを変えなければならない場面があるという。

    「だから、自分の自然なドライビングスタイルをマシンが要求するものに適応させなければならないケースのひとつだと思う。したがって、これはドライビングと技術面の領域にある問題だ」

    「心理的なものが関係しているとは思っていない。これは純粋に技術的なものだ。実際、今週末はオスカーが競争力のあるラップタイムを出しているところも見られた」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    2026年型F1マシンへの適応と序盤2戦DNSの影響
    2026年世代のF1マシンは2025年型とは大きく異なる。さらにピアストリはシーズン開幕から2戦連続でDNSとなり、実戦データを蓄積する機会を失った。

    新レギュレーション下では、ドライバー自身もエネルギーデプロイメントの最適な使い方やタイヤの扱い方を学ぶ必要がある。その状況でグランプリ2戦分の経験を得られなかったことも、ピアストリの適応を難しくした要因のひとつと考えられる。

    ただし、ステラはオランダGPで起きたすべてをピアストリのドライビングに帰するべきではないとも強調した。

    ピアストリはラッセルをオーバーテイクした後、一度はメルセデスを引き離すことに成功していた。しかし、ラッセルのピットストップをカバーするためにタイヤ交換を行った際、マクラーレン側の作業が遅れたことで再びラッセルの後方に戻ることになった。

    「レースではオスカーに影響した要因が2つあったと思う。ひとつはチーム側の責任だ。ラッセルをカバーするためにピットインしたとき、実際にはピットストップが遅かったためラッセルにポジションを奪われた。これはチームの責任であって、オスカーの責任ではない」

    2セット目のハードタイヤを機能させられず
    もうひとつの大きな問題が、2セット目のハードタイヤだった。

    「そしてハードタイヤでの2回目のスティントでは、このタイヤを機能させることができなかった。ずっと非常に、非常にグリップが低い領域にとどまっていた。最初のスティントでは見られなかったことだ」

    「だから、我々には取り組まなければならないことがいくつかある」

    ステラは同時に、2026年F1の上位争いが極めて僅差になっていることも、ピアストリの結果をより厳しいものにしていると指摘する。

    「ただ、それに加えて言っておきたいのは、今のF1は少なくとも3チームがコンマ1秒以内にいる状況だということだ。だから、何かひとつでも最適化されていなければ、順位という意味では非常に大きな損失になる可能性がある」

    「最適化できていなければ、今は6位になってしまう。その意味では非常に残酷だ」

    ステラは改善を評価「さらに良くなる」
    それでもステラは、オランダGPの週末を通じてピアストリに改善が見られたことを前向きに評価している。

    「だから、オスカーと一緒にあらゆる改善の可能性について取り組み続けるだけだ。今週末に見られた進歩には満足しているし、シーズンの残りではさらに改善していくと確信している」

    2025年にはF1タイトル争いの中心にいたピアストリだが、2026年は新世代マシンへの適応という別の難題に直面している。ただ、ステラが強調するように、それは自信や心理状態の問題ではなく、低グリップ時のMCL40にドライビングを合わせるという技術的な課題だ。

    トップチーム間がコンマ1秒単位で争う現在のF1では、そのわずかな適応の遅れが表彰台争いから6位まで順位を落とす結果にもつながる。ピアストリがMCL40の挙動に自身のドライビングを合わせ、より本能的に速さを引き出せるようになるかが、シーズン後半の巻き返しを左右するポイントとなりそうだ。